JP4058877B2 - 加圧機構および型締装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加圧機構および型締装置に係り、特に油漏れを防止する必要のある油圧を利用した加圧機構と、この加圧機構を用いて射出成形機やダイカスト成形機等における型締作用を行なわせるのに好適な型締装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機やダイカスト成形機等の型締装置は直圧式型締装置、トグル式型締装置等の油圧駆動方式が主流であったが、近年、省エネ化やクリーン化の要求に応えて、サーボモータの回転運動をボールねじナットにより直線運動に変換して型開閉駆動を行なう電動駆動方式の型締装置が小型成形機を中心に普及してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、電動駆動方式を用いた小型の型締装置では所望の省エネ化やクリーン化の要求に応えられるものの、そのままサイジングアップして大型の型締装置に適用しようとしても、サーボモータおよびボールねじの大型化に限界があるので、型締装置の大型化が制限されるという問題がある。そこで、型開閉駆動手段に電動駆動方式を用いると共に型締力発生手段に油圧方式を併用したハイブリッド型締装置が考案されるようになった。
【0004】
例えば特開平6−246806号公報には、金型の開閉を交流サーボモータにより可動プラテンを雄ねじの螺進運動により行なわせ、型閉後に行なう型締を液圧で行なわせるようにしたハイブリッド型締装置の例が開示されている。この液圧による型締装置は、可動プラテンの背面部に液が封入された密封袋を閉鎖室に配設した液圧作動盤を配置し、可動プラテンとともに液圧作動盤の移動をロックした後、前記雄ねじ部材を電動モータで更に移動させることにより密封袋を加圧し、ピストンにより可動プラテンを介して成形金型に型締力を作用させるようにしたものである。
【0005】
上記のような従来のハイブリッド型締装置では、密封袋を閉鎖室内で雄ねじにより加圧する構成を採用しているため、密封袋内に作動液を封入する際には完全に空気を抜き去らなければ型締力が適確に作用しない。しかし、固定された閉鎖室の体積に合わせて作動液が封入された密封袋を形成することは極めて困難であるとともに、密封袋を凹陥変形させるために袋破損による作動液が漏出してしまう可能性があり、型締力を大きくすることができない。
【0006】
また、型締力を作用させている間は駆動源である電動モータを常に負荷状態にする必要があるため十分な省エネ性を発揮できない上に、電動駆動と油圧方式の併用に伴なって型締装置の構造が複雑になり故障頻度が増大するという問題があった。
【0007】
また、型締装置に限らず、上記のような密封袋に液圧を導入することによって、一般的な油圧シリンダ機構などの加圧機構においても、適正な加圧力を発生させるために空気を完全に抜き去って作動液を封入することができれば、作動油の漏洩を防止した加圧機構として有効である。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、作動油を封入してその膨張収縮により加圧する機構であって、特に空気抜きを完全に行なわせることができる構造とした加圧機構と、これを利用した型締装置を提供することに加えて、十分な省エネ性を実現しつつ小型で大きな型締力を発揮させることができる前記加圧機構を利用した型締装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る加圧機構は、シリンダ部とこれに内蔵されて出入り可能とされたピストンを具備し、前記シリンダ部に作動油給排により膨張収縮する袋体を収容して前記ピストンを押出し可能とし、この袋体には当該袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を内蔵させ、前記袋体の開口縁部を前記入子とシリンダ部側との間で圧着して固定し、前記入子に形成した油圧通路を通じて袋体に圧油を供給可能としたものである。この場合において、前記袋体に突起部を設けるとともに前記入子には前記突起部との係合溝を形成して固定することにより抜け止めを図れば良く、また、前記袋体を押圧するピストンの袋体との対面部周縁に切欠段部を形成し、この切欠段部に柔軟性保護部材を装着して前記袋体の押付周縁部に対面させるようにすればよい。さらに、前記シリンダ部におけるピストン摺動面に油漏れ検知手段を設けて前記袋体の破損検出を可能とすることが望ましい。
【0010】
また、本発明に係る型締装置は、タイロッドにより連繋され金型が取付けられる固定プラテンまたは可動プラテンをプラテン本体と当該プラテン本体に対して少なくとも型締ストロークの範囲で接離可能に取付けられた加圧プレートとにより構成し、これらプラテン本体と加圧プレート間に型締用の加圧機構を備えた型締装置であって、前記加圧機構をシリンダ部に収容されて圧油が導入可能とされた袋体の膨張収縮によりピストンを押出し可能に形成した構成とするとともに、前記袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を当該袋体に内蔵させて固定し、前記入子に油圧通路を形成した構成とした。この型締装置として構成した場合においても、前記袋体に突起部を設けるとともに前記入子には前記突起部との係合溝を形成して固定することにより抜け止めを図れば良く、また、前記袋体に押圧するピストンの袋体との対面部周縁に切欠段部を形成し、この切欠段部に繊維材料などの柔軟性材料からなるピストンリングを装着して前記袋体の押付周縁部に対面させるようにすればよい。さらに、前記シリンダ部におけるピストン摺動面に油漏れ検知手段を設けて前記袋体の破損検出を可能とすることが望ましい。
【0011】
より具体的には、タイロッドにより連繋され金型が取付けられる固定プラテンまたは可動プラテンをプラテン本体と当該プラテン本体に対して少なくとも型締ストロークの範囲で接離可能に取付けられた加圧プレートとにより構成し、これらプラテン本体と加圧プレート間に型締用の加圧機構を備えた型締装置であって、前記加圧機構を前記プラテン本体に形成されたシリンダ部に摺動可能に装着されたピストンと、このピストンの背面部に圧油が給排可能とされ膨張収縮により前記ピストンを押出し可能にした袋体とから構成し、前記袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を当該袋体に内蔵させ、前記袋体の開口縁部分を前記入子とプラテン本体とにより圧着固定し、この圧着固定部にて前記袋体に突起部を設けるとともに前記入子とプラテン本体には前記突起部との係合溝を形成して固定することにより抜け止めし、前記入子には前記袋体内部へ圧油を供給する油圧通路を形成した構成とすればよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る加圧機構および型締装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は実施形態に係る型締装置の模式的に示した縦断面図、図2〜5は前記型締装置に備えられた加圧機構の断面図であり、図4は油圧供給前、図5は油圧供給後の加圧機構の詳細断面図を示している。
【0013】
まず、図1に示すように、実施形態に係る型締装置10は、マシンベース12の一端部上に基部をキー止めされて立設された固定プラテン14を備え、この固定プラテン14に対向して配置され、前記マシンベース12上にガイドシュー16によって摺動移動可能とされた可動プラテン18を備えている。固定プラテン14と可動プラテン18には、それぞれ固定金型20と可動金型22が取り付けられ、固定プラテン14に対して可動プラテン18を接離移動させることによって型開閉をなすものとしている。そして、固定プラテン14のセンターには射出装置進入用空間24が装着できるようになっており、金型20、22によって形成されるキャビティ内に溶融樹脂を供給可能としている。また、可動プラテン18側のセンターには製品押出し装置26が設けられ、開かれた金型から成形品を押出し離脱させるようにしている。
【0014】
前記固定プラテン14の4隅にはロッド孔が穿設されていて、これらのロッド孔のそれぞれにはタイロッド28の一端が固定装着されている。同様に、可動プラテン18の4隅にもロッド孔が穿設され、これに前記タイロッド28を貫通させている。このため、可動プラテン18はマシンベース12上をタイロッド28をガイドとして固定プラテン14に向けて摺動移動することができる。
【0015】
このような基本要素からなる型締装置による成形作業では、可動プラテン18の移動により金型20,22の型合わせをなし、可動プラテン18が動かないようにタイロッド28にロックし、次いで射出時に型開が生じないように大きな力で金型20,22を圧接する型締をなす。そして、射出成形の後に型締力の15分の1程度の力で金型20,22を離型した後、型開を行ない、成形品を取り出す。これらの一連の作業のため、上記装置には、可動プラテン18を型開位置と型閉位置との間で移動させるための型開閉装置100、可動プラテン18を型閉位置にてタイロッド28に固定するための割ナットを利用したロック装置200、金型20,22の型閉位置にて型締力を発生させるための加圧機構300、加圧のために圧油を供給する油圧回路400およびその制御手段500が装備されている。そして、本実施形態の型締装置では、型開閉装置100を電動駆動により行なわせ、型締を油圧によって行なわせるハイブリッド構造としている。
【0016】
以下の説明では、成形作業の手順にしたがって、最初に型開閉装置100の説明をなし、プラテンロック装置200、加圧機構300を順に説明し、最後に油圧回路400を説明する。
【0017】
まず、型開閉装置100は電動駆動型ボールねじ機構によって実現しており、これは次のように構成されている。前記固定プラテン14に回転自在にボールねじ部材102が取付支持されており、これがタイロッド28と平行に配置されて可動プラテン18側に伸びている。該ボールねじ部材102の先端に対向する前記可動プラテン18には、ボールねじ部材102が出入り可能な貫通孔104が穿設されている。該貫通孔104の開口部に形成された段付き部分には、前記ボールねじ部材102のねじ部106に螺合するボールナット108がボルト止めされている。これによりボールねじ部材102を固定プラテン14の定位置で回転駆動することにより、ボールナット108とともに可動プラテン18が固定プラテン14に対して接近離反移動することができる。
【0018】
このようなボールねじ機構はプラテン14,18の対角線上の2個所に配置され、同期をとって回転駆動させるようにしている。このため、ボールねじ部材102にプーリ110を取り付けておき、固定プラテン14に別途に取り付けられた型開閉駆動用のサーボモータ112からベルト114を引き回してプーリ110に巻き付けて回転させるようにしている。
【0019】
こうすることにより、サーボモータ112を作動してボールねじ部材102を回動させると、ボールナット108のねじ作用により可動プラテン18はガイドシュー16と一体となって固定プラテン14に対し遠近方向に進退し、可動プラテン18に取付けられた可動金型22を固定金型20に対して開閉させることができる。
【0020】
次に、型閉の後、型閉位置を保持するべく可動プラテン18をタイロッド28に固定保持するプラテンロック装置200を説明する。この装置は可動プラテン18の背面部におけるタイロッド28の貫通箇所に設けられている。前記タイロッド28の中間部外周面には複数個のリング溝202が等間隔に刻設されており、他方、可動プラテン18の背面部に割ナット204を前記タイロッド28の半径方向に沿って移動するよう規制されて可動プラテン18に取り付けている。割ナット204には前記リング溝202に係合可能な噛合歯が形成されており、一対の割ナット204をタイロッド28を挟み込むように移動させることにより、タイロッド28のリング溝202に噛み合わせ、これによって可動プラテン18をタイロッド28に位置決め固定するものとしている。一対の割ナット204は図示しないナットシリンダの駆動によりタイロッド28の半径方向に開閉移動可能とされ、可動プラテン18および可動金型22を開閉移動する時には一対の割ナット204を互いに分離するように開いてタイロッド28との係合を外して保持すると共に、型締力を負荷する時には一対の割ナット204を閉じ込み移動させて噛合歯をタイロッド28のリング溝202に噛合させることにより、可動プラテン18とタイロッド28とを係合位置に保持するようにしている。
【0021】
ところで、上記プラテンロック装置200において、タイロッド28におけるリング溝202と割ナット204における噛合歯とのピッチは同一となっているが、可動金型22が固定金型20に接触した状態において、リング溝202の位置が割ナット204の噛合歯に噛合する適正な位置に一致していなければ、可動プラテン18とタイロッド28とを係合状態に保持することができない。このため、金型を交換した際には、成形に先立って金型厚さ(ダイハイト)に応じて噛合い位置に調整する、いわゆるダイハイト調整が必要となる。
【0022】
この実施形態では、一対の割ナット204のユニットをタイロッド28の軸方向に沿って移動できるように可動プラテン18に取り付けておき、可動プラテン18と割ナットユニットとの間に介在され、楔作用により厚さを変更できるようにしたダイハイト調整機構206を設けている。すなわち、互いに斜面接合する固定ウェッジ208と可動ウェッジ210を可動プラテン18と割ナットユニットとの間に介在させ、両ウェッジ208,210の合計厚さにより可動プラテン18に対して割ナットユニットの位置が変更できるようにしている。固定ウェッジ208を割ナットユニット側に取り付け、一方、可動ウェッジ210をタイロッド28の半径方向に沿って可動にし、固定ウェッジ208に対してアリ溝結合などにより両ウェッジ208,210を連結した状態で、当該可動ウェッジ210を可動プラテン18と固定ウェッジ208との隙間に出入操作できるように取り付けている。このようにすることで固定ウェッジ208と可動ウェッジ210の接合厚さを可変とし、割ナットユニットをタイロッド28の軸方向に移動調整できるようにしている。したがって、単に可動ウェッジ210をタイロッド28の半径方向に移動操作することによって割ナットユニットと可動プラテン18との間の距離を可変としているのである。これによりウェッジ210の単純な出入操作により噛合い位置調整ができ、ダイハイト変更に簡単に追従させることができる。
【0023】
次に、本発明の特徴的な部分である型締装置に型締力を発生させる加圧機構300の構成を以下に説明する。図1に示されているように、前記固定プラテン14はマシンベース12に直接固定されるプラテン本体302と、固定金型20が取り付けられる加圧プレート304とから構成され、加圧プレート304が型締ストロークの範囲でプラテン本体302から離反できるように設定されている。加圧プレート304は、その4隅に穿設されたタイロッド穴に前記タイロッド28を貫通させると共に、加圧プレート304における可動プラテン18との対面部中央に固定金型20を取り付けるようにしている。さらに、図2に詳細を示しているように、加圧プレート304の金型取付面側から穿設された段付き貫通孔306が円周方向に沿って複数設けられ、この貫通孔306に連結ボルト308を挿通してプラテン本体302に螺着結合している。段付き貫通孔306の段部と連結ボルト308の頭部との間には皿ばね310が収納されており、該皿ばね310の作用によって通常は前記加圧プレート304をプラテン本体302に接合状態に保持し、型締作用力を発生させた場合に皿ばね310が撓んで加圧プレート304を型締ストローク分だけ型締方向に移動させることができる。
【0024】
前記加圧プレート304に型締作用を行なわせるため、プラテン本体302に円環溝状のシリンダ部312が形成され、加圧プレート304の対面部に開口させている。実際には、図2〜3に示しているように、射出装置進入用空間24(図1参照)を取り囲むように環状に形成されたシリンダブロック314をプラテン本体302に結合一体化し、このシリンダブロック314にシリンダ部312を形成している。シリンダ部312には、その開口部分から出入可能にピストン316を摺動可能に装着し、このピストン316の押圧作用により加圧プレート304に型締作用を行なわせるようにしている。当該ピストン316は油圧により押出し移動可能とされ、このためシリンダ部312の底部とピストン316で囲まれる油圧室となる空間内には作動油の給排により膨張収縮する袋体(以下ブラダという)318を収容して前記ピストン316を押出し可能としている。このブラダ318は耐油性のゴム材料、例えばOリング材料として用いられるニトリルゴムなどの伸縮性材料から形成し、油圧室となる空間内に隙間なく収納され、後述する油圧回路400により加圧・制御させた作動油を当該ブラダ318の内部に給排させて膨張収縮をなすことで前記ピストン316を出入させるように構成されている。
【0025】
ところで、上述型締装置の如く、金型20,22を水平方向に型締をなすようにブラダ318を用い、このブラダ318により密閉された空間内部に作動油を給排させて加圧力を発生させる場合には、ブラダ318内に作動油を封入する際には完全に空気を抜き去らなければ型締力が適確に作用せず、固定された閉鎖空間の体積に合わせて作動液が封入されるブラダ318を形成することは極めて困難であるとともに、ブラダを変形させるために袋破損による作動液が漏出してしまう可能性があり、型締力を大きくすることができない。
【0026】
そこで、本実施形態では、ブラダ318に当該ブラダ318の内部形状と同等な形状を有する入子320を内蔵させ、前記ブラダ318の開口縁部を前記入子320とシリンダ部312側との間で圧着して固定し、前記入子320に形成した油圧通路322を通じてブラダ318に圧油を供給可能としたのである。
【0027】
図4〜図5はブラダ318を組み込んだ加圧機構300の詳細図であり、図4は作動油の供給前の非加圧状態を、図5は作動油を供給した加圧状態を示している。シリンダブロック314に形成されたシリンダ部312の開口側にピストン316が嵌入され、このピストン316の背面部空間内にはシリンダブロック314に締付ボルト324によって固定された入子320を収容している。入子320は前記空間の体積の殆どを占有する形状とされ、前記空間内壁面に沿う断面形状がほぼC型の薄い隙間を形成している。そして、このC型断面隙間を埋める肉厚のゴム材料によって形成されたブラダ318が前記入子320の外周面に装着され、入子320とシリンダ部312とにより固定されている。
【0028】
前記ブラダ318と入子320の外観を図6〜図7に示す。図6に示しているように、ブラダ318は射出装置進入用空間24(図1参照)の周囲を囲繞するように全体として円環状に形成されている。これはピストン316に直接圧接されるピストン当接部326と、その内周縁と外周縁から直交するように折り返されてシリンダ部312壁面と接触可能な内周面部328、外周面部330とを有している。更に当該内周面部328、外周面部330の各端縁から内向きにピストン当接部326と平行に折り返された一対の耳片部332が設けられ、対向する耳片部332の間を開口させ、この開口から入子320を装着できるようにしている。
【0029】
また、図7に示しているように、前記入子320は、ピストン当接部326、内周面部328、外周面部330、および耳片部332によって囲まれるブラダ自由形状における空間体積をもつ入子本体334を有し、ブラダ318の開口部から突出してシリンダブロック314への取付面を形成する凸条部336が設けられている。したがって、入子320は全体として凸形断面のリング形状とされている。このような入子332はブラダ318の内部に挿入され密着状態とされているが、ブラダ318のピストン当接部326内面に向けて凸条部336から穿設された油圧通路322が開口されている。この油圧通路322は図7に示すように、環状入子320の円周線に沿って適宜間隔で複数設けられている(図示の例は4個所)。この油圧通路322を通じて圧油を供給することによりブラダ318を膨張させることができる。
【0030】
入子320を内蔵したブラダ318はシリンダ部312の底部に固定されるが、図4〜図5に示しているように、シリンダ部312の底部には受入凹部340が形成され、ここに入子320の凸条部336を嵌合して締付ボルト324によって固定し、凸条部336の両側の段部にてブラダ318の耳片部332を挟着し、ブラダ318の内部が密閉空間となるようにしている。入子320とシリンダ部312の底部との間に挟着されるブラダ耳片部332の表裏面には、図6に一部を示すように、耳片部332と十字状に直交するように形成された突起部344が一体に設けられ、一方、これを挟着する入子320側に前記突起部344を受け入れる係合溝346が形成され(図7)、同様に、シリンダ部312の底部にも係合溝348が形成されている(図4参照)。これによって圧油が供給されるブラダ318が入子320から抜け出ることを防止している。また、締付ボルト324による締め代はブラダ耳片部332の肉厚より小さくなるようにして、締付部での油圧シール機能を持たせている。
【0031】
このように入子320を内蔵するブラダ318は、図4に示すようにシリンダ部312内に取り付けられる。ブラダ318のピストン当接部326の内面部分に圧油を供給することにより、ブラダ318がシリンダ部312内で膨張し、図5に示されるように、ピストン当接部326が前進してピストン316を押出すことができる。前述した油圧通路322を通じて圧油が供給されるが、これは図4〜5に示しているように、シリンダブロック314の受入凹部340に環状油路350を形成し、あるいは図2〜3に示すようにブラダ318のピストン当接部326に対面している入子本体334の表面に環状油路352を形成し、複数の油圧通路322の連通を図っておく。そして、図3に示すように、シリンダブロック314に形成した供給油路354を通じて圧油を導入する。供給油路354は後述する油圧回路400に接続される。また、図2に示しているように、少なくとも、シリンダブロック314の上部側には、近傍油圧通路338に連通する空気抜き通路356を設け、初期の油圧導入に際しての空気抜きをここで行なうようにし、初期圧油導入後は空気抜き通路356に施栓するようにしている。
【0032】
また、この実施形態では、図4に示すように、シリンダ部312に内挿されたピストン316には、前記ブラダ318のピストン当接部326の内外縁コーナに対面する周縁にそれぞれ切欠段部358、360を形成し、この切欠段部358、360に柔軟性材料、例えば繊維材料を編み込んで形成されたピストンリング362、364を装着し、これにてブラダ318の内外周縁からの押出し圧力を受けるようにしている。膨張収縮を繰り返すゴム製ブラダ318はそのコーナ部分での劣化が激しく、直接ピストン316で受圧してシリンダ壁面を摺動すると破損する虞がある。柔軟性のある上記繊維編み込みピストンリング362、364でブラダコーナ部分を受けることにより、ブラダ318の劣化、破損を大幅に軽減することができる。
【0033】
また、この実施形態では、図3に示すように、シリンダ部312の特にピストン316の摺動面部分に油漏洩検査油路366を設けており、ブラダ318の破損により漏出した油がこの検査油路366を通じて検出されるため、早期発見が可能となっている。
【0034】
なお、上記ブラダ318は射出装置進入用空間24の存在により円環状とされている例を示したが、小型の円盤ブラダとして射出装置進入用空間24の周囲に複数配置するように構成してもよい。もちろん射出装置進入用空間24などの障害構造物がない場合には、図8に示されるように、大型円盤ブラダ318A構造として固定プラテンの中央前面に配置することも可能である。
【0035】
次に、上述加圧機構300に圧油を供給するための油圧回路400を図9を参照して説明する。図示のように、この油圧回路400は正逆回転駆動可能なモータ402によって作動するトルク一定制御が可能な可変ピストンポンプ手段によって圧油をブラダ318に供給するようにしている。実施形態では可変ピストンポンプ手段として斜板ポンプ404により構成しているが、斜軸ポンプを利用することもできる。前記斜板ポンプ404の圧油供給油路406が加圧機構300の供給油路354に接続され、途中に介装した第1ソレノイドバルブ408の開閉作用により圧油の供給路を開閉できるようにしている。前記第1ソレノイドバルブ408の出口側にはタンク410への第2ソレノイドバルブ412を介装した戻り油路414が接続され、第2ソレノイドバルブ412を開閉させることによりブラダ318とタンク410との流路を遮断開放させることができるようにしている。第1ソレノイドバルブ408は常閉バルブ構造とされ、第2ソレノイドバルブ412は常開バルブ構造とされている。また、第2ソレノイドバルブ412に並列にリリーフバルブ416が設けられ、射出圧によりブラダ318の内圧が異常に昇圧した状態となったときにブラダ318の圧力をタンク410側に開放できるようにしている。
【0036】
前記斜板ポンプ404はトルク一定制御のために、ポンプ出口圧が昇圧したときに斜板角を自動的に変更してトルクを調整できるように斜板角調整バルブ418を内蔵している。図9の斜板ポンプ404部分において、420は斜板角調整バルブ418と並列配置されたリリーフバルブ、422は斜板角をメカニカルに検出して斜板角調整バルブ418の作動バランスを調整するバランス調整バルブである。
【0037】
このような構成の油圧回路400は制御手段500(図1参照)により、前記ブラダ318へ圧油を供給して型締力を発生するが、この昇圧のための制御フローを図10に示す。図示のように、型締開始条件が整ったときに、最初に第1、第2ソレノイドバルブ408(SOLD1)、412(SOLD2)をONにする(ステップ1100)。これによって圧油供給油路406はブラダ318に連通される。モータ402を正転してポンプ吐出状態となすことにより(ステップ1102)、圧油がブラダ318に充填され、加圧プレート304が押圧されて型締を開始する。圧力センサ424(PP1)が第1ソレノイドバルブ408の出口に配置され、ブラダ318の圧力を監視するようにしている(ステップ1104)。このセンサ424によりブラダ圧が設定型締圧に達したことを受けて(ステップ1106)、第1ソレノイドバルブ408をOFFとして油路を遮断し、ブラダ318側の圧力経路を遮断するとともに、モータ402を停止し斜板ポンプ404による供給を停止する(ステップ1108)。これによって型締が完了し、この後に射出成形がなされる。ブラダ318側の圧力経路を遮断した後、今度はモータ402を逆転操作することによって、第1ソレノイドバルブ408より上流(ポンプ側)の油路からの吸込動作を行なわせる(ステップ1110)。そして、第1ソレノイドバルブ408の入口側にはポンプ出口圧を検出する圧力センサ426により、ポンプ出口圧が監視され(ステップ1111)、この圧力がゼロとなったことを検知した後(ステップ1112)、モータ402を停止させるようにしている(ステップ1114)。
【0038】
また、成形作業の終了後は、ブラダ318の降圧処理を行なうが、この降圧のための制御フローを図11に示す。成形作業の終了直後は、第1ソレノイドバルブ408が閉止され、ブラダ318側の圧力経路を遮断された状態にあるが、この状態から降圧作業に入る。まず、最初に第1ソレノイドバルブ408の前後で圧力が異なるため、急激に開放してタンク410に圧油を戻すとキャビテーションによる振動や油温上昇による不具合を発生する。そこで、最初にモータ402を正転してブラダ318の圧力まで上昇させるようにしている(ステップ1200)。第1ソレノイドバルブ408の前後圧力を圧力センサ424(PP1)、426(PP2)で監視し、両圧力が等しくなったことを確認して(ステップ1202)、第1、第2ソレノイドバルブ408をONにする(ステップ1204)。これによって圧油供給油路406はブラダ318側と連通状態とされる。その後、モータ402を逆転駆動しポンプ吸込状態となすようにしている(ステップ1206)。これにより、ブラダ318に供給された作動油が斜板ポンプ404を通じてタンク410に戻され、急激な圧力変動によるキャビテーションの発生を抑制し、油温の上昇をモータ402の回生抵抗により吸収することができる。ブラダ318側の圧力がタンク410に開放しても支障のない圧力まで低下したことを、例えば設定圧1MPaよりも低下したか否かでチェックし(ステップ1208)、モータ402を停止させると同時に(ステップ1210)、第2ソレノイドバルブ412をOFF状態に切り替えるとともに(ステップ1212)、第1ソレノイドバルブ408をOFFとして(ステップ1214)、ブラダ318をタンク410に連通させ、残りの作動油をタンク410に戻すのである。
【0039】
なお、本実施形態では、上記油圧回路400にて、型締による成形処理を完了してブラダ318を降圧した後に、金型20,22を離型する作業を前記斜板ポンプ404を利用して行なわせるようにしている。離型作業は型締力の15分の1程度の離型力を必要とするが、この離型力を前述した型開閉装置100によって行なわせる。このため、前記ボールねじ部材102を軸方向に移動させる油圧による離型シリンダ機構116が設けられている。この離型シリンダ機構116は、図1に模式的に示しているように、固定プラテン14に装備されており、ピストンロッドをボールねじ部材102に連結して、ボールねじ部材102を油圧力で強制的に可動プラテン18側に押出すことで実行させている。ボールねじ部材102を単純に軸方向に移動させると、ボールナット108の作用により回転してしまうため、例えばスプライン機構により回転伝達を確保しつつ軸方向にのみ移動できるように固定プラテン14側に取り付け支持しつつ、図示しないが電磁ブレーキによって回転を阻止するように構成されている。
【0040】
このような構造の離型シリンダ機構116を作動させるために、図9に示すように、油圧回路400のポンプ出口の圧油供給油路406から分岐してポンプ圧を導入する第1分岐油路428と、タンク410側に通じる戻り油路414から分岐された第2分岐油路430を設け、これらを4ポート3位置切換バルブからなる方向制御バルブ432を介して離型シリンダ機構116のヘッド側油圧室118に通じる前進用油圧通路434とロッド側油圧室120に通じる後退用油圧通路436に接続している。したがって、前記方向制御バルブ432の切換操作により、離型シリンダ機構116へ斜板ポンプ404により離型を行なわせ、引き続き可動プラテン18を固定プラテン14から離反させる型開操作に連続して移行できるようにしている。
【0041】
このように構成された実施形態に係る加圧機構300とこれを備えた型締装置10の作用は次のようになる。
まず、型開状態から型開閉装置100を作動させる。駆動用のサーボモータ112を駆動させてボールねじ部材102を回転させることにより、可動プラテン18側に取り付けてあるボールナット108が螺進し、可動プラテン18を固定プラテン14側に移動させる。可動金型22が固定金型20に接触した時点でサーボモータ112の作動を停止させることにより型閉状態となる。次いで、プラテンロック装置200を作動させる。これは型開閉の際に開放されている一対の割ナット204をナットシリンダの駆動によりタイロッド28の半径方向に閉じ移動させ、割ナット204の内周に形成された噛合歯をタイロッド28の外周面に形成したリング溝202に噛合させることにより、可動プラテン18とタイロッド28とを係合状態に保持する。
【0042】
このような型閉状態が完了した後に加圧機構300を作動させるのである。最初に斜板ポンプ404と第1、第2ソレノイドバルブ408、412をONして連通状態とし、ブラダ318に作動油を供給可能に油圧経路を連通される。モータ402を正転してポンプ吐出状態にして作動油をブラダ318に供給する。当初内部に装填されている入子320と密着状態にあるブラダ318の内部に油圧通路322を通じて作動油が充填されると、ブラダ318のピストン当接部326以外の部分は周囲の壁面に移動規制されているので、ブラダ318はピストン316側に膨張してピストン316を押出し、加圧プレート304が押圧されて型締を開始する。圧力センサ424によりブラダ圧が設定型締圧に達したことを受けて、ブラダ318側の圧力経路を遮断するとともに、モータ402を停止し斜板ポンプ404による供給を停止する。これによって型締が完了し、この後に射出成形がなされる。
【0043】
一方、型開動作を行なう際には、先ず、ブラダ318の内部に封入された作動油の圧力を漸次低下させて型締力を低減させる。ブラダ318側の圧力経路を遮断し封じ込めた状態から、封じ込め圧に達するまでモータ402を正転して斜板ポンプ404から第1ソレノイドバルブ408までの油路圧を昇圧し、その後に第1ソレノイドバルブ408を開く。そして今度はモータ402を逆転駆動し、ブラダ318に充填されている作動油を斜板ポンプ404を通じてタンク410に戻し、これによって封入された作動油の圧力を漸次低下させて急激な圧力変動によるキャビテーションの発生を抑制し、油温の上昇をモータ402の回生抵抗により吸収させているのである。ブラダ318側の圧力がタンク410に開放しても支障のない圧力まで低下したならば、モータ402を停止させ、今度は第1、第2ソレノイドバルブ408、412を切り替え操作して、ブラダ318をタンク410に連通させ、残りの作動油をタンク410に戻す。すると、加圧プレート304は皿ばね310の復元力によりプラテン本体302側に引き戻され、加圧プレート304およびピストン316の位置関係は自動的に型締力作用前の位置関係に戻される。
【0044】
続いて、型締状態から開放された金型20,22は結合状態にあり、これを離型させるにも型締力の15分の1程度の比較的な大きな力が必要である。この離型力は前述した型開閉装置100のボールねじ部材102を用いて行なう。割ナット204を開放して可動プラテン18とタイロッド28の結合を解いた後、ボールねじ部材102を軸方向に移動させるように取り付けられた離型シリンダ機構116に斜板ポンプ404から吐出される作動油を導入させ、ボールねじ部材102の回転を阻止した状態で油圧力で強制的に可動プラテン18側に押出す。これにより離型が行なわれる。その後に、ボールねじ部材102を原位置に復帰させ、サーボモータ112の逆転駆動により可動プラテン18が型開限度位置まで移動されるのである。
【0045】
このように実施形態に係る加圧機構と型締装置では、ブラダ318内に封入された作動油の圧力を制御するだけで型締力制御が行なえるので、油圧制御技術を活用した高精度な型締力制御が可能となり、しかも、型締装置10の固定プラテン14側にシリンダ部312を形成してブラダ318を収納するだけのシンプルな加圧機構であるので、故障がなく耐久性に優れている。ボールねじ電動駆動式の開閉機構とあいまって、射出成形機やダイカスト成形機等の型締装置として好適な、省エネ性と制御精度に優れクリーンなハイブリッド型締装置が得られる。
【0046】
特に、この実施形態では、固定プラテン14をプラテン本体302と加圧プレート304によって構成しつつ、これらの間に密閉袋体であるブラダ318への油圧導入により膨張収縮する作用でピストン316を押出して型締をなすものとし、かつブラダ318内部に当該ブラダ318の内部形状と同等な形状を有する入子320を内蔵させた構成を採用している。入子320とブラダ318とは非加圧状態では密着状態とされて入子320に形成した油圧通路322の開口部がブラダ318により閉塞状態にある。この結果、作動油の使用油量が極めて少なくできる利点がある。ブラダ318の容積を埋めるだけの作動油は必要でなく、型締のための膨張容積分だけ作動油を供給することで足りる。また、この加圧機構300では、特に、型締のために作動油を供給する際にブラダ318の内部に空気が残留することが有効に防止される。すなわち、型締に先立って、油圧回路400から作動油を供給すると、加圧機構300の下位に位置する供給油路354から導入され、環状油路352を経由しつつこれに連通された複数の油圧通路322まで充填され、型締機構300の上位に形成されている空気抜き通路356から油圧経路中の空気抜きが完全に行われる。入子320に形成されている油圧通路322のブラダ318側開口部は当該ブラダ318により閉塞されているので、油圧通路322の開口部より上位にブラダ318の膨張空間が形成可能であっても、初期作動油の供給によってこのような箇所に空気溜りができないのである。斯かる状態で空気抜き通路356を閉塞することにより、型締油圧経路中に気泡がなくなり、型締作用を行なっても精度が高く応答性に優れた型締作用を行なわせることができるのである。したがって、密閉袋体としてのブラダ318を用いることにより金型20,22の周囲へ作動油が漏れ出ることがなくなる利点を生かしつつ、空気残留に伴う型締作用力が適正に作用しなくなることを完全に防止できるのである。
【0047】
実施形態では入子320に形成した油圧通路322に直接連通するシリンダブロック314側に同心的に形成した供給油路338部分は入子320側の油圧通路322の直径より大きく形成して空気抜きが円滑に行なわれるようにすればよい。
【0048】
また、この実施形態では、ブラダ318の耳片部332に突起部344を一体的に設け、これを入子320とシリンダブロック314とに形成した係合溝346、348に係合嵌着させて締め付け固定するようにしている。このため、高い油圧が作用してブラダ318が膨張しても、ブラダ318が入子320から離脱するようなことが阻止され、油漏れの発生がない。ブラダ耳片部322は締付ボルト324によりブラダ耳片部332の肉厚より小さくなるように締め付けられて圧着されているので、締付部での油圧シール機能が当該ブラダ318自体によって行われ、別途に油圧シールを取り付ける必要がない。
【0049】
また、ブラダ318に押圧されるピストン316には、ブラダ318のコーナ部分との対面部に切欠段部358、360を形成し、この切欠段部358、360に繊維材料からなるピストンリング362、364を装着している。柔軟性のある上記繊維編み込みピストンリング362、364でブラダコーナ部分を受けることにより、ブラダ318の劣化、破損が大幅に軽減され、耐久性が向上している。
【0050】
更に、シリンダ部312におけるピストン摺動面に油漏洩検査油路366を設けて油漏れ検知をなすようにしているため、ブラダ318の破損検出が可能となり、加圧機構300からの油漏洩以前に対策を講じることができる。これによって安全の高い型締装置10とすることができる。
【0051】
なお、上記実施形態では、加圧機構300を型締装置10に適用した例を示しているが、これは液圧作動によりピストンを押出して作用させる機構に適用でき、例えば車両に適用されるディスクブレーキ装置ではパッド加圧のために同様のピストンシリンダ機構を採用する。液圧発生部分に入子320を内蔵したブラダ318を装着してブレーキ液圧を発生させるようにすることができるのである。これによって油漏れ対策と同時に、気泡残留を有効に防止し、高い安全性が要求されるブレーキ作用を適確に発生させることができるのである。このような装置以外に油圧によるピストン押圧作用をなす装置に適用できるのはいうまでもない。
【0052】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明は、シリンダ部とこれに内蔵されて出入り可能とされたピストンを具備し、前記シリンダ部に作動油給排により膨張収縮する袋体を収容して前記ピストンを押出し可能とし、この袋体には当該袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を内蔵させ、前記袋体の開口縁部を前記入子とシリンダ部側との間で圧着して固定し、前記入子に形成した油圧通路を通じて袋体に圧油を供給可能とした加圧機構と、これを具備した型締装置としたので、加圧のために袋体に作動油を供給充填するに際して空気抜きを完全に行なわせて有効な加圧作用による型締をなすことができ、同時に十分な省エネ性を実現しつつ小型で大きな型締力を発揮させることができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る加圧機構を有する型締装置の縦断面図である。
【図2】型締装置の上位部分における加圧機構部分の断面図である。
【図3】型締装置の下位部分における加圧機構部分の断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る加圧機構の非加圧状態の拡大断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る加圧機構に作動油を供給した加圧状態の拡大断面図である。
【図6】ブラダ(袋体)の部分断面斜視図である。
【図7】入子の部分断面斜視図である。
【図8】ブラダ(袋体)の他の実施形態の部分断面斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る型締装置の油圧回路である。
【図10】加圧機構に型締力を発生させる昇圧制御のフローチャートである。
【図11】加圧機構の降圧制御のフローチャートである。
【符号の説明】
10………型締装置、12………マシンベース、14………固定プラテン、
16………ガイドシュー、18………可動プラテン、20………固定金型、
22………可動金型、24………射出装置進入用空間、
26………押出し装置、28………タイロッド、
100………型開閉装置、102………ボールねじ部材、
104………貫通孔、106………ねじ部、108………ボールナット、
110………プーリ、112………サーボモータ、114………ベルト、
116………離型シリンダ機構、118………ヘッド側油圧室、
120………ロッド側油圧室、200………プラテンロック装置、
202………リング溝、204………割ナット、
206………ダイハイト調整機構、208………固定ウェッジ、
210………可動ウェッジ、300………加圧機構、
302………プラテン本体、304………加圧プレート、
306………段付き貫通孔、308………連結ボルト、310………皿ばね、
312………シリンダ部、314………シリンダブロック、
316………ピストン、318………袋体(ブラダ)、
318A………円盤ブラダ、320………入子、322………油圧通路、
324………締付ボルト、326………ピストン当接部、
328………内周面部、330………外周面部、332………耳片部、
334………入子本体、336………凸条部、338………油圧通路、
340………受入凹部、344………突起部、346………入子側係合溝、
348………シリンダ側係合溝、350………環状油路、
352………環状油路、354………供給油路、356………空気抜き通路、
358………切欠段部、360………切欠段部、362………ピストンリング、
364………ピストンリング、366………油漏洩検査油路、
400………油圧回路、402………モータ、404………斜板ポンプ、
406………圧油供給油路、408………第1ソレノイドバルブ、
410………タンク、412………第2ソレノイドバルブ、
414………戻り油路、416………リリーフバルブ、
418………斜板角調整バルブ、420………リリーフバルブ、
422………バランス調整バルブ、424………ブラダ圧監視用圧力センサ、
426………ポンプ出口圧監視用圧力センサ、428………第1分岐油路、
430………第2分岐油路、432………方向制御バルブ、
434………前進用油圧通路、436………後退用油圧通路、
438………シーケンス制御バルブ、500………制御手段

Claims (6)

  1. シリンダ部とこれに内蔵されて出入り可能とされたピストンを具備し、前記シリンダ部に作動油給排により膨張収縮する袋体を収容して前記ピストンを押出し可能とし、この袋体には当該袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を内蔵させ、前記袋体の開口縁部を前記入子とシリンダ部側との間で圧着して固定し、前記入子に形成した油圧通路を通じて袋体に圧油を供給可能としてなることを特徴とする加圧機構。
  2. 前記袋体に突起部を設けるとともに前記入子には前記突起部との係合溝を形成して固定することにより抜け止めをなしてなることを特徴とする請求項1に記載の加圧機構。
  3. 前記袋体を押圧するピストンにおける袋体との対面部周縁に切欠段部を形成し、この切欠段部に柔軟性保護部材を装着して前記袋体の押付周縁部に対面させたことを特徴とする請求項1に記載の加圧機構。
  4. 前記シリンダ部におけるピストン摺動面に油漏れ検知手段を設けて前記袋体の破損検出を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の加圧機構。
  5. タイロッドにより連繋され金型が取付けられる固定プラテンまたは可動プラテンをプラテン本体と当該プラテン本体に対して少なくとも型締ストロークの範囲で接離可能に取付けられた加圧プレートとにより構成し、これらプラテン本体と加圧プレート間に型締用の加圧機構を備えた型締装置であって、前記加圧機構をシリンダ部に収容されて圧油が導入可能とされた袋体の膨張収縮によりピストンを押出し可能に形成した構成とするとともに、前記袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を当該袋体に内蔵させて固定し、前記入子に油圧通路を形成したことを特徴とする型締装置。
  6. タイロッドにより連繋され金型が取付けられる固定プラテンまたは可動プラテンをプラテン本体と当該プラテン本体に対して少なくとも型締ストロークの範囲で接離可能に取付けられた加圧プレートとにより構成し、これらプラテン本体と加圧プレート間に型締用の加圧機構を備えた型締装置であって、
    前記加圧機構を前記プラテン本体に形成されたシリンダ部に摺動可能に装着されたピストンと、このピストンの背面部に圧油が給排可能とされ膨張収縮により前記ピストンを押出し可能にした袋体とから構成し、
    前記袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を当該袋体に内蔵させ、前記袋体の開口縁部分を前記入子とプラテン本体とにより圧着固定し、
    この圧着固定部にて前記袋体に突起部を設けるとともに前記入子とプラテン本体には前記突起部との係合溝を形成して固定することにより抜け止めし、
    前記入子には前記袋体内部へ圧油を供給する油圧通路を形成してなることを特徴とする型締装置。
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