JP2000287696A - 光学活性な1−アセトキシ−3−ハロゲノ−2−プロパノールの製法 - Google Patents
光学活性な1−アセトキシ−3−ハロゲノ−2−プロパノールの製法Info
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- JP2000287696A JP2000287696A JP11099991A JP9999199A JP2000287696A JP 2000287696 A JP2000287696 A JP 2000287696A JP 11099991 A JP11099991 A JP 11099991A JP 9999199 A JP9999199 A JP 9999199A JP 2000287696 A JP2000287696 A JP 2000287696A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 光学活性な1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパ
ノールの製法。 【解決手段】 光学活性な1,2-ジアセトキシ-3-クロロ
プロパンにそのエステルを加水分解する酵素またはその
酵素を産生しうる微生物もしくはその培養物を作用さ
せ、光学活性な1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパノール
を得る方法を提供するものであり、該物質は医薬、農
薬、強誘電性液晶、光学活性ポリマーなどの原料として
利用できる。
ノールの製法。 【解決手段】 光学活性な1,2-ジアセトキシ-3-クロロ
プロパンにそのエステルを加水分解する酵素またはその
酵素を産生しうる微生物もしくはその培養物を作用さ
せ、光学活性な1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパノール
を得る方法を提供するものであり、該物質は医薬、農
薬、強誘電性液晶、光学活性ポリマーなどの原料として
利用できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学活性な1,2-ジア
セトキシ-3-ハロゲノプロパンから、光学活性な1-アセ
トキシ-3-ハロゲノ-2-プロパノールを分取する方法に関
する。光学活性な1-アセトキシ-3-ハロゲノ-2-プロパノ
ールは医薬、農薬、強誘電性液晶、光学活性ポリマーな
どの原料として非常に重要なものである。
セトキシ-3-ハロゲノプロパンから、光学活性な1-アセ
トキシ-3-ハロゲノ-2-プロパノールを分取する方法に関
する。光学活性な1-アセトキシ-3-ハロゲノ-2-プロパノ
ールは医薬、農薬、強誘電性液晶、光学活性ポリマーな
どの原料として非常に重要なものである。
【0002】
【従来の技術】光学活性な1-アセトキシ-3-ハロゲノ-2-
プロパノールの製法としては、次のような方法が考えら
れる。 (1)光学活性な3-クロロ-1,2-プロパンジオールをアセ
チルエステル化剤でエステル化させる方法。 (2)光学活性なエピクロロヒドリンに該当エステルに
相当する酢酸を付加させる方法。 光学活性な3-クロロ-1,2-プロパンジオールは、既に本
発明者らにより工業化された方法にて安価に生産されて
いる(特公平4-73998、特公平4-78999)。しかしなが
ら、これを原料とする(1)の方法では1位のみのヒド
ロキシ基のエステル化は難しく、2位ヒドロキシ基がエ
ステル化されたものや1位と2位の両者のヒドロキシ基
がエステル化されたものの混合物となる。(2)の方法
では、選択的に1位にエステル基が導入されるが、光学
活性なエピクロロヒドリン自体の製造が、光学活性な3-
クロロ-1,2-プロパンジオールよりは困難である(Kasai
ら J. Mol. Catalysis B, Enzymatic 4 (1998) 237-25
2)。
プロパノールの製法としては、次のような方法が考えら
れる。 (1)光学活性な3-クロロ-1,2-プロパンジオールをアセ
チルエステル化剤でエステル化させる方法。 (2)光学活性なエピクロロヒドリンに該当エステルに
相当する酢酸を付加させる方法。 光学活性な3-クロロ-1,2-プロパンジオールは、既に本
発明者らにより工業化された方法にて安価に生産されて
いる(特公平4-73998、特公平4-78999)。しかしなが
ら、これを原料とする(1)の方法では1位のみのヒド
ロキシ基のエステル化は難しく、2位ヒドロキシ基がエ
ステル化されたものや1位と2位の両者のヒドロキシ基
がエステル化されたものの混合物となる。(2)の方法
では、選択的に1位にエステル基が導入されるが、光学
活性なエピクロロヒドリン自体の製造が、光学活性な3-
クロロ-1,2-プロパンジオールよりは困難である(Kasai
ら J. Mol. Catalysis B, Enzymatic 4 (1998) 237-25
2)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】よって、光学活性な1-
アセトキシ-3-ハロゲノ-2-プロパノールの簡便な製法が
望まれている。
アセトキシ-3-ハロゲノ-2-プロパノールの簡便な製法が
望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】光学活性な3-クロロ-1,2
-プロパンジオールのジオール部の位置選択的エステル
化あるいは位置選択的エステル加水分解は極めて困難で
ある。しかし光学活性な3-クロロ-1,2-プロパンジオー
ルより1位と2位の両方のヒドロキシ基がエステル化さ
れたジアセトキシ化合物を合成することは光学活性な3-
クロロ-1,2-プロパンジオールに対して2当量以上の過量
のエステル化剤を入れるだけでよく、簡便に合成され
る。そこで本発明者らは、光学活性な1,2-ジアセトキシ
-3-クロロプロパンを出発原料として、2位のみのエス
テル基を優先的に加水分解する酵素、あるいはそのよう
な酵素を産生しうる微生物で処理し、目的とする化合物
を得るために種々検討を行った。その結果、リパーゼや
エステラーゼのごとき酵素、あるいはその様な酵素産生
微生物にて処理すれば、目的化合物が簡便に得られるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。
-プロパンジオールのジオール部の位置選択的エステル
化あるいは位置選択的エステル加水分解は極めて困難で
ある。しかし光学活性な3-クロロ-1,2-プロパンジオー
ルより1位と2位の両方のヒドロキシ基がエステル化さ
れたジアセトキシ化合物を合成することは光学活性な3-
クロロ-1,2-プロパンジオールに対して2当量以上の過量
のエステル化剤を入れるだけでよく、簡便に合成され
る。そこで本発明者らは、光学活性な1,2-ジアセトキシ
-3-クロロプロパンを出発原料として、2位のみのエス
テル基を優先的に加水分解する酵素、あるいはそのよう
な酵素を産生しうる微生物で処理し、目的とする化合物
を得るために種々検討を行った。その結果、リパーゼや
エステラーゼのごとき酵素、あるいはその様な酵素産生
微生物にて処理すれば、目的化合物が簡便に得られるこ
とを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は光学活性な1,2-ジアセ
トキシ-3-ハロゲノプロパンにそのエステルを加水分解
する酵素またはその様な酵素を産生しうる微生物もしく
はその培養物を作用させ、光学活性な1-アセトキシ-3-
クロロ-2-プロパノールを得る方法に関する。本発明に
使用される酵素は、リパーゼやエステラーゼに限定され
るものではなく、光学活性な1,2-ジアセトキシ-3-クロ
ロプロパンから結果的に目的化合物が得られるものな
ら、特に限定されない。例えば、リパーゼあるいはエス
テラーゼ活性を有するパンクレアチンは、光学活性1,2-
ジアセトキシ-3-クロロプロパンに対しては、1位エステ
ル基のみを優先的に加水分解し、2-アセトキシ-3-クロ
ロ-1-プロパノールを与えるが、2位アセチル基を1位へ
転移させ最終的には、1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパ
ノールを与える。
トキシ-3-ハロゲノプロパンにそのエステルを加水分解
する酵素またはその様な酵素を産生しうる微生物もしく
はその培養物を作用させ、光学活性な1-アセトキシ-3-
クロロ-2-プロパノールを得る方法に関する。本発明に
使用される酵素は、リパーゼやエステラーゼに限定され
るものではなく、光学活性な1,2-ジアセトキシ-3-クロ
ロプロパンから結果的に目的化合物が得られるものな
ら、特に限定されない。例えば、リパーゼあるいはエス
テラーゼ活性を有するパンクレアチンは、光学活性1,2-
ジアセトキシ-3-クロロプロパンに対しては、1位エステ
ル基のみを優先的に加水分解し、2-アセトキシ-3-クロ
ロ-1-プロパノールを与えるが、2位アセチル基を1位へ
転移させ最終的には、1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパ
ノールを与える。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は常法にしたがって実施さ
れる。光学活性な1,2-ジアセトキシ-3-クロロプロパン
にエステルを加水分解する酵素またはその様な酵素を生
産しうる微生物をその酵素の至適pH溶液中で基質に作
用させればよい。なお、反応が進行するに従い遊離する
酢酸により反応液のpHが徐々に低下するが、適当なア
ルカリ、例えば炭酸カルシウム溶液、水酸化ナトリウム
溶液、炭酸ナトリウム溶液、アンモニア水等通常、酸を
中和させるためのものを利用して反応液のpHの範囲に
保つのがよい。例えば、光学活性な1,2-ジアセトキシ-3
-クロロプロパンに酵素を作用させる場合には、リン酸
緩衝液(pH6−8)とした後、20〜40℃、好まし
くは25〜37℃、反応基質濃度0.1−80%(v/
v)で反応させればよい。また本発明に係る微生物を培
養するための培地組成としては、通常この微生物が生育
する培地であれば、特に制限されない。例えば、炭素原
としてグルコース、ガラクトース、シュークロース等の
炭水化物、グリセロール等のアルコール類、酢酸、クエ
ン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸な
どの有機酸またはその塩、あるいはそれらの混合物を、
窒素原として硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム等の無機窒素化合物、尿素、ペプト
ン、カゼイン、酵母エキス、肉エキス、コーンスチーブ
リカー等の有機窒素化合物とそれらの混合物を挙げるこ
とができる。その他、リン酸塩、マグネシウム塩、カリ
ウム塩、マンガン塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩等の無機塩、
さらに必要に応じてビタミン類を加えてもよい。
れる。光学活性な1,2-ジアセトキシ-3-クロロプロパン
にエステルを加水分解する酵素またはその様な酵素を生
産しうる微生物をその酵素の至適pH溶液中で基質に作
用させればよい。なお、反応が進行するに従い遊離する
酢酸により反応液のpHが徐々に低下するが、適当なア
ルカリ、例えば炭酸カルシウム溶液、水酸化ナトリウム
溶液、炭酸ナトリウム溶液、アンモニア水等通常、酸を
中和させるためのものを利用して反応液のpHの範囲に
保つのがよい。例えば、光学活性な1,2-ジアセトキシ-3
-クロロプロパンに酵素を作用させる場合には、リン酸
緩衝液(pH6−8)とした後、20〜40℃、好まし
くは25〜37℃、反応基質濃度0.1−80%(v/
v)で反応させればよい。また本発明に係る微生物を培
養するための培地組成としては、通常この微生物が生育
する培地であれば、特に制限されない。例えば、炭素原
としてグルコース、ガラクトース、シュークロース等の
炭水化物、グリセロール等のアルコール類、酢酸、クエ
ン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸な
どの有機酸またはその塩、あるいはそれらの混合物を、
窒素原として硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム等の無機窒素化合物、尿素、ペプト
ン、カゼイン、酵母エキス、肉エキス、コーンスチーブ
リカー等の有機窒素化合物とそれらの混合物を挙げるこ
とができる。その他、リン酸塩、マグネシウム塩、カリ
ウム塩、マンガン塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩等の無機塩、
さらに必要に応じてビタミン類を加えてもよい。
【0007】本発明に係る微生物の培養も常法によれば
よく、例えばpHを6〜9、好ましくは6.5〜7.
5、培養温度は20〜40℃、好ましくは25〜37℃
の範囲で好気的に10〜96時間行うことが好ましい。
本発明に係る微生物を基質に作用させて目的とする光学
活性体を得るには、上記培養方法により得た微生物の
1)培養液に基質を加え反応させるか、あるいは2)遠
心分離等により得た菌体およびその菌体処理物(菌体破
砕物または菌体抽出液)、または3)それらを常法によ
り固定化したものを緩衝液等に混合し、これに基質を加
え反応させればよい。
よく、例えばpHを6〜9、好ましくは6.5〜7.
5、培養温度は20〜40℃、好ましくは25〜37℃
の範囲で好気的に10〜96時間行うことが好ましい。
本発明に係る微生物を基質に作用させて目的とする光学
活性体を得るには、上記培養方法により得た微生物の
1)培養液に基質を加え反応させるか、あるいは2)遠
心分離等により得た菌体およびその菌体処理物(菌体破
砕物または菌体抽出液)、または3)それらを常法によ
り固定化したものを緩衝液等に混合し、これに基質を加
え反応させればよい。
【0008】反応温度は15〜50℃が好ましく、反応
pHは4〜9で行なうのが好ましい。反応液中の基質濃
度は0.1〜80%(v/v)が好ましく、基質は初期に
一括して加えてもよいし、分割添加してもよい。反応は
通常撹拌あるいは振盪しながら行い、反応時間は基質濃
度、微生物菌体量等により異なるが1〜120時間で終
了させるのがよい。好ましくはガスクロマトグラフィー
等の分析により、目的とする光学活性体の光学純度を測
定して終点を決定するのがよい。この様にして得られた
反応液中に残存する光学活性化合物を回収精製するに
は、酢酸エチル等の溶媒を用いて抽出回収した後、蒸留
または各種クロマトグラフィー等の方法により行うこと
ができる。例えば、反応液から菌体を遠心分離で除いた
後、酢酸エチル等の溶媒で抽出する。抽出液を無水硫酸
マグネシウムにより脱水した後、減圧下で溶媒を除去
し、目的とする光学活性化合物の混合物シロップを得る
ことができる。
pHは4〜9で行なうのが好ましい。反応液中の基質濃
度は0.1〜80%(v/v)が好ましく、基質は初期に
一括して加えてもよいし、分割添加してもよい。反応は
通常撹拌あるいは振盪しながら行い、反応時間は基質濃
度、微生物菌体量等により異なるが1〜120時間で終
了させるのがよい。好ましくはガスクロマトグラフィー
等の分析により、目的とする光学活性体の光学純度を測
定して終点を決定するのがよい。この様にして得られた
反応液中に残存する光学活性化合物を回収精製するに
は、酢酸エチル等の溶媒を用いて抽出回収した後、蒸留
または各種クロマトグラフィー等の方法により行うこと
ができる。例えば、反応液から菌体を遠心分離で除いた
後、酢酸エチル等の溶媒で抽出する。抽出液を無水硫酸
マグネシウムにより脱水した後、減圧下で溶媒を除去
し、目的とする光学活性化合物の混合物シロップを得る
ことができる。
【0009】さらに精製するには、抽出、蒸留、各種ク
ロマトグラフィーなどの常法により行えばよい。本発明
に使用される微生物は、光学活性な1,2-ジアセトキシ-3
-クロロプロパンの加水分解活性を有する酵素を産生し
うる微生物であり、好ましくはシュードモナス(Pseudom
onas)属に属する菌、特に好ましくは下記の菌株であ
る。また、この様な菌の培養物あるいは菌由来の酵素も
同様に用いられる。本発明に使用される新規微生物は、
新たに土壌サンプルから分離されたものあり、DS-mk3株
と命名し、生理学的、菌学的諸性質からシュードモナス
(Pseudomonas)属に属するものであると同定された。
この菌株は工業技術院生命工学技術研究所に受託番号
FERM P−17325として、寄託されている。
ロマトグラフィーなどの常法により行えばよい。本発明
に使用される微生物は、光学活性な1,2-ジアセトキシ-3
-クロロプロパンの加水分解活性を有する酵素を産生し
うる微生物であり、好ましくはシュードモナス(Pseudom
onas)属に属する菌、特に好ましくは下記の菌株であ
る。また、この様な菌の培養物あるいは菌由来の酵素も
同様に用いられる。本発明に使用される新規微生物は、
新たに土壌サンプルから分離されたものあり、DS-mk3株
と命名し、生理学的、菌学的諸性質からシュードモナス
(Pseudomonas)属に属するものであると同定された。
この菌株は工業技術院生命工学技術研究所に受託番号
FERM P−17325として、寄託されている。
【0010】この菌株の生理学的、菌学的諸性質は下記
に示すとおりである。 各培地における生育状態 1.肉汁寒天平板培養(30℃、3日間培養)
に示すとおりである。 各培地における生育状態 1.肉汁寒天平板培養(30℃、3日間培養)
【0011】2.肉汁寒天斜面培養(30℃、3日間) 3.肉汁液体培養(30℃、3日間)
【0012】4.肉汁ゼラチン穿刺培養
【0013】5.生理学的試験
【0014】6.形態学的諸性質 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
発明はこれらに限定されるものではない。
【0015】
【実施例】実施例1.0.5M燐酸バッファー150ml (pH7.0)
に20gの光学活性な1,2-ジアセトキシ-3-クロロプロパン
とパンクレアチン粉末3gを加え室温で撹拌した。反応
開始15時間後、酢酸エチル150mlを加え残存するオイル
を抽出、水洗浄した。抽出液は、無水硫酸マグネシウム
で乾燥ののち、40℃、減圧下 酢酸エチルを留去し、重
量収率73.3%でオイルを得た。ガスクロマトグラフィー
分析の結果、1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパノール:
2-アセトキシ-3-クロロ-1-プロパノール=100:4であっ
た。
に20gの光学活性な1,2-ジアセトキシ-3-クロロプロパン
とパンクレアチン粉末3gを加え室温で撹拌した。反応
開始15時間後、酢酸エチル150mlを加え残存するオイル
を抽出、水洗浄した。抽出液は、無水硫酸マグネシウム
で乾燥ののち、40℃、減圧下 酢酸エチルを留去し、重
量収率73.3%でオイルを得た。ガスクロマトグラフィー
分析の結果、1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパノール:
2-アセトキシ-3-クロロ-1-プロパノール=100:4であっ
た。
【0016】ガスクロマトグラフィー分析条件 分析機器:島津製作所社製 GC-14B 使用キャピラリーカラム:astec社製 CHIRALDEX G-TA 3
0m;内径 0.25mm 分析温度:120℃、インジェクト温度:200℃ キャリアーガス:窒素(流量0.35ml/分)、スプリット
比:1/100、検出法:FID 200℃ 保持時間; R体1,2-ジアセトキシ-3-クロロプロパン :9.8分 S体1,2-ジアセトキシ-3-クロロプロパン :11.5分 R体1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパノール :9.2分 S体1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパノール :11.0分 R体2-アセトキシ-3-クロロ-1-プロパノール :12.9分 S体1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパノール :16.1分
0m;内径 0.25mm 分析温度:120℃、インジェクト温度:200℃ キャリアーガス:窒素(流量0.35ml/分)、スプリット
比:1/100、検出法:FID 200℃ 保持時間; R体1,2-ジアセトキシ-3-クロロプロパン :9.8分 S体1,2-ジアセトキシ-3-クロロプロパン :11.5分 R体1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパノール :9.2分 S体1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパノール :11.0分 R体2-アセトキシ-3-クロロ-1-プロパノール :12.9分 S体1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパノール :16.1分
【0017】実施例2.ポリペプトン1%w/v、酵母エキ
ス1%w/v、グリセリン1%w/v 初発pH7.0からなる培地10
0mlを500mlフラスコに入れ常法どおり、121℃10分間
加圧蒸気滅菌したのち、シュードモナス(Pseudomona
s)sp.DS-mk3株を植菌し、30℃、125回転で20時間培養
した。この培養液をpH7.0に1N HClで調整したのち、光
学活性な1,2-ジアセトキシ-3-クロロプロパン1gを加え
1時間30℃で撹拌した。残存するオイルは菌体を遠心除
去したのち実施例1と同様に酢酸エチル50mlで抽出し、
分析した。オイルは重量収率70.5%で回収された。ガス
クロマトグラフィー分析の結果、1-アセトキシ-3-クロ
ロ-2-プロパノール:2-アセトキシ-3-クロロ-1-プロパ
ノール=100:5.7であった。
ス1%w/v、グリセリン1%w/v 初発pH7.0からなる培地10
0mlを500mlフラスコに入れ常法どおり、121℃10分間
加圧蒸気滅菌したのち、シュードモナス(Pseudomona
s)sp.DS-mk3株を植菌し、30℃、125回転で20時間培養
した。この培養液をpH7.0に1N HClで調整したのち、光
学活性な1,2-ジアセトキシ-3-クロロプロパン1gを加え
1時間30℃で撹拌した。残存するオイルは菌体を遠心除
去したのち実施例1と同様に酢酸エチル50mlで抽出し、
分析した。オイルは重量収率70.5%で回収された。ガス
クロマトグラフィー分析の結果、1-アセトキシ-3-クロ
ロ-2-プロパノール:2-アセトキシ-3-クロロ-1-プロパ
ノール=100:5.7であった。
【0018】
【発明の効果】本発明方法を実施することにより、光学
活性な1,2-ジアセトキシ-3-クロロ-1-プロパノールか
ら、医薬などの原料として有用な光学活性な1-アセトキ
シ-3-クロロ-2-プロパノールを簡便に得ることができ
る。
活性な1,2-ジアセトキシ-3-クロロ-1-プロパノールか
ら、医薬などの原料として有用な光学活性な1-アセトキ
シ-3-クロロ-2-プロパノールを簡便に得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井戸垣 秀聡 兵庫県尼崎市大高洲町9番地 ダイソー株 式会社内 (72)発明者 畑田 美希 兵庫県尼崎市大高洲町9番地 ダイソー株 式会社内 (72)発明者 竹内 素子 兵庫県尼崎市大高洲町9番地 ダイソー株 式会社内 Fターム(参考) 4B064 AD64 CA02 CA21 CB02 CE08 DA20
Claims (6)
- 【請求項1】 光学活性な1,2-ジアセトキシ-3-ハロゲ
ノプロパンにそのエステルを加水分解する酵素またはそ
の酵素を産生しうる微生物もしくはその培養物を作用さ
せ、光学活性な1-アセトキシ-3-クロロ-2-プロパノール
を得る方法。 - 【請求項2】 エステルを加水分解する酵素がリパーゼ
である請求項1記載の光学活性な1-アセトキシ-3-ハロ
ゲノ-2-プロパノールを得る方法。 - 【請求項3】 エステルを加水分解する酵素がパンクレ
アチンである請求項1記載の光学活性な1-アセトキシ-3
-ハロゲノ-2-プロパノールを得る方法。 - 【請求項4】 光学活性な1,2-ジアセトキシ-3-ハロゲ
ノプロパンに微生物または微生物培養液を作用させ、光
学活性な1-アセトキシ-3-ハロゲノ-2-プロパノールを得
る方法。 - 【請求項5】 微生物がシュードモナス(Pseudomona
s)属に属する微生物である請求項4記載の光学活性な1
-アセトキシ-3-ハロゲノ-2-プロパノールを得る方法。 - 【請求項6】 微生物がシュードモナス(Pseudomona
s)sp. DS-mk3株である請求項4記載の光学活性な1-ア
セトキシ-3-ハロゲノ-2-プロパノールを得る方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11099991A JP2000287696A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | 光学活性な1−アセトキシ−3−ハロゲノ−2−プロパノールの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11099991A JP2000287696A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | 光学活性な1−アセトキシ−3−ハロゲノ−2−プロパノールの製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000287696A true JP2000287696A (ja) | 2000-10-17 |
Family
ID=14262119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11099991A Pending JP2000287696A (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | 光学活性な1−アセトキシ−3−ハロゲノ−2−プロパノールの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000287696A (ja) |
-
1999
- 1999-04-07 JP JP11099991A patent/JP2000287696A/ja active Pending
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