JP3892291B2 - 射出成形樹脂回転体及びその製造方法 - Google Patents

射出成形樹脂回転体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のインタンク式燃料ポンプとして使用される円周流ポンプの樹脂製インペラや精密機械等に広く使用される樹脂製ギヤ等の射出成形樹脂回転体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、自動車の電子制御式燃料噴射装置用燃料ポンプには、車両搭載性が良く、しかも低騒音で圧力変動が小さいインタンク式の円周流ポンプが使用されている。
【0003】
このような自動車用の円周流ポンプは、燃料タンク内に設置され、図12〜図13に示すように、インペラ35が駆動軸36を介して図外のモータによって回転させられると、インペラ35の外周に形成された羽根37で燃料にエネルギーを与え、これにより燃料流入口30からポンプ流路28内に流入した燃料を昇圧し、その圧力上昇した燃料を燃料流出口31等を介してエンジン側へ吐出するようになっている。
【0004】
このような円周流ポンプ38は、近年、全体重量の軽減化や部品コストの低廉化を図るため、樹脂で形成したインペラ35を使用するようになっている。この円周流ポンプ38のインペラ35は、アルミニウム製のポンプケーシング40とポンプカバー41との間の略円板状の空間42内に収容され、高速回転して燃料を昇圧するものであるため、燃料中での寸法変化が小さく、アルミニウム製のポンプケーシング40等との熱膨張差が少ないフェノール樹脂等で射出成形されている。
【0005】
図14〜図15は、このような円周流ポンプ用インペラ35と射出成形用のゲートとの関係を示す第1従来例である。これらの図に示すように、第1従来例は、インペラ35の回転中心部にDカット形状の軸穴45が貫通形成されており、射出成形用のピンポイントゲート46をインペラ35の回転中心部に配置できないため、ピンポイントゲート46をインペラ35の軸穴45と羽根37との間の側面43に配置するようになっており、しかも、そのピンポイントゲート46がインペラ35の側面47の周方向に等間隔で3箇所配置されている。すなわち、この第1従来例のインペラ35は、3箇所のピンポイントゲート46からキャビティ49内に溶融樹脂が射出されることにより形成されている。
【0006】
図16〜図17は、このような円周流ポンプ用インペラ35と射出成形用のゲートとの関係を示す第2従来例である。これらの図に示すように、第2従来例は、インペラ35のDカット形状の軸穴45と羽根37との間の側面43,44に軸穴45と略同心状に開口するリング状ゲート48を配置してあり、このリング状ゲート48からキャビティ49内に溶融樹脂が射出されるようになっている。すなわち、この第2従来例のインペラ35は、軸穴45と羽根37との間のリング状ゲート48からキャビティ49内に溶融樹脂が射出されることにより形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、第1従来例は、図14に示すように、隣り合うピンポイントゲート46,46からの溶融樹脂が合流する部分にヘアライン状の細い線(ウェルドライン)50が生じ、平面度が悪くなると共に、外径寸法精度も悪くなるという不具合を生じやすい。また、インペラ35にウェルドライン50が発生すると、インペラ35の強度低下を招くことがある。
【0008】
また、第2従来例は、図17に示すように、リング状ゲート48から放射状に溶融樹脂が射出されるため、第1従来例に比較して、溶融樹脂の流れが均一化し、ウエルドラインが生じにくいが、リング状ゲート48に繋がるランナ48aが略円筒状になり、製品(インペラ35)を形作ることに使用されない(無駄になる)樹脂量が多くなって、材料費が嵩むという問題を有している。しかも、この第2の従来例は、インペラ35の軸穴45がDカット形状の軸穴であるため、リング状ゲート48から射出された樹脂が軸穴45周縁まで到達する時間が部分的に異なり(軸穴45の円弧状部分51の方が、軸穴45の直線状部分52よりも早く樹脂が到達することになり)、軸穴45の円弧状部分51側から軸穴45の直線状部分52側へ回り込む樹脂の流れが生じ、射出成形品としてのインペラ35の側面43,44にうねりが生じやすくなり、インペラ7の側面43,44の面精度を低下させる。
【0009】
ここで、円周流ポンプ用インペラ35は、ポンプ効率及び吐出圧を所望の状態に維持するために、インペラ35の両側面43,44側の隙間t1,t2を所定寸法以内にし、漏れ流量を少なくする必要がある。そのため、インペラ35の両側面43,44にウェルドライン50が生じるのを効果的に防止し、インペラ35の両側面43,44の面精度を高精度に成形する必要がある。尚、インペラ35の両側面43,44の面精度を高精度に仕上げるためには、インペラ35の両側面43,44を研削加工すればよいが、インペラ35に二次的加工(研削加工)を施せば、インペラ35の製造工数が嵩み、インペラ35の製品製造コストの高騰を招く。
【0010】
そこで、本発明は、無駄な材料が出にくく、しかも側面の平面度及び外径寸法精度を高精度に成形することが可能になる射出成形樹脂回転体及びその製造方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の凹部が形成された軸穴を前記凹部に係合する複数の凸部が形成された駆動軸に嵌合させて、前記駆動軸と一体に回動させられる略円板状の射出成形樹脂回転体の製造方法に関するものである。そして、前記射出成形樹脂回転体が、円板状部材の回転中心部に前記軸穴を備え、前記円板状部材の両側面であって且つ前記軸穴の外周側に円板状の凹所を備えている。この射出成形樹脂回転体の製造方法は、キャビティの前記軸穴の周縁であって且つ前記凹所に対応する部分に開口するリング状のゲート部と、このリング状のゲート部を介して前記キャビティに開口するようになっている樹脂溜まり部と、この樹脂溜まり部の中央部の1箇所に開口して前記リング状のゲート部の溶融樹脂に均等に射出圧力を作用させるようになっているピンポイントゲートと、を備えた射出成形金型を使用する。そして、溶融樹脂を前記ピンポイントゲートから前記樹脂溜まり部に注入した後、この樹脂溜まり部に注入した溶融樹脂を前記リング状のゲート部を介して前記軸穴の周縁であって且つ前記凹所に対応する部分からキャビティ内に注入し、溶融樹脂をキャビティの内周側から外周側に向けて放射状にほぼ均等に流動させるようになっている。
【0012】
また、請求項2の発明は、複数の凹部が形成された軸穴を前記凹部に係合する複数の凸部が形成された駆動軸に嵌合させて、前記駆動軸と一体に回動させられる略円板状の射出成形樹脂回転体である。この射出成形樹脂回転体は、円板状部材の回転中心部に前記軸穴を備え、前記円板状部材の両側面であって且つ前記軸穴の外周側に円板状の凹所を備えている。そして、この射出成形樹脂回転体は、キャビティの前記軸穴の周縁であって前記凹所に対応する部分に開口するリング状のゲート部と、このリング状のゲート部を介して前記キャビティに開口するようになっている樹脂溜まり部と、この樹脂溜まり部の中央部の1箇所に開口して前記リング状のゲート部の溶融樹脂に均等に射出圧力を作用させるようになっているピンポイントゲートと、を備えた射出成形金型を使用し、溶融樹脂を前記ピンポイントゲートから前記樹脂溜まり部に注入した後、この樹脂溜まり部に注入した溶融樹脂を前記リング状のゲート部を介して前記軸穴の周縁であって且つ前記凹所に対応する部分からキャビティ内に注入し、溶融樹脂をキャビティの内周側から外周側に向けて放射状にほぼ均等に流動させて成形し、前記キャビティに注入した溶融樹脂が固化した後、前記リング状のゲート部で前記樹脂溜まり部から切り離されるようになっている。そして、この発明の射出成形樹脂回転体は、前記樹脂溜まり部との切り離し位置が前記軸穴の周縁であって且つ前記凹所に対応する部分であることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。
【0014】
[第1の実施の形態]
図1〜図2は、本発明の第1の実施の形態に係る円周流ポンプ1を示す図である。このうち図1は、円周流ポンプ1の一部を切断して示す正面図である。又、図2は、図1の一部を拡大して示す断面図である。
【0015】
(円周流ポンプの概略構成)
これらの図に示すように、本実施の形態の円周流ポンプ1は、ポンプ部2とモータ部3とからなっている。このうち、ポンプ部2は、モータ部3の下端部に配置されるポンプケーシング4と、このポンプケーシング4の下面側に組み付けられるポンプカバー5と、これらポンプケーシング4とポンプカバー5との間に形成された略円板状の空間6内に回動できるように収容される略円板状のインペラ7と、を備えている。
【0016】
(インペラ)
インペラ7は、燃料タンク(図示せず)内に設置され、燃料にエネルギーを与えるものであるため、耐溶剤性に優れた樹脂材料を使用する必要がある。そこで、本実施の形態のインペラ7は、フェノール樹脂,PPS樹脂、又はガラス繊維で強化されたフェノール樹脂やPPS樹脂が使用され、射出成形で所望の形状に形成されている。
【0017】
このインペラ7は、図5〜図8に詳細を示すように、円板状部材8の外周端部の両側面10,11にそれぞれ複数の羽根溝12が形成されており、その隣り合う羽根溝12,12間に羽根13が形成されている。また、円板状部材8の回転中心部には軸穴14が形成されている。そして、この軸穴14は、駆動軸15にセレーション嵌合するセレーション穴である(図1,図2参照)。すなわち、駆動軸15は、外周に多数の略三角形状の凸部19が形成されたセレーション軸である(図11(a)参照)。一方、軸穴14は、駆動軸15の凸部19に係合する略三角形状の凹部27が多数形成されたセレーション穴である。このように形成されたインペラ7は、軸穴14が駆動軸15にセレーション嵌合させられ、モータ3aによって駆動軸15と一体に回動させられる。
【0018】
また、インペラ7は、所望のポンプ性能を得ることができるようにするため、その一方の側面10とポンプケーシング4との間の隙間t1及びその他方の側面11とポンプカバー5との間の隙間t2が所定寸法範囲内になるように、両側面10,11を高精度の面精度に加工する必要がある。従って、インペラ7を高精度に射出成形する必要があり、その射出成形方法(製造方法)をどのようにするかがポンプ性能上において重要になる。ここで、隙間t1,t2を所定寸法範囲内にすることは、インペラ7の両側面10,11における半径方向内方への燃料の漏れを防止するために重要である。尚、本実施の形態のインペラ7は、側面10,11の面精度をより一層高精度にするため、軸穴14の外周側の両側面に円板状の凹所16,16が形成されている。
【0019】
(インペラの射出成形方法)
そこで、次に、このようなインペラ7の射出成形方法を図9〜図11に基づき説明する。すなわち、本実施の形態のインペラ7を形成する射出成形金型17は、上型18と下型20との合わせ部にキャビティ21が形成されており、このキャビティ21の上面22近傍まで突出する軸型23が下型20側に配置されている。このうち、軸型23は、インペラ7の軸穴14を形成するためのものであり、駆動軸15とほぼ同様の形状をしており、外周にセレーションが形成されている。
【0020】
上型18の軸型23に対向する部分には、軸型23の外周よりも僅かに大きい外周寸法の樹脂溜まり部24が形成されており、この樹脂溜まり部24の外周と軸型23の外周との間でリング状のゲート部25が形成されるようになっている(図11(a),図11(b)参照)。尚、図11(a)は軸型23の断面形状であり、図11(b)は軸型23と樹脂溜まり部24の関係を示す図である。
【0021】
樹脂溜まり部24は、略円柱状の空間が形成されるようになっており、その中央部にピンポイントゲート26が開口している。そして、図示しないランナ及びピンポイントゲート26を介して樹脂溜まり部24に溶融樹脂が注入され、樹脂溜まり部24に注入された溶融樹脂がリング状のゲート部25からキャビティ21内に放射状に注入され、インペラ7が射出成形されることになる。
【0022】
キャビティ21内への溶融樹脂の射出が終了し、キャビティ21内の樹脂が固化すると、上型18を開き、樹脂溜まり部24と製品(インペラ7)とをリング状のゲート部25で切り離し、その後、図外の突き出しピンで製品をキャビティ21から突き出して、キャビティ21から製品を取り出す。
【0023】
このような射出成形方法によれば、先ず、ピンポイントゲート26から樹脂溜まり部24に溶融樹脂が注入され、次いで、樹脂溜まり部24の溶融樹脂がインペラ7の内周端である軸穴14周縁からリング状にキャビティ21内に注入されるため、溶融樹脂がキャビティ21の内周側から外周側に向けて放射状にほぼ均等に流動する。この際、軸穴14がセレーション穴であり、軸穴14の凹部27が微細な略三角形状の凹部であるため、インペラ7の軸穴14からインペラ7の外周までの寸法のばらつきは、本実施の形態のインペラ7の方が従来のDカット形状の軸穴45を有するインペラ35よりも小さい。したがって、本実施の形態のインペラ7は、射出成形時の樹脂の流れの乱れが小さく、シール面となる側面10,11にうねりが生じにくいため、側面10,11の面精度が向上する。
【0024】
また、このような射出成形方法によれば、ピンポイントゲート26に作用する射出圧力が樹脂溜まり部24の溶融樹脂を介してリング状のゲート部25にも均等に作用することになり、キャビティ21内への溶融樹脂の射出が円滑且つ均等に行われ、キャビティ21内での溶融樹脂の流れを均質化することができ、高精度の外形形状のインペラ7を製造することができる。
【0025】
尚、上述の実施の形態は、樹脂溜まり部24の外形形状が図11(b)に示すように略円形形状であるが、本発明は、これに限られず、図11(c)に示すように、軸型23の外形形状と相似形状の外形形状にしてもよい。
【0026】
(ポンプケーシング,ポンプカバー)
図3は、ポンプケーシング4とポンプカバー5の組み合わせ状態を示す図である。又、図4は、ポンプ流路28,燃料流入口30,燃料流出口31及びインペラ7の関係を示す模式図である。これらの図に示すように、ポンプケーシング4とポンプカバー5の合わせ面には、インペラ7を回動可能に収容する略円板状の空間6が形成されている。そして、この円板状の空間6の外周側に形成されたポンプ流路28には、ポンプカバー5の燃料流入口30が連通すると共にポンプケーシング4の燃料流出口31が連通するようになっている。ここで、ポンプケーシング4とポンプカバー5は、例えば、樹脂材料やアルミニウムで形成される。
【0027】
(円周流ポンプの作動状態)
このような構成の本実施の形態によれば、図1及び図4に示すように、インペラ7がモータ部3のモータ3aによって回転駆動されると、燃料タンク内(図示せず)の燃料が燃料流入口30からポンプ流路28内に流入する。そして、燃料流入口30からポンプ流路28内に流入した燃料が、回転するインペラ7からエネルギーを受け、略環状のポンプ流路28に沿って燃料流出口31まで移動する間にインペラ7によって昇圧させられる。そして、十分に昇圧された燃料は、燃料流出口31からモータ部3の図示しない流路を通過して、燃料吐出口32から図外のエンジンに供給される。
【0028】
尚、図4に示すように、燃料流入口30と燃料流出口31との間に隔壁部33が形成されている。そして、この隔壁部33の周面33aとインペラ7の外周面34の隙間t3は、ポンプ流路28の周面28aとインペラ7の外周面24との隙間t4よりも小さく設定されている。又、隔壁部33の両側面33b,33cとインペラ7の両側面10,11との隙間は、インペラ7の両側面10,11側の隙間寸法(t1,t2)と等しい寸法に設定されている。即ち、インペラ7の外周面34側の隙間が隔壁部33で急激に絞られることになり、昇圧した燃料が燃料流出口31側から燃料流入口30側に漏出するのが阻止されるようになっている。又、ポンプ流路28内の燃料が半径方向内方へ漏出するのは、インペラ7の両側面10,11で阻止されるようになっている。
【0029】
(実施の形態の作用・効果)
以上のように本実施の形態のインペラ7は、ピンポイントゲート26から樹脂溜まり部24に注入された溶融樹脂がリング状のゲート部25からキャビティ21内に注入され、そのキャビティ21内に注入された溶融樹脂がインペラ7の軸穴14の周縁に対応する部分(内周端部側)から外周側に向かって放射状にほぼ均等に流動することにより成形されるものである。また、本実施の形態のインペラ7は、軸穴14の形状がセレーション穴であって、Dカット形状の軸穴45を有する従来のインペラ35よりも軸穴14から外周面34までの寸法のばらつきが小さく、キャビティ21内の溶融樹脂の流れに乱れを生じにくい状態で成形されるものである。しかも、本実施の形態のインペラ7は、ピンポイントゲート26に作用する射出成形圧力が樹脂溜まり部24を介してリング状ゲート部25に作用するため、均等な射出成形圧力で射出成形されるものである。従って、本実施の形態のインペラ7は、側面10,11にうねりやウェルドラインが発生するのを効果的に抑えることができ、従来のインペラ35に比較して、側面10,11の面精度や外径精度が向上する。
【0030】
また、本実施の形態によれば、キャビティ21の中心部にピンポイントゲート26及びこれに繋がる樹脂溜まり部24を1箇所のみ配置すればよく、リング状ゲート48を軸穴45と羽根37との間の側面43に配置する従来例に比較して、製品として使用されない材料を減らすことができ、材料消費量を低減できるため、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0031】
尚、本発明は、上述の実施の形態において例示した円周流ポンプ1の樹脂製インペラ7及びその製造方法に限定されるものではなく、精密機械等に使用される樹脂製ギヤやプーリのような射出成形樹脂回転体及びその製造方法に広く適用することができ、高精度で安価な射出成形樹脂回転体を提供できる。
【0032】
また、本発明は、上述の実施の形態において例示した、駆動軸15と軸穴14をセレーション嵌合させる構成に限られず、駆動軸15と軸穴14をスプライン嵌合する構成にしてもよい。このように、軸穴14をセレーション穴やスプライン穴にすることにより、軸穴14の複数の凹部(セレーション溝やスプライン溝)27で回転伝達力を分散して受けることができるため、凹部27を小さくして、軸穴14からインペラ7の外周面34までの寸法のばらつきを小さくすることができる。
【0033】
また、本発明は、上述の実施の形態において例示した、略円柱状の樹脂溜まり部24に限られず、リング状のゲート部25に均等に射出圧力を作用させることができる形状の樹脂溜まり部24であればよく、例えば、略円錐状や略半球状の樹脂溜まり部24でもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明の射出成形樹脂回転体は、ピンポイントゲートから樹脂溜まり部に注入された溶融樹脂が樹脂溜まり部のリング状のゲート部からキャビティの内周端側に注入され、その注入された溶融樹脂がキャビティ内の内周端側から外周端側に向けて放射状に流動することにより形成されるものであり、ピンポイントゲートの射出圧力が樹脂溜まり部を介してリング状のゲート部に均等に作用すると共に、従来例よりも軸穴から外周面までの寸法のばらつきが小さくなっているため、側面のうねりやウェルドラインの発生を効果的に抑えることができ、側面の面精度や外径精度が向上する。
【0035】
また、本発明は、ピンポイントゲートから射出される溶融樹脂を樹脂溜まり部を介してキャビティの内周端部(射出成形樹脂回転体の軸穴の周縁に対向する部分)に注入するため、リング状ゲートを軸穴と羽根との間の側面に配置する従来例に比較して、製品として使用されない材料を減らすことができ、材料消費量の低減化、ひいては製造コストの低廉化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る円周流ポンプの一部を破断して示す正面図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す図である。
【図3】ポンプケーシングとポンプカバーの組み合わせ状態を示す断面図である。
【図4】図4(a)は円周流ポンプの作動状態を説明するための模式的平面図であり、図4(b)は図4(a)のA−A線に沿って切断して示す断面図である。
【図5】インペラを一方の側面側(図6のC方向)から見た図である。
【図6】図5のB−B線に沿って切断して示す断面図である。
【図7】図6のD方向から見た図である。
【図8】インペラの羽根溝形状を示す斜視図であり、インペラの外周側の部分的斜視図である。
【図9】インペラの射出成形方法を説明するために模式的に表した射出成形金型の断面図である。
【図10】射出成形後であって、樹脂溜まり部を切り離す前の製品(インペラ)の外観形状を模式的に示す斜視図である。
【図11】図11(a)が軸型(駆動軸)の断面図であり、図11(b)が軸型と樹脂溜まり部との関係を示す第1の図であり、図11(c)が軸型と樹脂溜まり部との関係を示す第2の図である。
【図12】従来の円周流ポンプの一部を拡大して示す図である。
【図13】従来のインペラの側面図である。
【図14】第1従来例に係るインペラとピンポイントゲートとの関係を示す側面図である。
【図15】第1従来例に係るインペラとピンポイントゲートとの関係を示す斜視図である。
【図16】第2従来例に係るインペラとリング状ゲートとの関係を示す側面図である。
【図17】第2従来例に係るインペラとリング状ゲートとの関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
7……インペラ(射出成形樹脂回転体)、14……軸穴、15……駆動軸、19……凸部、21……キャビティ、24……樹脂溜まり部、26……ピンポイントゲート、27……凹部

Claims (2)

  1. 複数の凹部が形成された軸穴を前記凹部に係合する複数の凸部が形成された駆動軸に嵌合させて、前記駆動軸と一体に回動させられる略円板状の射出成形樹脂回転体の製造方法であって、
    前記射出成形樹脂回転体が、円板状部材の回転中心部に前記軸穴を備え、前記円板状部材の両側面であって且つ前記軸穴の外周側に円板状の凹所を備えており、
    キャビティの前記軸穴の周縁であって且つ前記凹所に対応する部分に開口するリング状のゲート部と、このリング状のゲート部を介して前記キャビティに開口するようになっている樹脂溜まり部と、この樹脂溜まり部の中央部の1箇所に開口して前記リング状のゲート部の溶融樹脂に均等に射出圧力を作用させるようになっているピンポイントゲートと、を備えた射出成形金型を使用し、
    溶融樹脂を前記ピンポイントゲートから前記樹脂溜まり部に注入した後、この樹脂溜まり部に注入した溶融樹脂を前記リング状のゲート部を介して前記軸穴の周縁であって且つ前記凹所に対応する部分からキャビティ内に注入し、溶融樹脂をキャビティの内周側から外周側に向けて放射状にほぼ均等に流動させる、
    ことを特徴とする射出成形樹脂回転体の製造方法。
  2. 複数の凹部が形成された軸穴を前記凹部に係合する複数の凸部が形成された駆動軸に嵌合させて、前記駆動軸と一体に回動させられる略円板状の射出成形樹脂回転体であって、
    円板状部材の回転中心部に前記軸穴を備え、前記円板状部材の両側面であって且つ前記軸穴の外周側に円板状の凹所を備えており、
    キャビティの前記軸穴の周縁であって且つ前記凹所に対応する部分に開口するリング状のゲート部と、このリング状のゲート部を介して前記キャビティに開口するようになっている樹脂溜まり部と、この樹脂溜まり部の中央部の1箇所に開口して前記リング状のゲート部の溶融樹脂に均等に射出圧力を作用させるようになっているピンポイントゲートと、を備えた射出成形金型を使用し、
    溶融樹脂を前記ピンポイントゲートから前記樹脂溜まり部に注入した後、この樹脂溜まり部に注入した溶融樹脂を前記リング状のゲート部を介して前記軸穴の周縁であって且つ前記凹所に対応する部分からキャビティ内に注入し、溶融樹脂をキャビティの内周側から外周側に向けて放射状にほぼ均等に流動させて成形し、
    前記キャビティに注入した溶融樹脂が固化した後、前記リング状のゲート部で前記樹脂溜まり部から切り離されるようになっており、
    前記樹脂溜まり部との切り離し位置が前記軸穴の周縁であって且つ前記凹所に対応する部分である、
    ことを特徴とする射出成形樹脂回転体。
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