JP4057405B2 - 洗浄バルブ駆動ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、便器内に対して洗浄水を吐出、供給するための洗浄水供給装置に用いられる洗浄バルブ駆動ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
便器内に洗浄水を供給して便器内の洗浄を行うためのオートフラッシュバルブを駆動するための洗浄バルブ駆動ユニットは、従来、図4(A)、(B)に示すように、洗浄水の供給口の開閉を行うバルブ(図示せず)と、このバルブを駆動するカム機構(図示せず)と、カム機構に回転力を伝達する主軸20(ハンドル軸)と、この主軸20を駆動するギヤ列(スパーギヤ50のみ図示)、このギヤ列を介して主軸20を回転駆動するモータユニット(図示せず)とを有しており、スイッチ操作でモータユニットを制御して主軸20を駆動し、便器内に洗浄水を供給するようになっている。また、主軸20にはハンドル25が連結されており、このハンドル25を手動で操作して主軸20を洗浄操作方向(反時計周りの方向/矢印CCWの方向)に回転させることにより、スイッチ操作によらなくても、手動で洗浄を行えるようになっている。
【0003】
また、ハンドル25を介して主軸20を排水操作方向(時計周りの方向/矢印CWの方向)に回転させれば、洗浄水供給装置から排水できる。このため、排水しながら元栓を締めれば水抜きを行うことができるので、冬期間、凍結を防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の洗浄バルブ駆動ユニットでは、その使用方法を知らない者が誤ってハンドル25を排水方向(時計周りの方向/矢印CWの方向)に回したままその場を離れると、洗浄水が流れっ放しになるという問題点がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、操作を間違いなく行わせることにより、水の流れっ放しを確実に防止することのできる洗浄バルブ駆動ユニットを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、手動による主軸の回転操作により便器への給水が可能に構成された洗浄水供給装置用の洗浄バルブ駆動ユニットであって、前記主軸は、該主軸を軸線周りに回転させて便器内に洗浄水を所定のパターンで供給する洗浄操作を行うための洗浄操作位置と、該洗浄操作位置から軸線方向に引き出した位置あるいは押し込んだ位置に設定され、前記主軸を軸線周りに回転させて洗浄水を連続的に排水する排水操作を行うための排水操作位置とに移動可能に構成されているとともに、前記主軸には、当該主軸に対する手動操作を制限する操作制限機構が構成され、前記操作制限機構は、前記主軸が前記洗浄操作位置にあるときに前記洗浄操作を可能とする一方、前記排水操作を不能とし、前記主軸を前記排水操作位置に移動させたときには前記排水操作を可能とする一方、前記洗浄操作を不能とすることを特徴とする。
【0007】
本発明では、主軸を洗浄操作位置から軸線方向に引き出す操作あるいは押し込む操作を行わない限り、水抜きのための排水操作を行うことができない。従って、主軸が洗浄操作位置にある限り、使用方法を知らない者が誤ってハンドルを回した場合でも、排水操作が行われないので、洗浄水が流れっ放しになることがない。
【0009】
本発明において、前記操作制限機構は、前記主軸と一体に回転する突起と、当該突起を介して前記主軸の軸線周りの回転を規制するストッパとを備え、当該突起およびストッパによって、前記主軸に対する予定外の操作を制限していることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記主軸を前記排水操作位置から前記洗浄操作位置に戻そうとする付勢力を当該主軸に加える付勢手段を有していることが好ましい。このように構成すると、主軸が排水操作位置から洗浄操作位置に自動的に戻り、かつ、戻った際に衝突音が発生するので、その旨を操作者に報知することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明を適用した便器の洗浄水供給装置用の洗浄バルブ駆動ユニットを説明する。
【0012】
図1(A)、(B)は、本発明を適用した洗浄バルブ駆動ユニットの外観図、およびその内部機構を示す断面である。
【0013】
図1(A)、(B)に示すように、本発明に係る洗浄バルブ駆動ユニット10は、便器内に洗浄水を供給して便器内の洗浄を行うためのオートフラッシュバルブ用であり、洗浄水の供給口の開閉を行うバルブ(図示せず)と、このバルブを駆動するカム機構(図示せず)と、カム機構に回転力を伝達する主軸20(ハンドル軸)と、この主軸20を駆動するギヤ列(スパーギヤ50のみ図示)、このギヤ列を介して主軸20を回転駆動するモータユニット(図示せず)とを有しており、スイッチ操作でモータユニットを制御して主軸20を駆動し、便器内に洗浄水を吐出、供給するようになっている。これらの部品のうち、主軸20周りに配置された機構部品は、略矩形のケース15内に収納されている。
【0014】
主軸20の一方の端部にはスプライン溝21が形成されており、スプライン溝21に嵌るように、バルブを駆動するカム機構が連結されている。また、主軸20には、ギヤ列を構成する複数のギヤのうち、スパーギヤ50が固着されており、このスパーギヤ50を介して、主軸20には、モータユニットからの回転駆動力が伝達される。
【0015】
本形態の洗浄バルブ駆動ユニット10において、主軸20の他方の端部にはハンドル25(図示せず)が連結されており、このハンドル25を手動で給水方向(反時計周り/矢印CCWの方向)に回転させると、主軸20は、バルブを全開状態とし、便器内に洗浄水が所定のパターンで供給される(洗浄モード)。また、後述するように主軸20を操作すると、バルブは、洗浄水が連続的に排水される状態となるので、水抜きを行うことができる(排水モード)。
【0016】
(手動操作制限機構の構成)
図2(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した洗浄バルブ駆動ユニットにおいて主軸が洗浄操作位置にあるときの説明図、および主軸が洗浄操作位置にあるとき主軸を洗浄方向に回した状態の説明図である。図3(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した洗浄バルブ駆動ユニットにおいて主軸が排水操作位置にあるときの説明図、および主軸が排水操作位置にあるとき主軸を排水方向に回した状態の説明図である。
【0017】
本形態の洗浄バルブ駆動ユニット10には、手動操作の誤りを防止するため、主軸20に対する手動操作を制限する操作制限機構11が構成されている。
【0018】
この操作制限機構11として、本形態では、まず、主軸20は、軸線方向に設定された洗浄操作位置と、この洗浄操作位置から主軸20をケース15から引き出した排水操作位置とに移動可能な状態でケース15内に配置されており、図1(B)および図2(A)、(B)には、主軸20が洗浄操作位置にある状態が示されている。
【0019】
ここで、主軸20には、長さ方向の略中央部分にリング体30が固着されており、このリング体30からは外周側に向けて第1のハンドル側リブ26が形成され、この第1のハンドル側リブ26と軸線方向で隣接する位置には、さらに外周側に張り出した第2のハンドル側リブ27が構成されている。
【0020】
一方、主軸20の周りにはホルダ40が配置され、このホルダ40は、ケース15に固定されている。ここで、ホルダ40には円弧状の溝41が形成されており、この円弧状の溝41内に第1のハンドル側リブ26が嵌った状態にある。
【0021】
従って、図2(A)に示す状態では、ハンドル25を操作して、図2(B)に示すように、主軸20を反時計周り(矢印CCWの方向/洗浄操作方向)に回転させたとき、主軸20は、第1のハンドル側リブ26が溝41内を反時計周りに回転して溝41の反時計周りの方向に位置する内壁412に突き当たるまで回転可能である。
【0022】
これに対して、図2(A)に示す状態では、ハンドル25を操作して主軸20を時計周り(矢印CWの方向/排水操作方向)に回転させようとしても、第1のハンドル側リブ26が溝41の時計周りの方向に位置する内壁411に突き当たっているので、ハンドル25および主軸20は、時計周り(矢印CWの方向)の方向への回転が規制されている。
【0023】
また、ケース15にはリング体70が取り付けられており、このリング体70には、3本のケース側リブ71、72、73が形成されている。但し、第2のハンドル側リブ27と、ケース側リブ71、72、73とは、図2(A)に示す状態では、軸線方向においてわずかに位置がずれている。
【0024】
但し、図2(A)に示す状態からハンドル25を引っ張って、図3(A)に示すように、主軸20をケース15内から引き出す方向にわずかに、例えば3mm程度、移動させると、第1のハンドル側リブ26が溝41から抜けて出るため、主軸20の回転は溝41から解放されるが、第2のハンドル側リブ27とケース側リブとが干渉可能な状態となる。従って、図3(A)に示す状態では、ハンドル25を操作して主軸20を反時計周り(矢印CCWの方向/洗浄操作方向)に回転させようとしても、第2のハンドル側リブ27がケース側リブ71に突き当たるため、主軸20は反時計周りの方向に回転することは不可能である。
【0025】
これに対して、図3(A)に示す状態では、ハンドル25を操作して、図3(B)に示すように、主軸20を時計周り(矢印CWの方向/排水操作方向)に回転させようとしたときには、第2のハンドル側リブ27が時計周りの方向に位置するリブ72に突き当たるまで、ハンドル25および主軸20の時計周り(矢印CWの方向)の回転が許容され、排水(水抜き)が行われる。
【0026】
なお、ケース15にはリブが3つ形成されているが、回転を規制するのに関与しないリブ73は、ケース15にリング体70を固定するために用いられる。
【0027】
再び図1(B)において、スパーギヤ50の下端側には、ハンドル25および主軸20の回転位置を検出するための位置検出リブ61が形成されている一方、この位置検出リブ61の回転領域に対しては、フォトインタラプタ60が配置されている。このため、フォトインタラプタ60を介して主軸20の回転を検出することができ、主軸20が洗浄方向に回転したとき、便器内に洗浄水が供給され、一定のシーケンスに沿って便器内の洗浄が行われる。例えば、リム洗浄とジェット洗浄とが所定のパターンで行われ、便器内の洗浄が効率よく行われる。
【0028】
また、ケース15とリング体30との間には、主軸20を排水操作位置から洗浄操作位置に戻そうとする付勢力を発生させるコイルバネ80(付勢手段)が配置されている。このため、主軸20を排水操作位置まで引き出した後、ハンドル25から手を離すと、主軸20はコイルバネに押圧されて洗浄装置位置まで自動的に戻ることになる。その際、衝突音が発生するので、主軸20が洗浄操作位置に戻ったことを操作者に確実に報知することができる。
【0029】
(動作および使用方法)
このような洗浄バルブ駆動ユニット10において、通常は、図2(A)に示す状態にあって、主軸20は洗浄操作位置にある。この状態で便器内の洗浄を手動で指令するときには、ハンドル25を反時計周りに回す。その結果、主軸20の回転をフォトインタラプタ60が検出し、モータユニットが回転、主軸がモータユニットによって一定のシーケンスで駆動され、便器内の洗浄が行われる。
【0030】
これに対して、図2(A)に示す状態では、ハンドル25を時計周りに回そうとしても、第1のハンドル側リブ26がホルダ40の溝41の内壁に突き当たるので、ハンドル25の時計周りへの回転は不可能である。それ故、便器内の洗浄を行う際、誤って排水モードになることがない。
【0031】
また、冬期間、凍結を防止するため、洗浄水供給装置の水抜きを行いたい場合には、図2(A)に示す状態からハンドル25を引っ張って、図3(A)に示すように、主軸20を排水操作位置にずらす。この状態では、第1のハンドル側リブ26とホルダ40の溝41との係合が解除されているので、図3(B)の状態になるまで、ハンドル25を時計周りに回すことができる。その結果、洗浄水供給装置の水抜きを行うことができる。
【0032】
また、水抜きを終えた後、ハンドル25を逆に回して引き出した位置まで戻すと、主軸20はコイルバネ80に押圧されて洗浄操作位置に自動的に戻るため、以降、通常の洗浄操作を行う状態に復帰する。
【0033】
これに対して、図3(A)に示す状態では、ハンドル25を反時計周りに回そうとしても、第2のハンドル側リブ27がケース側リブ71に突き当たるので、ハンドル25の反時計周りへの回転は不可能である。
【0034】
[その他の実施の形態]
上記形態では、洗浄操作位置での反時計周りの操作を洗浄操作とし、洗浄操作位置から主軸20を引き出した位置での時計周りの操作を排水操作としたが、主軸20が洗浄操作位置にあるときに主軸20に対する軸線周りの回転操作によって便器への給水を可能とする一方、主軸20に対する排水操作を不能とし、主軸20を排水操作位置に移動させたときに主軸20に対する軸線周りの回転操作によって排水を許容し、主軸20に対する洗浄操作を不能とする構成であれば、洗浄操作時のハンドル25および主軸20の回転方向と、排水操作時のハンドル25および主軸20の回転方向が同一であってもよい。
【0035】
また、上記形態では、洗浄操作位置から主軸20を引き出した位置で排水操作を行う構成であったが、洗浄操作位置から主軸20をケース15内に向けて押し込んだ位置で排水操作を行う構成であってもよい。
【0036】
さらに、上記形態では、スパーギヤ50とは別には、主軸20に対して直接、位置検出リブ61を取り付けてもよい。このように構成すると、主軸20を軸線方向に移動させたとき、スパーギヤ50と主軸20との噛み合いを解除する構成を採用して、排水操作時のハンドル25の操作を軽くすることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、主軸を洗浄操作位置から軸線方向に引き出す操作あるいは押し込む操作を行わない限り、水抜きのための排水操作を行うことができない。従って、主軸が洗浄操作位置にある限り、使用方法を知らない者が誤ってハンドルを回した場合でも、排水操作が行われないので、洗浄水が流れっ放しになることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した洗浄バルブ駆動ユニットの外観図、およびその内部機構を示す断面図である。
【図2】(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した洗浄バルブ駆動ユニットにおいて主軸が洗浄操作位置にあるときの説明図、および主軸が洗浄操作位置にあるとき主軸を洗浄方向に回した状態の説明図である。
【図3】(A)、(B)はそれぞれ、本発明を適用した洗浄バルブ駆動ユニットにおいて主軸が排水操作位置にあるときの説明図、および主軸が排水操作位置にあるとき主軸を排水方向に回した状態の説明図である。
【図4】従来の洗浄バルブ駆動ユニットの外観図、およびその内部機構を示す断面図である。
【符号の説明】
10 洗浄バルブ駆動ユニット
11 操作制限機構
15 ケース
20 主軸
21 スプライン溝
25 ハンドル
30 リング体
40 ホルダ
41 ホルダの円弧状の溝
50 スパーギヤ
60 フォトインタラプタ
61 位置検出リブ
71、72 ケース側リブ
411、412 内壁
Claims (3)
- 手動による主軸の回転操作により便器への給水が可能に構成された洗浄水供給装置用の洗浄バルブ駆動ユニットであって、
前記主軸は、該主軸を軸線周りに回転させて便器内に洗浄水を所定のパターンで供給する洗浄操作を行うための洗浄操作位置と、該洗浄操作位置から軸線方向に引き出した位置あるいは押し込んだ位置に設定され、前記主軸を軸線周りに回転させて洗浄水を連続的に排水する排水操作を行うための排水操作位置とに移動可能に構成されているとともに、前記主軸には、当該主軸に対する手動操作を制限する操作制限機構が構成され、
前記操作制限機構は、前記主軸が前記洗浄操作位置にあるときに前記洗浄操作を可能とする一方、前記排水操作を不能とし、前記主軸を前記排水操作位置に移動させたときには前記排水操作を可能とする一方、前記洗浄操作を不能とすることを特徴とする洗浄バルブ駆動ユニット。 - 請求項1において、
前記操作制限機構は、前記主軸と一体に回転する突起と、当該突起を介して前記主軸の軸線周りの回転を規制するストッパとを備え、当該突起およびストッパによって、前記主軸に対する予定外の操作を制限していることを特徴とする洗浄バルブ駆動ユニット。 - 請求項1または2において、
前記主軸を前記排水操作位置から前記洗浄操作位置に戻そうとする付勢力を当該主軸に加える付勢手段を有していることを特徴とする洗浄バルブ駆動ユニット。
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JPH09310393A (ja) | ロータンクのハンドル装置 |
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