JP4069742B2 - 微生物によるカルボン酸エステルの光学分割法 - Google Patents

微生物によるカルボン酸エステルの光学分割法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は医薬・農薬・生理活性物質などの光学活性化合物の合成における有用なキラルビルディングブロックや中間体となりうる光学活性ヒドロキシカルボン酸および光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸、並びにそれらのアルキルエステルの微生物処理による製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロバクテリア ハロビウム(Halobacterium halobium) をラセミ体3−ヒドロキシブタン酸エステルに作用させた場合、カルボン酸エステル水解反応によりR体3−ヒドロキシブタン酸エステルが残存することが報告されている(非特許文献1参照)。しかしながら、立体選択的なエステル分解活性を有する微生物を用いたラセミ体3−ヒドロキシブタン酸エステルからの高光学純度のS体3−ヒドロキシブタン酸エステルの製法は知られていない。
【0003】
また、光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸アルキルエステル(THFAEと略記することもある。)あるいはその酸(THFAと略記することもある。)の生物化学的な方法としては、微生物や動物由来のエステル分解酵素をTHFAEに作用させ、立体選択的な加水分解により残存する該光学活性THFAEと生成する該光学活性THFAに分割する方法が特許文献1及び特許文献2に開示されている。しかし、両法ともTHFAEのアルキル側鎖の種類によってはその立体選択性が影響されるとともに、その立体選択性が低く、そして得られる光学活性体の収率も低い。
本発明者らは、ラセミ体4−クロロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルのようなクロロアルコールに、エンテロバクター(Enterobacter)属、キトロバクター(Citrobacter)属の微生物菌体あるいはその微生物抽出物を作用させ、S体3−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンに変換し、残存するもう一方のR体4−クロロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを同時に回収する方法(特許文献3、非特許文献2)を見出し、報告している。
【0004】
本発明者らは、上記微生物菌体反応の基質特異性について、さらに鋭意研究した結果、カルボン酸エステルを立体選択的に加水分解する性質を見出し、本発明を完成するに至った。
本発明で基質として用いられるラセミ体ヒドロキシカルボン酸アルキルエステルあるいはテトラヒドロフラン−2−カルボン酸アルキルエステルは、4−クロロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルのようなクロルアルコール化合物とは異なるため、立体選択的な脱クロル化反応の進行に伴って塩酸が生成するような反応ではなく、立体選択的なカルボン酸エステル加水分解活性により分割反応が進行していると考えられる。さらに本発明に係るこの反応では、α位やβ位にある不斉炭素を立体選択的に認識しながらそのカルボン酸エステルを立体選択的に加水分解することは極めて興味深い反応である。
【0005】
【特許文献1】
国際公開第01/92554号パンフレット
【特許文献2】
特開平14−171994号公報
【特許文献3】
特開平9−47296号公報
【非特許文献1】
Ehrler and Seebach, Helv. Chim. Acta, 72,793-799 (1989)
【非特許文献2】
Suzuki et al., Enzyme and Microb. Technol., 24, 13-20 (1999)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡便で、安価で、そして工業的に有利な光学活性ヒドロキシカルボン酸および光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸、並びにそれらのアルキルエステルの製法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記式[1]
1−(CH2)n−CHOH−(CH2)m−COOR2 [1]
(式中、R1はメチル基またはベンジル基であり、R2はアルキル基であり、そしてmが0のときnは0または1であり、mが1のときnは0である。)
で示されるラセミ体ヒドロキシカルボン酸アルキルエステル、あるいはラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸アルキルエステルに、エンテロバクター属またはキトロバクター属に属する、カルボン酸エステル分解活性を有する微生物もしくはその産生物を作用させ、該エステルを光学分割し、残存する一方の光学活性カルボン酸アルキルエステルまたは生成する他方の光学活性カルボン酸を採取することを特徴とする光学活性ヒドロキシカルボン酸アルキルエステルまたは光学活性ヒドロキシカルボン酸、あるいは光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸アルキルエステルまたは光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸の製法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、式[1]で示されるラセミ体ヒドロキシカルボン酸アルキルエステルまたはラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸アルキルエステル(以下単にラセミ体カルボン酸アルキルエステルと総称する。)に、エンテロバクター属またはキトロバクター属に属する、カルボン酸エステル分解活性を有する微生物菌体もしくはその産生物を作用させ、立体選択的なエステル加水分解反応により、一方の光学活性体を該光学活性カルボン酸に変換し、もう一方の該光学活性カルボン酸アルキルエステルを残存せしめ、ついでいずれかの光学活性体を単離、回収することを特徴とする方法である。
【0009】
本発明において、基質として用いられるラセミ体ヒドロキシカルボン酸アルキルエステルの好ましい例は、3−ヒドロキシブタン酸メチルもしくはエチルエステル、2−ヒドロキシブタン酸メチルもしくはエチルエステル、乳酸メチルもしくはエチルエステル、または4−フェニル−2−ヒドロキシブタン酸メチルもしくはエチルエステルである。特に好ましい基質は、3−ヒドロキシブタン酸メチルもしくはエチルエステル、2−ヒドロキシブタン酸メチルもしくはエチルエステルである。ラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸アルキルエステルの好ましい例は、そのメチルもしくはエチルエステルである。
本発明に使用される菌体産生エステル分解酵素はTHFAEの中でもそのメチルエステルに特異性が高く、効率的、かつ、高収率でR体メチルTHFAEを調製することを初めて見出した。
本発明に使用される微生物は、ラセミ体カルボン酸アルキルエステルに対して、立体選択的なエステル分解反応を触媒する酵素を生産するエンテロバクター属に属する微生物およびキトロバクター属に属する微生物である。
具体的には本発明者らにより土壌から分離されたEnterobacter sp DS-S-75株、Citrobacter freundii DS-S-13株、Citrobacter freundii DS-K-40株を挙げることができる。これらの微生物は、既に独立行政法人産業技術総合研究所(旧工業技術院微生物工業研究所)に以下の国際寄託番号で寄託されている。
Enterobacter sp DS-S-75株:FERM BP-5494、Citrobacter freundii DS-S-13株:FERM BP-5492、Citrobacter freundii DS-K-40株:FERM BP-5493。
【0010】
上記微生物Enterobacter sp DS-S-75株、Citrobacter freundii DS-S-13株、およびCitrobacter freundii DS-K-40株を培養するための培地組成としては通常これらの微生物が生育する培地ならばいずれでも使用することができる。
例えば、炭素源としてグリセロール、D−ソルビトール、D−マンニトールなどのアルコール類、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸とその塩類などの有機酸、D−グルコース、D−フラクトース、D−ガラクトースなどの炭水化物またはそれらの混合物を、窒素源として硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなどの無機窒素化合物および尿素、ペプトン、カゼイン、酵母エキス、肉エキス、コーンスチープリカーなどの有機窒素化合物とそれらの混合物を挙げることができる。その他、無機塩としてリン酸塩、マグネシウム塩、カリウム塩、マンガン塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩など、さらに必要に応じてビタミン類を加えてもよい。
上記微生物の培養は常法によればよく、例えばpHを5〜9、好ましくは6.5〜7.0、培養温度は20〜40oC、好ましくは25〜37oCの範囲で好気的に10〜96時間行なうことが好ましい。
【0011】
ラセミ体カルボン酸アルキルエステルに上記微生物あるいはその微生物産生物を作用させて残存する該光学活性カルボン酸アルキルエステルおよびその生成物である該光学活性カルボン酸を得る方法としては、本発明に係る微生物を
1)上記培養方法により得た微生物の培養液、あるいは2)その培養液から遠心分離あるいは膜分離により得た菌体およびその菌体処理物(菌体破砕物あるいは菌体抽出液)、または3)それらを常法により固定化したものとし、緩衝液に混合した微生物菌体混合液に基質を添加する方法がある。
反応温度は15〜50oCが好ましく、反応pHは6〜9が好ましい。反応液中の基質濃度は0.1〜20%(v/v)が好ましく、基質は初期に一括していれてもよいし、分割添加してもよい。分割添加する場合に中和に要したアルカリの量を指標として、添加基質量を計算し分解活性に応じて基質を添加してもよい。なお、使用するアルカリは特に限定されず、強塩基、弱塩基共に使用できるが、弱塩基を用いた場合、反応速度や立体選択性が向上する場合がある。
【0012】
反応は通常、撹拌あるいは振盪しながら行い、反応時間は基質濃度、生育菌体量により異なるが数時間〜120時間で終了するのがよい。好ましくはガスクロマトグラフィーなどの分析により残存基質量が初期基質濃度に比して50%で反応を終了するのがよい。
反応中に立体選択的なエステル加水分解反応に伴い生成する該光学活性カルボン酸によるpHの低下に対して、弱塩基性のアルカリ金属化合物水溶液あるいはその懸濁液、またはアンモニア水溶液により、その反応pHを微生物あるいはその菌体産生酵素の至適pHで制御することにより、高光学純度の該光学活性カルボン酸エステル並びに該光学活性カルボン酸を効果的に得ることができる。
弱塩基性のアルカリ金属化合物としては、炭酸アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸アンモニウム塩、炭酸水素アンモニウム塩である。具体的には、アンモニア水、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸カルシウムの水溶液あるいは水懸濁液を挙げることができる。
【0013】
このようにして反応液中に残存する該光学活性カルボン酸アルキルエステル並びに該光学活性カルボン酸は一般的な方法で回収および精製できる。例えば反応液から菌体を遠心分離で除いた後、上清を酢酸エチルなどの溶媒で抽出し、酢酸エチル相に該光学活性カルボン酸アルキルエステルを、水相に該光学活性カルボン酸を分画抽出することができる。
また、菌体除去後の上清をエバポレーターにより濃縮して水相を除去し、酢酸エチル等で溶媒置換を行なう。その溶液を無水硫酸マグネシウムにより脱水した後、減圧下で溶媒を除去し、該光学活性カルボン酸アルキルエステル並びに該光学活性カルボン酸の粗シロップを得ることができる。さらに蒸留やシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製してもよい。
【0014】
【実施例】
以下実施例をもって、本発明を詳細に説明するが本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、実施例中の%は特に記載のない限り(w/v)を表す。
実施例1
ペプトン、酵母エキス、グリセロールをそれぞれ1.0%含む栄養培地(pH7.2)2.5Lを入れた5L容ジャーファーメンター(培養器)を121℃、15分間滅菌した。予め供試菌であるEnterobacter sp. DS-S-75株をペプトン、酵母エキス、グリセロールをそれぞれ1.0%含む栄養培地(pH7.2)で30℃、16時間振盪培養して種菌を調製し、上記培地に2%(v/v)量無菌的に接種した。そして温度30℃、通気量0.5L/min、回転数500rpmの条件で約24時間、通気攪拌培養を行なった。
培養終了後、培養液を取り出し遠心分離にて集菌し、2mMの硫酸マグネシウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.2)で3回洗浄し、100gの休止菌体を調製した。その休止菌体50gを上記同緩衝液2500mlを入れた同5L容のジャーファーメンターに懸濁し(菌体濁度9.5 OD(660nmの濁度))、200gのラセミ体3−ヒドロキシブタン酸エチルエステルを加え、30℃で攪拌しながら4時間光学分割反応を行った。なお、pH中和剤として5%の炭酸カルシウム(25g)を反応液に添加した。
【0015】
そのときの反応液中に残存する3−ヒドロキシブタン酸エチルエステルをガスクロマトグラフィー(カラム担体:PEG20M,60-80メッシュ)で分析した結果、その残存率は48%であった。
反応終了後、菌体を除去し等量の酢酸エチルで2回抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムにより脱水後、減圧下で溶媒を除去し、77gの3−ヒドロキシブタン酸エチルエステルを含有するシロップを得た。該物質の同定および定量は同ガスクロマトグラフィーにより行ない、オリジナル化合物とのリテンションタイムより確認した。このシロップ中の3−ヒドロキシブタン酸エチルエステルを無水トリフルオロ酢酸によりトリフルオロ酢酸化した後、アステック社製のキャピラリーカラムG−TA(0.25mm x 30m)を用いたガスクロマトグラフィーにより光学異性体の分析を行なった。その結果、回収した3−ヒドロキシブタン酸エチルエステルは光学純度99.1%eeのS体であることが判明した。
【0016】
一方、水中に残存する3−ヒドロキシブタン酸は、同ガスクロマトグラフィーによりオリジナル化合物とのリテンションタイムにより同定と定量を行った。その際、水溶液のpHを塩酸によりpH4にしてから行なった。その結果、2.2%(w/v)の3−ヒドロキシブタン酸が残存していることが判明した。水溶液をエバポレーターにより除去し、3−ヒドロキシブタン酸のシロップを44g得た。
ついで、30ml容の三角フラスコにこのシロップを50mg入れ、氷冷しながら4-ジメチルアミノピリジンを122mg、ジクロロメタンを10ml、塩酸飽和エタノールを100μl、塩酸1−エチル3−(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを115mgを加え10分ほど撹拌した後、蓋をして室温で一晩撹拌した。有機層を1N塩酸で2回洗浄した後デシケーターにて溶媒を除去し、3−ヒドロキシブタン酸エチルエステルへと変換した。これを上記3−ヒドロキシブタン酸エチルエステルと同様にトリフルオロ酢酸化した後、アステック社製のキャピラリーカラムG−TA(0.25mm x 30m)を用いたガスクロマトグラフィーにより光学異性体の分析を行ない、このエステル変換体は光学純度98.2%eeのR体であった。その結果、水中に残存した3−ヒドロキシブタン酸はR体であることが判明した。
光学純度分析条件:
カラム温度;90℃、窒素流量;0.3ml/min、スプリット比;100:1、リテンションタイム R体;7.8分、S体;11.9分
【0017】
実施例2
ラセミ体3−ヒドロキシブタン酸エチルエステルをラセミ体乳酸エチルエステルに変えた以外は実施例1と同様の方法で反応を行ない、そして実施例1と同様にして生成物の定量並びに光学純度の分析を行なった。
その結果、200gのラセミ体乳酸エチルエステルより、56gのR体乳酸エチルエステルを得た。その光学純度は98.7%eeであった。
また、水中から得られた乳酸は90gであった。該乳酸は実施例1と同様の方法で該エチルエステル体に変換後、光学純度を分析し、その光学純度は65.1%eeのS体であった。
なお、リテンションタイムはそれぞれR体;5.2分、S体;5.4分である。
【0018】
実施例3
ラセミ体3−ヒドロキシブタン酸エチルエステルをラセミ体2−ヒドロキシブタン酸エチルエステルに変えた以外は実施例1と同様の方法で反応を行ない、そして実施例1と同様にして生成物の定量並びに光学純度の分析を行なった。
その結果、200gのラセミ体2−ヒドロキシブタン酸エチルエステルより、75gのR体2−ヒドロキシブタン酸エチルエステルを得た。その光学純度は99.2%eeであった。
また、水中から得られた2−ヒドロキシブタン酸は47gであった。該カルボン酸は実施例1と同様の方法でエチルエステル体に変換後、光学純度を分析し、その光学純度は95.1%eeのS体であった。
なお、リテンションタイムはそれぞれR体;9.4分、S体;10.8分である。
【0019】
実施例4
ラセミ体3−ヒドロキシブタン酸エチルエステルをラセミ体4−フェニル−2−ヒドロキシブタン酸エチルエステルに変え、そしてその添加量を50gに変えた以外は実施例1と同様の方法で反応を行ない、そして実施例1と同様にして生成物を定量した。
50gのラセミ体4−フェニル−2−ヒドロキシブタン酸エチルエステルより、4.8gのエチルエステル体と30.2gのカルボン酸を得た。
得られたエチルエステル体の光学純度はダイセル社製CHIRALEL OD(25cm x 0.46cm)を用いた高速液体クロマトグラフィー(HLPC)により光学純度の分析を行なった。
そのときの分析条件は、展開溶媒;ヘキサン/イソプロパノール(100:1)、流速;0.5ml、カラム温度;25℃、検出:UV250nmであった。
その結果、該エチルエステル体の光学純度は98.1%eeのR体であった。
また、生成したカルボン酸は実施例1と同様の方法でエチルエステル体に変換後、前記と同様にして光学純度を分析した。その光学純度は19.4%eeのS体であった。
なお、リテンションタイムはそれぞれS体;37.5分、R体;61.3分である。
【0020】
実施例1−4をまとめた表を以下に示す。
【表1】
Figure 0004069742
【0021】
実施例5−12
使用する微生物をEnterobacter sp. DS-S-75株からCitrobacter freundii DS-S-13株あるいはCitrobacter freundii DS-K-40株に変更した以外は実施例1〜実施例4と同様の方法で反応を行った。なお、基質として用いたラセミ体3−ヒドロキシブタン酸エチルエステル、ラセミ体乳酸エチルエステル、ラセミ体2−ヒドロキシブタン酸エチルエステル、ラセミ体4−フェニル−2−ヒドロキシブタン酸エチルエステルはそれぞれ50gを使用し、また、使用した休止菌体はそれぞれ50g(湿重量)とした。
生成物の定量並びに光学純度の分析は実施例1あるいは実施例4と同様にして行なった。
なお、生成した各カルボン酸は実施例1と同様の方法でエチルエステル体に変換後、それぞれの光学純度を分析した。
【0022】
【表2】
Figure 0004069742
【0023】
【表3】
Figure 0004069742
【0024】
実施例13
ペプトン、酵母エキス、グリセロールをそれぞれ1.0%含む栄養培地(pH7.2)2.5Lを入れた5L容ジャーファーメンター(培養器)を121℃,15分滅菌した。予め供試菌であるEnterobacter sp. DS-S-75株をペプトン,酵母エキス,グリセロールをそれぞれ1.0%含む栄養培地(pH7.2)で30℃、16時間振とう培養して種菌を調製し、上記培地に2%(V/V)量無菌的に接種した。そして温度30℃、通気量0.5L/min、回転数500rpmの条件で約24時間、通気攪拌培養を行なった。培養終了後、培養液を取り出し遠心分離にて集菌し、2mMの硫酸マグネシウムを含む20mMリン酸緩衝液(pH7.2)で3回洗浄し、100gの休止菌体を調製した。その休止菌体100gを上記同緩衝液2500mlを入れた同5L容のジャーファーメンターに懸濁し(菌体濁度19 OD (660nmの濁度))、100gのラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルを加え、30℃で攪拌しながら24時間光学分割反応を行った。pH中和剤として5%の炭酸カルシウム(25g)を反応に添加した。そのときの反応液中に残存するテトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルをガスクロマトグラフィー(カラム担体:PEG20M,60−80メッシュ)で分析した結果、その残存率は40%であった。
なお、ラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルは、ラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸と5当量のメタノールを触媒量の硫酸存在下、80℃で5時間還流して合成した。反応終了後、得られたテトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルをエチルエーテルにより抽出し、テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステル標品を得た。
【0025】
分割反応終了後、菌体を除去し等量の酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル層を無水硫酸マグネシウムにより脱水後、減圧下で溶媒を除去し、36gのテトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルを含有するシロップを得た。
該メチルエステルの同定および定量は同ガスクロマトグラフィーにより行ない、オリジナル化合物とのリテンションタイムより確認した。
このシロップ中のテトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルを、アステック社製のキャピラリーカラムG−TA(0.25mm x 30m)を用いたガスクロマトグラフィーにより光学異性体の分析を行なった。その結果、回収したテトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルは光学純度99.1%eeのR体であることが判明した。なお、R体、S体のリテンションタイムはそれぞれ8.0分と9.0分であった。
【0026】
一方、水中に残存するテトラヒドロフラン−2−カルボン酸は、同ガスクロマトグラフィーによりオリジナル化合物とのリテンションタイムにより同定と定量を行った。その際、水溶液のpHを塩酸によりpH4にしてから行なった。水溶液をエバポレーターにより除去し、テトラヒドロフラン−2−カルボン酸のシロップを57g得た。光学純度の分析は得られたテトラヒドロフラン−2−カルボン酸を実施例1の方法に準じてメチルエステルへと変換後、前述の方法により分析した。その結果、生成したテトラヒドロフラン−2−カルボン酸は光学純度65.1%eeのS体であることが判明した。
光学純度分析条件
カラム温度 120℃、窒素流量 0.3ml/min、スプリット比 100:1、リテンションタイム R体;8.0分、S体;9.0分
【0027】
実施例14
基質をラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルからテトラヒドロフラン−2−カルボン酸エチルエステルに変えた以外は実施例13と同様の方法で反応を行なった。そして実施例13と同様にして生成物の定量並びに光学純度の分析を行なった。
その結果、100gのラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸エチルエステルより35.2gのR体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸エチルエステルを得た。その光学純度は98.7%eeであった。また、得られたテトラヒドロフラン−2−カルボン酸は51gであった。該カルボン酸を実施例1の方法に準じてメチルエステルに変換後に分析した光学純度は65.1%eeのS体であった。
なお、該エチルエステルのリテンションタイムはそれぞれ R体 8.2分、S体 9.2分であった。
【0028】
実施例15
用いた微生物をCitrobacter freundii DS-S-13株、あるいはCitrobacter freundii DS-S-40株に変更した以外は実施例13と同様の方法で光学分割反応を行った。そして実施例13と同様にして生成物の定量並びに光学純度の分析を行なった。
その結果、100gのラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルよりそれぞれ32.1gと33.1gのR体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルを得た。光学純度はそれぞれ98.5%eeと98.2%eeであった。
また、得られた各テトラヒドロフラン−2−カルボン酸は実施例1に準じてそれぞれメチルエステルに変換後に測定した結果、それぞれ光学純度は67.3%eeと65.1%eeのS体であった。
【0029】
実施例16
基質をラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルエステルからラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸エチルエステルに変えた以外は実施例15と同様の方法で光学分割反応を行った。
100gのラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸エチルエステルより、Citrobacter freundii DS-S-13株、あるいはCitrobacter freundii DS-S-40株ではそれぞれ33.2gと34.5gのエチルエステル体と67.1gと62.6gのカルボン酸を得た。得られたエチルエステル体の光学純度はそれぞれ99.1%eeと98.5%eeのR体であることが判明した。また、生成した該カルボン酸は実施例1の方法に準じて該メチルエステル体に変換後、光学純度を測定した。その結果、それぞれ66.4%eeと67.2%eeのS体であった。
【0030】
【発明の効果】
本発明によればエンテロバクター属に属する微生物(例えば、Enterobacter sp. DS-S-75株)、キトロバクター属に属する微生物(例えば、 Citrobacter freundii DS-S-13株、Citrobacter freundii DS-K-40株)を利用したエステル加水分解反応によるラセミ体ヒドロキシカルボン酸アルキルエステル[1]の光学分割反応において、高光学純度の該光学活性ヒドロキシカルボン酸アルキルエステルと光学活性ヒドロキシカルボン酸を効率的に産生することができる。また、ラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸アルキルエステルの光学分割反応において、高光学純度の該光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸と光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸を効率的に産生することができる。

Claims (15)

  1. 下記式[1]
    1−(CH2)n−CHOH−(CH2)m−COOR2 [1]
    (式中、R1はメチル基またはベンジル基であり、R2メチル基またはエチル基であり、そしてmが0のときnは0または1であり、mが1のときnは0である。)
    で示されるラセミ体ヒドロキシカルボン酸メチル若しくはエチルエステル、あるいはラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチル若しくはエチルエステルに、エンテロバクター(Enterobacter)属またはキトロバクター(Citrobacter)属に属する、カルボン酸エステル分解活性を有する微生物、その微生物培養液より得られる菌体またはその菌体処理物を作用させ、該エステルを光学分割し、残存する一方の光学活性カルボン酸メチル若しくはエチルエステルまたは生成する他方の光学活性カルボン酸を採取することを特徴とする光学活性ヒドロキシカルボン酸メチル若しくはエチルエステルまたは光学活性ヒドロキシカルボン酸、あるいは光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチル若しくはエチルエステルまたは光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸の製法。
  2. 下記式[1]
    1−(CH2)n−CHOH−(CH2)m−COOR2 [1]
    (式中、R1はメチル基またはベンジル基であり、R2メチル基またはエチル基であり、そしてmが0のときnは0または1であり、mが1のときnは0である。)
    で示されるラセミ体ヒドロキシカルボン酸メチル若しくはエチルエステルに、エンテロバクター属またはキトロバクター属に属する、カルボン酸エステル分解活性を有する微生物、その微生物培養液より得られる菌体またはその菌体処理物を作用させ、該エステルを光学分割し、残存する一方の光学活性カルボン酸メチル若しくはエチルエステルまたは生成する他方の光学活性カルボン酸を採取することを特徴とする光学活性ヒドロキシカルボン酸メチル若しくはエチルエステルまたは光学活性ヒドロキシカルボン酸の製法。
  3. ラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチル若しくはエチルエステルに、エンテロバクター属またはキトロバクター属に属する、カルボン酸エステル分解活性を有する微生物、その微生物培養液より得られる菌体またはその菌体処理物を作用させ、該エステルを光学分割し、残存する一方の光学活性カルボン酸メチル若しくはエチルエステルまたは生成する他方の光学活性カルボン酸を採取することを特徴とする光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチル若しくはエチルエステルまたは光学活性テトラヒドロフラン−2−カルボン酸の製法。
  4. ラセミ体3−ヒドロキシブタン酸メチルまたはエチルエステルを基質として用いてS体3−ヒドロキシブタン酸メチルまたはエチルエステルを採取する請求項1または2記載の製法。
  5. ラセミ体2−ヒドロキシブタン酸メチルまたはエチルエステルを基質として用いてR体2−ヒドロキシブタン酸メチルまたはエチルエステルを採取する請求項1または2記載の製法。
  6. ラセミ体乳酸メチルまたはエチルエステルを基質として用いてR体乳酸メチルまたはエチルエステルを採取する請求項1または2記載の製法。
  7. ラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルまたはエチルエステルを基質として用いてR体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルまたはエチルエステルを採取する請求項1または3記載の製法。
  8. ラセミ体3−ヒドロキシブタン酸メチルまたはエチルエステルを基質として用いてR体3−ヒドロキシブタン酸を採取する請求項1または2記載の製法。
  9. ラセミ体2−ヒドロキシブタン酸メチルまたはエチルエステルを基質として用いてS体2−ヒドロキシブタン酸を採取する請求項1または2記載の製法。
  10. ラセミ体乳酸メチルまたはエチルエステルを基質として用いてS体乳酸を採取する請求項1または2記載の製法。
  11. ラセミ体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸メチルまたはエチルエステルを基質として用いてS体テトラヒドロフラン−2−カルボン酸を採取する請求項1または3記載の製法。
  12. 使用する微生物がエンテロバクター属に属する微生物である請求項1−11のいずれかに記載の製法。
  13. 使用する微生物がキトロバクター属に属する微生物である請求項1−11のいずれかに記載の製法。
  14. 使用する微生物がエンテロバクター(Enterobacter) sp. DS-S-75株(国際寄託番号FERM BP−5494)である請求項1−12のいずれかに記載の製法。
  15. 使用する微生物がキトロバクター フロインジー (Citrobacter freundii)DS-S-13株(国際寄託番号FERM BP−5492)またはキトロバクターフロインジー(Citrobacter freundii)DS-K-40株(国際寄託番号FERM BP−5493)である請求項1−11のいずれかまたは13記載の製法。
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