JPH062690A - 燃料ポンプ - Google Patents

燃料ポンプ

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Publication number
JPH062690A
JPH062690A JP5035405A JP3540593A JPH062690A JP H062690 A JPH062690 A JP H062690A JP 5035405 A JP5035405 A JP 5035405A JP 3540593 A JP3540593 A JP 3540593A JP H062690 A JPH062690 A JP H062690A
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JP
Japan
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impeller
pump
outer peripheral
blade
fuel
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Application number
JP5035405A
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English (en)
Inventor
Takahiko Kato
貴彦 加藤
Motoya Ito
元也 伊藤
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE69326495T priority patent/DE69326495T2/de
Priority to EP93105414A priority patent/EP0563957B1/en
Priority to US08/042,267 priority patent/US5372475A/en
Priority to HU9300970A priority patent/HU215991B/hu
Publication of JPH062690A publication Critical patent/JPH062690A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/18Rotors
    • F04D29/188Rotors specially for regenerative pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M37/00Apparatus or systems for feeding liquid fuel from storage containers to carburettors or fuel-injection apparatus; Arrangements for purifying liquid fuel specially adapted for, or arranged on, internal-combustion engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M37/00Apparatus or systems for feeding liquid fuel from storage containers to carburettors or fuel-injection apparatus; Arrangements for purifying liquid fuel specially adapted for, or arranged on, internal-combustion engines
    • F02M37/04Feeding by means of driven pumps
    • F02M37/048Arrangements for driving regenerative pumps, i.e. side-channel pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D5/00Pumps with circumferential or transverse flow
    • F04D5/002Regenerative pumps

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウエスコ型燃料ポンプにおいて、樹脂製イン
ペラによって高いポンプ性能を確実に実現する。 【構成】 インペラ32の外周には、複数の羽根溝32
2と羽根板323とが交互に形成されている。羽根溝3
22aと羽根溝322bとの間には隔壁321が設けら
れている。隔壁321の外周面部3210は、羽根板3
23の外周面部3230より内側に位置しており、しか
も外周面部3210は所定の厚さをもって形成されてい
る。インペラ32が回転すると、底面3221、322
2に沿って形成される2つの旋回流が外周面部3210
より外側で滑らかに合流し、ポンプ流路流路内での流れ
の空白部を低減する。また、外周面部3210の厚さに
より成形型による成形での変形などが低減される。この
ため、インペラ32の表面のうち、図1に斑点模様で図
示される面は成形型による成形のみで形成され、インペ
ラ32の両端面と羽根板323の外周面部3230とが
研削加工されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関等に燃料を供
給する燃料ポンプに関し、例えば、燃料を加圧し、自動
車等の燃料噴射装置のインジェクタに供給する燃料ポン
プに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電子制御式燃料噴射装置を備えた
エンジンを有する自動車等においては、エンジンに燃料
を噴射する装置の一部品として、電動式燃料ポンプを用
いている。この燃料ポンプは、燃料タンク内の液体燃料
中に浸漬配置してあり、電子制御装置からの指令に基づ
き、インジェクタに燃料を高圧で圧送するようになって
いる。
【0003】上記燃料ポンプの一形式として一般に再生
ポンプ或いはウエスコ型ポンプと呼ばれているものがあ
り、ウエスコ型燃料ポンプでは流路断面及びインペラの
羽根部の形状が効率などの性能に大きな影響を与えるこ
とが知られている。
【0004】例えば、特公昭63ー63756号公報、
実公平3ー2720号公報、又は特開昭60−4789
4号公報などは、ウエスコ型燃料ポンプにおいて流路代
表寸法Rmなどの寸法を特定して所望の性能を実現する
ことを開示している。
【0005】図21及び図22を参照して、従来のウエ
スコ型燃料ポンプを説明する。従来のインペラ9は、円
板状の外形を有している。そして、その円板の一方の端
面と外周面との間の角部と、他方の端面と外周面との間
の角部との両方に、複数の羽根93と複数の羽根溝92
とが等間隔に交互に設けられている。そして、これらの
羽根および羽根溝は、インペラ9の両端面に隔壁91を
挟んで位置している。そして、隔壁91の外周面部91
0は羽根93の外周面部930と等径となっている。イ
ンペラ9の外周部とケーシング90の内面との間には、
ポンプ流路95が形成され、インペラ9が回転するとイ
ンペラ9の外周部はポンプ流路95内を高速で通過す
る。このため、羽根溝92内の液体燃料は遠心力を与え
られ、ポンプ流路95内において2つの渦941、94
2を形成する。そして、インペラ9の回転に伴い、ポン
プ流路95内の液体燃料は、2つの渦941、942を
形成しながら周方向に送られる。このポンプ流路95内
における流れによって液体燃料は動圧を与えられ、昇圧
される。
【0006】ところが、従来のウエスコ型燃料ポンプで
は図22に示すように、2つの渦941、942の間に
流れの空白部96が発生する。この空白部96において
は、液体燃料に十分な流速が与えられず逆流を生じる。
そのため、この逆流が燃料の昇圧作用を妨げるという問
題点があった。
【0007】そこで、この逆流をなくすために、上記空
白部96を埋めるようにケーシング側、或いはインペラ
側から部材を突出させることが考えられる。しかし、上
記空白部96を埋めるような部材を設けると、インペラ
両面間の燃料の移動が妨げられ、かつインペラ両面に燃
料の偏りを生じる恐れがあった。
【0008】また、ウエスコ型ポンプは、燃料ポンプ以
外の用途にも実用化されており、例えば、水用ポンプの
分野においては、特開昭61−210288号公報に開
示されるものが知られている。この公報に開示される技
術は、ポンプ流路内に発生する空白部による逆流を低減
することを目的としている。そして、インペラの隔壁先
端を尖頭形状にすることを提案している。また、この公
報に開示される技術は、インペラの隔壁の高さhを羽根
の高さHより低くし、隔壁先端を羽根内に位置させるこ
とを提案している。
【0009】また、インペラの隔壁の高さhを羽根の高
さHより低くし、隔壁先端を羽根内に位置させる形状
は、空気用ポンプに関する特開昭56−32095号公
報にも開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開昭61
−210288号公報、あるいは特開昭56−3209
5号公報に開示される水用、空気用のポンプは、その要
求される圧送能力、インペラ直径などが燃料ポンプとは
大きく異なっており、水用、空気用のポンプの技術をそ
のまま燃料ポンプに適用しても所望のポンプ性能、効果
を得ることが困難であった。
【0011】例えば、一般的な揚水ポンプには、100
〜10000l/hの流量と、5〜10kgf/cm2 の揚
程とが求められている。これに対し、自動車用燃料ポン
プには、50〜200l/hの流量と、2〜5kgf/cm
2 の揚程とが求められており、両者の使用範囲は異なっ
ている。また、一般的な揚水ポンプは、そのインペラ直
径が100mm程度であるのに対し、自動車用燃料ポンプ
は自動車の燃料タンク内に配置されることからその大き
さが制限され、従来実用化されているものでは、インペ
ラ直径50mm、あるいは30mm程度であった。
【0012】また、空気用ポンプでは、その能力、効
率、インペラ直径などの体格に加えて、加圧対象となる
流体が気体であるため、圧縮性、粘性などの点で燃料と
は特性が大きく異なっていた。このため、特開昭56−
32095号公報に開示されるような空気用ポンプは、
インペラの羽根先端と流路壁との径方向距離が短く形成
されている。
【0013】さらに、水用ポンプ、空気用ポンプでは、
そのインペラ直径が大きいため、インペラを金属材料に
よって製作するのが一般的であった。このため、金属イ
ンペラでは羽根溝内を切削加工することで、隔壁先端を
尖頭形状にすることができる。しかし、燃料ポンプでは
インペラ直径が小さいため樹脂材料によるインジェクシ
ョン成形などの型成形が一般的であるが、成形型から成
形品を離す離型の時の変形、割れなどのため、隔壁先端
を尖頭形状にすることは困難であった。特に、インペラ
直径が小さい燃料ポンプでは、僅かなインペラ形状の変
形がポンプ流路内の流れに影響し、ポンプ効率を低下さ
せるという問題があり、従来の水用ポンプ、空気用ポン
プの形状をそのまま燃料ポンプに適用し、所望の性能を
得ることは困難であった。
【0014】本発明は、上記のごとき従来技術の問題点
に鑑み、特に燃料ポンプの性能向上を図ることを目的と
する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、円板の端面と外周面とに開口する複数の羽
根溝を円板の両端面に形成する複数の羽根板と複数の隔
壁とを有する樹脂製のインペラと、前記インペラを回転
可能に収容するとともに、前記インペラの外周に沿って
ポンプ流路を形成し、前記ポンプ流路に連通する吸込口
と吐出口とを有するケーシングと、前記インペラを回転
駆動するモータとを備えた燃料ポンプにおいて、前記イ
ンペラは、一方の端面と外周面とを連通する一方の羽根
溝の側面と、他方の端面と外周面とを連通する他方の羽
根溝の側面と、前記一方の羽根溝と前記他方の羽根溝と
を外周側において軸方向に連通する連通溝の側面とを形
成する羽根板と、前記一方の羽根溝と前記他方の羽根溝
との間に位置し、前記羽根板の外周端より内側において
終端して前記連通溝を形成するとともに、前記一方の羽
根溝の底面と前記他方の羽根溝の底面との間隔が内周側
から外周側に向けて徐々に接近し、かつ最外周において
所定値以上の間隔をもって終端するように両底面を形成
する隔壁とを備えることを特徴とする燃料ポンプという
技術的手段を採用する。
【0016】
【作用】以上に述べた本発明の構成によると、インペラ
は羽根板と隔壁とを有し、この羽根板と隔壁とにより、
インペラの両端面に羽根溝が形成される。ここで、本発
明の隔壁は、羽根板の外周端より内側において終端して
おり、両羽根溝の底面の間隔を最外周において所定値以
上の間隔をもって終端させている。
【0017】このような本発明の構成によると、隔壁先
端がインペラ外周に直接に面していないため、羽根溝の
底面に沿って生成される旋回流が流路の全体に到達し、
流れの空白部が低減されてポンプ効率が高められる。
【0018】また、本発明者らの実験によると、両底面
の間隔を最外周において所定値以上の間隔をもって終端
させることにより、両底面を接触させ尖頭形状をもって
終端させる形状に比べて高いポンプ性能が得られること
が確かめられた。
【0019】このような高いポンプ性能は、隔壁先端部
に燃料の旋回流が直接には流入しない領域が形成される
ために得られると考えられ、この領域内の燃料が隔壁の
先端部より外周において燃料の旋回流を滑らかに合流さ
せるためと考えられる。
【0020】また、両底面の間隔を最外周において所定
値以上の間隔をもって終端させることにより、成形型か
らの離型の際などの隔壁の最外周先端部の変形が低減さ
れ、所望の形状のインペラが得られ、確実に所望のポン
プ性能が得られる。このため、成形型によってインペラ
を成形することができ、生産性を高めることができる。
【0021】
【実施例】
(第1実施例)以下、本発明の燃料ポンプの一実施例を
図1〜図6を用いて説明する。この燃料ポンプは、車両
用内燃機関の燃料供給装置に用いられるものである。
【0022】まず、この燃料ポンプの全体構造を図4及
び図5を用いて説明する。この燃料ポンプは、モータ部
2とポンプ部3とからなる。モータ部2は、ハウジング
1の内壁面に配設した永久磁石21と、該永久磁石21
の内側に同心関係を有して回転可能に配設したアーマチ
ュア22とを有する。
【0023】ポンプ部3は、ハウジング1に固定したケ
ーシング311、312と、両ケーシング311、31
2間に形成される円盤状空間内を同心関係を有して回転
するインペラ32とを有する。インペラ32は、ケーシ
ング311を貫通したアーマチュア22のシャフト22
0に嵌合している。
【0024】インペラ32の外周部とケーシング31
1、312の径大部との間には、ポンプ流路(以下、単
に流路ともいう)33が形成されている。このポンプ流
路33は、一端に吸入口41を持ち、他端に吐出口43
を持ち、インペラ32の外周に沿ってC字型に形成され
ている。流路33にはケーシング312に形成された燃
料吸入口41から燃料が導入される。
【0025】流路33はインペラ32の外周部に沿って
環状に形成され、その所定位置に流路吸入部331及び
流路吐出部332が仕切り壁333を挟んで穿設されて
いる(図4参照)。これら流路吸入部331及び流路吐
出部332の径方向隙間は流路33の他の部位より大き
くなっており、更に流路吸入部331は流路吐出部33
2より大きな径方向隙間を有している。流路吸入部33
1は燃料吸入口41に連通しており、流路吐出部332
はケーシング311に貫孔された燃料吐出口43を通じ
てハウジング1内に連通している。
【0026】ハウジング1内の燃料はハウジング1の他
端に設けられた燃料吐出部42から吐出される。この燃
料吐出部42の横には、コネクタが設けられており、こ
のコネクタのターミナル23は、モータ部2へ電力を供
給するものである。このターミナル23は、コイル、コ
ンデンサ等のノイズ防止素子を介して図示せぬブラシに
接続されている。
【0027】次に図1〜図4を用いてインペラ32の形
状を詳細に説明する。インペラ32は、ハウジング1内
に圧入固定されたケーシング311、312の間に回転
自在に収容されている。
【0028】インペラ32の外周部には、複数の羽根板
323が所定間隔毎に設けられており、各羽根板323
の間に羽根溝322が形成されている。羽根溝322
は、インペラ32の外周部の両端面に位置する羽根溝3
22a、322bと、インペラ32の外周寄りに位置し
羽根溝322a、322bを軸方向に連通する羽根溝
(以下の説明では連通溝と呼ぶこともある)322cと
を有する。これら羽根溝322a、322b、322c
は全体としてインペラ32の一方の端面から外周部を通
り、他方の端面に渡って延びる断面が略コ字形状の羽根
溝322を構成している。
【0029】周方向に隣接する羽根溝322、322間
には羽根板323が形成されており、羽根板323は周
方向と直角に延設された放射羽根形状を有し、羽根溝3
22の周方向に位置して、羽根溝322の側壁を形成し
ている。
【0030】また、インペラ32の両端面に一対をなし
て位置する羽根溝322a、322bは、インペラ32
の外周へ向けて延在する隔壁321により隔てられてい
る。そして、この隔壁321は、先端に僅かな平坦部を
有し、2つの斜辺が羽根溝322aの底面3221と、
羽根溝322bの底面3222とを形成している。これ
らの底面3221、3222は、曲率半径Rの曲面とし
て形成されている。また、底面3221と底面3222
との軸方向間隔は、インペラ32の外周に向かうにつれ
て接近するように形成されており、隔壁321の最外周
において最小の間隔となるよう形成されている。また、
この最小の間隔は、底面3221と底面3222との最
外周の端部の間隔として規定されている。また、隔壁3
21の外周面部3210は羽根溝322cの底面を形成
している。
【0031】上記の構成によれば、燃料は羽根溝322
a、322bの側壁だけでなく、羽根溝(連通溝)32
2cの側壁によってもインペラ32の回転方向に付勢さ
れることとなる。
【0032】インペラ32の隔壁321は、図1及び図
2に示すごとく、その外周面部3210が、インペラ3
2の外周面部をなす羽根部323の外周面部3230よ
りも径方向内側に位置している。この実施例において
は、羽根溝322cの径方向全長L1すなわち隔壁32
1の外周面部3210と羽根板323の外周面部323
0との間の径方向長さが、羽根板323の長さL2(図
2参照)の40%とされている。
【0033】羽根板323及び羽根溝322は、図3及
び図4に示すごとく、インペラ32の外周部に円周方向
に沿って一定間隔毎に交互に配設されており、インペラ
32の中心部にはアーマチュア22のシャフト220を
貫通、嵌合させるための軸孔325が貫設されている。
【0034】以上に説明した一実施例のインペラの各部
寸法は、以下の表1の通りである。
【0035】
【表1】 なお、表1において、直径Dは羽根を含むインペラの外
周の直径を示し、厚さtはインペラの軸方向厚さを示
し、軸方向間隙d1=d2は羽根板323の軸方向端と
ケーシング311、312の内端面との間の距離を示
し、径方向間隙d3は羽根板323の径方向端とケーシ
ング311、312の内周面との間の距離を示す。ま
た、凹面曲率Rはインペラの隔壁321の両斜向凹面の
曲率半径を示し、径方向連通路全長L1は隔壁321の
外周端面から羽根の最外周端面までの連通路の径方向の
長さを示し、径方向羽根全長L2は羽根の最内周部から
最外周端面までの連通路を含めた羽根の径方向の長さを
示す。また、流路代表寸法Rmは、図2におけるa−b
−c−d−j−i−h−g−f−e−aで囲まれるポン
プ流路の軸方向断面積をS、図2におけるa−b−c−
dで示されるインペラの周縁部の断面周囲長さをlとし
てS/lにより求められる。また、隔壁端面長さkは隔
壁321の外周端面の軸方向長さを示す。また、単位は
mmである。
【0036】この実施例の燃料ポンプは、図6に図示さ
れるように車両に積載された燃料タンク61内に設置さ
れ、車載バッテリ62に接続される。そして、燃料タン
ク61内の燃料63を燃料噴射装置64に供給する。燃
料ポンプの燃料吸入口41には燃料フィルタ65が接続
され、燃料吐出口42には配管66が接続される。配管
66は燃料供給装置64のインジェクタ67に燃料を供
給し、その燃料圧力はレギュレータ68により所定圧力
に調節される。そして、レギュレータ68から排出され
た燃料はリターン配管69を通して再び燃料タンク61
内に戻される。インジェクタ67はエンジン70の吸気
通路に燃料を噴霧供給する。
【0037】なお、この実施例のように車両用内燃機関
の燃料供給装置に使用される燃料ポンプは、吐出流量が
50〜200l/h、揚程が2〜5kgf/cm2 という範
囲で使用される。また、車両の使用環境を考慮して、−
30〜80°C程度の温度範囲において支障なく作動す
るよう設計される。
【0038】そして、上記のような吐出流量、吐出圧力
で使用される燃料ポンプは、インペラ直径を20〜65
mmとし、流路代表寸法Rmを0.4〜2.0mmとす
ることが望ましい。また、流路代表寸法Rmは、0.6
〜1.6mmとすることがより望ましい。このような燃
料ポンプに特有の寸法は、特公昭63−63756号公
報あるいは米国特許4493620号に開示されてい
る。
【0039】次に、実施例のインペラの製造工程を説明
する。図7は、インペラ32を成形するための成形型の
部分断面図である。この図7では、羽根溝322に対応
する部分の断面が図示されている。
【0040】成形型72は、インペラ32の中央に対応
する型割り面73で分割される2つの部分74、75か
らなる。なお、成形型72の内部形状は、インペラ32
の羽根溝322に対応して同じ形状に形成されている。
ただし、インペラ32の直径方向および厚さ方向に関し
て僅かに大きく形成されている。図7では、破線76で
成形型の内部形状が図示され、2点鎖線77で最終的な
インペラ32の形状が図示されている。従って、インペ
ラ32の羽根溝322に対応する成形型72の内部形状
はインペラ32と同じ形状に形成されている。
【0041】まず、成形型72内に熱硬化性樹脂を注入
し、インペラの大まかな外形が成形される。この成形イ
ンペラは、最終的なインペラ32より直径および厚さに
関して僅かに大きい。また、この成形インペラは、羽根
溝322に対応する部分はインペラ32と同じ形状であ
る。なお、インペラ32の材料は、ガラス繊維を強化材
として混入させたフェノール樹脂である。このような熱
硬化性樹脂を使用することで、温度変化に対する体積変
化が抑えられ、低温から高温に渡って高い性能を持続し
てポンプ作動をすることができる。
【0042】次に、成形型72で成形された成形インペ
ラの両端面および外周面を研削する。この研削工程で
は、インペラの両端面と、羽根板323の外周面部32
30と側面部3231、3232とが研削される。これ
により、図1ないし図4に図示されるインペラ32の形
状が得られる。従って、図1に図示されるインペラ32
の表面のうち、斑点模様で図示される面は研削されるこ
となく、型成形のみによって形成される。特に、この実
施例では、隔壁321の先端面3210が研削されな
い。
【0043】このように、この実施例では、インペラ3
2を成形型によって成形している。このため、多くの羽
根溝322を簡単に形成することができ、大量生産に対
応することができる。また、隔壁321の先端を薄くし
すぎると、型74と型75とを引き離す際に、隔壁32
1の先端に変形を来すことがあり、ポンプ性能に大きな
影響を及ぼすことがある。しかしこの実施例では、平面
状の隔壁端面3210を設け隔壁321の先端部におい
ても十分な厚さを確保しているため、型74と型75と
を引き離し、成形インペラを取り出す時の隔壁321の
変形が防止される。特に、この実施例のように熱硬化性
樹脂を使用する場合には、熱硬化性樹脂は一般に脆弱で
あるため、型抜きの際に割れを生じるおそれがある。し
かし、隔壁321先端における厚さを確保して強度を高
めることで、隔壁321先端における熱硬化性樹脂の割
れを防止することができる。
【0044】以上のように構成されたこの実施例の燃料
ポンプの作動及び作用効果を以下に説明する。ターミナ
ル23を介してバッテリ62から電気モータ部2へ電気
を供給すると、電気モータ部2においてアーマチュア2
2が回転する。アーマチュア22の回転はシャフト22
0を介してインペラ32に伝達され、インペラ32が回
転する。
【0045】インペラ32の回転により、燃料タンク6
1内の燃料は燃料吸入口41から流路33内に吸い込ま
れ、燃料は流路33内においてインペラ32の羽根部3
23により昇圧される。その後、燃料は燃料吐出口42
へ送られ、燃料吐出口42からインジェクタ66に圧送
される。
【0046】更に説明すると、ケーシング311,31
2内においてインペラ32を回転させると、流路33内
をインペラ32の外周部が高速で通過し、流路33内の
液体燃料が遠心力により2つの渦341、342を形成
しながら周方向に送られ、燃料の主として動圧が増大さ
れる。
【0047】この実施例では、流路33内を分割するの
はインペラ32の隔壁321だけであり、隔壁321の
外周面部3210より外周寄りの部位が羽根溝322c
によって軸方向に連通しているため、インペラ32の両
端面の間での燃料の移動が容易であり、インペラ32の
両面に燃料の偏りを生じることがない。その結果、イン
ペラ32を軸方向に付勢する圧力の発生が抑制され、イ
ンペラ32の回転摩擦抵抗,騒音などが低減される。
【0048】また、隔壁321の外周面部3210より
外周側に燃料を周方向に付勢可能な羽根板323の有効
端面が形成されるため、この有効端面により燃料を周方
向に付勢可能となり、より多くの燃料がインペラ32の
回転方向に送られる。更に、従来、隔壁の外周面部とケ
ーシングの内周面との間で生じていた逆流渦を減少させ
ることができ、燃料の昇圧性能が高められ、同一供給電
力の下での締切圧を高くできる。
【0049】さらに、上記実施例では、インペラ32の
形状のみを変更し、ケーシングなどの形状は、従来から
実用化されている燃料ポンプと同形のものを使用してい
る。このため、インペラの製造設備を更新するだけで従
来の燃料ポンプのポンプ性能を大幅に向上させることが
でき、その実用的価値はきわめて大きい。
【0050】次に、上記の実施例の寸法を決定するため
に実験された実験例と、その実験結果を説明し、上記の
実施例の寸法により良好なポンプ効率が得られることを
説明する。
【0051】この実験では、効率の算出にあたり、ポン
プ入力は、負荷トルクと回転数との積から求め、ポンプ
出力は吐出圧力と吐出流量との積から求めた。また、吐
出圧力はアドバンテスト社製デジタルマルチメータおよ
び豊田工機製半導体小型圧力センサを使用して測定し、
吐出流量は小野測器製デジタルフローメータを使用して
測定した。
【0052】まず、以下の表2に示すような複数のイン
ペラと流路形状との組み合わせを試作し、ポンプ効率を
測定した。そして、これらの実験例のポンプ効率を図8
に図示する。
【0053】
【表2】
【0054】上記の表2の各実験例において、実験例1
から実験例4のものは連通路を形成していない従来型の
インペラの寸法を示している。上記表2の各実験例のポ
ンプ効率を示す図8によると、実験例7によって最も高
い効率が得られていることがわかる。そして、その効率
は約35%であった。
【0055】また、実験例1は従来型のインペラを使っ
たポンプを示しているが、その効率は約30%であっ
た。このため、d1=d2を0.6から0.9の範囲の
どの値に設定しても、比L1/L2を約0.4とすれ
ば、従来型のポンプより高い効率が得られることがわか
る。 さらに、d1=d2をほぼ0.7から0.8の範
囲とすれば、比L1/L2を0以上から約0.6の広い
範囲内のどの値に設定しても、従来型のポンプより高い
効率が得られることがわかる。
【0056】なお、図8の各特性においては、比L1/
L2が大きくなると、ほぼ一様に効率が低下している。
これは、上記実験例が寸法L1を変化させているため、
比L1/L2が大きくなると隔壁の斜向凹面が短くなっ
て渦流341、342を良好に生成できなくなるためと
思われる。
【0057】また、図8の各特性においては、比L1/
L2が小さくなると、ほぼ一様に効率が低下している。
これは、隔壁321の径方向先端面が流路の外周に接近
するため、流れの空白部96(図22参照)が生じ、こ
の空白部96を通る逆流によりポンプ効率が低下するた
めと思われる。
【0058】また、軸方向間隙d1=d2を0.6ある
いは0.9とすると効率が大幅に低下した。これは、軸
方向間隙d1=d2を小さくすると吐出量が低下するこ
とと、渦流341、342を良好に生成できなくなるた
めと思われる。
【0059】また軸方向間隙d1=d2を大きくする
と、流路が広くなりすぎて、不必要な渦流を生じて効率
が低下するものと思われる。次に、以下の表3に示すよ
うな複数のインペラと流路形状との組み合わせを試作
し、ポンプ効率を測定した。そして、これらの実験例の
ポンプ効率を図9に図示する。
【0060】
【表3】
【0061】なお、この表3の各実施例では、インペラ
の厚さtの変更に合わせて、流路の軸方向全長を変化さ
せている。上記の表3の各実験例において、実験例21
から実験例23のものは連通路を形成していない従来型
のインペラの寸法を示している。
【0062】上記表3の各実験例のポンプ効率を示す図
9によると、実験例28によって最も高い効率が得られ
ていることがわかる。そして、その効率は約35%であ
った。
【0063】また、実験例22は従来型のインペラを使
ったポンプを示しているが、従来型のポンプの中では最
も高い効率を示しており、その効率は約30%であっ
た。このため、厚さtを2.0から3.0の範囲のどの
値に設定しても、比L1/L2を約0.4とすれば、従
来型のポンプと略同等の効率、またはより高い効率が得
られることがわかる。
【0064】さらに、厚さtををほぼ2.4から3.0
の範囲とすれば、比L1/L2をほぼ0.1から0.6
の広い範囲内のどの値に設定しても、従来型のポンプと
略同等の効率、またはより高い効率が得られることがわ
かる。
【0065】なお、図9の各特性においては、比L1/
L2が大きくなると、ほぼ一様に効率が低下している。
これは、上記実験例が寸法L1を変化させているため、
比L1/L2が大きくなると隔壁の斜向面(羽根溝の底
面)が短くなって渦流341、342を良好に生成でき
なくなるためと思われる。
【0066】また、インペラの厚さtを薄くすると効率
が大幅に低下した。これは、厚さtを薄くするとインペ
ラの羽根面積が少なくなることから、渦流341、34
2を良好に生成できなくなるためと思われる。また、上
記実験例ではインペラの厚さに応じて流路の軸方向全長
を変更しているため、流路が全体的に軸方向に短い形状
になるため、渦流341、342が良好に生成されない
ためとも思われる。
【0067】またインペラの厚さtを厚くすると効率が
少し低下した。これは、上記実験例ではインペラの厚さ
に応じて流路の軸方向全長を変更しているため、流路が
全体的に軸方向に長い形状になるため、渦流341、3
42が良好に生成されないためと思われる。
【0068】以上述べたように、表2、表3の実験例か
ら得られた図8、図9の実験結果から、比L1/L2を
ほぼ0.1から0.6の範囲で設定すれば、ほぼ従来型
のポンプと同等かそれ以上のポンプ効率が得られること
がわかった。
【0069】しかも、図8、図9の実験結果から、比L
1/L2を0.4に設定した表1の寸法が最も高い効率
となることがわかる。このような実験結果から、上記一
実施例では表1の寸法を採用した。
【0070】このように、上記の一実施例では、従来型
のインペラに比べて隔壁321を径方向内側に縮小させ
ているから、隔壁321の凹面に沿って形成される渦流
が従来型のポンプで形成されていた流路の空白部96
(図22参照)へも流れ込むことができ、この空白部9
6に生じていた逆流を抑制してポンプ効率を改善するこ
とができる。
【0071】次に、上記実施例においてインペラの直径
Dおよび隔壁の外周端面部の軸方向長さkを上記表1の
ごとく設定した理由を説明する。図10は、連通溝を持
たない従来のウエスコ型燃料ポンプにおいてインペラ3
2の直径Dを変更した場合のポンプ効率を示すグラフで
ある。
【0072】この図10は、下記表4のような各部寸法
を有し、インペラ直径Dのみを変化させた複数のポンプ
を試作し、ポンプ効率を測定して得られた。
【0073】
【表4】 この図10によると、従来型のポンプではあるが、イン
ペラ直径20から65の範囲においてほぼ満足できる2
0%以上の効率が得られることがわかる。また、上述の
一実施例のように連通溝を有し、インペラの形状が異な
るものにおいても、直径D以外の各部寸法が、上記表4
の寸法に近いものでは、インペラ直径20から65の範
囲においてほぼ満足できる効率が得られるであろうと推
測される。
【0074】なお、図10の特性では、インペラ直径D
を20以下にすると効率が大幅に低下し、インペラ直径
Dを65以上にすると効率が緩やかに低下する。このこ
とは、インペラ直径を小さくすると、流路長さが短くな
り、ポンプとして有効に機能する部分が少なくなるため
と思われる。また、インペラ直径を大きくすると、イン
ペラの反りによる摺動抵抗の増加などから効率が低下す
るものと思われる。図11は、従来の連通溝を持たない
ウエスコ型燃料ポンプにおいて隔壁321の外周面部
(径方向先端面)3210の軸方向長さkを変更した場
合のポンプ効率を示すグラフである。
【0075】この図11は、下記表5のような各部寸法
を有し、長さkのみを変化させた複数のポンプを試作
し、ポンプ効率を測定して得られた。
【0076】
【表5】 この図11によると、従来型のポンプではあるが、長さ
kが0.3から0.8の範囲においてほぼ満足できる2
0%以上の効率が得られることがわかる。また、図11
の特性から判断して、長さkが0.3以下の範囲におい
てもほぼ満足できる20%以上の効率が得られるであろ
うと推測される。ただし、インペラは樹脂材料により形
成され、図7に図示されるように成形型を用いて成形さ
れることから、長さkを0.2以下にすることは強度
上、および製造技術の面から困難である。
【0077】このことから、上述の一実施例のように連
通溝を有し、インペラの形状が異なるものにおいても、
長さk以外の各部寸法が、上記表5の寸法に近いもので
は、長さkが0.2から0.8の範囲においてほぼ満足
できる効率が得られるであろうと推測される。
【0078】なお、図11の特性では、長さkを0.8
以上にすると効率が緩やかに低下する。このことは、長
さkを大きくすると、流れの空白部96(図22参照)
が大きくなるためと推測される。
【0079】以上述べた実験結果から、一実施例と同様
に連通溝を有するポンプにおいては、比L1/L2がほ
ぼ0.1〜0.6の範囲で高い効率を得ることができる
と考えられる。しかも、軸方向間隙d1、d2がほぼ
0.7〜0.8の範囲において、比L1/L2をほぼ
0.1〜0.6の範囲とすれば高い効率を得ることがで
きると考えられる。また、インペラ厚さtがほぼ2.4
〜3.0の範囲において、比L1/L2をほぼ0.1〜
0.6の範囲とすれば高い効率を得ることができると考
えられる。さらに、上記のような効果は、インペラ直径
Dがほぼ20〜65の範囲で得られると推測され、隔壁
外周端面の軸方向長さkがほぼ0.2〜0.8の範囲で
得られると推測される。
【0080】次に、隔壁外周端面3210による特有の
効果を説明する。なお、以下の説明では、図12、図1
3、図14に図示される形状のインペラをそれぞれ試作
して得られた実験結果を説明する。なお、これらの試作
インペラは、いずれも円板の外周部に切削加工によって
羽根溝を形成している。
【0081】まず、図12は、本発明を適用した試作実
施例のインペラ32と流路の断面図である。各部寸法
は、下記表6のとおりである。
【0082】
【表6】 なお、この図12のインペラ32は、図2、表1で説明
したインペラ32と同一形状である。表1の厚さtは、
2.35を四捨五入して2.4としてある。
【0083】また、この図12には、羽根溝322の底
面3221、3222をその曲率半径に沿って延長した
場合に想定される仮想交差点をV1として図示してい
る。そして、この実施例では、仮想交差点V1は、連通
路322c上に位置しており、径方向連通路全長L1の
ほぼ中央に位置している。
【0084】図13は、第1比較例のインペラおよび流
路の形状を示す断面図である。この比較例は、表6に示
される寸法の下で、羽根溝の底面が、羽根先端より内側
で互いに交差するように曲率中心を移動させたものであ
る。従って、各部寸法は、下記表7のとおりである。な
お、交差点距離は羽根先端と隔壁先端との距離である。
【0085】
【表7】 図14は、第2比較例のインペラおよび流路の形状を示
す断面図である。
【0086】この比較例は、表6に示される寸法と同一
寸法の下で、羽根溝の底面が、羽根先端において互いに
交差するように曲率中心を移動させたものである。従っ
て、各部寸法は、下記表8のとおりである。
【0087】
【表8】 図15は、図12、図13、図14に図示される試作実
施例、第1比較例、および第2比較例のポンプ効率を示
すグラフである。図15において、四角でプロットされ
る実線は図12の実施例を示し、三角でプロットされる
破線は図13の第1比較例を示し、丸でプロットされる
一点鎖線は図14の第2比較例を示している。
【0088】この図15のグラフに図示されるように、
図12の形状のインペラが最も高い効率を示した。この
ような効率の差は、インペラの回転により発生する旋回
流の違いに起因すると考えられる。
【0089】まず、図12の場合、羽根溝に沿って発生
する旋回流は、羽根溝の底面3221、3222に沿っ
て流れたあと、連通路の略中央付近で合流して外側へと
流れる。ここで、この実施例では、インペラの隔壁先端
面3210に平面部を形成し、所定の厚さkが確保され
ている。このため、隔壁先端面3210の外側に底面3
221、3222に沿って来た流れが流入しない領域が
形成され、この領域に燃料が滞留する。そして、この隔
壁先端面3210の外側に位置する燃料が、底面322
1、3222に沿って流れてきた流れを滑らかに合流さ
せる作用を発揮し、図15に図示されるような高い効率
が実現されると思われる。
【0090】一方、図13の第1比較例の場合、底面1
31、132に沿って流れてきた流れは、尖った隔壁先
端133の直後で突然衝突し、そのあと外側へと流れ
る。ところが、図13のような形状では、底面131、
132に沿った流れが衝突するとき、双方の流れは大き
な軸方向成分をもっている。このため、双方の流れが弱
められ、ポンプ効率が図12の形状より低くなると思わ
れる。
【0091】このような流れの衝突を低減するために
は、図13に図示される角度αを小さくすればよいが、
インペラを樹脂材料によって成形する場合には、生産技
術、強度の面から実現困難である。
【0092】また、図14の第2比較例の場合、図13
に比べて流れの衝突は低減されるが、隔壁が長いため、
羽根溝内の容積が小さくなり、ポンプ効率が低下すると
考えられる。
【0093】このように、図12のインペラでは、2つ
の旋回流の衝突が隔壁先端に滞留する燃料によって防止
され、隔壁先端に滞留する燃料が仮想の隔壁のように機
能して2つの旋回流を滑らかに合流させると思われる。
このため、インペラの羽根溝から流路内に渡って強力な
旋回流が得られ、高いポンプ効率が得られているものと
推定される。 (第2実施例)図16に第2実施例の断面図を図示す
る。
【0094】この第2実施例では、上記実施例と同様
に、インペラの回転によって生成される旋回流に沿った
曲率をもって羽根溝の底面が形成されている。そして、
この旋回流に沿った曲率をもつ底面のインペラ最外周の
端部において、所定の厚さkが確保されている。そし
て、この第2実施例では、インペラ161の隔壁162
の先端に曲面部163を形成している。なお、この第2
実施例では、曲率半径Rをもって形成された底面16
4、165の最外周の端部164a、165aにおける
隔壁162の厚さkがほぼ0.3mmに設定されている。
言い換えれば、この第2実施例では、隔壁162の外形
をなす曲線の変曲点における隔壁162の厚さkがほぼ
0.3mmに設定されている。また、各部の寸法は第1実
施例と同様の寸法である。この実施例でも隔壁先端の曲
面部の外側に、底面164、165を通った旋回流が流
れ込まない領域が形成される。そして、この領域に滞留
する燃料が2つの旋回流を滑らかに合流させる。 (第3実施例)図17に第3実施例のインペラの斜視図
を示す。
【0095】この第3実施例では、羽根板323の後端
面上部が斜めに面取りされて斜面部3231aとなって
いる。渦341、342となってインペラ32の一つの
羽根溝322から流出した燃料は、流路内を旋回した
後、後続する他の羽根溝内に再び導入され、さらに旋回
力を与えられる。このとき、この第3実施例では、一つ
の羽根溝322から流出した渦341、342が、斜面
部3231aによって後続する羽根溝322に再び導入
されやすくなる。このため、インペラ32により生成さ
れる旋回流の損失が減り、ポンプ効率が高められる。 (第4実施例)図18に第4実施例のインペラの斜視図
を示す。
【0096】この第4実施例では図17のインペラ32
に加えて、更に羽根板323の前端面上部も斜めに面取
りし、斜面部3231bを形成した。したがって、上記
第4実施例と同様に損失を低減することができる。しか
も、この第4実施例では、インペラ32を考慮すること
なく組付けることができる。 (第5実施例)図19に第5実施例のインペラの斜視図
を示す。
【0097】この第5実施例では図18のインペラ32
において、前側の斜面部3231bの面取りを小さく
し、斜面部3231aの面取りを大きくし、両者を非対
称形状としたものである。この態様でも上記実施例と同
様に損失を低減することができる。 (第6実施例)図20に第6実施例のインペラの平面図
を示す。
【0098】この第6実施例では、インペラ32の隔壁
321と羽根板323との結合部を、隔壁321の外周
端部の両側においてはなめらかな曲線部3214、32
15をもって継いだ形状としたものである。この実施例
によると、隔壁321の外周面部3210に沿う円周方
向の流れは、羽根板323に接するところで、曲線部3
214、3215に沿って流れる。このため、流れが妨
げられることがなく、損失を低減することができる。ま
た、インペラ外周を研削する際に、羽根板323には大
きな応力が加わるが、この第6実施例のように隔壁32
1との結合部に曲線部を設けることで、羽根板323を
補強することができ、羽根板323の破損、変形を防止
することができる。
【0099】なお、以上に述べた各実施例を説明する図
面は、実施例のインペラの形状を誇張して図示してお
り、特にインペラの隔壁先端面については実際の寸法以
上に大きく図示してある。
【0100】また、燃料ポンプのインペラの回転数は通
常3000〜15000rpmとされており、以上に述
べた実施例によると、この回転数範囲で所望の性能が得
られえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施例のインペラの要部
斜視図である。
【図2】第1実施例のインペラの要部断面図である。
【図3】第1実施例のインペラの断面図である。
【図4】第1実施例のインペラの正面図である。
【図5】第1実施例の燃料ポンプの断面図である。
【図6】第1実施例の燃料ポンプを使用した燃料供給装
置の構成を示す模式図である。
【図7】第1実施例のインペラを成形する成形型の断面
図である。
【図8】本実施例品における寸法パラメータd1=d
2、L1を変えた場合におけるポンプ効率を示す特性図
である。
【図9】本実施例品における寸法パラメータtを変えた
場合におけるポンプ効率を示す特性図である。
【図10】従来品における寸法パラメータDを変えた場
合におけるポンプ効率を示す特性図である。
【図11】従来品における寸法パラメータkを変えた場
合におけるポンプ効率を示す特性図である。
【図12】本発明を適用した試作実施例のインペラの要
部断面図である。
【図13】第1比較例のインペラの要部断面図である。
【図14】第2比較例のインペラの要部断面図である。
【図15】図12、図13、図14のインペラを用いた
燃料ポンプの効率を示すグラフである。
【図16】本発明を適用した第2実施例のインペラの要
部断面図である。
【図17】本発明を適用した第3実施例のインペラの部
分斜視図である。
【図18】本発明を適用した第4実施例のインペラの部
分斜視図である。
【図19】本発明を適用した第5実施例のインペラの部
分斜視図である。
【図20】本発明を適用した第6実施例のインペラの部
分平面図である。
【図21】従来のインペラの要部斜視図である。
【図22】従来のインペラの要部断面図である。
【符号の説明】
311、312 ケーシング 32 インペラ 33 流路 321 隔壁 322a、322b 羽根溝 322c 羽根溝(連通溝) 323 羽根板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板の端面と外周面とに開口する複数の
    羽根溝を円板の両端面に形成する複数の羽根板と複数の
    隔壁とを有する樹脂製のインペラと、 前記インペラを回転可能に収容するとともに、前記イン
    ペラの外周に沿ってポンプ流路を形成し、前記ポンプ流
    路に連通する吸込口と吐出口とを有するケーシングと、 前記インペラを回転駆動するモータとを備えた燃料ポン
    プにおいて、 前記インペラは、 一方の端面と外周面とを連通する一方の羽根溝の側面
    と、他方の端面と外周面とを連通する他方の羽根溝の側
    面と、前記一方の羽根溝と前記他方の羽根溝とを外周側
    において軸方向に連通する連通溝の側面とを形成する羽
    根板と、 前記一方の羽根溝と前記他方の羽根溝との間に位置し、
    前記羽根板の外周端より内側において終端して前記連通
    溝を形成するとともに、前記一方の羽根溝の底面と前記
    他方の羽根溝の底面との間隔が内周側から外周側に向け
    て徐々に接近し、かつ最外周において所定値以上の間隔
    をもって終端するように両底面を形成する隔壁とを備え
    ることを特徴とする燃料ポンプ。
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