JP4067676B2 - 車両用ディスクブレーキのハンガーピン抜止め構造 - Google Patents

車両用ディスクブレーキのハンガーピン抜止め構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4067676B2
JP4067676B2 JP02522599A JP2522599A JP4067676B2 JP 4067676 B2 JP4067676 B2 JP 4067676B2 JP 02522599 A JP02522599 A JP 02522599A JP 2522599 A JP2522599 A JP 2522599A JP 4067676 B2 JP4067676 B2 JP 4067676B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pin
insertion hole
hole
hanger
plug
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02522599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000220668A (ja
Inventor
健 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Nissin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissin Kogyo Co Ltd filed Critical Nissin Kogyo Co Ltd
Priority to JP02522599A priority Critical patent/JP4067676B2/ja
Publication of JP2000220668A publication Critical patent/JP2000220668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4067676B2 publication Critical patent/JP4067676B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車や自動二輪車等の車両に用いられるディスクブレーキに係り、詳しくは、デイスクロータの両側部に配設される一対の摩擦パッドを吊持するハンガーピンの抜止め構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクロータと摺接する摩擦パッドをハンガーピンに吊り下げる形式のディスクブレーキとして、例えば、特開平10−184746号公報や実開平4−127436号公報に示されるものがある。
【0003】
前者のディスクブレーキは、パッド押動部であるキャリパボディの双方の作用部をディスクロータの両側部に対向配置し、両作用部のディスクロータ外周縁よりも外側で対向する隆条部に、めねじ孔とピン係止孔とをディスク軸方向の軸線上に連続して設け、一方のピン係止孔にハンガーピンの先端を挿通し、該ハンガーピンの頭部外周のおねじを他方のめねじ孔に螺着して、キャリパボディの双方のパッド押動部にハンガーピンを掛け渡すと共に、前記めねじ孔の反ディスクロータ側に緩み止め用のナットを螺着して、該ナットとハンガーピン頭部の先端面同士を当接させることにより、ハンガーピンを抜け止めしている。
【0004】
また後者のディスクブレーキは、キャリパボディの両作用部のディスクロータ外周縁よりも外側で対向する隆条部に、ピン係止孔をディスク軸方向の軸線上に連続して設け、該ピン係止孔に両端を挿通して、前記双方のパッド押動部に掛け渡されるハンガーピンを、ばね用の線材で形成された弾性クリップで抜け止めするものであって、中間部に前記ハンガーピンよりも小径のループ部を備えた線材の両端部を一側方へ平行に折曲して、前記ループ部を拡縮するつまみ部を形成し、該つまみ部の先端部を鈎形の係止部を形成して前記弾性クリップとなすと共に、該係止部を前記キャリパボディに穿設されたクリップ係止孔に係止することにより、前記ループ部を前記ピン係止孔のいずれか1つの開口部に臨ませて配置し、該ループ部に前記ハンガーピンを挿通して、該ハンガーピンに形成された係合溝にループ部を係合することにより、ハンガーピンを抜け止めしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ハンガーピンをロックナットで抜け止めする前者のものでは、専用工具を用いてロックナットを規定のトルクで締め付けしなければならないという煩わしさがあり、さらにロックナットを規定のトルクで締め付けた場合にも、ロックナットが車体振動等で緩む懸念がある。
【0006】
また、ハンガーピンを弾性クリップで抜け止めする後者のものでは、キャリパボディにクリップ係止孔を専用に加工しなければならず、さらに双方のピン係止孔の反ディスクロータ側に、ハンガーピンの頭部と先端とを突出させるために、ハンガーピンの全長と重量が増加してしまう。
【0007】
そこで本発明は、ハンガーピンの抜け止めを工具を用いることなく簡便に行うことができ、また車体振動等の外力が作用した場合にもハンガーピンを確実に抜け止めすることのできる構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的に従って、第1の発明では、ブリッジ部の両端に連続するキャリパボディのパッド押動部をディスクロータの両側部に対向配置し、両パッド押動部のピン装着孔に先端側と基端側とを挿通して両パッド押動部間に架設されるハンガーピンにて、両パッド押動部間に前記ディスクロータを挟んで配設される一対の摩擦パッドをディスク軸方向へ移動可能に吊持する車両用ディスクブレーキにおいて、前記ピン装着孔のいずれか一方を、ディスクロータ側へ開口する軸挿通孔と、反ディスクロータ側へ開口する差し込み孔とをこれらよりも大径の係止孔でつないで形成し、前記ハンガーピンを前記軸挿通孔に挿通して、該ハンガーピン基端の大径な頭部の端面を前記係止孔に配設し、前記ピン装着孔のハンガーピンよりも反ディスクロータ側に抜け止め用のプラグを係脱可能に設けると共に、該プラグに、前記係止孔の内部で前記ハンガーピンの頭部端面と対峙するプラグ本体と、該プラグ本体に連続し、且つ自由状態において前記差し込み孔と前記係止孔との段部に係合する複数の係止部と、該係止部に連続して前記差し込み孔から反ディスクロータ側へ突出して配設され、前記複数の係止部を前記ピン装着孔の半径方向内外に移動させて該係止部を前記段部に係脱させる複数のつまみ部とを設ける。
【0009】
双方のパッド押動部に掛け渡されたハンガーピンは、係止孔内部の頭部端面にプラグのプラグ本体を対峙させ、該プラグの係止部を、ピン装着孔の係止孔と差し込み孔との段部に係着することによって抜け止めされる。また、キャリパボディからハンガーピンを取り外す場合には、差し込み孔から反ディスクロータ側へ突出する複数のつまみ部の端部をピン装着孔の半径方向内側へつまむことにより、係止孔と差し込み孔との段部に係合している複数の係止部が半径方向内側へ移動して段部から外れ、該係止部を差し込み孔の径内に位置させた状態でプラグを引き抜くことにより、ハンガーピンの引き抜きが可能となる。
【0010】
また、第2の発明では、ブリッジ部の両端に連続するキャリパボディのパッド押動部をディスクロータの両側部に対向配置し、両パッド押動部のピン装着孔に先端側と基端側とを挿通して両パッド押動部間に架設されるハンガーピンにて、両パッド押動部間に前記ディスクロータを挟んで配設される一対の摩擦パッドをディスク軸方向へ移動可能に吊持する車両用ディスクブレーキにおいて、前記ピン装着孔のいずれか一方を、ディスクロータ側へ開口する小径の軸挿通孔と、反ディスクロータ側へ開口する大径の差し込み孔とをつないで形成し、該差し込み孔の反ディスクロータ側に周溝を形成し、前記ハンガーピンを前記軸挿通孔に挿通して、該ハンガーピン基端の大径な頭部を前記差し込み孔のディスクロータ側に配設し、該差し込み孔の反ディスクロータ側に抜け止め用のプラグを係脱可能に設けると共に、該プラグに、前記差し込み孔の内部で前記ハンガーピンの頭部端面と対峙するプラグ本体と、該プラグ本体に連続し、且つ自由状態において前記周溝に係合する複数の係止部と、該係止部に連続して前記差し込み孔から反ディスクロータ側へ突出して配設され、前記複数の係止部を前記ピン装着孔の半径方向内外に移動させて該係止部を前記周溝に係脱させる複数のつまみ部とを設ける。
【0011】
本発明で双方のパッド押動部に掛け渡されたハンガーピンは、差し込み孔内部の頭部端面にプラグのプラグ本体を対峙させ、該プラグの係止部を、差し込み孔の周溝に係着することによって抜け止めされる。また、キャリパボディからハンガーピンを取り外す場合には、差し込み孔から反ディスクロータ側へ突出する複数のつまみ部の端部をピン装着孔の半径方向内側へつまむことにより、周溝に係合している複数の係止部が半径方向内側へ移動して周溝から外れ、該係止部を差し込み孔の径内に位置させた状態でプラグを引き抜くことにより、ハンガーピンの引き抜きが可能となる。
【0012】
第3の発明では、上述の第1発明または第2発明において、ハンガーピンの頭部端面に工具掛け孔を凹設し、該工具掛け孔をプラグ本体にて覆うもので、プラグ本体が工具掛け孔に土砂が侵入して埋まるのを防止する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各形態例を図面に基づいて説明する。
【0014】
図中、図1〜図4は本発明の第1形態例を示し、図1は図2のI−I断面図、図2はディスクブレーキの一部断面正面図、図3はディスクブレーキの一部断面平面図、図4はハンガーピンとプラグの分解斜視図である。図5は本発明の第2形態例を示すハンガーピンとプラグの分解斜視図、図6は本発明の第3形態例を示すハンガーピンとプラグの分解斜視図である。図7及び図8は本発明の第4形態例を示し、図7はディスクブレーキの要部断面図、図8はハンガーピンとプラグの分解斜視図である。
【0015】
図1〜図4の第1形態例に示すディスクブレーキ1は、図示しない車輪と矢印A方向へ一体に回転するディスクロータ2と、該ディスクロータ2をブリッジ部3cで跨いで配設される4ポットピストン対向型のキャリパボディ3と、該キャリパボディ3の作用部3a,3bの間にディスクロータ2を挟んで配設される一対の摩擦パッド4,4とからなっている。キャリパボディ3は、ブリッジ部3cの中央部から2分割されたキャリパ半体3d,3eのディスク回入側と回出側の両側部を、それぞれ2本の連結ボルト5,5で連結して構成されており、一方のキャリパ半体3dのディスク回出側とデイスク半径方向内側に延設された車体取り付け腕3f,3gの先端をボルト止めにて車体に固着されている。
【0016】
一方のキャリパ半体3dには作用部3aとブリッジ部3cの半分が設けられ、また他方のキャリパ半体3eには作用部3bとブリッジ部3cの半分が設けられている。作用部3a,3bは、本発明のパッド押動部に相当するもので、各作用部3a,3bにディスクロータ側を開口して設けられた大小4つのシリンダ孔6に、それぞれコップ状のピストン7が液密且つ移動可能に内挿され、該ピストン7とシリンダ孔6との底壁間にそれぞれ液圧室8が画成される。
【0017】
車体取り付け側となる一方の作用部3aには、ユニオン孔9が作用部3a内の液圧室8,8に連通して設けられ、さらに双方の4つの液圧室8が図示しない液通孔にて連通されていて、ユニオン孔9から導入された作動液が各液圧室8へ供給されると共に、作動液中に混入するエアを一方の作用部3aに螺着したブリーダスクリュ10を通して外部へ排出できるようにしている。
【0018】
前記摩擦パッド4は、ディスクロータ2の側面に摺接するライニング11と、ハンガーピン13に保持される裏板12とからなっており、裏板12の上部中央に延びる吊下げ片12aには、ハンガーピン13が差込まれるピン孔12bが穿設されている。作用部3a,3bのディスク半径方向外側には、隆条部3h,3iが天井開口部14を挟んで設けられており、該隆条部3h,3iには、ハンガーピン13を挿通するピン装着孔3j,3kがディスク軸方向の軸線上に設けられている。
【0019】
作用部3a側のピン装着孔3jは、ディスクロータ側へ開口する段状の軸挿通孔3mと、反ディスクロータ側へ開口する差し込み孔3nとを、これらよりも大径の係止孔3oでつないで形成されており、また作用部3b側のピン装着孔3kは、隆条部3iのデイスクロータ側と反ディスクロータ側とに同一径で貫通するストレート孔に形成されている。ピン装着孔3jの軸挿通孔3mの反ディスクロータ側にはめねじ3pが刻設され、係止孔3oのディスクロータ側は、軸挿通孔3mへ向けて窄まるテーパ状に形成されている。
【0020】
前記ハンガーピン13は、軸部13aの基端に大径の頭部13bが設けられ、該頭部13bの外周面におねじ13cが刻設されると共に、頭部13bの端面13dに六角形の工具掛け孔13eが凹設されている。ハンガーピン13は、軸部13aを一方の作用部3aのピン装着孔3jの差し込み孔3nより差し込んで、軸挿通孔3mから突出する軸部13aの先端を作用部3b側のピン装着孔3kへ差し込み、さらに頭部13aの工具掛け孔13eに差し込んだ六角棒スパナ(図示しない)にて、頭部13a外周のおねじ13cを軸挿通孔3mのめねじ3pに螺着して取り付けしたのち、ピン装着孔3jの差し込み孔3nと係止孔3oとにプラグ15を係着して抜け止めされる。
【0021】
上記プラグ15は、円板状のプラグ本体15aと、該プラグ本体15aから一側方へ相対向して延びる一対の係止部15b,15bと、該係止部15b,15bから平行に突出する一対のつまみ部15c,15cとよりなっている。プラグ本体15aは、ピン装着孔3jの差し込み孔3nよりも小径で、且つハンガーピン13の工具掛け孔13eよりも大きく形成されており、また係止部15b,15bは、プラグ本体15aから外側へ傾斜するテーパ状のガイド部15dと、該ガイド部15dからつまみ部15cにプラグ本体15aと平行に連なる平板状の当接部15eとのく字状に形成されている。
【0022】
係止部15b,15bとつまみ部15c,15cには適度な弾性力が設定されていて、つまみ部15c,15cをつまんだり離したりすることにより、係止部15b,15bを内外方向へ移動させることができるようにしている。係止部15b,15bの当接部15e,15eは、つまみ部15c,15cをつまみ操作しない自由状態において、差し込み孔3nの直径の内外に跨るように設定されており、つまみ部15c,15cをつまみ操作した場合には、双方の当接部15e,15eが差し込み孔3nの直径よりも小さくすぼみ、またつまみ部15c,15cのつまみ操作を解除した場合には、当接部15e,15eが差し込み孔3nの内外に亙る自由状態に復帰するようになっている。
【0023】
このように構成されるプラグ15は、ハンガーピン13を上述のようにして取り付けしたのち、つまみ部15c,15cの先端を内側へつまんで、自由状態の係止部15b,15bを差し込み孔3nよりも小さくすぼめながら、係止部15b,15bの全体をピン装着孔3jの係止孔3oに差し入れて、つまみ部15c,15cから手を離すことにより、係止部15b,15bがピン装着孔3jの半径方向外側へ拡がって自由状態に復帰し、該係止部15b,15bの当接部15e,15eが差し込み孔3nと係止孔3oとの段部3qに係合して、プラグ15自体が抜け止めされる。
【0024】
この取り付けにより、プラグ本体15aがハンガーピン13の頭部13bの端面13dに密着または近接して位置し、該プラグ本体15aにてハンガーピン13がピン装着孔3j側へ抜け出るのを防止すると共に、プラグ本体15aがハンガーピン13端面13dの工具掛け孔13eを覆って、工具掛け孔13eがピン装着孔3jから侵入した土砂で目詰まりするのを有効に防止する。
【0025】
また、摩擦パッド4,4の交換やメンテナンス等でハンガーピン13をキャリパボディ3から取り外す場合には、ピン装着孔3jの差し込み孔3nから反ディスクロータ側へ突出するつまみ部15c,15cの端部をピン装着孔3jの半径方向内側へつまむことにより、段部3qに当接部15e,15eにて係合している自由状態の係止部15b,15bが半径方向内側へ移動して、当接部15e,15eが段部3qから外れ、該係止部15b,15bを差し込み孔3nの径内に位置させた状態でプラグ15を引き抜くことにより、ハンガーピン13の引き抜きが可能となる。
【0026】
本形態例は以上用のように、ピン装着孔3jへのプラグ15の係脱を工具なしでワンタッチで行うのにも拘わらず、ハンガーピン13の抜け止めをプラグ15にて簡便且つ確実に行うことができる。さらに本形態例は、ハンガーピン13のおねじ13bとピン装着孔3jのめねじ3pとを螺着した二重構造であるため、より一層確実な抜け止めが図れる。
【0027】
図5に示す第2形態例は、第1形態例のプラグ15において、係止部15b,15bから突出するプラグ本体15aの両側部を切除して、該プラグ本体15aを係止部15b,15bと同一幅に形成したもので、ハンガーピン13の抜け止めだけを目的とする場合には、プラグ本体15aにハンガーピン13の頭部13bの端面13dと当接する面積があれば足りる。
【0028】
第1,第2形態例でプラグ15の係止部15b,15bに設けたテーパ状のガイド部15d,15dは、ピン装着孔3jへの差し込みを円滑に案内するのに役立つが、ピン装着孔3jへの抜き差しが可能であれば、図6の第3形態例に示すプラグ15のように、係止部15bをL字状に形成しても差し支えない。
【0029】
図7及び図8に示す第4形態例は、作用部3a側のピン装着孔3jを、ディスクロータ側へ開口する小径の軸挿通孔3rと、反ディスクロータ側へ開口する大径の差し込み孔3sとをつないで形成されており、差し込み孔3sの略全長にめねじ3tを刻設して、該めねじ3tのディスクロータ側をハンガーピン13の取り付けに用いると共に、めねじ3tの反ディスクロータ側全体を、本形態例における周溝(符号なし)となしている。
【0030】
ハンガーピン13には、上述の第1〜第3形態例と同一のものが用いられ、軸部13aをピン装着孔3jの差し込み孔3sから軸挿通孔3rへ挿通し、頭部13bの工具掛け孔13eに差し込んだ六角棒スパナ(図示しない)にて、頭部13bのおねじ13cを差し込み孔3sのめねじ3tにねじ込んで、頭部13bを差し込み孔3sのディスクロータ側へ配設したのち、めねじ3tの反ディスクロータ側にプラグ20を係脱可能に装着して抜け止めされる。
【0031】
上記プラグ20は、円板状のプラグ本体20aと、該プラグ本体20aの一側面から突出する一対の係止部20b,20bと、該係止部20b,20bから平行に突出する一対のつまみ部20c,20cとよりなっている。プラグ本体20aは、差し込み孔3sのめねじ3tよりも小径で、ハンガーピン13の工具掛け孔13eよりも大きく形成され、また係止部20b,20bのつまみ部側には、半径方向外側へ略V字状に突出する係合爪20d,20dが形成されており、係合爪20d,20dを含む係止部20b,20bの全体は、差し込み孔3sのめねじ3tのリード角に合わせた非対称形状となっている。
【0032】
係止部20b,20bには適度な弾性力が設定されていて、つまみ部20c,20cをつまんだり離したりすることにより、係止部20b,20bを内外方向へ移動させることができるようになっている。係合爪20d,20dの先端には、つまみ部20c,20cをつまみ操作しない自由状態において、差し込み孔3sのめねじ3tの直径と同一の間隔乃至はそれよりも広い間隔が設定されており、つまみ部20c,20cをつまみ操作した場合には、係合爪20d,20dの全体が差し込み孔3sの直径よりも小さくすぼみ、つまみ部20c,20cのつまみ操作を解除した場合に、係合爪20d,20dの先端がめねじ3tの直径と同一またはそれよりも広い間隔の自由状態に復帰するようになっている。
【0033】
このように構成されるプラグ20は、ハンガーピン13を上述のようにして取り付けしたのち、つまみ部20c,20cの先端を内側へつまんで、自由状態の係止部20b,20bの全体を差し込み孔3sのめねじ3tよりも小さくすぼめながら、係止部20b,20bの全体を差し込み孔3sに差し入れて、プラグ本体20aをハンガーピン13の頭部13bの端面13dに当接させたのち、つまみ部20c,20cから手を離すことにより、係止部20b,20bがピン装着孔3jの半径方向外側へ拡がって自由状態に復帰し、該係止部20b,20bの係合爪20d,20dが差し込み孔3sのめねじ3tに係合して、プラグ20とハンガーピン13とが抜け止めされる。
【0034】
尚、プラグ20の係合爪20d,20dを略V字状に形成した本形態例では、つまみ部20c,20cをつままずに係止部20b,20bを差し込み孔3sに差し入れても、係合爪20d,20dがめねじ3tを滑って係止部20b,20bを内外に撓ませながら入り込ませることができる。
【0035】
さらに本形態例は、ピン装着孔3jを構成する差し込み孔3sの略全長にめねじ3tを刻設して、該めねじ3tのディスクロータ側を、本発明の周溝として兼用したことも特徴であり、プラグ20の係合爪20d,20dをめねじ3tの任意の位置に係合させることができる。この場合には、プラグ本体20aとハンガーピン13の頭部13bの端面13dとの間に間隔があく場合もあるが、プラグ20とハンガーピン13の抜け止めには何等支障がない。さらに本形態例は、差し込み孔3sに形成しためねじ3tを省略してもよく、この場合には、差し込み孔3sの反ディスクロータ側に専用の周溝を形成して、プラグ20の係止爪20d,20dを係合させることとなる。
【0036】
尚、上述の各形態例では、ハンガーピンの取付をねじ螺合の併用で説明したが、本発明はこのねじ螺合を省略してプラグだけを用いても、ハンガーピンの抜け止めを簡便で確実に行うことができる。さらにプラグ本体は、ハンガーピンの頭部端面と当接するものであれば、形態例以外の形状であってもよく、プラグの係止部やつまみ部を3つ以上の複数個とすることもできる。また、ハンガーピンの先端を受ける他方のピン装着孔は、反ディスクロータ側を塞いだ有底孔などの他形状であってもよい。
【0037】
さらにプラグ本体は、少なくともピン装着孔の係止孔またはピン差し込み孔内でハンガーピンの頭部端面と対峙していればよく、ハンガーピンの頭部端面との間に多少の空隙があってもハンガーピンの抜け止めは可能である。この場合には、ハンガーピンがプラグ本体との空隙の分だけ軸方向へガタ付くことになるが、ハンガーピンとピン装着孔並びにプラグの寸法精度がラフなものでよく、加工が容易となるメリットがある。
【0038】
また本発明は、形態例で示したピストン対向型のキャリパボディ以外に、シリンダ孔にピストンを収容した作用部と、反力爪を備えた反作用部とをブリッジ部でつないだキャリパボディを、スライドピンでディスク軸方向へ案内するピンスライド型のキャリパボディにも適用が可能で、この場合には作用部と反作用部とが本発明で言うパッド押動部となる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、第1〜3発明によれば、ハンガーピンの抜け止め部材であるプラグを、ピン装着孔へ工具なしでワンタッチで容易に係脱しながら、ハンガーピンの抜け止めを短時間で簡便且つ確実に行うことができ、車体振動や慮外の外力にも、ハンガーピンの抜け止めを確実に維持できる。また、ハンガーピンとピン装着孔とをねじ螺合を併用すると、より確実な二重の抜け止め構造となる。さらに本発明によれば、ハンガーピンの全長を短縮することが可能で、ディスクブレーキ全体の小型・軽量化と、ばね下重量の軽減が図れる。
【0040】
また、ハンガーピンの頭部端面に工具掛け孔を凹設し、プラグ本体にて少なくとも工具掛け孔を覆うことにより、工具掛け孔が土砂で埋まるのを防止できて、ハンガーピンのスムーズな着脱作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1形態例を示す図2のI−I断面図
【図2】 本発明の第1形態例を示すディスクブレーキの一部断面正面図
【図3】 本発明の第1形態例を示すディスクブレーキの一部断面平面図
【図4】 本発明の第1形態例を示すハンガーピンとプラグの分解斜視図
【図5】 本発明の第2形態例を示すハンガーピンとプラグの分解斜視図
【図6】 本発明の第3形態例を示すハンガーピンとプラグの分解斜視図
【図7】 本発明の第4形態例を示す要部断面図
【図8】 本発明の第4形態例を示すハンガーピンとプラグの分解斜視図
【符号の説明】
1…ディスクブレーキ
2…ディスクロータ
3…キャリパボディ
3a,3b…作用部(本発明のパッド押動部)
3c…ブリッジ部
3h,3i…隆条部
3j,3k…ピン装着孔
3m…軸挿通孔
3n…差し込み孔
3o…係止孔
3p…めねじ
3q…段部
3r…軸挿通孔
3s…差し込み孔
3t…本発明の周溝を兼ねためねじ
4…摩擦パッド
13…ハンガーピン
13a…軸部
13b…頭部
13c…おねじ
13d…頭部13bの端面
13e…工具掛け孔
15…プラグ
15a…プラグ本体
15b…係止部
15c…つまみ部
20…プラグ
20a…プラグ本体
20b…係止部
20c…つまみ部
20d…係合爪

Claims (3)

  1. ブリッジ部の両端に連続するキャリパボディのパッド押動部をディスクロータの両側部に対向配置し、両パッド押動部のピン装着孔に先端側と基端側とを挿通して両パッド押動部間に架設されるハンガーピンにて、両パッド押動部間に前記ディスクロータを挟んで配設される一対の摩擦パッドをディスク軸方向へ移動可能に吊持する車両用ディスクブレーキにおいて、前記ピン装着孔のいずれか一方を、ディスクロータ側へ開口する軸挿通孔と、反ディスクロータ側へ開口する差し込み孔とをこれらよりも大径の係止孔でつないで形成し、前記ハンガーピンを前記軸挿通孔に挿通して、該ハンガーピン基端の大径な頭部の端面を前記係止孔に配設し、前記ピン装着孔のハンガーピンよりも反ディスクロータ側に抜け止め用のプラグを係脱可能に設けると共に、該プラグに、前記係止孔の内部で前記ハンガーピンの頭部端面と対峙するプラグ本体と、該プラグ本体に連続し、且つ自由状態において前記差し込み孔と前記係止孔との段部に係合する複数の係止部と、該係止部に連続して前記差し込み孔から反ディスクロータ側へ突出して配設され、前記複数の係止部を前記ピン装着孔の半径方向内外に移動させて該係止部を前記段部に係脱させる複数のつまみ部とを設けたことを特徴とする車両用ディスクブレーキのハンガーピン抜止め構造。
  2. ブリッジ部の両端に連続するキャリパボディのパッド押動部をディスクロータの両側部に対向配置し、両パッド押動部のピン装着孔に先端側と基端側とを挿通して両パッド押動部間に架設されるハンガーピンにて、両パッド押動部間に前記ディスクロータを挟んで配設される一対の摩擦パッドをディスク軸方向へ移動可能に吊持する車両用ディスクブレーキにおいて、前記ピン装着孔のいずれか一方を、ディスクロータ側へ開口する小径の軸挿通孔と、反ディスクロータ側へ開口する大径の差し込み孔とをつないで形成し、該差し込み孔の反ディスクロータ側に周溝を形成し、前記ハンガーピンを前記軸挿通孔に挿通して、該ハンガーピン基端の大径な頭部を前記差し込み孔のディスクロータ側に配設し、該差し込み孔の反ディスクロータ側に抜け止め用のプラグを係脱可能に設けると共に、該プラグに、前記差し込み孔の内部で前記ハンガーピンの頭部端面と対峙するプラグ本体と、該プラグ本体に連続し、且つ自由状態において前記周溝に係合する複数の係止部と、該係止部に連続して前記差し込み孔から反ディスクロータ側へ突出して配設され、前記複数の係止部を前記ピン装着孔の半径方向内外に移動させて該係止部を前記周溝に係脱させる複数のつまみ部とを設けたことを特徴とする車両用ディスクブレーキのハンガーピン抜止め構造。
  3. 前記ハンガーピンの頭部端面に工具掛け孔を凹設し、該工具掛け孔を前記プラグ本体にて覆ったことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ディスクブレーキのハンガーピン抜止め構造。
JP02522599A 1999-02-02 1999-02-02 車両用ディスクブレーキのハンガーピン抜止め構造 Expired - Fee Related JP4067676B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02522599A JP4067676B2 (ja) 1999-02-02 1999-02-02 車両用ディスクブレーキのハンガーピン抜止め構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02522599A JP4067676B2 (ja) 1999-02-02 1999-02-02 車両用ディスクブレーキのハンガーピン抜止め構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000220668A JP2000220668A (ja) 2000-08-08
JP4067676B2 true JP4067676B2 (ja) 2008-03-26

Family

ID=12160036

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02522599A Expired - Fee Related JP4067676B2 (ja) 1999-02-02 1999-02-02 車両用ディスクブレーキのハンガーピン抜止め構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4067676B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10036255B4 (de) * 1999-09-09 2009-08-13 Luk Lamellen Und Kupplungsbau Beteiligungs Kg Hydraulische Steuereinrichtung
JP2001254767A (ja) * 2000-03-08 2001-09-21 Tokico Ltd ディスクブレーキ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000220668A (ja) 2000-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6318514B1 (en) Disc brake system with spring clip pad holders
US4369862A (en) Disc brake assembly for vehicle use
JP4067676B2 (ja) 車両用ディスクブレーキのハンガーピン抜止め構造
EP4105512A1 (en) Vehicle disc brake
JPH08270692A (ja) 車両用ディスクブレーキ
JPH0989019A (ja) ディスクブレーキの摩擦パッド取り付け構造
JP2597468Y2 (ja) 車両用ディスクブレーキのハンガーピン取付け構造
JP2546824Y2 (ja) 車両用ディスクブレーキ
JP4495367B2 (ja) 車両用ディスクブレーキ
JPH0526351Y2 (ja)
JPH0750594Y2 (ja) 車両用ディスクブレ―キのハンガ―ピン取付け構造
JP2000249173A (ja) 車両用ディスクブレーキのハンガーピン抜け止め構造
JP2587721Y2 (ja) 車両用ディスクブレーキ
JPH07180733A (ja) 車両用ディスクブレーキ
JPH09229110A (ja) 車両用ディスクブレーキ
JPH0714233U (ja) 車両用ディスクブレーキ
JPS6144014Y2 (ja)
JPS6216508Y2 (ja)
JPH0534347Y2 (ja)
JPS6230588Y2 (ja)
JPS6216507Y2 (ja)
JPH0410424Y2 (ja)
JPH0543300Y2 (ja)
JPH0750597Y2 (ja) 車両用ディスクブレーキのハンガーピン 抜止め構造
JPS6023561Y2 (ja) デイスクブレ−キ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080109

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4067676

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120118

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120118

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130118

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140118

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees