JP2546824Y2 - 車両用ディスクブレーキ - Google Patents

車両用ディスクブレーキ

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JP2546824Y2
JP2546824Y2 JP8265991U JP8265991U JP2546824Y2 JP 2546824 Y2 JP2546824 Y2 JP 2546824Y2 JP 8265991 U JP8265991 U JP 8265991U JP 8265991 U JP8265991 U JP 8265991U JP 2546824 Y2 JP2546824 Y2 JP 2546824Y2
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magnet
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pressing surface
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裕昭 石川
辰佳 櫻井
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Nissin Kogyo Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動二輪車等の各種の
走行車両に用いられるディスクブレーキであって、詳し
くは、ピストンに備えた磁石により摩擦パッドを磁着し
た車両用ディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】キャリパのシリンダ孔に内挿したピスト
ンの摩擦パッド押圧面に凹部を形成し、該凹部に摩擦パ
ッドを磁着する磁石を収容保持した車両用ディスクブレ
ーキが知られている(実開昭64−24734号公報参
照)。
【0003】かかる車両用ディスクブレーキはピストン
の摩擦パッド押圧面に摩擦パッドが磁着しているため、
例えば車輪の脱着時などにディスクロータの摩擦パッド
間への挿入を容易にすることができるなどの利点を有し
ている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
車両用ディスクブレーキはピストンの押圧面に凹部を形
成し、該凹部に、磁石を収容したスペーサーを圧入保持
させた構成であるため制動時に摩擦熱によりピストンの
温度が上昇したときに、ピストンとスペーサーとの熱膨
脹の違いによって磁石を収容したスペーサーが抜けてし
まうという問題がある。
【0005】本考案は、このような実情に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、ピストンの摩擦パ
ッド押圧面に形成した凹部に摩擦パッドを磁着する磁石
を収容保持した車両用ディスクブレーキにおいて、磁石
が安定した状態で保持されて抜け落ちる心配のない構造
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、キャリパのシ
リンダ孔に内挿したピストンの摩擦パッド押圧面に凹部
を形成し、該凹部に摩擦パッドを磁着する磁石を収容保
持する車両用ディスクブレーキにおいて、前記凹部の底
壁に係止孔を貫通形成するとともに、磁石収容部の裏面
に弾性係止爪を突設した磁石保持体を、前記磁石収容部
に磁石を収容して前記凹部に嵌装し、前記弾性係止爪を
前記係止孔に差込み、磁石保持体を係合保持させたこと
を特徴とする。
【0007】
【作用】かかる構成によれば、磁石収容部の裏面に突設
した弾性係止爪をピストンの摩擦パッド押圧面に形成し
た凹部の底壁に形成した係止孔に差込み、弾性係止爪を
係止孔に係合することで磁石保持体が抜けるのを防止す
る。
【0008】
【実施例】以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0009】図1及び図2は対向ピストン型キャリパを
有する車両用ディスクブレーキについて本考案を実施し
た場合の一例を示すものであり、キャリパ1は、車輪と
一体に回転するディスクロータ2の両側に一対の作用部
3,3を対向配置して、ディスクロータ2の外周を跨ぐ
ブリッジ部4の両側部で連結し、作用部3,3に対向し
て設けられたシリンダ孔5,5にピストン6,6がそれ
ぞれ内挿されている。
【0010】ブリッジ部4には、天井開口部7が形成さ
れており、該天井開口部7にハンガーピン8が架設さ
れ、該ハンガーピン8にディスクロータ2の両側に配置
されてディスクロータ軸方向へ移動可能な摩擦パッド
9,9が吊持されている。該摩擦パッド9,9はライニ
ング9aと磁性体からなる裏板9bとから構成される。
【0011】また、各ピストン6の摩擦パッド押圧面6
aには円筒状の凹部6bが形成され、該凹部6bの底壁
中心に係止孔6cが貫通形成され、該凹部6bに磁石保
持体10が装着されている。
【0012】磁石保持体10は硬質の合成樹脂からな
り、円板状の磁石収容部10aの裏面に側方へ放射状に
突出した複数の弾性係止爪10bを有する係止部10c
を突設した構成を有し、磁石収容部10aに強力な磁力
を有する例えば希土類磁石などからなる円板状の磁石1
1を嵌装収容し、該磁石11の表面側に抜止め用の薄肉
の覆い片10dを内側へ向けて一体に形成している。
【0013】この磁石保持体10は、係止部10cを係
止孔6dに差込んで、弾性係止爪10bを係止孔6dに
係合させて凹部6bに嵌装されている。
【0014】このように構成することにより、ピストン
6の摩擦パッド押圧面6aに摩擦パッド9が常に磁着し
ているので、ピストン6の後退に伴って摩擦パッド9が
後退し、摩擦パッド9の引き摺りを防止することができ
る。また、両摩擦パッド9,9間が開いているので、例
えば車輪の脱着や摩擦パッド9の交換時などに摩擦パッ
ド9,9間へディスクロータ2を容易に挿入できる。
【0015】殊に、磁石保持体10をピストン6の摩擦
パッド押圧面6aに形成した凹部6bに嵌装収容すると
もに、磁石保持体10の裏面に突設した係止部10cを
係止孔6dに差込み係合させて保持させた構成であるた
め、磁石保持体10が確実に保持され、たとえ制動時に
摩擦熱によりピストン6の温度が上昇してピストン6と
磁石保持体10との間に熱膨脹の違いが生じても抜けて
しまう心配がない。
【0016】また、磁石11を収容した磁石保持体10
を凹部6bに差込むだけの簡単な作業で装着することが
でき組立てもきわめて容易である。
【0017】更に、本実施例は磁石11が保持体10の
薄肉の覆い片10dによって覆われているため収容作業
が容易で抜け落ちることがなく、磁石10が摩擦パッド
9に直接接触しないため破損する心配もない。
【0018】
【考案の効果】本考案は以上説明したように、磁石を収
容した磁石保持体をピストンの摩擦パッド押圧面に形成
した凹部に嵌装するとともに、磁石保持体の裏面に突設
した弾性係止爪を凹部の底壁に貫通形成した係止孔に係
合することにより収容保持させるものであり、ピストン
の摩擦パッド押圧面に磁石を容易に且つ抜けることがな
く取付けることができ、常に摩擦パッドをピストンに磁
着させておくことができるものである。
【0019】従って、車輪の脱着や摩擦パッドの交換時
などにディスクロータの摩擦パッド間への挿入を容易に
し、また、制動時の引き摺りを防止することができるも
のである。さらに、制動時にピストンに伝わる摩擦熱に
よってピストンと保持体との間に熱膨脹の違いが生じて
も抜ける心配がなく、常にピストンの摩擦パッド押圧面
に摩擦パッドを磁着させておくことができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案の一実施例を示すディスクブレーキの
縦断面図
【図2】 磁石保持体の斜視図
【符号の説明】
1…キャリパ、2…ディスクロータ、5,5…シリンダ
孔、6,6…ピストン、6a…押圧面、6b…凹部、6
c…係止孔、9…摩擦パッド、10…磁石保持体、10
a…磁石収容部、10b…弾性係止爪、10c…係止
部、11…磁石。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリパのシリンダ孔に内挿したピスト
    ンの摩擦パッド押圧面に凹部を形成し、該凹部に摩擦パ
    ッドを磁着する磁石を収容保持する車両用ディスクブレ
    ーキにおいて、前記凹部の底壁に係止孔を貫通形成する
    とともに、磁石収容部の裏面に弾性係止爪を突設した磁
    石保持体を、前記磁石収容部に磁石を収容して前記凹部
    に嵌装し、前記弾性係止爪を前記係止孔に差込み、磁石
    保持体を係合保持させたことを特徴とする車両用ディス
    クブレーキ。
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