JP2004017812A - 車両用衝突保護装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両と歩行者との衝突の際、歩行者を衝突から、より有効に保護すべく、各保護手段の作動態様や作動条件を、必要に応じて制御することができる装置の提供を目的としている。
【解決手段】上記課題を解決するために本願発明の車両用衝突保護装置は、障害物の衝突を予知する障害物衝突予知手段と、障害物の衝突を検知する障害物衝突検知手段と、前記障害物衝突予知手段により障害物の衝突を予知したとき、又は前記障害物衝突検知手段により衝突を検知したときに障害物の保護を実行する衝突予知保護手段と、前記障害物衝突検知手段により障害物の衝突を検知したときに障害物の保護を実行する衝突保護手段と、前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて、車両が障害物に衝突したときの動作条件を決定する決定手段とを備えた車両用衝突保護装置であることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】上記課題を解決するために本願発明の車両用衝突保護装置は、障害物の衝突を予知する障害物衝突予知手段と、障害物の衝突を検知する障害物衝突検知手段と、前記障害物衝突予知手段により障害物の衝突を予知したとき、又は前記障害物衝突検知手段により衝突を検知したときに障害物の保護を実行する衝突予知保護手段と、前記障害物衝突検知手段により障害物の衝突を検知したときに障害物の保護を実行する衝突保護手段と、前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて、車両が障害物に衝突したときの動作条件を決定する決定手段とを備えた車両用衝突保護装置であることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、車両の走行中において、車両が障害物である歩行者に衝突することを予知したとき、又は、衝突したことを検知したときに、歩行者の損傷を最小限にするべく保護する車両用衝突保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両と歩行者の衝突の際に歩行者を保護する技術には、特開2001−315599号公報に記載された車両用歩行者保護装置がある。これは、車両と歩行者の衝突の際に、バンパ前方及び上方に展開するエアバッグ装置であり、歩行者の身体全体を保護するためになされた発明である。
【0003】
また、特開2000−255350号公報に記載された車両の前方車体構造は、車両と障害物である歩行者の衝突の際に、バンパ前方かつ下方に突出することにより、歩行者をボンネット上に倒し込んで、歩行者の脚部を重点的に保護するためになされた、下脚サポートアームについての発明である。
【0004】
さらに、特開平6−144154号公報に記載された衝撃緩和装置は、車両と障害物である歩行者の衝突の際に、又は衝突を予知した際に、バンパ前方に展開することで、歩行者などの障害物との衝突の際の衝撃を緩和させるエアバッグ装置についての発明である。
【0005】
このように、従来から、車両と障害物である歩行者の衝突の際に、障害物である歩行者を保護する保護装置は種々開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかる保護装置をいかなる状況においても、常に同じ態様で作動させることとしていると、以下に述べる問題が生ずる。
つまり、上述のような、下脚サポート部材は、衝突を予知した早い段階で作動させる必要があるが、衝突を予知できず作動させられなかった場合と、衝突を予知できて作動させられた場合とでは、車両に衝突する歩行者の状態が異なる。
従って、その後に作動させる他の保護装置の作動又は展開させる作動態様・作動時間なども、歩行者の状態に対応して異ならせる必要がある。
【0007】
また、バンパエアバッグ装置などの車両前方に展開するエアバッグ装置は、衝突の衝撃を確実に吸収し、歩行者を保護することができるが、展開する際の圧力により、歩行者に過大な圧力負担をかけてしまう可能性がある。
従って、歩行者と車両の関係によって、展開を許容するか否かの判断も、必要である。
【0008】
さらに、歩行者が接触する可能性の高いボンネットでの保護装置として、ボンネット持上げ機構やフードエアバッグ装置などのフード保護手段があり、フロントウインドウでの保護装置として、ウインドウエアバッグ装置などの保護手段がある。
これらについても上述と同様に、予知できた場合と予知できなかった場合とで異なる作動態様とすることもできるが、場合によっては、作動条件や作動態様などを変更しない方が良い場合がある。
【0009】
特に、大きな衝突の時の大きな衝撃にのみ反応する低感度の検知手段によって作動する保護装置については、他の保護装置による保護にもかかわらず、作動させる必要があるものであるため、むやみに歩行者の状態を推測して作動条件や作動態様などを変更するのは妥当ではない。
従って、一定の保護手段については、他の保護手段の作動態様や、衝突の予知の有無などに影響されないようにすることも必要である。
【0010】
そこで、本願発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、車両と歩行者との衝突の際、歩行者を衝突から、より有効に保護すべく、各保護手段の作動態様や作動条件を、必要に応じて制御することができる装置の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願発明の車両用衝突保護装置は、障害物の衝突を予知する障害物衝突予知手段と、障害物の衝突を検知する障害物衝突検知手段と、前記障害物衝突予知手段により障害物の衝突を予知したとき、又は前記障害物衝突検知手段により衝突を検知したときに障害物の保護を実行する衝突予知保護手段と、前記障害物衝突検知手段により障害物の衝突を検知したときに障害物の保護を実行する衝突保護手段と、前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて、車両が障害物に衝突したときの動作条件を決定する決定手段とを備えた車両用衝突保護装置であることを特徴とする。
【0012】
更に有効に上記課題を解決するために、請求項2に記載するように、本願発明の車両用衝突保護装置は、前記決定手段により決定する動作条件を、前記障害物衝突検知手段の検知条件及び/又は、前記衝突保護手段の作動態様で設定することができる。
【0013】
また、更に、請求項3に記載するように、本願発明の車両用衝突保護装置は、前記衝突予知保護手段を、車両のバンパ前方に突出することにより歩行者の脚部を保護する脚部保護手段で形成し、前記障害物衝突予知手段が衝突予知しなかったときには、衝突を検知しやすくすべく、予知したときよりも、前記障害物衝突検知手段の検知条件である検知閾値を小さく設定することができる。
【0014】
他の態様として、請求項4に記載するように、本願発明の車両用衝突保護装置は、前記衝突予知保護手段を、車両のバンパ前方に突出することにより歩行者の脚部を保護する脚部保護手段で形成し、前記障害物衝突予知手段が衝突予知しなかったときには、前記衝突保護手段の動作を早くすべく、予知したときよりも、前記衝突保護手段の作動時間を短く設定することもできる。
【0015】
これらの本願発明により、更に確実に上記課題を解決できるようにするべく、請求項5に記載するように、車両の車高を検知する車高検知手段を備え、前記障害物衝突予知手段に歩行者の体格を認識する機能を付加し、前記脚部保護手段の作動高さを調整可能に構成し、前記車高検知手段により検知した車高及び、前記障害物衝突予知手段により認識した歩行者の体格に基づいて、前記脚部保護手段の作動高さを設定できるようにすることができる。
【0016】
また、請求項6に記載するように、車両の車高を検知する車高検知手段と、車両の車高を調整できる車高調整手段を備え、前記障害物衝突予知手段に歩行者の体格を認識する機能を付加し、前記車高調整手段により前記脚部保護手段の高さを調整可能に構成し、前記車高検知手段により検知した車高及び、前記障害物衝突予知手段により認識した歩行者の体格に基づいて、前記車高調整手段により前記脚部保護手段の高さを設定できるようにすることができる。
【0017】
前記脚部保護手段を利用しない場合として、請求項7に記載するように、前記衝突予知保護手段を、車両のバンパ前方に展開するバンパエアバッグ手段で形成し、前記障害物衝突予知手段が衝突予知しなかったときには、衝突を検知しにくくすべく、予知したときよりも、前記障害物衝突検知手段の検知条件である検知閾値を大きく設定することができる。
【0018】
同様に、上記課題を解決するべく、請求項8に記載するように、前記衝突予知保護手段を、車両のバンパ前方に展開するバンパエアバッグ手段で形成し、前記障害物衝突予知手段が衝突予知しなかったときには、前記障害物衝突検知手段による衝突検知があったときでも、前記衝突予知保護手段を作動させないようにすることができる。
【0019】
また、衝突を予知できた場合と予知できなかった場合とで、作動条件や作動態様などを変更しない方が良い場合に対応するため、請求項9に記載するように、前記障害物衝突検知手段を高感度及び低感度の検知機能を備え、高感度の障害物衝突検知手段の検知条件及び/又は、高感度の障害物衝突検知手段の検知に基づいて作動する前記衝突保護手段の作動態様を、前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて決定し、低感度の障害物衝突検知手段の検知条件及び/又は、低感度の障害物衝突検知手段の検知に基づいて作動する前記衝突保護手段の作動態様を、前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて決定しないようにすることができる。
【0020】
同様に、上記課題を解決するべく、請求項10に記載するように、前記障害物衝突検知手段を高感度及び低感度の複数の検知手段により形成し、高感度の障害物衝突検知手段の検知条件及び/又は、高感度の障害物衝突検知手段の検知に基づいて作動する前記衝突保護手段の作動態様を、前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて決定し、前記障害物衝突予知手段により衝突予知をしなかった場合には、低感度の障害物衝突検知手段による衝突検知があったときでも、前記衝突保護手段を作動させないようにすることができる。
【0021】
これらの発明の有効な態様として、請求項11に記載するように、高感度の障害物衝突検知手段に基づく前記衝突保護手段を、障害物と車両のボンネットとの衝突を和らげるフード保護手段で形成し、低感度の障害物衝突検知手段に基づく前記衝突保護手段を、障害物と車両のフロントウインドウとの衝突を和らげるウインドウ保護手段で形成した車両用衝突保護装置とすることができる。
【0022】
【発明の作用・効果】
請求項1及び2に記載の本願発明により、歩行者などの障害物と車両との衝突予知の有無に応じて、保護手段の作動態様、作動時間や作動条件などの動作条件を、障害物を確実に保護できるように決定することができ、より有効な歩行者などの障害物保護を実行することができる。
つまり、衝突の予知、又は衝突の予知による保護手段の作動などに関わりなく、常に、歩行者などの障害物の状況に対応して、最も有効な保護手段の活用をすることができるとともに、新たな保護手段を設けることなく、既存の保護手段を用いて最大の保護効果を得ることができるようになる。
【0023】
請求項3に記載の本願発明により、より積極的に歩行者の脚部を保護することができるとともに、衝突を予知できなかったときには、予知しているときよりも敏感に保護動作をすることができ、予知ができなかった場合の保護動作の遅れを補完することができる。
【0024】
請求項4に記載の本願発明により、より積極的に歩行者の脚部を保護することができるとともに、衝突を予知できなかったときには、予知しているときよりも早く保護動作をすることができ、予知ができなかった場合の保護動作の遅れを補完するとともに、歩行者に対する適切な保護手段の作動タイミングを維持することができる。
【0025】
請求項5及び6に記載の本願発明により、請求項3又は4に記載の発明の効果に加え、車両の車高と、認識した歩行者の体格から最適な脚部保護手段の作動する高さを設定することができることにより、歩行者にとって最も効果的な位置に脚部保護手段を位置させることができ、より有効に歩行者の脚部保護の実行を図ることができる。
【0026】
請求項7に記載の本願発明により、より積極的に歩行者を衝突の衝撃から保護することができるとともに、バンパエアバッグ手段によって吸収された衝撃によっても、十分にその他の保護手段を作動させるようにすることができ、より有効な歩行者の保護の実行を図ることができる。
【0027】
請求項8に記載の本願発明により、衝突を予知したときには、より積極的に歩行者を衝突の衝撃から保護することができるとともに、衝突を予知できないまま衝突したときには、バンパエアバッグ手段を作動させないことにより、バンパエアバッグ手段の展開圧力によって、歩行者に過大な圧力負担をかけないようにすることで、歩行者のより有効な保護の実行を図ることができる。
【0028】
請求項9及び11に記載の本願発明により、上記発明の効果に加え、低感度の障害物衝突検知手段と、これに基づいて作動する衝突保護手段を、衝突の予知の有無に左右されないことにより、大きな衝突の時の大きな衝撃にのみ反応する低感度の検知手段によって作動する保護装置の適切な作動を確保することができる上、歩行者の保護と、車両乗員の視界確保による保護との、両立を図ることができる。
【0029】
請求項10及び11に記載の本願発明により、上記発明の効果に加え、衝突を予知できなかった場合には、低感度の障害物衝突検知手段に基づいて作動する衝突保護手段を、衝突を検知したときでも作動させないことにより、車両の乗員の視界確保による保護を図り、結果として、衝突事故の規模縮小による歩行者の保護を図ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、車両用衝突保護装置の第1の例をブロック説明図によって表わしている。
この例の装置は、請求項1、2、3、5に対応している。
ここで、衝突予知センサ13は、障害物衝突予知手段に対応しており、例えば、CCD等のカメラや、超音波センサ、赤外線レーダ、レーザーレーダ、ミリ波レーダなどで構成する。ここで、請求項5に対応する場合には、衝突予知センサ13はCCD等のカメラなどで構成し、これによって取得した画像に基づいて、歩行者の体格を認識し、後述する下脚サポート17の作動に用いることとすることができる。
衝突検知センサ14は、障害物衝突検知手段に対応しており、例えば、圧力センサ、応力センサ、感圧センサなどで構成する。
車速センサ15は、車両のタイヤの回転数などから、車両の速度を測定する。
車高センサ16は、前輪側16a、後輪側16bと、分けて構成してもよく、地面と車両との間隔を測定し、車高としての情報を得る。このとき、前輪側16a、後輪側16bで、それぞれ取得した情報に基づいて、車両前方の障害物に衝突する高さを計算して求めることもできる。
【0031】
中央処理装置10は、一時記憶装置であるRAM11と、情報読出し記憶装置であるROM12とを有した演算装置であり、決定手段に対応している。例えば、マイクロコンピュータ、汎用CPUなどで構成することができる。
【0032】
下脚サポート17は、衝突予知保護手段の一例であり、通常時は車両のバンパ2下方、又は内部に収納されているものであり、衝突予知時、又は衝突時において、車両のバンパ前方に摺動、回動、展開して、障害物である歩行者の下脚部、特に膝よりも下の部分を押し払う。これにより、歩行者を車両のボンネット3上に乗せ逃がすことができ、この歩行者に加えられる衝撃を効率よく緩和することができるものである。例えば、車両の横方向に伸びる棒状のサポート部材と、これを支える支持部材とで構成したり、空気圧で突出したバンパ形状に展開するエアバッグ構造で構成したりできる。これの例として、図10乃至図13に棒状部材を用いた場合を後述する。
【0033】
フードエアバッグ18は、衝突保護手段の一例として、及び、フード保護手段の一例として対応している。他の例としては、図16乃至図18に後述する前部又は後部フード持上げ機構などがある。ここでのフードエアバッグ18とは、図15に後述するように、歩行者を車両のボンネット3との衝突から保護するための部材である。
【0034】
ウインドウエアバッグ19は、衝突保護手段の一例として、及び、ウインドウ保護手段の一例として対応している。ここでのウインドウエアバッグ19とは、図19に後述するように、歩行者を車両のフロントウインドウ4およびフロントピラーとの衝突から保護するための部材である。
【0035】
図2は、図1で表した車両衝突保護装置の第1の例について、ROM12に記憶された処理の流れを表わすフローチャート説明図である。ここで、このフローチャートに沿って、中央処理装置10が行う処理の流れを説明する。
車両のスイッチがONになったときに、又は、運転が開始されたときに処理が開始される。
【0036】
ステップS101では、中央処理装置10が、衝突予知センサ13、衝突検知センサ14、車速センサ15及び車高センサ16のそれぞれのセンサの値、情報を読み込んで、RAM11に一時的に記憶する。
【0037】
ここで、衝突予知センサ13の画像データなどに基づいて、ステップS102では、中央処理装置10が、歩行者の体格、つまり、大きな歩行者(大人)であるか、小さな歩行者(子供、お年寄り)であるか等を判断する。
【0038】
この判断結果に基づいてステップS103では、中央処理装置10が下脚サポート17の作動量を計算する。このとき、ステップS101で読み取った車高センサ16の情報をも計算に用いることで、より正確な計算結果を得ることができる。
【0039】
ステップS104では、中央処理装置10が読み込んだ車速の値と、所定の車速閾値とを比較して、該閾値よりも小さい場合には、再度、各情報を読み込むためにステップS101に戻る。ここで、該閾値よりも大きければ、所定以上(例えば15km/時以上)の車速があり、衝突を予知したとき又は衝突を検知したときには保護動作が必要である場合となる。
【0040】
ステップS105では、衝突予知センサ13の情報に基づいて、中央処理装置10が、車両の衝突を予知したか否かを判定する。このときの判定は、所定以上の大きさの物体が画像として取込まれたか否か、又は、所定以内の距離に物体が存在するか否かなどが基準となる。
衝突を予知したときには、ステップS106に進み、予知しなかったときには、ステップS109に進む。
【0041】
ステップS106では、中央処理装置10は、下脚サポート17に対して、作動命令が出力され、ステップS103で計算された作動量に従って、下脚サポート17を作動する。
【0042】
ステップS107では、中央処理装置10は、衝突検知に備えて、衝突を検知する衝突検知センサ14の検知閾値を、決定して設定する。これを例えば、G1とする。
【0043】
ステップS108では、中央処理装置10が衝突検知センサ14にG1以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報GがG1よりも小さい場合には、衝突はなかったか、又はあったとしても小さな衝突であるため、その他の保護手段は作動させずに終了して、再度、各センサの読み込みに戻り(ステップS101)、大きい場合には、所定以上の大きな衝突であったと判断され、その他の保護手段を作動させるために、ステップS112に進む。
【0044】
ここで、ステップS105に立ち返って、衝突を予知しなかった場合について説明する。衝突を予知しなかった場合には、ステップS109に進み、万が一、衝突の予知なしで衝突があった場合を想定して、中央処理装置10は衝突検知閾値G2を決定し設定する。このG2は、ステップS107で設定されたG1よりも小さい値であり、より敏感に反応できるようにしている。
【0045】
ステップS110では、衝突があったか否かを衝突検知センサ14の情報に基づいて判断する。つまり、衝突検知センサ14で読み取られた値Gが、該閾値G2よりも小さい場合には、衝突はなかったか、あるいはあったとしても小さなものであり、その他の保護手段を作動させるまでもなく終了し、次の衝突に備えて、再度、各センサの読み込みを行う(ステップS101)。
【0046】
これに対し、Gが該閾値G2よりも大きいときには、ステップS111に進み、衝突を予知しなかったために作動させていなかった下脚サポート17を作動させ、歩行者の下脚の保護を実行する。衝突した後にでも、歩行者の下脚を保護することで、被害を最小限にすることができるからである。ステップS103で下脚サポート17の作動量を計算できなかった場合には、所定の値で作動させることもできる。そして、他の保護手段を作動させる必要があるため、ステップS112に進む。
【0047】
ステップS112では、中央処理装置10から、出力信号により、フード保護手段の一例であるフードエアバッグ18を作動させる。そして続けてステップS113で、中央処理装置10から出力信号によりウインドウエアバッグ19を作動させる。
【0048】
これにより、衝突の大きさに応じて、適確に歩行者を保護すべく、各種エアバッグ装置を作動させることができるとともに、不要な場合にまで一律にエアバッグを展開して乗員の視界を遮ってしまうことを防止することができる。また衝突を予知しているときよりも敏感に保護動作をすることができ、予知ができなかった場合の保護動作の遅れを補完することができる。
【0049】
次に図3は、車両用衝突保護装置の第2の例をブロック説明図によって表わしている。
この例の装置は、請求項1、2、4、6、9、10、11に対応している。 上述の図1と異なる構成だけを説明すると、アクティブサスペンション20が設けられている。アクティブサスペンション20は、車両の車輪の全て、又は一部に設けられているものであり、車両全体が路面から受ける衝撃・振動を車輪及びアクティブサスペンション20を介して和らげるためのサスペンションとしての構成である。さらに、アクティブサスペンション20は、その長さを変更することで、上記の衝撃・振動の伝わり方を制御することができる構成である。このアクティブサスペンション20を、車両の高さ、つまり車高の制御に用いることで、上述の下脚サポート17が作動する高さを、衝突予知センサ13で認識した歩行者の体格から最適な高さを設定することができることにより、歩行者にとって最も効果的な位置に下脚サポート17を位置させることができ、より有効に歩行者の脚部保護の実行を図ることができる。
【0050】
また衝突検知センサ14に、第1衝突検知センサ14aと第2衝突検知センサ14bとを設け、各衝突保護手段であるフードエアバッグ18とウインドウエアバッグ19とを別々に展開制御できるようにしている。なお、第1衝突検知センサ14aは第2衝突検知センサ14bよりも一般的に高感度であり、より小さな衝撃に応答して衝突を検知する。
【0051】
図4乃至図6は、図3で表した車両衝突保護装置の第2の例について、ROM12に記憶された処理の流れを表わすフローチャート説明図である。ここで、このフローチャートに沿って、中央処理装置10が行う処理の流れを説明する。 上述の場合と同様、車両のスイッチがONになったときに、又は、運転が開始されたときに処理が開始される。
【0052】
ステップS201では、中央処理装置10が、衝突予知センサ13、第1衝突検知センサ14a、第2衝突検知センサ14b、車速センサ15及び車高センサ16のそれぞれのセンサの値、情報を読み込んで、RAM11に一時的に記憶する。
【0053】
ここで、衝突予知センサ13の画像データなどに基づいて、ステップS202では、中央処理装置10が、歩行者の体格、つまり、大きな歩行者(大人)であるか、小さな歩行者(子供、お年寄り)であるか等を判断する。
【0054】
この判断結果に基づいてステップS203では、中央処理装置10が下脚サポート17の作動する高さを決めるため、アクティブサスペンション20の作動量を計算する。このとき、ステップS201で読み取った車高センサ16の情報をも計算に用いることで、より正確な計算結果を得ることができる。
【0055】
ステップS204では、中央処理装置10が読み込んだ車速の値と、所定の車速閾値とを比較して、該閾値よりも小さい場合には、再度、各情報を読み込むためにステップS201に戻る。ここで、該閾値よりも大きければ、所定以上(例えば15km/時以上)の車速があり、衝突を予知したとき又は衝突を検知したときには保護動作が必要である場合となる。
【0056】
ステップS205では、衝突予知センサ13の情報に基づいて、中央処理装置10が、車両の衝突を予知したか否かを判定する。このときの判定は、所定以上の大きさの物体が画像として取込まれたか否か、又は、所定以内の距離に物体が存在するか否かなどが基準となる。
衝突を予知したときには、衝突予知処理に進み、予知しなかったときには、衝突未予知処理に進む。
【0057】
衝突を予知し衝突予知処理に進んだ場合には、図5のフローチャートに従う。まずステップS206では、中央処理装置10は、下脚サポート17に対して、作動命令が出力される。ステップ207では、ステップS203で計算されたアクティブサスペンション20の作動量に従って、中央処理装置10から各車輪のアクティブサスペンション20に対して作動信号が出力される。
【0058】
ステップS208では、中央処理装置10は衝突に備えて、衝突した際の各衝突保護手段の作動時間、又は作動タイミングを決定して設定する。これを例えば、T1とする。このT1はフードエアバッグ18をはじめとする、フード保護手段だけの作動時間、又は作動タイミングとしてもよいし、ウインドウエアバッグ19などのウインドウ保護手段についての作動時間、又は作動タイミングとして用いてもよい。
【0059】
ステップS209では、中央処理装置10が、第1衝突検知センサ14aに所定の検知閾値以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも小さい場合には、衝突はなかったか、又はあったとしても小さな衝突であるため、その他の保護手段は作動させずに終了して、再度、各センサの読み込みに戻り(ステップS201)、大きい場合には、所定以上の大きな衝突であったと判断され、その他の保護手段を作動させるために、ステップS210に進む。
【0060】
ステップS210では、衝突した歩行者保護のため、中央処理装置10からフードエアバッグ18に対して展開出力信号が出される。このフードエアバッグ18は一例であり、後述の前部又は後部フード持上げ機構などで構成することもできる。
【0061】
ステップS211では、中央処理装置10が、フードエアバッグ18を展開して歩行者を保護したにもかかわらず、第2衝突検知センサ14bに所定の検知閾値以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも小さい場合には衝突は小さいものであり、フードエアバッグ18の展開によって、歩行者を十分に保護できたと判断できるため、ウインドウエアバッグ19は作動させずに終了する。読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも大きい場合には、フードエアバッグ18を展開して歩行者を保護したにもかかわらず、所定以上の大きな衝突があったと判断され、ウインドウエアバッグ19を作動させるために、ステップS212に進む。
【0062】
ステップS212では、衝突した歩行者保護のため、中央処理装置10からウインドウエアバッグ19に対して展開出力信号が出される。このウインドウエアバッグ19は一例であり、他のウインドウ保護手段などで構成することもできる。
【0063】
ここでは、一例として、フードエアバッグ18を展開して歩行者を保護した後であって、所定以上の衝突を検知した場合についてウインドウエアバッグ19を展開させる場合について説明したが、上述のように衝突検知センサ14の感度の差を用いて、各衝突保護手段の作動態様を制御することもできる。つまり、衝突の際の衝撃の大きさにより、高感度の衝突検知センサの検知閾値以上で、低感度の衝突検知センサの検知閾値以下であればフードエアバッグ18のみを作動させ、高感度の衝突検知センサの検知閾値以上で、且つ低感度の衝突検知センサの検知閾値以上であればフードエアバッグ18とウインドウエアバッグ19の両方を作動させるようにすることができる。
【0064】
ここで、ステップS205に立ち返って、衝突を予知しなかった場合について説明する。衝突を予知しなかった場合には、衝突未予知処理に進み、図6のフローチャートに従う。
図6の衝突未予知処理のフローチャートではまず、ステップS213で、万が一、衝突の予知なしで衝突があった場合を想定して、中央処理装置10はフードエアバッグ18の作動時間、又は作動タイミングを決定して設定する。これを例えば、T2とするが、このT2は、ステップS208で設定されたT1よりも小さい値であり、より速やかに作動できるようにしている。このT2はフードエアバッグ18をはじめとする、フード保護手段だけの作動時間、又は作動タイミングとしてもよいし、ウインドウエアバッグ19などのウインドウ保護手段についての作動時間、又は作動タイミングとして用いてもよい。
この例の場合、請求項10に対応して、衝突を予知しなかった場合には、衝突を検知しても車両の乗員の視界保護のためにウインドウ保護手段であるウインドウエアバッグ19を展開させないこととしているが、展開させることとしてもよい。また、展開させる場合にも、ウインドウエアバッグ19などのウインドウ保護手段の作動時間、又は作動タイミングを衝突予知の有無に影響されないように構成してもよいし、衝突予知の有無によってその作動時間、又は作動タイミングや、作動態様を変更するように構成してもよい。
【0065】
ステップS214では、中央処理装置10が、第1衝突検知センサ14aに所定の検知閾値以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも小さい場合には、衝突はなかったか、又はあったとしても小さな衝突であるため、その他の保護手段は作動させずに終了して、再度、各センサの読み込みに戻り(ステップS201)、大きい場合には、所定以上の大きな衝突であったと判断され、保護手段を作動させるために、ステップS215に進む。
【0066】
ステップS215では、衝突を予知しなかったために作動させていなかった下脚サポート17を作動させ、歩行者の下脚の保護を実行する。衝突した後にでも、歩行者の下脚を保護することで、被害を最小限にすることができるからである。続くステップS216では、ステップS203で計算されたアクティブサスペンション20の作動量に従って、中央処理装置10から各車輪のアクティブサスペンション20に対して作動信号が出力される。ステップS203でアクティブサスペンション20の作動量を計算できなかった場合には、所定の値で作動させることもできる。そして、他の保護手段を作動させる必要があるため、ステップS217に進む。
【0067】
ステップS217では、衝突した歩行者保護のため、中央処理装置10からフードエアバッグ18に対して展開出力信号が出される。このフードエアバッグ18は一例であり、後述の前部又は後部フード持上げ機構などで構成することもできる。
【0068】
上述のように、この例では請求項10に対応して、ウインドウエアバッグ19は作動させていないが、この後に、ウインドウエアバッグ19を作動させる構成にしてもよい。
【0069】
これにより、衝突の大きさに応じて、適確に歩行者を保護すべく、各種エアバッグ装置を作動させることができるとともに、不要な場合にまで一律にエアバッグを展開して乗員の視界を遮ってしまうことを防止することができる。また衝突予知の有無に対応して適確なタイミングで歩行者保護手段を作動させることができる。
【0070】
次に図7は、車両用衝突保護装置の第3の例をブロック説明図によって表わしている。
この例の装置は、請求項1、2、7、8、9、10、11に対応している。 上述の図1と異なる構成だけを説明すると、車高センサ16と下脚サポート17は設けていない。下脚サポート17の代わりに、衝突予知保護手段としてバンパエアバッグ21を設けている。
また衝突検知センサ14に、第1衝突検知センサ14aと第2衝突検知センサ14bとを設け、各衝突保護手段であるフードエアバッグ18とウインドウエアバッグ19とを別々に展開制御できるようにしている。なお、第1衝突検知センサ14aは第2衝突検知センサ14bよりも一般的に高感度であり、より小さな衝撃に応答して衝突を検知する。この点においては図2と同様である。
これは一例であり、下脚サポート17とバンパエアバッグ21を両方併用することもできる。また、第1及び2の例と同様、車高センサ16を設けて、下脚サポート17やバンパエアバッグ21の作動する高さを制御する構成にしてもよい。
【0071】
図8は、図7で表した車両衝突保護装置の第3の例について、ROM12に記憶された処理の流れを表わすフローチャート説明図である。ここで、このフローチャートに沿って、中央処理装置10が行う処理の流れを説明する。
上述の場合と同様、車両のスイッチがONになったときに、又は、運転が開始されたときに処理が開始される。
【0072】
ステップS301では、中央処理装置10が、衝突予知センサ13、第1衝突検知センサ14a、第2衝突検知センサ14b及び車速センサ15のそれぞれのセンサの値、情報を読み込んで、RAM11に一時的に記憶する。
【0073】
ステップS302では、中央処理装置10が読み込んだ車速の値と、所定の車速閾値とを比較して、該閾値よりも小さい場合には、再度、各情報を読み込むためにステップS301に戻る。ここで、該閾値よりも大きければ、所定以上(例えば15km/時以上)の車速があり、衝突を予知したとき又は衝突を検知したときには保護動作が必要である場合となる。
【0074】
ステップS303では、衝突予知センサ13の情報に基づいて、中央処理装置10が、車両の衝突を予知したか否かを判定する。このときの判定は、所定以上の大きさの物体が画像として取込まれたか否か、又は、所定以内の距離に物体が存在するか否かなどが基準となる。
衝突を予知したときには、ステップS304に進み、予知しなかったときには、ステップS310に進む。
【0075】
衝突を予知しステップS304に進んだ場合には、中央処理装置10は、バンパエアバッグ21対して、展開作動命令が出力される。これにより、車両との衝突から歩行者を確実に保護することができる。
【0076】
ステップS305では、中央処理装置10は衝突に備えて、衝突を検知する第1衝突検知センサ14aの検知閾値を、決定して設定する。これを例えば、G3とする。ここでは一例として、請求項9に対応するために第1衝突検知センサ14aの検知閾値のみを設定することとしているが、第2衝突検知センサ14bの検知閾値も設定する構成としてもよい。
【0077】
ステップS306では、中央処理装置10が、第1衝突検知センサ14aに所定の検知閾値以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも小さい場合には、衝突はなかったか、又はあったとしても小さな衝突であるため、その他の保護手段は作動させずに終了して、再度、各センサの読み込みに戻り(ステップS301)、大きい場合には、所定以上の大きな衝突であったと判断され、その他の保護手段を作動させるために、ステップS307に進む。
【0078】
ステップS307では、衝突した歩行者保護のため、中央処理装置10からフードエアバッグ18に対して展開出力信号が出される。このフードエアバッグ18は一例であり、後述の前部又は後部フード持上げ機構などで構成することもできる。
【0079】
ステップS308では、中央処理装置10が、フードエアバッグ18を展開して歩行者を保護したにもかかわらず、第2衝突検知センサ14bに所定の検知閾値以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも小さい場合には衝突は小さいものであり、フードエアバッグ18の展開によって、歩行者を十分に保護できたと判断できるため、ウインドウエアバッグ19は作動させずに終了する。読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも大きい場合には、フードエアバッグ18を展開して歩行者を保護したにもかかわらず、所定以上の大きな衝突があったと判断され、ウインドウエアバッグ19を作動させるために、ステップS309に進む。
【0080】
ステップS309では、衝突した歩行者保護のため、中央処理装置10からウインドウエアバッグ19に対して展開出力信号が出される。このウインドウエアバッグ19は一例であり、他のウインドウ保護手段などで構成することもできる。
【0081】
ここでは、一例として、フードエアバッグ18を展開して歩行者を保護した後であって、所定以上の衝突を検知した場合についてウインドウエアバッグ19を展開させる場合について説明したが、上述のように衝突検知センサ14の感度の差を用いて、各衝突保護手段の作動態様を制御することもできる。つまり、衝突の際の衝撃の大きさにより、高感度の衝突検知センサの検知閾値以上で、低感度の衝突検知センサの検知閾値以下であればフードエアバッグ18のみを作動させ、高感度の衝突検知センサの検知閾値以上で、且つ低感度の衝突検知センサの検知閾値以上であればフードエアバッグ18とウインドウエアバッグ19の両方を作動させるようにすることができることも、上述と同様である。
【0082】
ここで、ステップS303に立ち返って、衝突を予知しなかった場合について説明する。
衝突を予知しなかった場合には、ステップS310に進み、万が一、衝突の予知なしで衝突があった場合を想定して、中央処理装置10は衝突を検知する第1衝突検知センサ14aの検知閾値を、決定して設定する。これを例えばG4とし、このG4はG3よりも大きな値であり、より正確に反応できるようにしてしる。つまり、衝突を予知し、バンパエアバッグ21を展開した場合には、歩行者が衝突しても、バンパエアバッグ21の衝撃吸収効果により、車両本体、つまり衝突検知センサ14には、それほど大きな衝撃は加えられない。従って、衝突を検知するためには、検知閾値を下げて敏感に反応できるようにする必要がある。これに対し、衝突を予知せず、バンパエアバッグ21を展開しなかった場合には、歩行者が衝突すると、バンパエアバッグ21の衝撃吸収効果がないため、直接大きな衝撃が加えられる。従って、正確に歩行者の衝突を検知するためには、検知閾値を上げて小さな衝撃には反応しないようにする必要がある。
ここでは一例として、請求項10に対応するために衝突を予知しなかったときにはウインドウ保護手段を作動させないこととしているが、ウインドウ保護手段を作動させることとし、第1衝突検知センサ14aの検知閾値のみならず、第2衝突検知センサ14bの検知閾値も設定する構成としてもよい。
【0083】
ステップS311では、中央処理装置10が、第1衝突検知センサ14aに所定の検知閾値以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも小さい場合には、衝突はなかったか、又はあったとしても小さな衝突であるため、その他の保護手段は作動させずに終了して、再度、各センサの読み込みに戻り(ステップS301)、大きい場合には、所定以上の大きな衝突であったと判断され、保護手段を作動させるために、ステップS312に進む。
【0084】
ステップS312では、衝突した歩行者保護のため、中央処理装置10からフードエアバッグ18に対して展開出力信号が出される。このフードエアバッグ18は一例であり、後述の前部又は後部フード持上げ機構などで構成することもできる。
上述のように、この例では請求項10に対応して、ウインドウエアバッグ19は作動させていないが、この後に、ウインドウエアバッグ19を作動させる構成にしてもよい。
【0085】
これにより、衝突の大きさに応じて、適確に歩行者を保護すべく、各種エアバッグ装置を作動させることができる。また、バンパエアバッグ21を展開したときに、歩行者の衝突を正確に検知するため、検知閾値を下げることにより敏感に反応でき、そうでない場合には、エアバッグ展開の必要ない小さな衝撃にまで反応して展開してしまい、車両の乗員の視界を遮ってしまうことを防止することができる。
【0086】
ここから、障害物衝突予知手段、障害物衝突検知手段、衝突予知保護手段及び、衝突保護手段の具体的構成について図面に基づいて説明する。
図9は、車両1に対する各手段の構成位置を表わしている。車両1の前方下端にはバンパ2が設けられ、前方上面にはボンネット3、ボンネット3の後端から斜め上方に向けてフロントウインドウ4が設けられている。
バンパ2には衝突検知センサ14が埋設されており、バンパ2内、ボンネット3内、バンパ2とボンネット3の間のフロントグリル内などのいずれかの位置に、衝突予知センサ13が埋設されている。これらのセンサは衝突を予知または検知しやすいように、車両の前端部に設けることが望ましいが、必要に応じて、他の箇所に設けることもできる。
【0087】
バンパ2内には衝突検知センサ14と干渉しない位置にバンパエアバッグ21及びバンパエアバッグ21の展開装置が埋設され、ボンネット3の前端部にはフードエアバッグ18及びフードエアバッグ18の展開装置が埋設されている。また、ボンネット3の後端部、又はフロントウインドウ4の前端部には、ウインドウエアバッグ19及びウインドウエアバッグ19の展開装置が埋設されている。これらのエアバッグ装置の配置は一例であり、それぞれ必要に応じてより有効な位置に配設することができる。
バンパエアバッグ21は衝突予知保護手段の一例として、フードエアバッグ18はフード保護手段の一例として、ウインドウエアバッグ19はウインドウ保護手段の一例としてそれぞれ示している。
【0088】
図10は、衝突予知保護手段の一例である脚部保護手段を表わしている。この脚部保護手段は下脚サポート17としてブロック図にて説明したものに対応している。通常時は仮想線に示すように、車両のバンパ下方、又は内部に収納されており、衝突予知時、又は衝突時において、車両のバンパ前方に摺動、回動、展開して、障害物である歩行者の下脚部を押し払う。これにより、歩行者を車両のボンネット上に乗せ逃がすことができ、この歩行者に加えられる衝撃を効率よく緩和することができる。これの一例として、図10に車両の横方向に伸びる棒状のサポート部材と、これを支える支持部材とで構成した下脚サポート17を示す。
【0089】
図11は上記下脚サポート17の作動状況を車両側面から説明した図である。この作動状況は、下脚サポート17が回動して歩行者を保護する位置に作動する場合を一例として説明している。通常時は仮想線に示すように、車両のバンパ下方、又は内部に収納されており、衝突予知時、又は衝突時において、車両のバンパ前方に回動して、障害物である歩行者の下脚部を押し払う。これにより、歩行者を車両のボンネット上に乗せ逃がすことができ、この歩行者に加えられる衝撃を効率よく緩和することができる。このとき、上述したように歩行者の体格にあわせて下脚サポート17の作動高さを制御可能とするべく、回動する角度を計算して制御できるように構成することができる。
【0090】
この回動させる構造として、図12の構造が一例として挙げられる。ピストン機構によって発生した力をラックアンドピニオン機構によって下脚サポート17の支持部材の回動動作に変換し、下脚サポート17が歩行者により有効に働く高さ位置に突出する。ここで上述のように、歩行者の体格にあわせて下脚サポート17の作動高さを制御可能とするべく、回動する角度を計算して制御できるような構成とするため、ピストン機構又はラックアンドピニオン機構において、作動量を制御できる構造を設けることができる。
【0091】
図13には、下脚サポート17の別の実施例を示す。この例は棒状のサポート部材が摺動して、下脚サポート17が歩行者に有効に働く位置に突出する。この場合には下脚サポート17の構造において、作動高さの制御をすることができないので、上述のように、アクティブサスペンション20などを用いて、歩行者により有効に働く高さ位置に突出させることができる。
【0092】
図14は、上述のバンパエアバッグ21が展開した時の状態を示している。このバンパエアバッグ21は、衝突予知保護手段の一例であり、衝突を予知したとき又は衝突を検知したときに車両進行方向に車両前部を覆うように高速で展開し、障害物である歩行者を車両との衝撃から保護する。またバンパエアバッグ21は、路面近くの低い位置に展開するので、歩行者を車体下部に巻き込むことを防止することができる。さらに、衝突を予知した段階で展開したとしても、低い位置で展開するため、車両の乗員の視界を遮ることもなく、非常に有効な保護手段である。
【0093】
図15は、上述のフードエアバッグ18が展開した時の状態を示している。このフードエアバッグ18は、衝突保護手段のうちのフード保護手段の一例であり、歩行者などの障害物と車両との衝突を検知したときに高速で展開し、下脚サポート17又はバンパエアバッグ21により、衝突の衝撃を緩衝するために車両のボンネット3上に倒しこまれた歩行者を、ボンネット3との衝突から保護するために設けられている。この構造により、衝突した歩行者が車両のボンネット3に強く衝突し、大きな被害を受けることを防止することができる。また、衝突した段階で展開するので、車両の乗員の視界を若干遮ることとなっても運転上問題はなく、十分視界は確保されている状態は保たれるので、更なる被害の増大をも防止することもできる。
【0094】
図16は、衝突保護手段のうちのフード保護手段の一例である後部フード持上げ機構の作動状態を示している。これは、歩行者などの障害物と車両との衝突を検知したときに高速でボンネット3を持上げ、緩衝領域を設けることで、下脚サポート17又はバンパエアバッグ21により、衝突の衝撃を緩衝するために車両のボンネット3上に倒しこまれた歩行者を、ボンネット3との直接の衝突から保護するために設けられている。緩衝領域を設けることにより、ボンネット3自体がクッションの役目を果たし、歩行者を保護することができる。上述のフードエアバッグ18ほど、車両乗員の視界を遮ることはなく、また、コスト高、設置スペースを必要とするエアバッグ装置を設けなくても、歩行者を保護できる点で有効である。これを側面から説明したものが図17であり、ボンネット3を持上げ部材6が持上げている。持上げられたボンネット3の下部が緩衝領域となり、歩行者を保護する。この持上げ部材6は機械的に持上げている構造を示しているが、一例であり、小さなエアバッグによる持上げ構造として構成してもよい。
【0095】
図18は、衝突保護手段のうちのフード保護手段の一例である前部フード持上げ機構の作動状態を示している。この場合も上述と同様に、ボンネット3を持上げ、緩衝領域を設けることで、ボンネット3上に倒しこまれた歩行者を、ボンネット3との直接の衝突から保護するために設けられている。持上げ構造についても、機械的な構造として構成してもよく、小さなエアバッグによる持上げ構造として構成してもよい。
【0096】
図19は、上述のウインドウエアバッグ19が展開した時の状態を示している。このウインドウエアバッグ19は、衝突保護手段のうちのウインドウ保護手段の一例であり、歩行者などの障害物と車両との衝突を検知したときに高速で展開し、下脚サポート17又はバンパエアバッグ21、さらにはフードエアバッグ18により衝突の衝撃を緩衝できなかった場合に、歩行者をフロントウインドウ4との衝突から保護するために設けられている。この構造により、衝突した歩行者が車両のボンネット3上に倒し込まれた後、フロントウインドウ4に強く衝突し、主に頭部に大きな被害を受けることを防止することができる。また、請求項9乃至11に記載するように、低感度の衝突検知センサ14bによって作動させること、または衝突を予知したときのみ作動させることにより、不必要な場合にまでウインドウエアバッグ19の展開を許容し、車両乗員の視界を徒に遮ることを防止できる。さらに、図19に示すように、剛性が強く歩行者が衝突したときに非常に危険となるフロントウインドウ4のピラー部分を中心に展開し、剛性が弱く歩行者が衝突しても衝撃を吸収できるフロントウインドウ4の部分に展開しないことにより、歩行者の保護を十分に達成できるとともに、ウインドウエアバッグ19展開時に車両乗員の視界を十分に確保することができる。これらの車両乗員の視界確保により、更なる被害の増大をも防止することもできる。
【0097】
図20は、上述のウインドウエアバッグ19の展開作動の構成を示している。衝突検知センサ14によって所定の検知閾値以上の衝撃を検知したときには、中央処理装置10からインフレータドライバ7に作動を支持する信号が出力され、インフレータドライバ7が瞬間的にガスを発生させる。これによりウインドウエアバッグ19ウインドウ4に沿うように展開する。ここで図20に示すように、ウインドウエアバッグ19がボンネット3を押し上げて展開するように構成することで、図16とともに上述した後部フード持上げ機構と同様の効果を得ることができ、両者の構成を一箇所にまとめることができる。
【0098】
図21は、図14のバンパエアバッグ21、図15のフードエアバッグ18、図16の後部フード持上げ機構及び、図19のウインドウエアバッグ19が全て展開し、作動した時の状態を示している。この図からも、歩行者と車両が衝突しても、十分に歩行者を保護するように、隙間なく上述の保護装置が作動できる構成となっていることが確認できる。
【0099】
なお、この発明は、実施例の構成に限定されるものではなく、可能な限りの組み合わせによって、多くの実施態様を得ることができる。
また、図2、図4、図5、図6、図8で示したフローチャートの各ステップは、その処理内容に対応した手段を構成するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の車両用衝突保護装置の第1の例の構造を示すブロック説明図。
【図2】本願発明の車両用衝突保護装置の第1の例において行なわれる、障害物保護の処理の流れを示したフローチャート説明図。
【図3】本願発明の車両用衝突保護装置の第2の例の構造を示すブロック説明図。
【図4】本願発明の車両用衝突保護装置の第2の例において行なわれる、障害物保護の処理の流れを示したフローチャート説明図。
【図5】本願発明の車両用衝突保護装置の第2の例において行なわれる、衝突を予知したときの処理の流れを示したフローチャート説明図(サブルーチン1)。
【図6】本願発明の車両用衝突保護装置の第2の例において行なわれる、衝突を予知しなかったときの処理の流れを示したフローチャート説明図(サブルーチン2)。
【図7】本願発明の車両用衝突保護装置の第3の例の構造を示すブロック説明図。
【図8】本願発明の車両用衝突保護装置の第3の例において行なわれる、障害物保護の処理の流れを示したフローチャート説明図。
【図9】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる各手段の構成位置を表わす車両の斜視説明図。
【図10】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる脚部保護手段の一例である下脚サポート17の作動状況を示す斜視説明図。
【図11】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる脚部保護手段の一例である下脚サポート17の作動構造を示す説明図。
【図12】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる脚部保護手段の一例である下脚サポート17の動力伝達構造の一例を示す説明図。
【図13】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる脚部保護手段の一例である下脚サポート17の他の作動構造を示す説明図。
【図14】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突予知保護手段の一例であるバンパエアバッグ21の作動状態を示す斜視説明図。
【図15】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突保護手段の一例であるフードエアバッグ18の作動状態を示す斜視説明図。
【図16】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突保護手段の一例である後部フード持上げ機構6の作動状態を示す斜視説明図。
【図17】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突保護手段の一例である後部フード持上げ機構6の作動構造を示す説明図。
【図18】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突保護手段の一例である前部フード持上げ機構の作動状態を示す斜視説明図。
【図19】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突保護手段の一例であるウインドウエアバッグ19の作動状態を示す斜視説明図。
【図20】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突保護手段の一例であるウインドウエアバッグ19の作動構造を示す説明図。
【図21】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる各種保護手段の作動状態の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1…車両
2…バンパ
3…ボンネット
4…フロントウインドウ
5…回動部
6…フード持上げ機構
7…インフレータドライバ
10…中央処理装置
11…RAM
12…ROM
13…衝突予知センサ
14…衝突検知センサ
14a…第1衝突検知センサ(高感度)
14b…第2衝突検知センサ(低感度)
15…車速センサ
16…車高センサ
17…下脚サポート
18…フードエアバッグ
19…ウインドウエアバッグ
20…アクティブサスペンション
21…バンパエアバッグ
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、車両の走行中において、車両が障害物である歩行者に衝突することを予知したとき、又は、衝突したことを検知したときに、歩行者の損傷を最小限にするべく保護する車両用衝突保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両と歩行者の衝突の際に歩行者を保護する技術には、特開2001−315599号公報に記載された車両用歩行者保護装置がある。これは、車両と歩行者の衝突の際に、バンパ前方及び上方に展開するエアバッグ装置であり、歩行者の身体全体を保護するためになされた発明である。
【0003】
また、特開2000−255350号公報に記載された車両の前方車体構造は、車両と障害物である歩行者の衝突の際に、バンパ前方かつ下方に突出することにより、歩行者をボンネット上に倒し込んで、歩行者の脚部を重点的に保護するためになされた、下脚サポートアームについての発明である。
【0004】
さらに、特開平6−144154号公報に記載された衝撃緩和装置は、車両と障害物である歩行者の衝突の際に、又は衝突を予知した際に、バンパ前方に展開することで、歩行者などの障害物との衝突の際の衝撃を緩和させるエアバッグ装置についての発明である。
【0005】
このように、従来から、車両と障害物である歩行者の衝突の際に、障害物である歩行者を保護する保護装置は種々開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、かかる保護装置をいかなる状況においても、常に同じ態様で作動させることとしていると、以下に述べる問題が生ずる。
つまり、上述のような、下脚サポート部材は、衝突を予知した早い段階で作動させる必要があるが、衝突を予知できず作動させられなかった場合と、衝突を予知できて作動させられた場合とでは、車両に衝突する歩行者の状態が異なる。
従って、その後に作動させる他の保護装置の作動又は展開させる作動態様・作動時間なども、歩行者の状態に対応して異ならせる必要がある。
【0007】
また、バンパエアバッグ装置などの車両前方に展開するエアバッグ装置は、衝突の衝撃を確実に吸収し、歩行者を保護することができるが、展開する際の圧力により、歩行者に過大な圧力負担をかけてしまう可能性がある。
従って、歩行者と車両の関係によって、展開を許容するか否かの判断も、必要である。
【0008】
さらに、歩行者が接触する可能性の高いボンネットでの保護装置として、ボンネット持上げ機構やフードエアバッグ装置などのフード保護手段があり、フロントウインドウでの保護装置として、ウインドウエアバッグ装置などの保護手段がある。
これらについても上述と同様に、予知できた場合と予知できなかった場合とで異なる作動態様とすることもできるが、場合によっては、作動条件や作動態様などを変更しない方が良い場合がある。
【0009】
特に、大きな衝突の時の大きな衝撃にのみ反応する低感度の検知手段によって作動する保護装置については、他の保護装置による保護にもかかわらず、作動させる必要があるものであるため、むやみに歩行者の状態を推測して作動条件や作動態様などを変更するのは妥当ではない。
従って、一定の保護手段については、他の保護手段の作動態様や、衝突の予知の有無などに影響されないようにすることも必要である。
【0010】
そこで、本願発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、車両と歩行者との衝突の際、歩行者を衝突から、より有効に保護すべく、各保護手段の作動態様や作動条件を、必要に応じて制御することができる装置の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本願発明の車両用衝突保護装置は、障害物の衝突を予知する障害物衝突予知手段と、障害物の衝突を検知する障害物衝突検知手段と、前記障害物衝突予知手段により障害物の衝突を予知したとき、又は前記障害物衝突検知手段により衝突を検知したときに障害物の保護を実行する衝突予知保護手段と、前記障害物衝突検知手段により障害物の衝突を検知したときに障害物の保護を実行する衝突保護手段と、前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて、車両が障害物に衝突したときの動作条件を決定する決定手段とを備えた車両用衝突保護装置であることを特徴とする。
【0012】
更に有効に上記課題を解決するために、請求項2に記載するように、本願発明の車両用衝突保護装置は、前記決定手段により決定する動作条件を、前記障害物衝突検知手段の検知条件及び/又は、前記衝突保護手段の作動態様で設定することができる。
【0013】
また、更に、請求項3に記載するように、本願発明の車両用衝突保護装置は、前記衝突予知保護手段を、車両のバンパ前方に突出することにより歩行者の脚部を保護する脚部保護手段で形成し、前記障害物衝突予知手段が衝突予知しなかったときには、衝突を検知しやすくすべく、予知したときよりも、前記障害物衝突検知手段の検知条件である検知閾値を小さく設定することができる。
【0014】
他の態様として、請求項4に記載するように、本願発明の車両用衝突保護装置は、前記衝突予知保護手段を、車両のバンパ前方に突出することにより歩行者の脚部を保護する脚部保護手段で形成し、前記障害物衝突予知手段が衝突予知しなかったときには、前記衝突保護手段の動作を早くすべく、予知したときよりも、前記衝突保護手段の作動時間を短く設定することもできる。
【0015】
これらの本願発明により、更に確実に上記課題を解決できるようにするべく、請求項5に記載するように、車両の車高を検知する車高検知手段を備え、前記障害物衝突予知手段に歩行者の体格を認識する機能を付加し、前記脚部保護手段の作動高さを調整可能に構成し、前記車高検知手段により検知した車高及び、前記障害物衝突予知手段により認識した歩行者の体格に基づいて、前記脚部保護手段の作動高さを設定できるようにすることができる。
【0016】
また、請求項6に記載するように、車両の車高を検知する車高検知手段と、車両の車高を調整できる車高調整手段を備え、前記障害物衝突予知手段に歩行者の体格を認識する機能を付加し、前記車高調整手段により前記脚部保護手段の高さを調整可能に構成し、前記車高検知手段により検知した車高及び、前記障害物衝突予知手段により認識した歩行者の体格に基づいて、前記車高調整手段により前記脚部保護手段の高さを設定できるようにすることができる。
【0017】
前記脚部保護手段を利用しない場合として、請求項7に記載するように、前記衝突予知保護手段を、車両のバンパ前方に展開するバンパエアバッグ手段で形成し、前記障害物衝突予知手段が衝突予知しなかったときには、衝突を検知しにくくすべく、予知したときよりも、前記障害物衝突検知手段の検知条件である検知閾値を大きく設定することができる。
【0018】
同様に、上記課題を解決するべく、請求項8に記載するように、前記衝突予知保護手段を、車両のバンパ前方に展開するバンパエアバッグ手段で形成し、前記障害物衝突予知手段が衝突予知しなかったときには、前記障害物衝突検知手段による衝突検知があったときでも、前記衝突予知保護手段を作動させないようにすることができる。
【0019】
また、衝突を予知できた場合と予知できなかった場合とで、作動条件や作動態様などを変更しない方が良い場合に対応するため、請求項9に記載するように、前記障害物衝突検知手段を高感度及び低感度の検知機能を備え、高感度の障害物衝突検知手段の検知条件及び/又は、高感度の障害物衝突検知手段の検知に基づいて作動する前記衝突保護手段の作動態様を、前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて決定し、低感度の障害物衝突検知手段の検知条件及び/又は、低感度の障害物衝突検知手段の検知に基づいて作動する前記衝突保護手段の作動態様を、前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて決定しないようにすることができる。
【0020】
同様に、上記課題を解決するべく、請求項10に記載するように、前記障害物衝突検知手段を高感度及び低感度の複数の検知手段により形成し、高感度の障害物衝突検知手段の検知条件及び/又は、高感度の障害物衝突検知手段の検知に基づいて作動する前記衝突保護手段の作動態様を、前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて決定し、前記障害物衝突予知手段により衝突予知をしなかった場合には、低感度の障害物衝突検知手段による衝突検知があったときでも、前記衝突保護手段を作動させないようにすることができる。
【0021】
これらの発明の有効な態様として、請求項11に記載するように、高感度の障害物衝突検知手段に基づく前記衝突保護手段を、障害物と車両のボンネットとの衝突を和らげるフード保護手段で形成し、低感度の障害物衝突検知手段に基づく前記衝突保護手段を、障害物と車両のフロントウインドウとの衝突を和らげるウインドウ保護手段で形成した車両用衝突保護装置とすることができる。
【0022】
【発明の作用・効果】
請求項1及び2に記載の本願発明により、歩行者などの障害物と車両との衝突予知の有無に応じて、保護手段の作動態様、作動時間や作動条件などの動作条件を、障害物を確実に保護できるように決定することができ、より有効な歩行者などの障害物保護を実行することができる。
つまり、衝突の予知、又は衝突の予知による保護手段の作動などに関わりなく、常に、歩行者などの障害物の状況に対応して、最も有効な保護手段の活用をすることができるとともに、新たな保護手段を設けることなく、既存の保護手段を用いて最大の保護効果を得ることができるようになる。
【0023】
請求項3に記載の本願発明により、より積極的に歩行者の脚部を保護することができるとともに、衝突を予知できなかったときには、予知しているときよりも敏感に保護動作をすることができ、予知ができなかった場合の保護動作の遅れを補完することができる。
【0024】
請求項4に記載の本願発明により、より積極的に歩行者の脚部を保護することができるとともに、衝突を予知できなかったときには、予知しているときよりも早く保護動作をすることができ、予知ができなかった場合の保護動作の遅れを補完するとともに、歩行者に対する適切な保護手段の作動タイミングを維持することができる。
【0025】
請求項5及び6に記載の本願発明により、請求項3又は4に記載の発明の効果に加え、車両の車高と、認識した歩行者の体格から最適な脚部保護手段の作動する高さを設定することができることにより、歩行者にとって最も効果的な位置に脚部保護手段を位置させることができ、より有効に歩行者の脚部保護の実行を図ることができる。
【0026】
請求項7に記載の本願発明により、より積極的に歩行者を衝突の衝撃から保護することができるとともに、バンパエアバッグ手段によって吸収された衝撃によっても、十分にその他の保護手段を作動させるようにすることができ、より有効な歩行者の保護の実行を図ることができる。
【0027】
請求項8に記載の本願発明により、衝突を予知したときには、より積極的に歩行者を衝突の衝撃から保護することができるとともに、衝突を予知できないまま衝突したときには、バンパエアバッグ手段を作動させないことにより、バンパエアバッグ手段の展開圧力によって、歩行者に過大な圧力負担をかけないようにすることで、歩行者のより有効な保護の実行を図ることができる。
【0028】
請求項9及び11に記載の本願発明により、上記発明の効果に加え、低感度の障害物衝突検知手段と、これに基づいて作動する衝突保護手段を、衝突の予知の有無に左右されないことにより、大きな衝突の時の大きな衝撃にのみ反応する低感度の検知手段によって作動する保護装置の適切な作動を確保することができる上、歩行者の保護と、車両乗員の視界確保による保護との、両立を図ることができる。
【0029】
請求項10及び11に記載の本願発明により、上記発明の効果に加え、衝突を予知できなかった場合には、低感度の障害物衝突検知手段に基づいて作動する衝突保護手段を、衝突を検知したときでも作動させないことにより、車両の乗員の視界確保による保護を図り、結果として、衝突事故の規模縮小による歩行者の保護を図ることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は、車両用衝突保護装置の第1の例をブロック説明図によって表わしている。
この例の装置は、請求項1、2、3、5に対応している。
ここで、衝突予知センサ13は、障害物衝突予知手段に対応しており、例えば、CCD等のカメラや、超音波センサ、赤外線レーダ、レーザーレーダ、ミリ波レーダなどで構成する。ここで、請求項5に対応する場合には、衝突予知センサ13はCCD等のカメラなどで構成し、これによって取得した画像に基づいて、歩行者の体格を認識し、後述する下脚サポート17の作動に用いることとすることができる。
衝突検知センサ14は、障害物衝突検知手段に対応しており、例えば、圧力センサ、応力センサ、感圧センサなどで構成する。
車速センサ15は、車両のタイヤの回転数などから、車両の速度を測定する。
車高センサ16は、前輪側16a、後輪側16bと、分けて構成してもよく、地面と車両との間隔を測定し、車高としての情報を得る。このとき、前輪側16a、後輪側16bで、それぞれ取得した情報に基づいて、車両前方の障害物に衝突する高さを計算して求めることもできる。
【0031】
中央処理装置10は、一時記憶装置であるRAM11と、情報読出し記憶装置であるROM12とを有した演算装置であり、決定手段に対応している。例えば、マイクロコンピュータ、汎用CPUなどで構成することができる。
【0032】
下脚サポート17は、衝突予知保護手段の一例であり、通常時は車両のバンパ2下方、又は内部に収納されているものであり、衝突予知時、又は衝突時において、車両のバンパ前方に摺動、回動、展開して、障害物である歩行者の下脚部、特に膝よりも下の部分を押し払う。これにより、歩行者を車両のボンネット3上に乗せ逃がすことができ、この歩行者に加えられる衝撃を効率よく緩和することができるものである。例えば、車両の横方向に伸びる棒状のサポート部材と、これを支える支持部材とで構成したり、空気圧で突出したバンパ形状に展開するエアバッグ構造で構成したりできる。これの例として、図10乃至図13に棒状部材を用いた場合を後述する。
【0033】
フードエアバッグ18は、衝突保護手段の一例として、及び、フード保護手段の一例として対応している。他の例としては、図16乃至図18に後述する前部又は後部フード持上げ機構などがある。ここでのフードエアバッグ18とは、図15に後述するように、歩行者を車両のボンネット3との衝突から保護するための部材である。
【0034】
ウインドウエアバッグ19は、衝突保護手段の一例として、及び、ウインドウ保護手段の一例として対応している。ここでのウインドウエアバッグ19とは、図19に後述するように、歩行者を車両のフロントウインドウ4およびフロントピラーとの衝突から保護するための部材である。
【0035】
図2は、図1で表した車両衝突保護装置の第1の例について、ROM12に記憶された処理の流れを表わすフローチャート説明図である。ここで、このフローチャートに沿って、中央処理装置10が行う処理の流れを説明する。
車両のスイッチがONになったときに、又は、運転が開始されたときに処理が開始される。
【0036】
ステップS101では、中央処理装置10が、衝突予知センサ13、衝突検知センサ14、車速センサ15及び車高センサ16のそれぞれのセンサの値、情報を読み込んで、RAM11に一時的に記憶する。
【0037】
ここで、衝突予知センサ13の画像データなどに基づいて、ステップS102では、中央処理装置10が、歩行者の体格、つまり、大きな歩行者(大人)であるか、小さな歩行者(子供、お年寄り)であるか等を判断する。
【0038】
この判断結果に基づいてステップS103では、中央処理装置10が下脚サポート17の作動量を計算する。このとき、ステップS101で読み取った車高センサ16の情報をも計算に用いることで、より正確な計算結果を得ることができる。
【0039】
ステップS104では、中央処理装置10が読み込んだ車速の値と、所定の車速閾値とを比較して、該閾値よりも小さい場合には、再度、各情報を読み込むためにステップS101に戻る。ここで、該閾値よりも大きければ、所定以上(例えば15km/時以上)の車速があり、衝突を予知したとき又は衝突を検知したときには保護動作が必要である場合となる。
【0040】
ステップS105では、衝突予知センサ13の情報に基づいて、中央処理装置10が、車両の衝突を予知したか否かを判定する。このときの判定は、所定以上の大きさの物体が画像として取込まれたか否か、又は、所定以内の距離に物体が存在するか否かなどが基準となる。
衝突を予知したときには、ステップS106に進み、予知しなかったときには、ステップS109に進む。
【0041】
ステップS106では、中央処理装置10は、下脚サポート17に対して、作動命令が出力され、ステップS103で計算された作動量に従って、下脚サポート17を作動する。
【0042】
ステップS107では、中央処理装置10は、衝突検知に備えて、衝突を検知する衝突検知センサ14の検知閾値を、決定して設定する。これを例えば、G1とする。
【0043】
ステップS108では、中央処理装置10が衝突検知センサ14にG1以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報GがG1よりも小さい場合には、衝突はなかったか、又はあったとしても小さな衝突であるため、その他の保護手段は作動させずに終了して、再度、各センサの読み込みに戻り(ステップS101)、大きい場合には、所定以上の大きな衝突であったと判断され、その他の保護手段を作動させるために、ステップS112に進む。
【0044】
ここで、ステップS105に立ち返って、衝突を予知しなかった場合について説明する。衝突を予知しなかった場合には、ステップS109に進み、万が一、衝突の予知なしで衝突があった場合を想定して、中央処理装置10は衝突検知閾値G2を決定し設定する。このG2は、ステップS107で設定されたG1よりも小さい値であり、より敏感に反応できるようにしている。
【0045】
ステップS110では、衝突があったか否かを衝突検知センサ14の情報に基づいて判断する。つまり、衝突検知センサ14で読み取られた値Gが、該閾値G2よりも小さい場合には、衝突はなかったか、あるいはあったとしても小さなものであり、その他の保護手段を作動させるまでもなく終了し、次の衝突に備えて、再度、各センサの読み込みを行う(ステップS101)。
【0046】
これに対し、Gが該閾値G2よりも大きいときには、ステップS111に進み、衝突を予知しなかったために作動させていなかった下脚サポート17を作動させ、歩行者の下脚の保護を実行する。衝突した後にでも、歩行者の下脚を保護することで、被害を最小限にすることができるからである。ステップS103で下脚サポート17の作動量を計算できなかった場合には、所定の値で作動させることもできる。そして、他の保護手段を作動させる必要があるため、ステップS112に進む。
【0047】
ステップS112では、中央処理装置10から、出力信号により、フード保護手段の一例であるフードエアバッグ18を作動させる。そして続けてステップS113で、中央処理装置10から出力信号によりウインドウエアバッグ19を作動させる。
【0048】
これにより、衝突の大きさに応じて、適確に歩行者を保護すべく、各種エアバッグ装置を作動させることができるとともに、不要な場合にまで一律にエアバッグを展開して乗員の視界を遮ってしまうことを防止することができる。また衝突を予知しているときよりも敏感に保護動作をすることができ、予知ができなかった場合の保護動作の遅れを補完することができる。
【0049】
次に図3は、車両用衝突保護装置の第2の例をブロック説明図によって表わしている。
この例の装置は、請求項1、2、4、6、9、10、11に対応している。 上述の図1と異なる構成だけを説明すると、アクティブサスペンション20が設けられている。アクティブサスペンション20は、車両の車輪の全て、又は一部に設けられているものであり、車両全体が路面から受ける衝撃・振動を車輪及びアクティブサスペンション20を介して和らげるためのサスペンションとしての構成である。さらに、アクティブサスペンション20は、その長さを変更することで、上記の衝撃・振動の伝わり方を制御することができる構成である。このアクティブサスペンション20を、車両の高さ、つまり車高の制御に用いることで、上述の下脚サポート17が作動する高さを、衝突予知センサ13で認識した歩行者の体格から最適な高さを設定することができることにより、歩行者にとって最も効果的な位置に下脚サポート17を位置させることができ、より有効に歩行者の脚部保護の実行を図ることができる。
【0050】
また衝突検知センサ14に、第1衝突検知センサ14aと第2衝突検知センサ14bとを設け、各衝突保護手段であるフードエアバッグ18とウインドウエアバッグ19とを別々に展開制御できるようにしている。なお、第1衝突検知センサ14aは第2衝突検知センサ14bよりも一般的に高感度であり、より小さな衝撃に応答して衝突を検知する。
【0051】
図4乃至図6は、図3で表した車両衝突保護装置の第2の例について、ROM12に記憶された処理の流れを表わすフローチャート説明図である。ここで、このフローチャートに沿って、中央処理装置10が行う処理の流れを説明する。 上述の場合と同様、車両のスイッチがONになったときに、又は、運転が開始されたときに処理が開始される。
【0052】
ステップS201では、中央処理装置10が、衝突予知センサ13、第1衝突検知センサ14a、第2衝突検知センサ14b、車速センサ15及び車高センサ16のそれぞれのセンサの値、情報を読み込んで、RAM11に一時的に記憶する。
【0053】
ここで、衝突予知センサ13の画像データなどに基づいて、ステップS202では、中央処理装置10が、歩行者の体格、つまり、大きな歩行者(大人)であるか、小さな歩行者(子供、お年寄り)であるか等を判断する。
【0054】
この判断結果に基づいてステップS203では、中央処理装置10が下脚サポート17の作動する高さを決めるため、アクティブサスペンション20の作動量を計算する。このとき、ステップS201で読み取った車高センサ16の情報をも計算に用いることで、より正確な計算結果を得ることができる。
【0055】
ステップS204では、中央処理装置10が読み込んだ車速の値と、所定の車速閾値とを比較して、該閾値よりも小さい場合には、再度、各情報を読み込むためにステップS201に戻る。ここで、該閾値よりも大きければ、所定以上(例えば15km/時以上)の車速があり、衝突を予知したとき又は衝突を検知したときには保護動作が必要である場合となる。
【0056】
ステップS205では、衝突予知センサ13の情報に基づいて、中央処理装置10が、車両の衝突を予知したか否かを判定する。このときの判定は、所定以上の大きさの物体が画像として取込まれたか否か、又は、所定以内の距離に物体が存在するか否かなどが基準となる。
衝突を予知したときには、衝突予知処理に進み、予知しなかったときには、衝突未予知処理に進む。
【0057】
衝突を予知し衝突予知処理に進んだ場合には、図5のフローチャートに従う。まずステップS206では、中央処理装置10は、下脚サポート17に対して、作動命令が出力される。ステップ207では、ステップS203で計算されたアクティブサスペンション20の作動量に従って、中央処理装置10から各車輪のアクティブサスペンション20に対して作動信号が出力される。
【0058】
ステップS208では、中央処理装置10は衝突に備えて、衝突した際の各衝突保護手段の作動時間、又は作動タイミングを決定して設定する。これを例えば、T1とする。このT1はフードエアバッグ18をはじめとする、フード保護手段だけの作動時間、又は作動タイミングとしてもよいし、ウインドウエアバッグ19などのウインドウ保護手段についての作動時間、又は作動タイミングとして用いてもよい。
【0059】
ステップS209では、中央処理装置10が、第1衝突検知センサ14aに所定の検知閾値以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも小さい場合には、衝突はなかったか、又はあったとしても小さな衝突であるため、その他の保護手段は作動させずに終了して、再度、各センサの読み込みに戻り(ステップS201)、大きい場合には、所定以上の大きな衝突であったと判断され、その他の保護手段を作動させるために、ステップS210に進む。
【0060】
ステップS210では、衝突した歩行者保護のため、中央処理装置10からフードエアバッグ18に対して展開出力信号が出される。このフードエアバッグ18は一例であり、後述の前部又は後部フード持上げ機構などで構成することもできる。
【0061】
ステップS211では、中央処理装置10が、フードエアバッグ18を展開して歩行者を保護したにもかかわらず、第2衝突検知センサ14bに所定の検知閾値以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも小さい場合には衝突は小さいものであり、フードエアバッグ18の展開によって、歩行者を十分に保護できたと判断できるため、ウインドウエアバッグ19は作動させずに終了する。読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも大きい場合には、フードエアバッグ18を展開して歩行者を保護したにもかかわらず、所定以上の大きな衝突があったと判断され、ウインドウエアバッグ19を作動させるために、ステップS212に進む。
【0062】
ステップS212では、衝突した歩行者保護のため、中央処理装置10からウインドウエアバッグ19に対して展開出力信号が出される。このウインドウエアバッグ19は一例であり、他のウインドウ保護手段などで構成することもできる。
【0063】
ここでは、一例として、フードエアバッグ18を展開して歩行者を保護した後であって、所定以上の衝突を検知した場合についてウインドウエアバッグ19を展開させる場合について説明したが、上述のように衝突検知センサ14の感度の差を用いて、各衝突保護手段の作動態様を制御することもできる。つまり、衝突の際の衝撃の大きさにより、高感度の衝突検知センサの検知閾値以上で、低感度の衝突検知センサの検知閾値以下であればフードエアバッグ18のみを作動させ、高感度の衝突検知センサの検知閾値以上で、且つ低感度の衝突検知センサの検知閾値以上であればフードエアバッグ18とウインドウエアバッグ19の両方を作動させるようにすることができる。
【0064】
ここで、ステップS205に立ち返って、衝突を予知しなかった場合について説明する。衝突を予知しなかった場合には、衝突未予知処理に進み、図6のフローチャートに従う。
図6の衝突未予知処理のフローチャートではまず、ステップS213で、万が一、衝突の予知なしで衝突があった場合を想定して、中央処理装置10はフードエアバッグ18の作動時間、又は作動タイミングを決定して設定する。これを例えば、T2とするが、このT2は、ステップS208で設定されたT1よりも小さい値であり、より速やかに作動できるようにしている。このT2はフードエアバッグ18をはじめとする、フード保護手段だけの作動時間、又は作動タイミングとしてもよいし、ウインドウエアバッグ19などのウインドウ保護手段についての作動時間、又は作動タイミングとして用いてもよい。
この例の場合、請求項10に対応して、衝突を予知しなかった場合には、衝突を検知しても車両の乗員の視界保護のためにウインドウ保護手段であるウインドウエアバッグ19を展開させないこととしているが、展開させることとしてもよい。また、展開させる場合にも、ウインドウエアバッグ19などのウインドウ保護手段の作動時間、又は作動タイミングを衝突予知の有無に影響されないように構成してもよいし、衝突予知の有無によってその作動時間、又は作動タイミングや、作動態様を変更するように構成してもよい。
【0065】
ステップS214では、中央処理装置10が、第1衝突検知センサ14aに所定の検知閾値以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも小さい場合には、衝突はなかったか、又はあったとしても小さな衝突であるため、その他の保護手段は作動させずに終了して、再度、各センサの読み込みに戻り(ステップS201)、大きい場合には、所定以上の大きな衝突であったと判断され、保護手段を作動させるために、ステップS215に進む。
【0066】
ステップS215では、衝突を予知しなかったために作動させていなかった下脚サポート17を作動させ、歩行者の下脚の保護を実行する。衝突した後にでも、歩行者の下脚を保護することで、被害を最小限にすることができるからである。続くステップS216では、ステップS203で計算されたアクティブサスペンション20の作動量に従って、中央処理装置10から各車輪のアクティブサスペンション20に対して作動信号が出力される。ステップS203でアクティブサスペンション20の作動量を計算できなかった場合には、所定の値で作動させることもできる。そして、他の保護手段を作動させる必要があるため、ステップS217に進む。
【0067】
ステップS217では、衝突した歩行者保護のため、中央処理装置10からフードエアバッグ18に対して展開出力信号が出される。このフードエアバッグ18は一例であり、後述の前部又は後部フード持上げ機構などで構成することもできる。
【0068】
上述のように、この例では請求項10に対応して、ウインドウエアバッグ19は作動させていないが、この後に、ウインドウエアバッグ19を作動させる構成にしてもよい。
【0069】
これにより、衝突の大きさに応じて、適確に歩行者を保護すべく、各種エアバッグ装置を作動させることができるとともに、不要な場合にまで一律にエアバッグを展開して乗員の視界を遮ってしまうことを防止することができる。また衝突予知の有無に対応して適確なタイミングで歩行者保護手段を作動させることができる。
【0070】
次に図7は、車両用衝突保護装置の第3の例をブロック説明図によって表わしている。
この例の装置は、請求項1、2、7、8、9、10、11に対応している。 上述の図1と異なる構成だけを説明すると、車高センサ16と下脚サポート17は設けていない。下脚サポート17の代わりに、衝突予知保護手段としてバンパエアバッグ21を設けている。
また衝突検知センサ14に、第1衝突検知センサ14aと第2衝突検知センサ14bとを設け、各衝突保護手段であるフードエアバッグ18とウインドウエアバッグ19とを別々に展開制御できるようにしている。なお、第1衝突検知センサ14aは第2衝突検知センサ14bよりも一般的に高感度であり、より小さな衝撃に応答して衝突を検知する。この点においては図2と同様である。
これは一例であり、下脚サポート17とバンパエアバッグ21を両方併用することもできる。また、第1及び2の例と同様、車高センサ16を設けて、下脚サポート17やバンパエアバッグ21の作動する高さを制御する構成にしてもよい。
【0071】
図8は、図7で表した車両衝突保護装置の第3の例について、ROM12に記憶された処理の流れを表わすフローチャート説明図である。ここで、このフローチャートに沿って、中央処理装置10が行う処理の流れを説明する。
上述の場合と同様、車両のスイッチがONになったときに、又は、運転が開始されたときに処理が開始される。
【0072】
ステップS301では、中央処理装置10が、衝突予知センサ13、第1衝突検知センサ14a、第2衝突検知センサ14b及び車速センサ15のそれぞれのセンサの値、情報を読み込んで、RAM11に一時的に記憶する。
【0073】
ステップS302では、中央処理装置10が読み込んだ車速の値と、所定の車速閾値とを比較して、該閾値よりも小さい場合には、再度、各情報を読み込むためにステップS301に戻る。ここで、該閾値よりも大きければ、所定以上(例えば15km/時以上)の車速があり、衝突を予知したとき又は衝突を検知したときには保護動作が必要である場合となる。
【0074】
ステップS303では、衝突予知センサ13の情報に基づいて、中央処理装置10が、車両の衝突を予知したか否かを判定する。このときの判定は、所定以上の大きさの物体が画像として取込まれたか否か、又は、所定以内の距離に物体が存在するか否かなどが基準となる。
衝突を予知したときには、ステップS304に進み、予知しなかったときには、ステップS310に進む。
【0075】
衝突を予知しステップS304に進んだ場合には、中央処理装置10は、バンパエアバッグ21対して、展開作動命令が出力される。これにより、車両との衝突から歩行者を確実に保護することができる。
【0076】
ステップS305では、中央処理装置10は衝突に備えて、衝突を検知する第1衝突検知センサ14aの検知閾値を、決定して設定する。これを例えば、G3とする。ここでは一例として、請求項9に対応するために第1衝突検知センサ14aの検知閾値のみを設定することとしているが、第2衝突検知センサ14bの検知閾値も設定する構成としてもよい。
【0077】
ステップS306では、中央処理装置10が、第1衝突検知センサ14aに所定の検知閾値以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも小さい場合には、衝突はなかったか、又はあったとしても小さな衝突であるため、その他の保護手段は作動させずに終了して、再度、各センサの読み込みに戻り(ステップS301)、大きい場合には、所定以上の大きな衝突であったと判断され、その他の保護手段を作動させるために、ステップS307に進む。
【0078】
ステップS307では、衝突した歩行者保護のため、中央処理装置10からフードエアバッグ18に対して展開出力信号が出される。このフードエアバッグ18は一例であり、後述の前部又は後部フード持上げ機構などで構成することもできる。
【0079】
ステップS308では、中央処理装置10が、フードエアバッグ18を展開して歩行者を保護したにもかかわらず、第2衝突検知センサ14bに所定の検知閾値以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも小さい場合には衝突は小さいものであり、フードエアバッグ18の展開によって、歩行者を十分に保護できたと判断できるため、ウインドウエアバッグ19は作動させずに終了する。読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも大きい場合には、フードエアバッグ18を展開して歩行者を保護したにもかかわらず、所定以上の大きな衝突があったと判断され、ウインドウエアバッグ19を作動させるために、ステップS309に進む。
【0080】
ステップS309では、衝突した歩行者保護のため、中央処理装置10からウインドウエアバッグ19に対して展開出力信号が出される。このウインドウエアバッグ19は一例であり、他のウインドウ保護手段などで構成することもできる。
【0081】
ここでは、一例として、フードエアバッグ18を展開して歩行者を保護した後であって、所定以上の衝突を検知した場合についてウインドウエアバッグ19を展開させる場合について説明したが、上述のように衝突検知センサ14の感度の差を用いて、各衝突保護手段の作動態様を制御することもできる。つまり、衝突の際の衝撃の大きさにより、高感度の衝突検知センサの検知閾値以上で、低感度の衝突検知センサの検知閾値以下であればフードエアバッグ18のみを作動させ、高感度の衝突検知センサの検知閾値以上で、且つ低感度の衝突検知センサの検知閾値以上であればフードエアバッグ18とウインドウエアバッグ19の両方を作動させるようにすることができることも、上述と同様である。
【0082】
ここで、ステップS303に立ち返って、衝突を予知しなかった場合について説明する。
衝突を予知しなかった場合には、ステップS310に進み、万が一、衝突の予知なしで衝突があった場合を想定して、中央処理装置10は衝突を検知する第1衝突検知センサ14aの検知閾値を、決定して設定する。これを例えばG4とし、このG4はG3よりも大きな値であり、より正確に反応できるようにしてしる。つまり、衝突を予知し、バンパエアバッグ21を展開した場合には、歩行者が衝突しても、バンパエアバッグ21の衝撃吸収効果により、車両本体、つまり衝突検知センサ14には、それほど大きな衝撃は加えられない。従って、衝突を検知するためには、検知閾値を下げて敏感に反応できるようにする必要がある。これに対し、衝突を予知せず、バンパエアバッグ21を展開しなかった場合には、歩行者が衝突すると、バンパエアバッグ21の衝撃吸収効果がないため、直接大きな衝撃が加えられる。従って、正確に歩行者の衝突を検知するためには、検知閾値を上げて小さな衝撃には反応しないようにする必要がある。
ここでは一例として、請求項10に対応するために衝突を予知しなかったときにはウインドウ保護手段を作動させないこととしているが、ウインドウ保護手段を作動させることとし、第1衝突検知センサ14aの検知閾値のみならず、第2衝突検知センサ14bの検知閾値も設定する構成としてもよい。
【0083】
ステップS311では、中央処理装置10が、第1衝突検知センサ14aに所定の検知閾値以上の情報が読み込まれたか否かを判定する。このとき、読み込まれている情報が所定の検知閾値よりも小さい場合には、衝突はなかったか、又はあったとしても小さな衝突であるため、その他の保護手段は作動させずに終了して、再度、各センサの読み込みに戻り(ステップS301)、大きい場合には、所定以上の大きな衝突であったと判断され、保護手段を作動させるために、ステップS312に進む。
【0084】
ステップS312では、衝突した歩行者保護のため、中央処理装置10からフードエアバッグ18に対して展開出力信号が出される。このフードエアバッグ18は一例であり、後述の前部又は後部フード持上げ機構などで構成することもできる。
上述のように、この例では請求項10に対応して、ウインドウエアバッグ19は作動させていないが、この後に、ウインドウエアバッグ19を作動させる構成にしてもよい。
【0085】
これにより、衝突の大きさに応じて、適確に歩行者を保護すべく、各種エアバッグ装置を作動させることができる。また、バンパエアバッグ21を展開したときに、歩行者の衝突を正確に検知するため、検知閾値を下げることにより敏感に反応でき、そうでない場合には、エアバッグ展開の必要ない小さな衝撃にまで反応して展開してしまい、車両の乗員の視界を遮ってしまうことを防止することができる。
【0086】
ここから、障害物衝突予知手段、障害物衝突検知手段、衝突予知保護手段及び、衝突保護手段の具体的構成について図面に基づいて説明する。
図9は、車両1に対する各手段の構成位置を表わしている。車両1の前方下端にはバンパ2が設けられ、前方上面にはボンネット3、ボンネット3の後端から斜め上方に向けてフロントウインドウ4が設けられている。
バンパ2には衝突検知センサ14が埋設されており、バンパ2内、ボンネット3内、バンパ2とボンネット3の間のフロントグリル内などのいずれかの位置に、衝突予知センサ13が埋設されている。これらのセンサは衝突を予知または検知しやすいように、車両の前端部に設けることが望ましいが、必要に応じて、他の箇所に設けることもできる。
【0087】
バンパ2内には衝突検知センサ14と干渉しない位置にバンパエアバッグ21及びバンパエアバッグ21の展開装置が埋設され、ボンネット3の前端部にはフードエアバッグ18及びフードエアバッグ18の展開装置が埋設されている。また、ボンネット3の後端部、又はフロントウインドウ4の前端部には、ウインドウエアバッグ19及びウインドウエアバッグ19の展開装置が埋設されている。これらのエアバッグ装置の配置は一例であり、それぞれ必要に応じてより有効な位置に配設することができる。
バンパエアバッグ21は衝突予知保護手段の一例として、フードエアバッグ18はフード保護手段の一例として、ウインドウエアバッグ19はウインドウ保護手段の一例としてそれぞれ示している。
【0088】
図10は、衝突予知保護手段の一例である脚部保護手段を表わしている。この脚部保護手段は下脚サポート17としてブロック図にて説明したものに対応している。通常時は仮想線に示すように、車両のバンパ下方、又は内部に収納されており、衝突予知時、又は衝突時において、車両のバンパ前方に摺動、回動、展開して、障害物である歩行者の下脚部を押し払う。これにより、歩行者を車両のボンネット上に乗せ逃がすことができ、この歩行者に加えられる衝撃を効率よく緩和することができる。これの一例として、図10に車両の横方向に伸びる棒状のサポート部材と、これを支える支持部材とで構成した下脚サポート17を示す。
【0089】
図11は上記下脚サポート17の作動状況を車両側面から説明した図である。この作動状況は、下脚サポート17が回動して歩行者を保護する位置に作動する場合を一例として説明している。通常時は仮想線に示すように、車両のバンパ下方、又は内部に収納されており、衝突予知時、又は衝突時において、車両のバンパ前方に回動して、障害物である歩行者の下脚部を押し払う。これにより、歩行者を車両のボンネット上に乗せ逃がすことができ、この歩行者に加えられる衝撃を効率よく緩和することができる。このとき、上述したように歩行者の体格にあわせて下脚サポート17の作動高さを制御可能とするべく、回動する角度を計算して制御できるように構成することができる。
【0090】
この回動させる構造として、図12の構造が一例として挙げられる。ピストン機構によって発生した力をラックアンドピニオン機構によって下脚サポート17の支持部材の回動動作に変換し、下脚サポート17が歩行者により有効に働く高さ位置に突出する。ここで上述のように、歩行者の体格にあわせて下脚サポート17の作動高さを制御可能とするべく、回動する角度を計算して制御できるような構成とするため、ピストン機構又はラックアンドピニオン機構において、作動量を制御できる構造を設けることができる。
【0091】
図13には、下脚サポート17の別の実施例を示す。この例は棒状のサポート部材が摺動して、下脚サポート17が歩行者に有効に働く位置に突出する。この場合には下脚サポート17の構造において、作動高さの制御をすることができないので、上述のように、アクティブサスペンション20などを用いて、歩行者により有効に働く高さ位置に突出させることができる。
【0092】
図14は、上述のバンパエアバッグ21が展開した時の状態を示している。このバンパエアバッグ21は、衝突予知保護手段の一例であり、衝突を予知したとき又は衝突を検知したときに車両進行方向に車両前部を覆うように高速で展開し、障害物である歩行者を車両との衝撃から保護する。またバンパエアバッグ21は、路面近くの低い位置に展開するので、歩行者を車体下部に巻き込むことを防止することができる。さらに、衝突を予知した段階で展開したとしても、低い位置で展開するため、車両の乗員の視界を遮ることもなく、非常に有効な保護手段である。
【0093】
図15は、上述のフードエアバッグ18が展開した時の状態を示している。このフードエアバッグ18は、衝突保護手段のうちのフード保護手段の一例であり、歩行者などの障害物と車両との衝突を検知したときに高速で展開し、下脚サポート17又はバンパエアバッグ21により、衝突の衝撃を緩衝するために車両のボンネット3上に倒しこまれた歩行者を、ボンネット3との衝突から保護するために設けられている。この構造により、衝突した歩行者が車両のボンネット3に強く衝突し、大きな被害を受けることを防止することができる。また、衝突した段階で展開するので、車両の乗員の視界を若干遮ることとなっても運転上問題はなく、十分視界は確保されている状態は保たれるので、更なる被害の増大をも防止することもできる。
【0094】
図16は、衝突保護手段のうちのフード保護手段の一例である後部フード持上げ機構の作動状態を示している。これは、歩行者などの障害物と車両との衝突を検知したときに高速でボンネット3を持上げ、緩衝領域を設けることで、下脚サポート17又はバンパエアバッグ21により、衝突の衝撃を緩衝するために車両のボンネット3上に倒しこまれた歩行者を、ボンネット3との直接の衝突から保護するために設けられている。緩衝領域を設けることにより、ボンネット3自体がクッションの役目を果たし、歩行者を保護することができる。上述のフードエアバッグ18ほど、車両乗員の視界を遮ることはなく、また、コスト高、設置スペースを必要とするエアバッグ装置を設けなくても、歩行者を保護できる点で有効である。これを側面から説明したものが図17であり、ボンネット3を持上げ部材6が持上げている。持上げられたボンネット3の下部が緩衝領域となり、歩行者を保護する。この持上げ部材6は機械的に持上げている構造を示しているが、一例であり、小さなエアバッグによる持上げ構造として構成してもよい。
【0095】
図18は、衝突保護手段のうちのフード保護手段の一例である前部フード持上げ機構の作動状態を示している。この場合も上述と同様に、ボンネット3を持上げ、緩衝領域を設けることで、ボンネット3上に倒しこまれた歩行者を、ボンネット3との直接の衝突から保護するために設けられている。持上げ構造についても、機械的な構造として構成してもよく、小さなエアバッグによる持上げ構造として構成してもよい。
【0096】
図19は、上述のウインドウエアバッグ19が展開した時の状態を示している。このウインドウエアバッグ19は、衝突保護手段のうちのウインドウ保護手段の一例であり、歩行者などの障害物と車両との衝突を検知したときに高速で展開し、下脚サポート17又はバンパエアバッグ21、さらにはフードエアバッグ18により衝突の衝撃を緩衝できなかった場合に、歩行者をフロントウインドウ4との衝突から保護するために設けられている。この構造により、衝突した歩行者が車両のボンネット3上に倒し込まれた後、フロントウインドウ4に強く衝突し、主に頭部に大きな被害を受けることを防止することができる。また、請求項9乃至11に記載するように、低感度の衝突検知センサ14bによって作動させること、または衝突を予知したときのみ作動させることにより、不必要な場合にまでウインドウエアバッグ19の展開を許容し、車両乗員の視界を徒に遮ることを防止できる。さらに、図19に示すように、剛性が強く歩行者が衝突したときに非常に危険となるフロントウインドウ4のピラー部分を中心に展開し、剛性が弱く歩行者が衝突しても衝撃を吸収できるフロントウインドウ4の部分に展開しないことにより、歩行者の保護を十分に達成できるとともに、ウインドウエアバッグ19展開時に車両乗員の視界を十分に確保することができる。これらの車両乗員の視界確保により、更なる被害の増大をも防止することもできる。
【0097】
図20は、上述のウインドウエアバッグ19の展開作動の構成を示している。衝突検知センサ14によって所定の検知閾値以上の衝撃を検知したときには、中央処理装置10からインフレータドライバ7に作動を支持する信号が出力され、インフレータドライバ7が瞬間的にガスを発生させる。これによりウインドウエアバッグ19ウインドウ4に沿うように展開する。ここで図20に示すように、ウインドウエアバッグ19がボンネット3を押し上げて展開するように構成することで、図16とともに上述した後部フード持上げ機構と同様の効果を得ることができ、両者の構成を一箇所にまとめることができる。
【0098】
図21は、図14のバンパエアバッグ21、図15のフードエアバッグ18、図16の後部フード持上げ機構及び、図19のウインドウエアバッグ19が全て展開し、作動した時の状態を示している。この図からも、歩行者と車両が衝突しても、十分に歩行者を保護するように、隙間なく上述の保護装置が作動できる構成となっていることが確認できる。
【0099】
なお、この発明は、実施例の構成に限定されるものではなく、可能な限りの組み合わせによって、多くの実施態様を得ることができる。
また、図2、図4、図5、図6、図8で示したフローチャートの各ステップは、その処理内容に対応した手段を構成するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の車両用衝突保護装置の第1の例の構造を示すブロック説明図。
【図2】本願発明の車両用衝突保護装置の第1の例において行なわれる、障害物保護の処理の流れを示したフローチャート説明図。
【図3】本願発明の車両用衝突保護装置の第2の例の構造を示すブロック説明図。
【図4】本願発明の車両用衝突保護装置の第2の例において行なわれる、障害物保護の処理の流れを示したフローチャート説明図。
【図5】本願発明の車両用衝突保護装置の第2の例において行なわれる、衝突を予知したときの処理の流れを示したフローチャート説明図(サブルーチン1)。
【図6】本願発明の車両用衝突保護装置の第2の例において行なわれる、衝突を予知しなかったときの処理の流れを示したフローチャート説明図(サブルーチン2)。
【図7】本願発明の車両用衝突保護装置の第3の例の構造を示すブロック説明図。
【図8】本願発明の車両用衝突保護装置の第3の例において行なわれる、障害物保護の処理の流れを示したフローチャート説明図。
【図9】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる各手段の構成位置を表わす車両の斜視説明図。
【図10】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる脚部保護手段の一例である下脚サポート17の作動状況を示す斜視説明図。
【図11】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる脚部保護手段の一例である下脚サポート17の作動構造を示す説明図。
【図12】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる脚部保護手段の一例である下脚サポート17の動力伝達構造の一例を示す説明図。
【図13】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる脚部保護手段の一例である下脚サポート17の他の作動構造を示す説明図。
【図14】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突予知保護手段の一例であるバンパエアバッグ21の作動状態を示す斜視説明図。
【図15】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突保護手段の一例であるフードエアバッグ18の作動状態を示す斜視説明図。
【図16】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突保護手段の一例である後部フード持上げ機構6の作動状態を示す斜視説明図。
【図17】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突保護手段の一例である後部フード持上げ機構6の作動構造を示す説明図。
【図18】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突保護手段の一例である前部フード持上げ機構の作動状態を示す斜視説明図。
【図19】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突保護手段の一例であるウインドウエアバッグ19の作動状態を示す斜視説明図。
【図20】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる衝突保護手段の一例であるウインドウエアバッグ19の作動構造を示す説明図。
【図21】本願発明の車両用衝突保護装置において用いられる各種保護手段の作動状態の一例を示す説明図。
【符号の説明】
1…車両
2…バンパ
3…ボンネット
4…フロントウインドウ
5…回動部
6…フード持上げ機構
7…インフレータドライバ
10…中央処理装置
11…RAM
12…ROM
13…衝突予知センサ
14…衝突検知センサ
14a…第1衝突検知センサ(高感度)
14b…第2衝突検知センサ(低感度)
15…車速センサ
16…車高センサ
17…下脚サポート
18…フードエアバッグ
19…ウインドウエアバッグ
20…アクティブサスペンション
21…バンパエアバッグ
Claims (11)
- 障害物の衝突を予知する障害物衝突予知手段と、
障害物の衝突を検知する障害物衝突検知手段と、
前記障害物衝突予知手段により障害物の衝突を予知したとき、又は前記障害物衝突検知手段により衝突を検知したときに障害物の保護を実行する衝突予知保護手段と、
前記障害物衝突検知手段により障害物の衝突を検知したときに障害物の保護を実行する衝突保護手段と、
前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて、車両が障害物に衝突したときの動作条件を決定する決定手段とを備えた
車両用衝突保護装置。 - 前記決定手段により決定する動作条件を、前記障害物衝突検知手段の検知条件及び/又は、前記衝突保護手段の作動態様で設定する
請求項1に記載の車両用衝突保護装置。 - 前記衝突予知保護手段を、車両のバンパ前方に突出することにより歩行者の脚部を保護する脚部保護手段で形成し、
前記障害物衝突予知手段が衝突予知しなかったときには、衝突を検知しやすくすべく、予知したときよりも、前記障害物衝突検知手段の検知条件である検知閾値を小さく設定する
請求項2に記載の車両用衝突保護装置。 - 前記衝突予知保護手段を、車両のバンパ前方に突出することにより歩行者の脚部を保護する脚部保護手段で形成し、
前記障害物衝突予知手段が衝突予知しなかったときには、前記衝突保護手段の動作を早くすべく、予知したときよりも、前記衝突保護手段の作動時間を短く設定する
請求項2に記載の車両用衝突保護装置。 - 車両の車高を検知する車高検知手段を備え、
前記障害物衝突予知手段に歩行者の体格を認識する機能を付加し、
前記脚部保護手段の作動高さを調整可能に構成し、
前記車高検知手段により検知した車高及び、前記障害物衝突予知手段により認識した歩行者の体格に基づいて、
前記脚部保護手段の作動高さを設定する
請求項3又は4に記載の車両用衝突保護装置。 - 車両の車高を検知する車高検知手段と、
車両の車高を調整できる車高調整手段を備え、
前記障害物衝突予知手段に歩行者の体格を認識する機能を付加し、
前記車高調整手段により前記脚部保護手段の高さを調整可能に構成し、
前記車高検知手段により検知した車高及び、前記障害物衝突予知手段により認識した歩行者の体格に基づいて、
前記車高調整手段により前記脚部保護手段の高さを設定する
請求項3又は4に記載の車両用衝突保護装置。 - 前記衝突予知保護手段を、車両のバンパ前方に展開するバンパエアバッグ手段で形成し、
前記障害物衝突予知手段が衝突予知しなかったときには、衝突を検知しにくくすべく、予知したときよりも、前記障害物衝突検知手段の検知条件である検知閾値を大きく設定する
請求項2に記載の車両用衝突保護装置。 - 前記衝突予知保護手段を、車両のバンパ前方に展開するバンパエアバッグ手段で形成し、
前記障害物衝突予知手段が衝突予知しなかったときには、
前記障害物衝突検知手段による衝突検知があったときでも、前記衝突予知保護手段を作動させない
請求項2に記載の車両用衝突保護装置。 - 前記障害物衝突検知手段を高感度及び低感度の検知機能を備え、
高感度の障害物衝突検知手段の検知条件及び/又は、高感度の障害物衝突検知手段の検知に基づいて作動する前記衝突保護手段の作動態様を、
前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて決定し、
低感度の障害物衝突検知手段の検知条件及び/又は、低感度の障害物衝突検知手段の検知に基づいて作動する前記衝突保護手段の作動態様を、
前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて決定しない
請求項1乃至8のうち1に記載の車両用衝突保護装置。 - 前記障害物衝突検知手段を高感度及び低感度の複数の検知手段により形成し、高感度の障害物衝突検知手段の検知条件及び/又は、高感度の障害物衝突検知手段の検知に基づいて作動する前記衝突保護手段の作動態様を、
前記障害物衝突予知手段の衝突予知の有無に基づいて決定し、
前記障害物衝突予知手段により衝突予知をしなかった場合には、
低感度の障害物衝突検知手段による衝突検知があったときでも、
前記衝突保護手段を作動させない
請求項1乃至8のうち1に記載の車両用衝突保護装置。 - 高感度の障害物衝突検知手段に基づく前記衝突保護手段を、障害物と車両のボンネットとの衝突を和らげるフード保護手段で形成し、
低感度の障害物衝突検知手段に基づく前記衝突保護手段を、障害物と車両のフロントウインドウとの衝突を和らげるウインドウ保護手段で形成した
請求項9又は10に記載の車両用衝突保護装置。
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