JP4489394B2 - 渦流ポンプ - Google Patents
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- F04D23/008—Regenerative pumps
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Description
請求項1に記載の発明によれば、羽根車に周設された羽根によって、流体通路内の流体
に運動エネルギーが与えられる。そして、羽根の回転軸方向の幅をaとし、流体通路の軸方向内壁と羽根の回転軸方向外縁との距離をbとしたとき、0.60≦b/a≦0.76の関係を満たしている。
これにより、aとbとの比率を適正に保って、旋回流の中心を羽根の軸方向外縁に近づ
けることができる。
すなわち、従来の渦流ポンプでは、bがaに対して大きすぎるため、旋回流の中心が羽
根の軸方向外縁から離れて羽根非通過部分の方に偏在していた(図10および図11参照
)。しかし、b/a≦0.76の関係を満たせば、旋回流の中心を羽根の軸方向外縁に近
づけて、流体が羽根通過部分に戻らない領域を減少させ、ポンプ効率が低下するのを防止
することができる(図4参照)。
逆に、bがaに対して小さすぎると、羽根の径方向外縁が流体通路の径方向内壁との間
に隙間を有している場合、径方向内壁近傍で旋回流がない領域が生じる(図7参照)。こ
のため、主流方向の流速が低下しポンプ効率が低下する。しかし、0.60≦b/aの関
係を満たせば、この問題を解消することができ、ポンプ効率が低下するのを防止すること
ができる(図4参照)。
さらに、上記の関係式0.60≦b/a≦0.76を満たしているのに加え、羽根通過断面の面積値S1と、羽根非通過断面の面積値S2とは、1.0≦S2/S1≦1.2の関係を満たしている。
これにより、羽根通過断面の面積値S1と、羽根非通過断面の面積値S2との比率を適
正に保って、ポンプ効率の低下を防止することができる。
すなわち、羽根非通過断面の断面積が羽根通過断面の断面積に対して小さすぎると、流
体が主流方向に向かって移動できる通過面積が小さくなるため、主流方向の流速が大きく
なりすぎる。このため、流体通路の壁部から受ける摩擦損失が大きくなり、ポンプ効率が
低下する。しかし、1.0≦S2/S1の関係を満たせば、この問題を解消することがで
き、ポンプ効率が低下するのを防止することができる(図5参照)。
逆に、羽根非通過断面の断面積が羽根通過断面の断面積に対して大きすぎると、径方向
内壁近傍で旋回流がない領域が生じる(図7参照)。このため、主流方向の流速が低下し
ポンプ効率が低下する。しかし、S2/S1≦1.2の関係を満たせば、この問題を解消
することができ、ポンプ効率が低下するのを防止することができる(図5参照)。
本実施例の渦流ポンプ1を図面に基づいて説明する。本実施例の渦流ポンプ1は、円環状の流体通路2内に配置された複数の羽根3を流体通路2に沿って駆動することにより、流体通路2内の流体に運動エネルギーを与えるポンプである。この渦流ポンプ1は、例えば、内燃機関(図示せず)からの排気に空気を送り込んで、排気中のエミッションを低減するために用いられる。
本実施例の渦流ポンプ1の特徴を、図面に基づいて説明する。まず、図1に示すごとく、羽根3の軸方向の幅をaとし、流体通路2の軸方向内壁と羽根3の軸方向外縁との距離(以降、軸方向距離と呼ぶ)をbとすると、0.60≦b/a≦0.76の関係を満たしている(本実施例では、b/aは0.68である)。本実施例では、流体通路2の軸方向内壁と羽根3の軸方向外縁との間に形成される空間が、前後対称となる位置に2箇所ある。このため、前側空間の軸方向距離(b/2)と、後側空間の軸方向距離(b/2)の合計が全体の軸方向距離(b)となっている。
また、羽根通過断面14の面積値をS1とし、羽根非通過断面15の面積値をS2とすると、1.0≦S2/S1≦1.2の関係を満たしている(本実施例では、S2/S1は1.1である)。
さらに、羽根3の形状が略矩形状である。
本実施例の渦流ポンプ1の作用を説明する。本実施例の渦流ポンプ1の羽根3は、駆動軸6により回転駆動されて、図2に示すごとく反時計方向に回転する。そして、本実施例の流体である空気は、まず吸入通路11を通って流体通路2へ吸入される。吸入された空気は、羽根通過部分18の一区画であって隣り合う羽根3同士がなす凹状空間(以後、この凹状空間を凹部と呼ぶ)に流入する。凹部に流入した空気は、羽根3により運動エネルギーを与えられながら、羽根通過部分18から羽根非通過部分19へと旋回する。羽根非通過部分19へ旋回した空気は、反時計方向に1つ隣の凹部へ旋回して流入し、再度、羽根3から運動エネルギーを与えられる。その後、空気は同様の旋回を繰り返しつつ、運動エネルギーを与えられながら隣り合う凹部を逐次移動し吐出通路12に到達する。そして、吐出通路12から渦流ポンプ1の外へ吐出される。このようにして、空気は所定の圧力に加圧されて供給される。
本実施例では、b/aは0.68であり、0.60≦b/a≦0.76の関係を満たしている。これにより、aとbとの比率を適正に保って、旋回流の中心を羽根3の軸方向外縁に近づけることができる。
すなわち、従来の渦流ポンプでは、図10および図11に示すごとく、bがaに対して大きすぎるため、旋回流の中心が羽根の軸方向縁部から離れて羽根非通過部分の方に偏在していた。しかし、図4に示すごとくb/a≦0.76の関係を満たせば、旋回流の中心を羽根3の軸方向外縁に近づけて、空気が羽根通過部分18に戻らない領域を減少させ、ポンプ効率が低下するのを防止することができる。なお、図6に示すごとく、吐出圧を変えたときの最高効率を、所定のb/a、所定のS2/S1に対するポンプ性能の尺度とした。
逆に、bがaに対して小さすぎると、図7に示すごとく、羽根の径方向外縁が流体通路の径方向内壁との間に隙間を有している場合、径方向内壁近傍で旋回流がない領域が生じる。このため、主流方向の流速が低下しポンプ効率が低下する。しかし、図4に示すごとく0.60≦b/aの関係を満たせば、これらの問題を解消することができ、ポンプ効率が低下するのを防止することができる。
すなわち、S2がS1に対して小さすぎると、空気が主流方向に向かって移動できる通過面積が小さくなるため、主流方向の流速が大きくなりすぎる。このため、流体通路の壁部から受ける摩擦損失が大きくなり、ポンプ効率が低下する。しかし、図5に示すごとく1.0≦S2/S1の関係を満たせば、この問題を解消することができ、ポンプ効率が低下するのを防止することができる。
逆に、S2がS1に対して大きすぎると、図7に示すごとく、径方向内壁近傍で旋回流がない領域が生じる。このため、主流方向の流速が低下しポンプ効率が低下する。しかし、図5に示すごとくS2/S1≦1.2の関係を満たせば、この問題を解消することができ、ポンプ効率が低下するのを防止することができる。
これにより、通路挟小部13の断面を、矩形状にすることができ、ケーシング4の加工および組立が容易になる。
本実施例の渦流ポンプ1では、羽根通過断面14が略四半長円を前後対称に重ねた形状であり、羽根非通過断面15が略半長円とその直径の一端側から所定幅を有して延びる線分とを前後対称に重ねた形状であったが、これに限定されるものではない。例えば、羽根通過断面14が半円形であり、羽根非通過断面15も半円形であり、これらを前後対称に配置したものであってもよい。また、本実施例や上記変形例のように前後対称になっていなくてもよい。
2 流体通路
3 羽根
4 ケーシング
5 羽根車
6 駆動軸
7 前側部材(ケーシング)
8 後側部材(ケーシング)
9 羽根車本体
10 羽根車本体収容部
14 羽根通過断面
15 羽根非通過断面
18 羽根通過部分
19 羽根非通過部分
Claims (1)
- 円環状の流体通路を形成するケーシングと、
このケーシング内に収容されるとともに、前記流体通路内の流体に運動エネルギーを与
える羽根が周設された羽根車と
を備えた渦流ポンプにおいて、
前記羽根の回転軸方向の幅をaとし、前記流体通路の回転軸方向内壁と前記羽根の回転
軸方向外縁との距離をbとしたとき、
0.60≦b/a≦0.76の関係を満たすとともに、
前記流体通路内の流体の主流方向に垂直な流体通路断面の一部であって、前記羽根が通
過する羽根通過断面の面積値をS1とし、
前記流体通路内の流体の主流方向に垂直な流体通路断面の一部であって、前記羽根が通
過しない羽根非通過断面の面積値をS2としたとき、
1.0≦S2/S1≦1.2の関係を満たすことを特徴とする渦流ポンプ。
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