JP2008056016A - 車両用安全保護装置 - Google Patents

車両用安全保護装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008056016A
JP2008056016A JP2006233736A JP2006233736A JP2008056016A JP 2008056016 A JP2008056016 A JP 2008056016A JP 2006233736 A JP2006233736 A JP 2006233736A JP 2006233736 A JP2006233736 A JP 2006233736A JP 2008056016 A JP2008056016 A JP 2008056016A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damage
vehicle
pedestrian
occupant
computer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006233736A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshikatsu Kisanuki
義勝 木佐貫
Tetsuzo Inoue
鉄三 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2006233736A priority Critical patent/JP2008056016A/ja
Publication of JP2008056016A publication Critical patent/JP2008056016A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Automotive Seat Belt Assembly (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

【課題】車両の乗員又は歩行者の被害を正確に予測して、乗員又は歩行者の被害を大幅に低減する。
【解決手段】被害予測コンピュータ32は、記憶装置31に記憶されている被害予測データベースを用いて、乗員の被害予測情報を出力する。安全保護具制御用コンピュータ42は、被害予測コンピュータ32で予測された乗員の被害に基づいて、例えば、発生傷害の受傷程度が軽傷と予測される場合と重傷と予測される場合でそれぞれ起動する安全保護具50の種類や特性を変更し、受傷程度に応じた好適な保護を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の乗員や車外の歩行者などの衝突被害を軽減するための車両用安全保護装置に関する。
車両には、車両乗員に対してシートベルト、エアバック、及びアクティブシートなどの安全保護具が搭載されている。また、車両には、車外の歩行者及び二輪車乗員の被害軽減を目的として歩行者用エアバックやアクティブフードなどの安全保護具も搭載されている。
これらの安全保護具は、過去の事故データの分析結果を基に被害軽減に有効に働くように動作特性が案出され、実験や数値計算などによってその効果が確認された後に、車載されている。すなわち、安全保護具の構成及び動作は、事故データを分析することにより、その分析結果を基に標準とすべき代表的な事故形態での被害を軽減するように決められている。このような安全保護具に関する技術については、これまでに数多く開示されている。
特許文献1では、車両事故により負傷者が発生したときに負傷者の損傷度を判定する車両事故の対応支援システムが開示されている。特許文献2では、乗員保護に用いられる機器を衝突予測に応じて適切に制御する乗員保護装置が開示されている。
特開2003−186994号公報 特開2005−041256号公報
ところで、本発明者らは、事故データを基に事故における関連諸要因の被害に及ぼす影響を詳細に分析した。その結果、例えば前突事故の乗員被害においても、運転者の回避行動や運転者の身体条件或いはシートヘの着座状況などの要因の構成によって被害状況が異なることがわかった。このため、従来車載されている安全保護具は、前述のように特定の事故形態における代表的な被害軽減を目的としており、事故における個々の事故関連要因間の相互影響までは十分に考慮されていないことがわかった。また、各安全保護具は個別にその性能を発揮するように構成されており、各保護具が協調動作することによって乗員や歩行者の被害軽減を図ることまでは考慮されていなかった。このようなことから、車載されている保護具の更なる保護性能向上を図るためには、対象事故における事故関連要因に応じて安全保護具を協調動作させ被害軽減を図ることが望ましい。
例えば、特許文献1の技術は、車両の衝突状況(事故情報)や身体条件(負傷者の力学モデル)等を考慮するものの、運転者の回避行動や着座状況などの因子の被害への影響を考慮しておらず、更に相互間の影響も考慮されていないため、十分な精度で被害予測できないという課題がある。また、被害予測は事故後の被害発生の防止を目的としていないことなども課題である。
また、特許文献2の技術は、衝突度合いを自車のブレーキ操作量で予測して、第1の判定値と第2の判定値を設定して第1安全装置と第2安全装置をそれぞれ作動させている。
しかしながら、引用文献2の技術は、自車両のブレーキ操作量を用いて衝突度合いを予測するものであり、自車両以外の車両の速度や自車両に対する相対的な位置関係を把握することなく予測している。このため、乗員及び歩行者の衝突時の被害に大きく影響を与える衝突情況を正確に把握できない課題があった。
また、特許文献2の技術は、特許文献1と同様に、事故関連要因間の相互影響を考慮せず、単にブレーキ操作量に基づいてのみ第1及び第2の安全装置を作動させでいるため、実際の乗員及び歩行者の被害軽減に有効な安全装置が必ずしも作動されていない課題がある。
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、車両の乗員又は歩行者の被害を正確に予測して、乗員又は歩行者の被害を大幅に低減することができる車両用安全保護装置を提供することを目的とする。
本発明の車両用安全保護装置は、車両の乗員又は当該車両に衝突する歩行者を保護する保護具と、前記乗員又は前記歩行者の被害を予測する被害予測手段と、被害予測手段により予測された被害に基づいて、前記保護具を制御する保護具制御手段と、を備えている。
保護具は、車両の乗員又は車両に衝突する車両外の歩行者を保護する。被害予測手段は、乗員又は歩行者の被害を予測する。ここで、保護具制御手段は、被害予測手段により予測された被害に基づいて、すなわち、被害が生じる前に前記保護具を制御する。
したがって、車両用安全保護装置は、乗員又は歩行者の被害を予測し、予測された被害に基づいて保護具を制御することにより、予測される被害に応じて好適な乗員又は歩行者の保護を行うことができる。
本発明は、車両の乗員又は歩行者の被害を正確に予測して、乗員又は歩行者の被害を大幅に低減する。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る安全保護具制御装置の構成を示すブロック図である。安全保護制御装置は、車両に搭載され、乗員又は歩行者(静止又は走っている者も含む。)を保護するものである。第1の実施形態では、前面衝突事故において乗員を保護する例を説明する。
安全保護制御装置は、車両前方を撮影するカメラ11、レーザレーダ12、車両を制御する車両制御用コンピュータ13、衝突要因を抽出する要因抽出センサ21、乗員の情報を入力する情報入力端末22、入力された情報を一時記憶する記憶装置23、衝突に関連する要因を抽出する関連要因抽出コンピュータ24を備えている。
また、安全保護制御装置は、被害予測データベースを記憶する記憶装置31、被害を予測する被害予測コンピュータ32、プログラム等が記憶されている記憶装置41、安全保護具制御用コンピュータ42と、車両の乗員又は車両外の歩行者を保護する安全保護具50を備えている。
安全保護具50は、具体的には、シートベルト51、エアバック52、ニーエアバック53、サイドエアバック54、カーテンエアバック55、アクティブシート56、フードエアバック57、バンパーエアバック58、アクティブフード59を有している。ここで、シートベルト51、エアバック52、ニーエアバック53、サイドエアバック54、カーテンエアバック55、アクティブシート56は、乗員保護具である。フードエアバック57、バンパーエアバック58、アクティブフード59は、歩行者保護具である。
安全保護具制御用コンピュータ42は、車両制御用コンピュータ13、関連要因抽出コンピュータ24、被害予測コンピュータ32に、それぞれ信号線を介して接続されている。
車両制御用コンピュータ13は、車両周辺環境を計測するためのカメラ11、レーザレーダ12にそれぞれ接続されている。カメラ11及びレーザレーダ12は、自車と他車の衝突、自車と歩行者の衝突を予測すること等に用いられる。カメラ11及びレーザレーダ12は、特に、自車と歩行者との衝突においては、予測と同時に衝突情報の収集にも用いられる。なお、カメラ11、レーザレーダ12のいずれか一方だけが設けられてもよい。
関連要因抽出コンピュータ24は、要因抽出センサ21、情報入力端末22、記憶装置23に、それぞれ信号線を介して接続されている。
要因抽出センサ21は、例えば、車体速度(車速)、操舵角、ブレーキ操作量、横加速度、ヨーレイト等の車両情報を抽出する。情報入力端末22は、ユーザの操作入力により、乗員の身長、体重、骨密度、運転姿勢などの身体的情報を入力する。
被害予測コンピュータ32は、信号線を介して記憶装置31に接続されている。記憶装置31には、被害予測データベースが記憶保存されている。被害予測コンピュータ32は、安全保護具制御用コンピュータ42から被害状況信号が供給されると、その被害状況信号に基づいて記憶装置31の被害予測データベースから順次データを読み出す。被害状況信号は、被害者の乗員及び車両の被害状態を表すものであり、例えば、(乗員年齢30歳)and(乗員身長170cm)and…and(衝突速度55km/h)and(衝突角度15度)and…などのような論理積で表現される。
図2は、記憶装置31の被害予測データベースを示す図である。図3は、被害予測データベースを木構造で表した状態示す図である。
被害予測データベースは被害予測信号の組み合わせ情報に応じた身体各部の傷害発生確率及び発生傷害の受傷程度に関する情報を有している。ここで、身体各部の傷害発生確率は、例えば図4及び図5に示すように、身体各部の名称と傷害発生確率の組からなるデータである。
安全保護具制御用コンピュータ42は、該身体各部の傷害発生確率を比較し、傷害発生確率の高い部位の順に好適な保護を行う。一方、発生傷害の受傷程度は、被害予測信号の組み合わせ情報に応じた図6に示すような組データである。これらの組みデータは、図4及び図5における身体各部位ごとに構成されている。組みデータは、例えば車速に対して連続して記述すると図7のような曲線となり、シートベルトの拘束特性やエアバックの拘束特性など起動する安全保護具の選択や特性制御などに用いられる。
そして、安全保護具制御用コンピュータ42は、詳しくは後述するが、発生傷害の受傷程度が軽傷と予測される場合と重傷と予測される場合で、起動する安全保護具の種類や特性を変更し、受傷程度に応じた好適な保護を行う。
以上のように構成された安全保護制御装置は、次のような処理を実行する。ここでは、対向車線を走行中の車両A(自車)と車両B(他車)の衝突による乗員保護を例を挙げて説明する。車両Bが走行中に本来走行すべき車線を逸脱し、対向車線を走行中の車両Aと衝突したものとする。
車両Aに搭載の車両制御用コンピュータ13は、カメラ11及びレーザレーダ12の出力信号に基づいて、対向して来る車両Bを検知し、車両Aと車両Bの相対速度変化及び予想走行軌跡から両車両の衝突の危険性を予測する。車両制御用コンピュータ13は、両車両の衝突が回避できないと判断した場合には、安全保護具制御用コンピュータ42に衝突回避不可信号を出力する。このとき、安全保護具制御用コンピュータ42は、次の制御ルーチンを実行する。
図8は、安全保護具制御用コンピュータ42の制御ルーチンを示すフローチャートである。
(本ルーチン1)
ステップS1では、安全保護具制御用コンピュータ42は、車両制御用コンピュータ13からの衝突回避不可信号を受信するまで待機して、衝突回避不可信号を受信すると、ステップS2に進む。
ステップS2では、安全保護具制御用コンピュータ42は、安全保護具50の統合協調制御を行うために、関連要因抽出コンピュータ24へ関連要因送付信号を送信して、ステップS3に進む。このとき、関連要因抽出コンピュータ24は、次の処理を実行する。
(関連要因抽出コンピュータ24の処理)
図9は、関連要因抽出コンピュータ24の制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップS11では、関連要因抽出コンピュータ24は、関連要因送付信号を受信するまで待機して、関連要因送付信号を受信すると、ステップS12に進む。
ステップS12では、関連要因抽出コンピュータ24は、関連要因情報の計測が完了したかを判定する。具体的には、関連要因抽出コンピュータ24は、要因抽出センサ21及び情報入力端末22を介して、乗員の年齢、身長、体重、性別、骨密度などの身体的情報や運転姿勢、シートベルト着用状況、ハンドル操作やブレーキ操作などの情報を計測または読み込み、これらの処理が終了したかを判定する。
なお、情報入力端末22は、乗員の直接入力によって、身長、体重や骨密度などの短時間で変化しない情報を1回のみ入力すればよい。一方、要因抽出センサ21は、運転姿勢やハンドル操作及びブレーキ操作など短時間で状態が変化する事故関連要因に関して、所定の時間間隔で繰り返し抽出する。
そして、関連要因抽出コンピュータ24は、要因抽出センサ21及び情報入力端末22から送信されてくる情報を記憶装置23に記憶し、上述の関連要因情報の計測が完了するとステップS13に進む。
ステップS13では、関連要因抽出コンピュータ24は、関連要因情報を安全保護具制御用コンピュータ42に送信して、ステップS12に戻る。そして、安全保護具制御用コンピュータ42は、次の処理を実行する。
(本ルーチン2)
図8のステップS3では、安全保護具制御用コンピュータ42は、関連要因抽出コンピュータ24から関連要因情報を受信するまで待機して、関連要因情報を受信するとステップS4に進む。
ステップS4では、安全保護具制御用コンピュータ42は、関連要因情報に基づいて、被害予測コンピュータ32に被害予測信号を送信して、ステップS5に進む。
被害予測信号は、例えば、関連要因抽出コンピュータ24からの1)乗員年齢、2)身長、3)体重、4)性別、5)運転者回避行動、6)運転姿勢、7)シートベルト着用情報及び、車両制御用コンピュータ13からの8)車速、9)予測衝突角度(予測事故形態)、10)エアバックの装備情報などで構成されている。つまり、被害予測信号はこれらの項目の組み合わせ情報であり、該組み合わせ情報が被害予測データベースでの検索条件となる。
(被害予測コンピュータ32の処理)
図10は、被害予測コンピュータ32の制御ルーチンを示すフローチャートである。
ステップS21では、被害予測コンピュータ32は、安全保護具制御用コンピュータ42からの被害予測信号を受信するまで待機して、被害予測信号を受信すると、ステップS22に進む。
ステップS22では、被害予測コンピュータ32は、安全保護具制御用コンピュータ42から送信されてきた被害予測信号に基づいて、記憶装置31に記憶されている被害予測データベースから被害予測情報(身体各部の障害発生確率及び発生傷害程度)を読み出す。被害予測データベースは、事故データの分析結果や計算モデルを用いたシミュレーション結果を基に構築されたものである。
よって、被害予測コンピュータ32は、被害予測信号の組み合わせ情報に応じて、身体各部の傷害発生確率及び発生傷害の受傷程度を読み出す。例えば、被害予測コンピュータ32は、図2に示すような被害予測信号が被害予測データベースに入力された場合、被害予測信号の組み合わせ情報(下線)に応じた身体各部の傷害発生確率及び発生傷害の受傷程度を出力する。
被害予測コンピュータ32は、この身体予測情報を安全保護具制御用コンピュータ42に送信して、ステップS21に戻る。このとき、安全保護具制御用コンピュータ42は、次の処理を実行する。
(本ルーチン3)
図8のステップS5では、安全保護具制御用コンピュータ42は、被害予測コンピュータ32からの被害予測情報を受信するまで待機して、被害予測情報を受信すると、ステップS6に進む。
ステップS6では、安全保護具制御用コンピュータ42は、安全保護具50に被害予測情報を送信する。具体的には、安全保護具制御用コンピュータ42は、被害予測コンピュータ32から送信されてきた被害予測情報に基づいて、衝突時に起動すべき安全保護具50を選択するとともに起動する安全保護具50の起動条件を決める。なお、安全保護具50の起動を行う一連の処理は、安全保護具制御用コンピュータ42に接続されている記憶装置41に記憶されている処理プログラム及びデータベースを用いて行われる。
例えば、前突事故といった衝突形態において、衝突に至る過程で運転者がハンドルによる回避動作を行っている場合などでは、運転者が顔面或いは上肢を損傷する確率が高い。この場合、安全保護具制御用コンピュータ42は、運転者の顔面或いは上肢を保護すべく、起動すべき安全保護具50としてシートベルト51を選択し、事故直前におけるシートベルト51の拘束力を定常時よりも高めるように制御する。安全保護具制御用コンピュータ42は、或いは、衝突時に運転席側のサイドエアバック54及びカーテンエアバック55を展開して顔面や上肢を保護するように制御する。これにより、運転者のハンドル回避動作に伴う上体移動の影響を考慮して衝突による被害軽減を図ることができる。
ここで、サイドエアバック54やカーテンエアバック55は、主に側面衝突事故や横転事故において乗員を保護するものである。これに対して、第1の実施形態に係る安全保護制御装置は、予測した乗員の受傷部位や受傷程度に応じて、これらの安全保護具50を乗員保護に活用することができる。
起動すべき安全保護具50の選択及び起動条件は、安全保護具制御用コンピュータ42に接続されている記憶装置41に記憶されているデータベースを検索することにより決定される。データベースの検索条件は、被害予測コンピュータ32から送信されてくる被害予測情報に基づく。
なお、起動すべき安全保護具50の種類及び起動条件は、事前に被害予測情報の内容に対応して実験及びシミュレーション計算等によって決定されている。例えば、上述の運転者のハンドル回避動作などの影響は、図11(a)及び(b)に示すシミュレーション計算などによって、事前に予測しておく。
更に、安全保護具制御用コンピュータ42は、シートベルト51による拘束力に関しては、図12に示すように、骨の強度が年齢とともに低下することなどを考慮して各年齢層で好適な値に変更する。同時に、安全保護具制御用コンピュータ42は、エアバック52による拘束力に関しても、噴入する流体の圧力や排気口の径を変更することにより、被害予測情報に対応して好適な保護特性が得られるように制御する。
また、シート着座姿勢によっては、サブマリンと呼ばれるシートヘの沈み込みによる被害が発生する。そこで、安全保護具制御用コンピュータ42は、例えばニーエアバック53の展開圧力を高めることにより、乗員下肢の前方移動を抑制するとともにシートベルト51による上肢への拘束力を好適にする等、複数の安全保護具50の特性を統合制御する。この結果、予想される乗員受傷に対してより好適な保護特性を得ることも可能となる。
安全保護具50は、前述のようにシートベルト51、エアバック52などが考えられるが、これらに限定されるものではない。例えば、衝突時の車両速度や角度などの車両挙動を制御することによって安全保護具50の保護機能を補助することも可能である。
以上のように、第1の実施形態に係る安全保護制御装置は、車両の乗員に生じる被害を予測し、予測した被害を表す被害予測情報に基づいて、乗員の被害が最小になるように安全保護具50の中から最適なものを1つ以上選択して起動することにより、より高い保護性能を発揮することができる。
[第2の実施形態]
つぎに、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第2の実施形態では、歩行者の負う被害を軽減するために歩行者保護デバイスを統合協調制御する例を以下に示す。
第2の実施形態に係る安全保護制御装置は、第1の実施形態と同様に図1に示すように構成されている。
車両制御用コンピュータ13は、カメラ11及びレーザレーダ12の出力に基づいて、車両と歩行者が衝突することを予測すると、安全保護具制御用コンピュータ42に歩行者衝突回避不可信号を出力する。
カメラ11及びレーザレーダ12による歩行者の検出は、例えば検出体の大きさやその移動速度或いは発熱状況などによる既知の方法によって行われる。よって、歩行者を検出する際には、歩行者の身長や概略の体重及び移動速度などの情報が同時に得られる。そして、車両制御用コンピュータ13は、検出体についての情報を安全保護具制御用コンピュータ42に送信する。この情報は、安全保護具50の統合協調制御を行う際に関連要因抽出コンピュータ24から安全保護具制御用コンピュータ42に送信された情報に対応する。
安全保護具制御用コンピュータ42は、車両制御用コンピュータ13からの送信情報を被害予測信号として、被害予測コンピュータ32に出力する。被害予測コンピュータ32は、被害予測信号に基づいて、歩行者を保護するための歩行者用の安全保護具50の統合協調制御を行う。
図13は、本願発明者らが行った歩行者事故の分析結果の一例を示す図である。歩行者事故において歩行者の衝突形態は、歩行者身長や衝突速度などによって異なる。例えば、同―身長においても衝突速度が異なれば衝突形態が異なる。すなわち、車速(衝突速度)が大きくなれば、歩行者と車両の衝突位置はウィンドシールドに近い位置となる。衝突速度が低くなれば、フードエッジ端に近い位置となる。よって、車速が大きい際にはフードエアバックをウィンドシールド近傍に展開して歩行者の衝突保護を行うことが好適な歩行者保護である。
また、車速や歩行者が子供か大人であるかによって、前述のウィンドシールド近傍に展開するエアバックの特性を制御する必要がある。すなわち、衝突エネルギーが車速や歩行者の体重によって変化する。このことから、安全保護具制御用コンピュータ42は、好適な保護特性を得るためには、推定される衝突エネルギーの大きさに応じてエアバック52のエネルギー吸収特性を変更する。このようなエアバック特性の好適な制御は、被害予測コンピュータ32の記憶装置31に記憶された歩行者保護用被害予測データベースを用いて行われる。
すなわち、歩行者保護用被害予測データベースは、歩行者保護にとって、好適な安全保護具の選択とその起動特性を決定するものである。
図14は、歩行者保援用被害予測データベースの構成例を示す図である。データベースヘの入力である被害予測信号は、前述のようにレーザレーダ12やカメラ11によって歩行者が検出された際に得られた歩行者の身長や概略の体重及び移動速度などであり、また、車両制御用コンピュータからの推定衝突角度、車速及び車両情報なども含まれる。
歩行者保護用被害予測データベースは、被害予測信号に応じて身体各部の傷害発生確率、発生傷害の受傷程度、衝突形態及び予想衝突位置を被害予測情報として出力する。歩行者保護用被害予測データベースは、前述の乗員用被害予測データベースと同様に例えば、(推定歩行者身長170cm)and(推定歩行者体重65kg)and(車速55km/h)and(推定衝突角度15度)and(車両情報)and…といった論理積に対応した被害予測情報から構成されている。
安全保護具制御用コンピュータ42は、歩行者保護用被害予測データベースから出力された被害予測情報に基づいて歩行者の被害を軽減するのに好適な安全保護具50を選択して起動する。なお、起動すべき安全保護具50の選択及びその起動条件は、事前の実験及びシミュレーション計算によって決定されており、安全保護具制御用コンピュータ42の記憶装置41に制御プログラムとともにデータベースとして記憶されている。
以上のように、第2の実施形態に係る安全保護制御装置は、車載されている安全保護具50を統合協調制御することにより、予想される衝突における乗員や歩行者の被害を最も軽減できる状態で安全保護具50を起動する。これにより、これまでの個々の安全保護具50での保護に比べ好適な状態での保護が行えるという優れた効果が得られる。
また、上記安全保護制御装置は、安全保護具50を統合協調制御する際に、事故データ或いは人体シミュレーションなどから構築した被害予測データベースを基に衝突で乗員や歩行者が負う被害を予測して、予測結果を基に安全保護具50を起動する。よって既存の安全保護具50の保護性能を融合して高い保護性能を得るという優れた効果が得られる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で設計上の変更をされたものにも適用可能であるのは勿論である。
本発明の実施の形態に係る安全保護具制御装置の構成を示すブロック図である。 記憶装置の被害予測データベースを示す図である。 被害予測データベースを木構造で表した状態示す図である。 身体各部の名称と傷害発生確率の組からなるデータを示す図である。 身体各部の名称と傷害発生確率の組からなるデータを示す図である。 組データを示す図である。 車速に応じて変化する組データの特性を示す図である。 安全保護具制御用コンピュータの制御ルーチンを示すフローチャートである。 関連要因抽出コンピュータの制御ルーチンを示すフローチャートである。 被害予測コンピュータの制御ルーチンを示すフローチャートである。 シミュレーションによる計算を示す図である。 骨の強度が年齢とともに低下することを示す図である。 本願発明者らが行った歩行者事故の分析結果の一例を示す図である。 歩行者保援用被害予測データベースの構成例を示す図である。
符号の説明
11 カメラ
12 レーザレーダ
13 車両制御用コンピュータ
21 要因抽出センサ
22 情報入力端末
23,31,41 記憶装置
24 関連要因抽出コンピュータ
32 被害予測コンピュータ
42 安全保護具制御用コンピュータ
50 安全保護具

Claims (3)

  1. 車両の乗員又は当該車両に衝突する歩行者を保護する保護具と、
    前記乗員又は前記歩行者の被害を予測する被害予測手段と、
    被害予測手段により予測された被害に基づいて、前記保護具を制御する保護具制御手段と、
    を備えた車両用安全保護装置。
  2. 前記被害予測手段は、前記乗員又は前記歩行者の被害の箇所及び被害の程度を予測し、
    前記保護具制御手段は、被害の程度の高い箇所を保護するように1つ以上の保護具を制御する
    請求項1に記載の車両用安全保護装置。
  3. 被害状況に応じた乗員又は前記歩行者の被害の箇所及び被害の程度を予測した被害予測情報を記憶する記憶手段を更に備え、
    前記被害予測手段は、前記乗員又は前記歩行者の被害状況に対応する、前記記憶手段に記憶された被害予測情報に基づいて、前記乗員又は前記歩行者の被害の箇所及び被害の程度を予測する
    請求項2に記載の車両用安全保護装置。
JP2006233736A 2006-08-30 2006-08-30 車両用安全保護装置 Pending JP2008056016A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006233736A JP2008056016A (ja) 2006-08-30 2006-08-30 車両用安全保護装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006233736A JP2008056016A (ja) 2006-08-30 2006-08-30 車両用安全保護装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008056016A true JP2008056016A (ja) 2008-03-13

Family

ID=39239276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006233736A Pending JP2008056016A (ja) 2006-08-30 2006-08-30 車両用安全保護装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008056016A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113784877A (zh) * 2019-03-05 2021-12-10 塞瓦技术公司 配备在车辆上的外部可充气行人安全结构的通信接口、关联的可充气结构-车辆通信协议和安全模块
WO2021248833A1 (zh) * 2020-06-12 2021-12-16 浙江驿公里智能科技有限公司 一种利用摄像头主动引导停车的防撞系统及方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113784877A (zh) * 2019-03-05 2021-12-10 塞瓦技术公司 配备在车辆上的外部可充气行人安全结构的通信接口、关联的可充气结构-车辆通信协议和安全模块
WO2021248833A1 (zh) * 2020-06-12 2021-12-16 浙江驿公里智能科技有限公司 一种利用摄像头主动引导停车的防撞系统及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4811019B2 (ja) 衝突挙動制御装置
JP4874979B2 (ja) 予防的に作動する保護システムを備えた自動車
JP4760715B2 (ja) 車両運動制御装置
US7617048B2 (en) Method for determining an accident risk between a first object with at least one second object
CN103204124B (zh) 用于运行行人保护系统的方法和机动车
JP2006264416A (ja) 対象物検知システム、保護システム、車両
JP2002501459A (ja) スマートエアバッグシステム
JP2007533521A (ja) プリセーフシステムを装備した自動車
US20120191303A1 (en) Method for Controlling a Restraint Device for Occupants of a Vehicle
JP2010506794A (ja) 車両安全システム
JP4376743B2 (ja) 衝突物判別装置、保護装置
CN108394371B (zh) 用于减小碰撞损伤的方法
JP2010244167A (ja) 緊急通報システム
JP2003182509A (ja) 乗員保護システム
JP6287955B2 (ja) 車両用乗員保護装置及び車両用乗員保護方法
CN106256613A (zh) 用于控制车辆的至少一个人员保护设备的触发的方法和设备与用于车辆的安全系统
WO2017006532A1 (ja) 保護制御装置
JP2007308110A (ja) 歩行者保護装置
CN113511159B (zh) 通过气囊增强司乘人员安全性的系统和方法
JP2008247111A (ja) 車両の衝突安全制御システム
JP2023522131A (ja) 車両の道路両立性を改善するための安全システム、車両安全システムおよび装置、方法、ならびに媒体
US20220363246A1 (en) Method for operating a motor vehicle in a collision situation and motor vehicle
US7905515B2 (en) Method and apparatus for pre-impact deployment of air bag
CN109219537A (zh) 用于车辆的安全设备
KR102272076B1 (ko) 스몰 오버랩 충돌에 따른 에어백 전개 방법