JP2002086521A - 加圧機構および型締装置 - Google Patents

加圧機構および型締装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作動油を封入してその膨張収縮により加圧す
る機構であって、特に空気抜きを完全に行なわせる。 【解決手段】 固定プラテンまたは可動プラテンをプラ
テン本体と当該プラテン本体に対して少なくとも型締ス
トロークの範囲で接離可能に取付けられた加圧プレート
とにより構成する。プラテン本体と加圧プレート間に型
締用の加圧機構を備える。加圧機構をシリンダ部に収容
され圧油が導入可能とされた袋体の膨張収縮によりピス
トンを押出し可能に形成した構成とするとともに、前記
袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を当該袋体に
内蔵させて固定し、前記入子に油圧通路を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加圧機構および型
締装置に係り、特に油漏れを防止する必要のある油圧を
利用した加圧機構と、この加圧機構を用いて射出成形機
やダイカスト成形機等における型締作用を行なわせるの
に好適な型締装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形機やダイカスト成形機等
の型締装置は直圧式型締装置、トグル式型締装置等の油
圧駆動方式が主流であったが、近年、省エネ化やクリー
ン化の要求に応えて、サーボモータの回転運動をボール
ねじナットにより直線運動に変換して型開閉駆動を行な
う電動駆動方式の型締装置が小型成形機を中心に普及し
てきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電動駆動方
式を用いた小型の型締装置では所望の省エネ化やクリー
ン化の要求に応えられるものの、そのままサイジングア
ップして大型の型締装置に適用しようとしても、サーボ
モータおよびボールねじの大型化に限界があるので、型
締装置の大型化が制限されるという問題がある。そこ
で、型開閉駆動手段に電動駆動方式を用いると共に型締
力発生手段に油圧方式を併用したハイブリッド型締装置
が考案されるようになった。
【0004】例えば特開平6−246806号公報に
は、金型の開閉を交流サーボモータにより可動プラテン
を雄ねじの螺進運動により行なわせ、型閉後に行なう型
締を液圧で行なわせるようにしたハイブリッド型締装置
の例が開示されている。この液圧による型締装置は、可
動プラテンの背面部に液が封入された密封袋を閉鎖室に
配設した液圧作動盤を配置し、可動プラテンとともに液
圧作動盤の移動をロックした後、前記雄ねじ部材を電動
モータで更に移動させることにより密封袋を加圧し、ピ
ストンにより可動プラテンを介して成形金型に型締力を
作用させるようにしたものである。
【0005】上記のような従来のハイブリッド型締装置
では、密封袋を閉鎖室内で雄ねじにより加圧する構成を
採用しているため、密封袋内に作動液を封入する際には
完全に空気を抜き去らなければ型締力が適確に作用しな
い。しかし、固定された閉鎖室の体積に合わせて作動液
が封入された密封袋を形成することは極めて困難である
とともに、密封袋を凹陥変形させるために袋破損による
作動液が漏出してしまう可能性があり、型締力を大きく
することができない。
【0006】また、型締力を作用させている間は駆動源
である電動モータを常に負荷状態にする必要があるため
十分な省エネ性を発揮できない上に、電動駆動と油圧方
式の併用に伴なって型締装置の構造が複雑になり故障頻
度が増大するという問題があった。
【0007】また、型締装置に限らず、上記のような密
封袋に液圧を導入することによって、一般的な油圧シリ
ンダ機構などの加圧機構においても、適正な加圧力を発
生させるために空気を完全に抜き去って作動液を封入す
ることができれば、作動油の漏洩を防止した加圧機構と
して有効である。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に着目し、作
動油を封入してその膨張収縮により加圧する機構であっ
て、特に空気抜きを完全に行なわせることができる構造
とした加圧機構と、これを利用した型締装置を提供する
ことに加えて、十分な省エネ性を実現しつつ小型で大き
な型締力を発揮させることができる前記加圧機構を利用
した型締装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る加圧機構は、シリンダ部とこれに内蔵
されて出入り可能とされたピストンを具備し、前記シリ
ンダ部に作動油給排により膨張収縮する袋体を収容して
前記ピストンを押出し可能とし、この袋体には当該袋体
の内部形状と同等な形状を有する入子を内蔵させ、前記
袋体の開口縁部を前記入子とシリンダ部側との間で圧着
して固定し、前記入子に形成した油圧通路を通じて袋体
に圧油を供給可能としたものである。この場合におい
て、前記袋体に突起部を設けるとともに前記入子には前
記突起部との係合溝を形成して固定することにより抜け
止めを図れば良く、また、前記袋体を押圧するピストン
の袋体との対面部周縁に切欠段部を形成し、この切欠段
部に柔軟性保護部材を装着して前記袋体の押付周縁部に
対面させるようにすればよい。さらに、前記シリンダ部
におけるピストン摺動面に油漏れ検知手段を設けて前記
袋体の破損検出を可能とすることが望ましい。
【0010】また、本発明に係る型締装置は、タイロッ
ドにより連繋され金型が取付けられる固定プラテンまた
は可動プラテンをプラテン本体と当該プラテン本体に対
して少なくとも型締ストロークの範囲で接離可能に取付
けられた加圧プレートとにより構成し、これらプラテン
本体と加圧プレート間に型締用の加圧機構を備えた型締
装置であって、前記加圧機構をシリンダ部に収容されて
圧油が導入可能とされた袋体の膨張収縮によりピストン
を押出し可能に形成した構成とするとともに、前記袋体
の内部形状と同等な形状を有する入子を当該袋体に内蔵
させて固定し、前記入子に油圧通路を形成した構成とし
た。この型締装置として構成した場合においても、前記
袋体に突起部を設けるとともに前記入子には前記突起部
との係合溝を形成して固定することにより抜け止めを図
れば良く、また、前記袋体に押圧するピストンの袋体と
の対面部周縁に切欠段部を形成し、この切欠段部に繊維
材料などの柔軟性材料からなるピストンリングを装着し
て前記袋体の押付周縁部に対面させるようにすればよ
い。さらに、前記シリンダ部におけるピストン摺動面に
油漏れ検知手段を設けて前記袋体の破損検出を可能とす
ることが望ましい。
【0011】より具体的には、タイロッドにより連繋さ
れ金型が取付けられる固定プラテンまたは可動プラテン
をプラテン本体と当該プラテン本体に対して少なくとも
型締ストロークの範囲で接離可能に取付けられた加圧プ
レートとにより構成し、これらプラテン本体と加圧プレ
ート間に型締用の加圧機構を備えた型締装置であって、
前記加圧機構を前記プラテン本体に形成されたシリンダ
部に摺動可能に装着されたピストンと、このピストンの
背面部に圧油が給排可能とされ膨張収縮により前記ピス
トンを押出し可能にした袋体とから構成し、前記袋体の
内部形状と同等な形状を有する入子を当該袋体に内蔵さ
せ、前記袋体の開口縁部分を前記入子とプラテン本体と
により圧着固定し、この圧着固定部にて前記袋体に突起
部を設けるとともに前記入子とプラテン本体には前記突
起部との係合溝を形成して固定することにより抜け止め
し、前記入子には前記袋体内部へ圧油を供給する油圧通
路を形成した構成とすればよい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る加圧機構お
よび型締装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明
する。図1は実施形態に係る型締装置の模式的に示した
縦断面図、図2〜5は前記型締装置に備えられた加圧機
構の断面図であり、図4は油圧供給前、図5は油圧供給
後の加圧機構の詳細断面図を示している。
【0013】まず、図1に示すように、実施形態に係る
型締装置10は、マシンベース12の一端部上に基部を
キー止めされて立設された固定プラテン14を備え、こ
の固定プラテン14に対向して配置され、前記マシンベ
ース12上にガイドシュー16によって摺動移動可能と
された可動プラテン18を備えている。固定プラテン1
4と可動プラテン18には、それぞれ固定金型20と可
動金型22が取り付けられ、固定プラテン14に対して
可動プラテン18を接離移動させることによって型開閉
をなすものとしている。そして、固定プラテン14のセ
ンターには射出装置進入用空間24が装着できるように
なっており、金型20、22によって形成されるキャビ
ティ内に溶融樹脂を供給可能としている。また、可動プ
ラテン18側のセンターには製品押出し装置26が設け
られ、開かれた金型から成形品を押出し離脱させるよう
にしている。
【0014】前記固定プラテン14の4隅にはロッド孔
が穿設されていて、これらのロッド孔のそれぞれにはタ
イロッド28の一端が固定装着されている。同様に、可
動プラテン18の4隅にもロッド孔が穿設され、これに
前記タイロッド28を貫通させている。このため、可動
プラテン18はマシンベース12上をタイロッド28を
ガイドとして固定プラテン14に向けて摺動移動するこ
とができる。
【0015】このような基本要素からなる型締装置によ
る成形作業では、可動プラテン18の移動により金型2
0,22の型合わせをなし、可動プラテン18が動かな
いようにタイロッド28にロックし、次いで射出時に型
開が生じないように大きな力で金型20,22を圧接す
る型締をなす。そして、射出成形の後に型締力の15分
の1程度の力で金型20,22を離型した後、型開を行
ない、成形品を取り出す。これらの一連の作業のため、
上記装置には、可動プラテン18を型開位置と型閉位置
との間で移動させるための型開閉装置100、可動プラ
テン18を型閉位置にてタイロッド28に固定するため
の割ナットを利用したロック装置200、金型20,2
2の型閉位置にて型締力を発生させるための加圧機構3
00、加圧のために圧油を供給する油圧回路400およ
びその制御手段500が装備されている。そして、本実
施形態の型締装置では、型開閉装置100を電動駆動に
より行なわせ、型締を油圧によって行なわせるハイブリ
ッド構造としている。
【0016】以下の説明では、成形作業の手順にしたが
って、最初に型開閉装置100の説明をなし、プラテン
ロック装置200、加圧機構300を順に説明し、最後
に油圧回路400を説明する。
【0017】まず、型開閉装置100は電動駆動型ボー
ルねじ機構によって実現しており、これは次のように構
成されている。前記固定プラテン14に回転自在にボー
ルねじ部材102が取付支持されており、これがタイロ
ッド28と平行に配置されて可動プラテン18側に伸び
ている。該ボールねじ部材102の先端に対向する前記
可動プラテン18には、ボールねじ部材102が出入り
可能な貫通孔104が穿設されている。該貫通孔104
の開口部に形成された段付き部分には、前記ボールねじ
部材102のねじ部106に螺合するボールナット10
8がボルト止めされている。これによりボールねじ部材
102を固定プラテン14の定位置で回転駆動すること
により、ボールナット108とともに可動プラテン18
が固定プラテン14に対して接近離反移動することがで
きる。
【0018】このようなボールねじ機構はプラテン1
4,18の対角線上の2個所に配置され、同期をとって
回転駆動させるようにしている。このため、ボールねじ
部材102にプーリ110を取り付けておき、固定プラ
テン14に別途に取り付けられた型開閉駆動用のサーボ
モータ112からベルト114を引き回してプーリ11
0に巻き付けて回転させるようにしている。
【0019】こうすることにより、サーボモータ112
を作動してボールねじ部材102を回動させると、ボー
ルナット108のねじ作用により可動プラテン18はガ
イドシュー16と一体となって固定プラテン14に対し
遠近方向に進退し、可動プラテン18に取付けられた可
動金型22を固定金型20に対して開閉させることがで
きる。
【0020】次に、型閉の後、型閉位置を保持するべく
可動プラテン18をタイロッド28に固定保持するプラ
テンロック装置200を説明する。この装置は可動プラ
テン18の背面部におけるタイロッド28の貫通箇所に
設けられている。前記タイロッド28の中間部外周面に
は複数個のリング溝202が等間隔に刻設されており、
他方、可動プラテン18の背面部に割ナット204を前
記タイロッド28の半径方向に沿って移動するよう規制
されて可動プラテン18に取り付けている。割ナット2
04には前記リング溝202に係合可能な噛合歯が形成
されており、一対の割ナット204をタイロッド28を
挟み込むように移動させることにより、タイロッド28
のリング溝202に噛み合わせ、これによって可動プラ
テン18をタイロッド28に位置決め固定するものとし
ている。一対の割ナット204は図示しないナットシリ
ンダの駆動によりタイロッド28の半径方向に開閉移動
可能とされ、可動プラテン18および可動金型22を開
閉移動する時には一対の割ナット204を互いに分離す
るように開いてタイロッド28との係合を外して保持す
ると共に、型締力を負荷する時には一対の割ナット20
4を閉じ込み移動させて噛合歯をタイロッド28のリン
グ溝202に噛合させることにより、可動プラテン18
とタイロッド28とを係合位置に保持するようにしてい
る。
【0021】ところで、上記プラテンロック装置200
において、タイロッド28におけるリング溝202と割
ナット204における噛合歯とのピッチは同一となって
いるが、可動金型22が固定金型20に接触した状態に
おいて、リング溝202の位置が割ナット204の噛合
歯に噛合する適正な位置に一致していなければ、可動プ
ラテン18とタイロッド28とを係合状態に保持するこ
とができない。このため、金型を交換した際には、成形
に先立って金型厚さ(ダイハイト)に応じて噛合い位置に
調整する、いわゆるダイハイト調整が必要となる。
【0022】この実施形態では、一対の割ナット204
のユニットをタイロッド28の軸方向に沿って移動でき
るように可動プラテン18に取り付けておき、可動プラ
テン18と割ナットユニットとの間に介在され、楔作用
により厚さを変更できるようにしたダイハイト調整機構
206を設けている。すなわち、互いに斜面接合する固
定ウェッジ208と可動ウェッジ210を可動プラテン
18と割ナットユニットとの間に介在させ、両ウェッジ
208,210の合計厚さにより可動プラテン18に対
して割ナットユニットの位置が変更できるようにしてい
る。固定ウェッジ208を割ナットユニット側に取り付
け、一方、可動ウェッジ210をタイロッド28の半径
方向に沿って可動にし、固定ウェッジ208に対してア
リ溝結合などにより両ウェッジ208,210を連結し
た状態で、当該可動ウェッジ210を可動プラテン18
と固定ウェッジ208との隙間に出入操作できるように
取り付けている。このようにすることで固定ウェッジ2
08と可動ウェッジ210の接合厚さを可変とし、割ナ
ットユニットをタイロッド28の軸方向に移動調整でき
るようにしている。したがって、単に可動ウェッジ21
0をタイロッド28の半径方向に移動操作することによ
って割ナットユニットと可動プラテン18との間の距離
を可変としているのである。これによりウェッジ210
の単純な出入操作により噛合い位置調整ができ、ダイハ
イト変更に簡単に追従させることができる。
【0023】次に、本発明の特徴的な部分である型締装
置に型締力を発生させる加圧機構300の構成を以下に
説明する。図1に示されているように、前記固定プラテ
ン14はマシンベース12に直接固定されるプラテン本
体302と、固定金型20が取り付けられる加圧プレー
ト304とから構成され、加圧プレート304が型締ス
トロークの範囲でプラテン本体302から離反できるよ
うに設定されている。加圧プレート304は、その4隅
に穿設されたタイロッド穴に前記タイロッド28を貫通
させると共に、加圧プレート304における可動プラテ
ン18との対面部中央に固定金型20を取り付けるよう
にしている。さらに、図2に詳細を示しているように、
加圧プレート304の金型取付面側から穿設された段付
き貫通孔306が円周方向に沿って複数設けられ、この
貫通孔306に連結ボルト308を挿通してプラテン本
体302に螺着結合している。段付き貫通孔306の段
部と連結ボルト308の頭部との間には皿ばね310が
収納されており、該皿ばね310の作用によって通常は
前記加圧プレート304をプラテン本体302に接合状
態に保持し、型締作用力を発生させた場合に皿ばね31
0が撓んで加圧プレート304を型締ストローク分だけ
型締方向に移動させることができる。
【0024】前記加圧プレート304に型締作用を行な
わせるため、プラテン本体302に円環溝状のシリンダ
部312が形成され、加圧プレート304の対面部に開
口させている。実際には、図2〜3に示しているよう
に、射出装置進入用空間24(図1参照)を取り囲むよ
うに環状に形成されたシリンダブロック314をプラテ
ン本体302に結合一体化し、このシリンダブロック3
14にシリンダ部312を形成している。シリンダ部3
12には、その開口部分から出入可能にピストン316
を摺動可能に装着し、このピストン316の押圧作用に
より加圧プレート304に型締作用を行なわせるように
している。当該ピストン316は油圧により押出し移動
可能とされ、このためシリンダ部312の底部とピスト
ン316で囲まれる油圧室となる空間内には作動油の給
排により膨張収縮する袋体(以下ブラダという)318
を収容して前記ピストン316を押出し可能としてい
る。このブラダ318は耐油性のゴム材料、例えばOリ
ング材料として用いられるニトリルゴムなどの伸縮性材
料から形成し、油圧室となる空間内に隙間なく収納さ
れ、後述する油圧回路400により加圧・制御させた作
動油を当該ブラダ318の内部に給排させて膨張収縮を
なすことで前記ピストン316を出入させるように構成
されている。
【0025】ところで、上述型締装置の如く、金型2
0,22を水平方向に型締をなすようにブラダ318を
用い、このブラダ318により密閉された空間内部に作
動油を給排させて加圧力を発生させる場合には、ブラダ
318内に作動油を封入する際には完全に空気を抜き去
らなければ型締力が適確に作用せず、固定された閉鎖空
間の体積に合わせて作動液が封入されるブラダ318を
形成することは極めて困難であるとともに、ブラダを変
形させるために袋破損による作動液が漏出してしまう可
能性があり、型締力を大きくすることができない。
【0026】そこで、本実施形態では、ブラダ318に
当該ブラダ318の内部形状と同等な形状を有する入子
320を内蔵させ、前記ブラダ318の開口縁部を前記
入子320とシリンダ部312側との間で圧着して固定
し、前記入子320に形成した油圧通路322を通じて
ブラダ318に圧油を供給可能としたのである。
【0027】図4〜図5はブラダ318を組み込んだ加
圧機構300の詳細図であり、図4は作動油の供給前の
非加圧状態を、図5は作動油を供給した加圧状態を示し
ている。シリンダブロック314に形成されたシリンダ
部312の開口側にピストン316が嵌入され、このピ
ストン316の背面部空間内にはシリンダブロック31
4に締付ボルト324によって固定された入子320を
収容している。入子320は前記空間の体積の殆どを占
有する形状とされ、前記空間内壁面に沿う断面形状がほ
ぼC型の薄い隙間を形成している。そして、このC型断
面隙間を埋める肉厚のゴム材料によって形成されたブラ
ダ318が前記入子320の外周面に装着され、入子3
20とシリンダ部312とにより固定されている。
【0028】前記ブラダ318と入子320の外観を図
6〜図7に示す。図6に示しているように、ブラダ31
8は射出装置進入用空間24(図1参照)の周囲を囲繞
するように全体として円環状に形成されている。これは
ピストン316に直接圧接されるピストン当接部326
と、その内周縁と外周縁から直交するように折り返され
てシリンダ部312壁面と接触可能な内周面部328、
外周面部330とを有している。更に当該内周面部32
8、外周面部330の各端縁から内向きにピストン当接
部326と平行に折り返された一対の耳片部332が設
けられ、対向する耳片部332の間を開口させ、この開
口から入子320を装着できるようにしている。
【0029】また、図7に示しているように、前記入子
320は、ピストン当接部326、内周面部328、外
周面部330、および耳片部332によって囲まれるブ
ラダ自由形状における空間体積をもつ入子本体334を
有し、ブラダ318の開口部から突出してシリンダブロ
ック314への取付面を形成する凸条部336が設けら
れている。したがって、入子320は全体として凸形断
面のリング形状とされている。このような入子332は
ブラダ318の内部に挿入され密着状態とされている
が、ブラダ318のピストン当接部326内面に向けて
凸条部336から穿設された油圧通路322が開口され
ている。この油圧通路322は図7に示すように、環状
入子320の円周線に沿って適宜間隔で複数設けられて
いる(図示の例は4個所)。この油圧通路322を通じ
て圧油を供給することによりブラダ318を膨張させる
ことができる。
【0030】入子320を内蔵したブラダ318はシリ
ンダ部312の底部に固定されるが、図4〜図5に示し
ているように、シリンダ部312の底部には受入凹部3
40が形成され、ここに入子320の凸条部336を嵌
合して締付ボルト324によって固定し、凸条部336
の両側の段部にてブラダ318の耳片部332を挟着
し、ブラダ318の内部が密閉空間となるようにしてい
る。入子320とシリンダ部312の底部との間に挟着
されるブラダ耳片部332の表裏面には、図6に一部を
示すように、耳片部332と十字状に直交するように形
成された突起部344が一体に設けられ、一方、これを
挟着する入子320側に前記突起部344を受け入れる
係合溝346が形成され(図7)、同様に、シリンダ部
312の底部にも係合溝348が形成されている(図4
参照)。これによって圧油が供給されるブラダ318が
入子320から抜け出ることを防止している。また、締
付ボルト324による締め代はブラダ耳片部332の肉
厚より小さくなるようにして、締付部での油圧シール機
能を持たせている。
【0031】このように入子320を内蔵するブラダ3
18は、図4に示すようにシリンダ部312内に取り付
けられる。ブラダ318のピストン当接部326の内面
部分に圧油を供給することにより、ブラダ318がシリ
ンダ部312内で膨張し、図5に示されるように、ピス
トン当接部326が前進してピストン316を押出すこ
とができる。前述した油圧通路322を通じて圧油が供
給されるが、これは図4〜5に示しているように、シリ
ンダブロック314の受入凹部340に環状油路350
を形成し、あるいは図2〜3に示すようにブラダ318
のピストン当接部326に対面している入子本体334
の表面に環状油路352を形成し、複数の油圧通路32
2の連通を図っておく。そして、図3に示すように、シ
リンダブロック314に形成した供給油路354を通じ
て圧油を導入する。供給油路354は後述する油圧回路
400に接続される。また、図2に示しているように、
少なくとも、シリンダブロック314の上部側には、近
傍油圧通路338に連通する空気抜き通路356を設
け、初期の油圧導入に際しての空気抜きをここで行なう
ようにし、初期圧油導入後は空気抜き通路356に施栓
するようにしている。
【0032】また、この実施形態では、図4に示すよう
に、シリンダ部312に内挿されたピストン316に
は、前記ブラダ318のピストン当接部326の内外縁
コーナに対面する周縁にそれぞれ切欠段部358、36
0を形成し、この切欠段部358、360に柔軟性材
料、例えば繊維材料を編み込んで形成されたピストンリ
ング362、364を装着し、これにてブラダ318の
内外周縁からの押出し圧力を受けるようにしている。膨
張収縮を繰り返すゴム製ブラダ318はそのコーナ部分
での劣化が激しく、直接ピストン316で受圧してシリ
ンダ壁面を摺動すると破損する虞がある。柔軟性のある
上記繊維編み込みピストンリング362、364でブラ
ダコーナ部分を受けることにより、ブラダ318の劣
化、破損を大幅に軽減することができる。
【0033】また、この実施形態では、図3に示すよう
に、シリンダ部312の特にピストン316の摺動面部
分に油漏洩検査油路366を設けており、ブラダ318
の破損により漏出した油がこの検査油路366を通じて
検出されるため、早期発見が可能となっている。
【0034】なお、上記ブラダ318は射出装置進入用
空間24の存在により円環状とされている例を示した
が、小型の円盤ブラダとして射出装置進入用空間24の
周囲に複数配置するように構成してもよい。もちろん射
出装置進入用空間24などの障害構造物がない場合に
は、図8に示されるように、大型円盤ブラダ318A構
造として固定プラテンの中央前面に配置することも可能
である。
【0035】次に、上述加圧機構300に圧油を供給す
るための油圧回路400を図9を参照して説明する。図
示のように、この油圧回路400は正逆回転駆動可能な
モータ402によって作動するトルク一定制御が可能な
可変ピストンポンプ手段によって圧油をブラダ318に
供給するようにしている。実施形態では可変ピストンポ
ンプ手段として斜板ポンプ404により構成している
が、斜軸ポンプを利用することもできる。前記斜板ポン
プ404の圧油供給油路406が加圧機構300の供給
油路354に接続され、途中に介装した第1ソレノイド
バルブ408の開閉作用により圧油の供給路を開閉でき
るようにしている。前記第1ソレノイドバルブ408の
出口側にはタンク410への第2ソレノイドバルブ41
2を介装した戻り油路414が接続され、第2ソレノイ
ドバルブ412を開閉させることによりブラダ318と
タンク410との流路を遮断開放させることができるよ
うにしている。第1ソレノイドバルブ408は常閉バル
ブ構造とされ、第2ソレノイドバルブ412は常開バル
ブ構造とされている。また、第2ソレノイドバルブ41
2に並列にリリーフバルブ416が設けられ、射出圧に
よりブラダ318の内圧が異常に昇圧した状態となった
ときにブラダ318の圧力をタンク410側に開放でき
るようにしている。
【0036】前記斜板ポンプ404はトルク一定制御の
ために、ポンプ出口圧が昇圧したときに斜板角を自動的
に変更してトルクを調整できるように斜板角調整バルブ
418を内蔵している。図9の斜板ポンプ404部分に
おいて、420は斜板角調整バルブ418と並列配置さ
れたリリーフバルブ、422は斜板角をメカニカルに検
出して斜板角調整バルブ418の作動バランスを調整す
るバランス調整バルブである。
【0037】このような構成の油圧回路400は制御手
段500(図1参照)により、前記ブラダ318へ圧油
を供給して型締力を発生するが、この昇圧のための制御
フローを図10に示す。図示のように、型締開始条件が
整ったときに、最初に第1、第2ソレノイドバルブ40
8(SOLD1)、412(SOLD2)をONにする
(ステップ1100)。これによって圧油供給油路40
6はブラダ318に連通される。モータ402を正転し
てポンプ吐出状態となすことにより(ステップ110
2)、圧油がブラダ318に充填され、加圧プレート3
04が押圧されて型締を開始する。圧力センサ424
(PP1)が第1ソレノイドバルブ408の出口に配置
され、ブラダ318の圧力を監視するようにしている
(ステップ1104)。このセンサ424によりブラダ
圧が設定型締圧に達したことを受けて(ステップ110
6)、第1ソレノイドバルブ408をOFFとして油路
を遮断し、ブラダ318側の圧力経路を遮断するととも
に、モータ402を停止し斜板ポンプ404による供給
を停止する(ステップ1108)。これによって型締が
完了し、この後に射出成形がなされる。ブラダ318側
の圧力経路を遮断した後、今度はモータ402を逆転操
作することによって、第1ソレノイドバルブ408より
上流(ポンプ側)の油路からの吸込動作を行なわせる
(ステップ1110)。そして、第1ソレノイドバルブ
408の入口側にはポンプ出口圧を検出する圧力センサ
426により、ポンプ出口圧が監視され(ステップ11
11)、この圧力がゼロとなったことを検知した後(ス
テップ1112)、モータ402を停止させるようにし
ている(ステップ1114)。
【0038】また、成形作業の終了後は、ブラダ318
の降圧処理を行なうが、この降圧のための制御フローを
図11に示す。成形作業の終了直後は、第1ソレノイド
バルブ408が閉止され、ブラダ318側の圧力経路を
遮断された状態にあるが、この状態から降圧作業に入
る。まず、最初に第1ソレノイドバルブ408の前後で
圧力が異なるため、急激に開放してタンク410に圧油
を戻すとキャビテーションによる振動や油温上昇による
不具合を発生する。そこで、最初にモータ402を正転
してブラダ318の圧力まで上昇させるようにしている
(ステップ1200)。第1ソレノイドバルブ408の
前後圧力を圧力センサ424(PP1)、426(PP
2)で監視し、両圧力が等しくなったことを確認して
(ステップ1202)、第1、第2ソレノイドバルブ4
08をONにする(ステップ1204)。これによって
圧油供給油路406はブラダ318側と連通状態とされ
る。その後、モータ402を逆転駆動しポンプ吸込状態
となすようにしている(ステップ1206)。これによ
り、ブラダ318に供給された作動油が斜板ポンプ40
4を通じてタンク410に戻され、急激な圧力変動によ
るキャビテーションの発生を抑制し、油温の上昇をモー
タ402の回生抵抗により吸収することができる。ブラ
ダ318側の圧力がタンク410に開放しても支障のな
い圧力まで低下したことを、例えば設定圧1MPaより
も低下したか否かでチェックし(ステップ1208)、
モータ402を停止させると同時に(ステップ121
0)、第2ソレノイドバルブ412をOFF状態に切り
替えるとともに(ステップ1212)、第1ソレノイド
バルブ408をOFFとして(ステップ1214)、ブ
ラダ318をタンク410に連通させ、残りの作動油を
タンク410に戻すのである。
【0039】なお、本実施形態では、上記油圧回路40
0にて、型締による成形処理を完了してブラダ318を
降圧した後に、金型20,22を離型する作業を前記斜
板ポンプ404を利用して行なわせるようにしている。
離型作業は型締力の15分の1程度の離型力を必要とす
るが、この離型力を前述した型開閉装置100によって
行なわせる。このため、前記ボールねじ部材102を軸
方向に移動させる油圧による離型シリンダ機構116が
設けられている。この離型シリンダ機構116は、図1
に模式的に示しているように、固定プラテン14に装備
されており、ピストンロッドをボールねじ部材102に
連結して、ボールねじ部材102を油圧力で強制的に可
動プラテン18側に押出すことで実行させている。ボー
ルねじ部材102を単純に軸方向に移動させると、ボー
ルナット108の作用により回転してしまうため、例え
ばスプライン機構により回転伝達を確保しつつ軸方向に
のみ移動できるように固定プラテン14側に取り付け支
持しつつ、図示しないが電磁ブレーキによって回転を阻
止するように構成されている。
【0040】このような構造の離型シリンダ機構116
を作動させるために、図9に示すように、油圧回路40
0のポンプ出口の圧油供給油路406から分岐してポン
プ圧を導入する第1分岐油路428と、タンク410側
に通じる戻り油路414から分岐された第2分岐油路4
30を設け、これらを4ポート3位置切換バルブからな
る方向制御バルブ432を介して離型シリンダ機構11
6のヘッド側油圧室118に通じる前進用油圧通路43
4とロッド側油圧室120に通じる後退用油圧通路43
6に接続している。したがって、前記方向制御バルブ4
32の切換操作により、離型シリンダ機構116へ斜板
ポンプ404により離型を行なわせ、引き続き可動プラ
テン18を固定プラテン14から離反させる型開操作に
連続して移行できるようにしている。
【0041】このように構成された実施形態に係る加圧
機構300とこれを備えた型締装置10の作用は次のよ
うになる。まず、型開状態から型開閉装置100を作動
させる。駆動用のサーボモータ112を駆動させてボー
ルねじ部材102を回転させることにより、可動プラテ
ン18側に取り付けてあるボールナット108が螺進
し、可動プラテン18を固定プラテン14側に移動させ
る。可動金型22が固定金型20に接触した時点でサー
ボモータ112の作動を停止させることにより型閉状態
となる。次いで、プラテンロック装置200を作動させ
る。これは型開閉の際に開放されている一対の割ナット
204をナットシリンダの駆動によりタイロッド28の
半径方向に閉じ移動させ、割ナット204の内周に形成
された噛合歯をタイロッド28の外周面に形成したリン
グ溝202に噛合させることにより、可動プラテン18
とタイロッド28とを係合状態に保持する。
【0042】このような型閉状態が完了した後に加圧機
構300を作動させるのである。最初に斜板ポンプ40
4と第1、第2ソレノイドバルブ408、412をON
して連通状態とし、ブラダ318に作動油を供給可能に
油圧経路を連通される。モータ402を正転してポンプ
吐出状態にして作動油をブラダ318に供給する。当初
内部に装填されている入子320と密着状態にあるブラ
ダ318の内部に油圧通路322を通じて作動油が充填
されると、ブラダ318のピストン当接部326以外の
部分は周囲の壁面に移動規制されているので、ブラダ3
18はピストン316側に膨張してピストン316を押
出し、加圧プレート304が押圧されて型締を開始す
る。圧力センサ424によりブラダ圧が設定型締圧に達
したことを受けて、ブラダ318側の圧力経路を遮断す
るとともに、モータ402を停止し斜板ポンプ404に
よる供給を停止する。これによって型締が完了し、この
後に射出成形がなされる。
【0043】一方、型開動作を行なう際には、先ず、ブ
ラダ318の内部に封入された作動油の圧力を漸次低下
させて型締力を低減させる。ブラダ318側の圧力経路
を遮断し封じ込めた状態から、封じ込め圧に達するまで
モータ402を正転して斜板ポンプ404から第1ソレ
ノイドバルブ408までの油路圧を昇圧し、その後に第
1ソレノイドバルブ408を開く。そして今度はモータ
402を逆転駆動し、ブラダ318に充填されている作
動油を斜板ポンプ404を通じてタンク410に戻し、
これによって封入された作動油の圧力を漸次低下させて
急激な圧力変動によるキャビテーションの発生を抑制
し、油温の上昇をモータ402の回生抵抗により吸収さ
せているのである。ブラダ318側の圧力がタンク41
0に開放しても支障のない圧力まで低下したならば、モ
ータ402を停止させ、今度は第1、第2ソレノイドバ
ルブ408、412を切り替え操作して、ブラダ318
をタンク410に連通させ、残りの作動油をタンク41
0に戻す。すると、加圧プレート304は皿ばね310
の復元力によりプラテン本体302側に引き戻され、加
圧プレート304およびピストン316の位置関係は自
動的に型締力作用前の位置関係に戻される。
【0044】続いて、型締状態から開放された金型2
0,22は結合状態にあり、これを離型させるにも型締
力の15分の1程度の比較的な大きな力が必要である。
この離型力は前述した型開閉装置100のボールねじ部
材102を用いて行なう。割ナット204を開放して可
動プラテン18とタイロッド28の結合を解いた後、ボ
ールねじ部材102を軸方向に移動させるように取り付
けられた離型シリンダ機構116に斜板ポンプ404か
ら吐出される作動油を導入させ、ボールねじ部材102
の回転を阻止した状態で油圧力で強制的に可動プラテン
18側に押出す。これにより離型が行なわれる。その後
に、ボールねじ部材102を原位置に復帰させ、サーボ
モータ112の逆転駆動により可動プラテン18が型開
限度位置まで移動されるのである。
【0045】このように実施形態に係る加圧機構と型締
装置では、ブラダ318内に封入された作動油の圧力を
制御するだけで型締力制御が行なえるので、油圧制御技
術を活用した高精度な型締力制御が可能となり、しか
も、型締装置10の固定プラテン14側にシリンダ部3
12を形成してブラダ318を収納するだけのシンプル
な加圧機構であるので、故障がなく耐久性に優れてい
る。ボールねじ電動駆動式の開閉機構とあいまって、射
出成形機やダイカスト成形機等の型締装置として好適
な、省エネ性と制御精度に優れクリーンなハイブリッド
型締装置が得られる。
【0046】特に、この実施形態では、固定プラテン1
4をプラテン本体302と加圧プレート304によって
構成しつつ、これらの間に密閉袋体であるブラダ318
への油圧導入により膨張収縮する作用でピストン316
を押出して型締をなすものとし、かつブラダ318内部
に当該ブラダ318の内部形状と同等な形状を有する入
子320を内蔵させた構成を採用している。入子320
とブラダ318とは非加圧状態では密着状態とされて入
子320に形成した油圧通路322の開口部がブラダ3
18により閉塞状態にある。この結果、作動油の使用油
量が極めて少なくできる利点がある。ブラダ318の容
積を埋めるだけの作動油は必要でなく、型締のための膨
張容積分だけ作動油を供給することで足りる。また、こ
の加圧機構300では、特に、型締のために作動油を供
給する際にブラダ318の内部に空気が残留することが
有効に防止される。すなわち、型締に先立って、油圧回
路400から作動油を供給すると、加圧機構300の下
位に位置する供給油路354から導入され、環状油路3
52を経由しつつこれに連通された複数の油圧通路32
2まで充填され、型締機構300の上位に形成されてい
る空気抜き通路356から油圧経路中の空気抜きが完全
に行われる。入子320に形成されている油圧通路32
2のブラダ318側開口部は当該ブラダ318により閉
塞されているので、油圧通路322の開口部より上位に
ブラダ318の膨張空間が形成可能であっても、初期作
動油の供給によってこのような箇所に空気溜りができな
いのである。斯かる状態で空気抜き通路356を閉塞す
ることにより、型締油圧経路中に気泡がなくなり、型締
作用を行なっても精度が高く応答性に優れた型締作用を
行なわせることができるのである。したがって、密閉袋
体としてのブラダ318を用いることにより金型20,
22の周囲へ作動油が漏れ出ることがなくなる利点を生
かしつつ、空気残留に伴う型締作用力が適正に作用しな
くなることを完全に防止できるのである。
【0047】実施形態では入子320に形成した油圧通
路322に直接連通するシリンダブロック314側に同
心的に形成した供給油路338部分は入子320側の油
圧通路322の直径より大きく形成して空気抜きが円滑
に行なわれるようにすればよい。
【0048】また、この実施形態では、ブラダ318の
耳片部332に突起部344を一体的に設け、これを入
子320とシリンダブロック314とに形成した係合溝
346、348に係合嵌着させて締め付け固定するよう
にしている。このため、高い油圧が作用してブラダ31
8が膨張しても、ブラダ318が入子320から離脱す
るようなことが阻止され、油漏れの発生がない。ブラダ
耳片部322は締付ボルト324によりブラダ耳片部3
32の肉厚より小さくなるように締め付けられて圧着さ
れているので、締付部での油圧シール機能が当該ブラダ
318自体によって行われ、別途に油圧シールを取り付
ける必要がない。
【0049】また、ブラダ318に押圧されるピストン
316には、ブラダ318のコーナ部分との対面部に切
欠段部358、360を形成し、この切欠段部358、
360に繊維材料からなるピストンリング362、36
4を装着している。柔軟性のある上記繊維編み込みピス
トンリング362、364でブラダコーナ部分を受ける
ことにより、ブラダ318の劣化、破損が大幅に軽減さ
れ、耐久性が向上している。
【0050】更に、シリンダ部312におけるピストン
摺動面に油漏洩検査油路366を設けて油漏れ検知をな
すようにしているため、ブラダ318の破損検出が可能
となり、加圧機構300からの油漏洩以前に対策を講じ
ることができる。これによって安全の高い型締装置10
とすることができる。
【0051】なお、上記実施形態では、加圧機構300
を型締装置10に適用した例を示しているが、これは液
圧作動によりピストンを押出して作用させる機構に適用
でき、例えば車両に適用されるディスクブレーキ装置で
はパッド加圧のために同様のピストンシリンダ機構を採
用する。液圧発生部分に入子320を内蔵したブラダ3
18を装着してブレーキ液圧を発生させるようにするこ
とができるのである。これによって油漏れ対策と同時
に、気泡残留を有効に防止し、高い安全性が要求される
ブレーキ作用を適確に発生させることができるのであ
る。このような装置以外に油圧によるピストン押圧作用
をなす装置に適用できるのはいうまでもない。
【0052】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、シリンダ
部とこれに内蔵されて出入り可能とされたピストンを具
備し、前記シリンダ部に作動油給排により膨張収縮する
袋体を収容して前記ピストンを押出し可能とし、この袋
体には当該袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を
内蔵させ、前記袋体の開口縁部を前記入子とシリンダ部
側との間で圧着して固定し、前記入子に形成した油圧通
路を通じて袋体に圧油を供給可能とした加圧機構と、こ
れを具備した型締装置としたので、加圧のために袋体に
作動油を供給充填するに際して空気抜きを完全に行なわ
せて有効な加圧作用による型締をなすことができ、同時
に十分な省エネ性を実現しつつ小型で大きな型締力を発
揮させることができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る加圧機構を有する型締
装置の縦断面図である。
【図2】型締装置の上位部分における加圧機構部分の断
面図である。
【図3】型締装置の下位部分における加圧機構部分の断
面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る加圧機構の非加圧状態
の拡大断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る加圧機構に作動油を供
給した加圧状態の拡大断面図である。
【図6】ブラダ(袋体)の部分断面斜視図である。
【図7】入子の部分断面斜視図である。
【図8】ブラダ(袋体)の他の実施形態の部分断面斜視
図である。
【図9】本発明の実施形態に係る型締装置の油圧回路で
ある。
【図10】加圧機構に型締力を発生させる昇圧制御のフ
ローチャートである。
【図11】加圧機構の降圧制御のフローチャートであ
る。
【符号の説明】
10………型締装置、12………マシンベース、14…
……固定プラテン、16………ガイドシュー、18……
…可動プラテン、20………固定金型、22………可動
金型、24………射出装置進入用空間、26………押出
し装置、28………タイロッド、100………型開閉装
置、102………ボールねじ部材、104………貫通
孔、106………ねじ部、108………ボールナット、
110………プーリ、112………サーボモータ、11
4………ベルト、116………離型シリンダ機構、11
8………ヘッド側油圧室、120………ロッド側油圧
室、200………プラテンロック装置、202………リ
ング溝、204………割ナット、206………ダイハイ
ト調整機構、208………固定ウェッジ、210………
可動ウェッジ、300………加圧機構、302………プ
ラテン本体、304………加圧プレート、306………
段付き貫通孔、308………連結ボルト、310………
皿ばね、312………シリンダ部、314………シリン
ダブロック、316………ピストン、318………袋体
(ブラダ)、318A………円盤ブラダ、320………
入子、322………油圧通路、324………締付ボル
ト、326………ピストン当接部、328………内周面
部、330………外周面部、332………耳片部、33
4………入子本体、336………凸条部、338………
油圧通路、340………受入凹部、344………突起
部、346………入子側係合溝、348………シリンダ
側係合溝、350………環状油路、352………環状油
路、354………供給油路、356………空気抜き通
路、358………切欠段部、360………切欠段部、3
62………ピストンリング、364………ピストンリン
グ、366………油漏洩検査油路、400………油圧回
路、402………モータ、404………斜板ポンプ、4
06………圧油供給油路、408………第1ソレノイド
バルブ、410………タンク、412………第2ソレノ
イドバルブ、414………戻り油路、416………リリ
ーフバルブ、418………斜板角調整バルブ、420…
……リリーフバルブ、422………バランス調整バル
ブ、424………ブラダ圧監視用圧力センサ、426…
……ポンプ出口圧監視用圧力センサ、428………第1
分岐油路、430………第2分岐油路、432………方
向制御バルブ、434………前進用油圧通路、436…
……後退用油圧通路、438………シーケンス制御バル
ブ、500………制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 CA11 CB01 CL12 CL22 CL39 CL48

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ部とこれに内蔵されて出入り可
    能とされたピストンを具備し、前記シリンダ部に作動油
    給排により膨張収縮する袋体を収容して前記ピストンを
    押出し可能とし、この袋体には当該袋体の内部形状と同
    等な形状を有する入子を内蔵させ、前記袋体の開口縁部
    を前記入子とシリンダ部側との間で圧着して固定し、前
    記入子に形成した油圧通路を通じて袋体に圧油を供給可
    能としてなることを特徴とする加圧機構。
  2. 【請求項2】 前記袋体に突起部を設けるとともに前記
    入子には前記突起部との係合溝を形成して固定すること
    により抜け止めをなしてなることを特徴とする請求項1
    に記載の加圧機構。
  3. 【請求項3】 前記袋体を押圧するピストンにおける袋
    体との対面部周縁に切欠段部を形成し、この切欠段部に
    柔軟性保護部材を装着して前記袋体の押付周縁部に対面
    させたことを特徴とする請求項1に記載の加圧機構。
  4. 【請求項4】 前記シリンダ部におけるピストン摺動面
    に油漏れ検知手段を設けて前記袋体の破損検出を可能と
    したことを特徴とする請求項1に記載の加圧機構。
  5. 【請求項5】 タイロッドにより連繋され金型が取付け
    られる固定プラテンまたは可動プラテンをプラテン本体
    と当該プラテン本体に対して少なくとも型締ストローク
    の範囲で接離可能に取付けられた加圧プレートとにより
    構成し、これらプラテン本体と加圧プレート間に型締用
    の加圧機構を備えた型締装置であって、前記加圧機構を
    シリンダ部に収容されて圧油が導入可能とされた袋体の
    膨張収縮によりピストンを押出し可能に形成した構成と
    するとともに、前記袋体の内部形状と同等な形状を有す
    る入子を当該袋体に内蔵させて固定し、前記入子に油圧
    通路を形成したことを特徴とする型締装置。
  6. 【請求項6】 タイロッドにより連繋され金型が取付け
    られる固定プラテンまたは可動プラテンをプラテン本体
    と当該プラテン本体に対して少なくとも型締ストローク
    の範囲で接離可能に取付けられた加圧プレートとにより
    構成し、これらプラテン本体と加圧プレート間に型締用
    の加圧機構を備えた型締装置であって、 前記加圧機構を前記プラテン本体に形成されたシリンダ
    部に摺動可能に装着されたピストンと、このピストンの
    背面部に圧油が給排可能とされ膨張収縮により前記ピス
    トンを押出し可能にした袋体とから構成し、 前記袋体の内部形状と同等な形状を有する入子を当該袋
    体に内蔵させ、前記袋体の開口縁部分を前記入子とプラ
    テン本体とにより圧着固定し、 この圧着固定部にて前記袋体に突起部を設けるとともに
    前記入子とプラテン本体には前記突起部との係合溝を形
    成して固定することにより抜け止めし、 前記入子には前記袋体内部へ圧油を供給する油圧通路を
    形成してなることを特徴とする型締装置。
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