JP4062597B2 - 樹脂付き金属箔および多層プリント回路板 - Google Patents

樹脂付き金属箔および多層プリント回路板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂付き金属箔および多層プリント回路板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型パーソナルコンピューターや携帯電話等の携帯型電子機器は、軽量化かつ小型化することが求められている。そのため、電子機器内部のCPUやLSI等を実装する多層プリント回路板についても、小型軽量化が自ずと求められている。多層プリント回路板の小型軽量化を実現するためには、絶縁樹脂層の厚さを薄くする、プリント配線幅および配線間距離の極小化、スルーホール径を小さくしメッキ厚さを薄くすること等の方法が必要である。
【0003】
しかし、メッキ厚さを薄くすると熱衝撃時にメッキクラックが発生するおそれがあるため、絶縁樹脂層には耐熱性が要求される。
また、これらの電子機器は、高速化も要求されており、CPUの高クロック周波数化が望まれている。このため信号伝搬速度の高速化および信号伝搬損失の小さいことが要求されており、これを実現するために低誘電率、低誘電正接の多層プリント回路板が必要とされる。
更に、高周波対応の多層プリント回路板には、材料の誘電特性のみならず、インピーダンス制御が不可欠である。絶縁樹脂層の厚さがインピーダンス制御を支配する要因は大きく、回路幅の制御以外に絶縁樹脂層の厚さの均一性が強く求められる。
【0004】
耐熱性および誘電特性に優れた樹脂として、ベンゾシクロブテン樹脂が用いられる(例えば特開2000−21872号公報)。ベンゾシクロブテン樹脂は、硬化反応により水酸基等の分極率の大きな官能基が生じないため、誘電特性が非常に優れている。
しかし、ベンゾシクロブテン樹脂は、高温における粘性が低いため、該樹脂を樹脂付き金属箔に用いた場合には、次のような問題が生じていた。加熱加圧成形時に樹脂付き金属箔の絶縁樹脂層のフローが大きくなり過ぎ、内層回路を埋め込む層間樹脂厚さを一定に維持することが困難であり、成形条件の幅が小さくなり成形が非常に難しかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、絶縁樹脂層の厚さのバラツキが少ない樹脂付き金属箔および多層プリント回路板を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(15)に記載の本発明により達成される。
(1) 金属箔と、
厚さ10〜50μmで形成され、ベンゾシクロブテン樹脂を含む絶縁樹脂組成物で構成される第1の樹脂層と、
厚さ10〜50μmで形成され、ベンゾシクロブテン樹脂を含む絶縁樹脂組成物で構成される第2の樹脂層とがこの順に積層され、
前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層は、それぞれ、ベンゾシクロブテン樹脂と架橋剤を含む絶縁樹脂組成物で構成され、前記第1の樹脂層に含まれる架橋剤の含有量は、前記第2の樹脂層に含まれる架橋剤の含有量よりも多く、
前記第1の樹脂層におけるベンゾシクロブテン樹脂の分子量が、前記第2の樹脂層におけるベンゾシクロブテン樹脂の分子量と同等またはそれ以上であることを特徴とする樹脂付き金属箔。
) 前記第1の樹脂層に含まれる架橋剤の含有量は、前記第1の樹脂層におけるベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して1.0〜5重量部である上記()に記載の樹脂付き金属箔。
) 前記第2の樹脂層に含まれる架橋剤の含有量は、前記第2の樹脂層におけるベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して0.1〜1.0重量部である上記()または()に記載の樹脂付き金属箔。
) 前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層のうちの少なくとも一つの樹脂層は、更にエラストマーを含むものである上記(1)ないし()のいずれかに記載の樹脂付き金属箔。
) 前記エラストマーは、熱可塑性エラストマーである上記()に記載の樹脂付き金属箔。
) 前記熱可塑性エラストマーは、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーの中から選ばれる1種以上である上記()に記載の樹脂付き金属箔。
) 前記エラストマーは、常温で液状である液状エラストマーである上記()に記載の樹脂付き金属箔。
) 前記エラストマーの含有量は、ベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部である上記()ないし()のいずれかに記載の樹脂付き金属箔。
) 前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層のうちの少なくとも一つの樹脂層は、更に無機充填材を含むものである上記(1)ないし()のいずれかに記載の樹脂付き金属箔。
10) 前記無機充填材は、比誘電率20以下である上記()に記載の樹脂付き金属箔。
11) 前記無機充填材は、針状の無機充填材である上記()または(10)に記載の樹脂付き金属箔。
12) 前記針状の無機充填材の最大繊維長は、10〜50μmである上記(11)に記載の樹脂付き金属箔。
13) 前記無機充填材の含有量は、絶縁樹脂組成物全体の5〜60重量%である上記()ないし(12)のいずれかに記載の樹脂付き金属箔。
14) 前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層のうちの少なくとも一つの樹脂層は、更に紫外線吸収剤を含むものである上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の樹脂付き金属箔。
15) 上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の樹脂付き金属箔を内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱、加圧してなる多層プリント回路板。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の樹脂付き金属箔および多層プリント回路板を詳細に説明する。本発明の樹脂付き金属箔(特に樹脂付き銅箔)は、金属箔およびベンゾシクロブテン樹脂を含む絶縁樹脂組成物で構成される樹脂層を2層以上有することを特徴とするものである。
また、本発明の多層プリント回路板は、上記記載の樹脂付き金属箔を内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱、加圧してなることを特徴とするものである。
【0008】
以下、樹脂付き金属箔について説明する。
図1は、本発明の樹脂付き金属箔の一例を示す側面図である。樹脂付き金属箔1は、金属箔11と、第1の樹脂層12と、第2の樹脂層13とをこの順に積層したものである。
第1の樹脂層12は、金属箔11の片面に形成される。
第2の樹脂層13は、第1の樹脂層12上に形成される。
なお、金属箔11と第1の樹脂層12との間および第1の樹脂層12と第2の樹脂層13との間に他の中間層が形成されていても構わない。
【0009】
本発明の樹脂付き金属箔は、図1に示すようにベンゾシクロブテン樹脂を含む絶縁樹脂組成物で構成される樹脂層を2層以上有しているものである。これにより、各層で機能分離をして、内層回路の埋め込み性と絶縁樹脂層の厚さのバラツキを抑制できる。
【0010】
前記ベンゾシクロブテン樹脂は、特に限定されるものではなく、シクロブテン骨格を含む樹脂であれば良い。これらの中でも一般式(IA)、(IB)または(IC)で表されるベンゾシクロブテン樹脂を含むことが好ましい。これにより、ガラス転移温度が高くでき、硬化後の樹脂特性を向上することができる。
【化1】
Figure 0004062597
ベンゾシクロブテン樹脂が硬化後の樹脂特性を向上させる理由は、硬化反応によって水酸基などの分極率の大きな官能基が生じることがないため、誘電特性が非常に優れており、かつ低吸水率であるからである。更に、剛直な化学構造を有するため耐熱性に優れているからである。
【0011】
また、前記一般式(IA)、(IB)または(IC)を有するベンゾシクロブテン樹脂をBステージ化したものも成形性、流動性を調整するために好ましく使用され、本発明に含まれるものである。Bステージ化は、通常加熱溶融して行われる。Bステージ化したベンゾシクロブテン樹脂とは、例えば数平均分子量3,000〜1,000,000のものをいう。前記数平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G.P.C.)を用いて測定することができる。
【0012】
前記ベンゾシクロブテン樹脂の含有量は、特に限定されないが、絶縁樹脂組成物全体(液状エラストマーを除く、ベンゾシクロブテン樹脂およびその他の樹脂)の20〜95重量%が好ましく、特に30〜90重量%が好ましい。含有量が前記下限値未満では比誘電率、誘電正接等の誘電特性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると作業性、耐クラック性を向上する効果が低下する場合がある。
【0013】
前記複数の樹脂層を構成するベンゾシクロブテン樹脂は、同じ樹脂でも良いが、分子量の異なる樹脂であることが好ましい。これにより、絶縁樹脂層間の厚さ制御をより均一にできる。
更に、第1の樹脂層(金属箔面側の層)におけるベンゾシクロブテン樹脂の分子量が、第2の樹脂層(表面層)のベンゾシクロブテン樹脂の分子量よりも高い方が好ましい。これにより、配線回路などの凹凸の埋め込み性と絶縁層間厚さの維持、平滑化とを両立できる。
【0014】
本発明の樹脂付き金属箔は、特に限定されないが、金属箔と、ベンゾシクロブテン樹脂と架橋剤を含む絶縁樹脂組成物で構成される第1の樹脂層と、ベンゾシクロブテン樹脂と架橋剤とを含む絶縁樹脂組成物で構成される第2の樹脂層とがこの順で積層された樹脂付き金属箔であって、前記第1の樹脂層に含まれる架橋剤の含有量は、前記第2の樹脂層に含まれる架橋剤の含有量と同量またはそれ以上であることが好ましい。これにより、第1の樹脂層では、絶縁樹脂層の厚さのバラツキを特に低減できる。また、第2の樹脂層では、内層回路の埋め込み性を特に向上することができる。
【0015】
前記第1の樹脂層に含まれる架橋剤の量と、前記第2の樹脂層に含まれる架橋剤の量は、特に限定されないが、前記第1層に含まれる架橋剤の量が前記第2層に含まれる架橋剤の量と同等またはそれ以上であることが好ましい。
また、前記第1の樹脂層に含まれる架橋剤の量は、特に限定されないが、ベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して架橋剤1.0〜5重量部が好ましく、特に好ましくは2〜4重量部である。前記第2の樹脂層に含まれる架橋剤の量も、特に限定されないが、ベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して架橋剤0.1〜1.0重量部が好ましく、特に好ましくは0.2〜0.8重量部である。前記第1の樹脂層の架橋剤含有量が前記下限値未満であると樹脂フローが大きくなり平滑性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えるとプレス成形不良が生じる場合がある。
また、前記第2の樹脂層の架橋剤含有量が前記下限値未満であるとフローが大きくなりすぎ絶縁樹脂層の厚さを均一にする効果が低下する場合があり、前記上限値を超えるとプレス成形不良が生じる場合がある。
前記第1および第2の樹脂層に含まれる架橋剤の含有量が前記範囲内であると、第1層のベンゾシクロブテン樹脂の反応率が、第2層のベンゾシクロブテン樹脂の反応率よりも高くなり、その結果として第1層は樹脂フローを特に制御することができ、第2層は回路の埋め込み性を特に向上することができる。
【0016】
前記架橋剤としては、例えばトリアリルイソシアヌレート、スチレン、ジビニルベンゼン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、アクリル酸エステル等のアクリルの官能基を有する化合物、メタクリル酸等のメタクリルの官能基を有する化合物、1,2―ビス(アジドベンジル)エチレン等のアジド基を有する化合物を挙げることができる。
【0017】
前記第1の樹脂層の厚さは、特に限定されないが、10〜50μmが好ましく、特に15〜45μmが好ましい。また、前記第2の樹脂層の厚さは、特に限定されないが、10〜50μmが好ましく、特に15〜45μmが好ましい。
【0018】
本発明では第2の樹脂層の絶縁樹脂組成物におけるベンゾシクロブテン樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、300,000以下であること好ましい。これにより、プレス積層時に樹脂付き金属箔の絶縁樹脂層の流動性を確保し、積層するコア基板の配線回路などの凹凸を埋め込むことができる。第2の樹脂層におけるベンゾシクロブテン樹脂の数平均分子量が300,000を超えると樹脂付き金属箔の絶縁樹脂層の流動性が低下する場合がある。
【0019】
本発明では、前述の数平均分子量300,000以下であるベンゾシクロブテン樹脂を有する絶縁樹脂組成物で構成される第2の樹脂層と、前記第1の樹脂層との厚さの比率は、特に限定されないが、1:5〜5:1の比率であることがプレス積層時に樹脂付き金属箔(特に、樹脂付き銅箔)の絶縁樹脂層の流動性を確保し、積層するコア基板の配線回路などの凹凸を埋め込む点で好ましい。
【0020】
前記少なくとも一つの樹脂層は、特に限定されないが、更にエラストマーを含むことが好ましい。これにより、ベンゾシクロブテン樹脂の耐クラック性を向上することができる。エラストマーは、ゴム弾性に優れているからである。
前記エラストマーとしては、例えば熱可塑性エラストマーおよび液状エラストマーを挙げることができる。
前記熱可塑性エラストマーは、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等のポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等が挙げられる。これらの中でもスチレン−ブタジエン共重合体が好ましく、特に式(II)で示される熱可塑性エラストマーが好ましい。
【化2】
Figure 0004062597
【0021】
前記式(II)の熱可塑性エラストマーは、ベンゾシクロブテン樹脂との相溶性に優れるからである。ベンゾシクロブテン樹脂と熱可塑性エラストマーとの相溶性に優れると、耐クラック性を向上する効果に加え、金属箔との密着性を向上することができる。前記式(II)で示される熱可塑性エラストマーは、ソフトセグメントのジエン部位を含むためゴム弾性に優れ、またエポキシ基を含むことにより金属箔との密着性を特に高くできる。さらに骨格中に極性基が少ない化学構造を有しているため、双極子モーメントが小さく誘電特性を低下させない。従って、式(II)で示される熱可塑性エラストマーをベンゾシクロブテン樹脂と併用することで誘電特性、耐クラック性、金属箔との密着性等の特性の優れた樹脂組成物を得ることができる。
【0022】
前記熱可塑性エラストマーの数平均分子量は、特に限定されないが、10,000〜150,000が好ましく、特に50,000〜100,000が好ましい。数平均分子量が前記下限値未満であると耐クラック性を向上する効果が低下する場合が有り、前記上限値を超えるとベンゾシクロブテン樹脂との相溶性が低下する場合がある。
なお、前記数平均分子量は、例えばGPCを用いて測定することができる。
【0023】
前記エラストマーは、特に限定されないが、常温で液状である液状エラストマーが好ましい。これにより、樹脂付き金属箔の耐クラック性を特に向上することができる。また、樹脂ワニスとの分散性が良好であるため(特に、液状エラストマーは、ベンゾシクロブテン樹脂との相溶性に優れるため)、作業性を向上することができる。
前記常温で液状のエラストマーとしては、例えば液状ポリブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合体、液状スチレン−イソプレン共重合体等のポリスチレン系液状エラストマー、液状ポリイソプロピレン、液状ポリブタジエン等のポリオレフィン系液状エラストマー等が挙げられる。これらの中でも液状ポリブタジエンが好ましく、特に電子吸引基を有する液状ポリブタジエンが好ましい。これにより、エラストマーとベンゾシクロブテン樹脂との反応性を向上できるため、硬化時間を短縮することができる。
常温で液状とは、粘度1〜500Pa・s/25℃程度をいう。
【0024】
前記エラストマーの含有量は、ベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部が好ましく、特に0.5〜30重量部が好ましい。含有量が前記下限値未満であると耐クラック性を向上する効果が低下する場合が有り、前記上限値を超えるとベンゾシクロブテン樹脂との相溶性が低下する場合がある。なお、前記エラストマーは、前記第1の樹脂層、第2の樹脂層のいずれか一層のみが含有していても、両層が含有していても良い。耐クラック性、作業性の点より、前記エラストマーを前記第1の樹脂層、第2の樹脂層の両層が含有することが好ましい。この場合、それぞれの含有量は、同じでも良いが異なっていても良い。
【0025】
前記少なくとも一つの樹脂層は、特に限定されないが、無機充填材を含むことが好ましい。
前記無機充填材としては、例えばタルク、焼成クレー等のケイ酸塩、アルミナ、シリカ、溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ケイ素等の窒化物等が挙げられる。
【0026】
前記無機充填材の比誘電率は、特に限定されないが、比誘電率20以下の無機充填材を用いることが好ましい。これにより、本発明の樹脂組成物を多層プリント回路板にした場合、誘電特性を低下することなく、耐クラック性を向上することができる。
更に、比誘電率20以下の無機充填材と前述したベンゾシクロブテン樹脂との組合せにより、誘電特性を低下することなく、耐クラック性を向上することができる。前記無機充填材の比誘電率が20を超えると、誘電特性を向上する効果が低下する場合がある。
前記比誘電率20以下の無機充填材としては、例えばアルミナ等のアルミニウム化合物、シリカ、マグネシア、ベリリア等の金属酸化物、硫酸バリウムが挙げられる。これらの中でも硫酸バリウム、アルミナ、シリカの群から選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。これにより、ベンゾシクロブテン樹脂の低誘電率、低誘電正接という特長を保持することができる。
前記無機充填材の比誘電率は、特に限定されないが、10以下が好ましく、特に1〜8が好ましい。これにより、信号伝搬速度の更なる高速化に対応することができる。
【0027】
前記無機充填材の形状は、特に限定されないが、針状であることが好ましい。これにより、絶縁樹脂層の耐クラック性を特に向上することができる。無機充填材には、繊維状の無機充填材、板状の無機充填材、球状の無機充填材、針状の無機充填材等があるが、針状の無機充填材が絶縁樹脂層に耐クラック性を付与する点で特に優れているものである。針状の無機充填材と、前述したベンゾシクロブテン樹脂との組合せにより、線膨張が小さくなり耐クラック性が顕著に向上したものと考えられる。
【0028】
前記針状の無機充填材としては、例えばチタン酸カリウム、ウォラストナイト、ゾノライト、アスベスト、ホウ酸アルミニウム、マグネシア、アルミナ、窒化ケイ素を挙げることができる。これらの中でもホウ酸アルミニウム、マグネシア、アルミナ、窒化ケイ素の中から選ばれた1種以上の針状の無機充填材が好ましい。これにより、絶縁樹脂層の機械的強度をより向上することができる。
また、前記針状の無機充填材は、特に限定されないが、いわゆるウィスカーが好ましく用いられる。これにより、絶縁樹脂層の機械的強度をより向上することができる。
【0029】
前記針状無機充填材の平均繊維径は、特に限定されないが、0.3〜2.0μmが好ましく、特に0.5〜1.0μmが好ましい。平均繊維径が前記下限値未満であると絶縁樹脂層の機械的強度が低下する場合があり、前記上限値を超えると絶縁樹脂層の絶縁信頼性が低下する場合がある。
また、前記針状の無機充填材の平均繊維長は、特に限定されないが、0.5〜50μmが好ましく、特に1〜20μmが好ましい。平均繊維長が前記下限値未満であると絶縁樹脂層の線膨張を低下する効果が不充分となる場合があり、前記上限値を超えると絶縁樹脂層の絶縁信頼性が低下する場合がある。
また、前記針状の無機充填材の平均繊維径が0.5〜1.0μm、かつ平均繊維長が1〜20μmであることが最も好ましい。繊維径と繊維長が前記範囲内であると特に絶縁樹脂層の絶縁信頼性を低下させずに機械的強度を向上させることができる。
【0030】
前記針状の無機充填材の最大繊維長は、特に限定されないが、10〜50μmが好ましく、特に15〜30μmが好ましい。最大繊維長が前記下限値未満であると、耐クラック性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると絶縁樹脂層の絶縁信頼性の低下やレーザービア加工性が低下する場合がある。また、前記針状無機充填材のアスペクト比は、特に限定されないが、1.1以上が好ましく、特に1.5〜60が好ましい。アスペクト比が前記下限値未満であると耐クラック性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると絶縁樹脂層の絶縁信頼性の低下やレーザービア加工性が低下する場合がある。
【0031】
前記無機充填材の含有量は、特に限定されないが、絶縁樹脂組成物全体の5〜60重量%が好ましく、特に10〜50重量%が好ましい。無機充填材の含有量が前記下限値未満では、耐クラック性の向上効果が低下する場合があり、前記上限値を超えるとピール強度が低下する場合がある。
なお、前記無機充填材は、前記第1の樹脂層、第2の樹脂層のいずれか一層のみが含有していても、両層が含有していても良い。耐クラック性、作業性の点より、前記無機充填材を前記第1の樹脂層、第2の樹脂層の両層が含有することが好ましい。この場合、それぞれの含有量は、同じでも良いが異なっていても良い。
【0032】
前記少なくとも一つの樹脂層は、特に限定されないが、紫外線吸収剤を含むことが好ましい。これにより、ベンゾシクロブテン樹脂のUVレーザー加工性を向上することができる。
前記紫外線吸収剤は、特に限定されないが、350〜370nmまたは240〜260nmの波長領域に40%以上の吸収率を有することが好ましい。これにより、特にUVレーザーでビア加工する時の生産性を向上させることができる。前記波長領域に40%以上の吸収率を有するとは、前記波長領域の一部の範囲で吸収率が40%以上であっても、全ての範囲で吸収率が40%以上であっても良い。
前記吸収率とは、例えばメタノール溶媒100ml中に紫外線吸収剤を5mg含む溶液を試料光路長が1cmのセルに入れたサンプルを光電分光光度計にて紫外領域吸収を測定した場合に得られる波長の形状により得られるものを示す。
【0033】
前記紫外線吸収剤は、例えば4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(5−クロロ−2’−ヒドロキシ−3’tert−ブチル−5’メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、1,1’,2,2’−テトラキス(4−グリシジルフェニル)エタン、2,2ジメトキシ−1,2ジフェニルエタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1−ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキシド等を挙げることができる。
これらの中でも4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(5−クロロ−2’−ヒドロキシ−3’tert−ブチル−5’メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、1,1’,2,2’−テトラキス(4−グリシジルフェニル)エタンから選ばれる少なくとも1種以上のものが好ましく、特に4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノンが好ましい。これにより、ベンゾシクロブテン樹脂を用いた樹脂付き金属箔のUVレーザー加工性を特に向上することができる。
【0034】
前記紫外線吸収剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂成分100重量部に対して、0.01〜2重量部が好ましく、特に0.5〜1.5重量部が好ましい。紫外線吸収剤の含有量が前記下限値未満であるとUVレーザー加工性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると誘電特性を向上する効果が低下する場合がある。
【0035】
前記絶縁樹脂組成物は、上述したベンゾシクロブテン樹脂等を含むが、本発明の目的に反しない範囲において、その他の樹脂、硬化促進剤、カップリング剤、難燃剤、フィラー、その他の成分を添加することができる。
【0036】
前記絶縁樹脂組成物は、種々の形態で利用される。金属箔(特に、銅箔)に塗工して樹脂付き金属箔(特に、樹脂付き銅箔)を得る際には、通常溶剤に溶解したワニスの形で使用することが塗工性の点で好ましい。用いられる溶剤は組成に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響を及ばさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0037】
本発明の絶縁樹脂組成物を溶剤に溶解して得られるワニスは、金属箔(特に、銅箔)に塗工させ80〜200℃で乾燥させることにより樹脂付き金属箔(特に、樹脂付き銅箔)を得ることができる。前記金属箔(特に、銅箔)へのワニスの塗工は、通常の塗工機を用いることができる。
【0038】
次に、多層プリント回路板について説明する。
本発明の多層プリント回路板は、上記樹脂付き金属箔を内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱、加圧してなる多層プリント回路板である。
前述の樹脂付き金属箔を内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱、加圧して積層板を得る。加熱する温度は、特に限定されないが、140〜240℃が好ましい。加圧する圧力は、特に限定されないが、10〜40kg/cmが好ましい。
また、内層回路板は、例えば銅張積層版の両面に回路を形成し、黒化処理したものを挙げることができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
▲1▼ワニスの調整
ベンゾシクロブテン樹脂として、ジビニルシロキサン−ビスベンゾシクロブテン(Bステージ化したもの。重量平均分子量140,000、ダウケミカル社製サイクロテンXUR)100重量部、液状エラストマーとしてアクリル変性ポリブタジエンゴム(数平均分子量2,800、大阪有機化学工業(株)製BAC−45)20重量部、1,2−ビス(アジドベンジル)エチレン3重量部をメシチレンに溶解し、不揮発分濃度50重量%となるように第1の樹脂層ワニスを調整した。同様に第2の樹脂層ワニスとして、ベンゾシクロブテン樹脂(Bステージ化したもの。重量平均分子量140,000、ダウケミカル社製サイクロテンXUR)100重量部、液状エラストマーとしてアクリル変性ポリブタジエンゴム(数平均分子量2,800、大阪有機化学工業(株)製BAC−45)20重量部、1,2−ビス(アジドベンジル)エチレン0.5重量部をメシチレンに溶解し、不揮発分濃度50重量%となるように第2の樹脂層ワニスを調整した。
【0040】
▲2▼銅箔への塗工
前記第1の樹脂層ワニスを用いて、銅箔(厚さ0.018mm、古河サーキットフォイル(株)製)にワニスを厚さ0.07mmで塗工し、150℃の乾燥機炉で10分、170℃の乾燥機炉で10分乾燥させ、続いて、第2の樹脂層ワニスを用いて同様に塗工することにより、樹脂の厚さ(第1層と第2層との合計厚さ)0.07mmの樹脂付き銅箔を作成した。
▲3▼多層プリント回路板の製造
銅箔厚さ35μm、線幅および線間幅が異なるパターンの両面銅張積層板をコアとして、その両面に上記樹脂付き銅箔を170℃1時間、200℃2時間で加熱加圧接着し、熱硬化させることにより多層プリント回路板を製造した。
【0041】
(実施例2)
第1の樹脂層ワニスの架橋剤量を4重量部、第2の樹脂層ワニスの架橋剤量を0.3重量部にした以外は、実施例1と同様にした。
【0042】
(実施例3)
第1の樹脂層ワニスの架橋剤量を5重量部、第2の樹脂層ワニスの架橋剤量を1.0重量部にした以外は、実施例1と同様にした。
【0043】
(実施例4)
第1の樹脂層ワニスの架橋剤量を1.0重量部、第2の樹脂層ワニスの架橋剤量を0.1重量部にした以外は、実施例1と同様にした。
【0044】
(実施例5)
第1および第2の樹脂層ワニスの両方に添加するエラストマーの添加量を下記のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して、液状エラストマーとしてアクリル変性ポリブタジエンゴム(数平均分子量2,800、大阪有機化学工業(株)製BAC−45)5重量部を添加した。
【0045】
(実施例6)
第1および第2の樹脂層ワニスの両方におけるベンゾシクロブテン樹脂の一部を無機充填材とし、下記のように添加した以外は、実施例1と同様にした。
ベンゾシクロブテン樹脂80重量部、絶縁性無機充填材として、シリカ((株)アドマテックス社製 SO−25H 比誘電率 20以下)20重量部を添加した。
【0046】
(実施例7)
第1および第2の樹脂層ワニスの両方におけるベンゾシクロブテン樹脂の一部を無機充填材とし、下記のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ベンゾシクロブテン樹脂とシリカ((株)アドマテックス社製 SO−25H比誘電率 20以下)の添加量を、ベンゾシクロブテン樹脂70重量部、シリカ30重量部を添加した。
【0047】
(実施例8)
第1および第2の樹脂層ワニスの両方におけるベンゾシクロブテン樹脂の一部を針状の無機充填材とし、下記のように添加した以外は、実施例1と同様にした。
ベンゾシクロブテン樹脂80重量部、針状の無機充填材として、アルボレックス(四国化成工業社製 品番Y、繊維径0.5〜1.0μm、繊維長10〜30μm、最大繊維長50μm)20重量部を添加した。
【0048】
(実施例9)
第1および第2の樹脂層ワニスの両方におけるベンゾシクロブテン樹脂の一部を針状の無機充填材とし、下記のように添加した以外は、実施例1と同様にした。
ベンゾシクロブテン樹脂70重量部、針状の無機充填材(四国化成工業社製 品番Y、繊維径0.5〜1.0μm、繊維長10〜30μm、最大繊維長50μm)30重量部にした以外は、実施例1と同様にした。
【0049】
(実施例10)
第1の樹脂層ワニスのみベンゾシクロブテン樹脂の一部を無機充填材とし、下記のように添加した以外は、実施例1と同様にした。
ベンゾシクロブテン樹脂80重量部、絶縁性無機充填材として、シリカ((株)アドマテックス社製 SO−25H 比誘電率 20以下)20重量部を添加した。
【0050】
(実施例11)
第1および第2の樹脂層ワニスの両方に紫外線吸収剤を下記のように更に添加した以外は、実施例1と同様にした。
ベンゾシクロブテン樹脂100重量部、紫外線吸収剤として4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン(三菱化学(株)製、EAB)1重量部を添加した。
【0051】
(実施例12)
第1の樹脂層ワニスは、そのまま用い、第2の樹脂層ワニスはベンゾシクロブテン樹脂の一部を無機充填剤とし、下記のように添加した以外は、実施例1と同様にした。
ベンゾシクロブテン樹脂80重量部、絶縁性無機充填材として、シリカ((株)アドマテックス社製 SO−25H 比誘電率 20以下)20重量部を添加した。
【0052】
(比較例1)
第2の樹脂層ワニスを用いることなく、第1の樹脂層ワニスのみを銅箔に厚さ0.14mm塗工した以外は、実施例1と同様にした。
【0053】
(比較例2)
第1および第2の樹脂層ワニスに用いる樹脂として、エポキシ樹脂(日本化薬製 NC−3000SH)を用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0054】
上述の実施例または比較例の結果、得られた多層プリント回路板について、以下の評価を行った。評価項目を、評価内容と共に以下に示す。得られた結果について、表1に示す。
▲1▼誘電率
誘電率は、空隙法を用いて周波数1MHzで測定した(A状態)。
【0055】
▲2▼絶縁樹脂層の厚さのバラツキ
絶縁樹脂層の厚さのバラツキは、顕微鏡を用いて多層プリント回路板の断面を評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:絶縁樹脂層の厚さのバラツキが15μm未満
×:絶縁樹脂層の厚さのバラツキが15μm以上
【0056】
▲3▼ピール強度
ピール強度は、JIS C6481に準じて測定した。
【0057】
▲4▼耐クラック性は、液相冷熱試験(−65℃と125℃/100サイクル)で評価した。なお、クラックの有無は目視で判断した。各記号は以下の事項を示す。
◎:クラック全く発生せず。
○:クラック一部発生するが実用上問題なし。
△:クラック一部発生し、実用上使用不可。
×:クラック発生。
【0058】
▲5▼成形性
成形性は、多層プリント回路板の製造後におけるボイドの発生の有無で評価した。なお、ボイドの有無は目視で判断した。各記号は以下の事項を表す。
◎:ボイド発生なし。
○:ボイド一部発生するが実用上問題なし。
△:ボイド一部発生し、実用上使用不可。
×:ボイド発生あり。
【0059】
▲6▼絶縁信頼性
絶縁信頼性は、85℃/85%RHの雰囲気中で、1000時間処理後に断線の有無を評価した。各記号は以下の事項を示す。
◎:導通発生なし。
○:導通一部発生するが実用上問題なし。
△:導通一部発生し、実用上使用不可。
×:導通発生あり。
【0060】
【表1】
Figure 0004062597
【0061】
表1に示すように、実施例1〜12は、誘電率および誘電正接が低く、かつ絶縁樹脂層の厚さバラツキが小さくなっている。
また、実施例1〜12は、成形性、絶縁信頼性にも優れている。
また、実施例6〜9は、特に耐クラック性にも優れている。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、誘電特性に優れ、絶縁樹脂層の厚さバラツキの小さい樹脂付き金属箔および多層プリント回路板を得ることができる。
また、特に絶縁樹脂組成物にエラストマーおよび無機充填材を添加した場合、耐クラック性にも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における樹脂付き金属箔の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 樹脂付き金属箔
11 金属箔
12 第1の樹脂層
13 第2の樹脂層

Claims (15)

  1. 金属箔と、
    厚さ10〜50μmで形成され、ベンゾシクロブテン樹脂を含む絶縁樹脂組成物で構成される第1の樹脂層と、
    厚さ10〜50μmで形成され、ベンゾシクロブテン樹脂を含む絶縁樹脂組成物で構成される第2の樹脂層とがこの順に積層され、
    前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層は、それぞれ、ベンゾシクロブテン樹脂と架橋剤を含む絶縁樹脂組成物で構成され、前記第1の樹脂層に含まれる架橋剤の含有量は、前記第2の樹脂層に含まれる架橋剤の含有量よりも多く、
    前記第1の樹脂層におけるベンゾシクロブテン樹脂の分子量が、前記第2の樹脂層におけるベンゾシクロブテン樹脂の分子量と同等またはそれ以上であることを特徴とする樹脂付き金属箔。
  2. 前記第1の樹脂層に含まれる架橋剤の含有量は、前記第1の樹脂層におけるベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して1.0〜5重量部である請求項に記載の樹脂付き金属箔。
  3. 前記第2の樹脂層に含まれる架橋剤の含有量は、前記第2の樹脂層におけるベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して0.1〜1.0重量部である請求項またはに記載の樹脂付き金属箔。
  4. 前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層のうちの少なくとも一つの樹脂層は、更にエラストマーを含むものである請求項ないしのいずれかに記載の樹脂付き金属箔。
  5. 前記エラストマーは、熱可塑性エラストマーである請求項に記載の樹脂付き金属箔。
  6. 前記熱可塑性エラストマーは、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマーの中から選ばれる1種以上である請求項に記載の樹脂付き金属箔。
  7. 前記エラストマーは、常温で液状である液状エラストマーである請求項に記載の樹脂付き金属箔。
  8. 前記エラストマーの含有量は、ベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部である請求項ないしのいずれかに記載の樹脂付き金属箔。
  9. 前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層のうちの少なくとも一つの樹脂層は、更に無機充填材を含むものである請求項1ないしのいずれかに記載の樹脂付き金属箔。
  10. 前記無機充填材は、比誘電率20以下である請求項に記載の樹脂付き金属箔。
  11. 前記無機充填材は、針状の無機充填材である請求項または10に記載の樹脂付き金属箔。
  12. 前記針状の無機充填材の最大繊維長は、10〜50μmである請求項11に記載の樹脂付き金属箔。
  13. 前記無機充填材の含有量は、絶縁樹脂組成物全体の5〜60重量%である請求項ないし12のいずれかに記載の樹脂付き金属箔。
  14. 前記第1の樹脂層および前記第2の樹脂層のうちの少なくとも一つの樹脂層は、更に紫外線吸収剤を含むものである請求項1ないし13のいずれかに記載の樹脂付き金属箔。
  15. 請求項1ないし14のいずれかに記載の樹脂付き金属箔を内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱、加圧してなる多層プリント回路板。
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