JP4065622B2 - クラッカー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリスマスや結婚式の祝宴などに用いられ、引紐の引っ張り操作で爆発音をたてるとともに小巻きテープ等の噴出物を空中に発射させるクラッカーに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のクラッカーとして、爆発に伴い空中へ飛び出す小巻きテープ等の噴出物が筒体から分離、離脱してクラッカーの使用場所の周囲に広く散乱することのないように、噴出物の一端部を筒体の内面に接着テープや糊などで貼り付けたり、あるいは筒体に保持された受圧板に係止したりしたもの(例えば、特開平8−136196号公報)は公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、噴出物の一端部を筒体又は受圧板に一体的に結合する上記クラッカーでは、筒体の発射口からの噴出物の延出長さが短く、また噴出物の自由な飛び出しが規制されるため、噴出物が発射口から空中へ自由に高く、遠くへ飛ばず、クラッカー本来の機能である興趣性、演出効果が低下半減することを知見した。
【0004】
そこで本発明の目的は、このような問題を解消するためになされたもので、発射後の噴出物の散乱防止を確保しながら飛距離を必要かつ十分に伸ばすことができて興趣性、演出効果の高いクラッカーを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の前提とするクラッカーは、図1及び図2に例示するごとく、前端に発射口2を有する筒体1の内部に、火薬体4と、この火薬体4に通し付けられて上記筒体1の後端穴9から導出する引紐5と、火薬体4と上記発射口2との間に前後にして配される1個もしくは2個以上の噴出物6と受圧板7とを収納しており、引紐5の引っ張り操作で火薬体4が爆発し、この爆発圧を受圧板7が受圧して上記噴出物6を発射口2から前方へ空中発射させるようにしてあるものである。
【0006】
そのうえで、本発明は、上記受圧板7が、上記噴出物6の載置面を有する受圧頭部7aと、この受圧頭部7aの外周縁の一箇所から折曲自在に後方へ連設された第1脚部7bと、受圧頭部7aの外周縁の他の箇所から折曲自在に後方へ連設された第2脚部7cとを有し、第1脚部7bの後端部は上記火薬体4から前方へ延出された引紐5の前方延出端部5bと一体的に結合し、第2脚部7bの後端部には展開状態の上記受圧板7の一側縁に沿って形成された可撓性を有する細長い帯状の延出用アーム11の後端部を折曲自在に連設してあり、この延出用アーム11の先端部は上記受圧頭部7aよりも前方へ延出させて上記各噴出物6の一端部と一体的に結合してあることに特徴を有するものである。
【0007】
【作用】
噴出物は火薬体の爆発圧を受圧板を介して受けて筒体の発射口から前方へ空中発射するが、このとき、受圧板の受圧頭部が爆発圧を受けることにより、第1脚部の後端部が引紐の前方延出端部と連結されている状態の下で、瞬間的に、図2のように、受圧頭部が第1脚部との折曲自在な連設部を伸ばして第1脚部の前方延長線上に展開し、さらに第2脚部が受圧頭部との折曲自在な連設部を伸ばして前方へ延びるととも、延出用アームも第2脚部との折曲自在な連設部で反転して発射口より前方へ長く延びる。このように受圧板及び延出用アームが一直線状に長く延びたところで延出用アームの先端部によって噴出物を振り出すように勢いよく空中へ放出する。したがって、こうした受圧板の第1脚部、受圧頭部及び第2脚部の展開方向長さに延出用アームの長さを加えた長さ分だけ噴出物を、発射口から空中に自由に高く遠方へ飛ばすことができ、つまり噴出物の飛距離を伸ばすことができる。また発射後、噴出物は、延出用アーム、受圧板及び引紐を介して筒体側と連なった状態のままであるので、筒体から離脱して周囲に散乱することがない。
【0008】
第1脚部及び第2脚部は受圧頭部の後方へ折曲してあるので、噴出物の引っ掛かりを防止でき、噴出物を確実に発射口から飛び出させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例を示すクラッカーの縦断面図、図2は同クラッカーを使用状態で示した斜視図、図3は同クラッカーの受圧板の打ち抜き加工状態の展開平面図である。
【00010】
図1に示すように、このクラッカーは前方へ至るに従い径大な円錐又は角錐状の紙製又はプラスチック製の筒体1の前端に、発射口2を形成するとともに、筒体1の前端に折曲自在に連設した複数のフラップよりなる蓋部3で発射口2を開放可能に塞いでいる。筒体1の内部には火薬体4と、火薬体4に通し付けられた引紐5と、発射口2と火薬体4との間に前後にして配される噴出物6及び受圧板7と、引紐5の火薬体4より後ろ側に移動自在に挿通された漏斗形の火薬体受け座8とを収納している。火薬体受け座8より後方へ延出する引紐5の後端部5aは筒体1の後端穴9から外部へ導出している。
【0011】
筒体1内の噴出物6と火薬体4との間で前後方向に移動可能に配備される上記受圧板7は、噴出物6の載置面を有する円板状の受圧頭部7aと、この受圧頭部7aの外周縁の一箇所から折曲自在に後方へ連設された第1脚部7bと、受圧頭部7aの外周縁の他の箇所から折曲自在に後方へ連設された第2脚部7cとを有する。第1脚部7bはこれの後端部に穴10を有し、この穴10に上記火薬体4から前方へ余長を持って延出された引紐5の前方延出端部5bを通して一体的に結び付けている。一方、第2脚部7bの後端部の一側には可撓性を有する細長い帯状の延出用アーム11の後端部を折目12を介して折曲自在に一体に連設してある。この延出用アーム11は第2脚部7cの一側縁に沿わせて受圧頭部7aより前方へ延出し、その先端部に穴13を設け、この穴13に上記噴出物6の一端部を通して一体的に結び付けている。
【0012】
上記受圧板7は平紙を打ち抜き加工することによって得られるが、この場合、図3のように板取りすることによって受圧板7をスクラップをほとんど出すことなく打ち抜くことができる。すなわち、従来、1枚の平紙より第1,2脚部7b,7c付きの受圧板7を多数個打ち抜くとき、各受圧板7の両側にシデと呼ばれる抜きかすとして廃棄され部分が生じていたが、今回はその廃棄部分を延出用アーム11として活用するものである。
【0013】
すなわち、図3に示す板取りによれば、受圧板7の第2脚部7cに連設される延出用アーム11は、第2脚部7cの後端部から折目12を介して第2脚部7cの一側縁に沿う直線状の後半部11aと、受圧頭部7aの同側縁に沿う円弧状の中間部11b、及び第1脚部7bの同側縁に沿う前半部11cとを一体に連続状に形成してなり、前半部11cの一側縁は第1脚部7bの側縁に沿って直縁状に形成され、前半部11cの他側縁はこれに隣接する受圧頭部7aの円周一部に沿う形の凹円弧状に形成され、前半部11cの先端は凸円弧状に形成される。
そして、縦列方向に隣接し合う受圧板7,7どうしは第2脚部7c,7cどうし又は第1脚部7b,7bどうしを突き合わすように並べる一方、横列方向に隣接し合う受圧板7,7どうしは受圧頭部7aの略直径長さ分だけ縦方向にずらした状態に配列したうえで、各受圧板7の第2脚部7cに連設する上記形状の延出用アーム11がこれの横に隣接する受圧板7との間に位置するように配列している。
【0014】
また、図4及び図5に示す他の実施例では、縦列方向において隣接し合う受圧板7,7の一方の第1脚部7bが他方の受圧板7の第2脚部7cに突き合うように並べる一方、横列方向に隣接し合う受圧板7,7どうしは受圧頭部7aの半径長さに第1脚部7bの長さを加算した長さ分だけ縦方向にずらした状態に配列したうえで、各受圧板7の第2脚部7cに連設する延出用アーム11がこれの横に隣接する受圧板7との間に位置するように配列している。
【0015】
このような図3、図4の板取りの仕方を採用することによって、延出用アーム11を持つ受圧板7はスクラップをほとんど出すことなく打ち抜くことができて経済的である。
【0016】
上記噴出物6は、図1に示すように、適当な巻き長さ(例えば2m)を有する複数個(図示例では4個)の小巻きテープ14からなり、各小巻きテープ14の巻終端部14aをテープ環15の内周面部に接着固定してなる。そのテープ環15の延出端部15aは上記延出用アーム11の先端の穴13に通して結び付けている。小巻きテープ14は紙製のカラーテープ、あるいはプラスチックフィルムよりなるテープ基材にアルミニウム等の金属を蒸着したものなどである。
【0017】
上記構成のクラッカーにおいては、引紐5の後端部5aを後方へ強く引っ張って火薬体4を爆発させると、蓋部3は爆風を受圧板7を介して受けることにより開いて発射口2を開放し、噴出物6が受圧板7により発射口2から前方へ向けて放出される。このとき、受圧板7の受圧頭部7aが爆発圧を受けることにより、第1脚部7bが引紐5の前方延出端部5bと連結されている状態の下で、瞬間的に、図2のように、受圧頭部7aが第1脚部7bとの折曲自在な連設部を伸ばして第1脚部7bの前方延長線上に展開し、さらに第2脚部7cが受圧頭部7aとの折曲自在な連設部を伸ばして前方へ延びるとともに、延出用アーム11も第2脚部7cとの折曲自在な折目12部分で反転して発射口2より前方へ長く延びる。このように受圧板7及び延出用アーム11が一直線状に長く延びたところで延出用アーム11の先端部によって小巻きテープ14を振り出すように勢いよく空中へ放出する。
【0018】
このとき、第1脚部7bの長さ、受圧頭部7aの径方向長さ、及び第2脚部7cの長さに更に延出用アーム11の長さを加えた長さ分だけ小巻きテープ14の飛距離を伸ばすことができ、小巻きテープ14を空中へ高く遠方へ飛ばすことができる。また発射後、小巻きテープ14は、延出用アーム11、受圧板7及び引紐5を介して筒体1側と連なった状態に保たれているため、小巻きテープ14が筒体1から離脱して周囲に散乱することがなく、これをいちいち拾い集めるような手間が省略される。したがって使用済みのクラッカーの回収、後始末が簡易迅速に行える。
【0019】
噴出物6としては上記実施例の小巻きテープ14のほかに、図6のように複数個の小巻きテープ14と、この各小巻きテープ14を外周接合状態に結束する外巻きテープ環16により構成し、その外巻きテープ環16の内周面部に各小巻きテープ14の巻終端部14aをそれぞれ接着固定したものを使用することができる。この場合、外巻きテープ環16の延出端部16aが延出用アーム11の先端の穴13に通し付けられる。これが発射する時は、図7のように各小巻きテープ14が外巻きテープ環16から飛び出して開く。
【0020】
また、図8のように、噴出物6としては、複数個の小巻きテープ14を順次巻終端部14aどうしを直列状に接続してなるものであってもよく、この場合は、この直列接続の小巻きテープ14群の中の最後尾の小巻きテープ14の巻終端部14aが延出用アーム11の先端の穴13に通し付けられる。なお、噴出物6としては、その他に、多数の旗をテープや紐で連鎖状につないだ連鎖旗を巻回したものなどを使用することもできる。
【0021】
上記した各実施例では噴出物6の一端部を延出用アーム11の先端部に一体的に結合するにあたって結び付け手段を採用しているが、これに代えて接着テープや糊などで一体的に結合することもできる。また、図9に示すように、受圧板7を筒体1に収納する際、延出用アーム11は第2脚部7cの一側方で2〜3重にジグザグ状に折り重ねたうえでその先端を受圧頭部7aより前方へ延出させることもできる。また図10の(a)に示すように、延出用アーム11は第2脚部7cの一側方に蛇行状に連設することによりできる限り長いものを得ることができる。この場合、延出用アーム11の第2脚部7cとの連設部のほかに各屈曲部にも折目12を付ける。このように形成された延出用アーム11は、発射時に同図の(b)のように各折目12部分で反転して前方へ可及的に長く延ばすことができる。
また、図示例では噴出物6が1個しか筒体1に収納されてないが、その2個以上を筒体1に収納することもできる。
【0022】
【発明の効果】
本発明のクラッカーによれば、延出用アームを備えた受圧板と引紐とでもって、小巻きテープ等の噴出物と筒体側とを連結してあるので、発射後に噴出物が筒体から離脱して周囲に散乱することがないばかりか、噴出物の飛距離を十分に伸ばすことができてクラッカー本来の興趣性、演出効果を高めることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クラッカーの縦断面図である。
【図2】 同クラッカーを使用状態で示した斜視図である。
【図3】 同クラッカーの受圧板の打ち抜き加工状態の展開平面図である。
【図4】 他の実施例を示すクラッカーの受圧板の打ち抜き加工状態の展開平面図である。
【図5】 図4の受圧板を組み立て状態で示す斜視図である。
【図6】 他の実施例のクラッカーの噴出物を示す斜視図である。
【図7】 図6の噴出物の飛行状態を示す斜視図である。
【図8】 更に他の実施例のクラッカーの噴出物の飛行状態を示す斜視図である。
【図9】 更に又、他の実施例を示すクラッカーの縦断面図である。
【図10】 更に又、他の実施例のクラッカーの受圧板を示しており、(a)はその展開平面図、(b)は発射時に延びた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 筒体
2 発射口
3 蓋部
4 火薬体
5 引紐
6 噴出物
7 受圧板
7a 受圧頭部
7b 第1脚部
7c 第2脚部
9 後端穴
11 延出用アーム
Claims (1)
- 前端に発射口を有する筒体の内部に、火薬体と、この火薬体に通し付けられて上記筒体の後端穴から導出する引紐と、上記火薬体と上記発射口との間に前後にして配される1個もしくは2個以上の噴出物と受圧板とを収納しており、上記引紐の引っ張り操作で上記火薬体が爆発し、この爆発圧を上記受圧板が受圧して上記噴出物を上記発射口から前方へ空中発射させるようにしてあるクラッカーにおいて、
上記受圧板が、上記噴出物の載置面を有する受圧頭部と、この受圧頭部の外周縁の一箇所から折曲自在に後方へ連設された第1脚部と、受圧頭部の外周縁の第1脚部連設箇所とは反対側の他の箇所から折曲自在に後方へ連設された第2脚部とを有し、上記第1脚部の後端部は上記火薬体から前方へ延出された引紐の前方延出端部と一体的に結合し、上記第2脚部の後端部には展開状態の上記受圧板の一側縁に沿って形成された可撓性を有する細長い帯状の延出用アームの後端部を折曲自在に連設してあり、この延出用アームの先端部は上記受圧頭部よりも前方へ延出させて上記各噴出物の一端部と一体的に結合してあることを特徴とするクラッカー。
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1999
- 1999-02-25 JP JP04772399A patent/JP4065622B2/ja not_active Expired - Fee Related
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