JP4069263B2 - 耐熱キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はジュース、清酒又は麺つゆ等のような、容器に充填する際に加熱して行なうところの、容器に用いられる耐熱キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来上記のような目的に使用される耐熱キャップは一般に図4に示すように形成されている。同図において51は容器であり、一例としての瓶を示す。52はその口部であり、その上端部の外周に環状の係合突起53、凹部54が形成され、かつその下方に環状の突出部55が形成されている。10は中栓であり、合成樹脂、一例としてポリエチレンにより形成され、内筒1、中筒2、上壁3を有し、無端状の裂溝6を有する口壁7が設けられている。8は裂取部材、56は受部、5は注筒を示す。又9は前記係合突起53と係止する環状の係止突起を示す。次に13は外蓋であり、耐熱性の高い合成樹脂、一例としてポリプロピレンにより形成され、外筒11、蓋体12がヒンジ19により一体に形成されている。そして前記外筒11の下端部14は前記受部56に達して位置させられており、かつ外筒11の上部内側に、内方に、環状に突出する掛止突起20が設けられ、この掛止突起20が前記上壁3上に設けられた環状の掛合突起21に、上下方向に掛止させて設けられている。又前記蓋体12はその内周面一部に設けられた係止部57が、前記係止突起20一部の上部に設けられた係合部58に、閉止の際に上下に軽く係合するようになっている。59は前記注筒5と密接する環状の中足を示す。
【0003】
この耐熱キャップは、前記のように構成されていることにより、前記のような加熱して充填する液体商品の容器に用いられ、外筒11の耐熱性合成樹脂の圧接により、中筒2の、前記容器51内に充填された図示しない加熱液体が口部52を伝ってもたらす熱により、中筒2の弾性変形の弾性が減少して密閉の減少するのを補っている。即ち、それにより密閉の減少を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前記のように構成された従来の耐熱キャップは次に述べるような問題を有している。それは容器51の内容の液体商品を消費し、この容器51をリサイクル用資源として回収する場合、容器51と前記耐熱キャップを分離する必要が生じる。即ち前記耐熱キャップを容器口部52から取り外さなければならない。しかし前記耐熱キャップはその係止突起9が、前記係合突起53と上下方向に固く係止しているため容易に取り外すことができない。かつ又栓抜き等の取り外し器具を用いようとしても、前記受部56の下面は容器口部52の突出部55により遮られていて、栓抜き等の取り外し器具を用いることができない。この発明は上記のような問題を解決するためになされたもので、その目的は容器の口部52に装着する際は打栓形式のキャップであって打栓により容易に装着でき、しかも容器の口部52からの取り外しがきわめて容易な、容器51のリサイクル用に適した耐熱キャップを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するこの発明の耐熱キャップについて述べると、それは、合成樹脂により形成され、容器の口部を内外から圧接挟持する内筒1及び中筒2が、上壁3により一体に形成された挟持部4;該挟持部4に一体に設けられた注筒5;該注筒5内側に一体に形成された、無端状の裂溝6を有する口壁7;該口壁7上で前記裂溝6内側に設けられた裂取部材8;前記中筒2内側に設けられた、前記口部の上端部外周に形成された環状の係合突起と係止する係止突起9;前記各構成1〜9により形成された中栓10;該中栓10の、前記中筒2外周一部に圧接する外筒11と蓋体12から成り、かつ前記中栓10を形成する合成樹脂よりも軟化温度が高く、水の沸点よりも高い軟化温度を有し、かつ硬度も高い合成樹脂により形成された外蓋13;前記上壁3上に設けられた掛合突起21に、上下方向に掛止させられた、前記外筒11上部に内向きに設けられた掛止突起20;前記中筒2外周の、前記係止突起9の上下部の間に対応する位置に位置せしめられた、前記外筒11の下端部14;前記中筒2の内面で、前記係止突起9の上下部のうちのいずれか選ばれた一方に接して形成された周方向の弱化ライン15;前記中筒2の下端部16から前記弱化ライン15に連通して形成された弱化部17;から成る耐熱キャップにおいて;前記弱化ライン15と前記外筒11の下端部14を内外方向においてほぼ一致させたことを特徴とする耐熱キャップである。
【0006】
又、外筒11の下端部14は中筒2の、係止突起9上部に対応する位置に位置し、かつ弱化ライン15は中筒2の内面で、係止突起9の上部に接して形成されている前記耐熱キャップである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1において10は合成樹脂、一例としてポリエチレンにより形成された中栓であり、挟持部4により容器51の口部52に装着されている。前記挟持部4は前記口部52に圧接する内筒1と中筒2及び上壁3から成っている。なおこの発明において、図4に示す前記従来例と同一の部分は同一の図面符号を付し、その名称、機能を同一とするものである。5は上壁3上に設けられた注筒であり、その内側に、無端状の裂溝6を有する口壁7が一体に形成されている。8は口壁7上で裂溝6内側に設けられたプルリング状の裂取部材である。次に9は前記中筒2の内側に設けられた環状の係止突起で、この耐熱キャップを容器の口部52に打栓の際、口部52の上端部外周に形成した環状の係合突起53と係止させられるようになっている。
【0008】
次に13は外蓋であり、前記中栓10を形成する合成樹脂よりも熱に対する軟化温度が高く、水の沸点よりも高い軟化温度を有し、かつ硬度も高い合成樹脂、一例としてポリプロピレンにより形成されており、前記中筒2外周に圧接させられた外筒11、蓋体12から成っている。19は両者11、12間に設けられたヒンジを示す。又20は前記外筒11の上部の内側に設けられた環状の掛止突起であり、図示のように前記上壁3上に設けられた環状の掛合突起21と上下方向に掛止させられている。
そして前記外筒11の下端部14は前記中筒2外周の、前記係止突起9の上下部の間に対応する位置に位置せしめられている。即ち図1においては係止突起9の上部に対応する位置に、位置させられている。
そしてこの位置において前記係止突起9を口部52方向に圧接付勢させることに役立たせることができる。57は係止部、58は係合部であり、この両者57、58は蓋体12の閉止の際に上下に軽く係止するようになっている。
次に15は前記中筒2の、前記係合突起9の上下部のうちのいずれか一方に接して形成された弱化ラインであり、一例として薄肉部に形成され、中筒2の全周に亘って形成されてもよく、又は部分的に形成されてもよい。図1に示すものは係止突起9の上部に接して形成されたものである。
なお、この弱化ライン15は薄肉部の外にミシン目、連続した穴、又はそれらの組合わせ等であってもよい。
【0009】
次に図2において、17は前記中筒2の下端部16から前記弱化ライン15に連通して形成された弱化部であり、一例として薄肉に形成されている。但しこの弱化部17は薄肉の外ミシン目、連続した穴、又はそれらの組み合わせであってもよい。22は摘みであり、中筒2外周の弱化部近傍に設けられ、これを引っ張ることにより弱化部17及び弱化ライン15が裂切れるようになっている。
この耐熱キャップは前記のように加熱した液体商品を充填した容器に装着した場合、その液体商品の熱が口部52を伝って中栓10の中筒2に及び、圧接している該中筒2を加熱によりその弾性変形による圧接を減少させる。しかし該中筒2の外側に、該中筒より熱に対する軟化点の高い、かつ水の沸点より高い軟化温度を有し、しかも硬度も高い合成樹脂製の外筒1が圧接していることにより、前記中筒2の圧接の減少分は外筒11の圧接により補われ、これにより密閉の減少は実用上差支えない範囲に留めることができる。
【0010】
そしてその容器51内の液体商品を消費し、該容器51を資源として回収する場合、前記中筒2を、弱化部17から裂き切ると、これに連通している弱化ライン15も裂切られる。この場合該弱化ライン15は係止突起19の上下部のうちのいずれか選ばれた一方に接して形成されており、このため係止突起9の上部又は下部が周方向に裂切られる。そしてこの場合前記外筒11は前記従来のように中筒2の下端部16迄達してなく、その外筒11の下端部14は前記係止突起9に対応する位置に位置させられたことにより、係止突起9を内方に加圧することができ、しかも該外筒11の存在にもかかわず前記弱化ライン15を裂切ることができる。
なおこの裂切りは、弱化ライン15が全周に亘って形成されている場合は全周で裂切ってしまってもよく、部分的に形成されている場合は部分的に裂切ればよい。そして弱化ライン15が係止突起9の上部に接して形成されている場合、弱化ライン15を部分的に裂切った場合は係止突起9の圧接を弱めることができるから、又弱化ライン15を全周に亘り裂切った場合は係止突起9の圧接はなくなるから、共に図3に示すようにその裂切り部に、指23を当てがい、上方に付勢することにより容易にこの耐熱キャップを容器の口部から外すことができる。
【0011】
又前記弱化ライン15と外筒11の下端部14を内外方向においてほぼ一致させたものは、外筒11の、中筒2より高い硬度の剛性により変形が少ないため裂切りの力が直達し、爽快に裂切りの開始をさせることができる。
又上記各裂切りの開始は図2に示すように弱化部17に接して、又は近傍に設けた摘み22を摘んで外方に引っ張ることにより、力が加え易く、引裂きの開始が一層容易にできる。
更に上記のように取り外す場合、前記中栓10の掛合突起21は前記外筒11上部の掛止突起20と係合させられて広範囲に一体化させられるから、指23は中栓10より硬度の高い、即ち剛性の大きい外蓋13に接して取り外すことができるから、比較的柔軟な中栓10を直接一部分に接して取り外す場合に較べ、中栓10の部分的な弾性変形による力の分散が少く、従って爽快に外しとることができる。
【0012】
【発明の効果】
この発明の耐熱キャップは前記のように構成されたことにより、加熱した液体商品を充填した容器51の口部52に装着した場合に、前記液体商品の、前記口部52を伝わってもたらされる熱による密閉の低下を実用上差支えない範囲に留めることができると共に、容器51の資源としてのリサイクルに際しては、弱化部17、及びこれにつながる弱化ライン15を裂切るだけの簡単な動作により、きわめて容易に容器51の口部52から外し取ることができる。
又、前記外筒11は前記従来のように中筒2の下端部16迄達してなく、その外筒11の下端部14は前記係止突起9に対応する位置に位置させられたことにより、係止突起9を内方に加圧することができ、しかも該外筒11の存在にもかかわず前記弱化ライン15を裂切ることができる。
更に、前記弱化ライン15と外筒11の下端部14を内外方向においてほぼ一致させたので、外筒11の、中筒2より高い硬度の剛性により変形が少ないため裂切りの力が直達し、爽快に裂切りの開始をさせることができる。
請求項2の耐熱キャップは栓抜き等の器具を用いることなく指23によりきわめて容易に外し取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を示し、耐熱キャップの、容器に装着した場合の断面図である。
【図2】 図1に示す耐熱キャップの側面一部断面図である。
【図3】 図1に示す耐熱キャップの、容器から外す状態を示す図である。
【図4】 従来の耐熱キャップの、容器に装着した場合の断面図である。
【符号の説明】
1 内筒
2 中筒
3 上壁
4 挟持部
5 注筒
6 裂溝
7 口壁
8 裂取部材
9 係止突起
10 中栓
11 外筒
12 蓋体
13 外蓋
14 下端部
15 弱化ライン
16 中筒の下端部
17 弱化部
Claims (2)
- 合成樹脂により形成され、容器の口部を内外から圧接挟持する内筒1及び中筒2が、上壁3により一体に形成された挟持部4;該挟持部4に一体に設けられた注筒5;該注筒5内側に一体に形成された、無端状の裂溝6を有する口壁7;該口壁7上で前記裂溝6内側に設けられた裂取部材8;前記中筒2内側に設けられた、前記口部の上端部外周に形成された環状の係合突起と係止する係止突起9;前記各構成1〜9により形成された中栓10;該中栓10の、前記中筒2外周一部に圧接する外筒11と蓋体12から成り、かつ前記中栓10を形成する合成樹脂よりも軟化温度が高く、水の沸点よりも高い軟化温度を有し、かつ硬度も高い合成樹脂により形成された外蓋13;前記上壁3上に設けられた掛合突起21に、上下方向に掛止させられた、前記外筒11上部に内向きに設けられた掛止突起20;前記中筒2外周の、前記係止突起9の上下部の間に対応する位置に位置せしめられた、前記外筒11の下端部14;前記中筒2の内面で、前記係止突起9の上下部のうちのいずれか選ばれた一方に接して形成された周方向の弱化ライン15;前記中筒2の下端部16から前記弱化ライン15に連通して形成された弱化部17;から成る耐熱キャップにおいて;
前記弱化ライン15と前記外筒11の下端部14を内外方向においてほぼ一致させたことを特徴とする耐熱キャップ。 - 外筒11の下端部14は中筒2の、係止突起9上部に対応する位置に位置し、かつ弱化ライン15は中筒2の内面で係止突起9の上部に接して形成されている請求項1記載の耐熱キャップ。
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