JPH09139579A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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JPH09139579A
JPH09139579A JP29454495A JP29454495A JPH09139579A JP H09139579 A JPH09139579 A JP H09139579A JP 29454495 A JP29454495 A JP 29454495A JP 29454495 A JP29454495 A JP 29454495A JP H09139579 A JPH09139579 A JP H09139579A
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epoxy resin
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multilayer printed
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Kunio Iketani
国夫 池谷
Shigeru Ekusa
繁 江草
Yoshiyuki Takahashi
良幸 高橋
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内層回路に黒処理を施さなくとも、アンダー
コート剤と銅箔との密着性が強固にし、十分な積層板特
性を発現すること。 【解決手段】 回路加工された銅張積層板に、熱硬化性
樹脂を基材に含浸、乾燥させたプリプレグを重ね合わせ
て積層プレスする多層プリント配線板の製造方法におい
て、前記パターン加工された銅張積層板に、(1)平均
エポキシ当量450以上6000以下である末端2官能
直鎖状高分子エポキシ樹脂、(2)芳香族ポリアミン、
(3)無機充填材として、その表面が、飽和脂肪酸、カ
ップリング剤等で疎水処理された炭酸カルシウム、及び
(4)無機充填材として、疎水処理された超微粒子シリ
カを必須成分とするアンダーコート剤を塗布し、内層回
路の銅箔段差をなくすかあるいは減少せしめた後乾燥
し、更にエポキシ樹脂を基材に含浸、乾燥したプリプレ
グを重ね合わせて積層プレスする多層プリント配線板の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内層回路銅箔とア
ンダーコート剤との密着性に優れ、黒処理(酸化処理)
を不要とすることができる多層プリント配線板の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】これまでの多層プリント配線板の製造方
法としては、一般的には、両面又は片面に回路加工を施
された内層回路板の回路面にいわゆる黒処理と呼ばれる
酸化処理を施し、回路表面を粗化した後、熱硬化型の樹
脂を基材に塗布・含浸・乾燥させたプリプレグを1枚以
上重ね、さらにその上面に金属箔を重ね合わせて、加熱
加圧するものであった。黒処理の目的は、プリプレグと
の良好な密着性を得るためであり、黒処理を施していな
い内層回路とプリプレグは、全くといっていいほど密着
性がなかったために、黒処理は必須の技術であった。と
ころが、この技術は、内層回路板の外層銅箔の化学処理
による酸化現象を応用したものであり、基本的には、工
程の管理が非常に難しく、更に、多大な設備投資とラン
ニングコストが要求される。更に、酸化銅は耐酸性が弱
く、また、物理的な強度も弱いため多層成形時、ドリル
加工時、スルーホールメッキ時に、トラブルが発生しや
すいといった問題点も指摘されていた。
【0003】本発明に示される回路加工された内層銅張
積層板の回路表面に樹脂層を形成する多層プリント配線
板の製造方法として、特開昭53−132772公報、
特開昭60−62194公報、特開昭63−10879
6公報等があげられるが、いずれの技術においても、成
形時のボイドを減少せしめることにより、耐電圧性の向
上、耐ハロー性の向上、熱放散性の向上、絶縁層厚みの
向上をその目標とするものであり、本発明とは、全く異
なった目的のものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、内層回路銅
箔とアンダーコート剤との密着力を向上させることがで
き、これにより黒処理を不要とすることができる多層プ
リント配線板に関するものであり、多層プリント配線板
において、内層回路銅箔、特に黒処理を施していない内
層回路銅箔との密着性、及び吸湿耐熱性、耐メッキ液性
と層間剥離の問題を解決すべくアンダーコート剤の組成
について鋭意検討をすすめた結果、本発明をなすに到っ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、回路加工され
た銅張積層板の片面又は両面に、熱硬化性樹脂を基材に
含浸、乾燥させたプリプレグを重ね合わせて積層プレス
する多層プリント配線板の製造方法において、前記回路
加工された銅張積層板の回路面に、(1)エポキシ樹
脂、(2)芳香族ポリアミン、(3)無機充填材とし
て、その表面が飽和脂肪酸、カップリング剤等で疎水処
理された炭酸カルシウム、及び(4)無機充填材とし
て、疎水処理された超微粒子シリカを必須成分とするア
ンダーコート剤を塗布し、更にエポキシ樹脂を基材に含
浸、乾燥したプリプレグを重ね合わせて積層プレスする
多層プリント配線板の製造方法、に関するものである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
目的は、前述のように、内層回路銅箔面とアンダーコー
ト剤との密着性を向上させ、これにより内層回路銅箔の
黒処理を不要とすることができる多層プリント配線板の
製造方法を提供することにある。本発明者は、アンダー
コート剤の組成について鋭意検討を行った結果、黒処理
を行った場合はもちろん、黒処理を施していなくとも、
エポキシ樹脂、特に一定の分子量の末端2官能性直鎖状
エポキシ樹脂、芳香族ポリアミン、疎水処理された炭酸
カルシウム及び疎水処理された超微粒子シリカの組み合
わせにより、内層回路銅箔との充分な密着性と耐熱性を
確保できることを見いだした。
【0007】エポキシ樹脂としては、通常の積層板に使
用されるものであればいかなるものも使用できるが、内
層回路銅箔との充分な密着性が得られ、黒処理を不要と
するためには、好ましくは、平均エポキシ当量が450
以上6000以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹脂
であり、代表的には、2官能フェノールとエピハロヒド
リンとを反応して得られる2官能直鎖状エポキシ樹脂、
2官能エポキシ樹脂と2官能フェノールの交互共重合反
応によって得られる末端2官能直鎖状エポキシ樹脂等が
あり、これらは数種類のものを併用することも可能であ
る。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、プロピレンオキサイドビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹
脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、2、6ーナフトール型
ジグリシジルエーテル重合物、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂とテトラブロモビスフェノールA共重合物、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂とテトラブロモビスフェ
ノールA共重合物、ビスフェノールS型エポキシ樹脂と
テトラブロモビスフェノールA共重合物等が例示され
る。難燃化のために、臭素化エポキシ樹脂を使用するこ
とができる。
【0008】芳香族ポリアミンについては、4,4’−
ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェ
ニルスルフォン、メタフェニレンジアミン、4,4’−
ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジ
フェニルメタン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジ
アミノジフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジ
アミノジフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジ
アミノ−5,5’−ジメトキシジフェニル、2,2’,
5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニ
ル、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリ
ン)、2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−
ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノ−2−ク
ロロ−3,5−ジエチルジフェニル)メタン、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンズアニリ
ド、3,3’−ジハイドロキシ−4,4’−ジアミノビ
フェニル、9,9’−ビス(4−アミノフェニル)フル
オレン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アント
ラセン等が例示される。
【0009】コスト的には不利になるが、黒処理をして
いない生銅との密着性を考慮した場合、スルフィド結
合、スルフォン結合、ないしスルホキシド結合を有する
芳香族ポリアミンを硬化剤として使用した場合、そうで
ない場合と比較し、約10〜20%程度密着性が向上す
る。これは、いずれの結合も、酸化数0の銅元素と直接
化学結合をすることはないものの、化学的親和性が高い
ためと考えられる。上記の芳香族ポリアミンとしてジア
ミノジフェニルスルフォン、2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]スルフォン、3,3’−
ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル−6,6’−
スルフォン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)スル
ホキシド、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル)]スルホキシド、3,3’−ジメチル−
4,4’−ジアミノビフェニル−6,6’−スルホキシ
ド、ジアミノジフェニルスルフィド等が例示される。
【0010】配合する芳香族アミンの量は、エポキシ樹
脂に対する当量比で1.5〜2.5が耐熱性(特に、吸
湿後の半田耐熱性)と層間密着性を両立するために好ま
しい範囲である。通常エポキシ樹脂に対する芳香族アミ
ンの当量比は概ね1であるが、本発明においてはこれよ
りかなり大きな値にすることが好ましい。この当量比が
上記範囲より大きくても小さくても耐熱性及び密着性に
おいて低下する傾向がある。
【0011】エポキシ樹脂の分子量について言及する。
黒処理がされていない銅との密着性を考えた場合、分子
量が大きいほうが密着性が高い傾向にあるものの、吸湿
後の半田耐熱性は逆に劣化しやすくなることを見いだし
た。エポキシ樹脂のベース骨格、芳香族ポリアミンのベ
ース骨格によって多少の絶対値上の差異はあるものの、
この傾向についてはほとんど変りなかった。エポキシ樹
脂系多層プリント配線板(FR−4グレード等)に実用
上必要とされる内層回路ピール強度は一般的に0.5k
N/mといわれており、平均エポキシ当量450のもの
の使用で、黒処理を施していない内層ピール強度が実用
上最小限のレベルであった。また、平均エポキシ当量が
6000を越えてしまうと、黒処理を施していない内層
ピール強度は1.1kN/mと、充分なレベルであるに
もかかわらず、必要な吸湿耐熱性が発現しない。これ
は、架橋部位であるエポキシ基間が離れ過ぎてしまうた
めと考えられる。本発明においては、充填材として、そ
の表面が、飽和脂肪酸、カップリング剤等で疎水処理さ
れた炭酸カルシウム、及び疎水処理された超微粒子シリ
カを配合しているので、エポキシ樹脂はより分子量の小
さいものまで使用可能である。
【0012】アンダーコート剤の硬化性向上のための硬
化促進剤としては,特に限定するものではないが、イミ
ダゾール系硬化促進剤とホスフィン系硬化促進剤が好ま
しく使用される。イミダゾール系硬化促進剤としては、
2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、
2,4’−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチ
ルイミダゾリル−(1’)]エチル−s−トリアジン、
2−メチルイミダゾール・イソシアヌル酸付加物、2−
メチルイミダゾール・トリメリット酸付加物等が、ま
た、ホスフィン系硬化促進剤としては、トリフェニルホ
スフィン、トリフェニルホスフィンフェノール塩等があ
り、さらに好ましくは、2−ウンデシルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール又は
2,4−ジアミノ−6−{2’−ウンデシルイミダゾリ
ル−(1’)}エチル−s−トリアジンを各々単独もし
くは併用使用することができる。エポキシ樹脂100重
量部に対する硬化促進剤の量は0.2〜0.9重量部が
好ましい。0.9重量部を越える添加量になると、硬化
が速過ぎて成形性が悪くなるとともに、吸湿後の半田耐
熱性及び層間密着性が両立しないか、あるいは両方の特
性が低下するようになる。一方、0.2重量部未満の添
加量では、硬化不足により耐熱性が不十分となり、密着
性も低下するようになる。
【0013】本発明において使用する、表面が飽和脂肪
酸、カップリング剤等で疎水処理された炭酸カルシウム
は、半田耐熱性と密着性を共に向上させることができ
る。疎水処理は、回路加工工程中に行われるエッチング
やメッキ等の酸に解け出さないために必要である。エポ
キシ樹脂100重量部に対する配合量は30〜160重
量部が好ましい。30重量部未満では耐熱性向上の効果
が不十分であり、160重量部を越えると密着性が低下
するようになり、特に吸湿処理後の外観が悪化し剥離が
生じることがある。特に40〜100重量部の範囲で最
も良好な特性が得られる。平均粒子径については、0.
7〜1.8μmの範囲が好ましい。0.7μm未満では
製造にコストがかかり、通常のグレードには無いこと
と、アンダーコート剤の粘度が上がり溶剤の配合量が増
え、回路加工された基板に塗布乾燥後の外観が悪くなる
傾向にあるために通常は使用しない。また、1.8μm
を越える平均粒子径の場合半田耐熱性と密着性の向上効
果が小さくなる。
【0014】次に、疎水処理された超微粒子シリカにつ
いて説明する。疎水処理された超微粒子シリカとは、通
常粒子表面に存在するSiOHを更にメチル基、エチル
基等の疎水基で覆4などの方法によって疎水化したもの
で、2次凝集が少なく分散性が良好となり、分散不良に
よる耐熱性の低下の心配が少ない。特に吸湿耐熱性向上
のために好ましい。かかる超微粒子シリカの配合量はエ
ポキシ樹脂100重量部に対して5〜30重量部でが好
ましい。5重量部未満ではその配合効果が小さく、30
重量部より多く配合するとアンダーコート剤の粘度が高
くなるため、溶剤の配合量を多くする必要があり、また
耐熱性も低下するようになる。平均粒子径は10〜19
nmが好ましく、更に好ましくは12〜16nmであ
る。この範囲で十分な耐熱性向上効果を発現する。
【0015】上記配合物を内層回路板に塗布する際、溶
剤により粘度調整を行うことは可能である。溶剤種とし
ては、アセトン、メチルエチルケチン、トルエン、キシ
レン、エチレングリコールモノエチルエーテル及びその
アセテート化合物、プロピレングリコールモノエチルエ
ーテル及びそのアセテート化物、ジメチルホルムアミ
ド、メチルジグリコール、エチルジグリコール、メタノ
ール、エタノール等が挙げられる。
【0016】塗布方法によっては、疎水処理された炭酸
カルシウム及び超微粒子シリカ以外にも、さらにチクソ
トロピー性や半田耐熱性を付与する目的で無機充填材を
配合することも可能である。例えば、水酸化アルミニウ
ム、水和シリカ、アルミナ、酸化アンチモン、チタン酸
バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、シリカ、シリコン
カーバイド、タルク、酸化チタン、石英、酸化ジルコニ
ウム、珪酸ジルコニウム、窒化ボロン、炭素、グラファ
イト等が例示されるが、疎水処理されたものが更に良好
である。
【0017】銅との密着性あるいは無機充填材との密着
性の向上のため、カップリング剤の添加も可能である。
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタ
ネート系カップリング剤、アルミキレート系カップリン
グ剤等が使用可能であり、例えば、クロロプロピルトリ
メトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイ
ドプロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリイソ
ステアロイルチタネート、イソプロピルトリメタクリル
チタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルフィロフォ
スフェート)チタネート、イソプロピルイソステアロイ
ルジ(4−アミノベンゾイル)チタネート等が例示され
る。
【0018】また、消泡機能、破泡機能をもたせるため
にシリコーン系消泡剤、アクリル系消泡剤、フッ素系界
面活性剤等の添加も可能である。更に、内層回路銅箔の
ピーリング強度の向上のためには強靭性の付与が非常に
効果があることが一般に知られている。例えば、カルボ
キシターミネーテイットブタジエンアクリルニトリルゴ
ム(宇部興産(株)製CTBN)、エポキシ変性ポリブ
タジエンゴム等の添加が可能であるが、多量の配合は耐
熱特性が低下する傾向があるので注意する必要がある。
【0019】アンダーコート剤の塗布方法としては、ロ
ールコーター、カーテンコーター、キャステイング法、
スピンナーコーター、スクリーン印刷等の方法があり、
いずれの方法でも塗布は可能である。また、内層回路面
をもれなく塗布出来る方法であれば上述の塗布方法に限
定されない。いずれの方法においても、アンダーコート
剤に必要な最適粘性があるため、塗布方法により、反応
性希釈剤、溶剤の種類、無機充填材の種類、粒径、配合
量の調整は必要になってくる。
【0020】アンダーコート剤の硬化状態について言及
する。硬化状態は、一般的に全くの未硬化状態であるA
ステージ状態、半硬化状態であるBステージ状態、さら
に硬化をすすめたゲル状態、そして、完全硬化状態であ
るCステージ状態に分けることができる。本目的のため
にはいずれの状態であっても使用可能であるが、タック
フリーの状態又はそれ以上反応を進めることにより取り
扱いが容易になる。
【0021】本発明のアンダーコート剤を用いることに
より、従来多層プリント配線板に必要とされてきた黒処
理を不要とすることができる。従って、黒処理工程の品
質管理に費やす工数の削減、生産コストの削減が期待さ
れ、黒処理のないことによりハロー現象が生じないの
で、容易に高密度配線とすることができる。更に、回路
加工された銅張積層板の上面にアンダーコート層を形成
するため、回路パターン間隙をあらかじめ樹脂で充填さ
せておくことができ、そのためプリプレグを重ね合わせ
て積層しても、気泡を残存させることなく成形すること
ができる。従って、従来内層回路の銅箔残存率によっ
て、プリプレグの樹脂量、加熱時の流動性を変えていた
が、その必要がなくなった。即ち、板厚精度が内層回路
の銅箔残存率に依存することがないため、数少ない種類
のプリプレグにて対応することが可能になる。
【0022】更に、プリプレグの内層銅箔エッチング部
を埋めるのに要していた時間が不要となる。従来は脱泡
のための時間を確保する必要から昇温速度を2〜5℃/
分としていたため、1回のプレス時間が140分間以上
であったが、本発明では、昇温速度を6〜15℃/分と
大きくすることができるので、プレス時間を80分程度
以下にまで短縮することが可能となり、製造コストが大
幅に削減され、品質管理,在庫管理に費やす工数も大幅
に削減されるようになる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。
【0024】(実施例1)ジグリシジルエーテルビスフ
ェノールA(エポキシ当量475)100重量部をエチ
ルカルビトール120重量部に溶解した。そこに4,
4’−ジアミノジフェニルスルフィド11.7重量部
(エポキシ樹脂に対して2倍当量)を添加し、撹拌した
ところ容易に溶解した。更に2,4−ジアミノ−6−
{2’−ウンデシルイミダゾリル(1’)}エチル−s
−トリアジン0.5重量部、平均粒径1.2μmの飽和
脂肪酸により疎水処理された炭酸カルシウム(日東粉化
工業(株)製NCC−1010)80重量部、平均粒径
18nmの疎水処理された超微粒子シリカR−972
(日本アエロジル(株)製)20重量部、γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン1重量部を添加した
後、三本ロールにより混錬した。真空脱泡器により3m
mHgの真空度で5分間脱泡を行い、アンダーコート剤
を得た。次に、基材厚0.1mm、銅箔厚35μmのガ
ラスエポキシ両面銅張積層板を表面研磨、ソフトエッチ
ングし防錆処理を除いた後、エッチングにより回路加工
した。通常は回路加工後に黒処理を行うが、この黒処理
を施さず、内層回路板の片面に上記アンダーコート剤を
スクリーン印刷し、しかる後乾燥器内において120℃
で5分間加熱し、タックフリー状態にした後、同じよう
にして反対面にもアンダーコート剤を塗布し、乾燥し
た。
【0025】更に、エポキシ樹脂を基材に含浸、乾燥処
理したFR−4プリプレグ100μm厚(住友ベークラ
イト(株)製EI−6765)を上記の乾燥されたアン
ダーコート剤の両面にそれぞれ1枚ずつ重ね合わせ、そ
の上面に厚さ18μmの銅箔を1枚ずつ重ね、真空圧プ
レスにて材料の最高到達温度が170℃、昇温、冷却含
め80分で加熱硬化し、多層プリント配線板を得た。特
性を評価し、その結果を表1に示す。なお、内層回路板
に酸化処理を施していないため、スルーホールメッキを
行ったときにハロー現象は生じていない。
【0026】(実施例2〜10)アンダーコート剤の組
成を表1に示したように変更した以外は実施例1と同様
の方法により多層プリント配線板を作製し、特性の評価
を行った。それぞれの組成及び評価結果を表1に示す。
実施例1と同様にハロー現象は生じていない。
【0027】
【表1】
【0028】・DDDM:4,4'−ジアミノ−3,3'−
ジエチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン ・C11Z・A:2,4−ジアミノ−6−{2'−ウンデ
シルイミダゾリル(1')}エチル−s−トリアジン ・充填材A:水酸化アルミニウム、充填材B:硫酸バリ
ウム、充填材C:炭酸カルシウム、充填材W:ウォラス
トナイト (いずれも疎水処理していない)
【0029】(比較例1〜8)アンダーコート剤の組成
を表2に示すように変更した以外は上記各実施例1と同
様の方法により積層板を作製し、評価を行った。それぞ
れの組成及び評価結果を表2に示す。
【0030】(比較例9)アンダーコート剤を塗布しな
いこと、及び酸化処理を施したことを除いて、実施例及
び比較例と同様にして内層回路板を作製し、多層プリン
ト配線板を作製した。特性の評価結果を表2に示す。酸
化処理を施したため、ハロー現象が生じている。
【0031】(比較例10)内層回路板に回路表面に酸
化処理(黒処理)を施した以外は比較例5と同様にして
多層プリント配線板を作製した。特性の評価結果を表2
に示す。酸化処理を施したため、ハロー現象が生じてい
る。
【0032】
【表2】
【0033】(測定方法) 1.成形性:直径20mmの円形のエッチング部(A)
100個を有する内層回路板を使用して多層プリント配
線板を作製し、表面銅箔をエッチングした後、Aにおい
てボイドの有無を観察し、ボイドのあるAの数からボイ
ド発生率(%)を求めた。 2.外形打抜き性:多層プリント配線板の外周から内部
30〜40mmの部分を直線状に打抜き、アンダーコー
ト層の部分の剥離を測定した。 3.密着性:片面にのみ回路を有する内層回路板を使用
する点を除いて実施例又は比較例に記載した方法にて多
層プリント配線板を作製し、内層回路板とプリプレグと
を剥離してその剥離強度を求め、密着性とした。 4.吸湿半田耐熱性:多層プリント配線板をPCT処理
(125℃、0.5時間)し、260℃の半田浴に20
秒間浸漬し、ふくれの有無を観察した。
【0034】(評価基準)表3に示す評価基準に従って
評価した。
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明の多層プリント配線板の製造方法
は、銅箔とアンダーコート剤との密着力が優れている。
従って、従来の多層プリント配線板の作製に必要とされ
てきた黒処理が不要のものとなる。従って、ハロー現象
が生じないので、容易に高密度配線とすることができ、
更に、黒処理工程の品質管理に費やす工数の削減、生産
コストの削減が期待される。また、あらかじめアンダー
コート剤を塗布し、内層回路の段差を埋め込むため、回
路間の間隙に存在する気泡は皆無となり、従来のような
真空プレスによる長時間加圧を行わなくても、ボイドを
発生させず、良好な成形性を得ることができる。同時
に、内層回路の残存銅箔率によりプリプレグの種類を変
える必要がないためため、多層プリント配線板の製造時
間を大幅に削減することができる。また、現在莫大な工
数をかけ、手作業で行っているプリプレグのセットの自
動化への道が開かれるものと期待される。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回路加工された片面又は両面銅張積層板
    に、熱硬化性樹脂を基材に含浸、乾燥させたプリプレグ
    を重ね合わせて積層プレスする多層プリント配線板の製
    造方法において、前記回路加工された銅張積層板の回路
    面に、(1)エポキシ樹脂、(2)芳香族ポリアミン、
    (3)無機充填材として、その表面が飽和脂肪酸、カッ
    プリング剤等で疎水処理された炭酸カルシウム、及び
    (4)無機充填材として、疎水処理された超微粒子シリ
    カを必須成分とするアンダーコート剤を塗布乾燥した
    後、エポキシ樹脂を基材に含浸、乾燥処理したプリプレ
    グを重ね合わせて積層プレスすることを特徴とする多層
    プリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂が、平均エポキシ当量45
    0以上6000以下である末端2官能直鎖状エポキシ樹
    脂である請求項1記載の多層プリント配線板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記アンダーコート剤における硬化剤
    が、スルフィド結合またはスルホン結合、スルホキシド
    結合を有する芳香族ポリアミンである請求項1又は2記
    載の多層プリント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記炭酸カルシウムが平均粒子径0.7
    〜1.8μmであり、配合量がエポキシ樹脂100重量
    部に対して30〜160重量部である請求項1、2又は
    3記載の多層プリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記超微粒子シリカが平均粒子径10〜
    19nmであり、その配合量がエポキシ樹脂100重量
    部に対して5〜30重量部である請求項1、2、3又は
    4記載の多層プリント配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記回路加工された両面銅張積層板が酸
    化処理されていないものである請求項1、2、3、4又
    は5記載の多層プリント配線板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001291962A (ja) * 2000-04-04 2001-10-19 Ibiden Co Ltd 多層プリント配線板および多層プリント配線板の製造方法
JP2003096163A (ja) * 2001-09-25 2003-04-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び該エポキシ樹脂組成物を使用したプリプレグ
JP2011162622A (ja) * 2010-02-08 2011-08-25 Sumitomo Bakelite Co Ltd プリント配線板用樹脂組成物、プリプレグ、積層板、樹脂シート、プリント配線板、および半導体装置

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