JP4862499B2 - 車両用可動バンパ装置 - Google Patents

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本発明は、車両前部のバンパーリインホースメントを車体に対して上下動可能に支持する支持手段と、前記バンパーリインホースメントの上下動のための駆動力を発生する駆動力発生手段と、駆動力発生手段を制御する制御手段とを備える車両用可動バンパ装置に関する。
従来から、フロントバンパの下部に車幅方向に沿う開口形状又は凹形状の収納部を形成し、該収納部内に車幅方向に沿う衝撃吸収体を設けると共に、該衝撃吸収体が、収納部よりも少なくとも一部を前方に突出させた突出位置と、該突出位置よりも後方の引込位置で、それぞれ保持可能な構造になっている車両用フロントバンパ構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、バンパ下側の格納位置に設けられたアクティブロアアブソーバを、駆動手段により前記格納位置から突出させるアクティブロアアブソーバ装置であって、車体の走行速度が第1所定速度と、前記第1所定速度より高速な第2所定速度と、の間の場合にのみ、前記アクティブロアアブソーバを前記駆動手段により前記格納位置から突出させる制御手段を有するアクティブロアアブソーバ装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−118331号公報 特開2005−254967号公報
ところで、悪路走行性能を向上させる観点からはアプローチアングルを大きく設定したいが、衝突性能(対車両衝突時のコンパティビリティ又は歩行者保護性能)を向上させる観点からは、車両前部のバンパーリインホースメントをあまり高い位置に設定できない。
そこで、本発明は、バンパーリインホースメントの高さを状況に応じて適切な高さに可変制御することができる車両用可動バンパ装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る車両用可動バンパ装置は、車両前部のバンパーリインホースメントを車体に対して上下動可能に支持する支持手段と、前記バンパーリインホースメントの上下動のための駆動力を発生する駆動力発生手段と、駆動力発生手段を制御する制御手段とを備える車両用可動バンパ装置であって、
車両前方の障害物に対する車両の衝突を予知する衝突予知手段を備え、
前記制御手段は、前記衝突予知手段により車両の衝突が予知された場合に、前記駆動力発生手段により、下端位置がフロントサイドメンバの前端部の下端位置よりも高い位置にある前記バンパーリインホースメントを前記フロントサイドメンバの前端部に対向する高さまで下方に移動させることを特徴とする。
の発明は、第の発明に係る車両用可動バンパ装置において、衝突対象物が歩行者であるか否かを判断する歩行者判断手段を備え、
前記制御手段は、前記歩行者判断手段により衝突対象物が歩行者であると判断された場合には、前記バンパーリインホースメントを更に下方に移動させることを特徴とする。これにより、所望のアプローチアングルを確保しつつ、衝突時の歩行者保護性能を高めることができる。
本発明によれば、衝突予知手段により車両の衝突が予知された場合に、バンパーリインホースメントを下方に移動させることで、所望のアプローチアングルを確保しつつ、衝突時の衝突性能を高めることができる。
以下、図面を参照して、幾つかの実施例に分けて、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明の実施例1による車両用可動バンパ装置を示す車両左側面の側面図であり、図1(A)は、バンパーリインホースメント72が通常位置にある通常状態を示し、図1(B)は、バンパーリインホースメント72が下方位置にある下降状態を示す。図2は、バンパーリインホースメント72の上下移動を実現する機構の一実施例を概略的に示す図である。尚、図1(A)及び図1(B)においては、車両のバンパ部70の内部の主要構成が模式的に示されており、図面の明瞭化のため、バンパーリインホースメント72及び衝撃吸収部材74については断面表示にて図示している。
バンパーリインホースメント72は、車両の幅方向に沿って延在する長尺な部材であり、図1(A)及び図1(B)に示すように、閉断面の板金部材である。バンパーリインホースメント72の前方には、衝撃吸収部材(アブソーバ)74が設けられる。衝撃吸収部材74は、例えば発泡材料からなり、バンパーリインホースメント72と同様に車両の幅方向に沿って延在し、バンパーリインホースメント72の前面に固定される。
バンパーリインホースメント72の後方には、車両の左右両側で車両の前後方向に延在する左右のフロントサイドメンバ80L、80R(図では左側のフロントサイドメンバ80Lのみ表示)が配置される。フロントサイドメンバ80L、80Rは、閉断面の強度部材であり、車両の衝突時の衝撃を他の強度部材(例えばロッカーパネルやピラー)に伝達すると共に、自ら変形して衝撃を吸収する役割を果たす。フロントサイドメンバ80L、80Rの前端部には、衝撃を吸収するのに適した構造(例えば変形を促進する屈曲部を有する構造)のクラッシュボックス81L、81R(図では左側のクラッシュボックス81Lのみ表示)が設定されてもよい。
バンパーリインホースメント72は、フロントサイドメンバ80L、80Rに対して固定支持されず、左右のスライドレール98L、98Rを介して車体に対して上下動可能に支持される。スライドレール98L、98Rは、バンパーリインホースメント72の車両幅方向端部付近に、左右にそれぞれに設けられてよい。スライドレール98L、98Rは、バンパーリインホースメント72に対して固定されたスライダ96L、96Rを上下方向に沿って摺動可能に支持し、スライダ96L、96Rは、スライドレール98L、98Rの長手方向に沿って案内される。スライドレール98L、98Rは、車体(例えばフロントサイドメンバ80L、80R)に対して固定支持される。尚、スライダ96L、96Rの摺動方向、即ちバンパーリインホースメント72の上下移動方向は、必ずしも鉛直方向である必要はなく、鉛直方向に対して傾斜していてもよい。
スライド96L、96Rの上下移動(及びそれに伴うバンパーリインホースメント72の上下移動)は、モータ90の駆動力により実現される。モータ90の出力軸には、図2に示すように、第1のワイヤ92及び第2のワイヤ94が接続される。モータ90の回転出力は、第1のワイヤ92及び第2のワイヤ94の回転運動に変換される。第1のワイヤ92の端部は、螺子山が形成された回転軸部93Lを構成する。回転軸部93Lは、車両左側のスライドレール98Lの案内溝内に通される。スライダ96Lは、回転軸部93Lが挿通される挿通穴95Lを有し、挿通穴95Lの内周面には、回転軸部93Lの螺子山に対応した螺子溝が形成されている。
第2のワイヤ94側についても同様に構成されており、車両右側のスライドレール98Rに支持されたスライダ96Rに同様に接続されている。第2のワイヤ94の端部は、螺子山が形成された回転軸部93Rを構成する。回転軸部93Rは、車両右側のスライドレール98Rの案内溝内に通される。スライダ96Rは、回転軸部93Rが挿通される挿通穴95Rを有し、挿通穴95Rの内周面には、回転軸部93Rの螺子山に対応した螺子溝が形成されている。尚、左右の回転軸部93L、93R及びスライダ96L、96Rの螺子山及び螺子溝は、後述のようにバンパーリインホースメント72の左右の端部を同一方向に移動させるように形成される。
モータ90が第1方向に回転し、第1のワイヤ92及び第2のワイヤ94が第1方向に回転すると、左右の回転軸部93L、93Rの回転がスライダ96L、96Rの直線移動に変換され、スライドレール98L、98R内をスライダ96L、96Rが下方に移動される。これにより、バンパーリインホースメント72の位置が下降される。一方、モータ90が第2方向に回転し、第1のワイヤ92及び第2のワイヤ94が第2方向に回転すると、左右の回転軸部93L、93Rの回転がスライダ96L、96Rの直線移動に変換され、スライドレール98L、98R内をスライダ96L、96Rが上方に移動される。これにより、バンパーリインホースメント72の位置が上昇される。このようにバンパーリインホースメント72の位置(高さ)は、スライドレール98L、98Rのストローク内で自由に変化させることができる。
尚、モータ90の駆動力をバンパーリインホースメント72の上下運動に変換する手段は、上述のような第1のワイヤ92及び第2のワイヤ94及びスライダ96L、96Rを用いたスライド機構の他にも、ワイヤを移動させることで同様のスライダを移動させる機構や、ボールねじナットを用いた機構や、ラック&ピニオンなどのギア機構やアーム機構等により実現されてもよい。
バンパーリインホースメント72の通常状態では、バンパーリインホースメント72の高さは、図1(A)に示すように、フロントサイドメンバ80L、80Rよりも高い位置に設定される。即ち、バンパーリインホースメント72の下端位置は、フロントサイドメンバ80L、80Rの前端部の下端位置よりも高さH(>0)だけ上方にオフセットした位置に設定される。通常状態でのバンパーリインホースメント72の高さは、バンパーリインホースメント72の下端位置が所望のアプローチアングルαを確保するための障害とならないように、設定される。
一方、バンパーリインホースメント72の下降状態は、バンパーリインホースメント72の高さは、図1(B)に示すように、フロントサイドメンバ80L、80Rの前端部に対向する位置に設定される。即ち、バンパーリインホースメント72の下端位置は、フロントサイドメンバ80L、80Rの前端部の下端位置と略同一の高さに設定される。バンパーリインホースメント72の高さに関する技術的意義については後述する。
図3は、車両用可動バンパ装置の制御系の主要構成を示すシステム構成図である。本実施例の車両用可動バンパ装置は、プリクラッシュECU(電子制御ユニット)800と、モータECU700とを中心として構成される。
モータECU700は、プリクラッシュECU800と同様、マイクロコンピュータによって構成されており、例えば、制御プログラムを格納するROM、演算結果等を格納する読書き可能なRAM、タイマ、カウンタ、入力インターフェイス、及び出力インターフェイス等を有する。
モータECU700は、後述の如くプリクラッシュシステムECU800からの指示に従って、モータ90に対する印加電圧を制御して、バンパーリインホースメント72の高さ(即ち通常状態又は下降状態)を制御する。
プリクラッシュECU800には、図1に示すように、例えば専用のシリアル通信線を介して、衝突対象物検出手段50が接続される。また、プリクラッシュECU800には、CAN(controller area network)などの適切なバスを介して、モータECU700を含む各種ECUや、加速度センサ30等の各種センサが接続される。
加速度センサ30は、車両のフロアトンネル(図示せず)に取付けられ、当該取付け位置の車両前後方向の減速度を検出するフロアセンサと、車両のフロントサイドメンバ80L、80Rの前方に取付けられ、当該取付け位置の減速度を検出する左右フロントセンサとから構成されている。左右フロントセンサは省略されてもよい。
衝突対象物検出手段50は、車両に対して衝突の可能性のある物体を衝突対象物として検出し、当該衝突対象物に関する情報(衝突対象物情報)を生成する。衝突対象物情報は、衝突対象物の位置、速度及び進路を含んでよい。この種の衝突対象物情報は、例えば車両のフロントグリル付近に若しくはフロントバンパ内部に車両前方を監視するように配設されるレーダセンサにより取得可能である。レーダセンサは、検出波を放射し、その放射された検出波のうち、レーダセンサの検出ゾーン内の衝突対象物(典型的には、先行車)によって反射した検出波を受けることにより、衝突対象物の自車からの距離や、衝突対象物の自車に対する相対的な方向や速度を衝突対象物情報として生成する。レーダセンサが放射する検出波としては、光波(例えば、レーザ波)や電波(例えば、ミリ波)、音波(例えば、超音波)であってよい。
衝突対象物情報は、レーダセンサに代えて又はそれに加えて、画像センサに基づいて生成されてもよい。画像センサは、例えばCCD(ステレオ)カメラ(以下、「前方監視カメラ」という)を用いたセンサである。前方監視カメラは、車両前方の風景を撮像するように搭載され、例えば車室内のルームミラー付近に固定される。画像センサは、前方監視カメラが撮像した衝突対象物の画像データに基づいて、例えば三角測量の原理を用いて、衝突対象物の自車からの距離や、衝突対象物の自車に対する相対的な方向や速度を衝突対象物情報として生成する。或いは、衝突対象物情報は、車載通信器を用いた車車間通信又は路車間通信を介して生成されてもよい。
プリクラッシュECU800は、車両の衝突の前段階を検出する衝突不可避判定部802と、バンパ位置指示部806と、衝突判定部809と、を含む。
衝突不可避判定部802には、衝突対象物情報や各種センサの出力信号が、適切な周期毎にリアルタイムに入力される。衝突判定部809には、加速度センサ30の出力信号が、適切な周期毎にリアルタイムに入力される。
図4は、図3に示したプリクラッシュECU800により実現される主要処理流れを示すフローチャートである。
ステップ100では、衝突不可避判定部802は、衝突対象物情報に基づいて、車両前方の障害物に対する車両の衝突を予知する。即ち、衝突不可避判定部802は、衝突対象物情報に基づいて、車両前方に検出される衝突対象物に対して車両が衝突不可避である否かを判定する。この衝突不可避判定手法は、プリクラッシュセーフティシステムの分野で各種提案されており、これらの判定ロジックの任意のものが用いられよい。例えば、自車進路上に衝突対象物が存在し、衝突前時間(=相対距離/相対速度)が所定値以下となった場合に、衝突不可避であると判定するものであってよい。また、不可避判定は、必ずしもON/OFF判定である必要はなく、多段階的に評価されてもよい。衝突不可避であると判定された場合には、ステップ110に進み、衝突不可避であると判定されない場合は、今回の処理ルーチンはそのまま終了する。
ステップ110では、バンパ位置指示部806は、モータECU700に対して、バンパーリインホースメント72の下降状態を形成するように指示を出力する。これに応じて、モータECU700は、モータ90を制御して、バンパーリインホースメント72を下方に移動させて、図1(B)に示すバンパーリインホースメント72の下降状態を形成する。尚、バンパーリインホースメント72が下降位置まで至ったことは、リミットスイッチ(図示せず)により検出されてよい。
ステップ120では、衝突判定部809は、加速度センサ30の出力信号に基づいて、上記の衝突予知時点から所定時間内に実際に衝突が検出されるか否かを判定する。尚、衝突判定部809は、例えば衝突発生時にエアバックを起動するエアバックECU(図示せず)からの情報に基づいて、衝突の有無を判定してもよい。いずれにしても、加速度センサ30の出力値が所定閾値を超えるような衝突が検出された場合には、そのまま終了し、衝突が検出されない場合には、ステップ130に進む。尚、衝突不可避と判断されたにも拘らず、衝突が検出されない場合とは、例えば衝突対象物側での衝突回避動作のような、その後の予期せぬ環境変化により衝突が回避されるような場合等が該当する。
ステップ130では、バンパ位置指示部806は、モータECU700に対して、上記ステップ110により変化させたバンパーリインホースメント72の高さを、元に戻すように指示を出力する。これに応じて、モータECU700は、モータ90を制御して、バンパーリインホースメント72を上方に移動させて、図1(A)に示すバンパーリインホースメント72の通常状態を復帰させる。尚、バンパーリインホースメント72が通常状態まで至ったことは、リミットスイッチ(図示せず)により検出されてよい。
ところで、図1(A)に示す通常状態では、バンパーリインホースメント72の高さが、図1(B)に示す下降状態に比べて、高い位置にあるので、アプローチアングルを大きく設定することができる。即ち、通常状態のアプローチアングルαは、下降状態のアプローチアングルβより大きくなる。アプローチアングルは、原則的に、大きいほど悪路走行性能には有利となる。一方、その反面、図1(A)に示す通常状態では、バンパーリインホースメント72が、フロントサイドメンバ80L、80Rの前端部よりも上側にオフセットされているので、車両衝突時に、バンパーリインホースメント72からフロントサイドメンバ80L、80Rの前端部へと衝撃力を効率的に伝達することができず、対車両衝突時のコンパティビリティ又は歩行者保護性能が悪化することになる。
これに対して、図1(B)に示す下降状態では、バンパーリインホースメント72が、フロントサイドメンバ80L、80Rの前端部に対向しているので、車両衝突時に、バンパーリインホースメント72からフロントサイドメンバ80L、80Rの前端部へと衝撃力を効率的に伝達することができ、対車両衝突時のコンパティビリティ又は歩行者保護性能が良好となる。
従って、本実施例によれば、上述の如く、通常的な走行時には、バンパーリインホースメント72は通常状態を形成することで、悪路走行性能を高めることができる一方、車両の衝突が予知された場合には、バンパーリインホースメント72の下降状態を形成することで、対車両衝突時のコンパティビリティ又は歩行者保護性能を高めることができる。
実施例2は、上述の実施例1に対して、対歩行者衝突用にバンパーリインホースメントを更に下降させる構成を有する点が、主に異なる。以下では、実施例2に特有な構成を重点的に説明し、実施例1と同様の構成について同様の参照符号を付して説明を適宜省略する。
図5は、実施例2による車両用可動バンパ装置を示す車両左側面の側面図であり、バンパーリインホースメント72’が最下方位置にある最下降状態を示す。尚、図5においては、車両のバンパ部70’の内部の主要構成が模式的に示されており、図面の明瞭化のため、バンパーリインホースメント72’及び衝撃吸収部材74’については断面表示にて図示している。
バンパーリインホースメント72’は、上述の実施例1と同様、車体に対して上下動可能に支持されている。バンパーリインホースメント72’の支持手段及び駆動手段については、バンパーリインホースメント72’の可動量(最下方位置を設定する分だけ長くなる)が異なることに関連する相違以外は、上述の実施例1と実質的に同様であってよいので、説明を省略する。
バンパーリインホースメント72’の通常状態及び下降状態については、上述の実施例1(図1(A)及び図1(B)にそれぞれ示した通常状態及び下降状態)と同様であり、図示を省略する。
一方、バンパーリインホースメント72’の最下降状態では、バンパーリインホースメント72’の高さは、バンパーリインホースメント72’の下降状態における同高さよりも更に低く、図5に示すように、フロントサイドメンバ80L’、80R’よりも低い位置に設定される。即ち、最下降状態では、バンパーリインホースメント72’の下端位置は、フロントサイドメンバ80L’、80R’の前端部の下端位置よりも高さD(>0)だけ下方にオフセットした位置に設定される。最下降状態でのバンパーリインホースメント72’の下端位置は、後述のように歩行者の脚部の巻き込みや押し倒しを適切に防止すべく、地面に近いほど望ましい。
図6は、車両用可動バンパ装置の制御系の主要構成を示すシステム構成図である。本実施例の車両用可動バンパ装置は、プリクラッシュECU800’と、モータECU700’とを中心として構成される。
プリクラッシュECU800’は、車両の衝突の前段階を検出する衝突不可避判定部802’と、衝突対象物が歩行者であるか否かを判断する歩行者判定部804と、バンパ位置指示部806’と、衝突判定部809’と、を含む。
図7は、図6に示したプリクラッシュECU800’により実現される主要処理流れを示すフローチャートである。
ステップ200では、衝突不可避判定部802’は、衝突対象物情報に基づいて、車両前方に検出される衝突対象物に対して車両が衝突不可避である否かを判定する。
ステップ210では、歩行者判定部804は、衝突対象物情報に基づいて、衝突不可避と判定された衝突対象物が歩行者であるか否かを判定する。例えば、歩行者判定部804は、レーダセンサにより取得される反射波の強度や、反射波の特徴により衝突対象物が歩行者であるか否かを判定してもよい。或いは、歩行者判定部804は、前方監視カメラにより取得される画像に対して、エッジ処理により特徴点を抽出し、その輪郭線の形状が歩行者の特徴であるか否かを判定してもよい。或いは、歩行者判定部804は、前方監視カメラが赤外線感応CCDを備える場合に、認識対象物の温度特徴に基づいて衝突対象物が歩行者であるか否かを判定してもよい。或いは、これらの判定結果を複合的に考慮してもよい。衝突対象物が歩行者であると判定された場合には、ステップ220に進み、衝突対象物が歩行者でないと判定された場合は、ステップ230に進む。
ステップ220では、バンパ位置指示部806’は、モータECU700’に対して、バンパーリインホースメント72’の最下降状態を形成するように指示を出力する。これに応じて、モータECU700’は、モータ90’を制御して、バンパーリインホースメント72’を下方に移動させて、図5に示すバンパーリインホースメント72’の最下降状態を形成する。
ステップ230では、バンパ位置指示部806’は、モータECU700’に対して、バンパーリインホースメント72’の下降状態を形成するように指示を出力する。これに応じて、モータECU700’は、モータ90’を制御して、バンパーリインホースメント72’を下方に移動させて、バンパーリインホースメント72’の下降状態を形成する(図1(B)参考)。
ステップ240では、衝突判定部809’は、加速度センサ30’の出力信号に基づいて、上記の衝突予知時点から所定時間内に実際に衝突が検出されるか否かを判定する。加速度センサ30’の出力値が所定閾値を超えるような衝突が検出された場合には、そのまま終了し、衝突が検出されない場合には、ステップ250に進む。
ステップ250では、バンパ位置指示部806’は、モータECU700’に対して、上記ステップ220又は230により変化させたバンパーリインホースメント72’の高さを、元に戻すように指示を出力する。これに応じて、モータECU700’は、モータ90’を制御して、バンパーリインホースメント72’を上方に移動させて、バンパーリインホースメント72’を通常状態(図1(A)参考)に復帰させる。これにより、上述の衝突不可避との判定がなされた時にのみバンパーリインホースメント72’の位置が下降されることになるので、以後の車両走行において、アプローチアングルが大きくなり(β又はγからαへと変化し)、良好な悪路走行性能が維持される。
ところで、スポーツユーティリティ車(SUV:Sports Utility Vehicle)やオフロード車などのバンパ高さが比較的大きい車両は、歩行者との衝突時に、高い位置にあるバンパ部70’に起因して、歩行者の脚部の巻き込みや押し倒しを引き起こしてしまう虞がある。即ち、通常状態においてはことさら、下降状態においても、バンパーリインホースメント72’が比較的高い位置に設定されているので、歩行者の脚部の巻き込みや押し倒しを引き起こしてしまう虞がある。
これに対して、本実施例によれば、上述の如く、衝突不可避であると判定され、且つ、衝突対象物が歩行者であると判定された場合には、バンパーリインホースメント72’の高さが最下降位置まで下降されるので、以後発生しうる歩行者との衝突時に、歩行者の脚部の巻き込みや押し倒しを効果的に低減することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例1(実施例2の場合も同様。)では、通常状態において、バンパーリインホースメント72は、フロントサイドメンバ80L、80Rの前端部に対して高さ方向でオーバーラップしている部分を有しているが(即ち、オフセット分の高さHは、フロントサイドメンバ80L、80Rの高さ方向の幅h1に対して、H<h1なる関係であるが)、オーバーラップしている部分の高さ方向の幅(=h1−H)は、必要なアプローチアングルを確保するために必要に応じて、例えばフロントサイドメンバ80L、80Rの端部の高さ方向の幅h1の半分以下とされてもよいし、究極的には、バンパーリインホースメント72をフロントサイドメンバ80L、80Rに対して十分高い位置に設定して、完全にオーバーラップしないようにしてもよい。
また、上述の実施例1(実施例2の場合も同様。)では、下降状態におけるバンパーリインホースメント72からフロントサイドメンバ80L、80Rへの衝撃の伝達性能を高めるために、バンパーリインホースメント72の高さ方向の幅h2は、フロントサイドメンバ80L、80Rの端部の高さ方向の幅h1と略同一に設定されているが、いずれかが小さくてもよい。この場合、下降状態において、バンパーリインホースメント72の高さ方向の中心位置が、フロントサイドメンバ80L、80Rの高さ方向の中心位置に略一致させることが好適である。
また、上述の実施例では、衝突の前段階を検出した場合に、バンパーリインホースメント72、72’を下降位置に移動させているが、例えば高速道路走行中など、大きなアプローチアングルが必要とされない走行環境においては、バンパーリインホースメント72、72’を下降位置に移動させることとしてもよい。
また、上述の実施例では、通常走行時に、バンパーリインホースメント72、72’を通常状態に保持しているが、通常走行時においては、バンパーリインホースメント72、72’を下降状態に保持し、オフロード走行時においては、バンパーリインホースメント72、72’を通常位置へと上昇させることしてもよい。
また、上述の実施例においては、バンパーリインホースメント72、72’が下降状態にあるときには、図1(B)等に示すように、バンパーリインホースメント72、72’が外部に露出して見栄えを損なう虞があるので、適切な化粧部材をバンパーリインホースメント72、72’の前面(正確には、衝撃吸収部材74、74’の前面)に設けてもよい。
また、上述の実施例では、プリクラッシュECU800、800’とモータECU700、700’が設けられているが、モータECU700、700’の機能の一部又は全部をプリクラッシュECU800、800’に組み込んでもよいし、逆に、プリクラッシュECU800、800’の機能の一部又は全部をモータECU700、700’に組み込んでもよい。
また、上述の実施例において、バンパーリインホースメント72、72’を下降状態に変化させることに加えて、他の歩行者保護制御を実行することも可能である。例えば、車高を可変制御可能な車両やサスペンション特性を可変制御可能な車両においては、バンパーリインホースメント72、72’を下降させると共に、車高を最低にし、及び/又は、サスペンションの減衰率(及び/又は弾性率)を最低にしてもよい。
本発明の実施例1による車両用可動バンパ装置を概略的に示す車両側面図である。 バンパーリインホースメント72の上下移動を実現する機構の一実施例を概略的に示す図である。 実施例1による車両用可動バンパ装置の制御系の主要構成を示すシステム構成図である。 実施例1によるプリクラッシュECU800により実現される主要処理流れを示すフローチャートである。 実施例2による車両用可動バンパ装置を概略的に示す車両側面図である。 実施例2による車両用可動バンパ装置の制御系の主要構成を示すシステム構成図である。 実施例2によるプリクラッシュECU800’により実現される主要処理流れを示すフローチャートである。
符号の説明
30 加速度センサ
70、70’ バンパ部
72、72’ バンパーリインホースメント
74、74’ 衝撃吸収部材74
80L、80R、80L’、80R’ フロントサイドメンバ
81L、81R、81L’、81R’ クラッシュボックス
90、90’ モータ
92 第1のワイヤ
93L、93R 回転軸部
94 第2のワイヤ
96L、96R、96L’、96R’ スライダ
98L、98R、98L’、98R’ スライドレール
700、700’ モータECU
800、800’ プリクラッシュECU
802、802’ 衝突不可避判定部
804 歩行者判定部
806、806’ バンパ位置指示部
809、809’ 衝突判定部

Claims (2)

  1. 車両前部のバンパーリインホースメントを車体に対して上下動可能に支持する支持手段と、前記バンパーリインホースメントの上下動のための駆動力を発生する駆動力発生手段と、駆動力発生手段を制御する制御手段とを備える車両用可動バンパ装置であって、
    車両前方の障害物に対する車両の衝突を予知する衝突予知手段を備え、
    前記制御手段は、前記衝突予知手段により車両の衝突が予知された場合に、前記駆動力発生手段により、下端位置がフロントサイドメンバの前端部の下端位置よりも高い位置にある前記バンパーリインホースメントを前記フロントサイドメンバの前端部に対向する高さまで下方に移動させることを特徴とする、車両用可動バンパ装置。
  2. 衝突対象物が歩行者であるか否かを判断する歩行者判断手段を備え、
    前記制御手段は、前記歩行者判断手段により衝突対象物が歩行者であると判断された場合には、前記バンパーリインホースメントを更に下方に移動させる、請求項1に記載の車両用可動バンパ装置。
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