JP2004031712A - 絶縁層、樹脂付き金属、キャリアフィルムおよび多層プリント回路板 - Google Patents

絶縁層、樹脂付き金属、キャリアフィルムおよび多層プリント回路板 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、誘電特性、耐クラック性に優れた樹脂付き金属箔および多層プリント配線板を提供することである。
【解決手段】本発明の樹脂付き金属箔は、ベンゾシクロブテン樹脂および液状エラストマーを含む樹脂層を有することを特徴とするものである。なお、液状エラストマーとしては、特定のスチレンーブタジエン共重合体を用いることが特に好ましい。また、本発明の多層プリント回路板は、上述の樹脂付き金属箔を内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱、加圧してなることを特徴とするものである。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁層、樹脂付き金属箔、キャリアフィルムおよび多層プリント回路板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノート型パーソナルコンピューターや携帯電話等の携帯型電子機器は、より軽量かつ小型化が求められている。そのため電子機器内部のCPUやLSI等を実装するプリント回路板についても、小型軽量化が自ずと求められる。小型軽量化を実現するためには、絶縁樹脂層の厚さを薄くすること、プリント配線幅および配線間距離を小さくすること、スルーホール径を小さくしスルーホールのメッキ厚さを薄くすること等が必要である。ここで、メッキ厚さを薄くすると熱衝撃時にメッキ金属にクラックが発生するおそれがあり、絶縁樹脂層に耐熱性や耐クラック性が要求される。
また、同時にこれらの情報処理用機器の高速化も要求されており、CPUの高クロック周波数化が進んでいる。このため信号伝搬速度の高速化が要求されており、これを実現するために低誘電率、低誘電正接のプリント回路板が必要とされる。
【0003】
耐熱性に優れ、誘電特性に優れた樹脂として、ベンゾシクロブテン樹脂が用いられる(例えば、特開2000−21872号公報)。ベンゾシクロブテン樹脂は硬化反応により水酸基等の分極率の大きな官能基が生じないため、誘電特性が非常に優れている。
【0004】
しかし、ベンゾシクロブテン樹脂はその骨格構造により機械的特性において脆く、ベンゾシクロブテン樹脂を樹脂付き金属箔に用いた場合には、冷熱衝撃における耐クラック性に問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、誘電特性、耐クラック性に優れた絶縁層、樹脂付き金属箔、キャリアフィルムおよび多層プリント回路板を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(11)に記載の本発明により達成される。
(1)積層板の絶縁層であって、ベンゾシクロブテン樹脂および液状エラストマーを含む樹脂で構成されることを特徴とする絶縁層。
(2)前記絶縁層は、ベンゾシクロブテン樹脂を含む第1層と、前記ベンゾシクロブテン樹脂を含む第2層で構成されるものであって、前記液状エラストマーは、前記第1層または第2層の少なくとも一層に含まれるものである第(1)に記載の絶縁層。
(3)前記ベンゾシクロブテン樹脂は、式(I)で表されるものである第(1)または(2)に記載の絶縁層。
【化2】
Figure 2004031712
(4)前記液状エラストマーは、オレフィン系エラストマーである第(1)ないし(3)のいずれかに記載の絶縁層。
(5)前記液状エラストマーは、電子吸引基を有するポリブタジエンである第(1)ないし(4)のいずれかに記載の絶縁層。
(6)前記液状エラストマーの数平均分子量は、1,000〜6,000である第(1)ないし(5)のいずれかに絶縁層。
(7)前記液状エラストマーの含有量は、ベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して1〜50重量部である第(1)ないし(6)のいずれかに記載の絶縁層。
(8)第(1)ないし(7)のいずれかに記載の絶縁層を有することを特徴とする樹脂付き金属箔。
(9)第(1)ないし(7)のいずれかに記載の絶縁層を有することを特徴とするキャリアフィルム。
(10)第(8)に記載の樹脂付き金属箔を内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱、加圧してなることを特徴とする多層プリント回路板。
(11)第(9)に記載のキャリアフィルムを内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱、加圧してなることを特徴とする多層プリント回路板。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の絶縁層、樹脂付き金属箔、キャリアフィルムおよび多層プリント回路板について詳細に説明する。
本発明の絶縁層は、積層板の絶縁層であって、ベンゾシクロブテン樹脂および液状エラストマーを含む樹脂で構成されることを特徴とするものである。
また、本発明の樹脂付き金属箔は、上述の絶縁層を有することを特徴とするものである。
また、本発明のキャリアフィルムは、上述の絶縁層を有することを特徴とするものである。
また、本発明の多層プリント回路板は、上述の樹脂付き金属箔またはキャリアフィルムを内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱、加圧してなることを特徴とするものである。
【0008】
まず、本発明の絶縁層について説明する。
本発明の絶縁層は、ベンゾシクロブテン樹脂および液状エラストマーを含む樹脂で構成される。これにより、絶縁層の誘電特性と、耐クラック性を向上することができる。
前記ベンゾシクロブテン樹脂は、特に限定されるものではなく、シクロブテン骨格を含む樹脂であればよい。これらの中でも式(I)で表されるベンゾシクロブテン樹脂を含むこと好ましい。これにより、ガラス転移温度が高くでき、硬化後の樹脂特性(具体的には、誘電特性、耐熱性等)を向上することができる。
【化3】
Figure 2004031712
ベンゾシクロブテン樹脂は硬化反応によって水酸基などの分極率の大きな官能基が生じないため、誘電特性が非常に優れており、かつ低吸水率である。また、剛直な化学構造を有するため耐熱性に優れている。
【0009】
前記ベンゾシクロブテン樹脂をBステージ化したものも成形性を調整するために好ましく使用され、本発明のベンゾシクロブテン樹脂に含まれるものである。Bステージ化は加熱溶融して行われる。Bステージ化したベンゾシクロブテン樹脂とは、数平均分子量が500以上のものをいう。
【0010】
また、前記式(I)を有するベンゾシクロブテン樹脂をBステージ化したものも成形性、流動性を調整するために好ましく使用され、本発明に含まれるものである。前記式(I)を有するベンゾシクロブテン樹脂をBステージ化した数平均分子量は、通常3,000〜1,000,000である。
数平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
【0011】
本発明において、樹脂成分として前記ベンゾシクロブテン樹脂のみでもよく、その他の樹脂を配合することもできる。この場合、前記ベンゾシクロブテン樹脂の含有量は、特に限定されないが、樹脂成分(液状エラストマーを除く、ベンゾシクロブテン樹脂およびその他の樹脂)全体の66〜99重量%が好ましく、特に70〜90重量%が好ましい。ベンゾシクロブテン樹脂の含有量が前記下限値未満であると誘電特性を向上する効果が低下する場合があり、前記上限値を超えると樹脂の流動性が低下する場合がある。
【0012】
前記液状エラストマーとしては、例えば液状ポリブタジエン、液状スチレン−ブタジエン共重合体、液状スチレン−イソプレン共重合体等のポリスチレン系液状エラストマー、液状ポリイソプロピレン、液状ポリブタジエン等のポリオレフィン系液状エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等が挙げられる。これらの中でも液状ポリブタジエンが好ましく、特に電子吸引基を有する液状ポリブタジエンが好ましい。
【0013】
これらの液状エラストマーは、ベンゾシクロブテン樹脂との相溶性に優れるからである。ベンゾシクロブテン樹脂と液状エラストマーとの相溶性に優れると、耐クラック性を向上する効果に加え、金属との密着性を向上することができる。電子吸引基有する液状エラストマーは、ソフトセグメントのジエン部位を含むためゴム弾性に優れ、また電子吸引基を含むことにより金属との密着性を特に高くでき、またベンゾシクロブテン樹脂との硬化反応を促進することができる。さらに骨格中に極性基が少ない化学構造を有しているため、双極子モーメントが小さく誘電特性を低下させない。従って、電子吸引基を有する液状エラストマーをベンゾシクロブテン樹脂と併用することで誘電特性、耐クラック性、金属との密着性等の特性の優れた樹脂組成物を得ることができる。
【0014】
前記液状エラストマーの数平均分子量は、特に限定されないが、1,000〜6,000が好ましく、特に1,500〜5,500が好ましい。数平均分子量が前記下限値未満であると耐クラック性を向上する効果が低下する場合が有り、前記上限値を超えるとベンゾシクロブテン樹脂との相溶性が低下する場合が有る。
なお、前記数平均分子量は、例えばGPCを用いて測定することができる。
【0015】
前記液状エラストマーの含有量は、特に限定されないが、ベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、特に10〜40重量部が好ましい。含有量が前記下限値未満であると耐クラック性を向上する効果が低下する場合が有り、前記上限値を超えると樹脂層にタックが生じ、加工性に影響する場合が有る。
【0016】
前記液状エラストマーの粘度は、特に限定されないが、0.5〜20Pa・sが好ましく、特に1〜15Pa・sが好ましい。粘度が前記範囲内であると、ベンゾシクロブテン樹脂との相溶性が良く、またキャリアフィルムに塗工後の樹脂表面のタック発生、あるいは樹脂の割れを防ぐことができる。
なお、前記液状エラストマーの粘度は、例えばE型粘度計を用いて、常温で測定することができる。
【0017】
本発明の絶縁層は、特に限定されないが、ベンゾシクロブテン樹脂を含む第1層と、ベンゾシクロブテン樹脂を含む第2層とを有する樹脂層であって、前記第1層または第2層の少なくとも一層に液状エラストマーを含む樹脂層を有することが好ましい。これにより、上述の優れた誘電特性、耐クラック性に加え、成形性(特に、樹脂層の厚さをより均一にすることができる)を向上することができる。樹脂層の厚さをより均一にできると、誘電特性をより向上することができるからである。
なお、液状エラストマーは、前記第1層および第2層の少なくとも一方に含まれればよいが、両方の層に含まれることが好ましい。これにより、耐クラック性をより向上することができる。
【0018】
前記第1層は、金属箔又はプラスチック製フィルム面に形成されるのが好ましく、前記第2層は、前記第1層の上に形成されるのが好ましい。
第1層と第2層の樹脂成分として異なるものを使用することもできるが、同じものを使用することが好ましい。これにより、製品の特性をより均一にすることができる。前記第1層の反応率は、特に限定されないが、前記第2層の反応率よりも高いことが好ましい。これにより、樹脂付き金属箔の成形性を特に向上することができる。前記反応率は、例えば、示差走査熱量計(DSC)によって求めることができる。
【0019】
前記第1層の厚さは、特に限定されないが10〜100μmが好ましく、特に20〜80μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に金属箔又はプラスチック製キャリアフィルムに塗工乾燥後ロールに巻いた際、樹脂層のヒビ割れを防ぐことができる。
また、前記第2層の厚さは、特に限定されないが10〜100μmが好ましく、特に20〜80μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に金属箔又はプラスチック製キャリアフィルムに塗工乾燥後ロールに巻いた際、樹脂層のヒビ割れを防ぐことができる。
【0020】
本発明のベンゾシクロブテン樹脂を含む層、およびベンゾシクロブテン樹脂および液状エラストマーを含む層は、本発明の目的に反しない範囲において、硬化促進剤、カップリング剤、難燃剤、フィラー、その他の成分を添加することは差し支えない。
【0021】
次に、本発明の樹脂付き金属箔およびキャリアフィルムについて説明する。
本発明の樹脂付き金属箔およびキャリアフィルムは、少なくともその片面に前記絶縁層を有する。
前記絶縁層は、金属箔およびキャリアフィルムに種々の方法で形成することができるが、通常絶縁層を形成する樹脂等を溶剤に溶解したワニスの形で使用することが製膜性の点で好ましい。用いられる溶媒は組成に対して良好な溶解性を示すことが望ましいが、悪影響をおよばさない範囲で貧溶媒を使用しても構わない。良溶媒としては、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキサノン等が挙げられる。また、ワニスを調製する場合、樹脂組成物の固形分は、特に限定されないが20〜90重量%が好ましく、特に30〜70重量%が好ましい。
前記金属箔を構成する金属は、例えば銅または銅系合金、アルミまたはアルミ系合金等が挙げられ、また、前記キャリアフィルムを構成する樹脂としてはフッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0022】
本発明では、上述絶縁層を構成する樹脂等を溶剤に溶解して得られる樹脂ワニスを、金属箔またはキャリアフィルムに塗工し、例えば80〜200℃で乾燥させることにより樹脂付き金属箔またはキャリアフィルムを得ることが出来る。また、上記作業を複数繰り返すことにより、前記第1層および第2層を形成することができる。
塗工、乾燥後の絶縁層の厚さは10〜100μmが好ましく、特に20〜80μmが好ましい。これにより、絶縁層の割れ発生が無く裁断時の粉落ちも少なくすることができる。
【0023】
次に、多層プリント回路板について説明する。
本発明の多層プリント回路板は、上述の樹脂付き金属箔またはキャリアフィルムを内層回路板の片面又は両面に重ね合わせて加熱、加圧してなる多層プリント回路板である。
上述の樹脂付き金属箔またはキャリアフィルムを内層回路板の片面又は両面に重ね合わせて加熱、加圧して積層板を得る。キャリアフィルムの場合は、キャリアフィルムを積層後に剥離または加熱、加圧前に剥離する。加熱する温度は、特に限定されないが、140〜240℃が好ましい。加圧する圧力は、特に限定されないが、10〜40kg/cmが好ましい。
また、内層回路板は、例えば銅張積層版の両面に回路を形成し、黒化処理したものを挙げることができる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
▲1▼樹脂ワニスの調製
ベンゾシクロブテン樹脂として、ジビニルシロキサン−ビスベンゾシクロブテン(プレポリマー化したもの。数平均分子量140000、ダウケミカル社製サイクロテンXUR)100重量部、液状エラストマーとしてアクリル変性ポリブタジエンゴム(数平均分子量2800、大阪有機化学工業(株)製BAC−45)30重量部をメシチレンに溶解して不揮発分濃度50重量%となるように樹脂ワニスを調製した。
【0025】
▲2▼樹脂付き金属箔の製造
上述の樹脂ワニスに部分架橋剤として1,2−ビス(アジドベンジル)エチレンを3重量部溶解させ調整したワニスを用いて、銅箔(厚さ0.018mm、古河サーキットフォイル(株)製)に樹脂ワニスを厚さ0.07mmで塗工し、150℃の乾燥機炉で10分、170℃の乾燥機炉で10分乾燥させ第1層目の樹脂層を形成し、引き続き、上述の樹脂ワニスに1,2−ビス(アジドベンジル)エチレンを0.5重量部溶解させ調整したワニスを用いて、前記第1層目の樹脂層を形成した銅箔に樹脂ワニスを厚さ0.07mmで塗工し、150℃の乾燥機炉で10分、170℃の乾燥機炉で10分乾燥させることで第2層目の樹脂層を形成し、全樹脂厚さ(第1層と第2層との合計厚さ)0.07mmの樹脂付き金属箔を作成した。
【0026】
▲3▼多層プリント回路板の製造
銅箔を両面に張った両面銅張積層板の銅箔表面を黒化処理(酸化銅形成)した後還元したものをコアとして、その両面に上述の樹脂付き金属箔を170℃、1時間、200℃、2時間加熱加圧接着し、熱硬化後表面銅箔をエッチングすることにより多層プリント回路板を製造した。
【0027】
(実施例2)
液状エラストマーの添加量を5重量部にした以外は、実施例1と同様にした。
【0028】
(実施例3)
液状エラストマーの添加量を42重量部とした以外は、実施例1と同様にした。
【0029】
(実施例4)
液状エラストマーとして、ポリブタジエンカルボン酸(数平均分子量1,200 、日本曹達株式会社製 NissoPB C−1000)を用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0030】
(実施例5)
液状エラストマーとしてポリブタジエン(数平均分子量5,000 、フィリップ石油社製、品番Butaretz)を用いた以外は、実施例1と同様にした。
【0031】
(実施例6)
樹脂付き金属箔の製造において、樹脂層を以下のように1層塗りとした以外は、実施例1と同様にした。
前述の第1層の樹脂ワニスに部分架橋剤として1,2−ビス(アジドベンジル)エチレンを3重量部溶解させ調整した樹脂ワニスを用いて、銅箔(厚さ0.018mm、古河サーキットフォイル(株)製)に樹脂ワニスを厚さ0.14mmで塗工し、150℃の乾燥機炉で10分、170℃の乾燥機炉で10分乾燥させ、樹脂厚さ0.07mmの樹脂付き金属箔を作成した。
【0032】
(比較例1)
液状エラストマーを添加しなかった以外は、実施例1と同様にした。
【0033】
実施例および比較例で得られた多層プリント回路板について、以下の評価を行った。なお、各評価の方法を併せて示す。得られた結果を表1に示す。
▲1▼誘電率
誘電率は、空隙測定法によってA状態で測定した。
【0034】
▲2▼耐クラック性
耐クラック性は、液相冷熱試験(−65℃と125℃で30分間処理/300サイクル)で評価した。測定は、タバイエスペック製液槽冷熱衝撃装置TSB−2型、フロリナート液を用いた。なお、クラックの有無は目視で判断した。各記号は以下の事項を示す。
◎:クラック全く発生せず。
○:クラック一部発生するが実用上問題なし。
△:クラックが一部発生し、実用不可。
×:クラック発生する。
【0035】
▲3▼成形性
成形性は、多層プリント回路板を作成後におけるボイドの発生の有無で評価した。なお、ボイドの有無は目視で判断した。各記号は以下の事項を表す。
◎:ボイド発生なし。
○:ボイド一部発生するが実用上問題なし。
△:ボイド一部発生し、実用上使用不可。
×;ボイドが発生。
【0036】
▲4▼厚さ精度
厚さ精度は、多層プリント回路板の断面を光学顕微鏡で観察した。各記号は以下の事項を示す。
◎:厚さのバラツキが15μm未満である。
○:厚さのバラツキが15〜20μmで一部有るが、実用上問題なし。
△:厚さのバラツキが20〜25μm一部有り、実用上使用不可。
×:厚さのバラツキ25μmを超える。
【0037】
▲5▼密着性
密着性は、銅箔ピール強度により評価した。銅箔ピール強度の測定は、JISC 6481に準じて行った。
【0038】
▲6▼機械的物性
機械的物性は、多層プリント回路板の銅箔をエッチングにて除去したものの弾性率、引っ張り強度、伸び率を測定した。弾性率、引っ張り強度、伸び率は、引っ張りモードで荷重フルスケール20kgf、速度5mm/minで測定した。
【0039】
【表1】
Figure 2004031712
【0040】
表から明らかなように実施例1〜6は、誘電率および耐クラック性に優れていた。
また、実施例1〜6は、ピール強度も高く、樹脂と金属箔との密着性に優れていることが確認された。
また、実施例1〜6は、弾性率、引張強度等の機械的特性にも優れていることが確認された。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、誘電特性に優れ、かつ耐クラック性に優れた樹脂付き金属箔および多層プリント配線板を得ることができる。
また、特定の樹脂層を有する樹脂付き金属箔とすれば、特に成形性に優れた樹脂付き金属箔および多層プリント配線板を得ることができる。

Claims (11)

  1. 積層板の絶縁層であって、
    ベンゾシクロブテン樹脂および液状エラストマーを含む樹脂で構成されることを特徴とする絶縁層。
  2. 前記絶縁層は、ベンゾシクロブテン樹脂を含む第1層と、
    前記ベンゾシクロブテン樹脂を含む第2層で構成されるものであって、
    前記液状エラストマーは、前記第1層または第2層の少なくとも一層に含まれるものである請求項1に記載の絶縁層。
  3. 前記ベンゾシクロブテン樹脂は、式(I)で表されるものである請求項1または2に記載の絶縁層。
    Figure 2004031712
  4. 前記液状エラストマーは、オレフィン系エラストマーである請求項1ないし3のいずれかに記載の絶縁層。
  5. 前記液状エラストマーは、電子吸引基を有するポリブタジエンである請求項1ないし4のいずれかに記載の絶縁層。
  6. 前記液状エラストマーの数平均分子量は、1,000〜6,000である請求項1ないし5のいずれかに絶縁層。
  7. 前記液状エラストマーの含有量は、ベンゾシクロブテン樹脂100重量部に対して1〜50重量部である請求項1ないし6のいずれかに記載の絶縁層。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の絶縁層を有することを特徴とする樹脂付き金属箔。
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載の絶縁層を有することを特徴とするキャリアフィルム。
  10. 請求項8に記載の樹脂付き金属箔を内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱、加圧してなることを特徴とする多層プリント回路板。
  11. 請求項9に記載のキャリアフィルムを内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱、加圧してなることを特徴とする多層プリント回路板。
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