JP4201258B2 - 歩行者保護装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中の車両に歩行者が衝突した際に、フード上にエアバッグを膨張展開する歩行者保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の速度以上で走行している車両が歩行者に衝突すると、この歩行者は、例えば車両バンパに衝突した後、フロントフード(ボンネット)上に持ち上げられ、フロントガラス等に二次衝突することが知られている。
この二次衝突から歩行者を保護するため、フロントフード上にエアバッグを膨張展開させる歩行者保護装置が特許文献1(特許第2920284号)に示されている。
この特許文献1に記載された歩行者保護装置について、図9に基づいて説明する。図中、車両のフロントフード51には、この歩行者保護装置50が備えるエアバッグモジュール53が設置されている。このエアバッグモジュール53は、エアバッグ52をフロントフード51上に膨張展開するように構成されている。
【0003】
また、この歩行者保護装置50は、車両の走行速度を検出する車速センサ54と、フロントバンパ部での衝突物体による荷重と変形量を検出するバンパセンサ56と、フロントフード先端部で衝突物体の衝突を検出する衝突センサ57を備えている。
さらに、衝突物体が歩行者に相当するときの荷重及び変形量の閾値を車速に基づいて設定する閾値設定手段55と、前記バンパセンサ56で検出される荷重及び変形量を前記閾値と比較して、歩行者が衝突した可能性があるか否かを判断する歩行者衝突判定手段58を備えている。そして、前記歩行者衝突判定手段58において衝突物体が歩行者である可能性があると判断し、かつ前記衝突センサ57の衝突信号が入力すると、前記エアバッグモジュール53にエアバッグ52の展開を指示する展開指示手段59を備えている。
【0004】
このような構成の歩行者保護装置50においては、車両のフロントバンパ部に歩行者が衝突した場合、先ず、バンパセンサ56が衝突によってかかる荷重とバンパの変形量を検出する。そして、歩行者衝突判定手段58が、前記バンパセンサ56において検出された荷重及びバンパの変形量と、閾値設定手段55が設定した閾値とを比較し、衝突した物体が歩行者であるか否かを判定する。
次いで、前記歩行者衝突判定手段58が、前記衝突した物体が歩行者であると判断し、かつ、衝突センサ57がフロントフード先端部において衝突を検出すると、展開指示手段59がエアバッグモジュール53に対し、エアバッグ52に展開指示を出す。そして、エアバッグ52がフロントフード上に展開し、歩行者を衝撃から保護するようにされている。
このように、前記特許文献1に示されるような歩行者保護装置においては、車両に衝突した物体が歩行者であるかを判定し、歩行者を衝撃から保護するように構成されている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2920284号公報(第2頁左欄第37行乃至右欄第7行、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなエアバッグのみで歩行者を保護する装置においては、車両外面に形成されたワイパー等の突起物、あるいは車両外面の硬く形成された部位から歩行者(特に頭部等)を保護するように、フロントフードおよびフロントガラスの広範囲を覆う大きなエアバッグが用いられている。
しかしながら、このようにエアバッグが大型化した場合、その膨張展開に用いるインフレータ等の周辺装置も大型化し、エアバッグモジュール全体が大型化していた。そのため、大型化したエアバッグモジュールの収納スペースをフロントフード下に確保する必要があった。また、大型化することによってエアバッグモジュールの重量が増すため、車両の動力性能(燃費等)に悪影響を及ぼす虞があった。
【0007】
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、小型軽量に形成されると共に、車両に衝突した歩行者に対する衝撃を緩和し、かつ車両外面に形成された突起物等から歩行者を保護することのできる歩行者保護装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明にかかる歩行者保護装置は、車両のフロントフードに形成された開口部に対し、蝶番によって車両前方側から開閉自在に取り付けられたリッドと、前記リッドの下方に設けられた収納部に収納されたエアバッグとを備え、前記エアバッグの膨張展開により前記リッドを押し開け、前記フロントフードに膨張展開した前記エアバッグにより、前記車両に衝突した歩行者を保護する歩行者保護装置であって、前記リッドの裏面に、歩行者にかかる衝撃を吸収する衝撃吸収部が形成され、前記衝撃吸収部は、前記エアバッグの膨張展開により前記リッドが前記蝶番を軸に回転して開いた際、前記収納部側から前記車両の外面に位置を移動し、該車両の外面を覆い、前記膨張展開したエアバッグは、前記衝撃吸収部及び前記リッドを介して前記車両の外面を覆うことに特徴を有する。
このようにエアバッグだけではなく、リッドが有する衝撃吸収部によっても歩行者にかかる衝撃を緩和するため、エアバッグのみの構成の場合よりもエアバッグの大きさを小さくすることができる。したがって、インフレータ等の周辺機器も小型化でき、省スペースに設置でき、また装置の軽量化を図ることができる。
【0009】
前記リッドが前記蝶番を軸に回転して開いた状態で、前記リッドの裏面に形成された衝撃吸収部が、前記リッドを介して前記車両の外面に形成された突起物を覆うことを特徴とするが望ましい。
そして、前記突起物は、少なくとも前記車両の外面に設けられたワイパーを含むことが好ましい。
このようにリッドが開き、前記衝撃吸収部がワイパーを覆うことによって、ワイパーによる歩行者の頭部への損傷を防ぐことができる。
【0010】
また、前記リッドが前記蝶番を軸に回転して開いた状態で、前記衝撃吸収部は、前記車両のフロントサスペンションストラット近傍のフロントフードと、フロントピラーと、サイドカウルのいずれかを覆うことが好ましい。
前記したワイパーのような突起物だけではなく、周囲(他の部位)に比べ硬く形成された部位においても歩行者が損傷を受ける確率が高くなる。そのため、それらの部位を前記衝撃吸収部によって覆うことにより、それらの部位による歩行者への損傷を防ぐことができる。
【0012】
また、前記衝撃吸収部が、内部を空洞とした樹脂によって形成されていることが好ましい。
この衝撃吸収部の内部が空洞に形成されることによって、この衝撃吸収体は、その厚さによる衝撃吸収性に加え、さらに衝撃吸収効果を増し、これにより歩行者にかかる衝撃を効率的に吸収することができる。また、内部が空洞であることにより、装置の軽量化を図ることができる。
また、前記衝撃吸収部が、ハニカム構造の樹脂によって形成されてもよく、あるいは、発泡材により形成されてもよい。
すなわち、この衝撃吸収体は、衝撃吸収性、軽量性を有すればよく、前記のようにハニカム構造の樹脂、あるいは発泡材により形成してもよい。
【0013】
また、前記リッドには、前記エアバッグが膨張展開した際の該リッドの変形を抑制する補強部がさらに形成され、前記エアバッグが膨張展開した際に、該エアバッグと前記補強部とが当接することが望ましい。
このように、エアバッグが膨張展開した際の衝撃を、前記補強部によって受けることによって、リッドの変形を防ぐことができる。すなわち、リッドの変形によるエアバッグおよび歩行者への損傷等を防ぐことができる。
また、前記補強部が、前記衝撃吸収部と一体に形成され、少なくとも前記衝撃吸収部の厚さより薄く形成されてもよい。
なお、前記補強部と前記衝撃吸収部とが、同一素材により一体形成されていてもよい。
また、前記リッドの裏面において、前記補強部は前記衝撃吸収部と隣り合うように形成されていることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る歩行者保護装置について、図1乃至図7に示す実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る歩行者保護装置の全体構成を示すブロック図である。図2は、前記歩行者保護装置を搭載した車両の斜視図である。図3は、前記歩行者保護装置が備えるエアバッグモジュールの断面図である。図4は、フロントフードに設置されたリッドの断面図である。また、図5は、フロントフードに設置されたリッドの他の素材形態における断面図および平面図であり、図6は、さらに他の素材形態における断面図である。そして、図7は図3に示すエアバッグモジュールのエアバッグが膨張展開した状態を示す図である。
【0015】
図1のブロック図に示すように、歩行者保護装置100は、図2に示す車両1の走行速度を検出する車速センサ20と、少なくともフロントバンパ3に物体が衝突したことを検出するバンパセンサ21と、フロントフード2への物体の衝突を検出する衝突センサ22を備える。
なお、前記バンパセンサ21は、図2に示す車両1のフロントバンパ3に設置され、前記衝突センサ22は、フロントフード2(ボンネット)の先端付近2bに設置されている。
【0016】
さらに、この歩行者保護装置100は、前記車速センサ20と前記バンパセンサ21の検出結果から、車両1が歩行者に衝突したことを判定する歩行者衝突判定部23を備える。そして、この歩行者衝突判定部23により歩行者の衝突を判定し、かつ前記衝突センサ22がフロントフード2への歩行者の衝突を検出したときに、エアバッグの作動指示を出すエアバッグ作動指示部24を備えている。
【0017】
またさらに、この歩行者保護装置100は、前記エアバッグ作動指示部24からの指示によりエアバッグを膨張展開するエアバッグモジュール10を備えている。このエアバッグモジュール10は、エアバッグにガスを注入して膨張展開させるインフレータ15を備えており、前記エアバッグ作動指示部24が前記インフレータ15に作動指示を送ることにより、このインフレータ15が作動するように構成されている。また、エアバッグモジュール10は、後述するリッド11を備えている。
【0018】
一方、図2、図3に示すように、前記エアバッグモジュール10は、車両1のフロントガラス4側のフロントフード2に搭載される。このフロントフード2には略矩形状の開口部2aが形成され、その下方には、バックアッププレート16が設けられることによって所定の広さの収納部17が設けられている。
【0019】
また、図3に示すようにこの開口部2aに対し、蝶番11aによって開閉自在な蓋体であるリッド11が設けられている。このリッド11の裏面には、凸形状の膨らみを有する衝撃吸収部12が形成されている。この衝撃吸収部12は、エアバッグが膨張展開してリッド11が押し開けられた状態のときに、エアバッグと共に、その膨らみによって、衝突した歩行者に対する衝撃を吸収する機能を有する。
この衝撃吸収部12は、例えば図4に示すように、その内部が空洞とした樹脂素材により形成されている。すなわち、内部を空洞化することにより、衝撃吸収効果を向上し、歩行者との衝突による衝撃を緩和するように構成されている。また、この衝撃吸収部12は、膨らみを有する形状であっても、その内部が空洞であるため、重量が大幅に増加することもない。
なお、この衝撃吸収部12は、前記の構成に限らず、衝撃吸収性および軽量性を有するように形成すればよいため、例えば、図5(a)の断面図および図5(b)の平面図に示すように、蜂の巣のように形成された、樹脂素材によるハニカム構造(リブ構造)で形成してもよい。
あるいは、図6(a)に示すように、内部に多数の気泡を有する発泡素材により形成してもよい。
【0020】
また、図3に示すように、前記リッド11の裏面には、前記衝撃吸収部12に隣り合うかたちで、略均一の厚さの補強部13が前記衝撃吸収部12と一体に形成されている。この補強部13の厚さは、前記衝撃吸収部12の最も膨らんだ部分の厚さよりも薄く形成されている。
また、前記収納部17は、リッド11が閉状態のときに、小さく折り畳まれたエアバッグ14を収納する空間部であって、その底部には、エアバッグ14にガスを瞬時に注入し膨張展開する機能を有するインフレータ15が設置されている。
このとき、折り畳まれたエアバッグ14は、前記補強部13の下方に収納され、エアバッグ14が膨張展開した際に、図7に示すように、このエアバッグ14と補強部13とが当接するように構成されている。この補強部13は、エアバッグ14が膨張展開した際に、少なくともリッド11が変形しない程度の機械的剛性を有していればよく、例えば図6(b)に示すように、衝撃吸収部12と同じ発泡素材により形成してもよい。
【0021】
また、図7に示すように、車両1が歩行者30に衝突し、インフレータ15によってエアバッグ14が膨張展開した場合、エアバッグ14はリッド11を押し開け、フロントフード2からフロントガラス4にかけて展開するように構成されている。そして、衝撃吸収部12は、リッド11が蝶番11aを軸に開くことで車体外面(フロントガラス4)を覆う位置に移動する。そして衝撃吸収部12は、膨張展開したエアバッグ14と車体外面(フロントガラス4)との間に介在するようにされている。
特にこのとき、リッド11の裏面に形成された衝撃吸収部12が車両1の外面の突起物であるワイパー5を覆う状態となるように構成されている。
また、エアバッグ14が膨張展開したときには、リッド11に対し急激に荷重が加わるが、前記したように、リッド11の裏面に取り付けられた前記補強部13によってリッド11が変形しないようにされている。すなわち、リッドの変形によるエアバッグ14および歩行者30への損傷等を防ぐようにされている。
【0022】
以上のように構成された歩行者保護装置100は、所定の速度以上で走行する車両1が歩行者に衝突した場合、次のように動作する。
図1に示す車速センサ20が所定の速度(例えば30km/h)以上を検出しているとき、車両1のフロントバンパ3において歩行者30に衝突すると、バンパセンサ21は、少なくともフロントバンパ3に物体が衝突したことを検出する。
そして、歩行者衝突判定部23において、車両1に衝突したのが歩行者30であるか否かが判定される。なお、この歩行者衝突判定部23における歩行者判定方法は、例えば前記特許文献1のようにフロントバンパ3に加わる荷重及び変形量に基づき判断しても良いし、あるいは小型のCCDカメラ等を用いて歩行者30を画像認識することにより行なってもよい。
【0023】
次いで、前記歩行者衝突判定部23において、車両1が歩行者30に衝突したことを判定し、かつ衝突センサ22がフロントフード2へ衝突を検出したときに、エアバッグ作動指示部24は、エアバッグモジュール10にエアバッグ14の展開指示を行なう。
そして、エアバッグモジュール10においては、インフレータ15が作動し、図7に示すようにエアバッグ14がフロントフード2上に膨張展開する。これにより、歩行者30に対する衝撃は、エアバッグ14とリッド11に取り付けられた衝撃吸収部12の2重構造により緩和される。このとき、車両外面に形成された突起物であるワイパー5は、開かれた状態のリッド11によって覆い隠されるため、このワイパー5によって歩行者30の頭部が損傷を与えることが回避されるように構成されている。
【0024】
以上説明した本発明の実施形態によれば、エアバッグ14と前記衝撃吸収部12の2重構造により歩行者に対する衝撃を吸収し、緩和するため、エアバッグ14のみの構成よりもエアバッグ自体の大きさを小さくすることができる。
これにより、インフレータ等の周辺機器も小型化することができるため、フロントフード内部におけるエアバッグモジュール10の収納スペースを小さくすることができ、また、エアバッグモジュール10を軽量化することができる。
さらには、リッド11が開いた状態において、ワイパー5等の突起物がリッド11によって覆い隠されるように構成されているため、歩行者の頭部等への損傷を防ぐことができる。また、エアバッグ14は突起物に接触しないため、突起物によるエアバッグへの損傷も防ぐことができる。
【0025】
なお、前記実施の形態においては、車両1が歩行者に衝突した後にエアバッグ14が膨張展開する構成としたが、車両1が歩行者に衝突する直前にエアバッグ14を膨張展開する構成としてもよい。この場合、図1に示した構成は、図8に示す構成となる。なお、機能および形状が同じものは同一の符号で示し、その詳細な説明は省略する。
【0026】
図8に示す歩行者保護装置100は、車両1の物体への衝突を予知する歩行者予知センサ25と、車両前方の物体が歩行者か否かを検知する歩行者検知センサ26と、それらセンサの結果から歩行者への衝突を予知する歩行者衝突予知判定部27を備える。そして、前記歩行者衝突予知判定部27において、車両1が歩行者に衝突すると判定した場合に、エアバッグ作動指示部24が作動し、エアバッグモジュール10において、エアバッグ14が膨張展開するように構成されている。
【0027】
前記衝突予知センサ25は、例えばレーザレーダ、ミリ波レーダ等により前方の物体との距離を算出し、車速に応じてブレーキをかけた場合でも前方の物体と衝突する可能性を数値的に算出し、その値を予め設定された閾値と比較することにより前方の物体と衝突するか否かを予知するよう構成されている。
また、前記歩行者検知センサ26は、例えば赤外線レーダ、小型CCDカメラを用いた画像センサ等により前方の物体が歩行者であるか否かを検知するよう構成されている。
そして、前記歩行者衝突予知判定部27は、前記衝突予知センサ25において、車両1の前方の物体と車両1とが衝突すると判定し、なおかつ、前記歩行者検知センサ26において、前記物体が歩行者であると検知した場合に、エアバッグ作動指示部24の作動を指示するよう構成されている。
【0028】
このような構成の歩行者保護装置100においては、衝突予知センサ25及び歩行者検知センサ26との検出結果から歩行者衝突予知判定部27が車両1と歩行者との衝突を予知判定すると、エアバッグ14が膨張展開する。すなわち、車両1が歩行者に衝突する前にエアバッグ14が膨張展開する構成となっている。
【0029】
このように構成することにより、例えば非常に高速で走行中の車両1が歩行者に衝突する場合、衝突した後にエアバッグ14を展開するよりも時間的余裕をもってエアバッグ14を膨張展開することができる。すなわち、エアバッグ14の膨張展開が間に合わずに発生する歩行者のフロントガラス4等への2次衝突を防ぐことができる。
【0030】
また、前記した実施の形態においては、エアバッグモジュール10をフロントフード2下のフロントガラス側に設置し、リッド11が開いたときに、リッド11によってワイパー5が覆われる構成とした。
しかしながら、本発明にかかる歩行者保護装置100のエアバッグモジュールの設置箇所は前記した例に限らなくてもよい。例えば、エアバッグ14が膨張展開したときに、フロントサスペンションストラット近傍のフロントフード、フロントピラー、あるいはサイドカウルが前記衝撃吸収部12によって覆われるようにエアバッグモジュールを設置しても良い。すなわち、前記した部位は、その周囲よりも硬く形成されており、それらの部位を衝撃吸収部12によって覆うようにすることで、さらに歩行者に対する衝撃を緩和することができる。
また、前記した実施の形態においては、前記衝撃吸収部12をエアバッグ14と車体との間に介在させる構成としたが、この例に限らず、エアバッグは、衝撃吸収部12と異なる部位を覆うように展開させてもよい。これにより、エアバッグ自体の大きさを大きくしなくても、車体外面の広い領域において歩行者を保護することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなとおり、本発明によれば、小型軽量に形成されると共に、車両に衝突した歩行者に対する衝撃を緩和し、かつ車両外面に形成された突起物等から歩行者を保護することのできる歩行者保護装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る歩行者保護装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、歩行者保護装置を搭載した車両の斜視図である。
【図3】図3は、歩行者保護装置が備えるエアバッグモジュールの断面図である。
【図4】図4は、フロントフードに設置されたリッドの断面図である。
【図5】図5は、フロントフードに設置されたリッドの他の素材形態における断面図および平面図である。
【図6】図6は、フロントフードに設置されたリッドのさらに他の素材形態における断面図である。
【図7】図7は、エアバッグモジュールのエアバッグが膨張展開した状態を示す図である。
【図8】図8は、本発明に係る歩行者保護装置の他の全体構成例を示すブロック図である。
【図9】図9は、従来の歩行者保護装置の全体構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 車両
2 フロントフード
3 フロントバンパ
4 フロントガラス
5 ワイパー
10 エアバッグモジュール
11 リッド
12 衝撃吸収部
13 補強部
14 エアバッグ
15 インフレータ
20 車速センサ
21 バンパセンサ
22 衝突センサ
23 歩行者衝突判定部
24 エアバッグ作動指示部
Claims (11)
- 車両のフロントフードに形成された開口部に対し、蝶番によって車両前方側から開閉自在に取り付けられたリッドと、前記リッドの下方に設けられた収納部に収納されたエアバッグとを備え、前記エアバッグの膨張展開により前記リッドを押し開け、前記フロントフードに膨張展開した前記エアバッグにより、前記車両に衝突した歩行者を保護する歩行者保護装置であって、
前記リッドの裏面に、歩行者にかかる衝撃を吸収する衝撃吸収部が形成され、
前記衝撃吸収部は、前記エアバッグの膨張展開により前記リッドが前記蝶番を軸に回転して開いた際、前記収納部側から前記車両の外面に位置を移動し、該車両の外面を覆い、
前記膨張展開したエアバッグは、前記衝撃吸収部及び前記リッドを介して前記車両の外面を覆うことを特徴とする歩行者保護装置。 - 前記リッドが前記蝶番を軸に回転して開いた状態で、前記リッドの裏面に形成された衝撃吸収部が、前記リッドを介して前記車両の外面に形成された突起物を覆うことを特徴とする請求項1に記載された歩行者保護装置。
- 前記突起物は、少なくとも前記車両の外面に設けられたワイパーを含むことを特徴とする請求項2に記載された歩行者保護装置。
- 前記リッドが前記蝶番を軸に回転して開いた状態で、前記衝撃吸収部は、前記車両のフロントサスペンションストラット近傍のフロントフードと、フロントピラーと、サイドカウルのいずれかを覆うことを特徴とする請求項1に記載された歩行者保護装置。
- 前記衝撃吸収部が、内部を空洞とした樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された歩行者保護装置。
- 前記衝撃吸収部が、ハニカム構造の樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された歩行者保護装置。
- 前記衝撃吸収部が、発泡材により形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された歩行者保護装置。
- 前記リッドには、前記エアバッグが膨張展開した際の該リッドの変形を抑制する補強部がさらに形成され、
前記エアバッグが膨張展開した際に、該エアバッグと前記補強部とが当接することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載された歩行者保護装置。 - 前記補強部が、前記衝撃吸収部と一体に形成され、
少なくとも前記衝撃吸収部の厚さより薄く形成されていることを特徴とする請求項8に記載された歩行者保護装置。 - 前記補強部と前記衝撃吸収部とが、同一素材により一体に形成されていることを特徴とする請求項9に記載された歩行者保護装置。
- 前記リッドの裏面には、前記補強部が前記衝撃吸収部と隣り合うように形成されていることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれかに記載された歩行者保護装置。
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