JP2003181884A - 射出成形樹脂回転体及びその製造方法 - Google Patents

射出成形樹脂回転体及びその製造方法

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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無駄な材料が出にくく、しかも側面の平面度
及び外径寸法精度を高精度に成形することが可能になる
射出成形樹脂回転体の製造方法を提供する。 【解決手段】 複数の凹部が形成された軸穴をこの凹部
に係合する複数の凸部が形成された駆動軸に嵌合させ
て、駆動軸と一体に回動させられるインペラ等の射出成
形樹脂回転体の製造方法である。そして、キャビティ2
1の軸穴(軸型23)の周縁に対応する部分にリング状
に開口する樹脂溜まり部24の中央部にはピンポイント
ゲート26が接続され、溶融樹脂がピンポイントゲート
26から樹脂溜まり部24に注入された後、この樹脂溜
まり部24からキャビティ21内に溶融樹脂が注入され
るようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のインタン
ク式燃料ポンプとして使用される円周流ポンプの樹脂製
インペラや精密機械等に広く使用される樹脂製ギヤ等の
射出成形樹脂回転体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば、自動車の電子制御式
燃料噴射装置用燃料ポンプには、車両搭載性が良く、し
かも低騒音で圧力変動が小さいインタンク式の円周流ポ
ンプが使用されている。
【0003】このような自動車用の円周流ポンプは、燃
料タンク内に設置され、図12〜図13に示すように、
インペラ35が駆動軸36を介して図外のモータによっ
て回転させられると、インペラ35の外周に形成された
羽根37で燃料にエネルギーを与え、これにより燃料流
入口30からポンプ流路28内に流入した燃料を昇圧
し、その圧力上昇した燃料を燃料流出口31等を介して
エンジン側へ吐出するようになっている。
【0004】このような円周流ポンプ38は、近年、全
体重量の軽減化や部品コストの低廉化を図るため、樹脂
で形成したインペラ35を使用するようになっている。
この円周流ポンプ38のインペラ35は、アルミニウム
製のポンプケーシング40とポンプカバー41との間の
略円板状の空間42内に収容され、高速回転して燃料を
昇圧するものであるため、燃料中での寸法変化が小さ
く、アルミニウム製のポンプケーシング40等との熱膨
張差が少ないフェノール樹脂等で射出成形されている。
【0005】図14〜図15は、このような円周流ポン
プ用インペラ35と射出成形用のゲートとの関係を示す
第1従来例である。これらの図に示すように、第1従来
例は、インペラ35の回転中心部にDカット形状の軸穴
45が貫通形成されており、射出成形用のピンポイント
ゲート46をインペラ35の回転中心部に配置できない
ため、ピンポイントゲート46をインペラ35の軸穴4
5と羽根37との間の側面43に配置するようになって
おり、しかも、そのピンポイントゲート46がインペラ
35の側面47の周方向に等間隔で3箇所配置されてい
る。すなわち、この第1従来例のインペラ35は、3箇
所のピンポイントゲート46からキャビティ49内に溶
融樹脂が射出されることにより形成されている。
【0006】図16〜図17は、このような円周流ポン
プ用インペラ35と射出成形用のゲートとの関係を示す
第2従来例である。これらの図に示すように、第2従来
例は、インペラ35のDカット形状の軸穴45と羽根3
7との間の側面43,44に軸穴45と略同心状に開口
するリング状ゲート48を配置してあり、このリング状
ゲート48からキャビティ49内に溶融樹脂が射出され
るようになっている。すなわち、この第2従来例のイン
ペラ35は、軸穴45と羽根37との間のリング状ゲー
ト48からキャビティ49内に溶融樹脂が射出されるこ
とにより形成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1従
来例は、図14に示すように、隣り合うピンポイントゲ
ート46,46からの溶融樹脂が合流する部分にヘアラ
イン状の細い線(ウェルドライン)50が生じ、平面度
が悪くなると共に、外径寸法精度も悪くなるという不具
合を生じやすい。また、インペラ35にウェルドライン
50が発生すると、インペラ35の強度低下を招くこと
がある。
【0008】また、第2従来例は、図17に示すよう
に、リング状ゲート48から放射状に溶融樹脂が射出さ
れるため、第1従来例に比較して、溶融樹脂の流れが均
一化し、ウエルドラインが生じにくいが、リング状ゲー
ト48に繋がるランナ48aが略円筒状になり、製品
(インペラ35)を形作ることに使用されない(無駄に
なる)樹脂量が多くなって、材料費が嵩むという問題を
有している。しかも、この第2の従来例は、インペラ3
5の軸穴45がDカット形状の軸穴であるため、リング
状ゲート48から射出された樹脂が軸穴45周縁まで到
達する時間が部分的に異なり(軸穴45の円弧状部分5
1の方が、軸穴45の直線状部分52よりも早く樹脂が
到達することになり)、軸穴45の円弧状部分51側か
ら軸穴45の直線状部分52側へ回り込む樹脂の流れが
生じ、射出成形品としてのインペラ35の側面43,4
4にうねりが生じやすくなり、インペラ7の側面43,
44の面精度を低下させる。
【0009】ここで、円周流ポンプ用インペラ35は、
ポンプ効率及び吐出圧を所望の状態に維持するために、
インペラ35の両側面43,44側の隙間t1,t2を
所定寸法以内にし、漏れ流量を少なくする必要がある。
そのため、インペラ35の両側面43,44にウェルド
ライン50が生じるのを効果的に防止し、インペラ35
の両側面43,44の面精度を高精度に成形する必要が
ある。尚、インペラ35の両側面43,44の面精度を
高精度に仕上げるためには、インペラ35の両側面4
3,44を研削加工すればよいが、インペラ35に二次
的加工(研削加工)を施せば、インペラ35の製造工数
が嵩み、インペラ35の製品製造コストの高騰を招く。
【0010】そこで、本発明は、無駄な材料が出にく
く、しかも側面の平面度及び外径寸法精度を高精度に成
形することが可能になる射出成形樹脂回転体及びその製
造方法を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、複数
の凹部が形成された軸穴を前記凹部に係合する複数の凸
部が形成された駆動軸に嵌合させて、前記駆動軸と一体
に回動させられる射出成形樹脂回転体の製造方法に関す
るものであって、キャビティの前記軸穴の周縁に対応す
る部分にリング状に開口する樹脂溜まり部の中央部には
ピンポイントゲートが接続されている。そして、溶融樹
脂が前記ピンポイントゲートから前記樹脂溜まり部に注
入された後、この樹脂溜まり部からキャビティ内に溶融
樹脂が注入されるようになっている。
【0012】また、請求項2の発明は、複数の凹部が形
成された軸穴を前記凹部に係合する複数の凸部が形成さ
れた駆動軸に嵌合させて、前記駆動軸と一体に回動させ
られる射出成形樹脂回転体である。この射出成形樹脂回
転体は、キャビティの前記軸穴の周縁に対応する部分に
リング状に開口する樹脂溜まり部の中央部にはピンポイ
ントゲートが接続され、溶融樹脂が前記ピンポイントゲ
ートから前記樹脂溜まり部に注入され、この樹脂溜まり
部からキャビティ内に注入された溶融樹脂が固化した
後、前記樹脂溜まり部から切り離されてなることを特徴
としている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳述する。
【0014】[第1の実施の形態]図1〜図2は、本発
明の第1の実施の形態に係る円周流ポンプ1を示す図で
ある。このうち図1は、円周流ポンプ1の一部を切断し
て示す正面図である。又、図2は、図1の一部を拡大し
て示す断面図である。
【0015】(円周流ポンプの概略構成)これらの図に
示すように、本実施の形態の円周流ポンプ1は、ポンプ
部2とモータ部3とからなっている。このうち、ポンプ
部2は、モータ部3の下端部に配置されるポンプケーシ
ング4と、このポンプケーシング4の下面側に組み付け
られるポンプカバー5と、これらポンプケーシング4と
ポンプカバー5との間に形成された略円板状の空間6内
に回動できるように収容される略円板状のインペラ7
と、を備えている。
【0016】(インペラ)インペラ7は、燃料タンク
(図示せず)内に設置され、燃料にエネルギーを与える
ものであるため、耐溶剤性に優れた樹脂材料を使用する
必要がある。そこで、本実施の形態のインペラ7は、フ
ェノール樹脂,PPS樹脂、又はガラス繊維で強化され
たフェノール樹脂やPPS樹脂が使用され、射出成形で
所望の形状に形成されている。
【0017】このインペラ7は、図5〜図8に詳細を示
すように、円板状部材8の外周端部の両側面10,11
にそれぞれ複数の羽根溝12が形成されており、その隣
り合う羽根溝12,12間に羽根13が形成されてい
る。また、円板状部材8の回転中心部には軸穴14が形
成されている。そして、この軸穴14は、駆動軸15に
セレーション嵌合するセレーション穴である(図1,図
2参照)。すなわち、駆動軸15は、外周に多数の略三
角形状の凸部19が形成されたセレーション軸である
(図11(a)参照)。一方、軸穴14は、駆動軸15
の凸部19に係合する略三角形状の凹部27が多数形成
されたセレーション穴である。このように形成されたイ
ンペラ7は、軸穴14が駆動軸15にセレーション嵌合
させられ、モータ3aによって駆動軸15と一体に回動
させられる。
【0018】また、インペラ7は、所望のポンプ性能を
得ることができるようにするため、その一方の側面10
とポンプケーシング4との間の隙間t1及びその他方の
側面11とポンプカバー5との間の隙間t2が所定寸法
範囲内になるように、両側面10,11を高精度の面精
度に加工する必要がある。従って、インペラ7を高精度
に射出成形する必要があり、その射出成形方法(製造方
法)をどのようにするかがポンプ性能上において重要に
なる。ここで、隙間t1,t2を所定寸法範囲内にする
ことは、インペラ7の両側面10,11における半径方
向内方への燃料の漏れを防止するために重要である。
尚、本実施の形態のインペラ7は、側面10,11の面
精度をより一層高精度にするため、軸穴14の外周側の
両側面に円板状の凹所16,16が形成されている。
【0019】(インペラの射出成形方法)そこで、次
に、このようなインペラ7の射出成形方法を図9〜図1
1に基づき説明する。すなわち、本実施の形態のインペ
ラ7を形成する射出成形金型17は、上型18と下型2
0との合わせ部にキャビティ21が形成されており、こ
のキャビティ21の上面22近傍まで突出する軸型23
が下型20側に配置されている。このうち、軸型23
は、インペラ7の軸穴14を形成するためのものであ
り、駆動軸15とほぼ同様の形状をしており、外周にセ
レーションが形成されている。
【0020】上型18の軸型23に対向する部分には、
軸型23の外周よりも僅かに大きい外周寸法の樹脂溜ま
り部24が形成されており、この樹脂溜まり部24の外
周と軸型23の外周との間でリング状のゲート部25が
形成されるようになっている(図11(a),図11
(b)参照)。尚、図11(a)は軸型23の断面形状
であり、図11(b)は軸型23と樹脂溜まり部24の
関係を示す図である。
【0021】樹脂溜まり部24は、略円柱状の空間が形
成されるようになっており、その中央部にピンポイント
ゲート26が開口している。そして、図示しないランナ
及びピンポイントゲート26を介して樹脂溜まり部24
に溶融樹脂が注入され、樹脂溜まり部24に注入された
溶融樹脂がリング状のゲート部25からキャビティ21
内に放射状に注入され、インペラ7が射出成形されるこ
とになる。
【0022】キャビティ21内への溶融樹脂の射出が終
了し、キャビティ21内の樹脂が固化すると、上型18
を開き、樹脂溜まり部24と製品(インペラ7)とをリ
ング状のゲート部25で切り離し、その後、図外の突き
出しピンで製品をキャビティ21から突き出して、キャ
ビティ21から製品を取り出す。
【0023】このような射出成形方法によれば、先ず、
ピンポイントゲート26から樹脂溜まり部24に溶融樹
脂が注入され、次いで、樹脂溜まり部24の溶融樹脂が
インペラ7の内周端である軸穴14周縁からリング状に
キャビティ21内に注入されるため、溶融樹脂がキャビ
ティ21の内周側から外周側に向けて放射状にほぼ均等
に流動する。この際、軸穴14がセレーション穴であ
り、軸穴14の凹部27が微細な略三角形状の凹部であ
るため、インペラ7の軸穴14からインペラ7の外周ま
での寸法のばらつきは、本実施の形態のインペラ7の方
が従来のDカット形状の軸穴45を有するインペラ35
よりも小さい。したがって、本実施の形態のインペラ7
は、射出成形時の樹脂の流れの乱れが小さく、シール面
となる側面10,11にうねりが生じにくいため、側面
10,11の面精度が向上する。
【0024】また、このような射出成形方法によれば、
ピンポイントゲート26に作用する射出圧力が樹脂溜ま
り部24の溶融樹脂を介してリング状のゲート部25に
も均等に作用することになり、キャビティ21内への溶
融樹脂の射出が円滑且つ均等に行われ、キャビティ21
内での溶融樹脂の流れを均質化することができ、高精度
の外形形状のインペラ7を製造することができる。
【0025】尚、上述の実施の形態は、樹脂溜まり部2
4の外形形状が図11(b)に示すように略円形形状で
あるが、本発明は、これに限られず、図11(c)に示
すように、軸型23の外形形状と相似形状の外形形状に
してもよい。
【0026】(ポンプケーシング,ポンプカバー)図3
は、ポンプケーシング4とポンプカバー5の組み合わせ
状態を示す図である。又、図4は、ポンプ流路28,燃
料流入口30,燃料流出口31及びインペラ7の関係を
示す模式図である。これらの図に示すように、ポンプケ
ーシング4とポンプカバー5の合わせ面には、インペラ
7を回動可能に収容する略円板状の空間6が形成されて
いる。そして、この円板状の空間6の外周側に形成され
たポンプ流路28には、ポンプカバー5の燃料流入口3
0が連通すると共にポンプケーシング4の燃料流出口3
1が連通するようになっている。ここで、ポンプケーシ
ング4とポンプカバー5は、例えば、樹脂材料やアルミ
ニウムで形成される。
【0027】(円周流ポンプの作動状態)このような構
成の本実施の形態によれば、図1及び図4に示すよう
に、インペラ7がモータ部3のモータ3aによって回転
駆動されると、燃料タンク内(図示せず)の燃料が燃料
流入口30からポンプ流路28内に流入する。そして、
燃料流入口30からポンプ流路28内に流入した燃料
が、回転するインペラ7からエネルギーを受け、略環状
のポンプ流路28に沿って燃料流出口31まで移動する
間にインペラ7によって昇圧させられる。そして、十分
に昇圧された燃料は、燃料流出口31からモータ部3の
図示しない流路を通過して、燃料吐出口32から図外の
エンジンに供給される。
【0028】尚、図4に示すように、燃料流入口30と
燃料流出口31との間に隔壁部33が形成されている。
そして、この隔壁部33の周面33aとインペラ7の外
周面34の隙間t3は、ポンプ流路28の周面28aと
インペラ7の外周面24との隙間t4よりも小さく設定
されている。又、隔壁部33の両側面33b,33cと
インペラ7の両側面10,11との隙間は、インペラ7
の両側面10,11側の隙間寸法(t1,t2)と等し
い寸法に設定されている。即ち、インペラ7の外周面3
4側の隙間が隔壁部33で急激に絞られることになり、
昇圧した燃料が燃料流出口31側から燃料流入口30側
に漏出するのが阻止されるようになっている。又、ポン
プ流路28内の燃料が半径方向内方へ漏出するのは、イ
ンペラ7の両側面10,11で阻止されるようになって
いる。
【0029】(実施の形態の作用・効果)以上のように
本実施の形態のインペラ7は、ピンポイントゲート26
から樹脂溜まり部24に注入された溶融樹脂がリング状
のゲート部25からキャビティ21内に注入され、その
キャビティ21内に注入された溶融樹脂がインペラ7の
軸穴14の周縁に対応する部分(内周端部側)から外周
側に向かって放射状にほぼ均等に流動することにより成
形されるものである。また、本実施の形態のインペラ7
は、軸穴14の形状がセレーション穴であって、Dカッ
ト形状の軸穴45を有する従来のインペラ35よりも軸
穴14から外周面34までの寸法のばらつきが小さく、
キャビティ21内の溶融樹脂の流れに乱れを生じにくい
状態で成形されるものである。しかも、本実施の形態の
インペラ7は、ピンポイントゲート26に作用する射出
成形圧力が樹脂溜まり部24を介してリング状ゲート部
25に作用するため、均等な射出成形圧力で射出成形さ
れるものである。従って、本実施の形態のインペラ7
は、側面10,11にうねりやウェルドラインが発生す
るのを効果的に抑えることができ、従来のインペラ35
に比較して、側面10,11の面精度や外径精度が向上
する。
【0030】また、本実施の形態によれば、キャビティ
21の中心部にピンポイントゲート26及びこれに繋が
る樹脂溜まり部24を1箇所のみ配置すればよく、リン
グ状ゲート48を軸穴45と羽根37との間の側面43
に配置する従来例に比較して、製品として使用されない
材料を減らすことができ、材料消費量を低減できるた
め、製造コストの低廉化を図ることができる。
【0031】尚、本発明は、上述の実施の形態において
例示した円周流ポンプ1の樹脂製インペラ7及びその製
造方法に限定されるものではなく、精密機械等に使用さ
れる樹脂製ギヤやプーリのような射出成形樹脂回転体及
びその製造方法に広く適用することができ、高精度で安
価な射出成形樹脂回転体を提供できる。
【0032】また、本発明は、上述の実施の形態におい
て例示した、駆動軸15と軸穴14をセレーション嵌合
させる構成に限られず、駆動軸15と軸穴14をスプラ
イン嵌合する構成にしてもよい。このように、軸穴14
をセレーション穴やスプライン穴にすることにより、軸
穴14の複数の凹部(セレーション溝やスプライン溝)
27で回転伝達力を分散して受けることができるため、
凹部27を小さくして、軸穴14からインペラ7の外周
面34までの寸法のばらつきを小さくすることができ
る。
【0033】また、本発明は、上述の実施の形態におい
て例示した、略円柱状の樹脂溜まり部24に限られず、
リング状のゲート部25に均等に射出圧力を作用させる
ことができる形状の樹脂溜まり部24であればよく、例
えば、略円錐状や略半球状の樹脂溜まり部24でもよ
い。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の射出成形樹脂回
転体は、ピンポイントゲートから樹脂溜まり部に注入さ
れた溶融樹脂が樹脂溜まり部のリング状のゲート部から
キャビティの内周端側に注入され、その注入された溶融
樹脂がキャビティ内の内周端側から外周端側に向けて放
射状に流動することにより形成されるものであり、ピン
ポイントゲートの射出圧力が樹脂溜まり部を介してリン
グ状のゲート部に均等に作用すると共に、従来例よりも
軸穴から外周面までの寸法のばらつきが小さくなってい
るため、側面のうねりやウェルドラインの発生を効果的
に抑えることができ、側面の面精度や外径精度が向上す
る。
【0035】また、本発明は、ピンポイントゲートから
射出される溶融樹脂を樹脂溜まり部を介してキャビティ
の内周端部(射出成形樹脂回転体の軸穴の周縁に対向す
る部分)に注入するため、リング状ゲートを軸穴と羽根
との間の側面に配置する従来例に比較して、製品として
使用されない材料を減らすことができ、材料消費量の低
減化、ひいては製造コストの低廉化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る円周流ポンプの一部
を破断して示す正面図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す図である。
【図3】ポンプケーシングとポンプカバーの組み合わせ
状態を示す断面図である。
【図4】図4(a)は円周流ポンプの作動状態を説明す
るための模式的平面図であり、図4(b)は図4(a)
のA−A線に沿って切断して示す断面図である。
【図5】インペラを一方の側面側(図6のC方向)から
見た図である。
【図6】図5のB−B線に沿って切断して示す断面図で
ある。
【図7】図6のD方向から見た図である。
【図8】インペラの羽根溝形状を示す斜視図であり、イ
ンペラの外周側の部分的斜視図である。
【図9】インペラの射出成形方法を説明するために模式
的に表した射出成形金型の断面図である。
【図10】射出成形後であって、樹脂溜まり部を切り離
す前の製品(インペラ)の外観形状を模式的に示す斜視
図である。
【図11】図11(a)が軸型(駆動軸)の断面図であ
り、図11(b)が軸型と樹脂溜まり部との関係を示す
第1の図であり、図11(c)が軸型と樹脂溜まり部と
の関係を示す第2の図である。
【図12】従来の円周流ポンプの一部を拡大して示す図
である。
【図13】従来のインペラの側面図である。
【図14】第1従来例に係るインペラとピンポイントゲ
ートとの関係を示す側面図である。
【図15】第1従来例に係るインペラとピンポイントゲ
ートとの関係を示す斜視図である。
【図16】第2従来例に係るインペラとリング状ゲート
との関係を示す側面図である。
【図17】第2従来例に係るインペラとリング状ゲート
との関係を示す斜視図である。
【符号の説明】 7……インペラ(射出成形樹脂回転体)、14……軸
穴、15……駆動軸、19……凸部、21……キャビテ
ィ、24……樹脂溜まり部、26……ピンポイントゲー
ト、27……凹部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の凹部が形成された軸穴を前記凹部
    に係合する複数の凸部が形成された駆動軸に嵌合させ
    て、前記駆動軸と一体に回動させられる射出成形樹脂回
    転体の製造方法であって、 キャビティの前記軸穴の周縁に対応する部分にリング状
    に開口する樹脂溜まり部の中央部にはピンポイントゲー
    トが接続され、 溶融樹脂が前記ピンポイントゲートから前記樹脂溜まり
    部に注入された後、この樹脂溜まり部からキャビティ内
    に溶融樹脂が注入されることを特徴とする射出成形樹脂
    回転体の製造方法。
  2. 【請求項2】 複数の凹部が形成された軸穴を前記凹部
    に係合する複数の凸部が形成された駆動軸に嵌合させ
    て、前記駆動軸と一体に回動させられる射出成形樹脂回
    転体であって、 キャビティの前記軸穴の周縁に対応する部分にリング状
    に開口する樹脂溜まり部の中央部にはピンポイントゲー
    トが接続され、 溶融樹脂が前記ピンポイントゲートから前記樹脂溜まり
    部に注入され、この樹脂溜まり部からキャビティ内に注
    入された溶融樹脂が固化した後、前記樹脂溜まり部から
    切り離されてなることを特徴とする射出成形樹脂回転
    体。
JP2001386854A 2001-12-20 2001-12-20 射出成形樹脂回転体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3892291B2 (ja)

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