JP4057498B2 - 部分深耕機 - Google Patents

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Description

本発明は、適切な耕耘作業ができる部分深耕機に関するものである。
従来、走行車の走行により移動しながら圃場の深い位置の土まで耕耘する部分深耕機(チゼルプラウ)としては、例えば上端側が側方に向ってねじられた縦長状のねじり板にて構成された土作業体を備え、この土作業体で土を切削して持ち上げて側方へ反転放てきするようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−322601号公報
しかしながら、上記従来の部分深耕機では、土作業体を土壌深く差し込んで耕耘作業を行うため、土作業体のうち圃場面上に位置する部分の前方空間に切削土(土作業体にて圃場面上方まで持ち上げられた土)が詰まりやすく、適切な耕耘作業ができないおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、適切な耕耘作業ができる部分深耕機を提供することを目的とする。
求項記載の部分深耕機は、走行車の走行により移動しながら、圃場の深い位置の土まで耕耘する部分深耕機であって、土を切削して持ち上げて放てきする土作業と、この土作業にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置し、前後方向の軸部を中心とする回動調節可能な補助土作業体とを備え、前記補助土作業体は、切削土を切断する土切断部と、この土切断部に連設され、切削土を側方に誘導する左右一対の土誘導面部とを有し、前記補助土作業体は、前記前後方向の軸部を中心とする回動調節により、前記左右一対の土誘導面部のうちの一方の土誘導面部にて切削土が左側方に誘導される第1状態と、前記左右一対の土誘導面部のうちの他方の土誘導面部にて切削土が右側方に誘導される第2状態と、これら2つの状態間の中間状態とに、選択的に切換可能となっているものである。
請求項2記載の部分深耕機は、請求項1記載の部分深耕機において、補助土作業体は、土作業体に対して上下位置調節可能となっているものである。
請求項3記載の部分深耕機は、請求項1または2記載の部分深耕機において、補助土作業体は、断面略V字状の長手状部材と、この長手状部材に貼着された樹脂板とにて構成されているものである。
本発明によれば、切削土が土切断部にて切断されるとともに土誘導面部にて側方に誘導されるため、切削土の詰まりが生じにくく、適切な耕耘作業ができる。また、作業状況等に応じて切削土が誘導される方向を適宜切り換えることができ、より一層適切な耕耘作業ができる。
本発明の部分深耕機の第1の関連技術を図1ないし図3を参照して説明する。
図1および図2において、1は部分深耕機(チゼルプラウ)で、この部分深耕機1は、走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に装着して使用する牽引式のものである。
そして、部分深耕機1は、トラクタの走行(牽引動作)により圃場を進行方向である前方に移動しながら、圃場の深い位置の土(例えば心土層の土である心土)まで耕耘する耕耘作業機である。
なお、部分深耕機1は、基本的には圃場の心土層および耕盤層を幅狭状に切削するとともにこの切削された土を圃場面(図示G)上方まで持ち上げてその圃場面上に反転放てきすることにより下層土と上層土とを混和させるもので、プラウの天地返しとサブソイラの心土破砕との両方の機能を発揮しうるものである。
部分深耕機1は、作業部振動式のもので、図示しないトラクタの後部の3点リンク部(作業機昇降支持装置)に連結された機枠2を備えている。
機枠2は、固定枠部3を有し、この固定枠部3には走行車連結部であるトラクタ連結部4が設けられている。トラクタ連結部4には、トラクタの3点リンク部が連結されている。なお、機枠2のトラクタ連結部4は、トップピン5を有するトップマスト6と、ロワピン7を有する左右一対のロワアーム8とにて構成されている。
また、固定枠部3には、トラクタ側からの動力を入力する前後方向の入力軸10が回転可能に設けられている。入力軸10には、トラクタのPTO軸がユニバーサルジョイントおよび伝動シャフト等を介して接続されている。
さらに、固定枠部3には、コルター11およびゲージ輪12がそれぞれ回転可能に設けられている。なお、ゲージ輪12は、高さ調節手段13のハンドル部14の操作により高さ調節可能となっている。
また、固定枠部3には、前後方向に長手状の振動フレーム部16が左右方向の軸17を介して上下回動可能に設けられている。そして、振動フレーム部16は、耕耘作業時には、入力軸10からの動力を伝動手段18を介して受けて軸17を中心に上下回動することにより振動する。
そして、機枠2の振動フレーム部16の後端部には、側面視で下方に向って略凹状をなす略板状の連結体(連結枠)21の前部が着脱可能に取り付けられている。連結体21は、中間部に前後方向にやや長手状で垂直面に沿った略矩形板状の長手状部23を有している。
なお、連結体21は機枠2の振動フレーム部16に対して着脱可能となっており、その機枠2の振動フレーム部16には連結体21に代えてサブソイラ用土破砕刃体25を着脱可能に取り付けることが可能となっている。
また、連結体21の後部には、上下方向に長手状で略下半部が湾曲した略板状の支持体(ビーム)31の上端部が着脱可能に取り付けられ、この支持体31は連結体21の後部から下方に向って突出しており、耕耘作業時には支持体31の略下半部が土中を移動する。
支持体31の下端部には、圃場の土を切削して持ち上げる金属製の先端切削板であるチゼル(先金)32が取り付けられているとともに、破砕効果を上げるためのウイング33が取り付けられている。
また、支持体31の下部には、チゼル32からの土を受け入れて圃場面近傍まで持ち上げるとともに自らも圃場の土を切削して圃場面近傍まで持ち上げる略矩形板状の合成樹脂製の第1土作業体である切削板36が支持部材37を介して取り付けられている。切削板36は、支持体31に対応して湾曲した上下方向に長手状のもので、支持体31の前縁に略沿って配設されている。
さらに、支持体31の上部には、切削板36からの土を受け入れて圃場面上方まで持ち上げて左右いずれか一側方に反転放てきする略団扇状の合成樹脂製の第2土作業体である反転板38が支持部材39を介して取り付けられている。反転板38は、その前面が進行方向に対して一側方に傾斜した状態で支持体31の前縁に略沿って配設されている。なお図示しないが、反転板38は、側方に傾斜せず、進行方向を向いた状態に配設したものでもよい。
ここで、これら上下2分割され異なる方向を向いた2枚の板、すなわち例えば互いに上下に隣接した切削板36および反転板38にて、振動フレーム部16とともに振動しながら、チゼル32からの土を受け入れて持ち上げて側方に反転放てきするとともに圃場の土を切削して持ち上げて側方に反転放てきする縦長板状の合成樹脂製の土作業部である土作業体(土作業板)41が構成されており、この土作業体41は支持部材37,39を介して支持体31にこの支持体31の前縁に沿うようにして取り付けられている。
そして、耕耘作業時には、土作業体41のうち圃場面上に位置する部分(例えば反転板38の略全体)は、土作業体41の作業深さSの半分以上の地上高さ寸法Aを有する空間部である土逃し用空間部42に臨んで位置する。すなわち例えば、部分深耕機1による耕耘作業時には、土作業体41のうち圃場面上に位置する部分は、側面視で所定の縦横寸法A,Bを有する土逃し用空間部42に臨んで位置する。
土逃し用空間部42の所定の縦寸法(地上高さ寸法である上下方向の寸法)Aは、後述の補助土作業体51の水平部53の下端と圃場面との距離であり、その縦寸法Aは土作業体41の作業深さSの半分以上の値である。また、土逃し用空間部42の所定の横寸法(前後方向の寸法)Bは、機枠2の振動フレーム部16の後端と支持体31のうち土作業体41より上方の部分の前端との距離であり、その横寸法Bは土作業体41の作業深さSの半分以上の値である。
なお、所定の縦横寸法A,Bは、いずれも作業深さSの半分以上の値であることが条件であるが、作業深さSと同一の寸法が最も好ましい。所定の縦横寸法A,Bが作業深さSの半分未満になると切削土の詰まり(練り支え)が生じやすくなる。
また、部分深耕機1は、土作業体41にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置しかつ少なくとも一部が土作業体41より上方に位置し所定の縦横寸法A,Bを有する土逃し用空間部42に臨んだ土詰まり防止用の補助土作業部である補助土作業体(土作業体41とは別体のもの)51を備えている。
補助土作業体51は、図3に示すように、支持部材52を介して連結体21の長手状部23の下端部に着脱可能に取り付けられ、この補助土作業体51は土逃し用空間部42に臨んで位置する。また、補助土作業体51は、例えば前後方向に長手状の水平部53とこの水平部53の後端から後下方に突出した傾斜部54とを有する側面視略ヘ字状の長手状部材55にて構成されている。
そして、補助土作業体51の下端縁には、土作業体41にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置するとともに土作業体41より上方に位置し切削土(土作業体41にて圃場面上方まで持ち上げられた土)を切断する先細状の土切断部56が形成されている。また、土切断部56には、土作業体41にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置するとともに土作業体41より上方に位置し切削土を側方に誘導する左右一対の傾斜面状の土誘導面部57,57が連設されている。なお、進行方向左側の土誘導面部57が切削土を左側方(進行方向に対して左方向)に誘導し、進行方向右側の土誘導面部57が切削土を右側方(進行方向に対して右方向)に誘導する。
次に、上記関連技術の作用等を説明する。
部分深耕機1を使用して耕耘作業をする場合、トラクタの3点リンク部に機枠2のトラクタ連結部4を連結することにより、トラクタの後部に部分深耕機1を装着する。
そして、トラクタの3点リンク部を作動させて部分深耕機1を下降させることにより部分深耕機1の一部を圃場の土中に深く差し込み、その後、トラクタの前進走行により部分深耕機1を進行方向である前方に移動させる。
部分深耕機1が前方に移動すると、圃場の土がチゼル32にて切削されて持ち上げられ、またそのチゼル32に連続した土作業体(切削板36および反転板38)41によってチゼル32からの土が圃場面上方まで持ち上げられて反転放てきされるとともに圃場の土が切削されて圃場面上方まで持ち上げられて反転放てきされる。
この際、土作業体41の上端側の反転板38から離れた切削土の大部分は、反転板38が臨んだ比較的広い土逃し用空間部42(つまり所定の縦横寸法A,Bの土逃し用空間部42)を介して側方に反転放てきされるが、切削土の一部は、補助土作業体51の土切断部56にて切断され、両土誘導面部57にて左右両側方に誘導される(図3参照)。
このように部分深耕機1によれば、耕耘作業時に土作業体41のうち圃場面上に位置する部分が作業深さSの半分以上の所定の縦横寸法A,Bを有する土逃し用空間部42に臨んで位置するとともに、連結体21には補助土作業体51が取り付けられているため、切削土の詰まり(練り支え)が生じにくく、適切な耕耘作業ができ、しかも、連結体21への土付着量の軽減、トラクタの牽引抵抗の軽減等を適切に図ることができる。
また、心土層および耕盤層の破砕(切削)のみを行う場合、従来の部分深耕機ではサブソイラ(専用機)を用意しなければならなかったが、部分深耕機1では、図1の2点鎖線で示すように連結体21に代えてサブソイラ用土破砕刃体25を機枠2の振動フレーム部16に取り付けることができるため、部分深耕機1とは別にサブソイラを用意する必要がなく、農家への経済的負担も軽減できる。
次に、本発明の部分深耕機の第2の関連技術について図4を参照して説明する。
図4に示す部分深耕機1の補助土作業体51は、図1に示す補助土作業体51に比べて土誘導面部57の面積を大きくしたもので、断面略V字状の長手状部材55とこの長手状部材55に貼着された樹脂板60とにて構成されている。そして、図4に示す補助土作業体51の土切断部56および土誘導面部57は、それぞれ土付着が少なくなるよう樹脂板60にて構成された合成樹脂製の表面部56a,57aを有している。なお、図4に示す部分深耕機1のその他の構成部材は、図1に示す構成部材と基本的に同一である。
そして、図4に示す部分深耕機1でも、練り支えが生じにくく、適切な耕耘作業ができ、しかも、連結体21への土付着量の軽減、トラクタの牽引抵抗の軽減等を適切に図ることができる等、図1に示すものと同様の作用効果を奏しうる。
次に、本発明の部分深耕機の第3の関連技術について図5を参照して説明する。
図5に示す部分深耕機1の補助土作業体51は、図4に示す補助土作業体51の土切断部56の先端形状を湾曲状にしたものであるが、この図5に示す部分深耕機1でも図4に示す部分深耕機1と同様の作用効果を奏し得る。
次に、本発明の部分深耕機の第4の関連技術について図6を参照して説明する。
図6に示す部分深耕機1の補助土作業体51は、板状の長手状部材55とこの長手状部材55に貼着された樹脂板60とにて構成されたもので、土作業体41にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置するとともに土作業体41より上方に位置し切削土を左右いずれか一側方、例えば左側方(片側側方)に誘導する傾斜面状の土誘導面部57のみを有している。また、図6に示す補助土作業体51の土誘導面部57は、土付着が少なくなるよう樹脂板60にて構成された合成樹脂製の表面部57aを有している。なお、図6に示す部分深耕機1のその他の構成部材は、図1に示す構成部材と基本的に同一である。
そして、図4に示す部分深耕機1であっても、練り支えが生じにくく、適切な耕耘作業ができ、しかも、連結体21への土付着量の軽減、トラクタの牽引抵抗の軽減等を適切に図ることができる。
次に、本発明の部分深耕機の第5の関連技術について図7を参照して説明する。
図7に示す部分深耕機1の補助土作業体51は、断面略V字状の長手状部材55にて構成されたもので、土作業体41にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置するとともに土作業体41より上方に位置し切削土を切断する先細状の土切断部56を有し、この土切断部56には土作業体41にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置するとともに土作業体41より上方に位置し切削土を側方に誘導する左右一対の傾斜面状の土誘導面部57,57が連設されている。
なお、進行方向左側の土誘導面部57が切削土を左側方(進行方向に対して左方向)に誘導し、進行方向右側の土誘導面部57が切削土を右側方(進行方向に対して右方向)に誘導する。
また、各土誘導面部57の誘導終端部には、土誘導面部57側からの切削土を圃場面上に反転放てきする略湾曲面状の土反転面部61がそれぞれ連設されている。なお、図7に示す部分深耕機1のその他の構成部材は、図1に示す構成部材と基本的に同一である。
そして、図7に示す部分深耕機1によれば、図1に示すものと同様の作用効果を奏しうるのみならず、土反転面部61にて土誘導面部57側からの切削土を反転放てきでき、反転効果の向上を図ることができる。
次に、本発明の部分深耕機の第6の関連技術について図8を参照して説明する。
図8に示す部分深耕機1の補助土作業体51は、図7に示す補助土作業体51の土切断部56の先端形状を湾曲状にしたものであるが、この図8に示す部分深耕機1でも図7に示す部分深耕機1と同様の作用効果を奏し得る。
次に、本発明の部分深耕機の第7の関連技術について図9を参照して説明する。
図9に示す部分深耕機1の補助土作業体51は、板状の長手状部材55にて構成されたもので、土作業体41にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置するとともに土作業体41より上方に位置し切削土を左右いずれか一側方、例えば左側方(片側側方)に誘導する傾斜面状の土誘導面部57を有し、この土誘導面部57の誘導終端部にその土誘導面部57側からの切削土を圃場面上に反転放てきする略湾曲面状の土反転面部61が連設されている。なお、図9に示す部分深耕機1のその他の構成部材は、図1に示す構成部材と基本的に同一である。
そして、図9に示す部分深耕機1であっても、練り支えが生じにくく、適切な耕耘作業ができ、また反転効果の向上等も図ることができる。
次に、本発明の部分深耕機の第8の関連技術について図10および図11を参照して説明する。
図10および図11に示す部分深耕機1の補助土作業体51は、断面略V字状の長手状部材55とこの長手状部材55に取り付けられた複数(例えば5本)の略湾曲状の棒部材63とにて構成されている。
そして、この補助土作業体51は、土作業体41にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置するとともに土作業体41より上方に位置し切削土を切断する先細状の土切断部56を有し、この土切断部56には土作業体41にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置するとともに土作業体41より上方に位置し切削土を側方に誘導する左右一対の傾斜面状の土誘導面部57,57が連設されている。また、各土誘導面部57の誘導終端部からは、棒部材63にて構成され土誘導面部57側からの切削土を切断する複数の湾曲した棒状の突出状土切断部である土切断部64が側方に向って突出している。なお、図10および図11に示す部分深耕機1のその他の構成部材は、図1に示す構成部材と基本的に同一である。
そして、図10および図11に示す部分深耕機1によれば、図1に示すものと同様の作用効果を奏しうるのみならず、土切断部64にて土誘導面部57側からの切削土を切断でき、砕土効果の向上を図ることができる。
次に、本発明の部分深耕機の第9の関連技術について図12を参照して説明する。
図12に示す部分深耕機1の補助土作業体51は、板状の長手状部材55およびこの長手状部材55に取り付けられた複数の略湾曲状の棒部材63とにて構成されている。
そして、この補助土作業体51は、土作業体41にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置するとともに土作業体41より上方に位置し切削土を左右いずれか一側方、例えば左側方(片側側方)に誘導する傾斜面状の土誘導面部57を有し、この土誘導面部57の誘導終端部からは棒部材63にて構成され土誘導面部57側からの切削土を切断する複数の湾曲した棒状の土切断部64が側方に向って突出している。なお、図12に示す部分深耕機1のその他の構成部材は、図1に示す構成部材と基本的に同一である。
そして、図12に示す部分深耕機1であっても、練り支えが生じにくく、適切な耕耘作業ができ、また砕土効果の向上等も図ることができる。
次に、本発明の部分深耕機の第10の関連技術について図13および図14を参照して説明する。
図13および図14に示す部分深耕機1は、図1等に示す部分深耕機1とは異なり、連結体21を備えず、支持体31の上端側に機枠連結部31aが一体に設けられ、この機枠連結部31aの前端部が機枠2の振動フレーム部16の後端部に着脱可能に取り付けられている。
また、支持体31の機枠連結部31aの下端縁側には、土作業体41にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置するとともに土作業体41より上方に位置し切削土を切断する先細状の土切断部56が形成されている。土切断部56には、土作業体41にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置するとともに土作業体41より上方に位置し切削土を側方に誘導する左右一対の傾斜面状の土誘導面部57,57が連設されている。
さらに、支持体31の機枠連結部31aからは、土誘導面部57の誘導終端の近傍位置に位置し土誘導面部57側からの切削土を切断する複数の棒状の土切断部64が左右両側方に向って突出している。そして、土切断部56、土誘導面部57および土切断部64にて土詰まり防止用の補助土作業体51が構成されている。なお、図13および図14に示す部分深耕機1のその他の構成部材は、図1に示す構成部材と基本的に同一である。
そして、図13および図14に示す部分深耕機1でも、練り支えが生じにくく、適切な耕耘作業ができ、また砕土効果の向上等も図ることができる。
なお、土誘導面部57側からの切削土を切断する突出状(膨出状)の土切断部64は、断面円形の棒状のものには限定されず、例えば図15(a)および(b)に示すような断面多角形、例えば断面6角形の棒状のものでもよく、或いは例えば図16(a)および(b)に示すような先細状の刃部64aが形成された板状のもの等でもよい。
また、支持体31の機枠連結部31aに形成された土切断部56および土誘導面部57の形状は、三角形状には限定されず、例えば図15(a)に示す略半円状のもの等でもよい。なお、図17に示す部分深耕機1のように、支持体31の機枠連結部31aの下端縁部をジグザグ状にして土切断部56のみを形成するようにしてもよく、また図示しないが図17に示す支持体31に土切断部56に加えて切削土を切断する突出状の土切断部64を形成したもの等でもよい。
さらに、部分深耕機1は、土切断部56および土誘導面部57が支持体31にそれぞれ形成されたもの等には限定されず、図18および図19に示すように土切断部56および左右一対の土誘導面部57が中空状の連結体21にそれぞれ形成されたものでもよく、また、図20に示すように左右いずれか片側の土誘導面部57が中空状の連結体21に形成されたもの等でもよい。なお、図示しないが、土切断部56および土誘導面部57等が板状の連結体21に形成されたものや、土切断部56および土誘導面部57等が機枠2或いは支持体31等に形成されたもの等でもよい。
ここで、本発明の部分深耕機の一実施の形態について説明する。
本発明の一実施の形態に係る部分深耕機1は、例えば図21および図22に示すように、左右一対の傾斜面状の土誘導面部57,57のうちの一方の土誘導面部57にて切削土が左側方に誘導される第1状態と、他方の土誘導面部57にて切削土が右側方に誘導される第2状態と、これら2つの状態間の任意の中間状態とに、選択的に切換可能となっているものでもよい。
この図21および図22に示す部分深耕機1は、図4に示す補助土作業体51と基本的構成が同一の補助土作業体51を備え、補助土作業体51は、支持部材52を介して連結体21に着脱可能に取り付けられ、この補助土作業体51は連結体21に対して上下位置調節可能となっている。
また、補助土作業体51は、支持部材52の前後方向の軸部52aを中心として回動調節可能となっており、補助土作業体51は軸部52aを中心とする回動調節により第1状態、第2状態および任意の中間状態にそれぞれ選択的に切り換えられる。
そして、図21および図22に示す部分深耕機1によれば、図1に示すものと同様の作用効果を奏しうるのみならず、作業状況等に応じて切削土が誘導される方向を適宜切り換えることができ、より一層適切な耕耘作業ができる。
なお、部分深耕機1は、図示しないが、ピンの抜差し等により、一方の土誘導面部57にて切削土が左側方に誘導される第1状態と、他方の土誘導面部57にて切削土が右側方に誘導される第2状態と、両方の中間の状態であって土切断部56にて切削土が切断されかつ両土誘導面部57にてその切削土が左右両側方に誘導される第3状態とに、選択的に切換可能となっているものでもよい。
た一方、部分深耕機1は、振動フレーム部16の代わりに固定フレーム部を備えた作業部固定式の構成としてもよい。
また、部分深耕機1は、1つの土作業体41を備える構成には限定されず、左右位置が異なる複数(例えば左右一対、或いは3つ、4つ等)の土作業体41を備えるようなものでもよい。
さらに、土作業体41は、切削板36および反転板38にて構成されたものには限定されず、ねじり板或いはねじられていない板等の1枚状の板にて構成されたもの、或いは3枚以上の分割板にて構成されたもの等でもよく、また金属製のもの等でもよい。
また、支持体31への土作業体41の取付方法は、任意であり、土作業体41を支持体31に直接取り付けるようにしてもよい。
さらに、補助土作業体51は、支持部材52を介して連結体21に取り付けたものには限定されず、連結体21に直接取り付けたもの、機枠2に直接的または間接的に取り付けたもの、支持体31に直接的または間接的に取り付けたもの等でもよい。
また、土切断部56,64、土誘導面部57、土反転面部61の各表面部は、合成樹脂製のものでもよく、金属製のもの等でもよい。
さらに、土詰まり防止用の補助土作業体(補助土作業部)51が臨む土逃し用空間部42は、所定の縦横寸法A,Bを有する大きさの空間が望ましいがこれより小さい空間でもよい。
また、土詰まり防止用の補助土作業部は、機枠2、連結体21および支持体31のいずれかに一体に形成したものでもよく、機枠2等とは別部品として機枠2等に取り付けたもの等でもよい。
さらに、反転板38は進行方向を向いたものでもよく、土作業体41は土を切削して持ち上げて上方(補助土作業部側)へ放てきするものでもよい。
本発明の部分深耕機の第1の関連技術を示す側面図である。 同上部分深耕機の平面図である。 同上部分深耕機の一部断面図である。 本発明の部分深耕機の第2の関連技術を示す一部断面図である。 本発明の部分深耕機の第3の関連技術を示す一部断面図である。 本発明の部分深耕機の第4の関連技術を示す一部断面図である。 本発明の部分深耕機の第5の関連技術を示す一部断面図である。 本発明の部分深耕機の第6の関連技術を示す一部断面図である。 本発明の部分深耕機の第7の関連技術を示す一部断面図である。 本発明の部分深耕機の第8の関連技術を示す一部断面図である。 同上部分深耕機の一部側面図である。 本発明の部分深耕機の第9の関連技術を示す一部断面図である。 本発明の部分深耕機の第10の関連技術を示す一部断面図である。 同上部分深耕機の一部側面図である。 同上部分深耕機の変形例を示す図である。 同上部分深耕機の他の変形例を示す図である。 同上部分深耕機のさらに他の変形例を示す図である。 同上部分深耕機のさらに他の変形例を示す図である。 同上部分深耕機のさらに他の変形例を示す図である。 同上部分深耕機のさらに他の変形例を示す図である。 本発明の部分深耕機の一実施の形態を示す一部断面図である。 同上部分深耕機の一部側面図である
符号の説明
1 部分深耕機
41 土作業体
51 補助土作業体
56 土切断部
57 土誘導面部

Claims (3)

  1. 走行車の走行により移動しながら、圃場の深い位置の土まで耕耘する部分深耕機であって、
    土を切削して持ち上げて放てきする土作業と、
    この土作業にて持ち上げられてくる切削土に対向するように位置し、前後方向の軸部を中心とする回動調節可能な補助土作業体とを備え、
    前記補助土作業体は、
    切削土を切断する土切断部と、
    この土切断部に連設され、切削土を側方に誘導する左右一対の土誘導面部とを有し、
    前記補助土作業体は、前記前後方向の軸部を中心とする回動調節により、前記左右一対の土誘導面部のうちの一方の土誘導面部にて切削土が左側方に誘導される第1状態と、前記左右一対の土誘導面部のうちの他方の土誘導面部にて切削土が右側方に誘導される第2状態と、これら2つの状態間の中間状態とに、選択的に切換可能となっている
    ことを特徴とする部分深耕機。
  2. 補助土作業体は、土作業体に対して上下位置調節可能となっている
    ことを特徴とする請求項1記載の部分深耕機。
  3. 補助土作業体は、断面略V字状の長手状部材と、この長手状部材に貼着された樹脂板とにて構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の部分深耕機。
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