JP4059205B2 - マイクロリレー - Google Patents

マイクロリレー Download PDF

Info

Publication number
JP4059205B2
JP4059205B2 JP2004018989A JP2004018989A JP4059205B2 JP 4059205 B2 JP4059205 B2 JP 4059205B2 JP 2004018989 A JP2004018989 A JP 2004018989A JP 2004018989 A JP2004018989 A JP 2004018989A JP 4059205 B2 JP4059205 B2 JP 4059205B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
armature
contact
magnetic
frame
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004018989A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005216554A (ja
Inventor
英樹 榎本
健 橋本
勉 下村
慎一 岸本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2004018989A priority Critical patent/JP4059205B2/ja
Publication of JP2005216554A publication Critical patent/JP2005216554A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4059205B2 publication Critical patent/JP4059205B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Micromachines (AREA)

Description

本発明は、少なくとも一部の構成要素が半導体微細加工技術を用いて形成されるマイクロリレーに関するものである。
従来から、小型のリレーとして、構成要素のうちの少なくとも一部を半導体微細加工技術により形成するマイクロリレーが提案されている。マイクロリレーでは、接点装置を開閉させる駆動力に、クーロン力を用いる静電駆動型のもののほか、電磁石装置を備え磁力を用いる電磁駆動型のものが知られている。電磁駆動型のマイクロリレーは、静電駆動型に比較すると同体積で大きな駆動力が得られる特長がある(たとえば、特許文献1参照)。
上述したように、電磁駆動型のマイクロリレーは、静電駆動型のマイクロリレーに比較すると、同体積で大きな駆動力が得られるものであるから、大きな接点圧を得ることができ耐衝撃性を比較的高くすることができる。また、アマチュアのストロークを大きくとることができるから、接点装置の開極時において可動接点と固定接点との距離を大きくすることができ、開極時における信号漏洩を低減して高周波特性を比較的高くすることができる。
特開平5−114347号公報
ところで、上述した電磁駆動型のマイクロリレーでは、半導体微細加工技術を用いてアマチュアを製造するために、アマチュアを、半導体材料からなる可動基板と、電磁石装置との間で磁力を作用させる磁性体材料からなる接極子板とにより形成している。接極子板は可動基板において電磁石装置に対向する片面にのみ積層され、しかもマイクロリレーでは電磁石装置と可動基板との対向面間の距離が全磁路長に対して大きく接極子板の厚み寸法は制限されているものであるから、接極子板を通る磁路の断面積が小さく磁気抵抗が大きいものである。すなわち、電磁駆動型では静電駆動型のものに比較するとアマチュアの駆動力を高めることができるものの、可動基板の片面にのみ接極子板を設けている従来構成では電磁石装置と接極子板との間に作用する吸引力をさらに高めるのは困難である。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、簡単な構成で電磁石装置とアマチュアとの間の吸引力を高めることができるマイクロリレーを提供することにある。
請求項1の発明は、コイルが巻装され両端部にそれぞれ脚片が延設されるとともに中間部に永久磁石の磁極が磁気結合されたヨークを備えケースに収納される電磁石装置と、ケースに固定される枠状のフレームを有するとともにフレームと一体であってフレームの内側に配置され電磁石装置との間に作用する磁力により規定の支点の回りでシーソ動作するアマチュアを有したアマチュアブロックと、ケースの定位置に設けた固定接点とアマチュアの端部の移動により固定接点に離接する可動接点とからなりアマチュアのシーソ動作により開閉する接点装置とを有し、アマチュアは、フレームと連続一体に形成される半導体材料からなる可動基板と、可動基板の厚み方向の各一面にそれぞれ積層され電磁石装置との間に磁力を作用させる磁性体材料からなる第1および第2の接極子板とを備え、前記第1の接極子板と前記第2の接極子板との間であって、前記永久磁石の一方の磁極に対向する部位と、前記ヨークの各脚片の先端面に対向する部位とにおいて、前記可動基板を貫通して前記第1の接極子板および前記第2の接極子板の間に磁気ギャップが形成されず磁気結合する磁気橋絡部が形成されて成ることを特徴とする。
この構成によれば、可動基板の両面にそれぞれ磁性体材料からなる接極子板を設けているから、磁路の磁気抵抗を低減することができ、電磁石装置とアマチュアとの間に作用する磁力を高めて吸引力を高めることができる。
しかも、磁気橋絡部により第1および第2の接極子板の間の磁気抵抗を低減することができるから、電磁石装置とアマチュアとの間の吸引力を磁気橋絡部を設けない場合よりもさらに高めることができる。
本発明の構成によれば、可動基板の両面にそれぞれ磁性体材料からなる接極子板を設けているから、可動基板の片面にのみ接極子板を設ける場合に比較すると、磁路の磁気抵抗を低減することができ、簡単な構成ながら電磁石装置とアマチュアとの間に作用する磁力を高めて吸引力を高めることができるという利点がある。すなわち、電磁石装置とアマチュアとの間の吸引力が高まることにより感動電圧を低減することができ、高感度のマイクロリレーを提供することができるという利点がある。しかも、磁気橋絡部により第1および第2の接極子板の間の磁気抵抗を低減することができるから、電磁石装置とアマチュアとの間の吸引力を磁気橋絡部を設けない場合よりもさらに高めることができる。
(参考例)
本構成のマイクロリレーは、図2に示すように、直方体状のケースAを有し、上方に開放されたコ字状のヨーク20に2個のコイル22を巻装した電磁石装置2と、電磁石装置2との間で作用する磁力によりシーソ動作する矩形板状のアマチュア30を備えたアマチュアブロック3と、ケースAの定位置に設けた固定接点14とアマチュア30の端部に設けた可動接点39とからなりアマチュアのシーソ動作により開閉する接点装置とを備える。
ケースAは、矩形板状のベース基板1と、アマチュアブロック3の一部であってアマチュア30の全周を囲む矩形枠状のフレーム31と、フレーム31を介してベース基板1に積層されベース基板1との間にアマチュア30がシーソ動作する空間を形成するカバー4とにより形成される。すなわち、フレーム31はケースAに固定される。また、カバー4はアマチュア30がシーソ動作する空間を確保するために、ベース基板1との対向面の略全面に、図9のような動作用凹所4aを形成してある。ベース基板1およびカバー4はパイレックス(登録商標)のような耐熱ガラスを用いて形成され、アマチュアブロック3は単結晶シリコンからなる半導体基板を用いて形成される。したがって、ベース基板1とフレーム31とカバー4とは互いの対向面にそれぞれ接合用金属薄膜15,38a,38b,42(図2、図6、図9参照)が形成され、接合用金属薄膜15,38a,38b,42を接合させることによって互いに固着される。接合用金属薄膜15,38a,38b,42については後述する。ベース基板1とフレーム31とカバー4とは外周形状が略同寸法の矩形状に形成されており、互いに接合することによって直方体状になる。
ベース基板1は、図4に示すように、平面視が十字状でありベース基板1の厚み方向に貫通する収納孔16を中央部に有し、円形に開口しベース基板1の厚み方向に貫通するスルーホール10を四隅にそれぞれ有している。また、ベース基板1の厚み方向の両面においてスルーホール10の開口周部にはそれぞれ円形のランド12(図3、図4参照)が形成される。1個のスルーホール10についてベース基板1の厚み方向の両面に形成される2個のランド12は、スルーホール10の内周面に被着した導電層を介して電気的に接続される。ベース基板1の厚み方向においてカバー4に対向しない面では、各ランド12にそれぞれバンプ13が固着され、スルーホール10の開口面がバンプ13により閉塞される。ベース基板1の厚み方向においてカバー4に対向する一面の長手方向の両端部では、ベース基板1の幅方向に並ぶ各一対のスルーホール10の間の部位に、ベース基板1の長手方向に延長された各一対の固定接点14が形成される。各ランド12は各固定接点14の長手方向の一端部と導電パターン18を介して接続され、各バンプ13が各固定接点14にそれぞれ一対一に接続される。また、ベース基板1のこの一面ではスルーホール10の開口面がそれぞれランド12を覆うシリコン薄板の蓋板19により閉塞される。つまり、スルーホール10の各開口面は、バンプ13と蓋板19とにより閉塞される。ここに、スルーホール10の内周面に被着した導電層と、ランド12、固定接点14、導電パターン18とを形成する導電性材料は、たとえば、Cu、Cr、Ti、Pt、Co、Ni、Au、もしくはこれらの合金から選択される。バンプ13を形成する導電性材料は、たとえば、Au,Ag,Cu,半田から選択される。
なお、スルーホール10と収納孔16とは、たとえば、サンドブラスト法、エッチング法から選択した方法により形成し、上述の導電層は、たとえば、めっき法、蒸着法、スパッタ法から選択した方法により形成する。
ところで、ベース基板1の厚み方向においてカバー4に対向する一面にはシリコン薄板からなり収納孔16を閉塞する蓋板17が固着されている。収納孔16の内周面と蓋板17とにより囲まれる空間は電磁石装置2を収納する収納室になり、収納室に電磁石装置2を収納した後に収納室にポッティングなどによって樹脂を充填することにより、電磁石装置2の保護と固定とがなされる。収納孔16に充填する樹脂には、硬化後にも弾性を持つシリコン樹脂などを用いるのが望ましい。収納孔16の内周面は、蓋板17により閉塞される一方の開口面から他方の開口面に向かって開口面積を拡げるテーパ状に形成されており、蓋板17で閉塞される一方の開口面の開口面積を比較的小さくしながらも、他方の開口面からの電磁石装置2の挿入作業が容易になるようにしてある。つまり、前記一方の開口面において収納孔16の周囲にはランド12のほか固定接点14や導電パターン18を形成する必要があるから、収納孔16の開口面積が小さいほうが固定接点14や導電パターン18の配置に余裕ができ、結果的に小型化につながる。
なお、蓋板17,19には、シリコン基板をエッチングまたは研磨により薄厚化することにより形成したシリコン薄板を用い、厚み寸法はたとえば20μmに設定される。なお、蓋板17の厚み寸法は20μmに限らず、5μm〜50μm程度の範囲内で適宜に設定される。また、蓋板17,19として、シリコン薄板に代えてガラス基板をエッチングや研磨などで薄厚化することにより形成したガラス薄板を用いてもよい。
電磁石装置2は、図5に示すように、2個のコイル22(図1、図2参照)が巻装される矩形板状のコイル巻片20aの長手方向の両端部にそれぞれ脚片20bを延設したコ字状のヨーク20を備える。コイル巻片20aおよび脚片20bは断面矩形状に形成される。各コイル22は、コイル巻片20aの長手方向の各端部にコイルボビンを用いずに直に巻装される。また、コイル巻片20aの長手方向の中央部であって両コイル22の間には直方体状の永久磁石21が配置される。各コイル22はそれぞれ、永久磁石21とヨーク20の脚片20bとによってコイル巻片20aの長手方向への移動が規制される。
永久磁石21は図5の上下方向に着磁されており、永久磁石21の下側の磁極はコイル巻片20aに磁気結合される。永久磁石21の上端面は脚片20bの上端面と高さ位置が等しく、蓋板17に脚片20bの先端面(図5の上端面)を当接させるように電磁石装置2を収納室(収納孔16)に収納すると、永久磁石21の一端面(図5の上端面)も蓋板17に当接する。
コイル巻片20aを介して永久磁石21の反対側にはプリント基板からなる接続基板23が配置され、接続基板23はコイル巻片20aに固着される。接続基板23は矩形板状であり、接続基板23の長手方向はコイル巻片20aの長手方向に直交する。接続基板23は、図3に示すように、絶縁基板23aの一面における長手方向の両端部にそれぞれ独立した導体パターン23bが形成されたものであり、各導体パターン23bのうちの円形部分に外部回路が接続され、矩形部分にコイル22の末端が接続される。外部回路を接続する部位には、Au、Ag、Cu、半田から選択した材料からなるバンプ24が固着される。
上述した2個のコイル22は接続基板23に設けた導体パターン23bのうちの矩形部分に接続され直列または並列に接続される。言い換えると、両コイル22の一方に通電すれば他方にも通電されるのであって、両コイル22はヨーク20の両脚片20bの先端面が互いに異極に励磁されるように接続されている。したがって、永久磁石21で生じている磁束に対して、一方のコイル22で生じる磁束は同向きになり、他方のコイル22で生じる磁束は逆向きになるから、一方の脚片20bの先端面の周囲では磁束密度が大きくなり、他方の脚片20bの先端面の周囲では磁束密度が小さくなる。どちらの脚片20bにおいて磁束密度を大きくするかは、コイル22に流す電流の向きにより選択される。
上述の例では接続基板23の導体パターン23bにバンプ24を固着しているが、バンプ24に代えてボンディングワイヤを接続するための電極パッドを設けてもよい。なお、ヨーク20は、電磁軟鉄のような軟磁性材料の板材を曲げ加工するか、軟磁性材料を鋳造加工するか、プレス加工することにより形成される。
アマチュアブロック3は、単結晶シリコンのシリコン基板からなる半導体基板を半導体微細加工技術で加工することによって形成されるものであり、図6および図7に示すように、矩形枠状のフレーム31の内側に矩形板状のアマチュア30を配置してある。アマチュア30は、図1、図7に示すように、半導体基板から形成された可動基板30aと、可動基板30aの厚み方向のうちベース基板1に設けた蓋板17と対向する一面に積層され電磁石装置2との間で磁力が生じる磁性体材料からなる接極子板30bと、可動基板30aの厚み方向のうちカバー4の内底面と対向する一面に積層され電磁石装置2との間で磁力が生じる磁性体材料からなる接極子板30cとで形成される。要するに、可動基板30aの厚み方向の各面にそれぞれ接極子板30b,30cが積層される。両接極子板30b,30cは同寸法を想定しているが、厚み寸法については異なっていてもよい。接極子板30b,30cの材料は、Fe、Co、Ni、その合金、または、これらの材料に微量のSi、Mo、Vなどを添加した材料であって、たとえば軟鉄、電磁ステンレス、パーマロイ、42アロイ、パーメンジュールなどから選択される。また、接極子板30b,30cは機械加工のほか、エッチング加工やメッキにより形成することができる。フレーム31と可動基板30aとは4本の支持ばね32により一体に連結される。支持ばね32については後述する。
ところで、接極子板30bは電磁石装置2に対して蓋板17を介して対向しており、接極子板30bにバリがあるとアマチュア30がシーソ動作する際にバリが蓋板17に接触することで動作特性が変化することがあるから、接極子板30bにバリが生じることは望ましくない。したがって、接極子板30b,30cは、エッチング加工により形成することが望ましく、エッチング加工により接極子板30b,30cを形成すれば周部にバリが発生するのを防止することができる。なお、接極子板30b,30cをエッチング加工により形成した後、接極子板30b,30cの材料を融解する適宜の酸に接極子板30b,30cを所定時間浸漬するか、あるいは接極子板30b,30cにバレル研磨のような研磨を施すことによって、バリを除去するとともに、図8に示すように、R加工ないしC加工を施せば、接極子板30b,30cの周面におけるバリを除去して、エッチング加工のみを行う場合よりもさらにバリを減らすことができる。
可動基板30aの長手方向に沿った各側縁の両端部および各側縁の中央部には、それぞれ突片33,36が突設される。各突片33において蓋板17との対向面には先細りになった四角錐台状のストッパ突起33aが突設され、各突片36において蓋板17との対向面には先細りになった四角錐台状の支点突起36bが突設される。支点突起36bの先端はつねに蓋板17に当接し、アマチュア30がシーソ動作する際の支点を規定する機能を有する。また、ストッパ突起33aの先端はアマチュア30がシーソ動作したときにベース基板1またはベース基板1に固着した部材に先端が当接することによってアマチュア30の移動範囲を規制する機能を有する。なお、ストッパ突起33aおよび支点突起36bは四角錐台状にかぎらず四角柱状でもよい。
各支持ばね32は可動基板30aと略同面内で可動基板30aの幅方向に往復する蛇行状に形成してあり、一端部が可動基板30aに連続し他端部がフレーム31に連続する。すなわち、可動基板30aの長手方向に沿った各側縁において突片36の両側にそれぞれ支持ばね32の一端が連続し、支持ばね32の前記一端に対して可動基板30aの幅方向に離間した部位でフレーム31に支持ばね32の他端が連続する。支持ばね32は、アマチュア30が上述した支点の回りでシーソ動作すると復帰力を生じさせる。また、復帰ばね32を蛇行状に形成することにより長さ寸法を確保しているから、アマチュア30がシーソ動作する際に支持ばね32に生じる応力を分散させることができ、支持ばね32の破損を防止することができる。
上述したように、ベース基板1にフレーム31が接合され、かつ支点突起36bの先端が蓋板17に当接した状態でアマチュア30がシーソ動作するのであるから、当然ながら可動基板30aはフレーム31よりも薄肉であり、アマチュア30の厚み寸法は、アマチュアブロック3とベース基板1とを固着した状態において、アマチュア30に設けた接極子板30bと蓋板17との間にアマチュア30のシーソ動作が可能となる程度のギャップが形成されるように設定されている。
ところで、フレーム31の内周面であって可動基板30aの各側縁に突設された突片36の先端縁に対向する部位には、フレーム31から連続一体に突片37が突設されている。すなわち、可動基板30aに突設した突片36とフレーム31に突設した突片37とは互いの先端面同士が対向する。可動基板30a側の各突片36の先端縁には平面視で先端縁から凹没する移動規制突部36aが形成され、フレーム31側の各突片37の先端縁には平面視で先端縁から凹没して移動規制突部36aが入る移動規制凹部37aが形成される。したがって、移動規制突部36aが移動規制凹部37aにより位置規制され、フレーム31の厚み方向に直交する面内におけるアマチュア30の移動が規制される。なお、移動規制凹部37aと移動規制突部36aとの間にはあそびがあり、アマチュア30のシーソ動作が移動規制突部36aおよび移動規制凹部37aによって妨げられることはない。
アマチュアブロック3には、アマチュア30の長手方向における各端縁とフレーム31との間にそれぞれ可動接点基台34が設けられる。各可動接点基台34におけるベース基板1との対向面(図2における下面)はアマチュア30の下面よりも下方に突出し、各可動接点基台34の下面には、それぞれ導電性材料からなる可動接点39が固着される。可動接点基台34の厚み寸法(上下寸法)と可動接点39の厚み寸法との合計寸法は、接点装置の開極時に可動接点39と固定接点14との間の距離が所望の絶縁距離を保つように設定される。
各可動接点基台34はそれぞれ2本の接圧ばね35を介して可動基板30aに連結されている。すなわち、1つの可動接点基台34の各側縁にそれぞれ接圧ばね35の一端部が一体に連続し、1つの可動接点基台34に連続する各接圧ばね35の他端部は可動基板30aの長手方向の端部における各側縁にそれぞれ一体に連続する。上述したように、可動基板30aの四隅には突片33が突設されているから、接圧ばね35は突片33を迂回する形状(図示例では平面視でJ字状)に形成されている。
上述の説明から明らかなように、アマチュアブロック3を構成する要素のうち、フレーム31、可動基板30a、支持ばね32、可動接点基台34、接圧ばね部35は、半導体基板から半導体微細加工技術によって形成される。半導体基板としては、厚み寸法が50μm〜300μm程度の厚み寸法、望ましくは200μm程度の厚み寸法のシリコン基板を用いる。
アマチュアブロック3のフレーム31は、ベース基板1およびカバー4と接続する必要があるから、アマチュアブロック3のフレーム31において、ベース基板1との対向面の周部には全周に亘って接合用金属薄膜38bが形成され、カバー4との対向面の周部には全周に亘って接合用金属薄膜38aが形成される。また、ベース基板1におけるアマチュアブロック3との対向面の周部には接合用金属薄膜38bに接合される接合用金属薄膜15が全周に亘って形成され、カバー4におけるアマチュアブロック3との対向面の周部には接合用金属薄膜38aに接合される接合用金属薄膜42が全周に亘って形成される。したがって、接合用金属薄膜38bと接合用金属薄膜15とを接合するとともに、接合用金属薄膜38aと接合用金属薄膜42とを接合することによって、ベース基板1とアマチュアブロック3とカバー4とを圧接または陽極接合により気密的に接合することができ、しかも収納孔16およびスルーホール10を蓋板17,19で閉塞しているから、ベース基板1とカバー4とフレーム31とにより囲まれアマチュア30および接点装置(固定接点14と可動接点39)が収納される空間を気密的に封止することができる。なお、接合用金属薄膜15,38a,38b,42の材料は、Au、Al−Si、Al−Cuから選択される。
次に、上述したマイクロリレーの動作を説明する。本構成のマイクロリレーは、2個のコイル22を備えているが、両コイル22は直列または並列に接続されているから1個のコイルを設けている場合と等価である。図9に示すように、アマチュア30に設けた接極子板30bは、長手方向の中央部において永久磁石21の一方の磁極に蓋板17を介して対向し、長手方向の両端部においてヨーク20の各脚片20bの先端面に蓋板17を介して対向している。コイル22に通電すると、コイル22により生じた磁束は、ヨーク20の一方の脚片20bでは永久磁石21により生じている磁束と同じ向きになり、他方の脚片20bでは永久磁石21により生じている磁束と逆向きになるから、前記一方の脚片20bの先端面と接極子板30b,30cとの間に吸引力が作用し、接極子板30b,30cの長手方向の端部が前記一方の脚片20bの先端面に吸引される。つまり、両支点突起36bの先端間を結ぶ直線付近を支点としてアマチュア30が傾く。このとき、アマチュア30の長手方向の各端部に対応する部位に設けた可動接点基台34のうちヨーク20の脚片20bからの吸引力を受けた一端部側の可動接点基台34がベース基板1に近付くから、この可動接点基台34に設けた可動接点39が対向する一対の固定接点14に接触し、両固定接点14間を可動接点39で短絡する。
可動接点39が固定接点14に接触した時点ではストッパ突起33aの先端はベース基板1(またはベース基板1に固着した蓋板19)には当接せず、アマチュア30がさらに傾くことによって接圧ばね35が撓み、可動接点39と固定接点14との間にオーバトラベル量(可動接点39が固定接点14に接触した後のアマチュア30の移動量)に応じた接点圧が生じる。その後、ストッパ突起33aの先端がベース基板1または蓋板19に当接してアマチュア30の移動が規制される。この状態でコイル22への通電を停止しても、永久磁石21によって接極子板30b,30cは脚片20bに吸引された状態に保たれ、可動接点39が固定接点14に接触した状態が維持される。ここにおいて、可動基板30aの表裏両面に接極子板30b,30cを設けたことによって、可動基板30aの片面にのみで接極子板30bを設けていた従来構成に比較すると、磁路の断面積を大きくして磁気抵抗を低減することができ、結果的に電磁石装置2とアマチュア30との間に作用する吸引力を高めることができる。換言すれば、アマチュア30が高感度で動作するから感動電圧を低減することができる。
アマチュア30の長手方向の一方の可動接点39を対応する固定接点14から開極させるには、コイル22に対して上述した向きとは逆向きの電流を通電する。コイル22に通電する電流の向きが逆になれば、コイル22により生じた磁束は、ヨーク20の他方の脚片20bで永久磁石21により生じている磁束を同じ向きになるから、他方の脚片20bに接極子板30b,30cが吸引され、アマチュア30の長手方向の他端部に対応する可動接点基台34に設けた可動接点39が対向する一対の固定接点14に接触する。この場合も、接圧ばね35により接点圧が生じ、ストッパ突起33aによりアマチュア30の移動が規制される。また、本構成は双安定に動作するものであって、この位置でも永久磁石21の磁力により接極子板30b,30cが他方の脚片20bに吸引された状態に保たれ、可動接点39が固定接点14に接触した状態が維持される。
上述したマイクロリレーをプリント基板のような実装基板に実装する際には、ケースA(ベース基板1)の外側面に露出している四隅の4個のバンプ13と中央部の2個のバンプ24とをそれぞれ実装基板に形成した導体パターンに接続すればよい。あるいはまた、実装基板にカバー4の先端面を当接させた形でケースAを実装基板に固定し、ケースAから露出しているバンプ13,24を実装基板に対してワイヤボンディングにより接続することも可能である。
なお、本構成では、ベース基板1およびカバー4をそれぞれガラス基板の加工により形成しているが、ベース基板1とカバー4との一方あるいは両方をシリコン基板の加工により形成してもよい。ただし、ベース基板1およびカバー4をそれぞれガラス基板で形成し、アマチュアブロック3に用いる半導体基板をシリコン基板とする場合には、アマチュアブロック3とベース基板1およびカバー4とを陽極接合によって気密的に接合することが可能であるから、接合用金属薄膜15,38a,38b,42を省略することが可能である。上述したマイクロリレーは、アマチュアブロック3を多数形成したウェハと、ベース基板1を多数形成したウェハと、カバー4を多数形成したウェハとの接合後に、ダイシング工程などによって個々のマイクロリレーに分割して製造することが可能である。
実施形態
参考例では、可動基板30aの厚み方向の両面にそれぞれ接極子板30b,30cを積層することによって磁路の断面積を大きくしているが、接極子板30b,30cの間には非磁性体である可動基板30aが介在しているから、接極子板30b,30cの間には磁気ギャップが存在しており、この部位では磁気抵抗が増加することになる。そこで、本実施形態では、磁気抵抗をさらに低減するために、図10に示すように、両接極子板30b,接極子板30cの間であって、電磁石装置2により形成される磁束が通る部位、すなわち、永久磁石21の一方の磁極に対向する部位と、各脚片20bの先端面に対向する部位とにおいて、両接極子板30b,30cの間を磁気結合する磁気橋絡部30dを設けている。磁気橋絡部30dは、いずれか一方の接極子板30b,30cと連続一体に設けるのが望ましく、図示例では接極子板30bに連続一体に突設してある。可動基板30aにおいて磁気橋絡部30dが通る部位は貫通しており、この部位において両接極子板30b,30cは溶接あるいはメッキにより互いに接合される。このように、両接極子板30b,30cが磁気橋絡部30dにおいて接合され、しかも両接極子板30b,30cの間に可動基板30aが挟装されることによって、接極子板30b,30cと可動基板30aとの結合強度を高めることができる。また、本実施形態の構成では、磁気橋絡部30dを設けたことによって、両接極子板30b,30cの間に磁気ギャップが形成されず、参考例の構成よりも吸引力を高めることができる。他の構成および動作は参考例と同様である。
参考例を示す断面図である。 同上の分解斜視図である。 同上の斜視図である。 同上に用いるベース基板および蓋板を示す分解斜視図である。 同上に用いるヨークと永久磁石と蓋板との関係を示す側面図である。 同上に用いるアマチュアブロックを示し、(a)は平面図、(b)は下面図である。 同上に用いるアマチュアブロックを示す分解斜視図である。 同上に用いる接極子板を示す側面図である。 同上に用いるカバーを示す斜視図である。 本発明の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
2 電磁石装置
3 アマチュアブロック
14 固定接点
20 ヨーク
22 コイル
30 アマチュア
30a 可動基板
30b 接極子板
30c 接極子板
30d 磁気橋絡部
31 フレーム
36b 支点突起
39 可動接点
A ケース

Claims (1)

  1. コイルが巻装され両端部にそれぞれ脚片が延設されるとともに中間部に永久磁石の磁極が磁気結合されたヨークを備えケースに収納される電磁石装置と、ケースに固定される枠状のフレームを有するとともにフレームと一体であってフレームの内側に配置され電磁石装置との間に作用する磁力により規定の支点の回りでシーソ動作するアマチュアを有したアマチュアブロックと、ケースの定位置に設けた固定接点とアマチュアの端部の移動により固定接点に離接する可動接点とからなりアマチュアのシーソ動作により開閉する接点装置とを有し、アマチュアは、フレームと連続一体に形成される半導体材料からなる可動基板と、可動基板の厚み方向の各一面にそれぞれ積層され電磁石装置との間に磁力を作用させる磁性体材料からなる第1および第2の接極子板とを備え、前記第1の接極子板と前記第2の接極子板との間であって、前記永久磁石の一方の磁極に対向する部位と、前記ヨークの各脚片の先端面に対向する部位とにおいて、前記可動基板を貫通して前記第1の接極子板および前記第2の接極子板の間に磁気ギャップが形成されず磁気結合する磁気橋絡部が形成されて成ることを特徴とするマイクロリレー。
JP2004018989A 2004-01-27 2004-01-27 マイクロリレー Expired - Fee Related JP4059205B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004018989A JP4059205B2 (ja) 2004-01-27 2004-01-27 マイクロリレー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004018989A JP4059205B2 (ja) 2004-01-27 2004-01-27 マイクロリレー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005216554A JP2005216554A (ja) 2005-08-11
JP4059205B2 true JP4059205B2 (ja) 2008-03-12

Family

ID=34903341

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004018989A Expired - Fee Related JP4059205B2 (ja) 2004-01-27 2004-01-27 マイクロリレー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4059205B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005216554A (ja) 2005-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4183008B2 (ja) マイクロリレー
US7482900B2 (en) Micro relay
JP4222320B2 (ja) マイクロリレー
JP4059203B2 (ja) マイクロリレー
JP4265542B2 (ja) マイクロリレー
JP4059205B2 (ja) マイクロリレー
JP4059202B2 (ja) マイクロリレー
JP4222318B2 (ja) マイクロリレー
JP4069870B2 (ja) マイクロリレー
JP4222319B2 (ja) マイクロリレー
JP4059201B2 (ja) マイクロリレー
JP2011090816A (ja) 接点装置及びそれを用いたリレー、並びにマイクロリレー
JP4059204B2 (ja) マイクロリレー
JP2005216558A (ja) マイクロリレー
JP4059200B2 (ja) マイクロリレー
JP4059199B2 (ja) マイクロリレー
JP4059198B2 (ja) マイクロリレーおよびその製造方法
JP4196008B2 (ja) マイクロリレー
JP4069869B2 (ja) マイクロリレーおよびこれを用いたマトリクスリレー
JP4063228B2 (ja) マイクロリレー
JP2006210082A (ja) マイクロリレー
JP2011134506A (ja) 接点装置及びそれを用いたリレー、並びにマイクロリレー
JP2005216543A (ja) マイクロリレー
JP2011086588A (ja) 接点装置及びそれを用いたリレー、並びにマイクロリレー
JP2011086589A (ja) 接点装置及びそれを用いたリレー、並びにマイクロリレー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060403

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071210

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101228

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101228

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111228

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121228

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121228

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131228

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees