JP4061807B2 - 型締装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、型締装置に係り、特に大型型締装置に用いられる油圧駆動方式と小型型締装置に用いられる電動駆動方式とを組合わせた、いわゆるハイブリッド型締装置における型締装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機やダイカスト成形機等の型締装置は直圧式型締装置、トグル式型締装置等の油圧駆動方式が主流であったが、近年、省エネ化やクリーン化の要求に応えて、サーボモータの回転運動をボールねじナットにより直線運動に変換して型開閉駆動を行なう電動駆動方式の型締装置が小型成形機を中心に普及してきた。
【0003】
ところが、電動駆動方式を用いた小型の型締装置では所望の省エネ化やクリーン化の要求に応えられるものの、そのままサイジングアップして大型の型締装置に適用しようとしても、サーボモータおよびボールねじの大型化に限界があるので、型締装置の大型化が制限されるという問題がある。そこで、型開閉駆動手段に電動駆動方式を用いると共に型締力発生手段に油圧方式を併用したハイブリッド型締装置が考案されるようになった。
【0004】
例えば特開平6−246806号公報には、金型の開閉を交流サーボモータにより可動プラテンを雄ねじの螺進運動により行なわせ、型閉後に行なう型締を液圧で行なわせるようにしたハイブリッド型締装置の例が開示されている。この液圧による型締装置は、可動プラテンの背面部に液が封入された密封袋を閉鎖室に配設した液圧作動盤を配置し、可動プラテンとともに液圧作動盤の移動をロックした後、前記雄ネジ部材を電動モータで更に移動させることにより密封袋を加圧し、ピストンにより可動プラテンを介して成形金型に型締力を作用させるようにしたものである。型開は前記雄ネジ部材を逆転操作し、可動プラテンを引き込み移動するようにして行なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のハイブリッド型締装置では、密封袋を閉鎖室内で雄ネジにより加圧する構成を採用しつつ、加圧作用をボールねじ機構により交流サーボモータで雄ネジ部材を螺進させて加圧保持するとともに、離型・型開も同様に雄ネジ部材の螺進させて行なう構成を採用している。このため、型開閉・型締力・離型操作を行なう作業時間は駆動源である電動モータを常に負荷状態にする必要があり、十分な省エネ性を発揮できない上に、電動駆動と油圧方式の併用に伴なって型締装置の構造が複雑になり故障頻度が増大するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、十分な省エネ性を実現しつつ小型で大きな型締力を発揮させ、型締加圧機構への油圧源を共有しつつ型締加圧機構とは切り離して離型動作を行なわせることができる型締装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、特に離型力を型開閉のための電動ボールねじ機構によって行なわせ、電動ボールねじ機構の消費エネルギを低減しつつ、電動と油圧を好適に組み合わせて型締・離型工程における省エネ化を実現して、全消費エネルギにおいても大幅な省エネ化を達成することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る型締装置は、タイロッドにより連繋され金型が取付けられる固定プラテンと可動プラテンを電動ボールねじ機構により型開閉操作可能とし、前記いずれかのプラテンをプラテン本体と当該プラテン本体に対して少なくとも型締ストロークの範囲で接離可能に取付けられた加圧プレートとにより構成し、これらプラテン本体と加圧プレート間に型締用の加圧機構を備えた型締装置であって、前記加圧機構をシリンダ部に収容され圧油が導入可能とされた袋体の膨張収縮によりピストンを押出し可能に形成した構成とするとともに、前記袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を当該袋体に内蔵させて固定し、前記入子に油圧通路を形成してなり、前記電動ボールねじ機構のボールねじ部材を軸方向移動可能に支持し、当該ボールねじ部材には回転拘束をなすブレーキ手段を設けるとともに、軸方向力を付与して離型力を発生させる離型シリンダ機構を連結して構成し、この離型シリンダ機構は前記袋体への油圧供給源を共通にして油路を切り替えることにより作動可能としたものである。
【0009】
上記構成において、前記油圧供給源はサーボモータにより駆動されるピストンポンプとして構成することが望ましく、また、前記可動プラテンを固定プラテンに対する型閉位置でタイロッドに固定可能としたプラテンロック手段と前記可動プラテンとの間に楔作肉厚可変板手段を設けるようにすればよい。肉厚可変板手段としてはタイロッド軸方向に楔作用によって位置調整可能とするウェッジ機構により構成し、具体的にはプラテンロック手段とプラテンとの間に互いに介在された互いに斜面接合する固定ウェッジと可動ウェッジとからなり、前記可動ウェッジの差し込み深さ調整機構を介在させてウェッジ厚みを変更可能とすればよい。
【0010】
上記構成としたことにより、入子を内蔵した袋体に圧油を供給する構成となっているので、初期に作動油導入時に袋内部からの空気抜きが適確に行われ、また、型締のための供給油量を最小にすることができるとともに、一旦型締状態に入ったときには油圧源の駆動を停止することができる。また、型開閉のための電動ボールねじ機構に設けた離型シリンダにより離型操作を行なわせるが、これは型締に用いる油圧供給源を共有しているので、設備を簡易化することができる。油圧供給源としてサーボモータにより駆動される可変ピストンポンプを用いることにより、小型化と同時に省エネ化が実現できる利点も得られる。そして、プラテンロック手段と前記可動プラテンとの間に例えば楔作用をなす肉厚可変板手段を設けているので、ダイハイト調整の際に加圧機構の袋体への油圧を供給する必要がなくプラテンロックすることが可能となっており、省エネ効果が高い。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る型締装置および離型方法の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は実施形態に係る型締装置の模式的に示した縦断面図、図2は固定プラテンの背面図、図3〜4は型開閉手段の部分断面図および外観図である。
まず、図1に示すように、実施形態に係る型締装置10は、マシンベース12の一端部上に基部をキー止めされて立設された固定プラテン14を備え、この固定プラテン14に対向して配置され、前記マシンベース12上にガイドシュー16によって摺動移動可能とされた可動プラテン18を備えている。固定プラテン14と可動プラテン18には、それぞれ固定金型20と可動金型22が取り付けられ、固定プラテン14に対して可動プラテン18を接離移動させることによって型開閉をなすものとしている。そして、固定プラテン14のセンターには射出装置進入用空間24が配設されており、金型20、22によって形成されるキャビティ内に溶融樹脂を供給可能としている。また、可動プラテン18側のセンターには製品押出し装置26が設けられ、開いた金型から成形品を押出し離脱させるようにしている。
【0012】
前記固定プラテン14の4隅にはロッド孔が穿設されていて、これらのロッド孔のそれぞれにはタイロッド28の一端が固定装着されている。同様に、可動プラテン18の4隅にもロッド孔が穿設され、これに前記タイロッド28を貫通させている。このため、可動プラテン18はマシンベース12上をタイロッド28をガイドとして固定プラテン14に向けて摺動移動することができる。
【0013】
このような基本要素からなる型締装置による成形作業では、可動プラテン18の移動により金型20,22の型閉をなし、可動プラテン18が動かないようにタイロッド28にロックし、次いで射出時に型開が生じないように大きな力で金型20,22を圧接する型締をなす。そして、射出成形の後に型締力の15分の1程度の力で金型20,22を離型した後、型開を行ない、成形品を取り出す。これらの一連の作業のため、上記装置には、可動プラテン18を型開位置と型閉位置との間で移動させるための型開閉手段100、可動プラテン18を型閉位置にてタイロッド28に固定するための割ナットを利用したプラテンロック手段200、金型20・22の型閉位置にて型締力を発生させるための加圧機構300、加圧のために圧油を供給する油圧回路400とその制御手段500が装備されている。そして、本実施形態の型締装置では、型開閉手段100を電動駆動により行なわせ、型締を油圧によって行なわせるハイブリッド構造としている。
【0014】
以下の説明では、成形作業の手順にしたがって、最初に型開閉手段100の説明をなし、プラテンロック手段200、加圧機構300を順に説明し、最後に油圧回路400を説明する。
【0015】
まず、型開閉手段100は電動駆動型ボールねじ機構によって実現しており、これは次のように構成されている。前記固定プラテン14に回転自在にボールねじ部材102が取付支持されており、これがタイロッド28と平行に配置されて可動プラテン18側に伸びている。該ボールねじ部材102の先端に対向する前記可動プラテン18には、ボールねじ部材102が出入り可能な貫通孔104が穿設されている。該貫通孔104の開口部に形成された段付き部分には、前記ボールねじ部材102のねじ部106に螺合するボールナット108がボルト止めされている。これによりボールねじ部材102を固定プラテン14の定位置で回転駆動することにより、ボールナット108とともに可動プラテン18が固定プラテン14に対して接近離反移動することができる。
【0016】
このようなボールねじ機構は、図2に固定プラテン14の背面図にて表わしているように、プラテン14の対角線上の2個所(図中右上隅と左下隅)に配置され、同期をとって回転駆動させるようにしている。このため、ボールねじ部材102にプーリ110を取り付けておき、固定プラテン14に別途に取り付けられた型開閉駆動用のサーボモータ112からベルト114を引き回してプーリ110に巻き付けて回転させるようにしている。
【0017】
こうすることにより、サーボモータ112を作動してボールねじ部材102を回動させると、ボールナット108のねじ作用により可動プラテン18はガイドシュー16と一体となって固定プラテン14に対し遠近方向に進退し、可動プラテン18に取付けられた可動金型22を固定金型20に対して開閉させることができる。
【0018】
ところで、この型締装置10では、後述する加圧機構300によって型締が行われて射出成形がなされるが、この成形完了後においては金型20,22が密着状態にあるため、上記型開閉手段100に離型させるための構成を持たせている。離型作業は型締力の15分の1程度の離型力を必要とし、この離型力を発生させるため、前記ボールねじ部材102を軸方向に移動させる離型シリンダ機構116を設け、油圧力によりそのピストンロッド117を伸長作動させることにより、ボールねじ部材102を軸方向移動させて離型力を発生させるようにしている。
【0019】
離型シリンダ機構116は、図4に外観を示しているように、前記ボールねじ部材102の回転機構伝達部の側部位置に併設配置されて、固定プラテン14に固定保持されている。一方、離型シリンダ機構116のピストンロッド117は、その伸縮方向をボールねじ部材102と平行に設定し、当該ボールねじ部材102をスライダブロック126を介して連結されている。スライダブロック126は固定プラテン14の外面を摺動可能となっており、図3に示しているように、ボールねじ部材102を複列円錐コロ軸受128にて回転支持しつつ軸方向には固定状態となるように貫通させている。
【0020】
また、ボールねじ部材102の回転制動をなす電磁ブレーキ手段130が設けられている。この電磁ブレーキ手段130は、固定ユニット132とクラッチユニット134とから構成される。固定ユニット132はボールねじ部材102を遊嵌貫通させてスライダブロック126と一体的に挙動するように取り付け支持されている。また、クラッチユニット134はボールねじ部材102にキー136を介して回り止め構造となって取り付けられている。したがって、クラッチユニット134が電磁入力により固定ユニット132に接合することにより、ボールねじ部材102の回転に制動が加えられる。ボールねじ部材102を単純に軸方向に移動させると、ボールナット108の作用により回転してしまうため、電磁ブレーキ手段130によって回転を阻止し、ボールナット108を通じて可動プラテン18に離型力としての軸力を円滑に伝達するように構成されている。
【0021】
一方、ボールねじ部材102の軸端部には、図3に示しているように、スプライン溝138が形成されており、前述したサーボモータ112からの回転をボールねじ部材102に伝達するために、プーリ110のボス孔とスプライン嵌合している。このため、ボールねじ部材102が上述した離型シリンダ116の作用により、軸方向移動しても、回転駆動系への影響がないようにしている。
このようなことから、実施形態では、離型作用をボールねじ部材102を油圧力で強制的に可動プラテン18側に押出すことで実行させることができる。
【0022】
次に、型閉の後、型閉位置を保持するべく可動プラテン18をタイロッド28に固定保持するプラテンロック手段200を説明する。この装置は可動プラテン18の背面部におけるタイロッド28の貫通箇所に設けられている。図1に示す如く、前記タイロッド28の中間部外周面には複数個のリング溝202が等間隔に刻設されており、他方、可動プラテン18の背面部に割ナット204を前記タイロッド28の半径方向に沿って移動するよう規制されて可動プラテン18に取り付けている。割ナット204には前記リング溝202に係合可能な噛合歯が形成されており、一対の割ナット204がタイロッド28を挟み込むように移動されることにより、タイロッド28のリング溝202に噛み合い、これによって可動プラテン18をタイロッド28に位置決め固定するものとしている。一対の割ナット204はナットシリンダの駆動によりタイロッド28の半径方向に開閉移動可能とされ、可動プラテン18および可動金型22を開閉移動する時には一対の割ナット204を互いに分離するように開いてタイロッド28との係合を外して保持すると共に、型締力を負荷する時には一対の割ナット204を閉じ込み移動させて噛合歯をタイロッド28のリング溝202に噛合させることにより、可動プラテン18とタイロッド28とを係合位置に保持するようにしている。
【0023】
ところで、上記プラテンロック手段200において、タイロッド28におけるリング溝202と割ナット204における噛合歯とのピッチは同一となっているが、可動金型22が固定金型20に接触した状態において、リング溝202と割ナット204の噛合歯の位相が一致して適正に噛合うようになっていなければ、可動プラテン18とタイロッド28とを係合状態に保持することができない。このため、金型を交換した際には、成形に先立って金型厚さ(ダイハイト)に応じて位相が一致するように噛合い位置を調整する、いわゆるダイハイト調整が必要となる。
【0024】
この実施形態では、図1に示しているように、プラテンロック手段200と可動プラテン18との間に、固定ウェッジ208と可動ウェッジ210の楔作用による肉厚可変板手段を設けてダイハイト調整を行なわせている。このため、図6(1)に示すように、一対の割ナット204を備えている割ナットユニット205(図5以下参照)をタイロッド28の軸方向に沿って移動できるように可動プラテン18に取り付けている。そして、可動プラテン18と割ナットユニット205との隙間に、固定ウェッジ208と可動ウェッジ210からなるダイハイト調整機構206を介在させているのである。すなわち、互いに斜面接合する固定ウェッジ208と可動ウェッジ210とを、可動プラテン18と割ナットユニット205との間に介在させ、両ウェッジ208,210の合計厚さにより可動プラテン18に対して割ナットユニット205の位置が設定されるようにしている。固定ウェッジ208を割ナットユニット205側に取り付け、一方、可動ウェッジ210をタイロッド28の半径方向に沿って可動にし、固定ウェッジ208に対してアリ溝結合などにより両ウェッジ208,210を連結した状態で、当該可動ウェッジ210を可動プラテン18と固定ウェッジ208との隙間に出入操作できるように取り付けている。このようにすることで固定ウェッジ208と可動ウェッジ210の接合厚さを可変とし、割ナットユニット205をタイロッド28の軸方向に移動調整できる。したがって、単に可動ウェッジ210をタイロッド28の半径方向に移動操作することによって割ナットユニット205と可動プラテン18との間の距離を可変としているのである。これによりウェッジ210の単純な出入操作により噛合い位置調整ができ、ダイハイト変更に簡単に追従させることができる。
【0025】
図5〜9以下にはその詳細構成を示している。図5は各タイロッド28部分に配置される上記ダイハイト調整機構206を備えたプラテンロック手段200の具体的構成を示す平面断面図、図6はその縦断面図と部分斜視図、図7は図6(1)のA−A断面図であり、図8〜9はその駆動系を示している。
【0026】
まず、割ナットユニット205の構成を説明する。図6(1)、図7から理解できるように、このユニット205は可動プラテン18の背面部に取り付けられた二本の支持ロッド212に摺動可能に装着された支持ブロック214を備えている。前記支持ロッド212は、タイロッド28の上部でこれと平行に取り付けられており、したがって、支持ブロック214はタイロッド軸方向に可動である。支持ブロック214には更に前記支持ロッド212と直交する二本のナットガイドロッド216が水平に貫通され、このナットガイドロッド216に支持ブロック214を挟んで両側に一対の割ナット204を装着している。これにより一対の割ナット204は左右からタイロッド28を挟み込み可能とされる。割ナット204の下部側にもナットガイドロッド218を挿通し、一対の割ナット204が平行度を保って開閉できるように支持されている。
【0027】
前記上下のナットガイドロッド216、218の一端は図5、図7の左方割ナット204に固定され、右方割ナット204には貫通している。そして右方割ナット204から貫通するナットガイドロッド216,218にはシリンダ取付プレート220が連結固定され、これにエアシリンダ222が取り付けられている。エアシリンダ222のロッド224は上記右方割ナット204に連結されており、上記エアシリンダ222の作用により左右割ナット204を開閉させるようにしている。一対の割ナット204を同期して開閉させるため、前記支持ブロック214と割ナット204との対面部にピニオンラック機構226が配設されている。図5に示されるように、一対のラック228を左右それぞれの割ナット204に固定して歯面を対向させた状態で平行配置し、これら両ラック228に噛合うピニオンギヤ230を前記支持ブロック214側に取り付けている(図6(1)、図7参照)。エアシリンダ222のロッド224を伸縮動作させることにより、タイロッド28に対して一対の割ナット204が均等に同期して開閉移動されるのである。
【0028】
上記構成の割ナットユニット205と可動プラテン18との間には、ダイハイト調整機構206が介装されている。図5に示しているように、可動プラテン18の背面部に互いに斜面接合された固定ウェッジ208と可動ウェッジ210が配置されている。固定ウェッジ208は一端部を薄肉にして他端部に至るにしたがって順次肉厚が厚くなるような片斜面の楔形状に形成され、一方、可動ウェッジ210は逆楔形状とされ、互いに斜面接合することにより接合板厚は全体として均一としつつ、厚み変更可能にしている。両ウェッジ208、210は斜面に沿って接合面位置を斜面に沿って相対変位させることにより接合板厚が変わり、したがって、これを割ナットユニット205と可動プラテン18の背面に介在させることで、可動プラテン18に対する割ナット204によるロック位置を変更できる。両ウェッジ208,210がタイロッド28と干渉しないように、固定ウェッジ208側にはタイロッド28より若干大径の円形貫通孔231を形成し、可動ウェッジ210には長円形の貫通孔233を形成している。
【0029】
実施形態では、図6に示すように、可動ウェッジ210の上下両端面に横行ガイド溝232を形成しておき、可動プラテン18の背面部に前記横行ガイド溝212に嵌合するガイド爪234を固定して設け、可動プラテン18の背面に沿って可動ウェッジ210を左右方向に横行移動できるようにしている。可動ウェッジ210の斜面部には一定幅のアリ溝236を形成し、他方、これに斜面接合する固定ウェッジ208のアリ238が形成されており、両者はアリ238とアリ溝236により抜け止め状態で斜面に沿って摺動可能に接合されている。
【0030】
前記固定ウェッジ208は割ナットユニット205に取り付けられる。これは図5に示しているように、固定ウェッジ208の左右端面部に規制溝240が形成され、他方、左右の割ナット204の各々には前記規制溝240に嵌入する規制突起242を設けている。規制突起242は一対の割ナット204がロック解除によって相互に離反した場合でも、規制溝240内に留まるように嵌入長さが設定されている。割ナット204の開放動作によって固定ウェッジ208の規制幅が広くなるため、固定ウェッジ208が左右に振れることを防止する必要がある。この振れ防止機構は、図6(1)、(2)に示すように、前記割ナットユニット205における支持ブロック214に固定ウェッジ208の上端面に向けて突出固定された振れ止めキー244を設け、固定ウェッジ208側には前記キー244の嵌入溝246を形成した振れ止めブロック246を固定している。このため、割ナット204の開放状態においても固定ウェッジ208は定位置に保持される。
【0031】
上記ダイハイト調整機構206は前記可動ウェッジ210を横行移動させることによりウェッジ厚みを変更して、割ナットユニット205の噛合い位置を調整できるが、この操作は可動ウェッジ210に設けたボールねじ機構248により行われる。すなわち、図5に示しているように、可動ウェッジ210の最大厚み側の端面部分にボールナット250を固定しており、これにボールねじ252を螺着させている。ボールねじ252は、可動ウェッジ210の端面から突出されて可動プラテン18の外端面に固定されているブラケット254に設けた軸受256に、定位置で回転するように支持されている。そして、ボールねじ252の先端部にはプーリ258が取り付けられ、これをモータ260(図8参照)により回転駆動するようにしている。
【0032】
ダイハイト調整機構206を備えたプラテンロック手段200は、タイロッド28の各々に装備されるので、図示の例では4個所に設けられる。これらを一つの駆動源で操作できるように、実施形態では図8〜9に示すように、可動ウェッジ210の可動方向に存在する左右の可動ウェッジ210同士を連結ロッド262で結合し、左右の可動ウェッジ210が連動するようにしている。更に、上下の可動ウェッジ210も連動するように、前記プーリ258とモータ260とを巻き掛け伝達ベルト264により連繋し(図8参照)、ダイハイト調整が全ての箇所で同調して行なうようにしている。
【0033】
このように構成されたダイハイト調整機構206では、モータ260を駆動してボールねじ252を回転させることにより、可動ウェッジ210に設けられたボールナット250が螺進され、これによって複数の可動ウェッジ210が連動してウェッジ208,210の接合厚さを変更する。このため、割ナットユニット205はタイロッド28との噛合い位置をその軸方向に変更するので、ダイハイトの変更に合わせて噛合いの位相を調整できる。
【0034】
金型20,22の交換等によってダイハイトが変更になった場合、型開閉手段100により型閉させることにより可動プラテン18の停止位置が位置センサにより検出される。一方、固定されているタイロッド28に形成したリング溝202および割ナット204の噛合歯の形成位置とピッチが既知であるので、制御手段500は割ナット204とリング溝202の位相のずれ量を演算して求めることができる。ダイハイト調整機構206の可動ウェッジ210の差し込み量とウェッジ接合厚さの関係は既知であり、噛合いの位相のずれを修正するために必要な可動ウェッジ210の移動量を演算によって求めることができる。制御手段500は可動ウェッジ210の必要移動量を算出してウェッジ駆動モータ260の回転量として出力するのである。
【0035】
ウェッジ駆動モータ260の回転は巻き掛け伝達ベルト264を通じて上下一対のダイハイト調整機構206に設けられたボールねじ252のプーリ258に回転を伝え、これによりボールねじ252が回転してボールナット250が固定されている可動ウェッジ210を図5、図9中で左右に移動させる。左右に配置されているダイハイト調整機構206の各可動ウェッジ210は連結ロッド262により同期駆動され、したがって、4個所のダイハイト調整機構206の可動ウェッジ210が同一量だけ移動される。これにより可動ウェッジ210と斜面接合している固定ナット208がタイロッド28の軸方向に移動され、割ナットユニット205を支持ロッド212に沿って変位させる。したがって、割ナット204がタイロッド28の軸方向に位相のずれ量分だけ移動調整されるので、割ナット204にてタイロッド28を挟着したとき、リング溝202に対するナット側噛合歯の位相を一致させてロックすることができる。
なお、図10に示しているように、リング溝202と割ナット204側の噛合歯には、バックラッシBが存在し、多少の噛み合わせ位置のずれは許容できる。
【0036】
次に、上記プラテンロック手段200を作動させて型閉が完了した後に型締作業に入る。この型締装置10に型締力を発生させる加圧機構300の構成を以下に説明する。
【0037】
図1に示されているように、前記固定プラテン14はマシンベース12に直接固定されるプラテン本体302と、固定金型20が取り付けられる加圧プレート304とから構成され、加圧プレート304が型締ストロークの範囲でプラテン本体302から離反できるように設定されている。加圧プレート304は、その4隅に穿設されたタイロッド穴に前記タイロッド28を貫通させると共に、加圧プレート304における可動プラテン18との対面部中央に固定金型20を取り付けるようにしている。さらに、図11に詳細を示しているように、加圧プレート304の金型取付面側から穿設された段付き貫通孔306が円周方向に沿って複数設けられ、この貫通孔306に連結ボルト308を挿通してプラテン本体302に螺着結合している。段付き貫通孔306の段部と連結ボルト308の頭部との間には皿ばね310が収納されており、該皿ばね310の作用によって通常は前記加圧プレート304をプラテン本体302に接合状態に保持し、型締作用力を発生させた場合に皿ばね310が撓んで加圧プレート304を型締ストローク分だけ型締方向に移動させることができる。
【0038】
前記加圧プレート304に型締作用を行なわせるため、プラテン本体302に円環溝状のシリンダ部312が形成され、加圧プレート304の対面部に開口させている。実際には、図11〜12に示しているように、射出装置進入用空間24(図1参照)を取り囲むように環状に形成されたシリンダブロック314をプラテン本体302に結合一体化し、このシリンダブロック314にシリンダ部312を形成している。シリンダ部312には、その開口部分から出入可能にピストン316を摺動可能に装着し、このピストン316の押圧作用により加圧プレート304に型締作用を行なわせるようにしている。当該ピストン316は油圧により押出し移動可能とされ、このためシリンダ部312の底部とピストン316で囲まれる油圧室となる空間内には作動油の給排により膨張収縮する袋体(以下ブラダという)318を収容して前記ピストン316を押出し可能としている。このブラダ318は耐油性のゴム材料、例えばOリング材料として用いられるニトリルゴムなどの伸縮性材料から形成し、油圧室となる空間内に隙間なく収納され、後述する油圧回路400により加圧・制御させた作動油を当該ブラダ318の内部に給排させて膨張収縮をなすことで前記ピストン316を出入させるように構成されている。
【0039】
ところで、上述型締装置の如く、金型20,22を水平方向に型締をなすようにブラダ318を用い、このブラダ318により密閉された空間内部に作動油を給排させて加圧力を発生させる場合には、ブラダ318内に作動油を封入する際には完全に空気を抜き去らなければ型締力が適確に作用しない。また、固定された閉鎖空間の体積に合わせて作動液が封入されるブラダ318を形成することは極めて困難であるとともに、ブラダを変形させるために袋破損による作動液が漏出してしまう可能性があり、型締力を大きくすることができない。
【0040】
そこで、本実施形態では、ブラダ318に当該ブラダ318の内部形状と同等な形状を有する入子320を内蔵させ、前記ブラダ318の開口縁部を前記入子320とシリンダ部312側との間で圧着して固定し、前記入子320に形成した油圧通路322を通じてブラダ318に圧油を供給可能としたのである。
【0041】
図13〜図14はブラダ318を組み込んだ加圧機構300の詳細図であり、図13は作動油の供給前の非加圧状態を、図14は作動油を供給した加圧状態を示している。シリンダブロック314に形成されたシリンダ部312の開口側にピストン316が嵌入され、このピストン316の背面部空間内にはシリンダブロック314に締付ボルト324によって固定された入子320を収容している。入子320は前記空間の体積の殆どを占有する形状とされ、前記空間内壁面に沿う断面形状がほぼC型の薄い隙間を形成している。そして、このC型断面隙間を埋める肉厚のゴム材料によって形成されたブラダ318が前記入子320の外周面に装着され、入子320とシリンダ部312とにより固定されている。
【0042】
前記ブラダ318と入子320の外観を図15〜図16に示す。図15に示しているように、ブラダ318は射出装置進入用空間24(図1参照)の周囲を囲繞するように全体として円環状に形成されている。これはピストン316に直接圧接されるピストン当接部326と、その内周縁と外周縁から直交するように折り返されてシリンダ部312壁面と接触可能な内周面部328、外周面部330とを有している。更に当該内周面部328、外周面部330の各端縁から内向きにピストン当接部326と平行に折り返された一対の耳片部332が設けられ、対向する耳片部332の間を開口させ、この開口から入子320を装着できるようにしている。
【0043】
また、図16に示しているように、前記入子320は、ピストン当接部326、内周面部328、外周面部330、および耳片部332によって囲まれるブラダ自由形状における空間体積をもつ入子本体334を有し、ブラダ318の開口部から突出してシリンダブロック314への取付面を形成する凸条部336が設けられている。したがって、入子320は全体として凸形断面のリング形状とされている。このような入子332はブラダ318の内部に挿入され密着状態とされているが、ブラダ318のピストン当接部326内面に向けて凸条部336から穿設された油圧通路322が開口されている。この油圧通路322は図16に示すように、環状入子320の円周線に沿って適宜間隔で複数設けられている(図示の例は4個所)。この油圧通路322を通じて圧油を供給することによりブラダ318を膨張させることができる。
【0044】
入子320を内蔵したブラダ318はシリンダ部312の底部に固定されるが、図13〜図14に示しているように、シリンダ部312の底部には受入凹部340が形成され、ここに入子320の凸条部336を嵌合して前記締付ボルト324によって固定し、凸条部336の両側の段部にてブラダ318の耳片部332を挟着し、ブラダ318の内部が密閉空間となるようにしている。入子320とシリンダ部312の底部との間に挟着されるブラダ耳片部332の表裏面には、図15に一部を示すように、耳片部332と十字状に直交するように形成された突起部344が一体に設けられ、一方、これを挟着する入子320側に前記突起部344を受け入れる係合溝346が形成され(図16)、同様に、シリンダ部312の底部にも係合溝348が形成されている(図13参照)。これによって圧油が供給されるブラダ318が入子320から抜け出ることを防止している。また、締付ボルト324による締め代はブラダ耳片部332の肉厚より小さくなるようにして、締付部での油圧シール機能を持たせている。
【0045】
このように入子320を内蔵するブラダ318は、図13に示すようにシリンダ部312内に取り付けられる。ブラダ318のピストン当接部326の内面部分に圧油を供給することにより、ブラダ318がシリンダ部312内で膨張し、図14に示されるように、ピストン当接部326が前進してピストン316を押出すことができる。前述した油圧通路322を通じて圧油が供給されるが、これは図13〜14に示しているように、シリンダブロック314の受入凹部340に環状油路350を形成し、あるいは図11〜12に示すようにブラダ318のピストン当接部326に対面している入子本体334の表面に環状油路352を形成し、複数の油圧通路322の連通を図っておく。そして、図12に示すように、シリンダブロック314に形成した供給油路354を通じて圧油を導入する。供給油路354は後述する油圧回路400に接続される。また、図11に示しているように、少なくとも、シリンダブロック314の上部側には、近傍油圧通路338に連通する空気抜き通路356を設け、初期の油圧導入に際しての空気抜きをここで行なうようにし、初期圧油導入後は空気抜き通路356に施栓するようにしている。
【0046】
また、この実施形態では、図13に示すように、シリンダ部312に内挿されたピストン316には、前記ブラダ318のピストン当接部326の内外縁コーナに対面する周縁にそれぞれ切欠段部358、360を形成し、この切欠段部358、360に柔軟性材料、例えば繊維材料を編み込んで形成されたピストンリング362、364を装着し、これにてブラダ318の内外周縁からの押出し圧力を受けるようにしている。膨張収縮を繰り返すゴム製ブラダ318はそのコーナ部分での劣化が激しく、直接ピストン316で受圧してシリンダ壁面を摺動すると破損する虞がある。柔軟性のある上記繊維編み込みピストンリング362、364でブラダコーナ部分を受けることにより、ブラダ318の劣化、破損を大幅に軽減することができる。
【0047】
また、この実施形態では、図12に示すように、シリンダ部312の特にピストン316の摺動面部分に油漏洩検査油路366を設けており、ブラダ318の破損により漏出した油がこの検査油路366を通じて検出されるため、早期発見が可能となっている。
【0048】
なお、上記ブラダ318は射出装置進入用空間24の存在により円環状とされている例を示したが、小型の円盤ブラダとして射出装置進入用空間24の周囲に複数配置するように構成してもよい。もちろん射出装置進入用空間24などの障害構造物がない場合には、図17に示されるように、大型円盤ブラダ318A構造として固定プラテンの中央前面に配置することも可能である。
【0049】
次に、上述加圧機構300に圧油を供給するための油圧回路400を図18を参照して説明する。図示のように、この油圧回路400は正逆回転駆動可能なモータ402によって作動するトルク一定制御が可能な可変ピストンポンプ手段を用いて圧油をブラダ318に供給するようにしている。実施形態では可変ピストンポンプ手段として斜板ポンプ404により構成しているが、斜軸ポンプを利用することもできる。
【0050】
前記斜板ポンプ404の吐出口に接続される圧油供給油路406が前記加圧機構300の供給油路354に接続され、途中に介装した第1ソレノイドバルブ408の開閉作用により圧油の供給路を開閉できるようにしている。この第1ソレノイドバルブ408が閉止されることにより、ブラダ318に至る油圧経路が油圧ロック状態となって、ブラダ318側の圧力を封じ込める。したがって、第1ソレノイドバルブ408は圧力封じ込め用の開閉制御バルブとして機能する。前記第1ソレノイドバルブ408の出口側には第2ソレノイドバルブ412を介装したタンク410への戻り油路414が接続され、第2ソレノイドバルブ412を開閉させることによりブラダ318とタンク410との流路を遮断開放させることができるようにしている。この第2ソレノイドバルブ412は型締圧力開放用の開閉制御バルブとして機能するのである。したがって、第1ソレノイドバルブ408は常閉バルブ構造とされ、第2ソレノイドバルブ412は常開バルブ構造とされている。また、第2ソレノイドバルブ412に並列にリリーフバルブ416が設けられ、射出圧によりブラダ318の内圧が異常に昇圧した状態となったときにブラダ318の圧力をタンク410側に開放できるようにしている。
【0051】
なお、前記斜板ポンプ404はトルク一定制御のために、ポンプ出口圧が昇圧したときに斜板角を自動的に変更してトルクを調整できるように斜板角調整バルブ418を内蔵している。図18の斜板ポンプ404部分において、420は斜板角調整バルブ418と並列配置されたリリーフバルブ、422は斜板角をメカニカルに検出して斜板角調整バルブ418の作動バランスを調整するバランス調整バルブである。
【0052】
また、前記第1ソレノイドバルブ408の出口側には前述したように、タンク410への戻り油路414が接続分岐されているが、前記第1ソレノイドバルブ408の入口側で圧油供給油路406とタンク410に直接連通可能に前記戻り油路414と接続されるバイパス油路440が形成されている。当該バイパス油路440にはポンプ圧をタンク410にバイパスさせることのできるバイパス制御バルブ442を介装させている。このバイパス制御バルブ442はシーケンスバルブであり、一次側(ポンプ側)の圧力が設定圧になるまでバイパス油路440を遮断し、設定圧に達した時に全開する構成となっているが、この実施形態では設定圧を可変としており、通常は設定圧としてポンプ出口圧を導入し、加圧プレート304の過剰移動を検知したとき設定圧をタンク410側圧力(大気圧)に切り替えて、ポンプ圧をタンク410にバイパスさせるようにしている。ポンプ圧バイパスを行なわせるため、加圧プレート304の過剰移動を機械的に検知する片ぎきローラ方式の方向切換バルブ444が加圧プレート304の前進限箇所に設けられ、当該加圧プレート304が前進限以上に過剰移動した場合にポートの切換をなすようにしている。この方向切換バルブ444の二つの入口ポートにはポンプ吐出側の圧油供給油路406に連通されるポンプ圧導入油路446と、タンク410に直結可能な戻り油路414に連通されるタンク通路448とが接続され、また出口ポートの一個所には前記バイパス制御バルブ442の開放圧力設定部に通じる設定圧導入油路450が接続されている。通常はバイパス制御バルブ442の開放圧力設定部にポンプ出口圧を導くように設定され、加圧プレート304が型締完了位置より更に押出された場合に、タンク圧に切り替えるように構成されている。また、加圧プレート304の過剰移動を電気的に検出するリミットスイッチ443を設け、このリミットスイッチ443の検出によりモータ402を停止させるようにしている。
【0053】
このような構成の油圧回路400は制御手段500(図1参照)により、前記ブラダ318へ圧油を供給して型締力を発生するが、この昇圧のための制御フローを図19に示す。図示のように、型締開始条件が整ったときに、最初に第1、第2ソレノイドバルブ408(SOLD1)、412(SOLD2)をONにする(ステップ1100)。これによって圧油供給油路406はブラダ318に連通される。モータ402を正転してポンプ吐出状態となすことにより(ステップ1102)、圧油がブラダ318に充填され、加圧プレート304が押圧されて型締を開始する。圧力センサ424(PP1)が第1ソレノイドバルブ408の出口に配置され、ブラダ318の圧力を監視するようにしている(ステップ1104)。このセンサ424によりブラダ圧が設定型締圧に達したことを受けて(ステップ1106)、第1ソレノイドバルブ408をOFFとして油路を遮断し、ブラダ318側の圧力経路を遮断するとともに、モータ402を停止し斜板ポンプ404による供給を停止する(ステップ1108)。これによって型締が完了し、この後に射出成形がなされる。ブラダ318側の圧力経路を遮断した後、今度はモータ402を逆転操作することによって、第1ソレノイドバルブ408より上流(ポンプ側)の油路からの吸込動作を行なわせる(ステップ1110)。そして、第1ソレノイドバルブ408の入口側にはポンプ出口圧を検出する圧力センサ426により、ポンプ出口圧が監視され(ステップ1111)、この圧力がゼロとなったことを検知した後(ステップ1112)、モータ402を停止させるようにしている(ステップ1114)。
【0054】
また、成形作業の終了後は、ブラダ318の降圧処理を行なうが、この降圧のための制御フローを図20に示す。成形作業の終了直後は、第1ソレノイドバルブ408が閉止され、ブラダ318側の圧力経路を遮断された状態にあるが、この状態から降圧作業に入る。まず、最初に第1ソレノイドバルブ408の前後で圧力が異なるため、急激に開放してタンク410に圧油を戻すとキャビテーションによる振動や油温上昇による不具合を発生する。そこで、最初にモータ402を正転してブラダ318の圧力まで上昇させるようにしている(ステップ1200)。第1ソレノイドバルブ408の前後圧力を圧力センサ424(PP1)、426(PP2)で監視し、両圧力が等しくなったことを確認して(ステップ1202)、第1、第2ソレノイドバルブ408をONにする(ステップ1204)。これによって圧油供給油路406はブラダ318側と連通状態とされる。その後、モータ402を逆転駆動しポンプ吸込状態となすようにしている(ステップ1206)。これにより、ブラダ318に供給された作動油が斜板ポンプ404を通じてタンク410に戻され、急激な圧力変動によるキャビテーションの発生を抑制し、油温の上昇をモータ402の回生抵抗により吸収することができる。ブラダ318側の圧力がタンク410に開放しても支障のない圧力まで低下したことを、例えば設定圧1MPaよりも低下したか否かでチェックし(ステップ1208)、モータ402を停止させると同時に(ステップ1210)、第2ソレノイドバルブ412をOFF状態に切り替えるとともに(ステップ1212)、第1ソレノイドバルブ408をOFFとして(ステップ1214)、ブラダ318をタンク410に連通させ、残りの作動油をタンク410に戻すのである。
【0055】
更に、型締継続中において、油圧回路からの作動油リークが発生することにより、バリ発生の問題を生じるため、再昇圧を行なうようにしている。この制御フローを図21に示す。ブラダ318の圧力を監視している圧力センサ424による検出圧(PP1)が型締設定圧の許容値、例えば95%より低下したか否かの判定がなされ(ステップ1300)、低下していると判別された場合にモータ402を再度正転駆動して昇圧動作に入る(ステップ1302)。このときには第1ソレノイドバルブ408は閉止状態にあり、第1ソレノイドバルブ408の前後で圧力が異なるため、第1ソレノイドバルブ408の取付位置より上流側の圧力を圧力センサ426で監視し(ステップ1304)、この圧力が設定されている型締力に必要な圧力と等価となったことを確認して(ステップ1306)、第1ソレノイドバルブ408を開く(ステップ1308)。モータ正転を継続しつつ、ブラダ圧監視用圧力センサ424(PP1)によりブラダ318の昇圧状態を監視し、当該圧力センサ424によりブラダ圧が設定型締圧に達したことを受けて(ステップ1310)、第1ソレノイドバルブ408をOFFとして油路を遮断し、ブラダ318側への圧力経路を遮断するとともに、モータ402を停止し斜板ポンプ404による供給を停止する(ステップ1312)。これによって再昇圧が完了する。以後は通常の昇圧作業と同様に、ブラダ318側の圧力経路を遮断した後、モータ402を逆転操作することによって、第1ソレノイドバルブ408より上流(ポンプ側)の油路からの吸込動作を行なわせる(ステップ1314)。そして、第1ソレノイドバルブ408の入口でポンプ出口圧を監視して、この圧力がゼロとなったことを検知した後、モータ402を停止させるようにしている(ステップ1316)。
【0056】
なお、本実施形態では、上記油圧回路400にて、型締による成形処理を完了してブラダ318を降圧した後に、金型20,22を離型する作業を前記斜板ポンプ404を利用して行なわせるようにしている。離型作業は型開閉手段100によって行なわせる。このため、前述したように、前記ボールねじ部材102を軸方向に移動させる油圧による離型シリンダ機構116が設けられている。この離型シリンダ機構116は、図1に模式的に示しているように、固定プラテン14に装備されており、ピストンロッド117をボールねじ部材102に連結して、ボールねじ部材102を油圧力で強制的に可動プラテン18側に押出し可能にしている。ボールねじ部材102を単純に軸方向に移動させると、ボールナット108の作用によりボールねじ部材102自体が回転してしまうため、前述のスプライン機構により回転伝達を確保しつつ軸方向にのみ移動できるようにして固定プラテン14側に取り付け支持させ、かつ電磁ブレーキ手段130によって回転を阻止するように構成されている(図3参照)。
【0057】
このような構造の離型シリンダ機構116を作動させるために、図18に示すように、油圧回路400のポンプ出口の圧油供給油路406から分岐してポンプ圧を導入する第1分岐油路428と、タンク410側に通じる戻り油路414から分岐された第2分岐油路430を設け、これらを4ポート3位置切換バルブからなる方向制御バルブ432を介して離型シリンダ機構116のヘッド側油圧室118に通じる前進用油圧通路434とロッド側油圧室120に通じる後退用油圧通路436に接続している。したがって、前記方向制御バルブ432の切換操作により、離型シリンダ機構116へ斜板ポンプ404の吐出圧を利用して離型を行なわせ、引き続き可動プラテン18を固定プラテン14から離反させる型開操作に連続して移行できるようにしている。
【0058】
このボールねじ機構による型開閉手段100と斜板ポンプ404を利用した離型作業の制御フローを図22に示す。制御手段500は、射出成形が終了しブラダ318の降圧処理を完了させ(ステップ1400)、プラテンロック手段200を作動して割ナット204を開放させ、タイロッド28と可動プラテン18のロックが解かれたことを受けて(ステップ1402)、型開閉手段100のボールねじ部材102に付帯した電磁ブレーキ手段130をONさせる(ステップ1404)。これによりボールねじ部材102の回転が拘束され、軸方向移動のみが可能となる。そこで、離型シリンダ機構116への油圧通路に介在している方向制御バルブ432(SOLR1)を作動させ(bソレノイドON)、斜板ポンプ404から吐出作動油を第1分岐油路428を経て、前進用油圧通路434に導き、ヘッド側油圧室118に導入可能に回路を開かせるのである(ステップ1406)。その後、モータ402を正転駆動してポンプ404から作動油を吐出供給する(ステップ1408)。これによって離型シリンダ機構116がボールねじ部材102を押出し、ボールナット108を係合部材として可動プラテン18を離型方向に押圧して離型作業を実施できる。一対の離型シリンダ機構116のピストンロッド117の前進限位置と後退限位置とにはそれぞれ位置検出センサ122,124が設けられており(図18参照)、離型動作によって押出されたピストンロッド117の前進限位置センサ122(LSD1F、LSD2F)がONされたことに基づき(ステップ1410)、制御手段500は斜板ポンプ404を定圧に保持し(ステップ1412)、ボールねじ部材102を通じてピストンロッド117が戻されることを防止させる。この圧力保持は作動油のリーク分を補填する程度でよく、ポンプモータ402は少し回転する程度である。その後に継続して型開動作に入る。このため、電磁ブレーキ手段130を解除して回転拘束を解き(ステップ1414)、型開閉用のサーボモータ112(MOTD)を型開方向(逆転方向)に回転させる(ステップ1416)。可動プラテン18の可動領域に設けた位置センサにより可動プラテン18が型開位置に到達したか否かが検出され(ステップ1418)、最終的に型開閉用のサーボモータ112(MOTD)とポンプモータ402(MOTP)の停止を行ない、離型シリンダ機構116への油圧通路に介在している方向制御バルブ432(SOLR1)をOFFにして作業を完了する(ステップ1420)。
【0059】
上述した離型制御動作により、離型シリンダ機構116のピストンロッド117は前進限位置にあるが、これは次の型閉のために後退させておく必要がある。この原点復帰のための制御フローを図23に示す。これは型開閉用のサーボモータ112(図1、図2参照)を利用して前進限位置にある離型シリンダ機構の116のピストンロッド117を後退移動させるようにしており、当該型開閉用のサーボモータ112(MOTD)を可動プラテン18を移動させない程度の低速・低トルクで軽く型開方向に回す(ステップ1500)。離型シリンダ機構116のヘッド側油圧室118はタンク410に接続状態にあるため、軽い力でピストンロッド117を後退させることができる。このような移動によりピストンロッド117が後退限位置に達したことを後退限位置検出センサ124(LSD1B、LSD2B)が検知すると(ステップ1502)、前記当該型開閉用のサーボモータ112(MOTD)を停止させ(ステップ1504)、方向制御バルブ432(SOLR1)を作動して(aソレノイドON)、ポンプ圧がロッド側油圧室120に導かれるように切り替える(ステップ1506)。そして、斜板ポンプ404を正転駆動して圧油をロッド側油圧室120に送給し(ステップ1508)、昇圧させる。後退用油圧通路436にはロッド側油圧室120を検出し、設定圧に到達した場合にON動作する圧力スイッチ452(PS1)が設けられている。ロッド側油圧室120が設定圧まで昇圧した後(ステップ1510)、方向制御バルブ432(SOLR1)をOFF状態にし(ステップ1512)、斜板ポンプ404を停止する(ステップ1514)。後退用油圧通路436には、前記方向制御バルブ432より下流側に位置してパイロットチェックバルブ454が設けられており、ロッド側油圧室120に圧力が封じ込められ、型開閉に際してボールねじ部材102の軸方向移動を強固に拘束し、可動プラテン18の型締め移動を円滑に行なわせることができる。
【0060】
このように構成された型締装置10の作用は次のようになる。
まず、型開状態から型開閉手段100を作動させる。駆動用のサーボモータ112を駆動させてボールねじ部材102を回転させることにより、可動プラテン18側に取り付けてあるボールナット108が螺進し、可動プラテン18を固定プラテン14側に移動させる。可動金型22が固定金型20に接触した時点でサーボモータ112の作動を停止させることにより型閉状態となる。次いで、プラテンロック手段200を作動させる。これは型開閉の際に開放されている一対の割ナット204をナットシリンダ222の駆動によりタイロッド28の半径方向に閉じ移動させ、割ナット204の内周に形成された噛合歯をタイロッド28の外周面に形成したリング溝202に噛合させることにより、可動プラテン18とタイロッド28とを係合状態に保持する。
【0061】
このような型閉状態が完了した後に油圧回路400と制御手段500を用いて、加圧機構300を作動させるのである。最初に斜板ポンプ404と第1、第2ソレノイドバルブ408、412をONして連通状態とし、ブラダ318に作動油を供給可能に油圧経路を連通させる。モータ402を正転してポンプ吐出状態にし、作動油をブラダ318に供給する。当初内部に装填されている入子320と密着状態にあるブラダ318の内部に油圧通路322を通じて作動油が充填されると、ブラダ318のピストン当接部326以外の部分は周囲の壁面により規制されているので、ブラダ318はピストン316側に膨張してピストン316を押出し、加圧プレート304が押圧されて型締を開始する。圧力センサ424によりブラダ圧が設定型締圧に達したことを受けて、ブラダ318側の圧力経路を遮断するとともに、モータ402を停止し斜板ポンプ404による供給を停止する。これによって型締が完了し、この後に射出成形がなされる。
【0062】
一方、型開動作を行なう際に際して、先ず最初に、ブラダ318の降圧処理を行なう。これはブラダ318の内部に封入された作動油の圧力を漸次低下させて型締力を低減させる。ブラダ318側の圧力経路を遮断し封じ込めた状態から、封じ込め圧に達するまでモータ402を正転して斜板ポンプ404から第1ソレノイドバルブ408までの管路圧を昇圧し、その後に第1ソレノイドバルブ408を開く。そして今度はモータ402を逆転駆動し、ブラダ318に充填されている作動油を斜板ポンプ404を通じてタンク410に戻し、これによって封入された作動油の圧力を漸次低下させて急激な圧力変動によるキャビテーションの発生を抑制し、油温の上昇をモータ402の回生抵抗により吸収させる。ブラダ318側の圧力がタンク410に開放しても支障のない圧力まで低下したならば、モータ402を停止させ、今度は第1、第2ソレノイドバルブ408、412を切り替え操作して、ブラダ318をタンク410に連通させ、残りの作動油をタンク410に戻す。すると、加圧プレート304は皿ばね310の復元力によりプラテン本体302側に引き戻され、加圧プレート304およびピストン316の位置関係は自動的に型締力作用前の位置関係に戻される。
【0063】
続いて、型締状態から開放された金型20,22は結合状態にあり、この離型操作は前述した型開閉手段100のボールねじ部材102を用いて行なわれる。割ナット204を開放して可動プラテン18とタイロッド28の結合を解いた後、ボールねじ部材102を軸方向に移動させるように取り付けられた離型シリンダ機構116に斜板ポンプ404から吐出される作動油を導入させ、ボールねじ部材102の回転を阻止した状態で油圧力で強制的に可動プラテン18側に押出す。これにより離型が行なわれる。サーボモータ112の逆転駆動により可動プラテン18が型開限度位置まで移動させ、その後に、ボールねじ部材102を原位置に復帰させるのである。
【0064】
このような実施形態に係る型締装置では、特に、電動ボールねじ機構のねじ部材102を軸方向移動可能に支持させ、前記ボールねじ部材102に軸方向力を付与して離型力を発生させる離型シリンダ機構116を設け、前記ボールねじ部材116にブレーキ手段130を付帯させて離型操作時に回転拘束して離型処理を行なわせているので、効率的に電動操作と油圧操作を併用することができ、省エネ構造の型締装置とすることができる。また、離型シリンダ機構116には型締油圧回路400の圧油を供給し、特に可変ピストンポンプを用いてトルク制御を行なって供給するようにしているので、装置の小型化を実施しつつ、型締にも離型にも併用できる利点が得られる。離型シリンダ機構116への油圧経路には油圧封じ込め手段としてのパイロットチェックバルブ454を設けて前記ボールねじ部材102を原点復帰位置にて保持でき、型開閉操作時に可動プラテン18が振動するようなこともない。
【0065】
また、ブラダ318内に封入された作動油の圧力を制御するだけで型締力制御が行なえるので、油圧制御技術を活用した高精度な型締力制御が可能となり、しかも、型締装置10の固定プラテン14側にシリンダ部312を形成してブラダ318を収納するだけのシンプルな加圧機構であるので、故障がなく耐久性に優れている。
【0066】
加えて、固定プラテン14をプラテン本体302と加圧プレート304によって構成しつつ、これらの間に密閉袋体であるブラダ318への油圧導入により膨張収縮する作用でピストン316を押出して型締をなすものとし、かつブラダ318内部に当該ブラダ318の内部形状と同等な形状を有する入子320を内蔵させた構成を採用している。入子320とブラダ318とは非加圧状態では密着状態とされて入子320に形成した油圧通路322の開口部がブラダ318により閉塞状態にある。この結果、作動油の使用油量が極めて少なくできる利点がある。ブラダ318の容積を埋めるだけの作動油は必要でなく、型締のための膨張容積分だけ作動油を供給することで足りる。
【0067】
また、この加圧機構300では、特に、型締のために作動油を供給する際にブラダ318の内部に空気が残留することが有効に防止される。すなわち、型締に先立って、油圧回路400から作動油を供給すると、加圧機構300の下位に位置する供給油路354から導入され、環状油路352を経由しつつこれに連通された複数の油圧通路322まで充填され、型締機構300の上位に形成されている空気抜き通路356から油圧経路中の空気抜きが完全に行われる。入子320に形成されている油圧通路322のブラダ318側開口部は当該ブラダ318により閉塞されているので、油圧通路322の開口部より上位にブラダ318の膨張空間が形成可能であっても、初期作動油の供給によってこのような箇所に空気溜りができないのである。斯かる状態で空気抜き通路356を閉塞することにより、型締油圧経路中に気泡がなくなり、型締作用を行なっても精度が高く応答性に優れた型締作用を行なわせることができるのである。したがって、密閉袋体としてのブラダ318を用いることにより金型20,22の周囲へ作動油が漏れ出ることがなくなる利点を生かしつつ、空気残留に伴う型締作用力が適正に作用しなくなることを完全に防止できるのである。なお、実施形態では入子320に形成した油圧通路322に直接連通するシリンダブロック314側に同心的に形成した供給油路338部分は入子320側の油圧通路322の直径より大きく形成して空気抜きが円滑に行なわれるようにすればよい。
【0068】
また、この実施形態では、ブラダ318の耳片部332に突起部344を一体的に設け、これを入子320とシリンダブロック314とに形成した係合溝346、348に係合嵌着させて締め付け固定するようにしている。このため、高い油圧が作用してブラダ318が膨張しても、ブラダ318が入子320から離脱するようなことが阻止され、油漏れの発生がない。ブラダ耳片部322は締付ボルト342によりブラダ耳片部332の肉厚より小さくなるように締め付けられて圧着されているので、締付部での油圧シール機能が当該ブラダ318自体によって行われ、別途に油圧シールを取り付ける必要がない。
【0069】
ブラダ318に押圧されるピストン316には、ブラダ318のコーナ部分との対面部に切欠段部358、360を形成し、この切欠段部358、360に柔軟性材料例えば繊維材料からなるピストンリング362、364を装着している。柔軟性のある上記繊維編み込みピストンリング362、364でブラダコーナ部分を受けることにより、ブラダ318の劣化、破損が大幅に軽減され、耐久性が向上している。
【0070】
更に、シリンダ部312におけるピストン摺動面に油漏洩検査油路366を設けて油漏れ検知をなすようにしているため、ブラダ318の破損検出が可能となり、加圧機構300からの油漏洩以前に対策を講じることができる。これによって安全の高い型締装置10とすることができる。
【0071】
また、この実施形態では、膨張収縮可能なブラダ318への作動油供給に正逆転駆動可能なモータ402と、これにより駆動されトルク一定制御可能な斜板ポンプ404によって行なう構成を採用しているため、モータ出力を小さくして大きな型締力を発生させることができる。また、型締力を発生させた後はモータ402を逆転させた後停止するので、不要な作動油をタンクに戻し、加圧により昇温した作動油の温度をモータ402の回生抵抗により吸収できる。
【0072】
射出成形が終了した後の降圧開始信号に基づいて、制御手段500は、予め前記第1ソレノイドバルブ408を閉止状態で斜板ポンプ404を正転して圧油を送給し、封じ込め位置前後の圧力が等価になるように調整した後、前記第1ソレノイドバルブ408を開放して前記斜板ポンプ404を逆転し、当該ポンプ404を通じてタンク410側に還流させる。したがって、降圧処理に際して、作動油の圧力を漸次低下させて急激な圧力変動によるキャビテーションの発生を抑制し、油温の上昇をモータ402の回生抵抗により吸収させて抑制することができるものとなっている。
【0073】
加圧機構300にブラダ318を用いているため、これが破損することを安全に回避する必要があり、射出圧によりブラダ318が逆圧縮を受けた場合に内圧が異常上昇する。この場合には戻り油路414に設けた常開の第2ソレノイドバルブ412と並列に設けたリリーフバルブ416が作用してタンク410への開放流路を形成して圧力を逃がすことができる。また、ポンプ404側で異常昇圧したり加圧プレート304が過剰移動てもブラダ318の破損を招く。この場合には、ポンプ出側に設けたバイパス油路440に介装したバイパス制御バルブ442が緊急的に開放されるように構成されているので、ブラダ318の破損による油飛散を防止できるのである。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、加圧機構をシリンダ部に収容され圧油が導入可能とされた袋体の膨張収縮によりピストンを押出し可能に形成した構成とするとともに、前記袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を当該袋体に内蔵させて固定し、前記入子に油圧通路を形成し、電動ボールねじ機構のボールねじ部材を軸方向移動可能に支持しつつ回転拘束をなすブレーキ手段を設けつつ、これに軸方向力を付与して離型力を発生させる離型シリンダ機構を連結して構成し、この離型シリンダ機構は前記袋体への油圧供給源を共通にして油路を切り替えることにより作動可能としたので、入子を内蔵した袋体に圧油を供給する構成となっているので、型締のための供給油量を最小にすることができるとともに、一旦型締状態に入ったときには油圧源をの駆動を停止することができ、十分な省エネ性を実現しつつ小型で大きな型締力を発揮させ、離型動作の際には型締加圧機構への油圧を作動させる必要のない型締装置とすることができる。また、型開閉のための電動ボールねじ機構に設けた離型シリンダにより離型操作を行なわせるが、これは型締に用いる油圧供給源を共有しているので、設備を簡易化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る型締装置の概要構造を示す縦断面図である。
【図2】型締装置の固定プラテン側背面図である。
【図3】型開閉装置の部分断面図である。
【図4】型開閉装置の部分外観図である。
【図5】同型締装置に設けたダイハイト調整機構を備えたプラテンロック手段の平面断面図である。
【図6】同プラテンロック手段の縦断面図とその部分斜視図である。
【図7】図3(1)のA−A断面図である。
【図8】型締装置のプラテンロック手段部分の平面断面図である。
【図9】可動ウェッジの駆動系を示す可動プラテンの背面図である。
【図10】プラテンロック手段とタイロッドとの噛合い状態の説明図である。
【図11】型締装置の上位部分における加圧機構部分の断面図である。
【図12】型締装置の下位部分における加圧機構部分の断面図である。
【図13】本発明の実施形態に係る加圧機構の非加圧状態の拡大断面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る加圧機構に作動油を供給した加圧状態の拡大断面図である。
【図15】ブラダ(袋体)の部分断面斜視図である。
【図16】入子の部分断面斜視図である。
【図17】ブラダ(袋体)の他の実施形態の部分断面斜視図である。
【図18】本発明の実施形態に係る型締装置の油圧回路である。
【図19】加圧機構に型締力を発生させる昇圧制御のフローチャートである。
【図20】加圧機構の降圧制御のフローチャートである。
【図21】加圧機構の再昇圧制御のフローチャートである。
【図22】離型制御のフローチャートである。
【図23】離型シリンダの原点復帰制御のフローチャートである。
【符号の説明】
10………型締装置、12………マシンベース、14………固定プラテン、
16………ガイドシュー、18………可動プラテン、20………固定金型、
22………可動金型、24………射出装置進入用空間、26………押出し装置、
28………タイロッド、100………型開閉装置、
102………ボールねじ部材、104………貫通孔、106………ねじ部、
108………ボールナット、110………プーリ、
112………サーボモータ、114………ベルト、
116………離型シリンダ機構、117………ピストンロッド、
118………ヘッド側油圧室、120………ロッド側油圧室、
122………前進限位置検出センサ、124………後退限位置検出センサ、
126………スライダブロック、128………複列円錐コロ軸受、
130………電磁ブレーキ手段、132………固定ユニット、
134………クラッチユニット、136………キー、
138………スプライン溝、200………プラテンロック手段、
202………リング溝、204………割ナット、
205………割ナットユニット、206………ダイハイト調整機構、
208………固定ウェッジ、210………可動ウェッジ、
212………支持ロッド、214………支持ブロック、
216………上部ナットガイドロッド、218………下部ナットガイドロッド、
220………シリンダ取付プレート、222………エアシリンダ、
224………ロッド、226………ピニオンラック機構、228………ラック、
230………ピニオンギヤ、231………円形貫通孔、
232………横行ガイド溝、233………長円貫通孔、234………ガイド爪、
236………アリ溝、238………アリ、240………規制溝、
242………規制突起、244………振れ止めキー、
246………振れ止めブロック、248………ボールねじ機構、
250………ボールナット、252………ボールねじ、
254………ブラケット、256………軸受、258………プーリ、
260………モータ、262………連結ロッド、
264………巻き掛け伝達ベルト、300………加圧機構、
302………プラテン本体、304………加圧プレート、
306………段付き貫通孔、308………連結ボルト、310………皿ばね、
312………シリンダ部、314………シリンダブロック、
316………ピストン、318………袋体(ブラダ)、320………入子、
322………油圧通路、324………締付ボルト、
326………ピストン当接部、328………内周面部、330………外周面部、
332………耳片部、334………入子本体、336………凸条部、
338………油圧通路、340………受入凹部、344………突起部、
346………入子側係合溝、348………シリンダ側係合溝、
350………環状油路、352………環状油路、354………供給油路、
356………空気抜き通路、358………切欠段部、360………切欠段部、
362………ピストンリング、364………ピストンリング、
366………油漏洩検査油路、400………油圧回路、402………モータ、
404………斜板ポンプ、406………圧油供給油路、
408………第1ソレノイドバルブ、410………タンク、
412………第2ソレノイドバルブ、414………戻り油路、
416………リリーフバルブ、418………斜板角調整バルブ、
420………リリーフバルブ、422………バランス調整バルブ、
424………ブラダ圧監視用圧力センサ、
426………ポンプ出口圧監視用圧力センサ、428………第1分岐油路、
430………第2分岐油路、432………方向制御バルブ、
434………前進用油圧通路、436………後退用油圧通路、
438………シーケンス制御バルブ、440………バイパス油路、
442………バイパス制御バルブ、443………リミットスイッチ、
444………方向制御バルブ、446………ポンプ圧導入油路、
448………タンク通路、450………設定圧導入油路、
452………圧力スイッチ(PS1)、
454………パイロットチェックバルブ、500………制御手段

Claims (3)

  1. タイロッドにより連繋され金型が取付けられる固定プラテンと可動プラテンを電動ボールねじ機構により型開閉操作可能とし、前記いずれかのプラテンをプラテン本体と当該プラテン本体に対して少なくとも型締ストロークの範囲で接離可能に取付けられた加圧プレートとにより構成し、これらプラテン本体と加圧プレート間に型締用の加圧機構を備えた型締装置であって、
    前記加圧機構をシリンダ部に収容され圧油が導入可能とされた袋体の膨張収縮によりピストンを押出し可能に形成した構成とするとともに、前記袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を当該袋体に内蔵させて固定し、前記入子に油圧通路を形成してなり、
    前記電動ボールねじ機構のボールねじ部材を軸方向移動可能に支持し、当該ボールねじ部材には回転拘束をなすブレーキ手段を設けるとともに、軸方向力を付与して離型力を発生させる離型シリンダ機構を連結して構成し、この離型シリンダ機構は前記袋体への油圧供給源を共通にして油路を切り替えることにより作動可能とされていることを特徴とする型締装置。
  2. 前記油圧供給源はサーボモータにより駆動されるピストンポンプであることを特徴とする請求項1に記載の型締装置。
  3. 前記可動プラテンを固定プラテンに対する型閉位置でタイロッドに固定可能としたプラテンロック手段を有し、このプラテンロック手段と可動プラテンとの間に肉厚可変板手段を介在させてなることを特徴とする請求項1または2に記載の型締装置。
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