JP4075350B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、駆動力源の出力を制御する出力制御装置と、駆動力源と動力伝達装置との間に設けられるクラッチとを制御する車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
駆動力源と動力伝達装置との間に設けられたクラッチのトルク容量を、自動的に制御可能な車両の制御装置が提案されており、その一例が特開平9−196086号公報に記載されている。この公報に記載された車両の制御装置においては、エンジンと自動変速機との間に発進クラッチが設けられている。エンジンの吸気管にはスロットルバルブが設けられているとともに、スロットルバルブをバイパスするバイパス空気通路が設けられている。このバイパス空気通路にはアイドルスピードコントロールバルブが設けられている。さらに、発進クラッチのトルク容量を制御する供給油圧制御弁が設けられている。さらにまた、スロットルバルブ、アイドルスピードコントロールバルブ、供給油圧制御弁を制御するコントロールユニットが設けられている。コントロールユニットには、エンジン回転数センサ、アイドルスイッチ、車速センサ、シフトポジションセンサなどの信号が入力される。
【0003】
そして、車両停止状態において、非走行ポジションから走行ポジションにシフトされた場合は、非走行ポジションにおけるエンジン回転数が記憶されるとともに、走行ポジションにおける目標エンジン回転数が、記憶されているエンジン回転数よりも低くなるように、発進クラッチに作用する油圧が増加される。なお、エンジンそのものの出力を一定にしておかないと、発進クラッチのトルク容量が変化してしまうため、この発進クラッチの制御をおこなう場合は、アイドルスピードコントロールバルブの開度を固定する、とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、補機装置、例えば、エアコン用コンプレッサ、パワーステアリング用オイルポンプ、発電機などが、エンジンの動力により駆動されるように構成されている車両がある。このような車両に前記公報に記載されている制御を適用した場合は、補機装置の要求に基づくエンジン負荷が低い状態で非走行ポジションから走行ポジションに変更されると、低いエンジン負荷に対応するエンジン回転数よりも低い回転数が、走行ポジションにおける目標エンジン回転数として設定される。このため、目標エンジン回転数の設定後に、補機装置の負荷が増加した場合は、エンジン回転数が更に低下してしまい、振動の発生およびエンジンストールを招く問題があった。
【0005】
この発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、クラッチのトルク容量を制御する際に、駆動力源の負荷が増加した場合でも、駆動力源の回転数が低下することを抑制できる車両の制御装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、出力制御装置によりエンジンの出力を制御する機能と、前記エンジンの出力側に設けられるクラッチのトルク容量を制御する機能とを有し、車両が停止している場合に、エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけるように、前記クラッチのトルク容量を低下させるフィードバック制御をおこなう車両の制御装置において、前記出力制御装置はアイドルスピードコントロールバルブを含み、前記車両が停止している場合に、所定時間の前記エンジン回転数の変化量を検知して前記アイドルスピードコントロールバルブの開度を調整することにより、前記エンジン回転数の変化量を補正する回転変化補正制御をおこなう手段と、前記車両が停止して前記フィードバック制御をおこなう際に、前記エンジンの動力により駆動される補機装置の負荷が増加することを補機負荷センサの信号により検知した場合は、その補機装置の負荷の増加により前記エンジンの負荷が増加して前記エンジン回転数が低下することを、前記アイドルスピードコントロールバルブの開度を調整することにより抑制する制御をおこなう手段と、前記車両が停止して前記フィードバック制御をおこなう際は、前記補機装置の負荷の増加により前記エンジンの負荷が増加して前記エンジン回転数が低下することを、前記アイドルスピードコントロールバルブの開度を調整することにより抑制する制御を許可し、かつ、前記回転変化補正制御をおこなうことを禁止する協調制御手段とを備えていることを特徴とするものである。ここで、クラッチのトルク容量としては、トルク容量自体と、クラッチに与えられる係合力とが挙げられる。このような機能を有する協調制御手段は、コントローラにより満足される。
【0007】
請求項1の発明によれば、車両が停止している場合に、エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけるように、前記クラッチのトルク容量を低下させるフィードバック制御をおこなうことが可能である。また、車両が停止している場合に、所定時間のエンジン回転数の変化量を検知してアイドルスピードコントロールバルブの開度を調整することにより、エンジン回転数の変化量を補正する回転変化補正制御をおこなうことが可能である。さらに、車両が停止し、かつ、クラッチのトルク容量を低下させた後に、エンジンの負荷が増加した場合でも、エンジン回転数が低下することを抑制できる。また、車両が停止して前記クラッチのトルク容量を低下させるフィードバック制御をおこなう際は、補機装置の負荷の増加によりエンジンの負荷が増加し前記エンジン回転数が低下することを前記アイドルスピードコントロールバルブの開度を調整することにより抑制する制御を許可し、かつ、回転変化補正制御をおこなうことが禁止され、制御同士が交錯することを抑制できる。したがって、補機装置の機能が低下することを抑制できる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の構成に加えて、前記エンジンに前記クラッチを介して連結される動力伝達装置が設けられており、この動力伝達装置は、動力伝達の不可能な第1の状態と動力伝達可能な第2の状態とを切り換え可能に構成されており、前記動力伝達装置が前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えられた場合は、前記クラッチのトルク容量を、前記第1の状態が選択されている場合よりも増加する制御がおこなわれる構成を有しており、前記協調制御手段は、前記動力伝達装置が前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えられて前記クラッチのトルク容量が増加された後に、前記エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけるように、前記クラッチのトルク容量を低下させる制御をおこなう場合は、前記クラッチのトルク容量が増加された後に前記エンジン回転数が低下し始めた時の回転数を、前記目標エンジン回転数として選択する手段を含むことを特徴とするものである。
【0011】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の作用が生じる他に、前記動力伝達装置が前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えられた場合は、前記クラッチのトルク容量を、前記第1の状態が選択されている場合よりも増加する制御がおこなわれる。また、前記動力伝達装置が前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えられて前記クラッチのトルク容量が増加された後に、前記エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけるように、前記クラッチのトルク容量を低下させる制御をおこなう場合は、前記クラッチのトルク容量が増加された後に前記エンジン回転数が低下し始めた時の回転数を、前記目標エンジン回転数として選択する。したがって、クラッチのトルク容量を低下させる場合に、クラッチを弱接触状態(クラッチを構成する摩擦部材同士が近接した位置)に制御することが可能となるため、その後に、車両の移動要求が発生した場合に、通常のアイドリング回転状態に相当する車両駆動力への復帰を、容易におこなえる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または2の構成に加えて、前記エンジンの動力により駆動される補機装置が設けられており、この補機装置と前記クラッチとが並列に配置されていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の作用が生じる他に、エンジンの動力により補機装置が駆動されて、補機装置が機能する。
【0014】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明を適用することのできる車両の構成を、図2に基づいて説明する。図2に示された車両1においては、駆動力源2と車輪3との間の動力伝達経路に、発進クラッチ4および変速機5が設けられている。前記駆動力源2としては、内燃機関、より具体的には、燃焼室で燃料を燃焼させ、その熱エネルギをクランクシャフトの回転運動に変換する形式のエンジンを用いることができる。このエンジンとしては、具体的には、ガソリンエンジン、LPGエンジン、ディーゼルエンジン、水素エンジン、メタノールエンジンなどを用いることができる。以下、駆動力源2としてガソリンエンジンを用いた場合について説明するとともに、駆動力源2に代えて、便宜上、“エンジン2”と記す。
【0015】
エンジン2には吸気管6および排気管7が設けられており、吸気管6にはスロットルバルブ8が設けられている、また、スロットルバルブ8をバイパスする空気通路9が設けられており、空気通路9には、アイドルスピードコントロールバルブ10が設けられている。アイドルスピードコントロールバルブ10の制御により、アイドリング回転中におけるエンジン回転数を制御することができる。
【0016】
さらに、エンジン2には燃料噴射装置11および点火装置12が設けられている。燃料噴射装置11により、燃料噴射量および燃料噴射時期などの燃料噴射状態を制御することができる。点火装置12により、エンジン2の各気筒における点火時期を制御することができる。
【0017】
前記発進クラッチ4は、エンジン2のクランクシャフト13と、変速機5の入力軸14との間の動力伝達状態を制御するものであり、発進クラッチ4は、そのトルク容量が油圧により制御されるように構成されている。
【0018】
また、前記変速機5としては、マニュアル変速機能または自動変速機能の少なくとも一方を備えた変速機を用いることができる。マニュアル変速機能を備えた変速機とは、変速機5の入力軸14の回転速度と、変速機5の出力軸(図示せず)の回転速度との比、すなわち変速比を、運転者による変速比選択装置の操作状態に基づいて、変更することのできる変速機を意味している。これに対して、自動変速機能を備えた変速機とは、前記変速比を、変速比選択装置の操作状態以外の条件に基づいて、自動的に制御することのできる変速機を意味している。
【0019】
また、変速機5としては、無段変速機または有段変速機のいずれを用いてもよい。無段変速機とは、前記変速比を連続的もしくは無段階に制御することのできる変速機を意味している。この無段変速機としては、ベルト式無段変速機とトロイダル式無段変速機とが挙げられる。一方、有段変速機とは、前記変速比を、不連続もしくは段階的に制御することのできる変速機を意味している。有段変速機としては、選択歯車式変速機、遊星歯車式変速機などが挙げられる。
【0020】
前記エンジン2のクランクシャフト13には、プーリおよびベルトなどの動力伝達装置を経由して、補機装置15が連結されている。つまり、エンジン2の動力により、補機装置15が駆動されるように構成されている。補機装置15としては、エンコン用コンプレッサ、パワーステアリング用オイルポンプ、発電機などが挙げられる。なお、クランクシャフト13に対して、補機装置15と発進クラッチ4とが並列に配置されている。さらに、発進クラッチ4および変速機5を制御する油圧制御装置16が設けられている。この油圧制御装置16は、油圧回路および各種の電磁弁を有している。
【0021】
さらに、車両1の全体を制御するコントローラとして電子制御装置17が設けられている。電子制御装置17は、中央演算処理装置(CPU)および記憶装置(ROM、RAM)ならびに入出力インタフェースを主体とするマイクロコンピュータにより構成されている。
【0022】
この電子制御装置17には、アクセル開度センサ18の信号、入力軸14の回転数を検知する入力回転数センサ19の信号、車速センサ20の信号、ブレーキスイッチ21の信号、スロットルバルブ8の開度を検知するスロットル開度センサ22の信号、油圧制御装置16に供給されるオイルの温度を検知する油温センサ23の信号、エンジン回転数センサ24の信号、変速比選択装置の操作を検知するシフトポジションセンサ25の信号、エンジン2の冷却水温度を検知する冷却水温検知センサ26の信号、クランク角センサ27の信号、排気管7の酸素濃度を検知する酸素濃度センサ28の信号、補機装置15に対する要求を検知する補機負荷検知センサ29の信号、エアフロメータ30の信号、吸気温センサ31の信号などが入力される。補機負荷検知センサ29により、エアコン負荷、電気負荷、パワーステアリングの負荷などが検知される。
【0023】
シフトポジションセンサ25は、変速機5を制御するシフトポジションの選択状態を検知するものである。シフトポジションとしては、車両1を前進させるトルクを変速機5から出力することができる前進ポジション、車両1を後進(後退)させるトルクを変速機5から出力することのできる後進ポジション、車両1を走行させるトルクを変速機5から出力することのできない非走行ポジションなどが挙げられる。上記前進ポジションまたは後進ポジションが、走行ポジションである。
【0024】
変速機5として自動変速機能を有する変速機が用いられている場合は、前進ポジションとして、例えば、D(ドライブ)ポジションを選択することができ、非走行ポジションとして、N(ニュートラル)ポジション、P(パーキング)ポジションを選択することができ、後進ポジションとしてR(リバース)ポジションを選択することができる。
【0025】
変速機5としてマニュアル変速機能を有する変速機が用いられている場合は、前進ポジションとして、例えば、第1速ないし第5速を選択することができるとともに、非走行ポジションとして、Nポジションを選択することができ、後進ポジションとしてR(リバース)ポジションを選択することができる。
【0026】
なお、変速比選択装置が、フロアーシフト、もしくはコラムシフトなどのように、レバーを操作して各シフトポジションの切り換えをおこなう構造のものである場合は、変速比選択装置を操作して前進ポジションと後進ポジションとを相互に変更する場合に、Nポジションを通過することとなる。
【0027】
電子制御装置17には、エンジン出力を制御するためのエンジン制御データ、発進クラッチ4のトルク容量を制御するためのクラッチ制御データ、変速機5を制御するための変速制御データなどが記憶されている。
【0028】
そして、電子制御装置17に記憶されているデータおよび電子制御装置17に入力される信号に基づいて、エンジン出力およびクラッチ4のトルク容量ならびに変速機5の変速比などが制御される。
【0029】
この実施の形態においては、燃料噴射状態、点火時期、吸入空気量などの事項のうち、少なくとも1つの事項を制御することにより、エンジン出力、すなわち、回転数およびトルクを制御することができる。例えば、非走行ポジションが選択され、かつ、エンジン2が停止している状態において、エンジン2を始動させる場合は、まず、スタータモータ(図示せず)を駆動してエンジン2をクランキングさせるとともに、アイドルスピードコントロールバルブ10、燃料噴射装置11、点火装置12、などの出力制御装置を制御することにより、所定のエンジン回転数、すなわち、アイドリング回転数に制御される。このアイドリング回転数は、“燃料の燃焼不良により振動が発生すること、エンジンストールが発生すること”などを防止できる回転数に制御される。このように、非走行ポジションが選択されている場合の目標エンジン回転数を、第1の目標エンジン回転数と呼ぶ。なお、非走行ポジションが選択されている場合は、発進クラッチ4が解放されている。
【0030】
このようにして、エンジン1が始動された後に、走行ポジションが選択され、かつ、アクセル開度が所定のアクセル開度以上になると、アクセル開度および車速に基づいて、出力制御装置によりエンジン出力が制御されるとともに、発進クラッチ4のトルク容量が増加される。すると、エンジン2の動力が変速機5を経由して車輪3に伝達され、駆動力が発生する。なお、走行ポジションが選択され、かつ、エンジン2が運転されている場合は、アクセル開度が全閉になったとしても、エンジン2の動力がある程度変速機5に伝達されるように、発進クラッチ4のトルク容量が制御される。このように、走行ポジションが選択され、かつ、アクセル開度が全閉になった場合の目標エンジン回転数を、第2の目標エンジン回転数と呼ぶ。なお、第2の目標エンジン回転数は第1の目標エンジン回転数よりも低い。
【0031】
一方、この実施例においては、前記した出力制御装置の制御と協調して、発進クラッチ4のトルク容量を調整することにより、エンジン回転数を制御することができる。以下、出力制御装置および発進クラッチ4の協調制御を、図1のフローチャートに基づいて説明する。
【0032】
まず、ニュートラル制御を実施するための条件が成立しているか否かが判断される(ステップS1)。例えば、走行ポジションが選択されていること、車両が停止していること、アクセル開度が全閉であること、ブレーキスイッチ21がオンされていること、エンジン1の始動後におけるアイドル回転数の初回制御中でないこと、空燃比の学習制御が終了していること、などの全ての事項が検知された場合は、ステップS1で肯定的に判断される。
【0033】
ステップS1で肯定的に判断された場合は、ステップS1の判断に用いた事項のうちの少なくとも1つの事項が解消されたか否かが判断される(ステップS2)。このステップS2で否定的に判断された場合は、出力制御装置の制御と協調して、発進クラッチ4のトルク容量を制御(低下させる)することにより、エンジン回転数を目標エンジン回転数に調整する、いわゆる、フィードバック制御がおこなわれる。このフィードバック制御では、比例項、微分項、積分項を有する公知のPID制御を用いることができる。このように、フィードバック制御を実行する場合に設定される目標エンジン回転数を、第3の目標エンジン回転数と呼ぶ。
【0034】
前記ステップS2についで、発進クラッチ4を構成する摩擦材同士が滑り出したか否かが判断される(ステップS3)。ステップS3で否定的に判断された場合は、この制御ルーチンを終了する。これに対して、ステップS3で肯定的に判断された場合は、所定の制御をおこない、かつ、所定の制御以外の制御を禁止し(ステップS4)、この制御ルーチンを終了する。
【0035】
所定の制御とは、“発進クラッチ4のトルク容量を制御することにより、エンジン回転数を前記第3の目標エンジン回転数に近づける制御”、いわゆるフィードバック制御に加えて、おこなわれる制御を意味している。具体的には、補機負荷検知センサ29により検知される負荷に基づいて、目標エンジン回転数を補正する制御、例えば、点火時期の進角値を変更する制御、吸入空気量を変更する制御、燃料噴射量を変更する制御である
【0036】
所定の制御以外の制御(以下、禁止される制御と記す)は、ステップS3で肯定判断された場合におこなわれるフィードバック制御におよぼす影響の程度が高い制御であり、例えば、アイドル回転数のフィードバック制御、学習制御、回転変化補正制御などが挙げられる。アイドル回転数のフィードバック制御とは、発進クラッチ4のトルク容量の制御以外の根拠により出力制御装置を制御して、アイドル回転数を目標回転数に近づける制御を意味している。学習制御とは、経時変化などによりアイドルスピードコントロールバルブ10付近の隙間が変化することを考慮して、エンジン回転数が目標回転数に近づくように、アイドルスピードコントロールバルブ10の開度を調整する制御を意味している。回転変化補正制御とは、所定時間のエンジン回転数の変化量を検知して、アイドルスピードコントロールバルブ10の開度を調整することにより、エンジン回転数の変化量を補正する制御を意味している。
【0037】
ここで、前記第3の目標エンジン回転数の設定方法を説明する。第3の目標エンジン回転数は第1の目標エンジン回転数NeT以下の回転数であればよい。つまり、第1の目標エンジン回転数を第3の目標エンジン回転数Nefbとして代用してもよいし、第3の目標エンジン回転数を、ニュートラル制御専用に設定してもよい。ニュートラル制御専用に第3の目標エンジン回転数を設定する場合は、第2の目標エンジン回転数よりも所定回転数だけ低い値に、第3の目標エンジン回転数が設定される。
【0038】
また、ステップS4においては、補機負荷センサ29の信号に基づいてアイドルスピードコントロールバルブ10の開度の調整が開始されてから、そのアイドルスピードコントロールバルブ10の制御に基づくエンジン回転数の変動が終了するまでの間は、前記したアイドル回転数のフィードバック制御を停止する。また、前述したPID制御の微分項および積分項を初期化するとともに、発進クラッチ4のトルク容量を、フィードバック制御の停止前のトルク容量に保持する制御をおこなう。
【0039】
なお、ステップS4を経由して再度ステップS1およびステップS2に進み、このステップS2で肯定的に判断された場合は、ステップS4の内容をキャンセルする制御をおこない(ステップS5)、この制御ルーチンを終了する。前述した「走行ポジションが選択され、かつ、エンジンが運転されている場合」が、このステップS5に相当する。つまり、このステップS5において、前述のように、走行ポジションが選択され、かつ、アクセル開度が全閉である場合の第2の目標回転数は、第1の目標回転数よりも低い。
【0040】
以上のように、この実施例によれば、ニュートラル制御を行なう条件が成立し、かつ、発進クラッチ4のトルク容量を低下させた後に、ステップS4に進み、エンジン負荷の増加が補機負荷検知センサ29により検知された場合は、その検知結果に基づいてアイドルスピードコントロールバルブ10の開度を調整して、エンジン回転数の低下を抑制する制御をおこなう。したがって、エンジンストールを抑制できるとともに、エアコンディショナーの機能低下および発電機能の低下を抑制できる。また、ステップS4においては、前述の回転変化補正制御が禁止されるため、発進クラッチ4のトルク容量の制御と、これ以外の制御とが交錯することを抑制でき、発進クラッチ4のトルク容量の制御の安定性が向上する。
【0041】
つぎに、図1の制御例を、ガレージシフトに継続しておこなう場合について説明する。ガレージシフトとは、非走行ポジションを中間として、前進ポジションと後進ポジションとを交互に、かつ、頻繁に切り換える操作を意味している。このようなガレージシフトがおこなわれると、非走行ポジションから前進ポジションに切り換えられた場合に、発進クラッチ4のトルク容量が、非走行ポジションよりも高いトルク容量に制御される(これをファーストフィル制御と呼ぶ)。このファーストフィル制御についで、ファーストフィル制御時のトルク容量よりも低いトルク容量でほぼ一定に制御される(これを定圧待機制御と呼ぶ)。このような定圧待機制御がおこなわれると、エンジン回転数が低下し始める。
【0042】
このエンジン回転数の低下が、エンジン回転数センサ24の信号によりn回連続して検知された場合に、図1に示す制御例を実行する場合を述べる。このように、ガレージシフトに継続して図1のフローチャートを実行する場合は、ステップS4で設定する第3の目標エンジン回転数として、発進クラッチ4の摩擦材同士が接触した直後のエンジン回転数(前記n回よりも1回前に検知されたエンジン回転数)を選択することができる。言い換えれば、定圧待機制御により低下し始めた直後のエンジン回転数を、第3の目標エンジン回転数として選択することができる。
【0043】
このような制御をおこなうと、発進クラッチ4が弱接触状態(発進クラッチ4を構成する摩擦部材同士が近接した位置)に制御することが可能となる。このため、車両1の発進要求が発生した場合に、通常アイドル回転状態の車両駆動力への復帰を迅速におこなうことができ、発進性能が高められてドライバビリティが向上する。
【0044】
なお、ガレージシフトからニュートラル制御に移行する場合は、油圧制御装置16に供給されるオイルの油温が所定温度以上であり、かつ、所定のエンジン回転数以下である場合に、エアコン負荷などに基づく学習制御を実行する。オイルの油温が所定値未満である場合は、オイルの粘度が高く、発進クラッチ4のトルク容量の調圧応答性が低いため、このような制御をおこなわない。なお、学習制御とは、油温センサ23の信号、補機負荷検知センサ29の信号、経時変化などを考慮して、目標回転数を決定するという制御である。
【0045】
なお、駆動力源と変速機との間に発進クラッチが設けられていない別構成の車両に対しても、図1の制御例を適用することができる。この車両は、発進時に、駆動力源から車輪に伝達する動力のトルク容量を、変速機に設けられているトルク容量制御装置(例えば、クラッチ、ブレーキなどの摩擦係合装置)を制御して、調整することができるとともに、ニュートラル制御を実行する条件が成立した場合に、変速機に設けられているトルク容量制御装置を制御して、駆動力源と車輪との間で動力伝達がおこなわれない状態になる。このような車両に対して図1の制御例を適用する場合は、ステップS3で変速機のトルク容量制御装置が滑り出したか否かが判断される。また、ステップS4では、トルク容量制御装置のフィードバック制御よりも優先度の高い制御が許可され、それ以外の制御が禁止される。
【0047】
ここで、図1に示す機能的手段と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS1ないしステップS5がこの発明の協調制御手段に相当する。また、図2に示す構成とこの発明の構成との対応関係を説明すれば、アイドルスピードコントロールバルブ10、燃料噴射装置11、点火装置12が、この発明の出力制御装置に相当し、発進クラッチ4がこの発明のクラッチに相当し、変速機5がこの発明の動力伝達装置に相当する。なお、前記別構成の車両の場合は、変速機に設けられているトルク容量制御装置が、この発明のクラッチに相当する
【0048】
また、図1および図2の説明で述べた事項と、この発明の構成との対応関係を説明すれば、第3の目標エンジン回転数が、この発明の目標エンジン回転数に相当し、走行ポジションがこの発明の“動力伝達の可能な第2の状態”に相当し、非走行ポジションがこの発明の“動力伝達の不可能な第1の状態”に相当する
【0049】
【発明の効果】
以上のように請求項1の発明によれば、車両が停止している場合に、エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけるように、前記クラッチのトルク容量を低下させるフィードバック制御をおこなうことが可能である。また、車両が停止している場合に、所定時間のエンジン回転数の変化量を検知してアイドルスピードコントロールバルブの開度を調整することにより、エンジン回転数の変化量を補正する回転変化補正制御をおこなうことが可能である。また、車両が停止してクラッチのトルク容量を低下させた後に、エンジンの負荷が高まった場合でも、エンジン回転数が低下することを抑制できる。したがって、エンジンの停止を未然に防止することができる。また、エンジン回転数が低下することを抑制するためのアイドルスピードコントロールバルブの開度の調整をおこなうことが可能である。さらに、車両が停止してクラッチのトルク容量を低下させるフィードバック制御をおこなう際は、補機装置の負荷が増加してエンジンの負荷が増加しエンジン回転数が低下することを、アイドルスピードコントロールバルブの開度を調整することにより抑制する制御をおこなうことを許可し、かつ、回転変化補正制御をおこなうことを禁止できる。したがって、補機装置の機能が低下することを抑制できる。
【0051】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明と同様の効果を得られる他に、前記動力伝達装置が前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えられた場合は、前記クラッチのトルク容量を、前記第1の状態が選択されている場合よりも増加する制御がおこなわれる。また、前記動力伝達装置が前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えられて前記クラッチのトルク容量が増加された後に、前記エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけるように、前記クラッチのトルク容量を低下させる制御をおこなう場合は、前記クラッチのトルク容量が増加された後に前記エンジン回転数が低下し始めた時の回転数を、前記目標エンジン回転数として選択する。したがって、クラッチのトルク容量を低下させる場合に、クラッチの接触状態に制御することが可能となり、その後に、車両の移動要求が発生した場合に、通常のアイドリング回転状態に対応する車両駆動力への復帰を迅速におこなうことができ、車両の発進性能が高められて、ドライバビリティが向上する。
【0052】
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同様の効果を得られる他に、補機装置の負荷が増加してもエンジン回転数が低下することが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を示すフローチャートである。
【図2】 この発明を適用することのできる車両の概念図である。
【符号の説明】
1…車両、 2…駆動力源(エンジン、電動機)、 4…発進クラッチ、 5…変速機、 10…アイドルスピードコントロールバルブ、 11…燃料噴射装置、 12…点火装置、 15…補機装置、 17…電子制御装置。

Claims (3)

  1. 出力制御装置によりエンジンの出力を制御する機能と、前記エンジンの出力側に設けられるクラッチのトルク容量を制御する機能とを有し、車両が停止している場合に、エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけるように、前記クラッチのトルク容量を低下させるフィードバック制御をおこなう車両の制御装置において、
    前記出力制御装置はアイドルスピードコントロールバルブを含み、
    前記車両が停止している場合に、所定時間の前記エンジン回転数の変化量を検知して前記アイドルスピードコントロールバルブの開度を調整することにより、前記エンジン回転数の変化量を補正する回転変化補正制御をおこなう手段と、
    前記車両が停止して前記フィードバック制御をおこなう際に、前記エンジンの動力により駆動される補機装置の負荷が増加することを補機負荷センサの信号により検知した場合は、その補機装置の負荷の増加により前記エンジンの負荷が増加して前記エンジン回転数が低下することを、前記アイドルスピードコントロールバルブの開度を調整することにより抑制する制御をおこなう手段と、
    記車両が停止して前記フィードバック制御をおこなう際は、前記補機装置の負荷の増加により前記エンジンの負荷が増加して前記エンジン回転数が低下することを、前記アイドルスピードコントロールバルブの開度を調整することにより抑制する制御を許可し、かつ、前記回転変化補正制御をおこなうことを禁止する協調制御手段と
    を備えていることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 前記エンジンに前記クラッチを介して連結される動力伝達装置が設けられており、この動力伝達装置は、動力伝達の不可能な第1の状態と動力伝達可能な第2の状態とを切り換え可能に構成されており、前記動力伝達装置が前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えられた場合は、前記クラッチのトルク容量を、前記第1の状態が選択されている場合よりも増加する制御がおこなわれる構成を有しており、
    前記協調制御手段は、前記動力伝達装置が前記第1の状態から前記第2の状態に切り換えられて前記クラッチのトルク容量が増加された後に、前記エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけるように、前記クラッチのトルク容量を低下させる制御をおこなう場合は、前記クラッチのトルク容量が増加された後に前記エンジン回転数が低下し始めた時の回転数を、前記目標エンジン回転数として選択する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記エンジンの動力により駆動される補機装置が設けられており、この補機装置と前記クラッチとが並列に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両の制御装置。
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