JP3591091B2 - 再生ポンプ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポンプ流路が角度にして360°以上の流路長さを持つようにそのポンプ流路を同心円状に形成された2本の流路から構成した再生ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
再生ポンプは、ケーシングと、このケーシングのインペラ室内に回転可能に収容されたインペラとから構成されており、インペラには羽根溝が形成され、インペラ室の内面には羽根溝に対応するポンプ流路が形成されている。そして、インペラが回転すると、羽根溝内の流体が遠心力で前記ポンプ流路に送り出されると共に、そのポンプ流路に送り出された流体が再び羽根溝内に戻されるように循環することにより、吸入口からポンプ流路内に吸入された流体が昇圧しながらポンプ流路内を流れ、高圧流体となって吐出口から吐出されるようになっている。
【0003】
このような再生ポンプは、吐出量は比較的少ないが、粘性の低い流体に対してもかなり高い吐出圧力を得ることができるので、最近、車両のエンジン用燃料噴射装置の燃料ポンプとして良く用いられている。
【0004】
その一例として特開平3−11191号公報に示された再生ポンプがあり、これには、吸入口付近での燃料のキャビテーションを防止するために、ポンプ流路の断面積を吸入口からある角度範囲で拡大することが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
再生ポンプでは、上述のように、羽根溝とポンプ流路との間で流体を循環させながら昇圧させる構成であるため、ポンプ流路の長さは長い方が燃料の昇圧にとって有利である。ところが、再生ポンプでは、通常、羽根溝はインペラの外周部だけに形成されており、これに対応するポンプ流路もケーシングに1本だけ形成されているため、ポンプ流路の長さとしては角度にして360°を越えることはできず、かかる背景事情の下で、上記特開平3−11191号公報に示されたように、ポンプ流路の吸入口側の断面積を拡大すると、その断面積の拡大によって実質的に燃料を昇圧できるポンプ流路長さが短くなり、十分に燃料を昇圧できなくなるという問題を生ずる。
【0006】
これに対し、英国特許公開公報第2073829号には、2本のポンプ流路を同心円状に形成して両流路を直列に接続することが記載されている。このものでは、ポンプ流路を長くすることができるので、燃料を十分に昇圧して送り出すことが可能となる。
【0007】
この英国特許公開公報第2073829号に示された再生ポンプは、図16に示すように、インペラ1の厚さを中心側と外周側とで異ならせ、最外周部と中心側の厚板部分の外周部とに、ケーシング2に形成された外周側ポンプ流路3と中心側ポンプ流路4とにそれぞれ対応する外周側羽根溝5と中心側羽根溝6とを形成している。
【0008】
ところが、再生ポンプでは、インペラとこれを収納するケーシングとの間のクリアランスは流体の漏れ防止のために小さくすることが要求され、特に粘性が低いガソリンなどのエンジンの燃料を取り扱う場合には、そのクリアランスとしては、より小さく且つより精度の高いことが要求される。
【0009】
しかしながら、上述のようにインペラ1の厚さが異なると、インペラ1の軸方向両側面を例えば研削加工して厚さ精度を出す場合に、中心側の厚板部分と外周側の薄板部分とを別々に加工する必要が生じ、高い寸法精度を得難くなる。このような事情があるため、インペラを上述の英国特許公開公報第2073829号に示された構成にしてポンプ流路を長くすることは、インペラとケーシングとの間のクリアランスがより小さく且つより高精度であることが要求される燃料ポンプには適さないものである。
【0010】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ケーシングに外周側ポンプ流路と中心側ポンプ流路とを形成してポンプ流路の長さを長くすると共に、インペラを厚さ一様の円形平板状にすることができて高い寸法精度を得ることができる再生ポンプを提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によると、同心円状の中心側ポンプ流路と外周側ポンプ流路とが直列に接続されるので、ポンプ流路全体としては、角度にして360°以上の流路長さを有することとなるので、ポンプ流路の長さを長くすることができ、流体を十分に昇圧することができる。しかも、インペラの中心側羽根溝および外周側羽根溝は当該インペラの側面に凹状に窪む溝を形成することによって得られるので、インペラの中心側および外周側の羽根溝が設けてある部分を板厚が一様な円形平板状に構成でき、高精度に加工することができる。
【0012】
その上、中心側ポンプ流路と外周側ポンプ流路の断面積が同一に設定されているから、中心側ポンプ流路の始端から外周側ポンプ流路の終端までの間において流体の流速の変動を抑制して、キャビテーションや圧力損失の発生を防止することができる。また、中心側ポンプ流路と外周側ポンプ流路の断面形状を同じにすることができるので、その加工が容易となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両のエンジン用燃料噴射装置に用いられる燃料ポンプに適用した第1実施例につき図1〜図8を参照しながら説明する。
この燃料ポンプは燃料タンク内に配置されるもので、図8に示すように、モータ部11と、このモータ部11により駆動されるポンプ部12とから構成されている。上記モータ部11はブラシ付きの直流モータからなり、円筒状のハウジング13内に永久磁石14を環状に配置すると共に、この永久磁石14の内側にロータ15を配置した構成となっている。
【0016】
また、ポンプ部12は再生ポンプからなり、円筒状周壁部16aおよびこの円筒状周壁部16aの一方の側面を閉鎖する側壁部16bを一体に有するケーシング本体16と、上記円筒状周壁部16aの他方の側面を閉鎖するための側壁部としてのケーシングカバー17と、インペラ18とから構成されている。
【0017】
そして、ケーシング本体16は、ハウジング13の一端部に圧入固定され、ケーシングカバー17は、ケーシング本体16に被せられた状態でハウジング13の一端部にかしめ等により固定されており、これらケーシング本体16とケーシングカバー17とで内部に密閉されたインペラ室19を形成したケーシング20が構成されている。
【0018】
ここで、ポンプ部12の駆動軸である前記ロータ15のシャフト21はケーシング20内に挿入され、ケーシング本体16の側壁部16bに嵌着されたラジアル軸受22に回転可能に支持されていると共に、ケーシングカバー17に固定されたスラスト軸受23によってスラスト荷重が受けられるようになっている。
【0019】
一方、前記インペラ18は前記インペラ室19内に回転可能に収容され、その中心に形成されたD字形の嵌合孔24が前記シャフト21のDカット部21aに軸方向に摺動可能に嵌合されている。これによりインペラ18はシャフト21から回転伝達されて該シャフト21と一体的に回転するが、シャフト21に対しては軸方向に移動可能になされる。
【0020】
さて、インペラ18は板厚が一様の円形平板状に形成されており、このインペラ18には、図1〜図3に示すように、中心側羽根溝25と外周側羽根溝26とが径方向に距離を隔てて、具体的には、インペラ18のうち、その回転中心から外周部に至る途中の部位に中心側羽根溝25が円周方向に沿って多数形成されていると共に、外周部に外周側羽根溝26が円周方向に沿って多数形成されている。なお、中心側羽根溝25および外周側羽根溝26はインペラ18の軸方向両側に対称的に形成されている。
【0021】
上記軸方向両側の中心側羽根溝25はインペラ18の両側部に外周方向に向かって漸次深くなるように形成された円弧状の凹溝からなり、この凹溝の形成から残された当該凹溝相互間の部分は中心側羽根片27とされている。従って、両側の中心側羽根溝25はインペラ18の軸方向両側面においてのみ外方に開放された形態になされている。そして、両側の中心側羽根溝25はその外周方向側の端部においてインペラ18を軸方向に貫通するようにして形成された通し孔28により相互に連通された状態になっている。
【0022】
また、軸方向両側の外周側羽根溝26もインペラ18の外周部の両側部に径方向外側に向かって漸次深くなるように形成された凹溝からなり、この凹溝の形成から残された当該凹溝相互間の部分は外周側羽根片29とされている。そして、軸方向両側の外周側羽根溝26はインペラ18の軸方向両側面と外周面との双方において外方に開放された形態になされている。
【0023】
ここで、中心側羽根溝25と外周側羽根溝26の列設個数は後者の方が多く、且つ中心側羽根溝25と外周側羽根溝26の溝幅W1 ,W2 は後者の方が広く設定されている。この場合、この実施例では、羽根溝25,26の溝幅W1 ,W2 と羽根溝25,26の形成部位の直径D1 ,D2 との比が両羽根溝25,26についてほぼ同じになるようにしている。
【0024】
また、中心側羽根溝25および外周側羽根溝26の根元部分(インペラ18の回転中心側の部分)の円弧凹面25a,26aの曲率半径R1 ,R2 は前者の方が小さく設定されている。なお、例えば中心側羽根溝25の円弧凹面25aの曲率半径R1 は1.5mm、外周側羽根溝26の円弧凹面26aの曲率半径R2 は4mmに設定されている。
【0025】
一方、図8に示すように、ケーシングカバー17には燃料タンク(図示せず)内に連通する吸入口30が軸方向に貫通して形成されていると共に、ケーシング本体16の側壁部16bにはインジェクタ(図示せず)に連通する吐出口31が軸方向に貫通して形成されている。これら吸入口30および吐出口31は、吸入口30が中心側に位置するようにして径方向に距離を隔てて設けられており、それら吸入口30と吐出口31とはポンプ流路32によりつながれている。
【0026】
上記ポンプ流路32はインペラ室19の内面に径方向に距離を隔てて形成された中心側ポンプ流路33と外周側ポンプ流路34とから構成されている。すなわち、図4〜図7に示すように、インペラ室19の軸方向両内側面を構成するケーシング本体16の側壁部16bの一側面およびケーシングカバー17の一側面には、有端環状の中心側溝33a,33bと同じく有端環状の外周側溝34a,34bが同心円状に形成されている。そして、インペラ室19の中心側に位置する軸方向両側の中心側溝33a,33bは、図1に示すように、インペラ18の連通孔28を介して相互に連通された状態になっており、これら両中心側溝33a,33bによって中心側ポンプ流路33が構成されている。
【0027】
また、インペラ室19の周囲部側に位置する軸方向両側の外周側溝34a,34bは、インペラ室19の内周面である円筒状周壁部16aの内径をシール部35を残して拡径することによって形成された拡径部34cによって相互に連通された状態になっており、これら外周側溝34a,34bと拡径部34cとによってインペラ18の軸方向両側の外周側羽根溝26を包囲する外周側ポンプ流路34が構成されている。
【0028】
そして、中心側ポンプ流路33を構成する中心側溝33a,33bのうち、ケーシングカバー17側の中心側溝33bの始端が吸入口30に接続されていると共に、両中心側溝33a,33bの終端が連通路たる連通溝36a,36bを介して両外周側溝34a,34bの始端に接続され、ケーシング本体16側の外周側溝34aの終端が吐出口31に接続されている。
【0029】
なお、上記シール部35はインペラ18の外周側羽根片29との間に極く小さなクリアランスをもって対向し、外周側ポンプ流路34の両端間での燃料の漏れを防止する。もちろん、インペラ室19の軸方向両内側面とインペラ18の軸方向両側面も極く小さなクリアランスをもって対向することにより、両者間への燃料漏れが防止されるようになっている。
【0030】
ここで、中心側ポンプ流路33および外周側ポンプ流路34の流路長さは、図4に角度αおよびβで示すように、それぞれ単独では角度にして360°未満であるが、連通溝36a,36bにより直列に接続された両ポンプ流路33,34の長さの和は、角度にして360°以上になされている。
【0031】
また、中心側ポンプ流路33と外周側ポンプ流路34の断面積(図1(b)にクロス線で示した部分の面積)は同一に設定されている。すなわち、中心側ポンプ流路33を構成する両中心側溝33a,33bの断面積と、外周側ポンプ流路33を構成する外周側溝34a,34b、拡径部34cの断面積とは等しく設定されており、従って、中心側溝33a,33bの深さは、外周側溝34a,34bよりも深くなっている。
【0032】
次に上記構成の作用を説明する。
モータ部11を起動させると、ロータ15のシャフト21と一体的にインペラ18が回転する。これにより、インペラ18の中心側羽根片27および外周側羽根片29が中心側ポンプ流路33および外周側ポンプ流路34に沿って回転してポンプ作用を生じ、図示しない燃料タンク内の燃料を吸入口30から中心側ポンプ流路33内に吸入する。
【0033】
中心側ポンプ流路33内に吸入された燃料は吸入口30側の始端から終端に向かって流れ、連通溝36a,36bを介して外周側ポンプ流路34内に流入し、終端の吐出口31に向かって流れる。
【0034】
このように燃料が吸入口30から吐出口31に向かって流れる過程で、その燃料は図1(b)に矢印AおよびBで示すように、中心側羽根溝25および外周側羽根溝26内に吸い込まれ、中心側羽根片27および外周側羽根片29から運動エネルギーを受けて中心側ポンプ流路33および外周側ポンプ流路34内に送り込まれるというように羽根溝25,26とポンプ流路33,34との間で循環する。このような循環を繰り返すことにより、燃料は圧力上昇しながら中心側ポンプ流路33から外周側ポンプ流路34へと流れ、そして吐出口31から図示しないインジェクタに圧送されるのである。
【0035】
ここで、外周側羽根溝26はインペラ18の側面だけでなく、外周面においても外周側ポンプ流路34内に開放されているので、矢印Bで示すように外周側羽根溝26内に吸い込まれた燃料は主としてインペラ18の外周側開放部から外周側ポンプ流路34内に送り込まれる。このため、外周側羽根溝26と外周側ポンプ流路34との間での燃料の循環は良好に行われる。
【0036】
一方、中心側羽根溝25は、インペラ18の側面おいてのみ開放されているので、通常ならば、中心側羽根溝25と中心側ポンプ流路33との間での燃料の循環は円滑性に欠けることとなる。しかしながら、本実施例では、中心側羽根溝25の円弧凹面25aの曲率半径R1 が小さく設定されているので、中心側羽根溝25内に吸い込まれた燃料は、その中心側羽根溝25の小なる曲率半径の円弧凹面25aに沿って流れる過程で、外周側羽根溝26の大なる曲率半径の円弧凹面26aよりも早く流れの向きを径方向外側に変換するようになる。このため、中心側羽根溝25においても外周側羽根溝26と同様に中心側ポンプ流路33との間での循環性が良くなり、昇圧性能が低くなるおそれはない。
【0037】
また、中心側ポンプ流路33と外周側ポンプ流路34の断面積は同一に設定されているので、両流路33,34を流れる燃料の速度が同じになり、キャビテーションを生じたり、圧力損失を生じたりするおそれがない。すなわち、中心側ポンプ流路33の断面積が外周側ポンプ流路34の断面積よりも小さいと、吸入口30から中心側ポンプ流路33内に吸入された燃料が急激に流速低下し圧力が低下することによってキャビテーションを発生し、逆に中心側ポンプ流路33の断面積が外周側ポンプ流路34の断面積よりも大きいと、外周側ポンプ流路34での燃料の流速がより速くなって圧力損失を生ずる。しかしながら、本実施例では、両ポンプ流路33,34の断面積が同一に設定されているので、そのような不具合を生ずることがなく、燃料を効率良く昇圧してインジェクタに圧送することができる。
【0038】
しかも、本実施例では、中心側羽根溝25の個数を外周側羽根溝26より少なくしてあるので、両羽根溝25,26の溝幅W1 ,W2 をそれぞれにとって最適な寸法に設定できる。すなわち、羽根溝25,26内に吸入される燃料の量は、羽根溝25,26の回転速度に応じた最適量になっていると、効率良く昇圧される。これに対し、例えば、中心側羽根溝25の形成部位の直径は小さいので、その回転速度は低いが、このような低回転速度にある中心側羽根溝25の溝幅W1 を広くすると、中心側羽根溝25内への燃料の吸入量が多くなるので、昇圧し難くなる。
【0039】
しかるに、本実施例では、両羽根溝25,26の溝幅W1 ,W2 を異ならせて、低回転速度の中心側羽根溝25は幅狭にし、高回転速度の外周側羽根溝26を幅広にする等、それぞれにとって最適幅に設定してあるので、両羽根溝25,26の双方共に燃料を効率良く昇圧させることができるものである。
【0040】
以上のように、燃料は両羽根溝25,26と両ポンプ流路33,34との間で循環しながら吸入口30から吐出口31に向かって流れる過程で昇圧するので、ポンプ流路32全体の長さは長い方が昇圧効果が高い。
【0041】
このことについて、本実施例では、中心側ポンプ流路33と外周側ポンプ流路34とを同心円状に設けて両ポンプ流路33,34を直列に接続したことにより、ポンプ流路32全体としての長さが長くなるので、燃料をより高く圧力上昇させることができる。
【0042】
そして、このようにポンプ流路32を、同心円状の中心側ポンプ流路33と外周側ポンプ流路34とから構成することに対応させて、インペラ18に中心側羽根溝33と外周側羽根溝34とを形成する場合、特に中心側羽根溝33をインペラ18の側面部に円弧状に窪む凹溝を設けることによって形成するので、インペラ18を板厚が一様の円形平板状にすることができる。
【0043】
このため、インペラ18の軸方向両側面を例えば研削加工により仕上げる場合、各側面を一度に研削できるので、板厚の寸法精度を高くすることができる。従って、特に燃料ポンプ用では、インペラ18とインペラ室19との間のクリアランスを極く小さく且つ高精度にする必要上、インペラ18の板厚寸法の精度を高くしなければならないという要請があるが、この要請に効果的に対処できるものである。
【0044】
図9〜図15は本発明の第2実施例を示すもので、以下、上記した第1実施例と同一部分には同一符号を付して異なる部分のみ説明する。
この実施例は外周側羽根溝と外周側ポンプ流路の形態を第1実施例と異ならせたもので、外周側羽根溝37は中心側羽根溝25と同様にインペラ18の側面においてだけ外方に開放された形態となっており、軸方向両側の外周側羽根溝37は外周側端部に形成された通し孔38によって相互に連通されている。
【0045】
このような外周側羽根溝37に対し、外周側ポンプ流路39は前記第1実施例の外周側溝34a,34bに相当する外周側溝39a,39bから構成され、径大部34cに相当する部分は有していない。そして、この実施例では、外周側羽根溝37は側面においてだけ外周側ポンプ流路39と連通していることに鑑み、外周側羽根溝37の円弧凹面37aの曲率半径Rは中心側羽根溝25のそれと同等に設定されている。
【0046】
この実施例においても、中心側ポンプ流路33と外周側ポンプ流路34とは同一の断面積に設定され、従って、それらポンプ流路33,34を構成する中心側溝33a,33bおよび外周側溝39a,39bは同一の形状、同一寸法の幅および深さに形成されている。
【0047】
このように本実施例によれば、ケーシング本体16とケーシングカバー17とに形成する中心側溝33a,33bおよび外周側溝39a,39b並びに連通溝36a,36bの形状、大きさが同じになるので、その加工を同一の切削工具を用いて容易に行うことができる。
【0048】
なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施例に限定されるものではなく、例えば吸入口30と吐出口31とを、ケーシング本体16およびケーシングカバー17のうちのいずれかに設け、中心側羽根溝25および外周側羽根溝26,37をインペラ18の片側だけに形成すると共に、中心側ポンプ流路33および外周側ポンプ流路34,39もケーシング本体16およびケーシングカバー17のうちのいずれかに設けるようにしても良い等、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す要部の断面図
【図2】インペラの平面図
【図3】インペラの部分斜視図
【図4】ケーシング本体の平面図
【図5】ケーシング本体の部分斜視図
【図6】ケーシングカバーの平面図
【図7】ケーシングカバーの部分斜視図
【図8】燃料ポンプ全体の断面図
【図9】本発明の第2実施例を示す要部の断面図
【図10】図2相当図
【図11】図3相当図
【図12】図4相当図
【図13】図5相当図
【図14】図6相当図
【図15】図7相当図
【図16】従来の再生ポンプの一例を示す断面図
【符号の説明】
11はモータ部、12はポンプ部、16はケーシング本体、17はケーシングカバー、18はインペラ、19はインペラ室、20はケーシング、21はシャフト、25は中心側羽根溝、26は外周側羽根溝、27は中心側羽根片、28は通し孔、29は外周側羽根片、30は吸入口、31は吐出口、32はポンプ流路、33は中心側ポンプ流路、34は外周側ポンプ流路、36a,36bは連通溝(連通路)、37は外周側羽根溝、38は通し孔、39は外周側ポンプ流路である。
Claims (1)
- 吸入口および吐出口を有したケーシングと、
このケーシングのインペラ室内に回転可能に収容されたインペラとを備えた再生ポンプにおいて、
前記インペラに、側面から凹状に窪む中心側羽根溝と外周側羽根溝とを、前記インペラの側面においてだけ開放するように、径方向に距離を隔てて、それぞれ円周方向に沿って多数形成すると共に、
前記インペラを前記中心側および外周側の羽根溝が設けてある部分の板厚が一様の円形平板状に形成し、
前記インペラ室の内側面だけに、前記中心側羽根溝に対応する有端環状の中心側ポンプ流路と前記外周側羽根溝に対応する同じく有端環状の外周側ポンプ流路とを、同心円状に且つ両ポンプ流路の断面積が互いに同一で、両ポンプ流路の長さの和が角度にして360°以上となるように形成し、
前記中心側ポンプ流路の始端を前記吸入口に接続すると共に、終端を前記外周側ポンプ流路の始端に接続し、前記外周側ポンプ流路の終端を前記吐出口に接続したことを特徴とする再生ポンプ。
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