JPH09126179A - 再生ポンプ - Google Patents

再生ポンプ

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JPH09126179A
JPH09126179A JP28899095A JP28899095A JPH09126179A JP H09126179 A JPH09126179 A JP H09126179A JP 28899095 A JP28899095 A JP 28899095A JP 28899095 A JP28899095 A JP 28899095A JP H09126179 A JPH09126179 A JP H09126179A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーシング側に同心円状に形成された中心側
ポンプ流路と外周側ポンプ流路とに対応してインペラに
中心側羽根溝と外周側羽根溝とを形成する場合、それら
羽根溝を板厚が一様の円形平板状のインペラに形成す
る。 【解決手段】 インペラ18のうち、外周部から回転中
心側に寄せた部位に円弧状に窪む溝を円周方向に沿って
多数形成し、これを中心側羽根溝25とすると共に、外
周部に円弧状に窪む溝を円周方向に沿って多数形成し、
これを外周側羽根溝26とする。一方、ケーシング20
のインペラ室19の内面には、中心側羽根溝25に対応
する中心側ポンプ流路33と外周側羽根溝26に対応す
る外周側ポンプ流路34とを同心円状に形成し、中心側
ポンプ流路33の始端を吸入口30に接続すると共に、
終端を連通路を介して外周側ポンプ流路34の始端に接
続し、外周側ポンプ流路34の終端を吐出口31に接続
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポンプ流路が角度に
して360°以上の流路長さを持つようにそのポンプ流
路を同心円状に形成された2本の流路から構成した再生
ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】再生ポンプは、ケーシングと、このケー
シングのインペラ室内に回転可能に収容されたインペラ
とから構成されており、インペラには羽根溝が形成さ
れ、インペラ室の内面には羽根溝に対応するポンプ流路
が形成されている。そして、インペラが回転すると、羽
根溝内の流体が遠心力で前記ポンプ流路に送り出される
と共に、そのポンプ流路に送り出された流体が再び羽根
溝内に戻されるように循環することにより、吸入口から
ポンプ流路内に吸入された流体が昇圧しながらポンプ流
路内を流れ、高圧流体となって吐出口から吐出されるよ
うになっている。
【0003】このような再生ポンプは、吐出量は比較的
少ないが、粘性の低い流体に対してもかなり高い吐出圧
力を得ることができるので、最近、車両のエンジン用燃
料噴射装置の燃料ポンプとして良く用いられている。
【0004】その一例として特開平3−11191号公
報に示された再生ポンプがあり、これには、吸入口付近
での燃料のキャビテーションを防止するために、ポンプ
流路の断面積を吸入口からある角度範囲で拡大すること
が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】再生ポンプでは、上述
のように、羽根溝とポンプ流路との間で流体を循環させ
ながら昇圧させる構成であるため、ポンプ流路の長さは
長い方が燃料の昇圧にとって有利である。ところが、再
生ポンプでは、通常、羽根溝はインペラの外周部だけに
形成されており、これに対応するポンプ流路もケーシン
グに1本だけ形成されているため、ポンプ流路の長さと
しては角度にして360°を越えることはできず、かか
る背景事情の下で、上記特開平3−11191号公報に
示されたように、ポンプ流路の吸入口側の断面積を拡大
すると、その断面積の拡大によって実質的に燃料を昇圧
できるポンプ流路長さが短くなり、十分に燃料を昇圧で
きなくなるという問題を生ずる。
【0006】これに対し、英国特許公開公報第2073
829号には、2本のポンプ流路を同心円状に形成して
両流路を直列に接続することが記載されている。このも
のでは、ポンプ流路を長くすることができるので、燃料
を十分に昇圧して送り出すことが可能となる。
【0007】この英国特許公開公報第2073829号
に示された再生ポンプは、図16に示すように、インペ
ラ1の厚さを中心側と外周側とで異ならせ、最外周部と
中心側の厚板部分の外周部とに、ケーシング2に形成さ
れた外周側ポンプ流路3と中心側ポンプ流路4とにそれ
ぞれ対応する外周側羽根溝5と中心側羽根溝6とを形成
している。
【0008】ところが、再生ポンプでは、インペラとこ
れを収納するケーシングとの間のクリアランスは流体の
漏れ防止のために小さくすることが要求され、特に粘性
が低いガソリンなどのエンジンの燃料を取り扱う場合に
は、そのクリアランスとしては、より小さく且つより精
度の高いことが要求される。
【0009】しかしながら、上述のようにインペラ1の
厚さが異なると、インペラ1の軸方向両側面を例えば研
削加工して厚さ精度を出す場合に、中心側の厚板部分と
外周側の薄板部分とを別々に加工する必要が生じ、高い
寸法精度を得難くなる。このような事情があるため、イ
ンペラを上述の英国特許公開公報第2073829号に
示された構成にしてポンプ流路を長くすることは、イン
ペラとケーシングとの間のクリアランスがより小さく且
つより高精度であることが要求される燃料ポンプには適
さないものである。
【0010】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ケーシングに外周側ポンプ流路と中心
側ポンプ流路とを形成してポンプ流路の長さを長くする
と共に、インペラを厚さ一様の円形平板状にすることが
できて高い寸法精度を得ることができる再生ポンプを提
供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明による
と、同心円状の中心側ポンプ流路と外周側ポンプ流路と
が直列に接続されるので、ポンプ流路全体としては、角
度にして360°以上の流路長さを有することとなるの
で、ポンプ流路の長さを長くすることができ、流体を十
分に昇圧することができる。しかも、インペラの中心側
羽根溝および外周側羽根溝は当該インペラの側面に凹状
に窪む溝を形成することによって得られるので、インペ
ラの中心側および外周側の羽根溝が設けてある部分を板
厚が一様な円形平板状に構成でき、高精度に加工するこ
とができる。
【0012】請求項2の発明によると、インペラの回転
により、中心側羽根溝内および外周側羽根溝内の流体が
遠心力で中心側ポンプ流路および外周側ポンプ流路に送
り出されると共に、その中心側ポンプ流路および外周側
ポンプ流路に送り出された流体が再び中心側羽根溝内お
よび外周側羽根溝内に戻されるというように循環すると
き、外周側羽根溝はインペラの外周面においても開放さ
れているから、外周側羽根溝内に戻された流体は外周側
ポンプ流路に円滑に送り出される。これに対し、中心側
羽根溝はインペラの側面において開放されているだけで
あるが、中心側羽根溝の根元部分の円弧凹面の曲率半径
が小さく設定されていることにより、流体はその曲率半
径の小なる円弧凹面に案内されて円滑に中心側ポンプ流
路に送り出されるようになり、中心側ポンプ流路におい
ても流体の昇圧作用が効率良く行われる。
【0013】請求項3の発明によると、中心側ポンプ流
路と外周側ポンプ流路の断面積が同一に設定されている
から、中心側ポンプ流路の始端から外周側ポンプ流路の
終端までの間において流体の流速の変動を抑制して、キ
ャビテーションや圧力損失の発生を防止することができ
る。
【0014】請求項4の発明によると、中心側ポンプ流
路と外周側ポンプ流路の断面形状を同じにすることがで
きるので、その加工が容易となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を車両のエンジン用
燃料噴射装置に用いられる燃料ポンプに適用した第1実
施例につき図1〜図8を参照しながら説明する。この燃
料ポンプは燃料タンク内に配置されるもので、図8に示
すように、モータ部11と、このモータ部11により駆
動されるポンプ部12とから構成されている。上記モー
タ部11はブラシ付きの直流モータからなり、円筒状の
ハウジング13内に永久磁石14を環状に配置すると共
に、この永久磁石14の内側にロータ15を配置した構
成となっている。
【0016】また、ポンプ部12は再生ポンプからな
り、円筒状周壁部16aおよびこの円筒状周壁部16a
の一方の側面を閉鎖する側壁部16bを一体に有するケ
ーシング本体16と、上記円筒状周壁部16aの他方の
側面を閉鎖するための側壁部としてのケーシングカバー
17と、インペラ18とから構成されている。
【0017】そして、ケーシング本体16は、ハウジン
グ13の一端部に圧入固定され、ケーシングカバー17
は、ケーシング本体16に被せられた状態でハウジング
13の一端部にかしめ等により固定されており、これら
ケーシング本体16とケーシングカバー17とで内部に
密閉されたインペラ室19を形成したケーシング20が
構成されている。
【0018】ここで、ポンプ部12の駆動軸である前記
ロータ15のシャフト21はケーシング20内に挿入さ
れ、ケーシング本体16の側壁部16bに嵌着されたラ
ジアル軸受22に回転可能に支持されていると共に、ケ
ーシングカバー17に固定されたスラスト軸受23によ
ってスラスト荷重が受けられるようになっている。
【0019】一方、前記インペラ18は前記インペラ室
19内に回転可能に収容され、その中心に形成されたD
字形の嵌合孔24が前記シャフト21のDカット部21
aに軸方向に摺動可能に嵌合されている。これによりイ
ンペラ18はシャフト21から回転伝達されて該シャフ
ト21と一体的に回転するが、シャフト21に対しては
軸方向に移動可能になされる。
【0020】さて、インペラ18は板厚が一様の円形平
板状に形成されており、このインペラ18には、図1〜
図3に示すように、中心側羽根溝25と外周側羽根溝2
6とが径方向に距離を隔てて、具体的には、インペラ1
8のうち、その回転中心から外周部に至る途中の部位に
中心側羽根溝25が円周方向に沿って多数形成されてい
ると共に、外周部に外周側羽根溝26が円周方向に沿っ
て多数形成されている。なお、中心側羽根溝25および
外周側羽根溝26はインペラ18の軸方向両側に対称的
に形成されている。
【0021】上記軸方向両側の中心側羽根溝25はイン
ペラ18の両側部に外周方向に向かって漸次深くなるよ
うに形成された円弧状の凹溝からなり、この凹溝の形成
から残された当該凹溝相互間の部分は中心側羽根片27
とされている。従って、両側の中心側羽根溝25はイン
ペラ18の軸方向両側面においてのみ外方に開放された
形態になされている。そして、両側の中心側羽根溝25
はその外周方向側の端部においてインペラ18を軸方向
に貫通するようにして形成された通し孔28により相互
に連通された状態になっている。
【0022】また、軸方向両側の外周側羽根溝26もイ
ンペラ18の外周部の両側部に径方向外側に向かって漸
次深くなるように形成された凹溝からなり、この凹溝の
形成から残された当該凹溝相互間の部分は外周側羽根片
29とされている。そして、軸方向両側の外周側羽根溝
26はインペラ18の軸方向両側面と外周面との双方に
おいて外方に開放された形態になされている。
【0023】ここで、中心側羽根溝25と外周側羽根溝
26の列設個数は後者の方が多く、且つ中心側羽根溝2
5と外周側羽根溝26の溝幅W1 ,W2 は後者の方が広
く設定されている。この場合、この実施例では、羽根溝
25,26の溝幅W1 ,W2と羽根溝25,26の形成
部位の直径D1 ,D2 との比が両羽根溝25,26につ
いてほぼ同じになるようにしている。
【0024】また、中心側羽根溝25および外周側羽根
溝26の根元部分(インペラ18の回転中心側の部分)
の円弧凹面25a,26aの曲率半径R1 ,R2 は前者
の方が小さく設定されている。なお、例えば中心側羽根
溝25の円弧凹面25aの曲率半径R1 は1.5mm、
外周側羽根溝26の円弧凹面26aの曲率半径R2 は4
mmに設定されている。
【0025】一方、図8に示すように、ケーシングカバ
ー17には燃料タンク(図示せず)内に連通する吸入口
30が軸方向に貫通して形成されていると共に、ケーシ
ング本体16の側壁部16bにはインジェクタ(図示せ
ず)に連通する吐出口31が軸方向に貫通して形成され
ている。これら吸入口30および吐出口31は、吸入口
30が中心側に位置するようにして径方向に距離を隔て
て設けられており、それら吸入口30と吐出口31とは
ポンプ流路32によりつながれている。
【0026】上記ポンプ流路32はインペラ室19の内
面に径方向に距離を隔てて形成された中心側ポンプ流路
33と外周側ポンプ流路34とから構成されている。す
なわち、図4〜図7に示すように、インペラ室19の軸
方向両内側面を構成するケーシング本体16の側壁部1
6bの一側面およびケーシングカバー17の一側面に
は、有端環状の中心側溝33a,33bと同じく有端環
状の外周側溝34a,34bが同心円状に形成されてい
る。そして、インペラ室19の中心側に位置する軸方向
両側の中心側溝33a,33bは、図1に示すように、
インペラ18の連通孔28を介して相互に連通された状
態になっており、これら両中心側溝33a,33bによ
って中心側ポンプ流路33が構成されている。
【0027】また、インペラ室19の周囲部側に位置す
る軸方向両側の外周側溝34a,34bは、インペラ室
19の内周面である円筒状周壁部16aの内径をシール
部35を残して拡径することによって形成された拡径部
34cによって相互に連通された状態になっており、こ
れら外周側溝34a,34bと拡径部34cとによって
インペラ18の軸方向両側の外周側羽根溝26を包囲す
る外周側ポンプ流路34が構成されている。
【0028】そして、中心側ポンプ流路33を構成する
中心側溝33a,33bのうち、ケーシングカバー17
側の中心側溝33bの始端が吸入口30に接続されてい
ると共に、両中心側溝33a,33bの終端が連通路た
る連通溝36a,36bを介して両外周側溝34a,3
4bの始端に接続され、ケーシング本体16側の外周側
溝34aの終端が吐出口31に接続されている。
【0029】なお、上記シール部35はインペラ18の
外周側羽根片29との間に極く小さなクリアランスをも
って対向し、外周側ポンプ流路34の両端間での燃料の
漏れを防止する。もちろん、インペラ室19の軸方向両
内側面とインペラ18の軸方向両側面も極く小さなクリ
アランスをもって対向することにより、両者間への燃料
漏れが防止されるようになっている。
【0030】ここで、中心側ポンプ流路33および外周
側ポンプ流路34の流路長さは、図4に角度αおよびβ
で示すように、それぞれ単独では角度にして360°未
満であるが、連通溝36a,36bにより直列に接続さ
れた両ポンプ流路33,34の長さの和は、角度にして
360°以上になされている。
【0031】また、中心側ポンプ流路33と外周側ポン
プ流路34の断面積(図1(b)にクロス線で示した部
分の面積)は同一に設定されている。すなわち、中心側
ポンプ流路33を構成する両中心側溝33a,33bの
断面積と、外周側ポンプ流路33を構成する外周側溝3
4a,34b、拡径部34cの断面積とは等しく設定さ
れており、従って、中心側溝33a,33bの深さは、
外周側溝34a,34bよりも深くなっている。
【0032】次に上記構成の作用を説明する。モータ部
11を起動させると、ロータ15のシャフト21と一体
的にインペラ18が回転する。これにより、インペラ1
8の中心側羽根片27および外周側羽根片29が中心側
ポンプ流路33および外周側ポンプ流路34に沿って回
転してポンプ作用を生じ、図示しない燃料タンク内の燃
料を吸入口30から中心側ポンプ流路33内に吸入す
る。
【0033】中心側ポンプ流路33内に吸入された燃料
は吸入口30側の始端から終端に向かって流れ、連通溝
36a,36bを介して外周側ポンプ流路34内に流入
し、終端の吐出口31に向かって流れる。
【0034】このように燃料が吸入口30から吐出口3
1に向かって流れる過程で、その燃料は図1(b)に矢
印AおよびBで示すように、中心側羽根溝25および外
周側羽根溝26内に吸い込まれ、中心側羽根片27およ
び外周側羽根片29から運動エネルギーを受けて中心側
ポンプ流路33および外周側ポンプ流路34内に送り込
まれるというように羽根溝25,26とポンプ流路3
3,34との間で循環する。このような循環を繰り返す
ことにより、燃料は圧力上昇しながら中心側ポンプ流路
33から外周側ポンプ流路34へと流れ、そして吐出口
31から図示しないインジェクタに圧送されるのであ
る。
【0035】ここで、外周側羽根溝26はインペラ18
の側面だけでなく、外周面においても外周側ポンプ流路
34内に開放されているので、矢印Bで示すように外周
側羽根溝26内に吸い込まれた燃料は主としてインペラ
18の外周側開放部から外周側ポンプ流路34内に送り
込まれる。このため、外周側羽根溝26と外周側ポンプ
流路34との間での燃料の循環は良好に行われる。
【0036】一方、中心側羽根溝25は、インペラ18
の側面おいてのみ開放されているので、通常ならば、中
心側羽根溝25と中心側ポンプ流路33との間での燃料
の循環は円滑性に欠けることとなる。しかしながら、本
実施例では、中心側羽根溝25の円弧凹面25aの曲率
半径R1 が小さく設定されているので、中心側羽根溝2
5内に吸い込まれた燃料は、その中心側羽根溝25の小
なる曲率半径の円弧凹面25aに沿って流れる過程で、
外周側羽根溝26の大なる曲率半径の円弧凹面26aよ
りも早く流れの向きを径方向外側に変換するようにな
る。このため、中心側羽根溝25においても外周側羽根
溝26と同様に中心側ポンプ流路33との間での循環性
が良くなり、昇圧性能が低くなるおそれはない。
【0037】また、中心側ポンプ流路33と外周側ポン
プ流路34の断面積は同一に設定されているので、両流
路33,34を流れる燃料の速度が同じになり、キャビ
テーションを生じたり、圧力損失を生じたりするおそれ
がない。すなわち、中心側ポンプ流路33の断面積が外
周側ポンプ流路34の断面積よりも小さいと、吸入口3
0から中心側ポンプ流路33内に吸入された燃料が急激
に流速低下し圧力が低下することによってキャビテーシ
ョンを発生し、逆に中心側ポンプ流路33の断面積が外
周側ポンプ流路34の断面積よりも大きいと、外周側ポ
ンプ流路34での燃料の流速がより速くなって圧力損失
を生ずる。しかしながら、本実施例では、両ポンプ流路
33,34の断面積が同一に設定されているので、その
ような不具合を生ずることがなく、燃料を効率良く昇圧
してインジェクタに圧送することができる。
【0038】しかも、本実施例では、中心側羽根溝25
の個数を外周側羽根溝26より少なくしてあるので、両
羽根溝25,26の溝幅W1 ,W2 をそれぞれにとって
最適な寸法に設定できる。すなわち、羽根溝25,26
内に吸入される燃料の量は、羽根溝25,26の回転速
度に応じた最適量になっていると、効率良く昇圧され
る。これに対し、例えば、中心側羽根溝25の形成部位
の直径は小さいので、その回転速度は低いが、このよう
な低回転速度にある中心側羽根溝25の溝幅W1を広く
すると、中心側羽根溝25内への燃料の吸入量が多くな
るので、昇圧し難くなる。
【0039】しかるに、本実施例では、両羽根溝25,
26の溝幅W1 ,W2 を異ならせて、低回転速度の中心
側羽根溝25は幅狭にし、高回転速度の外周側羽根溝2
6を幅広にする等、それぞれにとって最適幅に設定して
あるので、両羽根溝25,26の双方共に燃料を効率良
く昇圧させることができるものである。
【0040】以上のように、燃料は両羽根溝25,26
と両ポンプ流路33,34との間で循環しながら吸入口
30から吐出口31に向かって流れる過程で昇圧するの
で、ポンプ流路32全体の長さは長い方が昇圧効果が高
い。
【0041】このことについて、本実施例では、中心側
ポンプ流路33と外周側ポンプ流路34とを同心円状に
設けて両ポンプ流路33,34を直列に接続したことに
より、ポンプ流路32全体としての長さが長くなるの
で、燃料をより高く圧力上昇させることができる。
【0042】そして、このようにポンプ流路32を、同
心円状の中心側ポンプ流路33と外周側ポンプ流路34
とから構成することに対応させて、インペラ18に中心
側羽根溝33と外周側羽根溝34とを形成する場合、特
に中心側羽根溝33をインペラ18の側面部に円弧状に
窪む凹溝を設けることによって形成するので、インペラ
18を板厚が一様の円形平板状にすることができる。
【0043】このため、インペラ18の軸方向両側面を
例えば研削加工により仕上げる場合、各側面を一度に研
削できるので、板厚の寸法精度を高くすることができ
る。従って、特に燃料ポンプ用では、インペラ18とイ
ンペラ室19との間のクリアランスを極く小さく且つ高
精度にする必要上、インペラ18の板厚寸法の精度を高
くしなければならないという要請があるが、この要請に
効果的に対処できるものである。
【0044】図9〜図15は本発明の第2実施例を示す
もので、以下、上記した第1実施例と同一部分には同一
符号を付して異なる部分のみ説明する。この実施例は外
周側羽根溝と外周側ポンプ流路の形態を第1実施例と異
ならせたもので、外周側羽根溝37は中心側羽根溝25
と同様にインペラ18の側面においてだけ外方に開放さ
れた形態となっており、軸方向両側の外周側羽根溝37
は外周側端部に形成された通し孔38によって相互に連
通されている。
【0045】このような外周側羽根溝37に対し、外周
側ポンプ流路39は前記第1実施例の外周側溝34a,
34bに相当する外周側溝39a,39bから構成さ
れ、径大部34cに相当する部分は有していない。そし
て、この実施例では、外周側羽根溝37は側面において
だけ外周側ポンプ流路39と連通していることに鑑み、
外周側羽根溝37の円弧凹面37aの曲率半径Rは中心
側羽根溝25のそれと同等に設定されている。
【0046】この実施例においても、中心側ポンプ流路
33と外周側ポンプ流路34とは同一の断面積に設定さ
れ、従って、それらポンプ流路33,34を構成する中
心側溝33a,33bおよび外周側溝39a,39bは
同一の形状、同一寸法の幅および深さに形成されてい
る。
【0047】このように本実施例によれば、ケーシング
本体16とケーシングカバー17とに形成する中心側溝
33a,33bおよび外周側溝39a,39b並びに連
通溝36a,36bの形状、大きさが同じになるので、
その加工を同一の切削工具を用いて容易に行うことがで
きる。
【0048】なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施
例に限定されるものではなく、例えば吸入口30と吐出
口31とを、ケーシング本体16およびケーシングカバ
ー17のうちのいずれかに設け、中心側羽根溝25およ
び外周側羽根溝26,37をインペラ18の片側だけに
形成すると共に、中心側ポンプ流路33および外周側ポ
ンプ流路34,39もケーシング本体16およびケーシ
ングカバー17のうちのいずれかに設けるようにしても
良い等、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部の断面図
【図2】インペラの平面図
【図3】インペラの部分斜視図
【図4】ケーシング本体の平面図
【図5】ケーシング本体の部分斜視図
【図6】ケーシングカバーの平面図
【図7】ケーシングカバーの部分斜視図
【図8】燃料ポンプ全体の断面図
【図9】本発明の第2実施例を示す要部の断面図
【図10】図2相当図
【図11】図3相当図
【図12】図4相当図
【図13】図5相当図
【図14】図6相当図
【図15】図7相当図
【図16】従来の再生ポンプの一例を示す断面図
【符号の説明】
11はモータ部、12はポンプ部、16はケーシング本
体、17はケーシングカバー、18はインペラ、19は
インペラ室、20はケーシング、21はシャフト、25
は中心側羽根溝、26は外周側羽根溝、27は中心側羽
根片、28は通し孔、29は外周側羽根片、30は吸入
口、31は吐出口、32はポンプ流路、33は中心側ポ
ンプ流路、34は外周側ポンプ流路、36a,36bは
連通溝(連通路)、37は外周側羽根溝、38は通し
孔、39は外周側ポンプ流路である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入口および吐出口を有したケーシング
    と、 このケーシングのインペラ室内に回転可能に収容された
    インペラとを備えた再生ポンプにおいて、 前記インペラに、側面から凹状に窪む中心側羽根溝と外
    周側羽根溝とを、径方向に距離を隔てて、それぞれ円周
    方向に沿って多数形成すると共に、 前記インペラを前記中心側および外周側の羽根溝が設け
    てある部分の板厚が一様の円形平板状に形成し、 前記インペラ室の内面に、前記中心側羽根溝に対応する
    有端環状の中心側ポンプ流路と前記外周側羽根溝に対応
    する同じく有端環状の外周側ポンプ流路とを、同心円状
    に且つ両ポンプ流路の長さの和が角度にして360°以
    上となるように形成し、 前記中心側ポンプ流路の始端を前記吸入口に接続すると
    共に、終端を前記外周側ポンプ流路の始端に接続し、前
    記外周側ポンプ流路の終端を前記吐出口に接続したこと
    を特徴とする再生ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記外周側羽根溝は、前記インペラの外
    周部にその側面と外周面の双方において開放するように
    形成されていると共に、前記外周側ポンプ流路は、前記
    インペラ室の周囲部にその内側面から内周面にかけて形
    成され、 前記インペラの側面においてだけ開放された前記中心側
    羽根溝の円弧凹面の曲率半径は、前記外周側羽根溝の円
    弧凹面の曲率半径よりも小さく設定されていることを特
    徴とする請求項1記載の再生ポンプ。
  3. 【請求項3】 前記中心側ポンプ流路と前記外周側ポン
    プ流路の断面積は同一に設定されていることを特徴とす
    る請求項1記載の再生ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記中心側羽根溝および前記外周側羽根
    溝は、共に前記インペラの側面においてだけ開放され、 前記中心側ポンプ流路および前記外周側ポンプ流路は、
    前記インペラ室の内側面だけに形成されていることを特
    徴とする請求項3記載の再生ポンプ。
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CN1296623C (zh) * 2003-08-26 2007-01-24 株式会社电装 具有被容置在流体通路中的叶片的再生泵
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