JP2008275280A - 香料成分を有するクラッカー及びその製造方法 - Google Patents

香料成分を有するクラッカー及びその製造方法 Download PDF

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正行 古賀
Masaru Yamashita
勝 山下
Akihiro Koga
章広 古賀
Hiroshi Otsubo
博 大坪
Ryotaro Masuda
良太郎 増田
Masahiro Matsuda
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Abstract

【課題】
クラッカーの使用時の火薬臭を除去すること
【解決手段】
クラッカーに於いて、その本体、またはその本体に収納又は付設された各種部材の少なくとも一部に、香料成分を担持させて成ること。
【選択図】 なし

Description


本発明はクラッカー及びその製造方法に関し、更に詳しくは香料成分を担持せしめたクラッカー及びその製造方法に関する。

従来知られているクラッカーとしては、各種のタイプのものが存在する。例えば火薬成分に基づく爆発エネルギーを用いるタイプ、ガス圧を利用するタイプ等であり、火薬成分を用いるタイプには更にクラッカー内部に収納した噴出すべき物体を噴出するタイプや、音だけを発生するタイプのものがある。
而して従来の各種クラッカーについての研究、改良については、たとえば噴出すべき物体の種類やその噴出角度の調整、噴出すべき物体の噴出後の汚れの除去等あくまで作業的な面や視覚的な面の改良であった。そして火薬成分を利用するタイプのものについては、火薬臭が残存するという難点もあった。
本発明者は火薬臭の残留という上記難点解消のために、従来から鋭意研究を続けて来たが、この研究に於いて、クラッカーに香りを賦与するという全く従来考えられなかった新しい着想に至った。この全く新しい着想を実現することが本発明の解決しようとする課題である。
この課題は、クラッカーの本体、又は本体に収納された或いは付設された部材の少なくとも一部に、香料成分を担持させることにより解決される。
更に詳しくは、この香料成分の担持により、元来香りの有する諸機能、即ち香りの賦与、悪臭の消臭ばかりでなく、香りに基づくアロマテラピー(芳香療法)という生活環境に於いて、人の集中力や活動力を向上させ得る機能までも充分に賦与出来ることを見出した。
即ち本発明は、クラッカーに於いて、その本体、またはその本体に収納され又は付設された部材の少なくとも一部に、香料成分を担持させて成ることを特徴とするクラッカー(請求項1)、及びクラッカー本体又はその本体に収納され又は付設された部材、またはこれ等を構成する素材に、香料成分又はその組成物をコーティングし、これを硬化せしめるか或いは含浸して乾燥することを特徴とするクラッカーの製造方法(請求項7)に係るものである。
本発明に於いて、香料成分を賦与すべき対象物たるクラッカー自体は、従来公知の各種のタイプのものが広く使用され、更に詳しく説明すると以下の通りである。
即ち本発明で使用されるクラッカーとしては、以下のものをその代表例として挙げることが出来る。
・ 火薬成分を利用するタイプ
(A)クラッカー本体内部に収納した噴出物(噴出すべき物)を噴出させるタイプ。このタイプの噴出物としては、テープ(紙やメタル等)やパラシュートが代表例として例示出来る。
(B)音だけを発生するタイプ
このタイプのものには、ミサイル型(たとえば商品名ビックバン・クラッカー)、サイコロ型(使用後サイコロとして使用出来るタイプのもの、たとえば商品名サイコロクラッカー)や発生音だけのもの(たとえば商品名オンリー音)等を例示出来る。
・ ガス圧を利用するタイプ
このタイプのものには、空気や不活性ガスたとえば窒素等の圧力を利用するものであり、原則的には、外部の空気や不活性ガスをクラッカー本体内に取り入れ、これを一気に押出すことにより、噴出すべき物体を噴出するタイプのものである。このタイプのものは、火薬を使用しないので、火薬臭が無いという利点がある。このタイプの具体例としては、エアーメタルテープ(通称「キャノン砲」)を挙げることが出来る。
(ハ)その他、銃式、機関銃式、バズカー砲式等を利用したタイプ(詰め替えや自動化された複数個タイプのものも含む)という、上記とは異なったクラッカーとして使用出来るタイプのものも、本発明に於いてはクラッカーに含まれる。
さらに詳しくクラッカーについて説明すると下記の通りである。
本発明に於けるクラッカーの代表例として、火薬を使用するタイプとして、
紙テープを噴出するもの(テープ式クラッカー)と、爆発音だけを発生す
るもの(音式クラッカー)の構造を簡単に示すと以下の通りである。
図1は紙テープ式クラッカーの片側断面図であり、(1)は薄紙、(2)は
テープ、(3)は厚紙(蓋)、(4)は白色粉末、(5)は外装紙、(6)は受
圧板、(7)は紙筒(本体)、(8)は引玉、(9)は引玉受、(10)は引き紐、
(11)はシールを(引き紐を止めるためのシール)示す。テープ(2)
はこの例では2段(1段5個のテープよりなるもの)に設置され、白色粉末
(4)はテープ(2)を広げ易くする目的で使用され、この目的に使用出来るものであれば良く、たとえば雲母、カンバイ粉、多孔性デキストリン等を例示出来る。
また図2に音式クラッカーの代表例を示す。図2はやはり片側断面図であ
り、図1に於いてテープ(2)、白色粉末(5)、及び受圧板(6)を使用しないものであり、図2中の番号は図1のものと同じことを示す。
尚、火薬としては、この図1及び図2の例では、下記の組成を有する火薬(下
記成分を水に溶かしたもの)が使用されている。
塩素酸カリウム ・・・76重量%
赤燐 ・・・ 9重量%
三硫化アンチモン ・・・13重量%
酢酸ビニール系樹脂・・・ 2重量%
なお本発明に於いては広く従来から使用されて来た各種の火薬が使用出来
、通常火薬体は酸化剤(たとえば塩素酸カリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸アンモニウム、硝酸カリウム等)と可燃剤(たとえば安息香酸カリウム、テレフタル酸カリウム、テレフタル酸水素カリウム、フタル酸カリウム、アルミニウム、鶏冠石、赤燐、マグノリア、硫黄、木炭、三硫化アンチモン、ピクリン酸カリウム等)によって構成され、それぞれの配合量によって爆発エネルギーを調整するものである。本発明に於いて火薬体の配合量は50mg以下が基準となっている。
上記テープ型クラッカー及び音式クラッカーの組立て(製法)自体は何
等限定されるものではないが、その一例を示せば以下の通りである。
〈テープ式クラッカー〉
逆三角形の紙筒(厚紙)に引玉受(プラスチック)を入れ引玉を入れる。続いて受圧板(厚紙)を紙筒に入れる。その上に白色粉末をまぶしたテープ(たとえば赤、青、紫、オレンジ、黄色、計5個)を乗せる。最後に厚紙(ふた)と薄紙を発射面に貼る。
〈音式クラッカー〉
逆三角形の紙筒(厚紙)に引玉受(プラスチック)を入れ引玉を入れる。その後、厚紙(ふた)と薄紙を発射面に貼る。
また引玉の製法の一例を示せば、次の通りである。
〈引玉〉
上記火薬(10重量部)を0.015重量部ずつたとえば木のヘラで、長方の和紙に塗り付ける。続いて、引き紐と絡めて円柱状に掌で巻く。最後の一巻きに澱粉糊を付けて止め固める。その後、乾燥させて引玉(3mmπ×25mm)が仕上がる。
本発明のクラッカーについて、更に以下に若干説明する。
本発明に於いて、クラッカー本体としては、最も代表的には内部空洞の紙又はフィルム製筒状体の容器が使用され、この際の紙やフィルムとしては、各種ボール紙、合成紙、レーヨン紙、グラシン紙、コーテッド紙、無機繊維紙、不織布、セロハン紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエステル、ナイロン、テトロン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体またはこれらのフィルムよりなる群から選ばれた少なくとも一つの材料によって構成されている。また筒状のなかには例えば逆円錐系状、円柱状、角柱状、ロケット状等がある。
噴出物としては、たとえば紙やフィルムで作製された紙テープやパラシュート等が例示出来、これ等は通常パルプ紙、レーヨン紙、グラシン紙、コーテッド紙、無機繊維紙、不織布、セロハン紙等の紙、アルミニウム箔の如き金属箔、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイロン、テトロン、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル共重合体等の如き合成樹脂で製作される。
本発明にいう香料成分とは、天然香料、合成香料、調合香料、食品香料よりなる群から選ばれた少なくとも一つ以上より構成されており、態様としては液状、乳化状、ペースト状、ゾル状、ゲル状、粉末状、粒状等の少なくとも一つ以上である。
この際乳化状とするために使用する乳化剤としては広く各種の乳化剤が使用出来、たとえば各種界面活性剤、脂肪酸モノグリセリド類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ラノリン、ロジン、植物ゴム、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース塩、グアーガム等を例示出来、従来通りの使用量で使用される。粉末の粒度は2〜5μm程度であり、また粒のサイズは7〜15μm程度である。液状、乳化状、ペースト状、ゲル状、ゾル状等の香料成分の濃度は1〜50%好ましくは5〜40%程度である。
この香料成分はクラッカー本体またはクラッカー本体に収納又は付設された部材に対して2重量%〜20重量%の範囲がよく、好ましくは4重量%〜15重量%が最もよい。又、塗膜厚は2〜15μmの範囲がよく、好ましくは、4〜10μmが最もよいのである。香料材が2重量%以下では香りの揮散が弱く、製品としての価値が薄れ、また20重量%以上では香調のバランスを崩し、香りが強すぎて嫌気を覚えるからである。さらに塗膜厚が2μm以下だと香りの揮散が薄い為やはり製品価値が薄れる。また15μm以上ではテープ状に巻けなくなるばかりか、香りが強すぎて嫌気を覚え、製品価値としてはやはり不適当である。本発明にいう香料材は前述したように単なる芳香だけに限らず、消臭、抗菌、除菌、防虫、殺虫、食欲増進効果なども期待させるものである。
天然香料とは植物性香料と動物性香料よりなり、植物性香料は植物の花、葉、つぼみ、果実、種子、枝、樹皮、樹脂、根茎に含まれている香り物質を水蒸気蒸留して得られた精油や豚油等に吸着させて得られるアブソリュートが最も代表的なものである。
動物性香料は竜涎香(アンバーグリス)、麝香(ムスク)、霊猫香(シベット)、海狸香(カストリウム)等を例示出来、これらを溶剤抽出したものである。この際の抽出液としては、たとえば各種アルコール就中エチルアルコール等が使用される。
合成香料は石油や石炭化学工業から得られる物質や精油より単離した化合物を原料として、化学反応を用いて製造される単体香料であり、天然香料の代用として多く使用される。この合成香料は天然香料や食品香料に付加させて、より以上に香りを際立たせるものである。
調合香料は天然香料や合成香料よりなるもので数種類の組み合わせによって、より天然らしく又新しい香りを創生するものである。
本発明に於いて代表的な香調としては、フゼア調、フローラル調、オリエンタル調、シトラス調、アルデヒド調、ハーブ調、マリン調などがあり、またこれらを組み合わせたものもある。又トイレタリー製品に使用される石鹸、シャンプー、リンス、歯磨きなどに賦香されるものもある。
食品香料は別名フレーバともいい、食品の持つ香りや呈味感などを総合したものであり、食欲増進作用も認められ、その使用形態としては水溶性、油性、乳化、粉末化されて使用するものである。なお、乳化の乳化剤や濃度、粉末化の粒度等は前記と同じである。
これらの香料成分の配合に当たって最も注意すべきことは、香料の揮発度を勘案しなければならないことである。すなわち蒸気圧の大なる香料(トップノート)、蒸気圧の中なる香料(ミドルノート)及び蒸気圧の小なる香料(ラストノート)よりなる三つの香料成分が実用に適する割合で配合されなければならない。この配合にあたっては香料の揮発度、蒸気圧、安定性、香気のイメージ、香調のバランス等を考慮して決定される。
代表的な配合割合はトップノート40〜65重量%、ミドルノート30〜45重量%、ラストノート5〜15重量%の範囲内であり、この範囲では確実に価値のある香りを揮散するものである。
本発明に於いては、上記香料成分をクラッカー本体又はそれに付設される各種部材に担持させる。この際の担持させる部材としては、大別して、(イ)クラッカー本体自体や、付設する部材(部材として完成したもの)自体、(ロ)クラッカー本体自体や部材を製作するための素材がある。
そして、香料成分を担持させる形態としては、香料成分を直接又は適宜な物質を用いて、組成物として担持させる。組成物の形態としては、溶液状、乳化状、分散状、粉粒状ばかりでなく、ペースト状、インキ、ワニス、塗料等のコーティング組成物等が例示出来、その他これ等以外の形態も適宜使用することが出来る。
溶液としては、適宜な溶剤に溶解した溶液が使用され、溶剤としては使用する香料成分を溶解しうるものを適宜選択して使用し、代表的なものとして、水、各種アルコール、その他脂肪酸単独または脂肪酸混成エーテル、カルボン酸エステル、脂肪酸飽和ケトン等を例示出来る。
乳化乃至分散体としては、適宜な乳化剤や分散体、必要に応じ更に乳化乃至分散助剤を用いて、媒体に乳化乃至分散させたものが使用出来る。この際の乳化剤、分散剤、これ等の助剤としては、従来公知の各種のものが広い範囲から適宜使用される。
これ等溶液、乳化乃至分散体の濃度は5〜30重量%好ましくは7〜25重量%最も好ましくは10〜15重量%程度である。
粉粒状としては、そのサイズは通常2〜30μm好ましくは4〜20μm であり、これ等はそのまま、(たとえば散布)または他の成分と共に所定の箇所に担持させる。他の成分としては、インキ、ワニス、塗料等のコーティング組成物を例示出来る。
このコーティング組成物として使用する際の他の成分としても、従来から使用されて来た各成分がいずれも使用出来る。たとえば動・植物油脂、ラテックス、ロウ、ゴム、合成樹脂等である。
本発明に於いて香料成分を担持させる方法は、担持させる部材、香料成分の形態によって変化するが、これ等を適宜考慮して適宜に決定される。その代表的な担持方法の2、3の例を示せば以下の通りである。
(A)香料成分又はその溶液、乳化液、分散液等の組成物を噴霧するか、含浸せしめ乾燥する手段
(B)コーティング組成物として、これを適宜な手段で、たとえば刷毛、スプレー、ローラー等の手段で所定の場所にコーティングし、自然乾燥、加熱乾燥、紫外線硬化等で乾燥乃至硬化膜を形成せしめる手段等である。
本発明に於いて香料成分を担持させるクラッカーの部材としては、特に制限
がなく、効率良く徐々に香料成分を揮発出来る部材であれば、何等制限される
ことはない。代表的なものを例示すると、以下の通りである。
クラッカー本体については、該本体のいずれかの部分、たとえばクラッカー
本体の内側の適宜な部分、クラッカー本体の表側の適宜な部分等である。この本体の場合、クラッカーを組立てる途中でも、或いは組立て後でも良い。更にはクラッカー本体の素材である原紙等に予め担持させても良い。
また噴出すべき物体についても、たとえばテープやパラシュート自体に
組立て前に担持させることは、勿論のこと、これ等を組立た後でも、或いは
これ等の素材に担持させても良い。
これ等本体やその他の部材に担持させるに際しては、コーティング組成物を適用して、硬化または乾燥膜を形成させても良いし、溶剤をはじめとする液状組成物を含浸せしめ乾燥しても良い。
また本発明に於いては、上記以外のクラッカーの各種部材についても、香料成分を担持させても良い。たとえば引玉製造時に、紙に香料成分の溶剤溶液を含浸乃至スプレーしても良く、厚紙(ふた)や薄紙に同様の処理を施しても良い。
本発明に於いて使用する香料成分の使用量は、担持せしめる部材によっても変動するが、たとえばクラッカー本体や噴出すべき物体の場合には、クラッカー本体又は噴出すべき物体に対し、香料成分は2〜20重量%、好ましくは4〜15重量%、特に好ましくは3〜12重量%程度である。またコーティング組成物を用いて乾燥乃至硬化膜を形成する場合には、膜厚は2〜15μm,好ましくは3〜12μm、特に好ましくは4〜10μm程度である。
その他、厚紙の場合には、膜厚は5〜10μm、好ましくは7〜8μmの程度である。引玉製造時の紙に対しては、5〜10重量%、好ましくは7〜8重量%程度である。
本発明に於いては、担持させる部材や本体が2箇所以上になっても良い。
本発明に係わる香料成分を有するクラッカーは、所定の香りを揮散しつづけることにより、芳香という機能を付与し、従来のクラッカーの機能性や芸術性等を全く阻害することなく、しかもアロマテラピー作用を有し、商品価値を倍加するものである。従って、本発明によって製造された香料成分を有するクラッカーは使用者の日常生活や流通環境において賞用されるものであり、この発明の効果は絶大なものである。
本発明者らは多数の実験を行って、本発明の優秀性を明らかにしたのであるが、さらに本発明の技術的内容を説明するために多数の実験例より代表的な数例を選んで以下に実施例として示すことにする。従って本発明は単に実施例のみに限定されるべきではなく、本発明の趣旨と精神を逸脱せざる限り任意にその実施態様を変更して実施しうることは当然である。但し、下記実施例に於いて%とあるは重量%を示す。
〈引玉の製作〉
塩素酸カリウム(7.6g)、赤燐(0.9g)、三硫化アンチモン(1.3g)、酢酸ビニール系樹脂(0.2g)を水に溶かし10gの火薬体とする。その火薬体を0.015gずつ木のヘラで、長方の和紙(0.1mm×20mm×100mm)に塗布する。続いて、引き紐(0.5mmπ×120mm)と絡めて円柱状に掌で巻く。最後の一巻きに澱粉糊を付けて止め固める。その後、乾燥させて引玉(3mmπ×25mm)とする。
この際所定の香料をアルコールで薄めた20%溶液をスプレーで霧状に引玉に0.1g吹き付け付着させ乾燥させた。
〈クラッカーの製作〉
逆三角形の紙筒(厚紙80mm×36mmπ×0.5mm)に、引玉受を入れ引玉を入れる。続いて受圧板(厚紙30mm×0.5mm)を紙筒に入れる。その上に白色粉末(雲母)を100mg入れ、紙テープ(赤、青、紫、オレンジ、黄色、5mm×1500mm、計5個)を乗せる。最後に厚紙ふた(36mmπ×0.5mm)と薄紙を発射面に貼る。
この際所定の香料を紙筒(本体)内部と厚紙ふたに0.5g担持させ、スプレー塗布し、乾燥させ、更に紙テープにスプレーで上記と同じように香料溶液約0.5g吹き付け乾燥させた。
〈包装〉
澱粉糊を塗った外装紙をクラッカー本体に巻き付ける。続いてクラッカー本体から出ている引き紐を本体外側上部にシールで接着させて、テープ式クラッカーを製作した。
本実施例に於いては、紙筒の材料及び香料成分を下記表1に示す所定の材料及び香料成分夫々3種を使用した。
但し表1の30%バラ樹脂インキとは、バラの香料を30%含有するアイオノマー型水性ウレタン樹脂をビヒクルとして調製したものである。また上記レモン油性乳化液とは、レモン油20%、ホホバ油20%、ステアリルアルコール30%、水30%を高速撹拌(ホモミキサー4000rpm)して調製したものである。
それぞれ火薬体を爆発させ、香りの揮散状況を見ると、3種類とも部屋の空間にそれぞれの香りが漂い、充分に満喫する事が出来た。
上記実施例1はテープ式クラッカーに係わるものであったが、本実施例2は、音式クラッカーを製作したものである。但し製作方法は上記実施例1に於いて、白色粉末及び紙テープを使用せず、その他は実施例1と同様に処理した。実施例1と同様に爆発させた所、爆発音が噴出すると共に香りの状態は実施例1より淡いがほぼ満喫することが出来た。
紙巻きテープの原紙に、予め40%オレンジ香油分散液をスプレー塗布し、約1時間自然乾燥させ、5μmのオレンジ香油塗膜を作製した。次にこの原紙をカットして3mm幅のテープを作る。
また上記で使用した紙巻きテープに代えて表2に示す所定の噴出すべき物体を使用し、且つ上記オレンジ香油分散液に代えて所定の香料成分を使用し、且つ所定の担持方法で膜を形成した。
そして製作方法は実施例1に従った。
但し、表2に示す香料成分は夫々次の様にして調製したものである。
No.4の香料成分:ラズベリー30%、酢酸ビニルエマルジョン20%、疎水性シリカ3%、アマニ油2%、水45%
No.5の香料成分:ミューゲ20%、合成ゼオライト10%、グアーガム2%、水68%
No.6の香料成分:リラ40%、ポリエチレングリコール20%、エチルアルコール40%
No.7の香料成分:ピーチ調合35%、多孔性シリカ微粉末10%、水性メタクリル樹脂20%、水35%
No.8の香料成分:シャネル5タイプ20%、球状(5μm)アモルファスシリカ20%、アニオマー型水性ウレタン樹脂40%、水20%
No.9の香料成分:マリン調合10%、エチルセルロース5%、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂ビヒクル20%、クレー35%、#100ソルベント(芳香族炭化水素)30%
トップノート50重量%、ミドルノート40重量%、ラストノート10重量%で構成された精油混合物20%、多孔性球状シリカ10%、紫外線硬化インキ(UVニス及びUVメジウム配合)70%にてインキを作製し、これをローラー塗りにて、レーヨン配合フィルムの原紙に塗布後紫外線照射装置にて硬化させて厚さ4μmの薄膜を作り、そして実施例1と同様にクラッカーを製作した。このクラッカーは火薬体を爆発させた後には部屋一面にそれぞれの精油の香りを飛散させ、アロマテラピー効果を発揮した。なおレーヨン配合フィルムの原紙とはレーヨン40%とパルプ60%の配合で製造された熱圧着性フィルムである。
円筒紙(長さ400mm×50mmπ×厚さ3mm)の底に、受圧板(45mmπ×0.5mm)を載せたガス噴出装置(加圧圧縮された0.0002mの窒素ガス容器に封入)を固定させる。この噴出装置の先端にはピンを抜くと中のガスが噴出するようになっていて、このピンに紐が繋がれている。続いてこの受圧板の上にバラ精油を含むバラ香料40%,エチルアルコール60%を同量雲母にスプレーし、自然乾燥させる。この雲母粉末4.0gを紙テープ(赤、青、紫、橙、黄、緑、白色5mm×3000mm,計7個、合計総量10g)を巻きながら、それぞれに平均に塗布する。次に傘が汎用低密度ポリエチレン製(厚み3μm×250mm×250mm)に同バラ香料0.1gをスプレー塗布して賦香後、四隅に木綿糸を掬び、これを一つに絞り、厚紙板(35mmπ×0.5mm)の中心に結び固定させた落下傘(総量1.2g)を折りたたみ収納する。最後に厚紙蓋(49mm×0.5mm)と薄紙を発射面に貼る。
〈包装〉
澱粉糊を塗った外装紙をクラッカー本体に巻きつけ、テープ並びに落下傘式クラッカーを製作した。使用に当たっては固定されたガス噴出装置のピンに結びつけられている紐を,下方に引くことによってガスが噴出する。本実施例においてガス圧力は1.5mpn,飛距離は6m〜8mで結婚式での新郎新婦のいるロビー周辺ではバラのお花畑にいるような錯覚に陥った効果があった。

連射銃型の円筒形(長さ800mm×40mmπ)後方に,バネ式の伸縮によってシリンダー内に圧縮空気を得られる装置を施し、一回毎に噴出物であるカートリッジを噴出させ、このカートリッジ内より紙吹雪とメタル巻きテープが噴出する仕組みになっている。飛距離は約2m程である。次にこのカートリッジ内の仕組みであるが、円柱状(長さ80mm×35mmπ)の底面に,精油配合比(65/30/5)の混合精油30%,多孔性デキストリン粉末70%よりなる香料粉末3gを入れ、その上に巻いたメタルテープ(金,銀2色0.6mm×150mm)25gを載せ、最後に紙吹雪(赤、青、紫、黄、橙色の5mm角片)5gを周囲に載せ、発射面の上部を内側に軽く折り込んで完成させる。使用に当たってはバネに取り付けられたトリガーを手前一杯に引き、バネを伸ばし、引き金を引くと急激にバネが収縮するエネルギーでカートリッジを弾き出し共にカートリッジ内の噴出物が混じって飛び出し、同時に香料粉末も四方に飛散するのである。結果は一回のカートリッジでロビー空間5m2に香りの演出を10分に亘って見出した。
図1は従来の紙テープ式クラッカーの一例の片側断面図である。 図2は従来の音式クラッカーの一例の片側断面図である。
符号の説明
1: 薄紙
2: 紙テープ
3: 厚紙
4: 白色粉末
5: 外装紙
6: 受圧板
7: 紙筒
8: 引玉
9: 引き受け玉
10: 引き紐
11: シール




Claims (10)

  1. クラッカーに於いて、その本体、またはその本体に収納又は付設された各種部材の少なくとも一部に、香料成分を担持させて成ることを特徴とするクラッカー
  2. 上記クラッカーの本体内部に収納された部品が、引玉及び/又は噴出すべき物体である請求項1に記載のクラッカー
  3. 上記クラッカーが、火薬成分に基づく噴出手段を使用したものである請求項1又は2に記載のクラッカー
  4. 上記クラッカーが、ガス圧を利用する噴出手段を使用したものである請求項1又は2に記載のクラッカー
  5. 上記香料成分をそのまま、又はその組成物として、所定の箇所にコーティングした後硬化させた硬化膜である請求項1〜4のいずれかに記載のクラッカー
  6. 上記香料成分をそのまま、又はその組成物として、所定の箇所に含浸せしめ、これを乾燥せしめたものである請求項1〜4のいずれかに記載のクラッカー
  7. クラッカー本体、又はその本体に収納又は付設された部材、或いはこれ等本体若しくは部材を構成する素材に、香料成分又はその組成物をコーティングし、これを硬化せしめるか又は含浸せしめ、これを乾燥することを特徴とするクラッカーの製造方法
  8. 素材が紙質素材(原紙)である請求項7に記載のクラッカーの製造方法
  9. 予め素材又はその原紙に、香料成分又はその組成物の硬化膜を形成した後、製品とする請求項7又は8に記載のクラッカーの製造方法
  10. クラッカーの製造途中の中間製品又は完成品となった後に、香料成分又はその組成物の硬化膜を形成するかまたは含浸せしめ、乾燥する請求項7又は8に記載のクラッカーの製造方法

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