JP6326948B2 - 積層体、積層板、及び多層プリント配線板 - Google Patents

積層体、積層板、及び多層プリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、半導体パッケージ用やプリント配線板用に好適な積層体及び積層板、並びに多層プリント配線板に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、多機能化が一段と進み、これに伴い、LSIやチップ部品等も高集積化し、その形態も多ピン化、小型化へと急速に変化している。このため、多層プリント配線板は、電子部品の実装密度を向上するために、微細配線化の開発が進められている。
従来、積層板を構成する基材としては、ガラスクロスによって樹脂マトリクスを補強したプリプレグが主として用いられてきた。ガラスクロスと樹脂とを含有する積層板は、耐熱性、寸法安定性、機械特性、電気絶縁性等の諸特性に優れているが、ガラスクロスの凹凸により積層板表面の平滑性に劣るという問題があった。積層板表面の平滑性が低いことにより、銅箔を配線層として使用した場合に、銅箔のうねりの影響で微細なパターンが形成できないという問題や、表面粗さが粗いためにエッチングに時間がかかり配線の寸法安定性や歩留まりが低下するという問題が生じる。そのため、微細配線化及び生産性の観点から、改善が望まれている。
また、近年、電子部品の実装密度を向上させるため、ガラスクロスと樹脂とを含有する積層板又は配線板からなる層(コア層)の上下に、ガラスクロスを含まない絶縁層を設け、ビアホールで接続しながら配線層を形成するビルドアップ方式が多く用いられるようになってきた(特許文献1参照)。しかしながら、電子部品の薄型化に伴い、積層板の厚みが薄くなりつつあるため、上記ビルドアップ方式のようにガラスクロスを含まない絶縁層を用いた場合、実装時の反りが大きくなり、接続信頼性が低下する傾向にある。
実装時、半導体パッケージに生じる反りの主な原因は、半導体パッケージに使われている積層板と当該積層板の表面に実装されるシリコンチップとの熱膨張差や、積層板の弾性率が低いことであり、これらを改善する手法が検討されてきた。
特許文献2には、電子部品(シリコンチップ)の熱膨張率とほぼ合致した熱膨張率を有する層としてガラスフィルムを用い、樹脂とガラスフィルムとをプレスして積層することによって、熱ショックストレスを軽減する試みがなされている。
特許文献3には、低熱膨張率及び高弾性率を有し、反りが抑制された積層板の製造に好適な積層体として、1層以上の樹脂組成物層及び1層以上のガラス基板層を含む積層体であって、樹脂組成物層が、熱硬化性樹脂及び無機充填材を含む樹脂組成物からなる積層体が開示されている。
特許文献4には、1層以上の樹脂組成物層及び1層以上のガラス基板層を含む積層体であって、前記樹脂組成物層が、熱硬化性樹脂及び繊維基材を含む繊維含有樹脂組成物からなっており、前記ガラス基板層が前記積層体全体に対して10〜70体積%である積層体が開示されている。
特許第3785749号公報 特許第4657554号公報 国際公開第2013/042748号パンフレット 国際公開第2013/042751号パンフレット
特許文献2の技術は、ガラスフィルムにより実質的に基板全体の熱膨張作用が決定されることを規定するものである。すなわち、特許文献2の技術においては、ガラスフィルム以外の構成要素の構造及び物性が、上記の規定を満たすものに限定されるが、特許文献2にはガラスフィルム以外の態様について具体的な開示がなく、基板の低反りを実現するには不十分であった。
特許文献3及び4の技術によると、低熱膨張率及び高弾性率を有し、反りが抑制され、割れの生じ難い積層板が得られるが、外層回路の微細化に適した平滑性、低反り、及び機械特性に優れる積層板を得る観点からは、更なる改善を望まれる場合があった。
本発明は、実装時の反りが小さく、微細な配線の形成が可能な積層体、積層板、及び多層プリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決すべく検討を進めた結果、下記本発明により当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[4]を提供する。
[1]ガラス基板層と樹脂組成物層と回路基板とをこの順に有する積層体であって、回路基板がガラスクロスと樹脂とを含んでなる基板である積層体。
[2]前記ガラス基板層の厚さが、20〜200μmである上記[1]に記載の積層体。
[3]前記ガラス基板層の樹脂組成物層の反対側に絶縁樹脂組成物層を形成し、その上に金属配線層を形成した上記[1]又は[2]に記載の積層体。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかに記載の積層体を硬化処理して得られる積層板。
[5]上記[4]に記載の積層板を用いた多層プリント配線板。
本発明によれば、実装時の反りが小さく、微細な配線の形成が可能な積層体、積層板、及び多層プリント配線板を提供することができる。
本発明の一実施形態が適用される積層体の断面図である。 (a)〜(k)は本発明の積層体の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
以下、本発明の積層体、積層板、及び多層プリント配線板について詳細に説明する。
なお、本明細書において、「積層体」とは、その構成成分として熱硬化性樹脂を含有している場合、その熱硬化性樹脂が未硬化又は半硬化であるものを意味し、「積層板」とは、その構成成分である熱硬化性樹脂の90%以上が硬化しているものを意味する。
また、熱硬化性樹脂の硬化度は示差走査熱量計から測定される反応率により測定することができる。
[積層体]
本発明の積層体は、ガラス基板層(以下「A層」ともいう)と樹脂組成物層(以下「B層」ともいう)と回路基板(以下「C層」ともいう)とをこの順に有する積層体であって、回路基板がガラスクロスと樹脂とを含んでなるものである。
本発明の積層体が、実装時の反りが小さく、微細な配線の形成が可能である理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明の積層体は、ガラス基板層と樹脂組成物層と回路基板とをこの順に有する。ガラス基板層及び樹脂組成物層を、上記の順で回路基板上に積層させることにより、回路基板に含まれるガラスクロス基材や内層回路が原因で生じる凹凸を平滑化することができ、これによって、特に外層回路において、微細な配線の形成が可能になるものと考えられる。
更に、シリコンチップと同程度に高弾性率なガラス基板層と、寸法安定性が良好なガラスクロスと樹脂とを含んでなる基板とを組み合わせて使用することにより、積層板全体の弾性率を効果的に向上させることができ、実装時の反りを低減できるものと考えられる。また、ガラス基板層と回路基板との間に樹脂組成物層を設けることにより、これらの接着性を高め、積層体又は積層板の信頼性を向上させることができると共に、必要に応じて樹脂組成物層に内層回路を埋め込むことで、高集積化も可能となる。
更に、本発明の積層体は、汎用的に用いられるガラスクロスと樹脂とを含んでなる基板を用いることができるため、耐衝撃性等の機械特性に優れると共に、コストを低く抑えることができる。
本発明の積層体の厚さは、その用途に応じて適宜決定することができるが、通常35μm〜20mm、好ましくは50〜1000μm、より好ましくは100〜500μmである。
<ガラス基板層(A層)>
本発明のガラス基板層の厚さは、20〜200μmであることが好ましい。
本発明のガラス基板層を構成するガラス基板としては、加工性の観点から、20〜200μmである薄型のガラスフィルムが好ましい。該ガラスフィルムの厚さは、その用途に応じて適宜選択することができるが、取り扱いの容易性等の実用性の観点からは、より好ましくは50〜200μm、特に好ましくは75〜200μm、極めて好ましくは120〜200μmである。また、積層体又は積層板の薄型化の観点からは、より好ましくは20〜150μm、特に好ましくは20〜120μm、極めて好ましくは20〜90μmである。
なお、ここでいうガラス基板層の厚さとは、ガラス基板層の平均の厚さを指す。ガラス基板層の平均の厚さは、マイクロメーターや膜厚測定器等、公知の厚さ測定機器を使用して測定することができる。例えば、長方形あるいは正方形のガラス基板層の場合は、4角及び中央の厚さを、マイクロメーターを使用して測定し、その平均値をガラス基板層の平均の厚さとして求めることができる。
また、本明細書における「厚さ」とは、特に言及しない限り1層あたりの厚さをいう。
ガラス基板の素材としては、ケイ酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等のガラスを使用することができる。
また、このガラス基板層の熱膨張率は、シリコンチップの熱膨張率(3ppm/℃程度)に近いほど、実装時の積層体又は積層板の反りが抑制されるため好ましい。具体的には、好ましくは8ppm/℃以下、より好ましくは6ppm/℃以下、更に好ましくは4ppm/℃以下である。
このガラス基板層の40℃における動的貯蔵弾性率は、大きいほど実装時の積層体又は積層板の反りが抑制されるため好ましいが、入手容易性の観点から、好ましくは20GPa以上、より好ましくは25GPa以上、更に好ましくは30GPa以上である。
<樹脂組成物層(B層)>
本発明に用いる樹脂組成物層は、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂から選ばれる1種以上の樹脂を含有する樹脂組成物からなる(以下、単に「樹脂組成物」ともいう)。該樹脂組成物層には、樹脂組成物の未硬化物のほか、半硬化物も含まれる。
なお、樹脂組成物層が熱硬化性樹脂を含有する場合、樹脂組成物層を硬化処理して得られる層を「樹脂硬化物層」と称する。
本発明の積層体は、ガラス基板層と回路基板との間に該樹脂組成物層を設けることにより、これらの接着性を高め、積層体又は積層板の信頼性を向上させることができると共に、必要に応じて該樹脂組成物層に内層回路を埋め込み、高集積化することも可能となる。
本発明の樹脂組成物層の厚さは、ガラス基板の厚さを相対的に大きくして、得られる積層体又は積層板を低熱膨張化及び高弾性率化する観点からは、好ましくは3〜200μm、より好ましくは3〜150μm、更に好ましくは3〜100μm、特に好ましくは5〜50μm、極めて好ましくは5〜30μmである。また、ガラス基板層と回路基板層との熱膨張係数の差に起因して生じる応力を緩和して積層体又は積層板の割れを抑制する観点からは、好ましくは3〜200μm、より好ましくは5〜150μm、更に好ましくは10〜150μm、特に好ましくは15〜100μmである。
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては特に制限はなく、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和イミド樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、シリコーン樹脂、トリアジン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、成形性や電気絶縁性に優れる点から、エポキシ樹脂及びシアネート樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、キシリレン型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能フェノール類及びアントラセン等の多環芳香族類のジグリシジルエーテル化合物などが挙げられる。また、これらエポキシ樹脂にリン化合物を導入したリン含有エポキシ樹脂が挙げられる。これらの中でも、耐熱性及び難燃性の点から、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂及びナフタレン型エポキシ樹脂が好ましい。これらのエポキシ樹脂は1種又は2種以上を混合して使用できる。
シアネート樹脂としては、例えば、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂、これらが一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、難燃性の点から、ノボラック型シアネート樹脂が好ましい。これらのシアネート樹脂は1種又は2種以上を混合して使用できる。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、特に制限はないが、得られる積層体又は積層板の耐熱性を向上させる観点から、耐熱樹脂が好ましい。また、同様の観点から、熱硬化性樹脂と耐熱樹脂とを併用することがより好ましい。
〔耐熱樹脂〕
耐熱樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、及びこれらの何れかの樹脂の化学構造を有する共重合体等が挙げられる。これらは、例えば、ポリブタジエン骨格を含んでいてもよく、熱硬化性樹脂(例えばエポキシ樹脂のエポキシ基)と反応するフェノール性水酸基やアミド基を含有していてもよい。これらの耐熱樹脂は、単独又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
耐熱樹脂は、JIS(日本工業規格)K7127に記載の方法に従って決定される破断伸度が10%以上であり、50℃での弾性率が1GPa以下であり、かつガラス転移温度が160℃以上である樹脂が好ましい。
なお、ガラス転移温度が分解温度よりも高く、実質、ガラス転移温度が観測されない場合も、本発明に言う「ガラス転移温度が160℃以上である」の定義内に含めるものとし、分解温度とはJIS K7120に記載の方法に従って測定したときの質量減少量が5%となる温度で定義される。
耐熱樹脂の具体例としては、日本化薬(株)製の可溶性ポリアミド「BPAM−01」及び「BPAM−155」、新日本理化(株)製の可溶性ポリイミド「リカコ−ト(登録商標)SN20」及び「リカコート(登録商標)PN20」、日本GEプラスチックス(株)製の可溶性ポリエーテルイミド「ウルテム(登録商標)」、東洋紡(株)製の可溶性ポリアミドイミド「バイロマックス(登録商標)HR11NN」及び「バイロマックス(登録商標)HR16NN」等が挙げられる。
(含有量)
樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の含有量は、加工性及び密着性の観点から、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは20〜60質量%、更に好ましくは25〜40質量%である。
樹脂組成物中の耐熱樹脂の含有量は、加工性、耐熱性及び密着性の観点から、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%、更に好ましくは60〜75質量%である。
(その他の成分)
樹脂組成物には、上記成分以外に、充填材、硬化剤、硬化促進剤、エラストマー、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、密着性向上剤等を、必要に応じて添加することができる。
〔充填材〕
樹脂組成物は、充填材を含有していてもよい。充填材は、無機充填材と有機充填材に分類できる。無機充填材は樹脂組成物層又は樹脂硬化物層の熱膨張係数を下げる効果もあり、有機充填材は、硬化物中の応力を緩和する効果もある。
無機充填材としては、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム等が挙げられる。
無機充填材の平均一次粒径は、積層体又は積層板の平滑性の観点から、好ましくは0.1μm以下である。なお、ここでいう「平均一次粒径」とは、凝集していない単体での平均粒子径をいい、当該平均一次粒径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計により測定して求めることができる。
このような無機充填材としては、ヒュームドシリカが好ましく挙げられる。ヒュームドシリカとしては、特に限定されないが、絶縁信頼性及び耐熱性の観点から、エポキシ樹脂中での分散性が良好なものが好ましく、例えば、分散性を向上させるために表面を疎水性化処理したもの等が挙げられる。具体的には、日本アエロジル(株)製の「AEROSIL(登録商標) R972」や同社製「AEROSIL(登録商標) R202」等が好ましく挙げられる。
ヒュームドシリカの含有量は、レーザー加工性を良好にする観点、及び絶縁樹脂組成物層又は絶縁層と導体層との接着強度を向上させる観点から、樹脂組成物の固形分中、好ましくは3〜35質量%である。
有機充填材としては、アクリルゴム粒子、シリコン粒子等が好ましく挙げられる。有機充填材の平均粒径は、後述する絶縁樹脂組成物層又は絶縁層表面の粗化処理後に適度な凹凸を形成させる観点から、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下、更に好ましくは0.1μm以下である。
これらの充填材は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
〔硬化剤〕
硬化剤としては、例えばエポキシ樹脂を用いる場合には、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多官能フェノール化合物、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等のアミン化合物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸共重合体等の酸無水物、ポリイミドなどを用いることができる。これらの硬化剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
硬化促進剤としては、例えば、エポキシ樹脂の硬化促進剤として、イミダゾール類及びその誘導体、有機リン系化合物、第二級アミン類、第三級アミン類、及び第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
紫外線吸収剤の例としては、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系やスチレン化フェノールの酸化防止剤等が挙げられる。
光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系の光重合開始剤等が挙げられる。
蛍光増白剤の例としては、スチルベン誘導体の蛍光増白剤等が挙げられる。
密着性向上剤の例としては、尿素シランやシランカップリング剤等の密着性向上剤などが挙げられる。
(樹脂組成物層の物性)
本発明の樹脂組成物層は、以下の方法により測定される貯蔵弾性率が、好ましくは0.01〜10GPa、より好ましくは0.01〜5GPa、更に好ましくは0.01〜3GPa、特に好ましくは0.01〜1GPaである。
・試験片:樹脂組成物を185℃で1時間、加熱硬化したもの
・試験片大きさ:5mm×30mm
・測定装置:広域粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4型)
・スパン間:20mm
・周波数:10Hz
・振動変位:1〜3μm(ストップ加振)
貯蔵弾性率を上記範囲内とすることにより、当接する構成部材との密着性を高めることができると共に、該樹脂組成物層に内層回路を好適に埋め込むことができるため、信頼性と高集積化とを両立させることができる。
また、本発明の樹脂組成物層は、JIS K5600−5−6(付着性−クロスカット法)の方法により測定されるガラス密着性が、好ましくは10/25マス〜25/25マス、より好ましくは15/25マス〜25/25マス、更に好ましくは20/25マス〜25/25マス、特に好ましくは23/25マス〜25/25マスである。
ガラス密着性を上記範囲内とすることにより、ガラス基板層との密着性を高めることができるため、得られる積層体又は積層板の信頼性を向上させることができる。
<回路基板(C層)>
本発明に用いる回路基板は、ガラスクロスと樹脂とを含んでなる。すなわち、本発明に用いる回路基板は、少なくともガラスクロスと樹脂とを含む基板と、該基板上に形成された回路とを有する構造体を1つ以上含むものであり、該基板又は構造体が2層以上積層されたものであってもよい。
本発明の積層体及び積層板は、上記ガラスクロスと樹脂とを含んでなる回路基板を用いることにより、寸歩安定性が高く、機械強度等の機械特性に優れるものとすることができ、しかもコストを低く抑えることができるという利点を有する。
上記の基板は、多層プリント配線板の製造工程で通常用いられているプリプレグであればよい。一般的には、熱硬化性樹脂、硬化促進剤、溶剤、及び必要に応じて添加される無機フィラー等を混合して得た熱硬化性樹脂組成物を、積層板用ガラスクロスに含浸及び乾燥させて得られる。市販品としては、日立化成(株)製GEA−67N、GEA−679F、GEA−679GT、GEA−700G、MCL−E−679、MCL−E−700G(R)、MCL−E−705G、MCL−E−770G(LH)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
ガラスクロスとしては、一般的に積層板用として使用されている公知のものを使用することができ、例えば、ガラス織布、ガラス不織布、ガラスペーパー等が挙げられる。
熱硬化性樹脂組成物は、多層プリント配線板の絶縁層に適するものであればよく、例えば、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビニルベンジル樹脂等の熱硬化性樹脂に、その硬化剤を少なくとも配合した組成物を使用することができる。これらの中でも、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含有する組成物が好ましく、具体的には、エポキシ樹脂、熱可塑性樹脂及び硬化剤を含有する組成物が好ましい。
回路基板の厚さは、用途に応じて適宜決定することができるが、通常は30μm〜1mm、好ましくは50μm〜800μm、より好ましくは100μm〜500μmである。
<絶縁樹脂組成物層>
本発明の積層体は、後述する金属配線層(以下、「導体層」ともいう)との密着性を向上させるため、絶縁樹脂組成物層を有していてもよい。該絶縁樹脂組成物層は、絶縁樹脂組成物からなる。
該絶縁樹脂組成物層には、絶縁樹脂組成物の未硬化物のほか、半硬化物も含まれる。なお、絶縁樹脂組成物層が、熱硬化性樹脂を含有する場合、絶縁樹脂組成物層を硬化処理して得られる層を「絶縁層」と称する。
後述するとおり、本発明の積層体又は積層板を用いて多層プリント配線板を製造する際に、これらの表面に対して、めっき等により導体層を形成することがある。また、本発明の積層体又は積層板の一態様として、表面に金属箔(導体層)を有する積層体又は積層板とすることもある。
導体層とガラス基板層との密着性を高める観点からは、当該ガラス基板層の樹脂組成物層の反対側に上記絶縁樹脂組成物層又は絶縁層を設けておき、その上に導体層を形成することが好ましい。この場合、絶縁樹脂組成物を構成する樹脂としては、導体層との密着性が高い樹脂を用いることが好ましい。これによって、積層体又は積層板と、導体層との密着性をより良好なものとすることができる。
また、後述するとおり、積層体又は積層板に対してビアホールを形成した後に、デスミア処理を行うこともある。この場合、絶縁樹脂組成物層又は絶縁層としては耐デスミア性に優れるものを設けておくことが好ましい。これによって、積層体又は積層板の表面が過剰に凹凸の大きいものとなることが防止され、その表面に精細な配線パターンを形成することが可能となる。
絶縁樹脂組成物層の材料としては、例えば、前述した樹脂組成物で挙げられた樹脂、及び添加剤と同様の材料が挙げられるが、導体層との密着性向上の観点から樹脂を選択することが望ましい。
また、絶縁樹脂組成物層は、充填材を含有していてもよい。充填材は、前述した樹脂組成物に添加できる充填材と同様のものが挙げられ、好ましい態様も同様である。
絶縁樹脂組成物層の厚さは、その用途に応じて適宜決定することができるが、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1〜10μm、更に好ましくは3〜7μmである。
<積層体の層構成>
本発明の積層体の代表的な構成としては、例えば、(i)ガラス基板層/樹脂組成物層/回路基板の3層構造、(ii)絶縁樹脂組成物層/ガラス基板層/樹脂組成物層/回路基板/絶縁樹脂組成物層の5層構造を含む構成が挙げられる。
なお、「ガラス基板層/樹脂組成物層/回路基板」との表記は、ガラス基板層、樹脂組成物層、及び回路基板がこの順に積層されていることを意味する。5層構造に関する表記も同様である。
また、これらの積層体は、後で説明する湿式めっき、乾式めっき等の方法により導体層を形成してもよい。
平滑な面上に導体層を設ける観点からは、上記(i)の構成において、ガラス基板層上に直接導体層を形成することが好ましい。
一方、導体層とガラス基板層との密着性を高める観点からは、上記(ii)の構成のように、ガラス基板層と当接する絶縁樹脂組成物層又はこれを硬化した絶縁層上に直接導体層を設けることが好ましい。
更に、実装されるシリコンチップ近傍の配線を微細化する観点からは、ガラス基板層に直接形成される導体層、又はガラス基板層と当接する絶縁樹脂組成物層若しくは絶縁層上に形成される導体層は、最外層回路を形成する導体層であることが好ましい。
更に、本発明の積層体は、ビルドアップ方式の多層配線板(ビルドアップ層)を含んでいてもよい。ビルドアップ層は、例えば、上記樹脂組成物層と回路基板との間、及び回路基板と絶縁樹脂組成物層との間から選ばれる1箇所以上に設けることができる。また、上述のとおり樹脂組成物層には内層回路を埋め込んでもよい。
なお、上記構成(i)及び(ii)において、各構成層間には、本発明の効果を阻害しない範囲で、熱硬化性樹脂等を含む接着層を有していてもよい。
<積層体中における各層の割合>
本発明の積層体において、ガラス基板層が占める体積は、高弾性率化及び表面の平滑化の観点から、ガラス基板層、樹脂組成物層、及び回路基板の合計体積(以下、単に「合計体積」ともいう)中、好ましくは1〜75体積%、より好ましくは5〜70体積%、更に好ましくは10〜65体積%、特に好ましくは15〜60体積%である。
本発明の積層体において、樹脂組成物層が占める体積は、実装時の反りを低減させる観点、及び当接する層同士の密着性を向上させる観点から、合計体積中、好ましくは0.1〜30体積%、より好ましくは1〜20体積%、更に好ましくは3〜15体積%、特に好ましくは4〜13体積%である。
本発明の積層体において、回路基板が占める体積は、高弾性率化及び表面の平滑化の観点から、合計体積中、好ましくは15〜95体積%、より好ましくは20〜90体積%、更に好ましくは25〜85体積%、特に好ましくは30〜80体積%である。
本発明の積層体が、絶縁樹脂組成物層を有する場合、その体積は、絶縁性、及び当接する層同士の密着性を向上させる観点から、合計体積中、好ましくは0.01〜10体積%、より好ましくは0.5〜8体積%、更に好ましくは1〜5体積%、特に好ましくは1.2〜3体積%である。
<支持体フィルム及び保護フィルム>
本発明の積層体は、その表面に支持体フィルムや保護フィルムを有していてもよい。これら支持体フィルム及び保護フィルムについては、次の積層体の製造方法の説明において詳細に説明する。
[積層体の製造方法]
本発明の積層体の製造方法は、特に制限はなく、ラミネート、塗布等の公知の方法によって製造することができる。これらの中でも、ラミネートによる方法が、生産が容易である点から好ましい。
<ラミネートによる積層体の製造方法>
本発明の積層体は、例えば、真空ラミネートやロールラミネート等の加圧ラミネートにより、前記樹脂組成物からなる接着フィルムとガラス基板とをラミネートすることで好適に製造することができる。この接着フィルムについては後述する。また、真空ラミネートやロールラミネートは、市販の真空ラミネーター、ロールラミネーターを使用して行うことができる。
なお、前記樹脂組成物及び任意で用いられる絶縁樹脂組成物中に含まれる熱硬化性樹脂としては、ラミネート時の温度以下で溶融するものが好適に用いられる。例えば、真空ラミネーター又はロールラミネーターを用いてラミネートする場合、一般には140℃以下で行うことから、前記樹脂組成物及び絶縁樹脂組成物中の熱硬化性樹脂は、140℃以下で溶融するものが好ましい。
<接着フィルム>
真空ラミネーターや加圧ラミネーターを用いて積層体を製造する場合、接着フィルムとして樹脂組成物層を調製し、ラミネートに供することが好ましい。
本発明に使用される接着フィルムとしては、次の積層構造を有するものが好適に使用される。
(1)支持体フィルム/樹脂組成物層
また、上記(1)の積層構造において、さらに保護フィルムを積層した次の積層構造を有するものも好適に使用される。
(2)支持体フィルム/樹脂組成物層/保護フィルム
保護フィルムは、樹脂組成物に対し支持体フィルムとは反対側に形成され、異物の付着やキズを防止する目的に使用するものである。
上記の(1)及び(2)の積層構造を有する接着フィルムは、当業者の公知の方法に従って製造することができる。
上記(1)の接着フィルムを製造する一例としては、有機溶剤に上記の樹脂組成物を溶解し、ワニスを調製する。次いで、支持体フィルムに該ワニスを塗布し、加熱や熱風吹きつけ等によって有機溶剤を乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成すればよい。
上記(2)の接着フィルムを製造する一例としては、有機溶剤に上記の樹脂組成物を溶解し、ワニスを調製する。次いで、支持体フィルム及び保護フィルムのいずれか一方に対してこのワニスを塗布し、このワニス上に支持体フィルム及び保護フィルムの他方を配置し、加熱や熱風吹きつけ等によってこのワニスの有機溶剤を乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成すればよい。
これら樹脂組成物層の塗工装置としては、コンマコーター、バーコーター、キスコーター、ロールコーター、グラビアコーター、ダイコーター等、当業者に公知の塗工装置を用いることができ、作製する膜厚によって、適宜選択することが好ましい。
なお、上記の接着フィルムにおいて、樹脂組成物層は半硬化させておいてもよい。
支持体フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ともいう)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。支持体フィルムに銅箔を用いた場合には、銅箔をそのまま導体層とし、回路形成することもできる。この場合、銅箔としては、圧延銅、電解銅箔等が挙げられ、厚さが2〜36μmのものが一般的に用いられる。厚さの薄い銅箔を用いる場合には、作業性を向上させるために、キャリア付き銅箔を使用してもよい。また、支持体フィルムには、マット処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
支持体フィルムの厚さは、通常、10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmである。上記範囲内であると、取り扱い性及び生産性に優れた接着フィルムが得られる。
この支持体フィルムは、接着フィルムを製造する際の支持体となるものであり、多層プリント配線板を製造する際に、通常、最終的に剥離、又は除去されるものである。
保護フィルムは、支持体フィルムと同様の材料を用いてもよく、異なる材料を用いてもよい。保護フィルムの厚さは特に限定されるものではなく支持体フィルムと同様でよいが、好ましくは1〜40μmである。この保護フィルムは、ラミネートや熱プレスの前に剥離する。
次に、接着フィルムを用いたラミネート方法の一例について説明する。
<接着フィルムを用いたラミネート方法>
接着フィルムが保護フィルムを有している場合には、保護フィルムを除去した後、接着フィルムを加圧及び加熱しながらガラス基板に圧着する。次に、接着フィルム及びガラス基板を必要によりプレヒートした後ラミネートする。
ラミネート時の圧着温度(ラミネート温度)は、好ましくは60〜140℃である。ラミネート時の圧着圧力は、好ましくは1〜11kgf/cmである。
また、真空ラミネーターを用いる場合の圧力は、好ましくは空気圧30mmHg(4kPa)以下である。
ラミネートの方法は、バッチ式であっても、ロールでの連続式であってもよい。ラミネートした後、室温付近に冷却する。
<積層方法>
ガラス基板層(A層)と樹脂組成物層(B層)と回路基板(C層)とを積層する方法としては、例えば、上記3層を同時に積層する方法、又は3層を2段階で積層する方法が挙げられる。
(3層を同時に積層する方法)
A層〜C層を同時に積層する方法としては、保護フィルムと支持体フィルムを除去した接着フィルムを、ガラス基板(A層)と回路基板(C層)との間に配置して、ラミネートする方法が挙げられる。
(3層を2段階で積層する方法)
上記A層〜C層を2段階で積層する方法としては、(i)[A層/B層]に[C層]を積層する方法(図2(e)〜(g))、(ii)[B層/C層]に[A層]を積層する方法(図2(a)〜(c))、(iii)[A層/B層]と[B層/C層]を積層する方法(図2(h)〜(k))等が挙げられる。
以下、先に2層積層体である([A層/B層]及び[B層/C層])の製造方法を説明した後、各積層方法(i)〜(iii)について説明する。なお、[A層/B層]はA層とB層とが、この順で積層されている状態を意味する。
〔[A層/B層]の製造方法〕
前記[A層/B層]は塗布又はラミネートによる方法で製造することができる。
塗布による方法は、前記樹脂組成物(B層)をガラス基板(A層)の表面に塗布して、ガラス基板層(A層)上に樹脂組成物層(B層)を形成する方法である。例えば、有機溶剤に上記の樹脂組成物を溶解し、ワニスを調製する。このワニスを、ダイコーター等の公知の塗工機を用いてガラス基板上に塗布し、加熱や熱風吹きつけ等によって有機溶剤を乾燥させることにより、ガラス基板(A層)上に樹脂組成物層(B層)を形成することができる。この樹脂組成物層は、更に半硬化させてもよい。
ラミネートによる方法では、樹脂組成物層(B層)の接着フィルムを、上述したラミネート条件で加圧及び加熱しながらガラス基板に圧着して、ガラス基板(A層)上に樹脂組成物層(B層)を形成することができる。接着フィルムが保護フィルムを有している場合は、保護フィルムを除去してから上記ラミネートに供する。また、ラミネート後、接着フィルムの支持体フィルムは必要に応じて剥離してもよい。
〔[B層/C層]の製造方法〕
上記[A層/B層]の製造方法において、ガラス基板(A層)を回路基板(C層)に変えて同様の操作を行うことにより、[B層/C層]を作製することができる。
(i)[A層/B層]に[C層]を積層する方法(図2(e)〜(g))
上記で得られた[A層/B層]と、回路基板(C層)とをこの順でラミネートすることにより、[A層/B層]に[C層]を好適に積層することができる。なお、ラミネートの好適な条件は上述のとおりであり、[A層/B層]が支持体フィルムを有している場合、支持体フィルムを除去してからラミネートに供する。
(ii)[B層/C層]に[A層]を積層する方法(図2(a)〜(c))
上記(i)において、[A層/B層]に代えて[B層/C層]を、[C層]に代えて[A層]を使用することで、好適に積層することができる。
(iii)[A層/B層]と[B層/C層]とを積層する方法(図2(h)〜(k))
上記(i)において、[C層]に代えて[B層/C層]を使用することで、好適に積層することができる。
本発明の積層体は、例えば、積層体のまま後で説明する導体層の形成、配線パターンの形成等の処理を経て実装に供することも可能であるが、本発明の積層体が熱硬化性樹脂を含有する場合は、硬化処理を行うことにより、本発明の積層板が得られる。
[積層板]
本発明の積層板は、本発明の積層体を硬化処理して得られるものである。
すなわち、本発明の積層板は、本発明の積層体が、熱硬化性樹脂を含有する層を有する場合に、該積層体に対して加熱等の硬化処理を行い、積層体中に含まれる熱硬化性樹脂を硬化させることにより得られるものである。
具体的には、樹脂組成物層が熱硬化性樹脂を含有する場合、上記硬化処理により、該樹脂組成物層は樹脂硬化物層となる。また、任意で用いられる絶縁樹脂組成物層が熱硬化性樹脂を含有する場合は、上記硬化処理により絶縁樹脂組成物層は絶縁層となる。
本発明の積層板の具体的な層構成としては、前述した積層体の層構成を硬化して得られる構成が挙げられる。
本発明の積層板の厚さは、その用途に応じて適宜決定することができるが、通常35μm〜20mm、好ましくは50〜1000μm、より好ましくは100〜500μmである。
<樹脂硬化物層>
樹脂硬化物層は、前記樹脂組成物層を硬化してなる。樹脂硬化物層の厚さは、ガラス基板の厚さを相対的に大きくして、得られる積層板の低熱膨張率化及び高弾性率化を図る観点からは、好ましくは3〜200μm、より好ましくは3〜150μm、更に好ましくは3〜100μm、特に好ましくは5〜50μm、極めて好ましくは5〜30μmである。また、ガラス基板層と回路基板層との熱膨張係数の差に起因して生じる応力を緩和して積層板の割れを抑制する観点からは、好ましくは3〜200μm、より好ましくは5〜150μm、更に好ましくは10〜150μm、特に好ましくは15〜100μmである。
<絶縁層>
前記必要に応じて設けられる絶縁層は、絶縁樹脂組成物層を硬化してなる。絶縁層の厚さは、その用途に応じて適宜決定することができるが、好ましくは0.5〜20μm、より好ましくは1〜10μm、更に好ましくは3〜7μmである。
<積層板中における各層の割合>
本発明の積層板において、ガラス基板層が占める体積は、高弾性率化及び表面の平滑化の観点から、ガラス基板層、樹脂硬化物層、及び回路基板の合計体積(以下、単に「合計体積」ともいう)中、好ましくは1〜75体積%、より好ましくは5〜70体積%、更に好ましくは10〜65体積%、特に好ましくは15〜60体積%である。
本発明の積層板において、樹脂組成物層又は樹脂硬化物層が占める体積は、実装時の反りを低減させる観点、及び当接する層同士の密着性を向上させる観点から、合計体積中、好ましくは0.1〜30体積%、より好ましくは1〜20体積%、更に好ましくは3〜15体積%、特に好ましくは4〜13体積%である。
本発明の積層板において、回路基板が占める体積は、高弾性率化及び表面の平滑化の観点から、合計体積中、好ましくは15〜95体積%、より好ましくは20〜90体積%、更に好ましくは25〜85体積%、特に好ましくは30〜80体積%である。
本発明の積層板が、絶縁樹脂組成物層又は絶縁層を有する場合、その体積は、絶縁性、及び当接する層同士の密着性を向上させる観点から、合計体積中、好ましくは0.01〜10体積%、より好ましくは0.5〜8体積%、更に好ましくは1〜5体積%、特に好ましくは1.2〜3体積%である。
<積層板の製造方法>
以下、本発明の積層板の製造方法の具体例を説明する。
(加熱工程)
本発明の積層板は、本発明の積層体を、必要に応じて支持体フィルムを剥離した後、加熱硬化(硬化処理)することにより製造することができる。
加熱硬化の条件は、通常150〜220℃で20〜80分、好ましくは160〜200℃で30〜120分である。離型処理の施された支持体フィルムを使用した場合には、加熱硬化させた後に、支持体フィルムを剥離してもよい。
この方法によると、積層板の製造時に加圧する必要がないため、製造時に割れが生じることが抑制される。
本発明の積層体又は積層板は、更に下記の加工を施したものであってもよい。
[ビアホール等の形成]
本発明の積層体又は積層板は、必要に応じて、ガラス基板層、樹脂組成物層又は樹脂硬化物層、回路基板等に穴あけを行い、ビアホールやスルーホールを形成してもよい。穴あけは、ドリル、レーザー、プラズマ、又はこれらの組み合わせ等の方法により行うことができる。レーザーとしては、炭酸ガスレーザーやYAGレーザー、UVレーザー、エキシマレーザー等が一般的に用いられる。
ビアホールの形成後、必要に応じて、公知の酸化剤等を用いてデスミア処理をしてもよい。
[導体層の形成]
次いで、積層体又は積層板の表面のガラス基板層、又は絶縁樹脂組成物層若しくは絶縁層の表面に導体層を形成してもよい。
ガラス基板層に導体層を形成する方法としては、スパッタ法等の乾式めっきによる方法が挙げられる。
また、絶縁樹脂組成物層又は絶縁層の表面に導体層を形成する方法としては、上記乾式めっきに加え、無電界めっき、電界めっき等の湿式めっきによる方法が挙げられる。以下、湿式めっき、及びスパッタ法について説明する。
〔湿式めっき〕
導体層を無電解めっき法により形成する場合は、まず、最外層の絶縁樹脂組成物層又は絶縁層の表面に対して粗化処理を行う。粗化処理に用いる粗化液としては、例えば、クロム/硫酸粗化液、アルカリ過マンガン酸粗化液、フッ化ナトリウム/クロム/硫酸粗化液、ホウフッ酸粗化液等の酸化性粗化液等を用いることができる。
粗化処理の方法としては、例えば、まず膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテルとNaOHとの水溶液を70℃程度に加温して積層体又は積層板を浸漬処理する。次に、上記粗化液を80℃程度に加温して浸漬処理する。引き続き、中和液、例えば塩化第一錫(SnCl)の塩酸水溶液に室温で浸漬処理して中和する。
粗化処理後は、パラジウムを付着させるめっき触媒付与処理を行う。めっき触媒処理は、塩化パラジウム系のめっき触媒液に浸漬して行われる。次に、無電解めっき液に浸漬してめっきプロセス用プライマー層の表面全面に厚さが0.3〜1.5μmの導体層を析出させる無電解めっき処理を行う。無電解めっきに使用する無電解めっき液は、公知の無電解めっき液を使用することができ、特に制限はない。また、電気めっきについても公知の方法によることができ、特に制限はない。これらのめっきは銅めっきであることが好ましい。
〔スパッタ法〕
導体層をスパッタ法で形成する場合は、積層体又は積層板の表面に、プラズマ処理又はコロナ放電処理を行った後に、スパッタにより導体層を形成することが好ましい。スパッタリング方式としては、特に限定されないが、グロー放電方式、プラズマ方式、ビーム方式等が好ましく挙げられる。スパッタリングで形成される導体層は、好ましくはAu、Pt、Ag、Al、Fe、W、Mo、Sn、Ni、Co、Cr、Ti、Cu及びTaから選ばれる少なくとも1種以上の金属、より好ましくはCuを含有している層である。
導体層の厚さは、用途に応じて適宜決定できるが、通常0.01〜3.0μm、好ましくは0.1〜1μmである。
[配線パターンの形成]
更に、上記で形成した導体層に配線パターンを形成してもよい。パターン形成の方法としては、例えば、公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法等を用いることができる。
<多層プリント配線板及びその製造方法>
本発明の多層プリント配線板は、本発明の積層板を用いたものである。
上記のようにして配線パターンを形成した積層体又は積層板を複数積層して、多層プリント配線板とすることができる。
この多層プリント配線板を製造するには、上記の配線パターンを形成した積層体又は積層板を、既述の接着フィルム本体を介して複数積層することによって多層化する。その後、ドリル加工又はレーザー加工によるスルーホール又はブラインドビアホールの形成と、めっき又は導電性ペーストによる層間配線の形成を行う。このようにして、多層プリント配線板を製造することができる。
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[接着フィルムの作製]
(1)樹脂組成物層用ポリアミドイミド樹脂の合成
熱電対、攪拌機、窒素吹込口を取り付けた500mlセパラブルフラスコに約250ml/分の窒素を流しながら両末端アミノ基変性シリコーンオイル(信越化学工業(株)製、商品名:X−22−161A)32.0g、(4,4’−ジアミノ)ジシクロヘキシルメタン(新日本理化(株)製、商品名:ワンダミン(登録商標)HM(WHM))0.935g、ポリオキシプロピレンジアミン(三井化学ファイン(株)製、商品名:ジェファーミン(登録商標)D2000)40.0g、トリメリト酸無水物(以下、「TMA」ともいう)17.9g及びN−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」ともいう)250gを加え攪拌し、溶解した。この溶液にトルエン100gを加え、150℃以上の温度で6時間の脱水還流によるイミド環閉環反応を行った後トルエンを留去し、冷却後4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート13.4gを加え、150℃にて2時間反応させた。その後、TMAを1.6g加え、80℃にて、1時間攪拌し、ポリアミドイミド樹脂を合成した。
(2)樹脂ワニスの配合
固形分70gのポリアミドイミド樹脂溶液にジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商品名:HP7200)20g、多官能エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名:EPPN−502H)10g、触媒(四国化成工業(株)製、商品名:2E4MZ−CN)0.15gを加え、固形分濃度が30質量%になるようにNMPにて希釈し、樹脂ワニスを配合した。
(3)樹脂組成物層の形成
樹脂ワニスを、厚さ38μmの離型処理ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(リンテック(株)製、商品名:PET−38X)の離型処理面にバーコーターを用いて、乾燥後20μmになるように塗布し、140℃で15分間乾燥させて樹脂組成物層を形成し、接着フィルムを得た。
実施例1
(積層板(ガラス基板層/樹脂硬化物層/回路基板)の製造)
ガラス基板として、厚さ50μmの極薄ガラスフィルム(日本電気硝子(株)製、商品名:OA−10G)を用いた。このガラス基板の片面に、上記で作製した接着フィルムを樹脂組成物層がガラス基板に当接するように配置し、バッチ式の真空加圧ラミネーター((株)名機製作所製、商品名:MVLP−500)を用いてラミネートによって積層し、積層体(ガラス基板層/樹脂組成物層)を得た。この際の真空度は4kPa以下であり、温度は120℃、圧力は0.5MPaの設定とした。
室温に冷却後、上記積層体の樹脂組成物層側に貼られている支持体フィルムを剥がし、あらかじめ回路を形成した板厚0.2mmの銅張積層板(回路基板)(日立化成(株)製、商品名:MCL−E−705G)を、ガラス基板層/樹脂組成物層/回路基板の順になるように配置した後、バッチ式の真空加圧ラミネーター((株)名機製作所製、商品名:MVLP−500)を用いてラミネートによって積層し、積層体(ガラス基板層/樹脂組成物層/回路基板)を得た。その後、防爆乾燥機にて180℃、60分間、硬化し、積層板(ガラス基板層/樹脂硬化物層/回路基板)を得た。
実施例2〜6
実施例1において、ガラス基板層の厚さと回路基板の厚さを表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法で積層体(ガラス基板層/樹脂組成物層/回路基板)及び積層板(ガラス基板層/樹脂硬化物層/回路基板)を作製した。
比較例1
あらかじめ回路を形成した板厚0.2mmの銅張積層板(日立化成(株)製、商品名:MCL−E−705G)の片面に、上記で作製した接着フィルムを樹脂組成物層が回路基板に当接するように配置し、バッチ式の真空加圧ラミネーター((株)名機製作所製、商品名:MVLP−500)を用いてラミネートによって積層し、積層体(樹脂組成物層/回路基板)を得た。この際の真空度は4kPa以下であり、温度は120℃、圧力は0.5MPaの設定とした。その後、防爆乾燥機にて180℃、60分間、硬化し、積層板(樹脂硬化物層/回路基板)を得た。
参考例1
あらかじめ回路を形成した板厚0.2mmの銅張積層板(日立化成(株)製、商品名:MCL−E−705G)の片面に、ガラス基板を配置し、真空加圧ラミネーターを用いて積層し、積層体(ガラス基板層/回路基板)を得た。この際の真空度は4kPa以下であり、温度は120℃、圧力は0.5MPaの設定とした。その後、防爆乾燥機にて180℃、60分間、硬化し、積層板(ガラス基板層/回路基板)を得た。
次に、実施例、比較例、及び参考例で得られた積層板について、以下の方法で物性を評価した。ただし、参考例1で得られた積層板は、ガラス基板層と回路基板層との密着性が低く、貯蔵弾性率、はんだ耐熱性、エッチング時間、及び外装導体との密着性を測定することができなかった。
[貯蔵弾性率]
実施例及び比較例により得られた積層板から5mm×30mmの試験片を切り出した。広域粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4型)を用い、スパン間を20mm、周波数を10Hz、振動変位1〜3μm(ストップ加振)の条件で、40℃における引張貯蔵弾性率を測定した。結果を表1に示す。
[はんだ耐熱性、絶縁層の表面粗さ、エッチング時間、外層導体との接着強度]
はんだ耐熱性、絶縁層の表面粗さ、エッチング時間、及び外層導体との接着強度を評価するにあたって、以下の方法で多層プリント配線板を製造した。
(1)絶縁樹脂組成物フィルムの製造
フェノール性水酸基含有ポリブタジエン変性ポリアミド(日本化薬(株)製、商品名:BPAM−155)10.2gに、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、「DMAc」ともいう)を91.4g配合した後、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名:NC−3000H)40.0g、ビスフェノールAノボラック(三菱化学(株)製、商品名:YLH129)12.6g、硬化促進剤として2−フェニルイミダゾール(四国化成工業(株)製、商品名:2PZ)0.4g、ヒュームドシリカ(日本アエロジル(株)製、商品名:R972)3.6gを添加した後、DMAc及びメチルエチルケトンからなる混合溶剤で希釈した(固形分濃度約25質量%)。その後、分散機(吉田機械興業(株)製、商品名:ナノマイザー(登録商標))を用いて、絶縁樹脂組成物用ワニスを得た。
上記で得られた絶縁樹脂組成物用ワニスを、離型処理ポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム(ユニチカ(株)製、商品名:TR1)の離型処理面にバーコーターを用いて、乾燥後5μmになるように塗布し、140℃で10分間乾燥させて絶縁樹脂組成物フィルムを作製した。
(2)絶縁層を設けた積層板の製造
実施例で得られた積層板に、上記で得られた絶縁樹脂組成物フィルムを、絶縁樹脂組成物層/ガラス基板層/樹脂硬化物層/回路基板の順になるように配置した後、バッチ式の真空加圧ラミネーター((株)名機製作所製、商品名:MVLP−500)を用いてラミネートによって積層し、絶縁層を設けた積層板(絶縁層/ガラス基板層/樹脂硬化物層/回路基板)を得た。
更に、上記と同様の条件で、比較例1で得られた積層板(樹脂硬化物層/回路基板)を用いて、絶縁層を設けた積層板(絶縁層/樹脂硬化物層/回路基板)を作製し、参考例1で得られた積層板(ガラス基板層/回路基板)を用いて、絶縁層を設けた積層板(絶縁層/ガラス基板層/回路基板)を作製した。
(3)化学粗化
上記(2)で得られた積層板を化学粗化するために、膨潤液として、ジエチレングリコールモノブチルエーテル:200ml/L、NaOH:5g/Lの水溶液を作製し、70℃に加温して5分間浸漬処理した。次に、粗化液として、KMnO:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液を作製し、80℃に加温して10分間浸漬処理した。引き続き、中和液(SnCl:30g/L、HCl:300ml/L)の水溶液に室温で5分間浸漬処理して中和した。
(4)導体層の形成
上記(3)で得られた積層板に導体層を形成するために、まず、PdClを含む無電解めっき用触媒(日立化成(株)製、商品名:HS−202B)に、室温で10分間浸漬処理し、水洗し、無電解銅めっき用であるめっき液(日立化成(株)製、商品名:CUST−201)に室温で15分間浸漬し、さらに硫酸銅電解めっきを行った。その後、アニールを180℃で60分間行い厚さ25μmの導体層(外層導体)を形成し、多層プリント配線板を得た。
(265℃はんだ耐熱性)
各例で作製した多層プリント配線板を25mm角に切断し、265±2℃に調整したはんだ浴に浮かべ、ふくれが発生するまでの時間(秒)を調べた。結果を表1に示す。
(絶縁層の表面粗さ)
各例で作製した多層プリント配線板の外層導体の一部の銅をエッチング処理して除去したことで露出した絶縁層について、非接触表面形状計測装置((株)菱化システム製、商品名:マイクロマップMN5000型)を用い、表面粗さRaを測定した。結果を表1に示す。
(エッチング時間)
各例で作製した多層プリント配線板にネガ型ドライフィルムレジスト(日立化成(株)製、RY3624)をラミネートし、配線回路幅10μm、配線回路間のスペース10μmの微細回路を紫外線露光により現像した後、電気めっきを行った。レジストを除去した後、10%HSO−Hのエッチング液をスプレーで吹付けてエッチングを行った。
エッチング時間は、予備試験で30秒毎にエッチング試料を採取して、導体層のエッチング残がなくなるのを光学顕微鏡で確認し、最適なエッチング時間を求めた。結果を表1に示す。
(外層導体との接着強度)
各例で作製した多層プリント配線板の外層導体の一部に銅のエッチング処理によって、幅10mm、長さ100mmの大きさの導体部分を形成した。この導体部分の一端を外層導体/絶縁層界面で剥離させ、剥離した部分をつかみ具でつかみ、垂直方向に引張り速度約50mm/分、室温中で引き剥がした時の荷重を測定し、接着強度とした。結果を表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜6の積層板は、比較例1より貯蔵弾性率に優れていた。このため、本発明の積層板は実装時の反りを低減させることができる。
また、実施例1〜6は、絶縁層の表面粗さが小さいことから、微細な配線を形成するのに優位な材料であり、かつエッチング時間が短いため、配線の寸法安定性や歩留まりに優れていることが分かる。このため、本願発明の積層板は微細な配線の形成が可能である。
更に、実施例1〜6の積層板は、外層導体と絶縁層との接着強度、及び265℃はんだ耐熱性にも優れていた。
1 ガラス基板層
2 樹脂組成物層
3 回路基板

Claims (4)

  1. ガラス基板層と樹脂組成物層と回路基板とをこの順に有する積層体であって、回路基板がガラスクロスと樹脂とを含んでなる基板であり、前記ガラス基板層の樹脂組成物層の反対側に絶縁樹脂組成物層を形成し、その上に金属配線層を形成した積層体。
  2. 前記ガラス基板層の厚さが、20〜200μmである請求項1に記載の積層体。
  3. 請求項1又は2に記載の積層体を硬化処理して得られる積層板。
  4. 請求項に記載の積層板を用いた多層プリント配線板。
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