JP3997010B2 - クラッカー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリスマスなどの祝宴等に用いられ、引紐の引張り操作で爆音を立てるクラッカーに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のクラッカーとして、例えば、図5に示すごとく筒体1の内部に、引紐2の先端に付けた引玉3と引玉受座4とを前後に配して収納するとともに、引紐2を筒体1の後端穴10から後方へ導出してあり、使用時には引紐2を引張ることで引玉3が前方へ向けて爆発するようになしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記構造のクラッカーでは、引紐2を後方へ引張ったときに引玉3の後端が引玉受座4で受け止められるが(図5中の仮想線状態)、爆発発火時に引紐3が引玉3から抜け出ると同時に該引玉3の火薬を巻いている巻紙の破片が前方へ飛び散ってゴミになるため、使用後そのゴミを拾い集める必要があった。また引玉3の爆発により発生するバックファイヤーが引玉受座4の紐通穴5を通って筒体1の後端穴10から後方外部へ放出するため、引紐2を引張る指がそのバックファイヤーで火傷を負うおそれがあった。
【0004】
そこで本発明は、上記諸問題点を解消するためになされたもので、引玉受座の構造を改善することにより引玉の爆発破片の飛散防止、筒体後方へのバックファイヤーの放出減少を図れるクラッカーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前端が開放状態に形成されるか若しくは開閉自在に形成された筒体と、この筒体内に収納された引玉受座と、前記筒体内の前記引玉受座の前側に収納された引玉と、前記筒体の後端穴から後方へ導出され、その引張り操作により前記引玉を前方へ向けて爆発させる引紐とを備えてなるクラッカーにおいて、前記引玉受座が、有底筒状の受座本体の底部中央付近に前記引紐を通す紐通穴を設け、この受座本体の内底面から前方に向かって延びる形の複数のリブをそれぞれ受座本体の内周面から受座本体中心に向けて張り出し形成するとともに、この相対向するリブの張出側端同士間に引玉の外径よりも狭い間隔の引玉保持空間を形成してあることに特徴を有するものである。
【0006】
【作用】
引紐を引張り操作すると、引玉は引玉受座の引玉保持空間内へ引き込まれて、その後端側の全周がリブの張出側端同士間で強く挟み保持されるので、引玉の爆発時の破片が前方へ飛散するのをよく防止できる。また引玉の爆発時に発生するバックファイヤーは、引玉受座の内底面に衝突し、その内底面から前方へ反転してリブ同士間の隙間を通って前方へ導かれるため、紐通穴から後方へ放出する量は激減することになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るクラッカーの一実施形態例を図1ないし図4に基づき説明する。図1はクラッカーの縦断側面図、図2はクラッカーの引玉受座の平面図、図3は図2におけるA−A線断面図、図4はクラッカーの引玉受座に引玉が引き込まれた状態の縦断側面図である。
【0008】
図1において、本発明に係るクラッカーは、円錐または角錐状の筒体1の内部に、引紐2の先端に付けた引玉3と、引玉受座4とを前後に配して収納している。引玉3は紙テープで火薬を巻いてなる。
【0009】
図2及び図3において、引玉受座4は、前方へ行くに従い漸次拡開するラッパ状の有底筒状に形成されるとともに、その底部中央付近に紐通穴5を内外貫通状に設けたプラスチック製の受座本体6を有し、この受座本体6内の前後方向中間部から内底面6aにわたっての内周面から複数本(図示例では4本)のリブ7がそれぞれ受座本体中心に向けて一体に張り出されるとともに、この相対向するリブ7,7の張出側端8,8同士間には引玉3の外径よりも狭い間隔の引玉保持空間9が形成されている。
【0010】
引紐2の引張り操作に伴い引玉3を引玉受座4に引き込んで実質的に確実に停止保持する引玉保持空間9は、各リブ7の張出側端8の前後中間部位から後端に至るまでの間の張出側端後半部8aで形成されるが、その張出側端後半部8aは前方拡がり傾斜直線状に形成されて、引玉保持空間9は後方に至るに従い漸次すぼまり状になるように形成される。引紐2を最も強く引張って引玉3を最大深さに引き込んだ場合も、図4に示すごとく引玉3の後端面3aと内底面6aとの間に、隣り合うリブ7,7同士間の隙間11と連通する隙間12が形成されるようにしている。そして、引紐2の引張り操作に伴い引玉3を引玉保持空間9内に引き込み易くするために、各リブ7の張出側端8の前後方向中間部位から前端に至るまでの間の張出側端前半部8bは、前方に至るに従い漸次張出量を少なくするアール形状に形成されている。受座本体6の内底面6aはこの内底面中心の紐通穴5に向かって下り傾斜状のテ−パ面に形成されている。
【0011】
引玉3から後方へ導出する引紐2は引玉受座4の紐通穴5に挿通され、さらに筒体1の後端穴10から外方へ導出される。
【0012】
上記構成のクラッカーにおいて、使用時には、図4に示すごとく引紐2を後方へ強く引張ると、引玉3は、引玉受座4の引玉保持空間9内に引き込まれ、相対向するリブ7,7の張出側端後半部8a,8a間で挟み保持されたうえで、引玉3から引紐2が引き抜かれると同時に爆発する。その際、引玉3の後端部は引玉保持空間9内のリブ7,7の張出側端後半部8a,8a間で細く絞られる状態に挟み保持されているため、その引玉3の爆発により破片が前方へ飛び出すことが無くなるか、飛び出してもその飛出し量はきわめて少なかった。
【0013】
また、そのようにリブ7,7の張出側端後半部8a,8a間で挟み保持されている引玉3の後端面3aと引玉受座4の内底面6aとの間には隙間12が形成され、この隙間12と隣り合うリブ7,7間との隙間11とが連通しているため、引玉3の爆発により発生するバックファイヤーは、図4中、a矢印で示すごとく爆風を伴って引玉受座4の内底面6aに衝突し、この内底面6aから前方向へUターンして隣り合うリブ7,7間の隙間11を通って前方へ流出する。その際、引玉受座4の内底面6aが紐通穴5に向かって下り傾斜状のテ−パ面に形成されていると、反転するバックファイヤーを前方へスムーズに流すことができる。
このようにバックファイヤーは内底面6aから前方向へUターンして流出する結果、バックファイヤーが引玉受座4の紐通穴5を通って筒体1の後端穴10から後方外部へ放出するのをできるだけ減少できる。
【0014】
なお、本発明は、前方開放状の筒体1に限定されるものではなく、筒体1の前端は図1中に二点鎖線で示すごとく蓋13で開閉自在に塞いでいて、その蓋13は爆風で前方へ開放するようにしたものにも同様に適用できる。また、引玉3の爆発に伴い前記蓋13を開放させて前方へ発射される小巻きテープなどの噴出物(図示省略)を筒体1の内部に収納するタイプにも同様に適用できる。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、引玉の爆発により生じる破片が筒体から前方へ飛び出して周囲に散乱してゴミになるのをよく防止でき、使用済みクラッカーの回収、後始末が簡易に行える。しかもバックファイヤーが筒体の後方へ放出するのをできるだけ少なくすることができるので、安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッカーの縦断側面図である。
【図2】同上クラッカーの引玉受座の平面図である。
【図3】図2におけるA−A線断面図である。
【図4】同上クラッカーの引玉受座に引玉が引き込まれた状態の縦断側面図である。
【図5】従来例のクラッカーの縦断側面図である。
【符号の説明】
1 筒体
2 引紐
3 引玉
4 引玉受座
5 紐通穴
6 受座本体
6a 内底面
7 リブ
8 リブの張出側端
9 引玉保持空間
10 後端穴
Claims (2)
- 前端が開放状態に形成されるか若しくは開閉自在に形成された筒体と、この筒体内に収納された引玉受座と、前記筒体内の前記引玉受座の前側に収納された引玉と、前記筒体の後端穴から後方へ導出され、その引張り操作により前記引玉を前方へ向けて爆発させる引紐とを備えてなるクラッカーにおいて、
前記引玉受座が、有底筒状の受座本体の底部中央付近に前記引紐を通す紐通穴を設け、この受座本体の内底面から前方に向かって延びる形の複数のリブをそれぞれ受座本体の内周面から受座本体中心に向けて張り出し形成するとともに、この相対向するリブの張出側端同士間に引玉の外径よりも狭い間隔の引玉保持空間を形成してあることを特徴とするクラッカー。 - 前記引玉保持空間が後方すぼまり状に形成されている請求項1記載のクラッカー。
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JP29828798A JP3997010B2 (ja) | 1998-10-20 | 1998-10-20 | クラッカー |
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Family Applications (1)
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JP29828798A Expired - Fee Related JP3997010B2 (ja) | 1998-10-20 | 1998-10-20 | クラッカー |
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1998
- 1998-10-20 JP JP29828798A patent/JP3997010B2/ja not_active Expired - Fee Related
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