JP4986132B2 - 射出圧縮成形機油圧回路の制御方法 - Google Patents

射出圧縮成形機油圧回路の制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂の射出成形機において、精密な成形品を得るために行なう、高精度射出圧縮成形に適した射出圧縮成形機油圧回路の制御方法に関する。特に、大型油圧装置のサーボ弁による制御システムにおいて、応答性の高い正確な制御を要求される場合に、対応できる改善策として本発明の利用が可能である
射出圧縮成形においては、成形の際、可動金型と固定金型を完全に締め合わさず、僅少量開いた(寸開と呼ぶ)状態で保持し、そのまま金型内に溶融樹脂を射出する。型内の樹脂が未だ可塑性を残している状態で、型締装置に圧力油を送り、タイバー、割ナット、可動金型盤を経由して、可動金型に相対的に大きな型締力を加え、樹脂を圧縮、延展することにより、金型キャビティの形状と寸法通りの精密な成形品を得るものである。
前記寸開量制御の後に行なう圧縮工程においては、前記型締装置に瞬間的に相当量の圧力油を送る必要があるので、一般に、射出圧縮成形機では、油圧回路に圧力油のアキュムレータを付設し、アキュムレータ内に封入された窒素ガスの圧力を検出することにより、モータ駆動の蓄圧ポンプをON−OFF制御している。
当該アキュムレータは、従来から、前記圧縮工程に要するタイバーの実ストローク量に拘わらず、一定の圧力値に達するまで圧力油を内部に蓄積し、タイバーが仕様上の最大ストロークを行い、圧力油を相当量吐出しても、所定の油圧を維持可能にする制御方法が採られていた。
前記アキュムレータの運転方法に関する技術が、特許文献1に示されている。この公知の技術は、射出圧縮成形による光ディスク基板の成形のように3〜5秒の成形サイクル時間で、150%を超える過負荷と30%以下の軽負荷を繰り返す射出圧縮成形機の、アキュムレータの蓄圧ポンプ用駆動モータを、過負荷から保護するものである。
即ち、当該アキュムレータに圧油を蓄圧する時間と、蓄圧しない時間との比率が一定限界を超えるか、複数回の成形サイクルにおける、蓄圧時間の積算値が所定の値を超えると、制御装置が作動して警報を発するので、作業員が成形条件を変更して、前記蓄圧ポンプ用駆動モータの負荷を減らし、当該モータを保護するものである。
前記の如く、特許文献1に示されている技術は、蓄圧ポンプの駆動モータを保護するものであって、アキュムレータの圧油を制御するものではない。従って、射出圧縮成形の高性能化を目的として、アキュムレータを効率良く使用し、必要な油圧と油量を、迅速且つ的確な条件でアキュムレータから供給させる場合には、新規のアイデアを必要とする。
射出圧縮成形において、前記金型寸開量は、金型の四周面に亙る均一性及び樹脂射出時の安定性が極めて重要である。特に、樹脂の金型内射出による金型位置のずれや、平行度の狂いを無くすためには、固定金型と可動金型間の型開き量を、当該金型隅部の複数箇所において直接検出し、いずれも同一値になるように、複数の型締装置の油圧を制御し、可動金型盤の位置の制御を行なえば良い。
その技術は、特許文献2に示されているが、非対称な成形品の射出圧縮成形で、均一な肉厚の成形品を得るためのものであって、成形品の対称性に関係なく、高精度射出圧縮成形によって、肉厚の均一性を含めた精密な成形品を得るためには、新規なアイデアを必要とする。
また、金型寸開量の四周面に亙る均一性と安定性に関しては、特許文献3にも示されており、複数本のタイバーのそれぞれに対応する金型位置に、金型開き量を検出する変位センサーを設け、検出された各センサー毎の変位量の不平衡度に応じて、前記各タイバーに属するプレート駆動手段に付与する駆動力を調整する手段を設け、前記金型のパーティング面の平行度を確保するようにしている。
この技術は、しばしば交換される金型上に変位センサーを付設するので、型交換時の変位量の較正等、手間がかかる欠点があるが、他の場所に付設した場合には期待し得ない、正味の金型寸開量を、時間遅れなく検出する長所がある。
射出圧縮成形の金型内樹脂の圧縮工程に関しては、当該工程の開始タイミングと動作速度に微妙な点があり、従来から型締装置の制御性の改善を試みられている。
特許文献4によれば、金型の型締力による圧縮負荷を低減させつつ、射出充填による型開きが発生しないように、金型の圧縮変位量を射出充填前と充填中で検出比較して、圧縮変位値を変化させないために、型締シリンダの油圧を制御する方法である。
即ち、型締シリンダのタイバー側油室内に、射出中の型内樹脂圧による型開力とバランスする与圧を積極的に付加し(即ち、樹脂射出により増大する型内圧によって、型開きが生じないよう、付加する与圧も増大するように制御)、タイバーの位置保持を図るものである。
樹脂射出中の型開きを抑える従来技術としては、特許文献3において示されているように、複数の型締シリンダの電気油圧制御弁を、全て中立状態にして、全ての型締シリンダをロックする方法もあり、簡便で確実な方法として、中・小型射出圧縮成形機に採用されてきた。
しかしながら,最近、光ディスク、CD、DVDの基板等、高精度射出圧縮成形品の需要の急激な増大に伴い、大型の高精度成形品を、迅速に生産できる高性能射出圧縮成形機が要望されており、従来技術の型締シリンダのロック方法では、金型寸開・射出状態から、迅速に金型の圧縮工程に入ることが難しくなり、型締装置の制御性・応答性の改善が必要になってきた。
特開2005−35207号公報(図1) 特開平9−220745号公報(図1) 特開昭61−261017号公報(第1図) 特開2003−276067号公報(図1)
高精度射出圧縮成形を含めて、いわゆる射出圧縮成形工程では、成形品の特性によって圧縮量が異なり、タイバーのストローク量は様々である。付設されるべきアキュムレータや油圧ポンプ並びに駆動モータ等は、設備能力としては、タイバーの最大ストローク量と成形サイクルタイム内に蓄圧ができる大きな容量のものとならざるを得ない。
一方、前記大容量のアキュムレータから供給される圧力油は、タイバーの実移動量に比例して決まるので、当該アキュムレータに残留する圧力油は、殆どの場合に余裕があり、アキュムレータに接続される油圧回路には、前記残留圧が懸かったままで、型締装置の昇圧シリンダ室(タイバー側圧力室)や離型シリンダ室(反タイバー側圧力室)に過剰圧となって悪影響を与える。
前記の油圧回路の残留過剰圧を抑制するためには、リリーフ弁により過剰な圧油をタンクに逃がす必要があるが、このときの油量並びに油圧の変動が、高精度射出圧縮の最重要条件であるタイバー位置の制御精度向上の妨げとなる。
また、射出圧縮を完了し、次の工程に進む場合に、過剰圧(残圧)を一旦開放する工程が必要であり、前に蓄えたエネルギーを無駄に捨てるだけでなく、成形サイクル短縮の妨げとなる問題を抱えることになる。
金型の寸開量を、樹脂射出中及び射出後に亙って一定に制御する際に、型締シリンダの反タイバー側圧力室(離型シリンダ室)は、昇圧シリンダ室の作用を妨げることが無い様、0(零)MPa若しくは零に近い低圧になっている。即ち、離型シリンダ室の油回路は、油タンクに開放されているか、短時間遮断されているかである。(図3参照)
離型シリンダ室の圧力が、0MPa若しくは僅少値の時に、樹脂の圧縮工程が始まり、昇圧シリンダ室にアキュムレータからの圧力油を相当量流入させるべく、中央制御装置から油圧サーボ弁に指令が出ても、当該油圧サーボ弁は次の二つの問題で、制御指令に即座に応答することが出来なかった。
該油圧サーボ弁の排出側(離型シリンダ室からの排出)ポート(図4のAからTに相当)の圧力は、前記の理由で0MPaに近く、且つ、その差が小さいので、当該油圧サーボ弁は、指定の開度に定まらない。(指定の弁開度にならない)
即ち、油圧サーボ弁の開度は、排出ポートAとTの圧力差の平方根に反比例する特性があるが、ポートAからTの圧力差が小さい場合、分母が小さくなり、指定の開度は100%を超える。
前記の如く、離型シリンダの油圧が0MPa若しくは僅少な場合、昇圧シリンダにアキュムレータからの圧力油を供給し、タイバーが移動を開始しても、離型シリンダ室内の油は、一瞬、やんわりと圧縮されるのみで、即刻排出されぬため、圧力油の流量制御に用いる排出ポートの圧力値の上昇が、昇圧シリンダへの圧力油の供給開始に対し、遅れてしまうので、圧力油の流量誤差と制御遅れを生ずる。
前記油圧サーボ弁の応答性不良の原因は、離型シリンダ室内の圧力が0MPaであるため油の圧縮性が効いてしまうことと、油圧サーボ弁の開度が定まらないことにあることから、本発明は、当該サーボ弁の油排出回路に特段の装置を付加せず、前記サーボ弁の制御方法のみで、前記離型シリンダ室内の圧力を付加することにより、前記サーボ弁開度の制御応答性を向上させることも合わせて目的とする。
上記の課題に対し、本発明は以下の各手段により解決を図る。
(1)第1の手段の射出圧縮成形機油圧回路の制御方法は、固定金型が取付けられた固定金型盤に設けられた複数個の型締シリンダと、可動金型が取付けられた可動金型盤とをタイバーを介して連結してなる型締装置を備え、可動金型と固定金型を完全に締め合わさず、僅少量開いた寸開状態で保持し、そのまま金型内に溶融樹脂を射出し、型内の樹脂が未だ可塑性を残している時点で、型締装置に油圧サーボ弁を経由して圧力油を送り、タイバー、割ナット、可動金型盤経由、可動金型に相対的に大きな型締力を加えて、樹脂を圧縮することにより金型キャビティの形状及び寸法通りの精密な成形品を得る射出圧縮成形機油圧回路の制御方法において、射出圧縮成形品の種類によって定まる金型の寸開量を設定及び管理する制御装置により寸開量から算定されるタイバーのストロークと、それに必要な蓄油量を算定し、さらに、付設されているアキュムレータ内に前記ストローク分の油量を蓄えるに当たりアキュムレータの蓄油停止は、当該蓄油量を吐出した後でもアキュムレータ内の油圧が所定の保持圧力値となる場合のアキュムレータの加圧室内圧力、油面レベル等の状態量を計算により推定して前記状態量の目標値とし、蓄油の進捗により前記状態量が前記目標値に到達した時点をもって前記アキュムレータの蓄油停止の指令を出すことを特徴とする
(2)第2の手段の射出圧縮成形機油圧回路の制御方法は、上記第1の手段の射出圧縮成形機油圧回路の制御方法において、金型寸開の位置制御を前記油圧サーボ弁の中立点の開度を±5%のオーバーラップ域の小開度で行ないつつ、型締シリンダの離型側に接続するAポートの圧力が1MPa以上になるように保つことを特徴とする。
(3)第3の手段の射出圧縮成形機油圧回路の制御方法は、上記第2の手段の射出圧縮成形機油圧回路の制御方法において、前記Aポートの油排出回路に当たるTポートに1MPa以上の圧力を発生させる背圧選択リリーフ弁を設け、常に上流側のAポートの圧力が1MPa以上になるように保つことを特徴とする。
(4)第4の手段の射出圧縮成形機油圧回路の制御方法は、上記第3の手段の射出圧縮成形機油圧回路の制御方法において、金型寸開の位置制御中は、油圧サーボ弁の中立点の開度を±5%のオーバーラップ域の範囲を超えないように制限をつけて制御するとともに、当該制限は圧縮工程に入る瞬間に解除し、当該油圧サーボ弁の定格流量までの圧力油を昇圧シリンダ室に送り、正確、且つ高速で圧縮成形ができるように制御すること特徴とする。
請求項1に係わる発明は、型締装置に圧力油を供給するアキュムレータ、油圧ポンプ、駆動モータシステムが、比較的小容量でも成形サイクルが確保できるようになり、且つ、圧縮成形直後においても、前記アキュムレータに残留する圧力油は、油圧回路に害を与えない程度の保持圧を保つので、時間とエネルギーを浪費する調圧工程等の必要をなくし、次の成形工程まで安定的に維持できるため、高精度射出圧縮成形を効率良く、且つ、静粛・円滑に行ない得る効果をもたらす。
請求項2に係わる発明は、高精度・高応答サーボ弁の中立付近の圧力特性を活かして、当該サーボ弁の油排出回路に特段の装置を付加せず、前記離型シリンダ室の油排出口に接続する前記サーボ弁ポートの圧力を1MPa以上に保ち、その他の付加的装置の必要も無く、前記サーボ弁の制御方法のみで、前項と同様な効果を得られることである。
請求項3に係わる発明は、サーボ弁の油排出回路に与圧装置を付加し、発生させた1MPa以上の圧力が、離型シリンダ室に背圧として加わり、作動油の圧縮性を減殺するとともに、油圧サーボ弁の開度が指定どおりに定まるように作用するので、高精度・高応答の油圧サーボ弁の制御性能を充分に発揮させ得る効果を与える。
請求項4に係わる発明は、前項の油圧サーボ弁の基本的制御方法に、さらに改善を加えて、前記離型シリンダ室に与える背圧を確実なものとし、且つ、樹脂の圧縮工程において、当該油圧サーボ弁の定格流量までの圧力油を一気に送入させ、正確、且つ高速で樹脂の圧縮成形ができるようにし得る効果がある。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明の油圧制御回路と型締シリンダの1セットを示す模式図である。図2は、射出圧縮成形工程の途中にある「金型寸開」の模式図、図3は、前記工程の次に来る「樹脂射出中の寸開量調整動作」の模式図、図4は、「樹脂の圧縮」工程の模式図である。
一般的に、射出成形機の型締シリンダは、矩形を形成する可動金型盤の、四隅に配設されるタイバーのアクチュエータとして、4セットが固定金型盤上に付設されているが、当該型締シリンダ4セットの制御様態は、全て同一であるため、本発明の説明としては、1セットの型締シリンダの機能を示せば足りるので、他の3セットの型締シリンダは、図示を省略する。
型締シリンダ1は、その中に液密に嵌入されたピストン4a及びタイバー4によって、内部が二分されており、タイバー側の昇圧シリンダ室3と、離型シリンダ室2とから成り立っている。 また、前記型締シリンダ1には、四方サーボ弁6が付設されており、弁ポートAが離型シリンダ室2の接続口2aに、弁ポートBが昇圧シリンダ室3の接続口3aにそれぞれ接続し、圧力油を供給、或いは排出するように構成されている。
前記四方サーボ弁6には、油圧駆動装置20に接続される弁ポートP、及びタンク7に油を排出する弁ポートTが配設されており、弁ポートPを通して昇圧シリンダ室3、または、離型シリンダ室2に多量の圧力油を送り込むことができる構成になっている。
前記弁ポートP経由で弁ポートA又はBに多量の圧力油を送くる時には、蓄圧/放圧切り替え弁8が放圧側に切り替り、アキュムレータ10に蓄えられた多量の高圧油を弁ポートPに流し込む。前記多量の高圧油は、型締シリンダ1に嵌め込まれたピストン4a及びタイバー4をストロークさせると同時に、弁ポートTの方からは、同量の作動油が排出され、タンク7に戻る。
前記タイバー4のストロークが完了し停止すると、前記蓄圧/放圧切り替え弁8が、中央制御装置(図示せず)の指令で切り替えられ、圧力油の前記四方サーボ弁6への流れは遮断されるので、モータ14に駆動される油圧ポンプ15から吐き出される高圧の作動油は、アキュムレータ10の蓄油室12中に蓄えられる。当該アキュムレータ10の内部には、不活性ガスを封入した加圧室11が設けてあり、作動油の蓄積とともに油面と内圧が上昇する。なお、5は離型シリンダ室2の耐圧保護用のリリーフバルブ、9は蓄圧/放圧切り替え弁8の駆動弁、17は定圧弁、21は弁ポートA用圧力センサ、22は弁ポートB用圧力センサ、23は弁ポートP用圧力センサ、24は弁ポートT用圧力センサ、25はアキュムレータ用圧力センサを示す。
当該アキュムレータ10の加圧室11の圧力が、タイバー4の設定ストローク量に相当する蓄油量から計算される値に達すると、蓄油量を制御する制御装置18は、モータ14の動力を遮断して、アキュムレータ10への作動油の供給を停止する。
なお、前記制御装置18は、当該アキュムレータ10の蓄油室12の油面レベルが、タイバー4の設定ストローク量に相当する蓄油量から計算される油面レベルに達した時に、モータ14の動力を遮断するよう、システムを構成することも可能である。
前記蓄油量制御によって、当該アキュムレータ10の蓄油量は、成形品種に固有の圧縮量を決定するタイバー4のストロークに必要な量に等しい値になっているか、若しくは、当該タイバー4のストロークに必要な量に対し、流動時の流量損失を見込んだ所定量の余裕を加算した値となっており、金型の圧縮工程が開始されると同時に、前記蓄油量がアキュムレータ10から前記蓄圧/放圧切り替え弁8を経由し、前記四方サーボ弁6のポートPに供給され、弁ポートBを経由して昇圧シリンダ室3に流入する。
前記タイバー4は、昇圧シリンダ室3に流入する高圧油によって型閉方向に移動し、割ナット30、可動金型盤31を経由して、可動金型32を固定金型33に圧接し、金型キャビティ内の樹脂を圧縮する型締めを行う。(図4を参照)
なお、固定金型33は、図示せぬ固定金型盤に取付けられている。
前記タイバー4が、前記型締めのストロークを完了した時のアキュムレータ10の油圧は、計算通りの保持圧となるので、昇圧シリンダ室3、四方サーボ弁6の弁ポートP、前記蓄圧/放圧切り替え弁8の前後の油圧回路等は、全て当該保持圧に保たれ、アキュムレータ蓄油時の高圧部分は残存していない。
従って、次の工程(離型)に移る前に、油圧の調整等時間とエネルギーの消費を伴う作業を必要とせず、円滑・静粛、且つ速やかに工程を進めることができる。
図4は、高精度射出圧縮成形の核心工程であるが、特に、大型射出成形機においては、当該工程を正確に、且つ、時間遅れなく実行することが肝要である。
「樹脂の圧縮」工程(図4参照)の前には「金型寸開」工程(図2参照)があり、次いで、「射出中の寸開量調整動作」(図3参照)を経由して「樹脂の圧縮」工程に入るが、大型射出成形機の金型を寸開した状態で、当該金型キャビティ内に、高圧力で溶融樹脂を射出するのであるから、可動金型32の位置制御には、容易ではない問題があり、四方サーボ弁6を使用した応答性の良いものを採用しなければならない。
本発明の実施の形態1においては、前記「金型寸開」工程及び「射出中の寸開量調整動作」工程中は、四方サーボ弁6を所定の小開度(一例として±5%の開度)の範囲を超えないように制限を付けて制御し、当該四方サーボ弁6の弁ポートAに1MPa以上の背圧が立つように、且つ、排出側の弁ポートA−T間に有意的圧力差が発生するように作動させる。前記四方サーボ弁6の小開度制御は、制御流量が小範囲に抑えられるので、「金型寸開」及び「射出中の寸開量調整動作」は、相対的に緩慢な制御になるが、動作自体が小範囲の調整であり、成形工程上、問題にならない。
しかしながら、「樹脂の圧縮」工程においては、正確、且つ時間遅れなく型締めを行わせる必要があり、射出圧縮成形工程を管理する中央制御装置(図示せず)は、「樹脂の圧縮」工程に入る瞬間に、前記四方サーボ弁6の小開度範囲制限を解除し、当該四方サーボ弁6の定格流量までの圧力油を昇圧シリンダ室3に送ることができるように構成する。
また、当該四方サーボ弁6の弁ポートAに発生させている1MPa以上の背圧は、離型シリンダ室2内の作動油を予め圧縮させておく作用があり、昇圧シリンダ室3に流入した高圧油の作用によって、直ちに弁ポートT経由タンク7に排出され、ピストン4a及びタイバー4は、時間遅れなく円滑にストロークし、樹脂を正確に圧縮する。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態が、第1の実施の形態と構成の異なる点は、当該四方サーボ弁6の弁ポートAに、必要の都度1MPa以上の背圧を立てるために、排出用の弁ポートTに背圧(0若しくは、1MPa以上)を選択可能な背圧選択式リリーフ弁装置120を付設したことにある。 機能的には、第1の実施の形態とほぼ同等であるが、四方サーボ弁6の機能をより有効に活用できる点が第2の実施の形態の特徴である。以下に図に基づいて第2の実施の形態を説明する。図5は、第2の実施の形態の油圧制御回路と型締シリンダ1セットを示す模式図である。第1の実施の形態の説明で用いた各工程を示す模式図の図2〜図4は、第2の実施の形態の説明でも共通であり、何ら変りはない。
図5において、四方サーボ弁6の油圧配管の接続は、弁ポートTの下流を除いて、第1の実施の形態と同一である。また、アキュムレータ10、油圧ポンプ15、モータ14、制御装置18、タンク7等を含む油圧駆動装置20も、第1の実施の形態と同一である。
第1の実施の形態では、前記「金型寸開」工程(図2)及び「射出中の寸開量調整動作」工程(図3)中は、前記四方サーボ弁6の開度範囲に制限を加えて小開度制御とし、弁ポートAに1MPa以上の背圧を立て、且つ、弁ポートA−T間に有意的圧力差を与えているが、本実施の形態では、弁ポートTに背圧リリーフ弁26を接続し、背圧0或いは1MPa以上の可変圧が選択できるように構成し、前記選択背圧に従って、弁ポートTより作動油を排出可能にしている。
第2の実施の形態である本構成では、前記四方サーボ弁6の弁ポートAに1MPa以上の背圧を立てる必要がある「射出中の寸開量調整動作」においては、可変減圧弁28の圧力を1MPa以上に設定し、背圧リリーフ弁26の逃がし圧が1MPa以上になるように、背圧リリーフ弁駆動用バルブ27を制御する。
また、「樹脂の圧縮」工程や「離型/型開」工程においては、前記背圧リリーフ弁駆動用バルブ27を制御して、前記背圧リリーフ弁26の逃がし圧が0(大気圧)になるようにすれば、前記四方サーボ弁6は、背圧による流量の減少がなく、定格流量で制御ができるので、「樹脂の圧縮」工程においては、正確、且つ、時間遅れなく前記タイバー4を動作させ得る。
なお、割ナットにはガタ(摺動クリアランス)が本来あることから、可動金型盤と割ナットが一体になって動作しないため、4隅のタイバーの前進速度を制御する場合に、高精度化の障害となるケースがある。この対策として、前記した各実施の形態において、固定金型盤と可動金型盤の間にガタ防止油圧シリンダ(図示省略)を追加して、ガタ防止油圧シリンダの押し力により可動金型盤を割ナットに押し付け、タイバーの速度が変化した場合でも、可動金型盤と割ナットが離れないように一体として動作させることにより、ガタの発生を防止できる。更に、金型内にシールドブロック前後進油圧シリンダ(図示省略)を内蔵している場合には、シールドブロック前後進油圧シリンダをガタ防止油圧シリンダとして兼用してもよい。
本発明の第1の実施の形態に係わる油圧制御回路と型締シリンダの1セットを示模式図である。 射出圧縮成形工程の中途にある「金型寸開」の模式図である。 「金型寸開」の次に来る工程「樹脂射出中の寸開量調整動作」の模式図である。 「樹脂の圧縮」工程の模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係わる油圧制御回路と型締シリンダの1セットを示す模式図である。
符号の説明
1 型締シリンダ
2 離型シリンダ室
3 昇圧シリンダ室
4 タイバー
4a ピストン
6 四方サーボ弁
7 タンク
8 アキュムレータ蓄圧/放圧切り替え弁
10 アキュムレータ
11 加圧室
12 蓄油室
13 逆止弁
14 モータ
15 油圧ポンプ
17 定圧弁
18 制御装置
20 油圧駆動装置
21 Aポート用圧力センサ
22 Bポート用圧力センサ
23 Pポート用圧力センサ
24 Tポート用圧力センサ
25 アキュムレータ用圧力センサ
26 背圧リリーフ弁
27 背圧リリーフ弁駆動用バルブ
28 可変減圧弁
30 割ナット
31 可動金型盤
32 可動金型
33 固定金型
120 背圧選択式リリーフ弁装置

Claims (4)

  1. 固定金型が取付けられた固定金型盤に設けられた複数個の型締シリンダと、可動金型が取付けられた可動金型盤とをタイバーを介して連結してなる型締装置を備え、
    可動金型と固定金型を完全に締め合わさず、僅少量開いた寸開状態で保持し、そのまま金型内に溶融樹脂を射出し、型内の樹脂が未だ可塑性を残している時点で、型締装置に油圧サーボ弁を経由して圧力油を送り、タイバー、割ナット、可動金型盤経由、可動金型に相対的に大きな型締力を加えて、樹脂を圧縮することにより金型キャビティの形状及び寸法通りの精密な成形品を得る射出圧縮成形機油圧回路の制御方法において、
    射出圧縮成形品の種類によって定まる金型の寸開量を設定及び管理する制御装置により寸開量から算定されるタイバーのストロークと、それに必要な蓄油量を算定し、さらに、付設されているアキュムレータ内に前記ストローク分の油量を蓄えるに当たりアキュムレータの蓄油停止は、当該蓄油量を吐出した後でもアキュムレータ内の油圧が所定の保持圧力値となる場合のアキュムレータの加圧室内圧力、油面レベル等の状態量を計算により推定して前記状態量の目標値とし、
    蓄油の進捗により前記状態量が前記目標値に到達した時点をもって前記アキュムレータの蓄油停止の指令を出すことを特徴とする射出圧縮成形機油圧回路の制御方法。
  2. 請求項1の射出圧縮成形機油圧回路の制御方法において、金型寸開の位置制御を前記油圧サーボ弁の中立点の開度を±5%のオーバーラップ域の小開度で行ないつつ、型締シリンダの離型側に接続するAポートの圧力が1MPa以上になるように保つことを特徴とする射出圧縮成形機油圧回路の制御方法。
  3. 請求項2の射出圧縮成形機油圧回路の制御方法において、前記Aポートの油排出回路に当たるTポートに1MPa以上の圧力を発生させる背圧選択リリーフ弁を設け、常に上流側のAポートの圧力が1MPa以上になるように保つことを特徴とする射出圧縮成形機油圧回路の制御方法。
  4. 請求項3の射出圧縮成形機油圧回路の制御方法において、金型寸開の位置制御中は、油圧サーボ弁の中立点の開度を±5%のオーバーラップ域の範囲を超えないように制限をつけて制御するとともに、当該制限は圧縮工程に入る瞬間に解除し、当該油圧サーボ弁の定格流量までの圧力油を昇圧シリンダ室に送り、正確、且つ高速で圧縮成形ができるように制御すること特徴とする射出圧縮成形機油圧回路の制御方法。
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