JP4828704B2 - 掘削耕耘作業機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は掘削耕耘作業機用掘削耕耘爪ならびにこれを用いた掘削耕耘作業機に関し、さらに詳しくは、サブソイリングディガ−プラウ作業機と、スタブルカルチ作業機の両機能を併せ備える掘削耕耘爪と、これを用いた掘削耕耘作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よく知られている圃場用掘削作業機としては、専ら心土破砕に用いるサブソイラ作業機が知られており、これとは別により浅い位置、とくに作土層に対する畝間などの耕耘作業にはスタブルカルチ作業機が用いられている。従って、圃場の作業対象位置によって二つの作業機を使い分けているのが実状である。サブソイラ作業機は圃場の透排水性の向上を目的としており、スタブルカルチ作業機は、圃場の作土層部分の耕起反転する目的で使用されている。一方で、農作業機の種類の増大が農業経営を圧迫する原因の一つになっていることも否めない事実である。それは各農作業機の作業に汎用性がないことが一つの原因であって、機械化された大型農業を実現実行しようとすると初期投資が莫大となって後にこれが営農上大きな負担となっていることも事実である
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、圃場における土中環境の整備は単に有機物成分が多いだけでは十分ではなく、有機物が発酵し易いことが必要であり、そのためには、土中にも発酵に必要な酸素が十分に含まれていること不可欠である。そのために、収穫後の土壌を反転し、新たな作土層を表面に移動させることで酸素の多い作土層において作物の生育を促すことが普及している。
この農法を実践するには、一般にプラウ作業機よる反転耕起作業が行われているが、この作業機の使用に当たっては比較的大馬力のトラクタが必要になることから未だ広く普及するに至っていない。
【0004】
このことは欧米の農業形式と違うところで、欧米並みに営農規模拡大を唱えながらプラウ作業機よる反転耕起作業が普及しにくいのは農業機械発展、普及の歴史が影響していて、当初トラクタが普及していなかったわが国では、取り敢えずトラクタを普及させる必要があって、廉価な小型トラクタが導入されたのである。
出力の小さいトラクタには、攪拌耕を行うロータリ耕耘機が適していて、小型トラクタの普及と比例的にこの作業機が広く普及したのである。
このロータリ耕耘機は小型のトラクタであっても作業中の推進力が駆動力にもなって、言い換えると、補助動力源となりトラクタの出力不足を補っているのである。これに対して、プラウ作業機はこのような補助動力源となり得ず、結局のところ出力の大きいトラクタが必要とされていたことが、その普及を妨げていたのである。
そこで、本発明は、プラウ作業機と同様な耕起反転作業が可能であって、しかも作土層は基より、心土層に対しても耕起反転できる作業が可能な掘削耕耘機能をもつ作業爪、およびこれを用いた作業機を提供することで、比較的容易に営農規模拡大を図ることができる作業機を提供することを目的するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明は、トラクタなどに対する装着手段を備ンに向けたえる作業機フレ−ムに対して、ビ−ムを介して掘削耕耘爪を取付けて構成した掘削耕耘作業機において、前記掘削耕耘爪は下端部から上端部に沿って作業進行方向に向かって凹んだ弧を描き、上端部と下端部は互いに反対方向に捩じりが与えられて上下対称形であって、前記上端部は反転端部であり、下端部は掘削機能が与えられた掘削部になっており、作業幅方向中央部が最も深く、両側に向かうに従い次第に浅くなった凹面形になっている断面形状の作業面形成してあることを特徴とする掘削耕耘作業機用掘削耕耘爪であり、これにより、掘削したれき土を確実に反転に向けて上昇させることで、上端部においてそのれき土を反転放擲することができる。
また、掘削面中央には長さ方向に沿って複数の取付け孔が穿たれており、ビ−ムに対する取付け位置を選択でき、耕起角度を選択できるように構成したことを特徴とするものであるので、作業目的により耕起角度を選択できる。
また、前記ビ−ムの下端部に対して取付け姿勢を上下反転して取付けることが可能に構成されていることを特徴とするものであるから、上下反転して使用することができるので使用寿命を拡大させることができる。
また、前記ビ−ムを介して掘削耕耘爪を備えて圃場作業機を構成したから、圃場の規模に合わせた作業機を構成することができる。
また、前記ビ−ムを介して前記圃場作業機用掘削耕耘爪を備えて構成したことを特徴とする掘削耕耘作業機であるから、スタブルカルチ作業機あるいは、ボトムプラウ作業機として使用することができて、攪拌耕ではなく、反転耕作業に不慣れな営農者でもきわめて容易に取り入れることができる。
さらにまた、掘削耕耘作業機用耕耘爪を複数本前フレームと、後フレームにビームを介して装備されていて前群と後群の掘削耕耘作業機用耕耘爪との間の間隔が比較的大きく定められて構成したことを特徴とするものであるから、前群と後群のビームに取付けられた掘削耕耘爪などに圃場の表面に存在する夾雑物が絡み付くことが少ない。
また、前群、後群の各掘削耕耘作業機用耕耘爪も作業進行方向前後に千鳥型配列になっているので、各掘削耕耘作業機用耕耘爪間の間隔が大きく、圃場の表面に存在する夾雑物が絡み付くことが少ない。
また、前記掘削耕耘作業機用耕耘爪が作業幅方向には等間隔で取付けられて構成したことを特徴とする圃場作業機用掘削耕耘爪を備えた掘削耕耘作業機であるから、全面耕に近い状態の圃場作業を行うことができる。
さらにまた、前記後フレームに取付けられたビームには後方に延びるテール部材があり、その後端部にはヒールが取付けられて構成した掘削耕耘作業機であるから、圃場表面に存在する夾雑物が作業開始時に掘削耕耘爪に絡み付くことが少なく確実の圃場内部に鋤込むことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、先ず、図1ないし図11に沿って説明をする。これらの図において符号Tはトラクタを示し、符号10は圃場作業機(以下、作業機という)全体を示し、この作業機10は作業幅方向に延びる前、後フレーム11,12がそれらの両端部が作業進行方向に沿って配置された側フレーム13,14によって連結されて作業機フレーム15が形成されている。さらに、前記前フレーム11の中央位置には、前フレーム11から張り出しているアーム16,16に下端部が固定されているマスト17があって、このマスト17の上端部17AにはアッパリンクUの装着孔となるヒッチ孔17Xが形成されている。このヒッチ孔17Xは作業進行方向に長く、ヒッチピンPがその長さの範囲で自由に移動することが可能になっている。この移動を円滑に行わせるためにヒッチ孔17Xと同心的に揺動する揺動アーム17Yが枢着されて前記ヒッチピンPと共に、揺動移動することができるようになっている。
【0007】
前記アーム16,16の先端部にはトラクタTのもつロアリンクLを装着するヒッチピンPLが設けてある。さらに、前記マスト17の上端部と、前記後フレーム12との間には補強機能をもたせたリアフレーム18があって、作業機10の強度をアップしている。
【0008】
そして、前記前、後11,12には後で述べるビームの取付け座19が固定されており、各取付け座19は作業進行方向に沿って等間隔配列されている。この取付け座19は進行方向前方に向かって曲がっているものと、進行方向後方に向かって曲がっているものとがあって、前、後フレーム11,12には、それぞれ向きの異なる取付け座19が固定されており、各取付け座19にビーム21の上端部21Aがボルト固定されており、このビーム21の本体部はほぼ垂直方向に延びた形状になっていて、このビーム21の下端部21Bは進行方向前方に向かってやや湾曲した形状になっており、その端部21Bには掘削耕耘爪20が取付けられている。
【0009】
この掘削耕耘爪20は正面視上中央部が最も幅が広く、上下両端部が最も幅が狭くなった短冊状で、その上下両端部22X,22Yが尖端部となって掘削機能をもち、中間部はくぼみ形状の凹面22Zを描いていて、凹面22Zの長さ方向の中央部、幅方向の中央部が最も深い凹面形状であって、この凹面22Zは掘削耕耘爪20の上下両端部22X,22Yに向かってその凹面の深さが次第に浅くなって、尖端では尖った形状になっている。言い換えると、上下両端部が対称形の凡そ長いスプーン形状になっている。
【0010】
掘削耕耘爪20はその上下両端部に22X,22Yに上下対称的に捩りが与えられて反転部を形成していて、下位置の端部が掘削端部Yとして機能し、上位置の端部がれき土反転部Xとして機能するようになっている。
この場合、掘削耕耘爪20を上下反転して後に説明するベッドに取付けるとその機能は逆転状態になる。言い換えると、下位置になった端部が掘削端部となり、上位置の端部が反転端部になる。
この掘削耕耘爪20は変形状の長いスプーン形状であることから掘削された土壌は側方に散らされずに上昇されることが可能になっている。
【0011】
しかも、この掘削耕耘爪20はその長さ方向に沿って等間隔に取付け孔22A・・・・穿孔されていて、これらの取付け孔は掘削耕耘爪20を取付けベッド23に対して取付ける際に機能するようになっている。
この取付けベッド23は前記ビーム21の下端部に取付けられている板状で側面視上台形状の側圧板23Aと、この側圧板23Aの正面側の固定されているブロックベッド23Bによって形成されている。
【0012】
このブロックベッド23Bに対して直接に前記掘削耕耘爪20がボルト固定されている。側圧板23Aは変形状の台形状のもので、その側面にビーム21の下端部がボルト固定されており、このブロックベッド23の進行方向正面位置に前記掘削耕耘爪20がボルト固定されている。この際に使用されるのが前記取付け孔22A,22A・・・・であって、少なくとも2個以上の孔が使用される。その取付け孔22A・・・・のうち、掘削耕耘爪20の下端部に近い取付け孔22Aを選ぶと、掘削耕耘が爪20として立ち上がった姿勢に近くなり、作業面との角度、言い換えると、耕起角度が大きくなって、深い位置を掘削耕耘する姿勢となる。
また、掘削耕耘爪20の上端部に近い取付け孔22Aを選んで取付けると、掘削耕耘爪20はその逆に下端部が前に、上端部が後方へ寝た姿勢になり、耕起角度は小さくなって浅い位置を掘削耕耘する姿勢となる。
【0013】
そして、各前後フレーム11,12に取付けられた掘削耕耘爪20には作業幅方向に張り出した後退翼状のウィング24が取付けてあり、特に、後フレーム12に取付けてあるビーム21には、掘削耕耘爪20の直後位置にテール部材25の端部が固定されていて、このテール部材25は作業進行方向後方に長く延びて、その他端部にはヒール26が取付けられている。このヒール26の接地面は掘削耕耘爪20の掘削端部22Yと揃った位置にあり、掘削されたれき溝の底部(面)に接地して作業姿勢を安定化している。
前記テール部材25は連続した一本ものであることが重要で、段差のない長い部材により形成されていることから、作業開始時において圃場表面に存在する藁屑や、残存穀稈などが存在しても、このテール部材25がこれらを押さえ込んだ状態で、掘削耕耘爪20が土の中へ導入されるので、テール部材25あるいはヒール26にこれらが絡み付くことが無く、掘削耕耘爪20が土の中に導入させる際に邪魔になったり、抵抗になったりすることがない。
【0014】
図1に示すものはブロックベッド23Bを用いずに掘削耕耘爪20をビーム21に直接的に取付けた例であり、図7に示すものは、ビーム21を側板23Aにボルト23Xを介して取付け、この側板23Aの前縁に取付けたブロックベッド23Bに対して前記掘削耕耘爪20を取付けた例である。このブロックベッド23Bに対して選ばれた取付け孔22Aを装通したボルト23Yによって前記掘削耕耘爪20を取付けてある。
【0015】
また、図8以下に示すものは、掘削耕耘爪20の形状を詳細に説明するためのもので、ビーム21の下端部に側板23Aと、掘削耕耘爪20を取付けたものである。ビーム21の下端部には掘削耕耘爪20を取付けるための取付け孔21Xが、また、側板23Aと取付けるための取付け孔21Yがそれぞれ穿たれている。
【0016】
また、掘削耕耘爪20は、図9に示すように、長さ方向の中心線mに対して上下両端部22X,22Y、言い換えると、掘削端部Yと、反転端部Xとが上下対称的に符号s分だけ捩られており、全体として上下反転取付けを可能にしている。
この上下を反転しての取付けは前記掘削端部Yが摩耗して掘削能力が低下した場合に有効であって、この場合には、反転端部Xを下端位置に反転して取付けることで、摩耗した前の掘削端部Yが反転端部として機能するので、掘削耕耘爪20の使用寿命を2倍にすることができる。
【0017】
また、前記掘削耕耘爪20における捩りの状態は、長さ方向の中部では捩りが加えられておらず、両端部が最も大きく、言い換えると、両端部がs分だけ捩りが与えられ、中心部に向かうに連れ捩れの状態は暫減している。言い換えると、捩れの角度は中央部が小さく、両端部に近いほど大きくなっている。
この捩りの状態が、図10において指示線A−A、同B−B、同C−C、同D−D、により示す個所の断面形状が図11において各部の断面図として表現されている。
【0018】
先ず、図11において、指示線A−Aに示す部分の断面形状は中心線mに対して符号s分だけ捩りが加えられており、その捩り作用の中心線はs1になっていて、さらに、掘削耕耘爪20の両縁部では符号t分だけ捩れが与えられた形状になっている。この捩り分が上端部おいてはれき土に対する反転機能をもっており、下端部においては掘削機能を果たしている。
この捩りが与えられる以前の形状が破線により示されている。
また、図11において、指示線B−Bに示す部分、言い換えると、長さ方向の中間部の断面形状は、取付け孔22Aを含む部分の形状を示していて、中心線mに対する捩りは小さく、符号t分の捩りは与えられていない。
また、図11において、指示線C−Cに示す部分の断面形状は、指示線B−B部分同様に長さ方向の中間部の断面形状を示しており、中心線m対する捩りは与えられていない。
掘削耕耘爪20の長さ方向中間部の断面形状は、れき土と接触する面、言い換えると、作業面が中央部がくぼんだ形状であり、断面形状だけをみれば、スプーンの断面形状と共通して、両端が弧を描いてせり上がった形状である。
さらに、同図において、指示線D−Dに示す部分の断面形状は、前記指示線A−Aに示す部分の断面形状と対称的な形状であって、捩り後の中心線s1が中心線mに対して右側になるような捩りになっている。そして、符号t分の捩りが指示線A−Aに示す部分とは逆になっている。捩る前の断面形状が破線で示されている。
掘削端部22Yに対して符号t分の捩りが与えられているが、この捩り形状は掘削作業においては特別の機能はなく、後に説明する天地反転して使用する場合に反転端部ととして機能できる点で、都合がよい。
【0019】
次に、本発明による圃場作業機用掘削耕耘爪と、それを装着した作業機を用いた作業の実際を説明する。先ず、作業開始に際しては、作業機をトラクタに装着すること説明するまでもないことであって、作業機に取付けられた掘削耕耘爪20は、作業開始に伴い、その掘削端部22Yが圃場の作土に対して、刺さりこみ、作業進行に伴い掘削した土は掘削耕耘爪20の曲面22Zにより捕捉されて側面側に散乱することなく拘束された状態で上昇し、そのれき土は反転端部22Xにおける捩り、すなわち、符号sと、符号tに相当する複合的な捩り形状により側方へと反転放擲される。この作用はボトムにおける発土板、およびカバーボードとしての機能に似た機能を果たしている。したがって、捩りが与えられて反転端部において、れき土は反転放擲される。
この反転放擲作用はボトムプラウによるものと同様であるが、耕深、耕幅が小さくなっているのみである。しかし、耕深については前記掘削耕耘爪20の取付け姿勢を選択することで深くも、浅くもすることができる。
【0020】
すなわち、ベッド23に対して掘削耕耘爪20を取付ける場合に、その取付け孔22A群のうち下端部寄りの取付け孔22Aを選択して取付けると、掘削耕耘爪20は作業進行方向前方に迫り出した姿勢になる。したがって、耕深は浅くなり、中耕作業に適した作業姿勢を採用することができる。
また、べッド23に対して掘削耕耘爪20を取付けるに当たり、ベッド23に対して掘削耕耘爪20をのうち上端部に近い取付け孔22Aを利用して掘削耕耘爪20をベッド23に取付けることで、掘削耕耘爪20の取付け姿勢が起立状態に近い姿勢になり、言い換えると、掘削耕耘爪20が作業進行方向に対して迫り出し長さが短くなる姿勢となることで、耕起角度が大きく、つまり直角に近い状態になることで、耕深は深くなり、ボトムプラウに近い状態で耕起反転作業を行うことができる。これにより、部分耕でありながら全体としては全面耕の作業を行うことができる。
【0021】
この場合、作業幅方向では掘削耕耘爪20の間隔が等配状態であるので、その間隔が狭い状態になればなるほど、全面耕に近い状態にすることができる。さらには掘削耕耘爪20の一本あたりの耕幅を大きくなれば全体としての耕起作業幅は大きくなる。
【0022】
さらに作業を行って、掘削耕耘爪20の掘削端部22Yが摩耗して掘削能力が低下した場合には、掘削耕耘爪20の上下を反転して、それまでの掘削端部22Yを上端部に位置させて反転端部22Xに置き換え、摩耗していないそれまでの、反転端部22Xを下端部になるように取付けて新たな掘削端部22Yとして使用することで、機能を更新することができる。
【0023】
また、作業機10において、前フレーム11と、後フレーム12に取付けたビーム21により掘削耕耘爪20の間隔が決定されているのであるが、前フレーム11に取付けられた掘削耕耘爪20の前群と、後フレーム12に取付けれられている掘削耕耘爪20の後群との側面視における間隔を前後各群内部の掘削耕耘爪20の間隔より大きくすることで、圃場表面に存在する穀稈などの夾雑物が絡み付いて作業抵抗になることが少なく、また、掘削耕耘作業の妨げになることも少ない。また、掘削耕耘爪20のうち、前群内部、あるいは後群内部の掘削耕耘爪20の配置も平面視上前後方向にオフセットした状態、言い換えると、千鳥配列になっているので、群内部での穀稈などの夾雑物の排出も可能であって、作業抵抗になることが少なく、また、掘削耕耘作業の妨げになることも少ない。
【0024】
特に、本発明の掘削耕耘爪20は、側面視において、作業進行方向に向かってくぼんだ弧を描いていて、掘削耕耘爪20の幅方向に断面形状も作業進行方向に向かってくぼんだ形状になっていて、両側の縁に相当する部分が高いので、その内部にスプーンと同様の空間が形成されているので、れき土の掘削、あるいは反転するための捕捉に都合がよい。
【0025】
さらに、長さ方向の中心に対して上下端部が対称形になるように捩りが与えられ、さらには、両端部では被せ方向にも捩りが加えられているので、上下反転して使用することが可能になっていると共に、掘削れき土を確実に隣り合った圃場表面に反転放擲することができる。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明による掘削耕耘作業機用掘削耕耘爪によれば、掘削作用ならびに、反転作用を併せ行うことができ、しかも、上下反転して両端部を作業に使用することができ、さらには、耕起角度を選択することもできる。
【0027】
また、本発明の掘削耕耘作業機によれば、部分耕形式であると共に圃場全体としては全面耕の耕起作業を行うことができ、スタブルカルチ作業機としてのまた、ボトムプラウ作業機としての機能を期待することができ、さらには、圃場表面の夾雑物の完全鋤き込みも可能になるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を施した掘削耕耘作業機の側面図である。
【図2】 同じく圃場形成作業機の平面図である。
【図3】 この作業機により用いるビームと掘削耕耘爪を示す側面図である。
【図4】 図3の平面図である。
【図5】 この作業機により用いるビームと掘削耕耘爪を示す平面図である。
【図6】 図5の側面図である。
【図7】 ベッドと掘削耕耘爪の取付け状態を示す背面側からの斜視図である。
【図8】 図7に示す部分の正面側からの斜視図である。
【図9】 図7に示す同じく正面側からの斜視図である。
【図10】 掘削耕耘爪単体の斜視図である。
【図11】 図10に示す掘削耕耘爪の各部の断面図である。
【符号の説明】
T トラクタ
U アッパリンク
L ロアリンク2
10 掘削耕耘作業機
11 前フレーム
12 後フレーム
13、14 側フレーム
15 作業機フレーム
16 アーム
17 マスト
17X ヒッチ孔
17Y 揺動アーム
P ヒッチピン
18 リアフレーム
19 取付け座
20 掘削耕耘爪
21 ビーム
21X 取付け孔
21Y 取付け孔
21A 上端部
21B 端部
21Y 取付け孔
22X 上端部
22Y 下端部
22Z 凹面
X 反転端部
Y 掘削端部
23 ベッド
23A 側板
23B ブロックベッド
23Y ボルト
24 ウィング
25 テール部材
26 ヒール
m 中心線
s1 中心線
Claims (3)
- トラクタなどに対する装着手段を備える作業機フレ−ムに対して、ビ−ムを介して掘削耕耘爪を取付けて構成した掘削耕耘作業機において、
前記掘削耕耘爪は、下端部から上端部に沿って作業進行方向に向かって凹んだ弧を描き、長さ方向の中央部が最も深く上下両端部に向かって次第に浅くなっており、且つ作業幅方向中央部が最も深く両側に向かうに従い次第に浅くなった凹面形になっている断面形状をしており、
前記上端部と下端部は、互いに反対方向に捩りが与えられて反転部が形成されて上下対称形であって、前記上端部及び下端部は、それぞれ掘削機能が与えられた尖端部になっていることを特徴とする掘削耕耘作業機。 - 前記掘削耕耘爪は、掘削面中央には長さ方向に沿って複数の取付け孔が穿たれており、ビ−ムに対する取付け位置を選択でき、耕起角度を選択できるように構成したことを特徴とする請求項1記載の掘削耕耘作業機。
- 前記掘削耕耘爪は、前記ビ−ムの下端部に対して取付け姿勢を上下反転して取付けることが可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の掘削耕耘作業機。
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