JP4068084B2 - 車両用シートベルト装置 - Google Patents
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Description
このシートベルト装置では、シートバック内上部に設けられる横フレームの真下にシートベルトリトラクタが取り付けられており、シートベルトがこのシートベルトリトラクタから横フレームをその後側から上方に回り込んでシートバック前側に引き出され、この横フレームにシートベルトをシートバック前側に案内するベルトガイドが設けられ、このベルトガイドを覆うように樹脂製のカバーが設けられている。
このように切欠きが形成されているのは、シートベルトBにはタングプレートとシートベルトBのシートベルトリトラクタとは反対の端部をシート等に結合するための端部金具が設けられているが、ベルト挿通孔35は見栄えを良くするためにできるだけ小さく形成されており、シートベルト装置組み付け時にタングプレートおよび端部金具をベルト挿通孔35に通すことができないためである。
このシートベルト装置は、シートベルトリトラクタを車体ルーフ部に設けたもので、ルーフトリムの開口部をブラケットとリトラクタカバーとにより狭着することにより、リトラクタカバーが車室側に突出する状態でルーフトリムに装着されるものである。
リトラクタカバー7は、全体形状が車室内8側に突出するように凹状を呈しており、その一端側にはシートベルト1のガイド部7aが形成されている。そしてガイド部7aには、シートベルト1及びタング13が挿通する開口7a2が設けられて、開口部7a2には、蓋体12が複数の係止突起12aを用いて係着嵌合しており、この結果蓋体12の先端と開口7a2とが隙間を形成して、シートベルト1の出入開口部7a1を残している(特許文献2の段落「0019」参照)。
また、これを防止するために、切欠きをベルト挿通孔35の後縁部に形成することが考えられるが、そうすると切欠きがシートベルトで隠れず露出してしまうため見栄えが悪くなるという問題がある。
よって、タングプレートも挿通可能な貫通孔をカバー部材に形成することで、従来の切欠きを通じてシートベルトが外れる問題を解消すると同時に、蓋部材によって外観を保つことができる。さらに、移動規制部材が、シートベルトの幅方向のズレを防ぎつつ、蓋部材の撓み防止にも貢献するため、部品点数の増加を防止できる。
ここで、図1は、本発明の車両用シートベルト装置を装着したシートの正面図であり、図2は、シートバックの上角部拡大図である。
シートバックフレーム301は、図2、図3に示すように、シートバック30の上端に水平方向に配置された丸パイプ製のアッパフレーム31と、該アッパフレーム31の左右両端部の下面から下方に延在するサイドフレーム33と、このアッパフレーム31とサイドフレーム33とが交差する車両外方向の角部後面に設けられ、前記シートベルトリトラクタ11が取り付けられるブラケット35等からなる。
図2に示されたガイド部材311は、図5、図6の断面図で明らかなように、後面がアッパフレーム31の後部円周面に沿って斜め上方に延在するガイド面3111を有し、その左右両端を前方に折り曲げた後部材3101と、一方、平面断面で凹字状に折り曲げて二つの前面3115を形成し、その左右両端を後方に折り曲げて前記後部材3101の両端に重合させて接続した前部材3102とからなり、この後部材3101と前部材3102との上端を接続して三角柱状に形成したものである。
そして、移動規制部材313は、その連結部3131が前記ガイド部材311の後部材3101のガイド面3111との間で、前記タングプレート13と前記端部金具14が通過可能な間隔を有する挿通孔317が形成されるように、両脚部3133により前記ガイド部材311の左右両端部に溶接されている。
以上のように構成されたシートバックフレーム301は、クッション材と表皮材により上記ベルトガイド部3011を除いて被覆されて、シートバック30が組み立てられる。
なお、前記後部材3101のガイド面3111とブラケット35の後面には、シートベルト12が容易に滑動するように合成樹脂製の滑動板37が取り付けられている。
切欠き部4115は、前記タングプレート13と前記端部金具14とを挿通可能な大きさを有する。また、摺動部4111は、タングプレート13と前記端部金具14とを切欠き部4115から挿通後、シートベルト12が摺動可能な隙間を有し、その周囲には、前記椀の内部に向かって先細の断面形状となるようにフランジが設けられている。
そして、車両前方に位置するフランジは、カバー部材40が取り付けられたときに、前記ガイド部材311の後部材3101の傾斜に沿うような角度に形成されている。
一方、蓋部材45の係止部455には、挿通孔閉塞部451の近傍で前記円形突起4131に対応する円形の係止孔4551と、切欠き閉塞部453と平行で前記係止爪4151が係合する係止溝4553と、切欠き閉塞部453の終端に形成され前記係止突起4153に係合する係止辺4555とが形成されている。
これにより、カバー本体部41の切欠き閉塞部453がカバー本体部41の切欠き部4115を閉塞し、その外面はカバー本体部41の外面と略連続するように閉塞されるとともに、カバー本体部41の貫通孔411の周囲に設けたフランジの、前記切欠き部4115で欠損していた部分が、蓋部材45の貫通孔閉塞部451により、全周に渡ってフランジが形成されるようになり、カバー部材で見栄えよくベルトガイド部を覆うことができる。
そうすると、カバー本体部41および蓋部材45の内側面が前記移動規制部材313の連結部3131に当接するように固定される。その結果、蓋部材45は、内側からは移動規制部材313により、外側からはカバー本体部41により支持されることとなる。
その後、端部金具14をシートクッションScの側面で前記シートベルトリトラクタ11が取り付けられている側に固定する。
シートベルト12が引き出されるとき、シートベルト12はベルトガイド部3011の移動規制部材313の左右の脚部3133によりガイドされて左右に外れることはなく、さらに、カバー本体部41の摺動部4111により案内されて円滑に引き出すことができる。
また、シートベルト12に急激な引張力が掛かった場合には、カバー部材40には貫通孔411の摺動部4111の前側のフランジを押圧する力が掛かり、蓋部材45も影響を受けることになるが、蓋部材45がその内側で移動規制部材313により支持されているので、蓋部材45は外れることなく飛散せずに安全に使用することができる。
12 シートベルト本体
13 タングプレート
14 端部金具
30 シートバック
301 シートバックフレーム
3011 ベルトガイド部
31 アッパフレーム
311 ガイド部材
313 移動規制部材
317 挿通孔
40 カバー部材
41 カバー本体部
411 貫通孔
4111 摺動部
4115 切欠き部
45 蓋部材
451 貫通孔閉塞部
453 切欠き閉塞部
Claims (2)
- シートベルトリトラクタと、
一端がシートベルトリトラクタに結合され、他端がタングプレートをバックルに連結して装着されるシートベルトと、
シートベルトの裏面に摺接してその長手方向の滑動を案内するガイド部材と、
シートベルトがこのガイド部材に対してその幅方向へ摺動するのを規制する移動規制部材と、
ガイド部材および移動規制部材を被覆し、かつ、シートベルトが貫通する貫通孔が形成されたカバー部材と、を備え、
前記タングプレートが、カバー部材の貫通孔を挟んでシートベルトリトラクタと反対側にあるシートベルトに沿って移動するように構成されるシートベルト装置であって、
前記貫通孔は、少なくとも前記タングプレートを挿通可能に構成されるとともに、
前記カバー部材は、前記貫通孔を閉塞する蓋部材を備え、
前記蓋部材は、
前記カバー部材の内側で、前記移動規制部材が当該蓋部材の内周面に当接した状態で固定され、前記カバー部材に支持されていることを特徴とする車両用シートベルト装置。 - 車両用シートまたは車両フロアに設けられたシートベルトリトラクタと、
一端が前記シートベルトリトラクタに引き出し巻き取り可能に結合され、他端が端部金具により前記シートまたは車両フロアに結合されたシートベルトと、
前記シートベルトに摺動可能に挿通されたタングプレートと、
前記シートの他側部またはその付近の車両フロアに設けられ、前記タングプレートを結合分離可能なバックルと、
前記シートのシートバックの頂上部に設けられ、前記シートベルトを引き出す際に該シートベルトをその裏面に摺接して案内するガイド部材および該ガイド部材とともに前記シートベルトが挿通される挿通孔を形成して該シートベルトの左右方向の移動を規制する移動規制部材と、
前記ガイド部材および前記移動規制部材を覆うとともに、前記シートベルトが貫通する貫通孔が形成されたカバー部材とを備えた車両用シートベルト装置において、
前記カバー部材は、前記タングプレートと前記端部金具が通過可能な貫通孔が形成されたカバー本体部と、
前記貫通孔に前記タングプレートと前記端部金具を通過させて前記シートベルトを挿通させた後、前記カバー本体部に取り付けられ、前記シートベルトが摺動する摺動部を残して前記貫通孔の一部を閉塞する蓋部材とを備えており、
前記蓋部材は、
前記カバー部材の内側で、前記移動規制部材が当該蓋部材の内周面に当接した状態で固定され、前記カバー本体部に支持されていることを特徴とする車両用シートベルト装置。
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