JP4072886B2 - 円周流ポンプ用インペラの射出成形方法、円周流ポンプ用インペラ及び円周流ポンプ - Google Patents

円周流ポンプ用インペラの射出成形方法、円周流ポンプ用インペラ及び円周流ポンプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のインタンク式燃料ポンプとして使用される円周流ポンプ、この円周流ポンプに使用されるインペラ、及びインペラの射出成形方法に関するものである
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車の電子制御式燃料噴射装置用燃料ポンプには、車両搭載性が良く、しかも低騒音で圧力変動が小さいインタンク式の円周流ポンプが使用されている。
【0003】
このような自動車用の円周流ポンプは、燃料タンク内に設置され、図12〜図13に示すように、インペラ35が駆動軸36を介して図外のモータによって回転させられると、インペラ35の外周に形成された羽根37で燃料にエネルギーを与え、これにより燃料流入口38からポンプ流路40内に流入した燃料を昇圧し、その圧力上昇した燃料を燃料流出口41等を介してエンジン側へ吐出するようになっている。
【0004】
このような円周流ポンプ34は、近年、全体重量の軽減化や部品コストの低廉化を図るため、樹脂で形成したインペラ35を使用するようになっている。この円周流ポンプ34のインペラ35は、アルミニウム製のポンプケーシング42とポンプカバー43との間の略円板状の空間44内に収容され、高速回転して燃料を昇圧するものであるため、燃料中での寸法変化が小さく、アルミニウム製のポンプケーシング42等との熱膨張差が少ないフェノール樹脂等で射出成形されている。
【0005】
図14〜図15は、このような円周流ポンプ用インペラと射出成形用のゲートとの関係を示す第1従来例である。これらの図に示すように、第1従来例は、インペラ35の回転中心部に軸穴45が貫通形成されており、射出成形用のピンポイントゲート46をインペラ35の回転中心部に配置できないため、ピンポイントゲート46をインペラ35の軸穴45と羽根37との間の側面47に配置するようになっており、しかも、そのピンポイントゲート46がインペラ35の側面47の周方向に等間隔で3箇所配置されている。すなわち、この第1従来例のインペラ35は、3箇所のピンポイントゲート46からキャビティ内に溶融樹脂が射出されることにより形成されている。
【0006】
また、図16〜図17は、円周流ポンプ用インペラと射出成形用のゲートとの関係を示す第2従来例である。これらの図に示すように、第2従来例は、前述の第1従来例と同様に、インペラ35の回転中心部に軸穴45が貫通形成されており、射出成形用のピンポイントゲート46をインペラ35の回転中心部に配置できないため、射出成形用のピンポイントゲート46をインペラ35の軸穴45と羽根37との間の側面47に1箇所のみ配置するようになっている。すなわち、この第2従来例のインペラ35は、その1箇所のピンポイントゲート46からキャビティ内に溶融樹脂が射出されることにより形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1従来例は、図14に示すように、隣り合うピンポイントゲート46,46からの溶融樹脂が合流する部分にヘアライン状の細い線(ウェルドライン)48が生じ、平面度が悪くなると共に、外径寸法精度も悪くなるという不具合を生じやすい。また、インペラ35にウェルドライン48が発生すると、インペラ35の強度低下を招くことがある。
【0008】
また、第2従来例は、第1従来例に比較して、ピンポイントゲート46の数が少ない分だけ、製品(インペラ35)を形作ることに使用されない(無駄になる)樹脂量が少なくなり、ウェルドライン48も生じにくく、外径寸法精度も良いが、キャビティへの溶融樹脂の充填バランスが悪く、寸法精度を要求されるインペラ35の側面47にうねりを生じやすいという不具合を有している。尚、この第2従来例と第1従来例を比較した場合、第1従来例は、3箇所のピンポイントゲート46及びこれらのピンポイントゲート46に連通する図外のランナ内の樹脂がインペラ35を形作ることに直接使用されず、無駄になる樹脂量が多くなり、第2従来例よりも材料費が嵩むことになる。
【0009】
ここで、円周流ポンプ用インペラ35は、図12に示すように、ポンプ効率及び吐出圧を所望の状態に維持するために、インペラ35の両側面47,49側の隙間w1,w2を所定寸法以内にし、漏れ流量を少なくする必要がある。そのため、インペラ35の両側面47,49にウェルドライン48やうねりが生じるのを効果的に防止し、インペラ35の両側面47,49の面精度を高精度に成形する必要がある。尚、インペラ35の両側面47,49の面精度を高精度に仕上げるためには、インペラ35の両側面47,49を研削加工すればよいが、インペラ35に二次的加工(研削加工)を施せば、インペラ35の製造工数が嵩み、インペラ35の製品製造コストの高騰を招く。
【0010】
そこで、本発明は、無駄な材料が出にくく、しかも側面の平面度及び外径寸法精度を高精度に成形することが可能になる円周流ポンプ用インペラの射出成形方法、この射出成形方法で形成された円周流ポンプ用インペラ、及びその円周流ポンプ用インペラを備えた円周流ポンプを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、モータで回転させられる円板状部材の外周側に複数の羽根溝を備え、ポンプケーシングとポンプカバーとの間に形成された略円板状の空間内に回動可能に収容される円周流ポンプ用インペラであり、(1)前記円板状部材の一方の側面側の略中央部には、ボス部が突出形成され、(2)前記ボス部には、前記インペラの回転中心を軸心とする軸穴が前記円板状部材を板厚方向に貫通しないように形成され、(3)前記軸穴には、前記モータで回動させられる駆動軸が嵌合されるようになっている、円周流ポンプ用インペラの射出成形方法に関するものである。この発明において、前記軸穴が形成されていない前記円板状部材の他方の側面側であって、且つ、前記インペラの回転中心部には、射出成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出するためのピンポイントゲートが1つ配置されている。そして、前記ピンポイントゲートから前記キャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、溶融樹脂を前記キャビティの中心部から径方向外方へ向かって放射状に流動させる、ことを特徴としている。
【0012】
また、請求項2の発明は、モータで回転させられる円板状部材の外周側に複数の羽根溝を備え、ポンプケーシングとポンプカバーとの間に形成された略円板状の空間内に回動可能に収容される円周流ポンプ用インペラであり、(1)前記円板状部材の一方の側面側の略中央部には、ボス部が突出形成され、(2)前記ボス部には、前記インペラの回転中心を軸心とする軸穴が前記円板状部材を板厚方向に貫通しないように形成され、(3)前記軸穴には、前記モータで回動させられる駆動軸が嵌合されるようになっている、円周流ポンプ用インペラの射出成形方法に関するものである。この発明において、前記軸穴が形成されていない前記円板状部材の他方の側面側には、前記インペラの回転中心部を取り囲むように凹部が凹設されている。また、前記円板状部材の前記凹部内であって、且つ、前記インペラの回転中心部には、射出成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出するためのピンポイントゲートが1つ配置されている。そして、前記ピンポイントゲートから前記キャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、溶融樹脂を前記キャビティの中心から径方向外方へ向かって放射状に流動させる、ことを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明は、モータで回転させられる円板状部材の外周側に複数の羽根溝を備え、ポンプケーシングとポンプカバーとの間に形成された略円板状の空間内に回動可能に収容される円周流ポンプ用インペラに関するものである。この発明において、前記円板状部材の一方の側面側の略中央部には、ボス部が突出形成されている。また、前記ボス部には、前記円板状部材の回転中心を軸心とする軸穴が前記円板状部材を板厚方向に貫通しないように形成されている。また、前記軸穴には、前記モータで回動させられる駆動軸が嵌合されるようになっている。また、前記軸穴が形成されていない前記円板状部材の他方の側面側には、前記円板状部材の回転中心部を取り囲むように凹部が凹設されている。また、前記円板状部材の前記凹部内であって、且つ、前記円板状部材の回転中心部には、射出成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、溶融樹脂を前記キャビティの中心から径方向外方へ向かって放射状に流動させるためのピンポイントゲートの切り離し痕が1つ形成されている。そして、前記凹部は、前記ピンポイントゲートの切り離し痕が前記他方の側面から出っ張ることがない深さに形成された、ことを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明は、モータで回転させられる円板状部材の外周側に複数の羽根溝を備えたインペラが、ポンプケーシングとポンプカバーとの間に形成された略円板状の空間内に回動可能に収容されるようになっている円周流ポンプに関するものである。この発明において、前記円板状部材の一方の側面側の略中央部には、ボス部が突出形成されている。また、前記ボス部には、前記インペラの回転中心を軸心とする軸穴が前記円板状部材を板厚方向に貫通しないように形成されている。また、前記軸穴には、前記モータで回動させられる駆動軸が嵌合されるようになっている。また、前記軸穴が形成されていない前記円板状部材の他方の側面側であって、且つ、前記インペラの回転中心部には、射出成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、溶融樹脂を前記キャビティの中心から径方向外方へ向かって放射状に流動させるためのピンポイントゲートの切り離し痕が1つ形成されている。また、前記インペラは、前記一方の側面側が前記ポンプケーシングに対向し、前記他方の側面側が前記ポンプカバーに対向するように、前記略円板状の空間内に回動可能に収容されている。そして、前記ポンプカバーの前記インペラに対向する面側で、且つ、前記ピンポイントゲートの切り離し痕に対応する部分には、前記ピンポイントゲートの切り離し痕よりも大径の座繰り部が凹設された、ことを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。
【0016】
[第1の実施の形態]
図1〜図2は、本発明の第1の実施の形態に係る円周流ポンプ1を示す図である。このうち図1は、円周流ポンプ1の一部を切断して示す正面図である。又、図2は、図1の一部を拡大して示す断面図である。
【0017】
(円周流ポンプの概略構成)
これらの図に示すように、本実施の形態の円周流ポンプ1は、ポンプ部2とモータ部3とからなっている。このうち、ポンプ部2は、モータ部3の下端部に配置されるポンプケーシング4と、このポンプケーシング4の下面側に組み付けられるポンプカバー5と、これらポンプケーシング4とポンプカバー5との間に形成された略円板状の空間6内に回動できるように収容される略円板状のインペラ7と、を備えている。
【0018】
(インペラ)
インペラ7は、燃料タンク(図示せず)内に設置され、燃料にエネルギーを与えるものであるため、耐溶剤性に優れた樹脂材料を使用する必要がある。そこで、本実施の形態のインペラ7は、フェノール樹脂,PPS樹脂、又はガラス繊維で強化されたフェノール樹脂やPPS樹脂が使用され、射出成形で所望の形状に形成されている。
【0019】
このインペラ7は、図5〜図8に詳細を示すように、円板状部材8の外周端部の両側面10,11にそれぞれ複数の羽根溝12が形成されており、一方の側面10側の略中央部にボス部13が突出形成されている。そして、このインペラ7のボス部13には、インペラ7の回転中心を軸中心とする軸穴14が形成されている。この軸穴14は、インペラ7を板厚方向に貫通することがなく、駆動軸15との間に十分な係合長さを確保できる程度の深さに形成される。すなわち、軸穴14は、ボス部13の突出長さL1を考慮して、その深さ寸法L2が決定される。
【0020】
尚、ボス部13の根本部は、比較的大きな曲率半径の曲面16になっており、射出成形時の溶融樹脂が円滑に流動できるように考慮されている。また、軸穴14は、略D字形状になっており、軸断面形状がDカット形状の駆動軸15に嵌合されるようになっている。そして、軸穴14の回り止め部17は、駆動軸15の切り欠き部18に係合し、モータ部3から伝達される駆動力を受けるようになっている。その結果、駆動軸15とインペラ7がモータ部3によって一体として回動させられる。
【0021】
また、インペラ7は、所望のポンプ性能を得ることができるようにするため、図2に示すように、その一方の側面10とポンプケーシング4との間の隙間t1及びその他方の側面11とポンプカバー5との間の隙間t2が所定寸法範囲内になるように、両側面10,11を高精度の面精度に加工する必要がある。ここで、隙間t1,t2を所定寸法範囲内にすることは、インペラ7の両側面10,11における半径方向内方への燃料の漏れを防止するために重要である。
【0022】
次に、このようなインペラ7の射出成形方法を説明する。すなわち、本実施の形態のインペラ7は、ボス部13が形成された側面10に対して反対側の側面(他方の側面)11に軸穴14が形成されていないため、その回転中心部に射出成形用のピンポイントゲート20を配置し、そのピンポイントゲート20から射出成形金型のキャビティ21内に溶融樹脂を射出することができる(図7〜図9参照)。
【0023】
キャビティ21内に射出された溶融樹脂は、キャビティ21の中心から径方向外方へ向かって放射状に略均等に流動する。その結果、本実施の形態に係るインペラ7の形状を採用することにより、キャビティ21内への溶融樹脂の充填効率がよくなり、インペラ7の側面10,11にうねりやウェルドラインを生じることが無くなり、面精度及び外径寸法精度に優れたインペラ7の射出成形が可能になる。尚、このような形状のインペラ7によれば、略D字形状の軸穴14がピンポイントゲート20から離れた位置にあり、軸穴14を形成するための金型(駆動軸15に対応する形状の金型)がキャビティ内の径方向への溶融樹脂の流れを妨げにくくなっているため、軸穴14の形状に起因する形状精度の悪化を防止できる。
【0024】
(ポンプケーシング,ポンプカバー)
図3は、ポンプケーシング4とポンプカバー5の組み合わせ状態を示す図である。又、図4は、ポンプ流路22,燃料流入口23,燃料流出口24及びインペラ7の関係を示す模式図である。これらの図に示すように、ポンプケーシング4とポンプカバー5の合わせ面には、インペラ7を回動可能に収容する略円板状の空間6が形成されている。そして、この円板状の空間6の外周側に形成されたポンプ流路22には、ポンプカバー5の燃料流入口23が連通すると共にポンプケーシング4の燃料流出口24が連通するようになっている。ここで、ポンプケーシング4とポンプカバー5は、例えば、樹脂材料やアルミニウムで形成される。
【0025】
(円周流ポンプの作動状態)
このような構成の本実施の形態によれば、図1及び図4に示すように、インペラ7がモータ部3のモータ3aによって回転駆動されると、燃料タンク内(図示せず)の燃料が燃料流入口23からポンプ流路22内に流入する。そして、燃料流入口23からポンプ流路22内に流入した燃料が、回転するインペラ7からエネルギーを受け、略環状のポンプ流路22に沿って燃料流出口24まで移動する間にインペラ7によって昇圧させられる。そして、十分に昇圧された燃料は、燃料流出口24からモータ部3の図示しない流路を通過して、燃料吐出口25から図外のエンジンに供給される。
【0026】
尚、図4に示すように、燃料流入口23と燃料流出口24との間に隔壁部26が形成されている。そして、この隔壁部26の周面26aとインペラ7の外周面27の隙間t3は、ポンプ流路22の周面22aとインペラ7の外周面27との隙間t4よりも小さく設定されている。又、隔壁部26の両側面26b,26cとインペラ7の両側面10,11との隙間は、インペラ7の両側面10,11側の隙間寸法(t1,t2)と等しい寸法に設定されている。即ち、インペラ7の外周面27側の隙間が隔壁部26で急激に絞られることになり、昇圧した燃料が燃料流出口24側から燃料流入口23側に漏出するのが阻止されるようになっている。又、ポンプ流路22内の燃料が半径方向内方へ漏出するのは、インペラ7の両側面10,11で阻止されるようになっている。
【0027】
(実施の形態の作用・効果)
以上のように本実施の形態のインペラ7は、一方の側面10側の略中央部に、駆動軸15に係合する軸穴14を備えたボス部13を突出形成してあるため、軸穴14を円板状部材8の板厚方向に貫通させなくても、軸穴14と駆動軸15との嵌合長さを十分に確保することができる。したがって、本実施の形態のインペラ7の形状にすれば、インペラ7の回転中心部に対応するキャビティ21の中心部にピンポイントゲート20を配置することができ、そのピンポイントゲート20から射出された溶融樹脂がキャビティ21の中心部から径方向外方に放射状にほぼ均等に流動し、うねりやウェルドラインがなく、面精度や外径寸法精度が高精度のインペラ7が射出成形される。
【0028】
また、本実施の形態によれば、キャビティ21の中心部にピンポイントゲート20を1箇所のみ配置すればよく、ピンポイントゲート20内やランナ(図示せず)内で無駄になる材料を少なくすることができるため、リング状ゲートを使用する場合や複数のピンポイントゲートを使用する場合に比較して、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0029】
尚、本実施の形態において、ピンポイントゲート20は、射出成形金型の離型時にインペラ(射出成形品)7から切り離される。そして、インペラ7の他方の側面11には、ピンポイントゲート20の切り離し痕が残ることがある。そこで、本実施の形態は、ポンプカバー5のインペラ7に対向する面側で、且つ、ピンポイントゲート20に対応する部分に、ピンポイントゲート20よりも大径の座繰り部28を凹設してある。このようにすれば、射出成形されたインペラ7に研削加工等の二次的加工を施すことなく(換言すれば、ピンポイントゲート20の切り離し痕を取り除く加工を施すことなく)、射出成形された高精度のインペラ7をそのまま使用することができるため、インペラ7の生産効率を向上させることができる。
【0030】
また、上述のように、ポンプカバー5に座繰り部28を凹設することができない場合には、図10〜図11に示すように、インペラ7の他方の側面11側に、ピンポイントゲート20を取り囲む大きさの略円形の凹部30を形成するようにしてもよい。この場合、凹部30の深さ寸法は、ピンポイントゲート20の切り離し痕が他方の側面11から出っ張ることがない寸法に形成される。このようにしても、射出成形されたインペラ7にピンポイントゲート20の切り離し痕を取り除く二次的加工を施す必要がなく、射出成形された高精度のインペラ7をそのまま使用することができるため、インペラ7の生産効率を向上させることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明のインペラは、一方の側面側の略中央部に、駆動軸に係合する軸穴を備えたボス部を突出形成してあるため、軸穴を板厚方向に貫通させなくても、軸穴と駆動軸との嵌合長さを十分に確保することができる。したがって、本発明によれば、インペラの回転中心部に対応するキャビティの中心部にピンポイントゲートを1つ配置することができ、そのピンポイントゲートから射出された溶融樹脂がキャビティの中心部から径方向外方に放射状にほぼ均等に流動し、うねりやウェルドラインがなく、面精度や外径寸法精度が高精度のインペラが射出成形される。
【0032】
しかも、本発明によれば、ピンポイントゲートが1箇所で足りるため、ゲートやランナ内で無駄になる材料を少なくすることができ、製造コストの低廉化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る円周流ポンプの一部を破断して示す正面図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す図である。
【図3】ポンプケーシングとポンプカバーの組み合わせ状態を示す断面図である。
【図4】図4(a)は円周流ポンプの作動状態を説明するための模式的平面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A線に沿って切断して示す断面図である。
【図5】インペラを一方の側面側から見た図である。
【図6】図5のB−B線に沿って切断して示す断面図である。
【図7】インペラを他方の側面側から見た図である。
【図8】図7のC−C線に沿って切断して示す断面図である。
【図9】インペラとピンポイントゲートとの位置関係を模式的に示す斜視図である。
【図10】本発明の実施の形態に係るインペラの変形例を示す側面図である。
【図11】図10のD−D線に沿って切断して示す断面図である。
【図12】従来の円周流ポンプの一部を拡大して示す図である。
【図13】従来のインペラの側面図である。
【図14】第1従来例に係るインペラとピンポイントゲートとの関係を示す側面図である。
【図15】第1従来例に係るインペラとピンポイントゲートとの関係を示す斜視図である。
【図16】第2従来例に係るインペラとピンポイントゲートとの関係を示す側面図である。
【図17】第2従来例に係るインペラとピンポイントゲートとの関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
1……円周流ポンプ、3a……モータ、4……ポンプケーシング、5……ポンプカバー、6……空間、7……インペラ、8……円板状部材、10,11……側面、12……羽根溝、13……ボス部、14……軸穴、15……駆動軸、20……ピンポイントゲート、30……凹部

Claims (4)

  1. モータで回転させられる円板状部材の外周側に複数の羽根溝を備え、ポンプケーシングとポンプカバーとの間に形成された略円板状の空間内に回動可能に収容される円周流ポンプ用インペラであり、
    前記円板状部材の一方の側面側の略中央部には、ボス部が突出形成され、
    前記ボス部には、前記インペラの回転中心を軸心とする軸穴が前記円板状部材を板厚方向に貫通しないように形成され、
    前記軸穴には、前記モータで回動させられる駆動軸が嵌合されるようになっている、
    円周流ポンプ用インペラの射出成形方法において、
    前記軸穴が形成されていない前記円板状部材の他方の側面側であって、且つ、前記インペラの回転中心部には、射出成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出するためのピンポイントゲートが1つ配置され、
    前記ピンポイントゲートから前記キャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、溶融樹脂を前記キャビティの中心部から径方向外方へ向かって放射状に流動させる、
    ことを特徴とする円周流ポンプ用インペラの射出成形方法
  2. モータで回転させられる円板状部材の外周側に複数の羽根溝を備え、ポンプケーシングとポンプカバーとの間に形成された略円板状の空間内に回動可能に収容される円周流ポンプ用インペラであり、
    前記円板状部材の一方の側面側の略中央部には、ボス部が突出形成され、
    前記ボス部には、前記回転中心を軸心とする軸穴が前記円板状部材を板厚方向に貫通しないように形成され、
    前記軸穴には、前記モータで回動させられる駆動軸が嵌合されるようになっている、
    円周流ポンプ用インペラの射出成形方法において、
    前記軸穴が形成されていない前記円板状部材の他方の側面側には、前記インペラの回転中心部を取り囲むように凹部が凹設され、
    前記円板状部材の前記凹部内であって、且つ、前記インペラの回転中心部には、射出成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出するためのピンポイントゲートが1つ配置され、
    前記ピンポイントゲートから前記キャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、溶融樹脂を前記キャビティの中心から径方向外方へ向かって放射状に流動させる、
    ことを特徴とする円周流ポンプ用インペラの射出成形方法
  3. モータで回転させられる円板状部材の外周側に複数の羽根溝を備え、ポンプケーシングとポンプカバーとの間に形成された略円板状の空間内に回動可能に収容される円周流ポンプ用インペラにおいて、
    前記円板状部材の一方の側面側の略中央部には、ボス部が突出形成され、
    前記ボス部には、前記円板状部材の回転中心を軸心とする軸穴が前記円板状部材を板厚方向に貫通しないように形成され、
    前記軸穴には、前記モータで回動させられる駆動軸が嵌合されるようになっており、
    前記軸穴が形成されていない前記円板状部材の他方の側面側には、前記円板状部材の回転中心部を取り囲むように凹部が凹設され、
    前記円板状部材の前記凹部内であって、且つ、前記円板状部材の回転中心部には、射出成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、溶融樹脂を前記キャビティの中心から径方向外方へ向かって放射状に流動させるためのピンポイントゲートの切り離し痕が1つ形成され、
    前記凹部は、前記ピンポイントゲートの切り離し痕が前記他方の側面から出っ張ることがない深さに形成された、
    ことを特徴とする円周流ポンプ用インペラ。
  4. モータで回転させられる円板状部材の外周側に複数の羽根溝を備えたインペラが、ポンプケーシングとポンプカバーとの間に形成された略円板状の空間内に回動可能に収容されるようになっている円周流ポンプにおいて、
    前記円板状部材の一方の側面側の略中央部には、ボス部が突出形成され、
    前記ボス部には、前記インペラの回転中心を軸心とする軸穴が前記円板状部材を板厚方向に貫通しないように形成され、
    前記軸穴には、前記モータで回動させられる駆動軸が嵌合されるようになっており 前記軸穴が形成されていない前記円板状部材の他方の側面側であって、且つ、前記インペラの回転中心部には、射出成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、溶融樹脂を前記キャビティの中心から径方向外方へ向かって放射状に流動させるためのピンポイントゲートの切り離し痕が1つ形成され、
    前記インペラは、前記一方の側面側が前記ポンプケーシングに対向し、前記他方の側面側が前記ポンプカバーに対向するように、前記略円板状の空間内に回動可能に収容され、
    前記ポンプカバーの前記インペラに対向する面側で、且つ、前記ピンポイントゲートの切り離し痕に対応する部分には、前記ピンポイントゲートの切り離し痕よりも大径の座繰り部が凹設された、
    ことを特徴とする円周流ポンプ。
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