JP4062961B2 - 耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、主に自動車の構造部材、ホイール、リムおよびシャシーなど足回り部材ならびに、バンパーおよびドアガードバーなどの強度部材等に用いて好適な、引張り強さが590MPa以上で、かつ熱延板のままで使用される、耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、自動車の車体軽量化の観点から、自動車の構造部材、ホイール、リムおよびシャシーなど足回り部材ならびにバンパーおよびドアガードバーなどの強度部材等に用いられる熱延鋼板には、高張力化が求められ、中でも引張り強さが590MPa以上の高張力鋼板に対して、かような要請が殊の外強い。また、このような用途に用いられる熱延鋼板には、良好な耐疲労特性が要求され、特に車体重量を支える足回り部材には、大きな曲げ変形が鋼板に作用するため、曲げモードでの耐疲労特性に優れることが要求される。
【0003】
また、一般に、高張力鋼板は、降伏点が高く、また成形時にスプリングバックを起し易いことから、プレス作業により所定の形状を与えることが難しいとされていたが、このような問題に対し、例えば特開昭55−28375号公報には、軟質なフェライト中に硬質なマルテンサイトを分散させた2相組織とすることにより、引張り強さの程度に比して降伏点を低くすることを可能ならしめ、形状凍結性を向上させた鋼板が提案されている。
しかしながら、最近では、 車体軽量化のための鋼板の高強度化や、車体構成部位の一体成形化および部品形状の複雑化等に適切に対処するため、さらなるプレス加工性の向上が望まれていた。
【0004】
一方、プレス加工性は、表面粗さに少なからず影響を受けることから、表面粗さを調整してプレス加工性を向上させることが検討されている。
【0005】
上記のような、鋼板の表面粗さを適切に調整して、プレス成形性を向上させる技術としては、例えば特開平6−99202号公報に開示の技術がある。この技術は、連続焼鈍によって製造される薄鋼板に対し、スキンパス圧延の制御により付与される表面粗さを、鋼板強度に応じて調整することで、良好な摺動性を確保し、プレス成形性を向上させるものである。
【0006】
しかしながら、特開平6−99202号公報に記載された技術は、主に冷延鋼板、表面処理鋼板のように、もともとの表面粗さが小さい鋼板を対象としているため、熱延鋼板のように圧延中のスケール押し込みなどにより、表面粗さがもともと大きい鋼板に対しては適用し難いという問題があった。
【0007】
また、鋼板の表面粗さを調整してプレス加工などの加工成形用の用途に好適な熱延鋼板を提供する技術としては、特開平9−118918号公報に記載されているものがある。この技術は、鋼板の少なくとも一方の面の表面粗さを、Raで0.8μm以下、Rmaxで4.0μm以下およびRv/Rmaxで0.7以下とすることにより、摺動性および延性の向上を図ろうとするものである。なお、ここでRvは、断面曲線の測定長さ内における最深の谷と中心線までの距離をいう。
【0008】
しかしながら、この技術では、表面粗さのみで加工性を改善しようとするため、この技術により得られる鋼板は、自動車の内板のような大きな加工量を伴う成形を行う場合には、変形量の大きな部分で型かじりが発生し易く、それに伴い割れが生じるというおそれがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、従来技術が抱える上記の諸問題を解決すべく開発されたもので、優れたプレス成形性は勿論のこと、優れた耐型かじり性を有し、さらには良好な耐疲労特性を有する、引張り強さが590MPa以上の高張力熱延鋼板を、その有利な製造方法と共に提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、以下に述べる知見を得た。
a)鋼成分を適正に調整することならびに熱間圧延条件およびその後の冷却条件を適正に制御することにより、鋼を主にフェライトとマルテンサイトとの2相組織として、機械的特性、特に降伏比を低くすることにより、形状凍結性の向上に加え、鋼板の表面部での変形を容易にさせて、プレス成形での作動油の封じ込め効果を容易ならしめ、耐型かじり性を改善することができる。
b)また、算術平均粗さRaを小さくするとプレス成形時の摩擦係数が小さくなり、プレス成形時に型かじりを起こし難くなり、さらに表面での切り欠き効果が低減され、曲げモードでの疲労強度が向上する。
c)さらに、熱延鋼板の板厚方向における結晶粒径に関し、鋼板表層部の結晶粒径が鋼板中心部の結晶粒径よりも大きくならないような分布とすることで、鋼板表層部の強度を、鋼板中心部の強度と同等以上とすることができ、その結果、耐型かじり性が向上し、ひいてはプレス成形時の割れや表面欠陥の発生を防止することができる。
この発明は、これらの知見に立脚するものである。
【0011】
この発明の要旨構成は次のとおりである。
1.C:0.02〜0.2mass%、Si:0.2〜1.2mass%、Mn:1.0〜3.0mass%、Mo:0.1〜1.0mass%、Al:0.01〜0.1mass%、P:0.03mass%以下およびS:0.01mass%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、フェライトを55vol%以上含有すると共に、マルテンサイトを10〜40vol%含有し、両者の合計が95 vol%以上となる鋼組織を有し、鋼板表面から板厚1/4位置までの領域におけるフェライトの平均結晶粒径dsと、板厚1/4位置から板厚中心までの領域におけるフェライトの平均結晶粒径dcとの比ds/dcが、0.3<ds/dc≦1.0で、かつ表面粗さが、算術平均粗さRaで1.5μm以下であることを特徴とする耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板。
【0012】
2.C:0.02〜0.2mass%、Si:0.2〜1.2mass%、Mn:1.0〜3.0mass%、Mo:0.1〜1.0mass%、Al:0.01〜0.1mass%、P:0.03mass%以下およびS:0.01mass%以下を含有し、さらに、Cr:0.3mass%以下、Ca:0.001〜0.005mass%およびREM:0.001〜0.005mass%から選ばれる少なくとも1種を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、フェライトを55vol%以上含有すると共に、マルテンサイトを10〜40vol%含有し、両者の合計が95 vol%以上となる鋼組織を有し、 鋼板表面から板厚1/4位置までの領域におけるフェライトの平均結晶粒径dsと、板厚1/4位置から板厚中心までの領域におけるフェライトの平均結晶粒径dcとの比ds/dcが、0.3<ds/dc≦1.0で、かつ表面粗さが、算術平均粗さRaで1.5μm以下であることを特徴とする耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板。
【0013】
3.C:0.02〜0.2mass%、Si:0.2〜1.2mass%、Mn:1.0〜3.0mass%、Mo:0.1〜1.0mass%、Al:0.01〜0.1mass%、P:0.03mass%以下およびS:0.01mass%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを素材として、仕上げ圧延終了温度を表面温度で(Ar3 −100℃)以上、Ar3 未満とする熱間圧延を行った後、750〜700℃まで冷却し、ひきづづきこの温度範囲で2〜30秒間滞留させた後、冷却して650〜500℃で巻き取ることを特徴とする耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法。
【0014】
4.C:0.02〜0.2mass%、Si:0.2〜1.2mass%、Mn:1.0〜3.0mass%、Mo:0.1〜1.0mass%、Al:0.01〜0.1mass%、P:0.03mass%以下およびS:0.01mass%以下を含有し、さらに、Cr:0.3mass%以下、Ca:0.001〜0.005mass%およびREM:0.001〜0.005mass%から選ばれる少なくとも1種を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを素材として、仕上げ圧延終了温度を表面温度で(Ar3 −100℃)以上、Ar3 未満とする熱間圧延を行った後、750〜700℃まで冷却し、ひきつづきこの温度範囲で2〜30秒間滞留させた後、冷却して650〜500℃で巻き取ることを特徴とする耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法。
【0015】
5.C:0.02〜0.2mass%、Si:0.2〜1.2mass%、Mn:1.0〜3.0mass%、Mo:0.1〜1.0mass%、Al:0.01〜0.1mass%、P:0.03mass%以下およびS:0.01mass%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを素材として、スラブ加熱温度を1100℃以下とし、仕上げ圧延終了温度を表面温度で(Ar3 −100℃)以上、(Ar3 +50℃)以下とする熱間圧延を行った後、40℃/s以上の冷却速度で750〜700℃まで冷却し、ひきづづきこの温度範囲で2〜30秒間滞留させた後、冷却して650〜500℃で巻き取ることを特徴とする耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法。
【0016】
6.C:0.02〜0.2mass%、Si:0.2〜1.2mass%、Mn:1.0〜3.0mass%、Mo:0.1〜1.0mass%、Al:0.01〜0.1mass%、P:0.03mass%以下およびS:0.01mass%以下を含有し、さらに、Cr:0.3mass%以下、Ca:0.001〜0.005mass%およびREM:0.001〜0.005mass%から選ばれる少なくとも1種を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを素材として、スラブ加熱温度を1100℃以下とし、仕上げ圧延終了温度を表面温度で(Ar3 −100℃)以上、(Ar3 +50℃)以下とする熱間圧延を行った後、40℃/s以上の冷却速度で750〜700℃まで冷却し、ひきつづきこの温度範囲で2〜30秒間滞留させた後、冷却して650〜500℃で巻き取ることを特徴とする耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体的に説明する。
まず、この発明において、素材の成分組成を上記の範囲に限定した理由について説明する。
【0018】
C: 0.02〜0.2mass%
Cは、引張り強さの向上に有用な元素であり、所望の引張り強さを得るためには、少なくとも0.02 mass%の含有量を必要とする。しかしながら、C含有量が0.2mass %を超えると、スケールと地鉄の界面にCOガスが発生し、圧延段階でスケール傷発生の原因となり、算術平均粗さRaが大きくなるのみならず、溶接性も急激に劣化する。従って、C含有量は0.02〜0.2mass%の範囲に限定した。より好ましくは0.02〜0.12mass%とする。
【0019】
Si:0.2〜1.2mass%
Siは、固溶強化能が大きく、降伏比および強度−伸びバランスを損なうことなく、鋼の強度上昇に寄与する有用元素であり、またγ→α変態を活性化してγ相へのC濃化を促進するなど、混合組織の形成には不可欠な元素であることに加え、製鋼時には脱酸元素として鋼の清浄化にも有効に寄与する。そして、鋼中にあっては、Fe3 Cなどの炭化物の生成を抑制して、フェライトとマルテンサイトとからなる2相組織の形成を容易とし、降伏比を低下させる上でも必要不可欠な元素である。さらに、フェライト中に固溶して、引張強度を上昇させるとともに、軟質なフェライト粒を強化し、耐疲労特性を向上させる作用もある。
Siによるこれらの効果は、0.2mass%以上で十分に発揮されるが、1.2mass%を超えるとその効果は頭打ちとなり、また鋼表面で剥離し難いスケールが生成され、表面での傷の発生、表面粗さの劣化を招来することとなり、しかも化成処理性も劣化する。従って、Si含有量は0.2〜1.2mass%の範囲に限定した。より好ましくは0.6〜1.2mass%とする。
【0020】
Mn:1.0〜3.0mass%
Mnは、鋼の強度向上に有効に寄与するだけでなく、焼入れ性を向上させる有用元素であり、特に第2相がマルテンサイト相となる組織とするのに有効な元素でもある。また、熱間加工時の脆性割れの原因となる固溶SをMnSとして析出させ、無害化する効果も有する。これらの効果は、Mn含有量が、1.0mass%未満では期待できない。一方、Mn含有量が3.0mass%を超えると鋼表面でのスケールを安定化させ、表面傷を発生させ表面粗さが劣化し易くなるだけでなく、溶接性を劣化させるなど、種々の悪影響を及ぼす。従って、Mn含有量は1.0〜3.0mass%の範囲に限定した。より好ましくは1.0〜2.5mass%とする。
【0021】
Mo:0.1〜1.0mass%
Moは、鋼の強度向上に寄与するのみならず、焼入れ性を向上させてフェライト−マルテンサイトからなる組織形成を容易ならしめ、低降伏比とすることで耐型かじり性を向上させることができる有用元素である。また、Moは鋼中の結晶粒を細粒化して、強度−伸びバランスを向上させると共に表面粗さを低減させる効果を有する元素でもある。さらに、一般に熱延鋼板においては、鋼板表層部の結晶粒径が鋼板中心部の結晶粒径に比べて大きくなる傾向にあるが、Moを添加することにより、Ar 変態点が上昇し、さらにAr 変態点直上で圧延を実施することで、鋼板表層部の結晶粒径が、鋼板中心部のそれに比して大きくなることを防止することができる。すなわち、傾向的に、鋼板表層部はα−γ域での圧延とし、鋼板中心部はγ域での圧延とすることができるため、鋼板表層部の結晶粒を鋼板中心部のそれよりも微細にすることができる。よって、耐型かじり性を向上させることができると共に、曲げモードでの耐疲労特性を向上させることもできる。これらの効果を発揮させるには、Moは0.1mass%以上の含有量が必要であるが、1.0mass%を超えて含有させると、ベイナイトが形成されるようになり、さらに溶接性の劣化などの悪影響を招く。従って、Mo含有量は0.1 〜1.0mass%の範囲に限定した。
【0022】
Al:0.01〜0.1mass%
Alは、脱酸剤として有用な元素であるが、Al含有量が0.01 mass %に満たないとその添加効果に乏しく、一方0.1mass%を超えて含有させても、その効果が頭打ちとなり、しかもコストの上昇や、鋼板の脆化を招くので、Al含有量は0.01〜0.1mass%の範囲に限定した。
【0023】
P:0.03mass%以下
Pは、溶接性を劣化させ、しかも粒界脆化を引き起こす元素であるため、その含有量をできるだけ低減することが好ましい。溶接性の劣化等は、P含有量が0.03mass%を超えると顕著に現れるため、P含有量の上限値は0.03mass%に制限した。なお、現状の精練技術で、製鋼コストの著しい増大を伴わずに低減できるP含有量の下限値は0.005mass%程度である。
【0024】
S:0.01mass%以下
Sは熱間加工性や靭性を著しく劣化させる元素であるため、その含有量をできるだけ低減させるのが好ましい。熱間加工性等の劣化は、Sの含有量が0.01mass%を超えると顕著に現れ、またこの含有量範囲では溶接性を劣化させるおそれもあるので、S含有量の上限値は0.01mass%に制限した。より好ましくは0.007mass%以下である。なお、現状の精練技術では製鋼コストの著しい増大を伴わずに低減できるS含有量の下限値は0.001mass%程度である。
【0025】
以上、必須成分について説明したが、この発明では以下の元素を適宜含有させることもできる。
【0026】
Cr:0.3mass%以下
Crは、焼入れ性の向上だけでなく、固溶元素として鋼の強度上昇にも寄与する有用元素である。またCrは、フェライト−マルテンサイトの2相組織の形成に寄与し、パーライト変態を抑制して、熱延時の第2相であるオーステナイト相を安定化させ、熱延後にマルテンサイトを確保する上でも有用な元素である。
これらの効果を得るためには0.1mass%以上含有させることが好ましいが、0.3mass%を超えて含有させると、鋼板表面に安定なCr系酸化物相が形成され、脱スケール性が阻害され鋼板の表面粗さが大きくなり、また化成処理性が著しく劣化するだけでなく、溶接性にも悪影響を及ぼし、さらにはコストも上昇する。従って、Cr含有量は0.3mass%以下の範囲に限定した。
【0027】
Ca:0.001〜0.005mass%
Caは、硫化物の形態を細かくする作用を有し、伸びおよび耐疲労特性の向上に寄与する有用元素である。
この効果を発揮させるには、0.001 mass%以上の含有量が必要であるが、0.005%を超えて含有させても、その効果は頭打ちとなり、コストが徒に上昇する他、逆に鋼の清浄度を劣化させる。従って、Ca含有量は0.001〜0.005mass%の範囲に限定した。
【0028】
REM:0.001〜0.005mass%
REM(希土類元素)も、Caと同様に、硫化物の形態を細かくする作用を有し、伸びおよび耐疲労特性を向上させる有用元素である。この効果を発揮させるには、0.001mass%以上の含有量が必要であるが、0.005mass%を超えて含有させても、その効果は頭打ちとなり、コストが徒に上昇する他、逆に鋼の清浄度を劣化させる。従って、REM含有量は、0.001〜0.005mass%の範囲に限定した。
なお、上記した成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。
【0029】
次に、この発明の高張力鋼板の組織、平均結晶粒径および表面粗さの限定理由について、それぞれ説明する。
この発明鋼板において、鋼の組織はフェライトを55vol%以上とすることで、フェライトを主相とし、さらにマルテンサイトを10〜40vol%の範囲で生成させる。これにより、降伏比を低下させ、鋼板表層部での変形を起こり易くすると共に、プレス加工時に型と鋼板との接触部での圧力を低下させて、耐型かじり性を向上させることができる。
換言すれば、フェライトが55vol%に満たないと、上記効果を得ることができない。また、上記効果を得るためには、マルテンサイトを10 vol%以上とする必要もある。しかしながら、40 vol %を超えるとその効果は頭打ちとなり、強度が著しく上昇して延性が低下する。
【0030】
なお、上記効果を得るためには、上述したとおり、フェライトを主相とし、フェライトとマルテンサイトの2相組織とすることが好ましいが、他の組織としては、ベイナイト等を5vol%まで許容することができる。
従って、フェライトとマルテンサイトとの合計量は、95 vol%以上となる。なお、フェライトとマルテンサイトとの合計量が95 vol%に満たないと、混在する他の相の影響が大きくなり、上記したフェライト、マルテンサイトの効果を十分に得ることが難しくなる。
【0031】
また、平均結晶粒径については、鋼板表面から板厚1/4位置までの領域、すなわち鋼板表層部におけるフェライトの平均結晶粒径dsと、板厚1/4位置から板厚中心までの領域、すなわち鋼板中心部におけるフェライトの平均結晶粒径dcとの比ds/dcを、0.3より大きく1.0以下として、熱延鋼板の結晶粒の板厚方向での分布を、鋼板表層部の結晶粒径が鋼板中心部の結晶粒径よりも大きくならないように調整することが肝要である。なお、板厚1/4位置とは、鋼板表面から全厚の1/4だけ鋼板内部にある位置のことである。
【0032】
一般に、鋼の強度は、ホール−ペッチの式により、結晶粒径と反比例するため、鋼板表層部の結晶粒径を、鋼板中心部の結晶粒径よりも大きくならないようにすることによって、鋼板表層部の強度を鋼板中心部の強度と同等以上とすることができ、これにより、鋼板と金型との間での型かじりを招来することなく、プレス成形時の割れや表面欠陥の発生を効果的に防止することができる。
【0033】
すなわち、上記の平均結晶粒径比ds/dcが0.3以下の場合には、鋼板中心部の結晶粒が著しく粗大化するので、鋼板の強度が十分に得られず、また鋼板表層部と鋼板中心部とで強度差が大きくなって、プレス成形時の金型によるかじりが増大し、耐型かじり性が低下する。
一方、上記比ds/dcが1.0を超えた場合には、鋼板表層部の強度が低下し、やはり耐型かじり性の低下を招く。
【0034】
さらに、表面粗さについては、算術平均粗さRaで1.5μm以下とする必要がある。というのは、Raが1.5μmを超えると、耐型かじり性、耐疲労特性がともに劣化し、上記のように鋼板の組織調整を行っても、耐型かじり性、耐疲労特性の向上の効果を得ることができないからである。なお、より好ましい表面粗さの範囲は、算術平均粗さRaで0.8〜1.2μmである。
【0035】
次に、この発明の製造方法について説明する。
上記したような成分組成を好適成分組成とした鋼スラブを素材として、仕上げ圧延終了温度が表面温度で(Ar3 変態点−100℃)以上、Ar3 変態点未満となる条件下で熱間圧延を行う。仕上げ圧延終了温度を、上記温度範囲とすることにより、仕上げ圧延の最終スタンドにおいて、鋼板表層部はその大部分がα−γ域での圧延、一方鋼板中心部はその大部分がγ域での圧延となるため、鋼板表層部の結晶粒径を鋼板中心部の結晶粒径よりも大きくならないように調整することができ、かくして耐型かじり性を向上させることができるだけでなく、曲げモードでの耐疲労特性を改善することができる。より好ましくは(Ar3 −50℃)以上、Ar3 未満の範囲である。
なお、熱延板の厚みは、特に制限されることはないが、2.0〜5.0mm程度とするのが好適である。
【0036】
上記の熱間圧延後、750〜700℃の温度範囲まで冷却し、ひきつづきこの温度範囲で2〜30秒間滞留させた後、冷却して650〜500℃で巻き取る。
750〜700℃の温度範囲まで冷却することにより、フェライト変態を促進させることができ、γ相中へのC濃化が促進され、マルテンサイト相が生成し易くなる。750℃を超える温度までの冷却あるいは、700℃未満の温度までの冷却では、フェライト相の析出ノーズから外れて、緩冷過程、すなわち750〜700℃の温度域における滞留でのフェライト変態が遅延するため、α−γの2相分離が促進されない。なお、より好ましい冷却限定範囲は、730〜720℃である。また、冷却速度は特に限定する必要はないが、平均冷却速度で15〜40℃/Sとすることが好ましい。
【0037】
また、750〜700℃の温度範囲まで冷却の後、ひきつづきこの温度範囲で2〜30秒間滞留させることは、α−γの2相分離の促進に寄与することから、最終的に目的とするフェライト−マルテンサイト組織を得る上で重要である。滞留時間が2秒未満では、γ→αの2相分離は進行せず、γ中へのC濃化が不十分で、続く巻き取り工程での第2相のマルテンサイト変態が起こり難くなり、目的とする組織が得られない。また、滞留時間が30秒を超えると、フェライト変態が過度に進行し、γ→αの2相分離が促進され、鋼板表層部と鋼板中心部とにおける結晶粒径差が大きくなり、しかもパーライト変態が始まってパーライトが生成するので、マルテンサイトの生成は著しく抑制されて、十分な量のマルテンサイトが形成されず、降伏比の上昇およびプレス加工性の低下を招く。なお、この滞留処理については、一定の温度に保持する保定処理、またはこの温度範囲内で空冷等として徐冷するいわゆる緩冷処理のいずれであってもよい。また、より好ましい滞留時間は、5〜10秒間である。
【0038】
上記の滞留の後、冷却して650〜500℃で巻き取り熱延鋼板とする。なお、この際の冷却速度は特に限定する必要はないが、15〜40℃/Sとすることが好ましい。ここに、巻き取り温度を650〜500℃としたのは、650℃を超えると、パーライトが生成し、マルテンサイトの生成が著しく抑制されて、目的とする組織とできなくなるとともに、巻き取り後のスケール成長が起こり、酸洗性が悪くなり、過剰酸化により地鉄表面の粗さが大きくなる。 また、500℃未満では、巻き取り温度の低下により、鋼板が波打つような形状になり易く、その制御が困難になると共に巻き取り工程で表面キズが発生し易くなり算術平均粗さRaを低下させる。また、強度が著しく上昇して、プレス加工性の顕著な劣化を招き、さらに組織中にベイナイト相が多量に混在するようになる場合があり、マルテンサイトの生成を抑制して、降伏比の上昇をもたらすからである。より好適な巻取り温度範囲は、600〜550℃である。なお、その後の冷却温度については特に制限はないが、本発明では、上記の温度範囲での巻き取りにより、オーステナイト相への十分なC濃化が達成されているので、大気放冷で十分である。
【0039】
上述したように、圧延後、750〜700℃で2〜30秒間滞留という緩冷過程を経て650〜500℃で巻き取るという2段冷却方法により、α−γの2相分離が促進され、α−γの2相組織の形成が促進される。
なお、上記のように熱間圧延時の仕上圧延終了温度を表面温度で(Ar3 −100℃)以上、Ar3 未満とする場合、熱間圧延前のスラブ加熱温度は特に限定されず、通常の範囲である1100〜1250℃程度で十分である。
【0040】
一方、スラブ加熱温度を1100℃以下と低温にすることに加え、熱間圧延後、750〜700℃までの冷却速度を40℃/s以上と速くすることにより、圧延終了温度がAr3 以上となっても、鋼板表層部の結晶粒を鋼板中心部の結晶粒径よりも大きくならないように調整することができることも知見した。
【0041】
次にこの場合の製造方法について説明する。
上記したような成分組成を好適成分組成とした鋼スラブを素材として、スラブ加熱温度を1100℃以下とし、仕上圧延終了温度が表面温度で(Ar3 変態点−100℃)以上、(Ar3 変態点+50℃)以下の条件で熱間圧延を施す。スラブ加熱温度を1100℃以下とすることで、γ粒径が細かくすることができ、また、スラブ加熱時および加熱後から圧延機搬送中において表面に形成されるスケール層の厚さを低減するとともに、スケール形成時に鋼板表面に導入される凹凸が小さくなる。すなわち、スラブ表面では、スラブ内から、γ粒界を拡散してくるFe及びMn, Si等の溶質元素と、雰囲気(大気)中からの酸素の導入によりスケールが形成されるが、温度が高いほど、Fe及びMn, Siの溶質元素および酸素のγ粒界中の拡散速度が大きく、特にγ粒界で大きく成長したスケールが形成されるようになり、表面での凹凸が大きくなる。1100℃を超えると、この凹凸の形成が著しくなり、算術平均粗さRaを1.5μm以下とすることが困難となる。
従って、スラブ加熱温度を1100℃以下と低くすれば、表面での結晶粒径が小さくなるとともに表面粗さも小さくなり、この結果、耐型かじり性が向上するとともに、曲げモードでの疲労特性も向上する効果が得られる。なお、スラブ加熱温度は、より好ましくは1050℃以下とする。
【0042】
熱間圧延時の仕上げ圧延終了温度は、表面温度で(Ar3 −100℃)以上、(Ar3+50℃)以下とすることにより、鋼板表層部の結晶粒径を鋼板中心部の結晶粒径よりも大きくならないようにすることができる。圧延終了温度が表面温度で(Ar3 −100℃)未満となると、フェライト変態が促進されて、表層で粗大粒が形成されるようになる。
また、圧延終了温度が表面温度でAr3 +50℃を超えると、スラブ加熱温度を低温化し、圧延後に急冷を行なっても、表層においてもγ粒の粗大化がおこり、表層部と板内部との粒径化ds/dcを、1以下にすることは困難である。
【0043】
上記熱間圧延後、750℃〜700℃の温度範囲まで40℃/s以上で冷却する。なおここで冷却速度は、熱間圧延終了後、750〜700℃の温度範囲で冷却を終了するまでの平均冷却速度である。熱間圧延後の冷却速度を40℃/s以上とすることで、圧延終了温度が(Ar3 −100℃)以上Ar3 未満の範囲のみならず、Ar3 以上でも、Ar3 +50℃以下であれば圧延後の再結晶γ粒の成長を抑制するとともに、過冷却効果により鋼中、特に表面近傍に歪みを多く蓄積して、γ→α変態時の核を多く導入し、フェライト粒を微細にする効果を有する。従って、鋼板表層部の結晶粒径を鋼板中心部の結晶粒径よりも小さくするようにできるので、耐型かじり性が向上するとともに、曲げモードでの耐疲労特性を改善することができる。より好ましい熱間圧延後の冷却速度は、50℃/s以上とする。
【0044】
なお、750〜700℃の温度範囲まで冷却する理由、ひきつづきこの温度範囲で2〜30秒間滞留させる理由、及び650〜500℃で巻き取る理由等にについては、上記した理由と同様である。
【0045】
加えて、上述した製造方法において、熱間圧延を行った後の鋼板に酸洗を施して酸洗熱延鋼板とすることが好ましい。酸洗方法については、特に限定されず、常法に従えばよい。また酸洗前あるいは酸洗後、必要に応じ、形状矯正のための調質圧延(圧下率:1%以下程度)を行ってもよい。
【0046】
【実施例】
表1に示す種々の成分組成になる鋼を、表2に示す条件で熱延鋼板とした。なお、熱延鋼板の板厚は2.7mmとし、いずれの熱延鋼板も熱間圧延後に酸洗を行い、調質圧延は行わなかった。
【0047】
かくして得られた熱延鋼板の、鋼組織、鋼板中心部および鋼板表層部におけるフェライト平均結晶粒径およびそれらの比 ds/dc、表面粗さRa、ならびに引張り特性(降伏強さ(YS)、引張り強さ(TS)、伸び(El)、降伏比(YR=YS/TS))、耐型かじり性、耐疲労特性(耐久比(疲労強度σwと引張り強さTSとの比))、化成処理性(化成被膜重量)についての調査した結果を表3に示す。
【0048】
なお、各項目については次のようにして評価した。
(1)鋼組織およびフェライト平均結晶粒径
鋼組織は、得られた熱延板から採取した試験片の圧延方向に平行な方向の断面を全厚について観察し、電子顕微鏡写真を画像解析して各組織の組織分率を求め、これを体積分率として評価した。また、フェライト平均結晶粒径は、電子顕微鏡で写真撮影した後、JIS G 0552に示される鋼のフェライト結晶粒度試験方法の切断法に準拠して求めた。
なお、ds は、鋼板表層部、すなわち鋼板のおもて面側から板厚の1/4位置までの領域およびうら面側から板厚の1/4位置までの領域について求めたフェライトの平均結晶粒径であり、dc は、鋼板のおもて面側およびうら面側の1/4位置から板厚中心位置まで、すなわち全厚の1/2にわたる鋼板中心部について求めたフェライトの平均結晶粒径である。
【0049】
(2)表面粗さ
JIS B 0601に準拠して、算術平均粗さRaを求めた。
【0050】
(3)引張り特性
酸洗後の熱延鋼板の圧延方向に対し90°の方向より採取したJIS 5号引張試験片を用い、引張り試験を行って求めた。
【0051】
(4)耐型かじり性
耐型かじり性は、直径:33mmの円筒ポンチを使用して、防錆油を塗布した鋼板について、絞り比=1.8の円筒絞り成形を行い、成形した鋼板について、金型とのかじり状況を調査し、目視による0から5までの6段階評点方式で評価した。なお、この評点は、その値が小さいほど優れた結果を示し、2以下であれば問題のないレベルといえる。
【0052】
(5)耐疲労特性部
完全両振りの平面曲げ疲労試験(JIS Z 2275)に準拠し、107 回繰り返し負荷後、破断しない応力を疲労強度σwとして、疲労強度σwと引張り強さTSとの比である 耐久比σw/TSを求めることにより 評価した。なお、この耐久比σw/TS は、その値が大きいほど曲げモードでの耐疲労特性が良好であり、目標値は0.55以上である。
【0053】
(6)化成処理性
化成処理性は、試験材である鋼板(質量W )を、洗浄・脱脂後、化成剤(りん酸亜鉛溶液)を含む溶液中に一定時間浸漬し、さらに洗浄後、質量(W)を測定し、りん酸亜鉛結晶の付着による単位面積当たりの質量増加分(W−W )、すなわち化成被膜重量を算出することにより評価した。目標値は、2.0g/m2 以上である。
【0054】
【表1】
Figure 0004062961
【0055】
【表2】
Figure 0004062961
【0056】
【表3】
Figure 0004062961
【0057】
表3に示したとおり、この発明に従い得られた発明例はいずれも、引張り強さTSが590MPa以上で、降伏比YRが70%よりも小さく、また他の鋼に比して、耐型かじり性および耐疲労特性に優れ、さらには化成処理性も良好であった。
なお、表には示していないが、発明例はいずれも、溶接性に問題がないことも確認されている。
【0058】
【発明の効果】
かくして、この発明によれば、優れた耐型かじり性および耐疲労特性を有し、さらには化成処理性など他の特性にも優れた高張力鋼板を安定して得ることができる。

Claims (6)

  1. C:0.02〜0.2mass%、
    Si:0.2〜1.2mass%、
    Mn:1.0〜3.0mass%、
    Mo:0.1〜1.0mass%、
    Al:0.01〜0.1mass%、
    P:0.03mass%以下および
    S:0.01mass%以下
    を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、
    フェライトを55vol%以上含有すると共に、マルテンサイトを10〜40vol%含有し、両者の合計が95 vol%以上となる鋼組織を有し、
    鋼板表面から板厚1/4位置までの領域におけるフェライトの平均結晶粒径dsと、板厚1/4位置から板厚中心までの領域におけるフェライトの平均結晶粒径dcとの比ds/dcが、0.3<ds/dc≦1.0で、かつ
    表面粗さが、算術平均粗さRaで1.5μm以下であることを特徴とする耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板。
  2. C:0.02〜0.2mass%、
    Si:0.2〜1.2mass%、
    Mn:1.0〜3.0mass%、
    Mo:0.1〜1.0mass%、
    Al:0.01〜0.1mass%、
    P:0.03mass%以下および
    S:0.01mass%以下
    を含有し、さらに、
    Cr:0.3mass%以下、
    Ca:0.001〜0.005mass%および
    REM:0.001〜0.005mass%
    から選ばれる少なくとも1種を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になり、
    フェライトを55vol%以上含有すると共に、マルテンサイトを10〜40vol%含有し、両者の合計が95 vol%以上となる鋼組織を有し、
    鋼板表面から板厚1/4位置までの領域におけるフェライトの平均結晶粒径dsと、板厚1/4位置から板厚中心までの領域におけるフェライトの平均結晶粒径dcとの比ds/dcが、0.3<ds/dc≦1.0で、かつ
    表面粗さが、算術平均粗さRaで1.5μm以下であることを特徴とする耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板。
  3. C:0.02〜0.2mass%、
    Si:0.2〜1.2mass%、
    Mn:1.0〜3.0mass%、
    Mo:0.1〜1.0mass%、
    Al:0.01〜0.1mass%、
    P:0.03mass%以下および
    S:0.01mass%以下
    を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを素材として、仕上げ圧延終了温度を表面温度で(Ar3 −100℃)以上、Ar3 未満とする熱間圧延を行った後、750〜700℃まで冷却し、ひきづづきこの温度範囲で2〜30秒間滞留させた後、冷却して650〜500℃で巻き取ることを特徴とする耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法。
  4. C:0.02〜0.2mass%、
    Si:0.2〜1.2mass%、
    Mn:1.0〜3.0mass%、
    Mo:0.1〜1.0mass%、
    Al:0.01〜0.1mass%、
    P:0.03mass%以下および
    S:0.01mass%以下
    を含有し、さらに、
    Cr:0.3mass%以下、
    Ca:0.001〜0.005mass%および
    REM:0.001〜0.005mass%
    から選ばれる少なくとも1種を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを素材として、仕上げ圧延終了温度を表面温度で(Ar3 −100℃)以上、Ar3 未満とする熱間圧延を行った後、750〜700℃まで冷却し、ひきつづきこの温度範囲で2〜30秒間滞留させた後、冷却して650〜500℃で巻き取ることを特徴とする耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法。
  5. C:0.02〜0.2mass%、
    Si:0.2〜1.2mass%、
    Mn:1.0〜3.0mass%、
    Mo:0.1〜1.0mass%、
    Al:0.01〜0.1mass%、
    P:0.03mass%以下および
    S:0.01mass%以下
    を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを素材として、スラブ加熱温度を1100℃以下とし、仕上げ圧延終了温度を表面温度で(Ar3 −100℃)以上、(Ar3 +50℃)以下とする熱間圧延を行った後、40℃/s以上の冷却速度で750〜700℃まで冷却し、ひきづづきこの温度範囲で2〜30秒間滞留させた後、冷却して650〜500℃で巻き取ることを特徴とする耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法。
  6. C:0.02〜0.2mass%、
    Si:0.2〜1.2mass%、
    Mn:1.0〜3.0mass%、
    Mo:0.1〜1.0mass%、
    Al:0.01〜0.1mass%、
    P:0.03mass%以下および
    S:0.01mass%以下
    を含有し、さらに、
    Cr:0.3mass%以下、
    Ca:0.001〜0.005mass%および
    REM:0.001〜0.005mass%
    から選ばれる少なくとも1種を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる鋼スラブを素材として、スラブ加熱温度を1100℃以下とし、仕上げ圧延終了温度を表面温度で(Ar3 −100℃)以上、(Ar3 +50℃)以下とする熱間圧延を行った後、40℃/s以上の冷却速度で750〜700℃まで冷却し、ひきつづきこの温度範囲で2〜30秒間滞留させた後、冷却して650〜500℃で巻き取ることを特徴とする耐型かじり性および耐疲労特性に優れた高張力熱延鋼板の製造方法。
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