JP4064501B2 - 水蒸気移動制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特殊な防水膜とその配列で水蒸気の移動方向を制御することによって、加湿装置、除湿装置、調湿装置等として利用される水蒸気移動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者において、既に特開平5−322060号により水蒸気移動制御装置を提案している。この水蒸気移動制御装置は、図6に示すように、通気性及び透湿性を有する防水膜100を間に挟持して複数の筒状体101,102が一連に連結されて、この防水膜100によって区画された複数の小室103,104が形成されている水蒸気移動制御装置であって、連結されるべき一方の筒状体101の端部に外周面から肉厚の中程まで切欠して凸嵌合部105が形成され、他方の筒状体102の端部に内周面から肉厚の中程まで切欠して凹嵌合部106が形成され、一方の筒状体101の凸嵌合部105の先端面107と他方の筒状体102の段部面108との間に防水膜100がパッキン109,109を介して挟持され、そして、前記凸嵌合部105と凹嵌合部106が結合手段である螺合部110を介して嵌合したものとなっていた。
【0003】
尚、この水蒸気移動制御装置は、一方を外気に開放し、他方を、例えば函体の内部に接続する状態にして使用されるもので、前記各防水膜の通気度及び透湿度を使用して、外気と函体の温度変動速度により、函体の内部を除湿するように水蒸気の移動を制御するものである。
【0004】
そして、この水蒸気移動制御装置は、上記したように、複数の筒状体を一連に連結して形成されるもので、この筒状体同士を気密状態に連結しなければ、ここから空気洩れが発生し、水蒸気の移動を正確に制御することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の水蒸気移動制御装置では、筒状体同士の連結構造において、一方の筒状体101の凸嵌合部105と他方の筒状体102の凹嵌合部106が螺合部110を介して嵌合しただけのものになっている。従って、連結部の気密保持は、この螺合部110のみによって行わなければならず、確実な気密保持の上からは十分とはいい難いという問題があった。
【0006】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、筒状体同士の連結構造において、連結部の気密保持が確実に行えるようにした水蒸気移動制御装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明(請求項1)の水蒸気移動制御装置では、
通気性及び透湿性を有する防水膜を間に挟持して複数の筒状体が一連に連結されて、前記防水膜によって区画された複数の小室が通気口間に形成されている水蒸気移動制御装置であって、
連結部されるべき一方の筒状体の端部に外周面から肉厚の中程まで切欠して凸嵌合部が形成され、
連結部されるべき他方の筒状体の端部に内周面から肉厚の中程まで切欠して凹嵌合部が形成され、
前記一方の筒状体の凸嵌合部の先端面と、他方の筒状体の段部面との間に防水膜がパッキンを介して挟持され、
前記一方の筒状体の段部面に他方の筒状体の凹嵌合部の先端面が当接するように、前記凸嵌合部と凹嵌合部が結合手段を介して嵌合している構成とした。
【0008】
この場合、結合手段が、凸嵌合部に形成された雄ネジ部と凹嵌合部に形成された雌ネジ部との螺合である態様(請求項2)、凸嵌合部と凹嵌合部との接着である態様(請求項3)、凸嵌合部と凹嵌合部との溶着である態様(請求項4)、凸嵌合部の外周面に形成された凹部と凹嵌合部の内周面に形成された凸部との嵌着(請求項5)がある。
【0009】
この水蒸気移動制御装置では、一方の筒状体の段部面に他方の筒状体の凹嵌合部の先端面が当接している点に特徴がある。従って、この当接部によっても気密が保持されるため、結合手段(雄ネジ部と雌ネジ部との螺合、凸嵌合部と凹嵌合部との接着又は溶着、凹部と凸部との嵌着)による気密保持に加えてこの当接部によって2重に気密を保持することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明に係る実施の第1形態である水蒸気移動制御装置の断面図、図2はその要部の拡大断面図である。
【0011】
この水蒸気移動制御装置は、3枚の防水膜10,11,10によって2個の小室20,21が通気口3,3間に区画形成され、この両通気口3,3間での水蒸気の移動を制御するものとなっている。即ち、この水蒸気移動制御装置は、一方の通気口3を外気に開放し、他方の通気口3を、例えば函体の内部に接続する状態にして使用されるもので、前記各防水膜10,11,10の通気度及び透湿度を使用して、外気と函体の温度変動速度により、函体の内部を除湿するように水蒸気の移動を制御する。
【0012】
前記各防水膜10,11,10は、それぞれ通気性及び透湿性を有する膜体がリング状枠10a,11a,10aに取り付けられたもので、中央の防水膜11は小室20,21の外壁を形成する小室筒状体40,41間に挟持され、又、両側の防水膜10,10は通気口3,3を形成する口金筒状体42,42と小室筒状体40,41の間に挟持されている。
【0013】
この小室筒状体40,41及び口金筒状体42,42は一連に連結されるもので、以下、その連結構造を小室筒状体40,41同士の結合構造を例にとって説明する。
【0014】
連結部されるべき一方の小室筒状体40の端部に外周面から肉厚の中程まで切欠して凸嵌合部50が形成され、この凸嵌合部50の外周に雄ネジ部51が形成されている。
【0015】
又、他方の小室筒状体41の端部に内周面から肉厚の中程まで切欠して凹嵌合部60が形成され、この凹嵌合部60の内周に前記雄ネジ部51に螺合する雌ネジ部61が形成されている。
【0016】
そして、前記一方の小室筒状体40の凸嵌合部50の先端面52と、他方の小室筒状体41の段部面62との間に防水膜11のリング状枠11aがパッキン7,7を介して挟持され、前記一方の小室筒状体40の段部面53に他方の小室筒状体41の凹嵌合部60の先端面63が当接するように、前記凸嵌合部50と凹嵌合部60が嵌合する状態で雄ネジ部51と雌ネジ部61とが螺合している。
【0017】
この場合、一方の小室筒状体40の段部面53が凹弧状面に形成され、他方の小室筒状体41の凹嵌合部60の先端面63が凸弧状面に形成されている。そして、この凹弧状面及び凸弧状面は内側の半径R1が大きく、外側の半径R2が小さく形成されている。
【0018】
尚、前記口金筒状体42,42と小室筒状体40,41との連結構造も上記した小室筒状体40,41同士の結合構造と同様になっている。
【0019】
この水蒸気移動制御装置では、一方の小室筒状体40の段部面53に他方の小室筒状体41の凹嵌合部60の先端面63が当接している。従って、この当接部によっても気密が保持されるため、雄ネジ部51と雌ネジ部61との螺合部による気密保持に加えてこの当接部によって2重に気密を保持することができる。
【0020】
尚、段部面53と先端面63とが凹弧状面と凸弧状面に形成され、かつ内側の半径R1が大きく、外側の半径R2が小さく形成されているため、雄ネジ部51と雌ネジ部61とを螺合していくと、内側の大きい半径R1にガイドされて凹嵌合部60が外向きに変形し、外側の小さい半径R2において圧接状態になる。従って、その当接が密着状態になるため、気密性が向上する。
【0021】
次に、図3は本発明に係る実施の第2形態である水蒸気移動制御装置の要部断面図である。
【0022】
この水蒸気移動制御装置では、凸嵌合部50と凹嵌合部60とが接着剤80によって結合されている点と、段部面54が斜め面に形成され、凹嵌合部60の先端面64が鋭角面に形成されている点で前記第1形態の水蒸気移動制御装置と異なっている。
【0023】
従って、この水蒸気移動制御装置では、鋭角面である先端面64の先端が一方の筒状体40の段部面54に当接していくことによってつぶれていき、その当接が圧接状態になるため、この当接部によっても気密が保持される。このように、凸嵌合部50と凹嵌合部60との接着による気密保持に加え、この当接部による気密保持によって2重に気密を保持することができ、気密性が向上する。
【0024】
次に、図4は本発明に係る実施の第3形態である水蒸気移動制御装置の要部断面図である。
【0025】
この水蒸気移動制御装置では、凸嵌合部50と凹嵌合部60とが溶着剤81によって結合されている点と、段部面55が凸状斜面に形成され、凹嵌合部60の先端面65が凹状斜面に形成されている点で前記第1形態の水蒸気移動制御装置と異なっている。この場合、凸状斜面及び凹状斜面の頂部は、肉厚の中心からオフセットされている。
【0026】
従って、この水蒸気移動制御装置では、段部面55の凸状斜面と先端面65の凹状斜面との当接に際し、凸状斜面及び凹状斜面の大きい斜面K1によってガイドされて凹嵌合部60が内向きに変形し、小さい斜面K2において圧接状態になる。このように、その当接が圧接状態になるため、この当接部によっても気密が保持され、凸嵌合部50と凹嵌合部60との接着による気密保持とで2重に気密を保持することができ、気密性が向上する。
【0027】
次に、図5は本発明に係る実施の第4形態である水蒸気移動制御装置の要部断面図である。
【0028】
この水蒸気移動制御装置では、凸嵌合部50と凹嵌合部60とが、凸嵌合部50の基端外周面に形成された凹部56と、凹嵌合部60の先端内周面に形成された凸部66との嵌着によって結合されている点と、凸嵌合部50の段部面57が凹弧状面に形成されると共に凹嵌合部60の先端面67が凸弧状面に形成されている点に特徴がある。
【0029】
従って、この水蒸気移動制御装置では、凹部56と凸部66とがしまり嵌め状態に嵌着した圧接状態になり、この嵌着部によって気密が保持され、かつ凸嵌合部50の段部面57と凹嵌合部60の先端面67との当接による気密保持とで2重に気密を保持することができ、気密性が向上する。
【0030】
尚、この実施の第4形態では、防水膜11のリング状枠11aが弾性体で形成され、このリング状枠11a自体がパッキンとして機能するようにしている。
【0031】
又、この実施の第4形態において、凹部56と凸部66との嵌着がスムーズに行えるように、同図仮想線で示すように、凸嵌合部50の外周面と凹嵌合部60の内周面をテーパ面Tに形成するとよい。
【0032】
以上、本発明の実施の形態を図面により説明したが、具体的な構成はこれに限定されることはない。例えば、筒状体の材質は、アルミやステンレス等の金属でも、合成樹脂でもよい。この際、結合すべき筒状体同士の材質を、一方を金属とし、他方を合成樹脂として、熱膨張率の異なる材質で成形した筒状体同士を結合してもよい。
【0033】
又、防水膜に対向してメッシュ状の電導性多孔体(銅、ステンレス、表面に金属を蒸着した蒸着プラスチック)を取り付けてもよく、これにより、防水膜の電導性多孔体に対向した面の温度調節を行いながら水蒸気の移動方向を一定方向に傾けることができる。
【0034】
又、筒状体を合成樹脂等の絶縁体で形成した場合、その内周面から結合部にかけて金属蒸着を施し、この金属蒸着による電導性によって筒状体の内周に帯電した静電気を逃がす経路を形成するとよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の水蒸気移動制御装置では、一方の小室筒状体の段部面と他方の小室筒状体の凹嵌合部の先端面との当接部によっても気密が保持されるため、結合部による気密保持に加えてこの当接部によって2重に気密を保持することができる。従って、筒状体同士の連結構造において、連結部の気密保持が確実に行えるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の第1形態である水蒸気移動制御装置を示す断面図である。
【図2】その水蒸気移動制御装置の要部の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る実施の第2形態である水蒸気移動制御装置を示す要部断面図である。
【図4】本発明に係る実施の第3形態である水蒸気移動制御装置を示す要部断面図である。
【図5】本発明に係る実施の第4形態である水蒸気移動制御装置を示す要部断面図である。
【図6】従来の水蒸気移動制御装置を示す要部断面図である。
【符号の説明】
10 防水膜
11 防水膜
20 小室
21 小室
3 通気口
40 小室筒状体(筒状体)
41 小室筒状体(筒状体)
42 口金筒状体(筒状体)
41 小室筒状体(筒状体)
50 凸嵌合部
51 雄ネジ部(結合手段)
52 先端面
53 段部面
60 凹嵌合部
61 雌ネジ部(結合手段)
62 段部面
63 先端面
7 パッキン
80 接着剤(結合手段)
81 溶着剤(結合手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、特殊な防水膜とその配列で水蒸気の移動方向を制御することによって、加湿装置、除湿装置、調湿装置等として利用される水蒸気移動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者において、既に特開平5−322060号により水蒸気移動制御装置を提案している。この水蒸気移動制御装置は、図6に示すように、通気性及び透湿性を有する防水膜100を間に挟持して複数の筒状体101,102が一連に連結されて、この防水膜100によって区画された複数の小室103,104が形成されている水蒸気移動制御装置であって、連結されるべき一方の筒状体101の端部に外周面から肉厚の中程まで切欠して凸嵌合部105が形成され、他方の筒状体102の端部に内周面から肉厚の中程まで切欠して凹嵌合部106が形成され、一方の筒状体101の凸嵌合部105の先端面107と他方の筒状体102の段部面108との間に防水膜100がパッキン109,109を介して挟持され、そして、前記凸嵌合部105と凹嵌合部106が結合手段である螺合部110を介して嵌合したものとなっていた。
【0003】
尚、この水蒸気移動制御装置は、一方を外気に開放し、他方を、例えば函体の内部に接続する状態にして使用されるもので、前記各防水膜の通気度及び透湿度を使用して、外気と函体の温度変動速度により、函体の内部を除湿するように水蒸気の移動を制御するものである。
【0004】
そして、この水蒸気移動制御装置は、上記したように、複数の筒状体を一連に連結して形成されるもので、この筒状体同士を気密状態に連結しなければ、ここから空気洩れが発生し、水蒸気の移動を正確に制御することができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の水蒸気移動制御装置では、筒状体同士の連結構造において、一方の筒状体101の凸嵌合部105と他方の筒状体102の凹嵌合部106が螺合部110を介して嵌合しただけのものになっている。従って、連結部の気密保持は、この螺合部110のみによって行わなければならず、確実な気密保持の上からは十分とはいい難いという問題があった。
【0006】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、筒状体同士の連結構造において、連結部の気密保持が確実に行えるようにした水蒸気移動制御装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明(請求項1)の水蒸気移動制御装置では、
通気性及び透湿性を有する防水膜を間に挟持して複数の筒状体が一連に連結されて、前記防水膜によって区画された複数の小室が通気口間に形成されている水蒸気移動制御装置であって、
連結部されるべき一方の筒状体の端部に外周面から肉厚の中程まで切欠して凸嵌合部が形成され、
連結部されるべき他方の筒状体の端部に内周面から肉厚の中程まで切欠して凹嵌合部が形成され、
前記一方の筒状体の凸嵌合部の先端面と、他方の筒状体の段部面との間に防水膜がパッキンを介して挟持され、
前記一方の筒状体の段部面に他方の筒状体の凹嵌合部の先端面が当接するように、前記凸嵌合部と凹嵌合部が結合手段を介して嵌合している構成とした。
【0008】
この場合、結合手段が、凸嵌合部に形成された雄ネジ部と凹嵌合部に形成された雌ネジ部との螺合である態様(請求項2)、凸嵌合部と凹嵌合部との接着である態様(請求項3)、凸嵌合部と凹嵌合部との溶着である態様(請求項4)、凸嵌合部の外周面に形成された凹部と凹嵌合部の内周面に形成された凸部との嵌着(請求項5)がある。
【0009】
この水蒸気移動制御装置では、一方の筒状体の段部面に他方の筒状体の凹嵌合部の先端面が当接している点に特徴がある。従って、この当接部によっても気密が保持されるため、結合手段(雄ネジ部と雌ネジ部との螺合、凸嵌合部と凹嵌合部との接着又は溶着、凹部と凸部との嵌着)による気密保持に加えてこの当接部によって2重に気密を保持することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明に係る実施の第1形態である水蒸気移動制御装置の断面図、図2はその要部の拡大断面図である。
【0011】
この水蒸気移動制御装置は、3枚の防水膜10,11,10によって2個の小室20,21が通気口3,3間に区画形成され、この両通気口3,3間での水蒸気の移動を制御するものとなっている。即ち、この水蒸気移動制御装置は、一方の通気口3を外気に開放し、他方の通気口3を、例えば函体の内部に接続する状態にして使用されるもので、前記各防水膜10,11,10の通気度及び透湿度を使用して、外気と函体の温度変動速度により、函体の内部を除湿するように水蒸気の移動を制御する。
【0012】
前記各防水膜10,11,10は、それぞれ通気性及び透湿性を有する膜体がリング状枠10a,11a,10aに取り付けられたもので、中央の防水膜11は小室20,21の外壁を形成する小室筒状体40,41間に挟持され、又、両側の防水膜10,10は通気口3,3を形成する口金筒状体42,42と小室筒状体40,41の間に挟持されている。
【0013】
この小室筒状体40,41及び口金筒状体42,42は一連に連結されるもので、以下、その連結構造を小室筒状体40,41同士の結合構造を例にとって説明する。
【0014】
連結部されるべき一方の小室筒状体40の端部に外周面から肉厚の中程まで切欠して凸嵌合部50が形成され、この凸嵌合部50の外周に雄ネジ部51が形成されている。
【0015】
又、他方の小室筒状体41の端部に内周面から肉厚の中程まで切欠して凹嵌合部60が形成され、この凹嵌合部60の内周に前記雄ネジ部51に螺合する雌ネジ部61が形成されている。
【0016】
そして、前記一方の小室筒状体40の凸嵌合部50の先端面52と、他方の小室筒状体41の段部面62との間に防水膜11のリング状枠11aがパッキン7,7を介して挟持され、前記一方の小室筒状体40の段部面53に他方の小室筒状体41の凹嵌合部60の先端面63が当接するように、前記凸嵌合部50と凹嵌合部60が嵌合する状態で雄ネジ部51と雌ネジ部61とが螺合している。
【0017】
この場合、一方の小室筒状体40の段部面53が凹弧状面に形成され、他方の小室筒状体41の凹嵌合部60の先端面63が凸弧状面に形成されている。そして、この凹弧状面及び凸弧状面は内側の半径R1が大きく、外側の半径R2が小さく形成されている。
【0018】
尚、前記口金筒状体42,42と小室筒状体40,41との連結構造も上記した小室筒状体40,41同士の結合構造と同様になっている。
【0019】
この水蒸気移動制御装置では、一方の小室筒状体40の段部面53に他方の小室筒状体41の凹嵌合部60の先端面63が当接している。従って、この当接部によっても気密が保持されるため、雄ネジ部51と雌ネジ部61との螺合部による気密保持に加えてこの当接部によって2重に気密を保持することができる。
【0020】
尚、段部面53と先端面63とが凹弧状面と凸弧状面に形成され、かつ内側の半径R1が大きく、外側の半径R2が小さく形成されているため、雄ネジ部51と雌ネジ部61とを螺合していくと、内側の大きい半径R1にガイドされて凹嵌合部60が外向きに変形し、外側の小さい半径R2において圧接状態になる。従って、その当接が密着状態になるため、気密性が向上する。
【0021】
次に、図3は本発明に係る実施の第2形態である水蒸気移動制御装置の要部断面図である。
【0022】
この水蒸気移動制御装置では、凸嵌合部50と凹嵌合部60とが接着剤80によって結合されている点と、段部面54が斜め面に形成され、凹嵌合部60の先端面64が鋭角面に形成されている点で前記第1形態の水蒸気移動制御装置と異なっている。
【0023】
従って、この水蒸気移動制御装置では、鋭角面である先端面64の先端が一方の筒状体40の段部面54に当接していくことによってつぶれていき、その当接が圧接状態になるため、この当接部によっても気密が保持される。このように、凸嵌合部50と凹嵌合部60との接着による気密保持に加え、この当接部による気密保持によって2重に気密を保持することができ、気密性が向上する。
【0024】
次に、図4は本発明に係る実施の第3形態である水蒸気移動制御装置の要部断面図である。
【0025】
この水蒸気移動制御装置では、凸嵌合部50と凹嵌合部60とが溶着剤81によって結合されている点と、段部面55が凸状斜面に形成され、凹嵌合部60の先端面65が凹状斜面に形成されている点で前記第1形態の水蒸気移動制御装置と異なっている。この場合、凸状斜面及び凹状斜面の頂部は、肉厚の中心からオフセットされている。
【0026】
従って、この水蒸気移動制御装置では、段部面55の凸状斜面と先端面65の凹状斜面との当接に際し、凸状斜面及び凹状斜面の大きい斜面K1によってガイドされて凹嵌合部60が内向きに変形し、小さい斜面K2において圧接状態になる。このように、その当接が圧接状態になるため、この当接部によっても気密が保持され、凸嵌合部50と凹嵌合部60との接着による気密保持とで2重に気密を保持することができ、気密性が向上する。
【0027】
次に、図5は本発明に係る実施の第4形態である水蒸気移動制御装置の要部断面図である。
【0028】
この水蒸気移動制御装置では、凸嵌合部50と凹嵌合部60とが、凸嵌合部50の基端外周面に形成された凹部56と、凹嵌合部60の先端内周面に形成された凸部66との嵌着によって結合されている点と、凸嵌合部50の段部面57が凹弧状面に形成されると共に凹嵌合部60の先端面67が凸弧状面に形成されている点に特徴がある。
【0029】
従って、この水蒸気移動制御装置では、凹部56と凸部66とがしまり嵌め状態に嵌着した圧接状態になり、この嵌着部によって気密が保持され、かつ凸嵌合部50の段部面57と凹嵌合部60の先端面67との当接による気密保持とで2重に気密を保持することができ、気密性が向上する。
【0030】
尚、この実施の第4形態では、防水膜11のリング状枠11aが弾性体で形成され、このリング状枠11a自体がパッキンとして機能するようにしている。
【0031】
又、この実施の第4形態において、凹部56と凸部66との嵌着がスムーズに行えるように、同図仮想線で示すように、凸嵌合部50の外周面と凹嵌合部60の内周面をテーパ面Tに形成するとよい。
【0032】
以上、本発明の実施の形態を図面により説明したが、具体的な構成はこれに限定されることはない。例えば、筒状体の材質は、アルミやステンレス等の金属でも、合成樹脂でもよい。この際、結合すべき筒状体同士の材質を、一方を金属とし、他方を合成樹脂として、熱膨張率の異なる材質で成形した筒状体同士を結合してもよい。
【0033】
又、防水膜に対向してメッシュ状の電導性多孔体(銅、ステンレス、表面に金属を蒸着した蒸着プラスチック)を取り付けてもよく、これにより、防水膜の電導性多孔体に対向した面の温度調節を行いながら水蒸気の移動方向を一定方向に傾けることができる。
【0034】
又、筒状体を合成樹脂等の絶縁体で形成した場合、その内周面から結合部にかけて金属蒸着を施し、この金属蒸着による電導性によって筒状体の内周に帯電した静電気を逃がす経路を形成するとよい。
【0035】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の水蒸気移動制御装置では、一方の小室筒状体の段部面と他方の小室筒状体の凹嵌合部の先端面との当接部によっても気密が保持されるため、結合部による気密保持に加えてこの当接部によって2重に気密を保持することができる。従って、筒状体同士の連結構造において、連結部の気密保持が確実に行えるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の第1形態である水蒸気移動制御装置を示す断面図である。
【図2】その水蒸気移動制御装置の要部の拡大断面図である。
【図3】本発明に係る実施の第2形態である水蒸気移動制御装置を示す要部断面図である。
【図4】本発明に係る実施の第3形態である水蒸気移動制御装置を示す要部断面図である。
【図5】本発明に係る実施の第4形態である水蒸気移動制御装置を示す要部断面図である。
【図6】従来の水蒸気移動制御装置を示す要部断面図である。
【符号の説明】
10 防水膜
11 防水膜
20 小室
21 小室
3 通気口
40 小室筒状体(筒状体)
41 小室筒状体(筒状体)
42 口金筒状体(筒状体)
41 小室筒状体(筒状体)
50 凸嵌合部
51 雄ネジ部(結合手段)
52 先端面
53 段部面
60 凹嵌合部
61 雌ネジ部(結合手段)
62 段部面
63 先端面
7 パッキン
80 接着剤(結合手段)
81 溶着剤(結合手段)
Claims (5)
- 通気性及び透湿性を有する防水膜を間に挟持して複数の筒状体が一連に連結されて、前記防水膜によって区画された複数の小室が通気口間に形成されている水蒸気移動制御装置であって、
連結部されるべき一方の筒状体の端部に外周面から肉厚の中程まで切欠して凸嵌合部が形成され、
連結部されるべき他方の筒状体の端部に内周面から肉厚の中程まで切欠して凹嵌合部が形成され、
前記一方の筒状体の凸嵌合部の先端面と、他方の筒状体の段部面との間に防水膜がパッキンを介して取り付けられ、
前記一方の筒状体の段部面に他方の筒状体の凹嵌合部の先端面が当接するように、前記凸嵌合部と凹嵌合部が結合手段を介して嵌合していることを特徴とした水蒸気移動制御装置。 - 請求項1記載の水蒸気移動制御装置において、結合手段が、凸嵌合部に形成された雄ネジ部と、凹嵌合部に形成された雌ネジ部との螺合である水蒸気移動制御装置。
- 請求項1記載の水蒸気移動制御装置において、結合手段が、凸嵌合部と凹嵌合部との接着である水蒸気移動制御装置。
- 請求項1記載の水蒸気移動制御装置において、結合手段が、凸嵌合部と凹嵌合部との溶着である水蒸気移動制御装置。
- 請求項1記載の水蒸気移動制御装置において、結合手段が、凸嵌合部の外周面に形成された凹部と、凹嵌合部の内周面に形成された凸部との嵌着である水蒸気移動制御装置。
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