JP4056111B2 - 磁気搬送装置、磁気搬送装置の動力伝達機構、およびこれに使用される回転駆動部材 - Google Patents

磁気搬送装置、磁気搬送装置の動力伝達機構、およびこれに使用される回転駆動部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触方式にて移動体に駆動力を伝達するもので、大気から隔離された真空雰囲気での物体搬送のための駆動機構に適しており、発塵の少ない円滑な搬送を行える磁気搬送装置、磁気搬送装置の動力伝達機構、および磁気搬送装置に好適な回転駆動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空環境で物体を搬送する場合、従来、ラック・ピニオン機構、コロ式駆動機構、チェーン駆動機構等が多く採用されてきた。これらの駆動機構は、駆動力を接触作用により直接に伝える方式であり、接触伝達方式と呼ばれる。かかる駆動機構では、真空環境は摩擦係数が大きく、また潤滑油が使えないという特性を有するので、摩耗量が著しく多くなり、大量のゴミ(塵や埃)が発生する(この状態を「発塵」と呼ぶ)という問題があった。また摩擦係数が大きいため、接触部のクリアランスも大きくしなければならず、精密な動きを行う上で支障になっていた。
【0003】
一方、近年では半導体が代表するように、電子部品等へのゴミの付着量を著しく制限することが要求される。理想的には、ゴミの発生を完全になくした駆動機構が望まれている。
【0004】
ゴミの発生を低減するためには、明らかに非接触伝達方式の搬送系が望ましい。非接触伝達方式の搬送系としては従来種々の方式が提案されている。その中で、比較的に構造が簡単な方式は磁気結合の作用を利用した方式(以下「磁気搬送装置」という)である。磁気搬送装置については、最近、螺旋状の磁気回路と磁極を組み合わせた直線搬送機構が提案されている(米国特許第5,377,816号公報)。また磁気搬送装置に間接的に関係する技術として、工作機械等の分野で、送り装置として利用される磁気ねじが提案されている(特開平7−280060号公報)。
【0005】
上記米国特許第5,377,816号公報は、螺旋状磁石を利用して直線運動を発生させる機構を開示している。すなわち、モータで回転するように設けられた円筒体であって、その表面にN極とS極の多数の磁石片を螺旋状レイアウトになるように交互に設けた円筒体と、この円筒体に接近させて円筒体の軸方向に移動自在に設けられかつ磁石セグメントを設けたベース部材とを備え、円筒体が回転すると、磁石片と磁石セグメントとの磁気的な吸引作用によってベース部材が直線運動するように構成される。
【0006】
また上記特開平7−280060号公報は磁気ねじを開示する。この磁気ねじは、磁性材料で作られ表面にねじ山が螺旋状に形成されるねじ軸と、このねじ軸の外周に隙間をあけて配置され、かつ内周面にねじ山に対応して螺旋状に着磁された磁極を備える筒形ナット体とから構成される。ねじ軸が回転すると、筒形ナット体がねじ軸の軸方向に移動する。
【0007】
前述した一般的な磁気搬送装置によれば、通常、真空装置内における搬送機構に関連する接触部は移動体(キャリアまたはトレイ、以下「キャリア」という)を支持するコロ部分のみとなり、キャリアを移動させるための駆動機構部の駆動力伝達部分での接触部が存在せず、ゴミ発生の主要因となる当該接触部をなくすことができる。従って磁気搬送装置は、接触伝達方式に比べて、磨耗・発塵の問題を軽減でき、真空装置の内部搬送機構として理想的な構造を持つ。
【0008】
前述した磁気搬送装置は、一般的には、磁気結合部の磁気結合作用によって得られる搬送推力が小さいので、多くの磁気結合部を形成することが要求される。ここで「磁気結合部」とは、駆動部分と被駆動部分の間において磁気力が作用して互いに結合しようとする磁極等の箇所をいう。そこで、例えば、表面に螺旋形磁石部が形成された円柱形状の回転駆動部(以下「駆動軸」という)と、当該螺旋形磁石部のピッチと同じ距離の間隔で配置された磁石が設けられた移動体とからなる磁気搬送装置では、駆動軸の搬送方向(軸方向)の長さを長くし、螺旋形磁石部の巻数と移動体における磁石の数を増すことによって磁気結合部の数を増すようにしている。
【0009】
かかる磁気搬送装置を、例えば直列に接続された複数の真空処理チャンバを含む半導体製造装置に適用する場合を考える。各チャンバの間は仕切り弁で分離されている。従って当該磁気搬送装置を基板搭載用キャリアを搬送させる装置として使用する場合には、当然のことながら各チャンバごとに上記駆動軸を設け、各駆動軸を回転動作させてキャリアの移動を行うように構成される。当該キャリアは、各チャンバを、予め決められた基板の処理手順に従って順次に搬送される。そのときチャンバ間のキャリアの移動で、当該キャリアは各チャンバの駆動軸の間で受け渡されるように構成される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成を有する従来の磁気搬送装置では、次のような問題が存在した。
【0011】
チャンバ間は仕切り弁で分離されるので、駆動軸と駆動軸の間に隙間が存在し、搬送されるキャリアにとって渡り部分が形成される。従って、キャリアを滑らかに移動させるためには、当該渡り部分で、駆動軸間の磁気回路の整合をとることが重要となる。かかる整合を適切に行わないと、キャリアの動きが滑らかにならない。また渡り部分でのキャリア受渡しで反発作用が生じると、目的の推力が出ないばかりか、搬送が停止することもあり得る。
【0012】
そこで、キャリアを駆動軸間で円滑に移動させる目的で、各駆動軸の回転動作を同期させることが望まれる。これを実現する簡単な構成として、各チャンバの駆動軸のすべてを1つのモータで回転動作させることが考えられるが、この構成は、負荷が大きくなり過ぎるという大きな不具合があるので、実際上不可能である。次に、各チャンバごと駆動軸を動作させるモータを設け、各モータの動作を同期制御することにより、駆動軸間の同期をとるための制御を行うことが考えられる。しかし、この同期制御は、各チャンバで被処理物の停止位置が独自に設定されていること、およびチャンバの寸法の違いや製造装置の組立て時の誤差が存在すること等に起因して、チャンバ間でキャリアを受け渡すとき、キャリアに配列された複数の磁極の位置と、駆動軸の螺旋形磁石部との位置合せが難しく、実際上、極めて難しいものとなる。
【0013】
以上のごとく、複数の直列チャンバを備え、各チャンバに独立した駆動系で回転動作するように駆動軸を設けた従来の半導体製造装置では、各チャンバの個々の駆動軸から隣接するチャンバの他の駆動軸へのキャリアの受渡しで、当該キャリアに配置された磁極の位置と次の駆動軸の位置とを合わせるための制御が難しいものとなっていた。
【0014】
なお上記の問題は、前述した先行技術文献の課題には含まれず、これらの文献に示される磁気送り機構あるいは磁気ねじの構成によって解決することはできない。
【0015】
本発明の目的は、上記の問題を解決することにあり、直列に接続された複数の処理チャンバを備えた半導体製造装置等でキャリア搬送用に使用される磁気搬送装置であって、各チャンバに互いに独立して駆動されるキャリア送り用駆動軸を設けた構成において、同期制御機構を特別に設けることなく、チャンバ間でのキャリアの受渡しを円滑に行うことができ、さらに、滑らかな搬送と連続搬送を行うことができる磁気搬送装置を提供することにある。
【0016】
本発明の他の目的は、前述の問題を解決できる上記磁気搬送装置で、さらにキャリア送り用駆動軸に対し動力を伝達する部分をスペースを利用して最適な位置に配置し、配置レイアウト上の制約を軽減した磁気搬送装置の動力伝達機構を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、上記磁気搬送装置を実現するのに好適な、簡単な構造を有する回転駆動部材を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る磁気搬送装置は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
【0019】
磁気搬送装置は、少なくとも2つのチャンバを通過して移動体(キャリアとスライダと被処理物を含む)を搬送する搬送路を備え、搬送路ではチャンバの間で渡り部分が形成され、かつ各チャンバに対応して移動体を移動させるための駆動装置部(駆動装置、回転駆動部材すなわち駆動軸)をチャンバごと独立して設ける。2つのチャンバは、通常では互いに隔離され、また適当なタイミングで連結部(仕切り弁)を開いてつながる。従って、上記搬送路では、2つのチャンバの間で隙間部分すなわち渡り部分が形成される。各チャンバごとの回転駆動部材すなわち駆動軸が回転動作することで、搬送路に沿って移動体(磁気結合部を有するスライダを備えたキャリア)が、回転駆動部材との磁気結合作用に基づいて吸引され搬送される。移動体がチャンバから他のチャンバへ移動するときには、連結部は開いた状態にあり、移動体は上記渡り部分を移動することになる。回転駆動部材では、軸方向に少なくとも二分割され、第1分割部(実施例での固定駆動軸に対応)と第2分割部(実施例での可動駆動軸に対応)が形成される。第1分割部は軸心部材に固定される。また第2分割部は回転方向には制限されかつ上記軸方向には一定の幅(遊びとして設定された所定の範囲)で自由に動くように軸心部材に取り付けられる。第1分割部と第2分割部の各々の表面には、少なくとも1組以上の螺旋状磁気結合部が同一条件(具体的にはピッチが同じ)で形成される。この螺旋状磁気結合部は、近くに存在する移動体の磁気結合部と磁気的な吸引作用で結合しようとする。移動体、すなわち、磁気結合部を有するスライダが付加されかつ被処理物を搭載するキャリアは、回転駆動部材の螺旋状磁気結合部が形成された表面から一定距離の箇所を通過するように、搬送路上で移動自在に設けられ、回転駆動部材の上記表面に面した部分に螺旋状磁気結合部のピッチと同じ距離の間隔で磁気結合部が設けられる。モータ等の駆動装置によって回転駆動部材を回転させると、移動体は搬送路に沿って直線的に移動する。
【0020】
上記の磁気搬送装置では、第1分割部を移動体送りおよびチャンバにおける移動体の位置制御のための駆動軸として使用し、第2分割部を、各チャンバごとに設けられた隣り合う回転駆動部材の間における移動体受渡しの際の整合(位置合せ)を行う駆動軸として使用する。このため、或るチャンバの回転駆動部材から他のチャンバの回転駆動部材への移動体の受渡しを行う際に、換言すれば、上記渡り部分で移動体を搬送するとき、回転駆動部材間の移動を特別な制御手段で制御する必要性がなくなり、第1分割部である固定駆動軸と第2分割部である可動駆動軸からなる回転駆動部材の機構的な特性に基づいて上記整合を簡単にかつ正確に行うことができ、或る回転駆動部材から次の回転駆動部材への受渡しの際の制御を簡略化できる。
【0021】
上記の構成において、好ましくは、第2分割部はキーを介して軸心部材に連結されかつコイルスプリングで第1分割部の側へ付勢されると共に、軸心部材に形成されたストッパで位置決めされる。この構成によれば、第2分割部は、外部から力を受けない限り、第1分割部にもっとも近い位置にセットされ、第1分割部と第2分割部の位置関係が設定された一定のものに保持される。
【0022】
また第2分割部と軸心部材は、一般的な関係としては、スプライン構造で連結されることが好ましい。
【0023】
また上記の構成において、好ましくは、回転駆動部材の螺旋状磁気結合部がN極とS極が交互に配置される磁石配列であり、移動体の磁気結合部が高透磁率材料部で形成される。さらに好ましくは、回転駆動部材の螺旋状磁気結合部が強磁性材料部で形成され、移動体の磁気結合部がN極とS極が交互に配置される磁石配列とすることもできる。
【0024】
さらに、第2分割部が一定の幅内で第1分割部にもっとも近い位置にあるときには、回転駆動部材は第1分割部と第2分割部の間にある隙間を含めて1本の回転駆動部材としてみなされ、連続して螺旋状磁気結合部が形成されるように構成されることが好ましい。回転駆動部材が固定駆動軸と可動駆動軸に二分割されたにも拘らず、固定駆動軸と可動駆動軸の各々に正確かつ容易に螺旋状磁気結合部を連続的に作ることができる。
【0025】
上記の構成において、第2分割部の可動範囲が、上記ピッチと同等以上でかつその2倍以下であることが好ましい。第2分割部が、円滑な移動体の受渡しを行うためには、かかる範囲の遊びを持っていることが望ましい。
【0026】
上記の各構成において、回転駆動部材が大気側に配置され、移動体が大気から隔離された箇所に配置されることが好ましい。これによって、回転駆動部材の部分で生じるゴミが移動体の基板等に影響を与えるのを防止できる。この磁気搬送装置の構成で、好ましくは、大気から隔離された箇所が真空雰囲気であるように構成される。
【0027】
第1分割部と第2分割部の間の隙間に、駆動装置から回転駆動部材へ動力を伝達するための動力伝達部を設けている。この動力伝達部は好ましくは傘歯車機構で構成される。
【0028】
上記磁気搬送装置によれば、従来、直列に接続された複数のチャンバからなる装置で各チャンバに回転駆動部材を独立に動作するように個別に設けた構成であって、仕切り弁の存在によって回転駆動部材の間に渡り部分が形成される構成において、回転駆動部材を二分割し、位置決めおよび送り用の固定駆動軸(第1分割部)と受渡し用の可動駆動軸(第2分割部)によって構成したため、当該渡り部分におけるに移動体の移動の際に、複雑な同期制御のための機構を設けることなく、簡単な構成および安価な費用で渡り部分における円滑な移動を達成することができ、確実な移動を実現することができる。
【0029】
本発明に係る磁気搬送装置の動力伝達機構は、前述の目的を達成するため、次のように構成される。
【0030】
動力伝達機構は、チャンバに対応して個々に設けられる回転駆動部材すなわちすなわち駆動軸と、各チャンバに設けられた搬送路に沿って移動する、キャリアとスライダと被処理物からなる移動体によって構成される磁気搬送装置に適用される。回転駆動部材は、軸方向に少なくとも二分割されて第1分割部と第2分割部が形成される。第1分割部は軸心部材に固定され、第2分割部は回転方向には制限されかつ軸方向には一定の幅で自由に動くように軸心部材に取り付けられる。第1分割部と第2分割部の各々の表面には少なくとも1組以上の螺旋状磁気結合部が同一条件で形成される。移動体は、回転駆動部材における螺旋状磁気結合部が形成された表面から一定距離の箇所を通過するように移動自在に設けられ、回転駆動部材の上記表面に面した部分に上記螺旋状磁気結合部のピッチと同じ距離の間隔で磁気結合部を設けている。回転駆動部材における第1分割部と第2分割部の間に動力伝達部が設けられる。駆動装置からの動力はこの動力伝達部を介して回転駆動部材に与えられ、回転駆動部材を回転させることで移動体を直線的に移動させる。
【0031】
上記動力伝達機構では、第1分割部を移動体の送りおよび位置制御のための駆動軸として使用し、第2分割部を回転駆動部材間の移動体受渡しの際の整合を行う駆動軸として使用するようにしたため、或るチャンバの回転駆動部材から他のチャンバの回転駆動部材への移動体の受渡しの際に、回転駆動部材間の移動を特別な制御手段で制御する必要性がなくなり、第1分割部である固定駆動軸と第2分割部である可動駆動軸からなる回転駆動部材の機構的な特性で上記整合を行うことができ、或る回転駆動部材から次の回転駆動部材への受渡しの際の制御を簡略化した。特に、回転駆動部材の第1分割部と第2分割部の間に動力伝達機構を設けることで、構成部品の設置に関するレイアウト上の制約を軽減できる。
【0032】
動力伝達機構の場合でも、同様に、第2分割部はキーを介して軸心部材に連結されかつコイルスプリングで第1分割部の側へ付勢されると共に、軸心部材に形成されたストッパで位置決めされることが好ましい。また第2分割部と軸心部材とは一般的な関係としてスプライン構造で連結されることが好ましい。
【0033】
さらに上記の動力伝達機構は、好ましくは、回転駆動部材の螺旋状磁気結合部がN極とS極が交互に配置される磁石配列であり、移動体の磁気結合部が高透磁率材料部で形成される。さらに好ましくは、回転駆動部材の螺旋状磁気結合部が強磁性材料部で形成され、移動体の磁気結合部がN極とS極が交互に配置される磁石配列である。第2分割部の可動範囲は、上記ピッチと同等以上でかつその2倍以下であるように構成される。
【0034】
上記動力伝達機構は好ましくは動力伝達部が傘歯車機構部である。
【0035】
動力伝達機構は、好ましくは、回転駆動部材と動力伝達部が、隔壁に覆われた室内に配置され、移動体が存在する空間と隔離される。回転駆動部材が大気側に配置され、移動体が大気から隔離された箇所に配置される。また大気から隔離された箇所が真空雰囲気であるように構成される。
【0036】
上記磁気搬送装置の動力伝達機構によれば、第1分割部と第2分割部に二分割された回転駆動部材において、2つの分割部の間のスペースを利用して動力伝達部を設けるようにしたため、スペースを有効利用でき、コンパクトに作ることができ、レイアウト上の制約を軽減できる。
【0037】
本発明に係る回転駆動部材は、前述の目的を達成するため、次のように構成される。
【0038】
回転駆動部材は或る直線方向に移動自在に設けられ、対向面に磁気結合部が形成された移動体に対して一定距離をあけかつ前記直線方向に平行に配置される。この回転駆動部材は、その表面に螺旋状磁気結合部が形成され、この磁気結合部と移動体の磁気結合部が互いに吸引しあうように作用する。磁気結合部は螺旋状磁気結合部分のピッチと同じ距離の間隔を有する。回転駆動部材が回転すると、その近くに存在する移動体は上記直線方向に移動する。回転駆動部材は、軸方向に少なくとも二分割されて第1分割部と第2分割部を備える。第1分割部は軸心部材に固定され、第2分割部は回転方向には制限されかつ軸方向には一定の幅で自由に動くように軸心部材に取り付けられる。第1分割部と第2分割部の各々の表面に少なくとも1組以上の螺旋状磁気結合部が同一条件で形成される。
【0039】
上記の構成においても、好ましくは、第2分割部はキーを介して軸心部材に連結されかつコイルスプリングで第1分割部の側へ付勢されると共に、軸心部材に形成されたストッパで位置決めされる。この構成によれば、第2分割部は、外部から力を受けない限り、第1分割部にもっとも近い位置にセットされ、第1分割部と第2分割部の位置関係が設定された一定のものに保持される。
【0040】
また第2分割部と軸心部材は、一般的な関係としては、スプライン構造で連結されることが好ましい。
【0041】
また上記の構成において、好ましくは、回転駆動部材の螺旋状磁気結合部がN極とS極が交互に配置される磁石配列であり、移動体の磁気結合部が高透磁率材料部で形成される。さらに好ましくは、回転駆動部材の螺旋状磁気結合部が強磁性材料部で形成され、移動体の磁気結合部がN極とS極が交互に配置される磁石配列とすることもできる。
【0042】
さらに、第2分割部が一定の幅内で第1分割部にもっとも近い位置にあるときには、回転駆動部材は第1分割部と第2分割部の間にある隙間を含めて1本の回転駆動部材としてみなされ、連続して螺旋状磁気結合部が形成されるように構成されることが好ましい。回転駆動部材が固定駆動軸と可動駆動軸に二分割されたにも拘らず、固定駆動軸と可動駆動軸の各々に正確かつ容易に螺旋状磁気結合部を連続的に作ることができる。
【0043】
上記の構成で、第1分割部と第2分割部の間の隙間に、駆動装置からの動力を伝達する動力伝達部が設けられる。動力伝達部は傘歯車機構で構成されることが好ましい。
【0044】
上記回転駆動部材によれば、上記磁気搬送装置あるいは動力伝達機構を製作するに当って有用な構成要素となり、かかる搬送装置の実現性をサポートするものである。
【0045】
さらに前述の磁気搬送装置について、駆動装置部の回転駆動部材を、固定駆動軸と可動駆動軸に二分割にする必要は必ずしもなく、1本状に形成することもできる。すなわち、回転駆動部材を1本状のものとして、キーを介して軸心部材に連結されかつコイルスプリングで一方の側へ付勢されると共に軸心部材に形成されたストッパで位置決めされ、これにより回転方向には制限されかつ軸方向には一定の幅で自由に動くように軸心部材に取り付けられ、さらにその表面に少なくとも1組以上の螺旋状磁気結合部が同一条件で形成するように構成することもできる。移動体の連続搬送を行わない限り、このような構成を有した磁気搬送装置であっても、チャンバ間の移動体の搬送を位相調整を行いながら滑らかに行うことができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0047】
本発明に係る磁気搬送装置は、例えば、基板に対して成膜等の処理を行う真空処理装置に適用され、基板を搭載するキャリア(基板トレイ)を移動させる機構として使用される。この実施形態では、複数の真空処理チャンバを直列に接続してなるロードロック型真空処理装置に適用した例を説明する。
【0048】
図1において、真空処理装置1は、一例として、3つのチャンバ(仕切り室)2A,2B,2Cを備え、各チャンバの間には仕切り弁11が設けられる。チャンバの数は3つに限定されない。各チャンバ2A,2B,2Cの内部は、減圧された高い真空度を有する空間であり、各チャンバは仕切り弁11によって互いに隔離され,閉ざされた真空処理室を形成する。仕切り弁11が開放されるときには、各チャンバは連通状態になる。各チャンバ2A,2B,2Cでは、開放された仕切り弁11を通して搬入された被処理物(基板等)に対し、予め設定された異なる処理が実行される。仕切り弁11は例えばゲートバルブである。直列に接続されたチャンバ2A,2B,2Cの各々には、仕切り弁11を通って順次に基板等の被処理物12を載置したキャリア13が搬送される。チャンバに送り込まれた被処理物12は、各チャンバで処理のため所定の位置に停止する。
【0049】
被処理物12が載置されたキャリア13は、下側に設けられた一対の案内棒14の上で、かつ当該案内棒14に沿って移動する。2本の案内棒14は、図2に示すように、キャリア13の下側位置にて平行に設置され、直線的なレール状の形態を有する。2本の案内棒14の各々には、キャリア13を支える複数のローラ(コロ)14aが側部と下部の所定箇所に一定間隔で設けられている。この構成によって、案内棒14の上に載置されて移動するキャリア13は直線的に搬送される。
【0050】
案内棒14は、仕切り弁11が設けられた箇所ではその一部が切断されて不連続な状態にあり、各チャンバごとに分離されて構成される。またキャリア13を移動させるためのモータ等の駆動装置(図1中図示せず)も、チャンバ2A,2B,2Cのそれぞれに個別に設けられる。
【0051】
キャリア13は、最初、チャンバ2Aの入り口部15からその内部に入り、次に、後述する磁気搬送機構によって、適当なタイミングで開放される仕切り弁11を通過しながら、各チャンバ2B,2Cに順次に送られる。各チャンバでは、停止状態にあるキャリア13上の被処理物12に対して所定の処理が行われる。最後に、チャンバ2Cの出口部16から外部に取り出される。真空処理装置1におけるキャリア13と被処理物12の移動状態を矢印aで示す。
【0052】
図2において、平行に配置された2本の案内棒14上を移動するキャリア13が示される。キャリア13の上には被処理物12が載置される。キャリア13は、移動のための駆動力を受けると、ローラ14aを備えた案内棒14で支持・案内されて移動する。キャリア13の例えば側面部には、案内棒14に平行に、後述するような磁気結合部21(図4に示す)が外表面に形成されたスライダ17が固定される。スライダ17は、後述する回転駆動部材の磁気結合部からの駆動力を受けて直線方向に滑るように移動するので、この意味で「スライダ」と呼ぶことにする。スライダ17が移動すれば、これと一体化されたキャリア13も共に移動する。従ってキャリア13は、当該回転駆動部材から磁気的な駆動力を受けて移動する。
【0053】
3つのチャンバ2A,2B,2Cの各々には、案内棒14に沿って、スライダ17が付加されたキャリア13を直線的に移動させるための駆動力を与える回転駆動部材(以下「駆動軸」という)18A,18B,18Cが配置される。各駆動軸は、円柱形または円筒形の形状を有し、その軸回りに回転自在になるように軸支されると共に、モータ等の駆動装置19A,19B,19Cから動力を伝達され、正逆の任意の方向に回転される。駆動装置19A〜19Cから回転駆動部材18A〜18Cへ動力を伝達する機構の詳細は後述される。駆動装置は各チャンバごとに設けられ、それらの間には同期制御は適用されず、各チャンバ2A〜2Cの駆動軸18A〜18Cは独立に回転動作するように構成される。
【0054】
駆動軸18A〜18Cの各々は、対応するチャンバ内に上記キャリア13が搬入されてきた時、当該キャリア13のスライダ17の近くであって、これに対向する位置関係となるように配置される。
【0055】
またチャンバの間は上記仕切り弁11で仕切られるので、この仕切り弁11によって駆動軸と駆動軸の間も仕切られる。そのため、隣り合う駆動軸の間に隙間が生じる。駆動軸と駆動軸の間の隙間(以下「渡り部分」という)の距離(L)はキャリア13の長さに比べて十分小さく設定される。かかる渡り部分が存在するため、キャリアを或る駆動軸から次の他の駆動軸へ移動させるとき、駆動軸間での磁気回路の整合が問題となる。本実施形態では、この問題を以下のような構成で解決している。
【0056】
なお図2に示した真空処理装置1において、1aは上記入り口部15が設けられる前壁、1bは上記出口部16が設けられる後壁、1cは上記仕切り弁11が設けられる仕切り壁である。またチャンバ2Aにおいてキャリア13、スライダ17、被処理物12を実線で描き、キャリア13等がチャンバ2A内に存在していることを示している。チャンバ2B,2Cではキャリア13等を想像線で示し、チャンバ2Aに存在したキャリア13がチャンバ2B,2Cへ順次に搬送されていく様子を示している。被処理物12は各チャンバごとに位置決めがなされる。また被処理物の連続搬送が行われ、チャンバ2A〜2Cの各々に被処理物12が存在し、各々のチャンバで被処理物に対して処理が行われるように構成することもできる。
【0057】
次に、図3を参照して、駆動軸18A〜18Cの各々の構造と各部の働きを詳述する。図3では、駆動軸18A〜18Cの各々と同じ構成を有する駆動軸18を代表的に拡大して示し、この駆動軸18に基づいて説明する。なお、モータ等から駆動軸18へ動力を伝達する機構の図示は省略されている。
【0058】
駆動軸18は、その軸方向にて二分割され、キャリア送出側(図中右側)に位置する固定駆動軸18−1と、キャリア進入側に位置する可動駆動軸18−2とからなる。固定駆動軸18−1は、共通の軸心部20について、当該軸心部に固定される。軸心部20はその両端を支持部(回転軸受)23によって回転自在に支持されている。かかる固定駆動軸18−1は、スライダ17との間の磁気結合作用に基づいてキャリア13を所望の方向(方向aまたは方向b)に進行させる働きと、対応するチャンバ内でキャリア13の停止位置を設定する働きを持つ。一方、可動駆動軸18−2は、上記軸心部20に回転方向については動きを制限するべく固定されると共に、キャリア13の進行方向(方向a)と同じ方向には一定範囲で自由に動き得るように遊びを持たせるように構成される。当然のことながら、右側に移った可動駆動軸18−2は、左方へ動くことができる。かかる可動駆動軸18−2は、軸心部20から固定駆動軸18−1と同一の回転動作を与えられると共に、キャリア13の進行方向の動きに合わせて、その軸方向に上記遊びの範囲内で自由に動くことができる。図3中、左側の位置から右側に移動した可動駆動軸18−2の右端部を破線で示している。可動駆動軸18−2の軸方向の可動量は、後述する磁気回路のピッチと同等の距離以上で当該ピッチの2倍以下の範囲に含まれることが望ましい。可動駆動軸18−2の軸方向の動作可能な移動量をこのように定めるのは、最小の移動量で上記渡り部分における整合(位置合せ)を行うためである。
【0059】
上記のような作用を生じるため、可動駆動軸18−2と軸心部20とは、例えばよく知られたスプライン構造で連結されている。スプライン構造の要部を図16に示す。図示されたスプライン構造では、軸心部20はスプライン歯20aを有してスプライン軸となり、可動駆動軸18−2は固定駆動軸側の端面70にスプライン歯20aとかみ合う穴71を有し、ボスとなる。穴71の軸方向の長さは、スプライン歯20aの幅よりも大きくなるように形成されている。穴71の軸方向の長さによって、可動駆動軸18−2の軸方向移動の範囲を設定することができる。
【0060】
また可動駆動軸18−2と軸心部20との関係について、可動駆動軸18−2の軸方向移動を上記遊びの範囲内に制限するための制限部(または係止部等、図示せず)を、軸心部20または可動駆動軸18−2に設けることもできる。
【0061】
さらに可動駆動軸18−2と軸心部20の間の他の具体的な構造例が、後で、図10と図11を参照して説明される。
【0062】
駆動軸18の表面(固定駆動軸18−1と可動駆動軸18−2の各表面)には、望ましいピッチで螺旋状に形成された磁気結合部22が設けられる。磁気結合部22は、図示例では駆動軸表面に形成された螺旋状の凸部として示されている。この磁気結合部22は、好ましくは、外表面に磁極が形成された螺旋状磁石である。この螺旋状磁石は、さらに二重螺旋構造が好ましく、N極とS極が交互に配列されることが好ましい。また磁気結合部22については、駆動軸18の表面に螺旋状の着磁を施すことにより、NとSの磁極を形成することもできる。後者の場合には、駆動軸18の表面に凸部は形成されない。
【0063】
駆動軸18の磁気結合部22は、スライダ17に設けられる磁気結合部21との間において相互に磁気力が作用し、互いに結合しようとする部分である。スライダ17の磁気結合部21も、磁石または着磁によって形成される。駆動軸18は、その軸心部20がスライダ17と平行であり、かつスライダ17との間において両者の間の磁気的な結合を可能とする適切な隙間が形成されるように配置されている。
【0064】
さらに、固定駆動軸18−1とスライダ17を含むキャリア13との関係を図4に従って説明する。図4は部分平面図であり、可動駆動軸、キャリア13の全体、案内棒14等の図示は省略されている。固定駆動軸18−1にはその表面に螺旋状にN極の磁石22aとS極の磁石22bが設けられる。固定駆動軸18−1とキャリア13は、固定駆動軸18−1上の磁石22a,22bと、キャリア13に付加されたスライダ17に設けられた磁気結合部21とによって磁気結合された状態にある。この磁気結合部21も好ましくは平行に配置されたロッド状磁石で形成され、かつ上記磁石22a,22bに対応してN極の磁石21aとS極の磁石21bで構成される。磁石21a,21bの配置間隔は、螺旋状磁石22a,22bの間隔(ピッチ)とほぼ等しい。図4に示すように、固定駆動軸18−1の磁気結合部22とスライダ17の磁気結合部21の間では、異極同士が対向して磁気的に吸引・結合する関係にある。こうして吸引・結合部において磁気回路が形成され、この磁気回路は所定のピッチに配列される。なお、磁石21a,21bと磁石22a,22bは、固定駆動軸18−1とスライダ17を磁気結合させる磁気回路を形成するために設けられたが、同等な特性を発揮する強磁性材料または高透磁率材料をいずれか一方に用いることによって同様の磁気回路を構成することが可能である。図4から明らかなように、軸心部20を進行方向aに向かって反時計回りの回転方向24に回転させると、磁気結合したスライダ17は進行方向a(図4中、右手方向)に移動する。従って、スライダ17と一体化されたキャリア13も共に移動する。
【0065】
上記のごとく、固定駆動軸18−1がいずれかの方向に回転すると、スライダ17は、固定駆動軸18−1の螺旋状の磁気結合部22と自身の磁気結合部21との間の磁気的結合作用に基づいて吸引・誘導され、非接触の状態で直線的な運動を行い、進行方向(例えば方向a)に移動し、スライダ17と一体化されたキャリア13も同方向に移動する。また固定駆動軸18−1を逆回転させると、キャリア13は反対方向(方向b)に移動する。
【0066】
また、図4では固定駆動軸18−1の構造が説明されたが、可動駆動軸18−2の表面においても、当該固定駆動軸と同等の磁気結合部22が設けられている。可動駆動軸18−2とスライダ17が安定した磁気結合関係にあるとき、可動駆動軸18−2がその軸回りに回転動作を行う場合には、スライダ17を直進させるという上記固定駆動軸18−1の機能と同等な機能を発揮する。
【0067】
上記構成を有する駆動軸18について、渡り部分でのキャリア受渡しの動作を図5a〜図5dを参照して具体的に説明する。図5a〜図5dには、隣り合う2つの駆動軸18A,18Bが、距離Lの渡り部分を介して、直列に配置されている例を示す。駆動軸18Aから駆動軸18Bへのキャリア13の受渡しにおいて、チャンバ2Aとチャンバ2Bの間の仕切り弁11(図5a〜図5d中図示せず)は開放された状態にある。駆動軸18A,18Bの動作において、固定駆動軸は、自身が設けられたチャンバでキャリアの停止位置を決める機能と、当該キャリアを次のチャンバに送る機能を有し、可動駆動軸は、前のチャンバから送られてくるキャリアを円滑に受けとり、自身に対応する固定駆動軸に受け渡す機能を有する。なお図5では、スライダ17のみを示し、キャリア13の図示を図解の便宜上省略している。
【0068】
図5a〜図5dにおいて、スライダ17(キャリア13)は左側から右側へ送られるものとする。駆動軸18A,18Bの各軸心部は同一直線上にある。駆動軸18A,18Bにおいて、18A−1,18B−1は固定駆動軸、18A−2,18B−2は可動駆動軸である。
【0069】
図5aでは、固定駆動軸18A−1および可動駆動軸18A−2とスライダ17とは磁気結合の状態にあり、固定駆動軸18A−1と可動駆動軸18A−2が回転動作することにより、スライダ17(およびこれと一体となったキャリア13、以下同じ)は右方へ移動する。
【0070】
図5bでは、スライダ17は固定駆動軸18A−1のみによってさらに右方へ移動し、スライダ17の右端部が渡り部分を越えて可動駆動軸18B−2に近付く。スライダ17の右端部が可動駆動軸18B−2に近付くと、可動駆動軸18B−2は軸方向に一定の範囲で動き得るので、スライダ17の磁気結合作用部と可動駆動軸18B−2の磁気結合作用部とが自動的に位置合せされ、両者は円滑に磁気結合する。換言すれば、可動駆動軸18B−2は、スライダ17との間で磁気結合するのに最適な位置に移動し、固定駆動軸18A−1と可動駆動軸18B−2の間の整合(ピッチ合せ)が円滑に行われる。すなわち、駆動軸18Aと駆動軸18Bの間の整合を容易にとることができる。
【0071】
図5cでは、可動駆動軸18B−2によって移動するスライダ17は、その後、固定駆動軸18A−1との磁気結合から外れ、固定駆動軸18B−1との磁気結合を開始する。スライダ17の磁気結合作用部と固定駆動軸18B−1の磁気結合作用部とが磁気結合を開始するときには、当該磁気結合が円滑に行われるように、可動駆動軸18B−2が軸方向の最適な位置に移動する。こうして可動駆動軸18B−2と固定駆動軸18B−1の間の整合(ピッチ合せ)がとられる。
【0072】
図5dでは、固定駆動軸18B−1と可動駆動軸18B−2の回転動作によってスライダ17が所定の位置まで移動され、当該位置に停止する状態が示される。かかる位置でスライダ17は静止し、キャリア13上の被処理物に対して処理が行われる。処理が行われるときには、チャンバ2Bは密閉状態になり、減圧されて所望の真空状態にされる。
【0073】
図5dの位置関係に関する状態は図5aの状態と同じである。その後、駆動軸18Bによって次のチャンバ2Cの駆動軸18Cに送られる。この送り動作でも、前述した図5a〜図5dの動作を順次に繰り返される。
【0074】
一般的に搬送機構では被搬送物の位置決めの制御も問題となるが、本実施形態では、固定駆動軸の搬送方向の位置が高い精度で保たれているため、位置精度が要求される場合、固定駆動軸を用いることにより十分に有効な位置精度が確保される。
【0075】
上記実施形態では、進入側に可動駆動軸を設けた構成を示したが、進入側に固定駆動軸を設けるようにしてもよい。また、可動駆動軸を固定駆動軸の両端に設けることも可能である。
【0076】
上記実施形態に係る磁気搬送装置は、半導体装置における基板等を搭載したキャリア13の搬送に有効であるが、雰囲気が真空であることは必ずしも必要でない。また上記実施形態では、キャリア13はレール状案内棒14によって水平搬送されるが、搬送の形態は必ずしも水平搬送に限定されず、さらにキャリア13の支持機構も図示されている機構に限定されない。
【0077】
また上記実施形態では駆動軸18A〜18Cを、キャリア13等と同じ真空のチャンバ内に設けたが、チャンバ外側の大気環境に設けることもできる。なお、この場合、スライダ17の磁気結合部21と各駆動軸の磁気結合部22は、チャンバの壁部を介して磁気結合することになる。
【0078】
次に、駆動装置(19A〜19C)から対応する駆動軸(18A〜18C)へ動力を伝達するための機構について説明する。
【0079】
図6は本発明に係る動力伝達機構を備えた駆動軸を示し、前述の図3に類似する図である。図6において、図3で説明した要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0080】
この動力伝達機構では、軸方向に二分割された固定駆動軸18−1と可動駆動軸18−2からなる駆動軸18において、分割された間の隙間間隔を少し広く設け、この隙間部分に動力伝達部30が配置される。動力伝達部30は、駆動装置の側に連結される軸部31およびこれに結合された傘歯車32と、軸心部20に結合された傘歯車33とによって構成される。傘歯車32,33の噛み合いによって、駆動装置から与えられる回転動力が軸心部20に伝達され、軸心部20は回転動作する。
【0081】
駆動軸18において、固定駆動軸18−1と可動駆動軸18−2の間の隙間には、動力伝達部30を設けるための充分の間隔と、可動駆動軸18−2が軸方向に自在に移動する遊びのための間隔が確保される。
【0082】
上記の動力伝達機構によれば、駆動軸18(18A〜18C)が二分割される構造を利用し、間の空きスペースを利用して配置するようにしたため、コンパクトに動力伝達機構を設けることができ、従来装置で存在した機構上の制約を緩和できる。
【0083】
上記実施形態では、動力伝達機構として傘歯車の機構を利用したが、その他構造、例えば他の歯車機構、ベルト、チェーン等を利用することもできる。ベルトやチェーンを利用する場合には、配設場所を、真空雰囲気から隔離することが望ましい。
【0084】
図7は、図6に示した駆動軸18において、キャリア13が、可動駆動軸18−2および固定駆動軸18−1とスライダ17との磁気結合に基づいて、左側から右側に搬送される状態を示す平面図である。図7では、スライダ17は、可動駆動軸18−2と固定駆動軸18−1の各々と磁気結合した状態にある。既に図5に基づいて説明したように、可動駆動軸18−2は、スライダ17の磁極と固定駆動軸18−1の磁極とを整合させる機能を発揮し、図7で右側位置に移動した状態にある。スライダ17は、可動駆動軸18−2と固定駆動軸18−1の間の比較的に広い隙間を渡り、固定駆動軸18−1に磁気結合する。固定駆動軸18−1に磁気結合したスライダ17は、それらの間の磁気結合作用に基づいてさらに右方向に移動する。その間、固定駆動軸18−1と可動駆動軸18−2は、動力伝達部30を介して駆動装置から動力を与えられ、回転動作を継続する。
【0085】
図8a〜図8dは、動力伝達部30を備えた駆動軸18A,18Bの渡り部分でキャリアを移動させる状態を4段階で示したもので、その基本的構成と作用は先に図5a〜図5dで解説したものと実質的に同じである。従って、詳細な説明は省略する。構成上で相違する点は、既に駆動軸18に関して説明したように、各駆動軸18A,18Bが、分割された部分の隙間箇所に傘歯車を利用してなる動力伝達部30を備えている点である。かかる構成によって、各駆動軸18A,18Bは、図2に示すそれぞれに対応する駆動装置19A,19Bから駆動力を供給されて所定方向に回転動作し、駆動軸18A,18Bの渡り部分においてスライダ17(キャリア13)を円滑に移動できる。
【0086】
図9は、駆動軸18の他の実施形態を示す。図9は、基本構造は図7に示したものと同じである。相違する点は、駆動軸18(固定駆動軸18−1、可動駆動軸18−2)、軸心部20、支持部23、動力伝達部30、軸部31が配置される箇所が、キャリア13(スライダ17を含む)が移動する真空雰囲気の領域から隔離されるように、ケース41,42内に設けられることである。ケース41,42の内部空間は、駆動装置19A〜19Cが配置される外部空間と繋がっている。43は、真空処理装置1のチャンバの壁であり、44はケース42を支持する支持部である。
【0087】
上記構成によれば、駆動軸18や動力伝達部30が配置される空間が、被処理物12が処理されるチャンバ内の真空雰囲気から隔離されるため、動力伝達部30等で発生するゴミが悪い影響を与えるのを防止できる。
【0088】
なお前述の各実施形態で、キャリア13の移送における2つの駆動軸の間(例えば図5または図8に示した駆動軸18A,18Bの間)のキャリア受渡しを、可動駆動軸を上流側、固定駆動軸を下流側にして行う例(駆動軸18Aから駆動軸18Bへの移動)を説明したが、反対に、固定駆動軸を上流側、可動駆動軸を下流側にしてキャリア受渡しを行うことも当然のことながら可能である。すなわち駆動軸18Bから駆動軸18Aへキャリア13を移動させることもできる。
【0089】
次に図10〜図13を参照して他の構造を有する駆動軸118を説明する。この駆動軸118は、図3を参照して説明した前述の駆動軸18を改良したものである。図10〜図13において、図3で示した要素と機能の面で実質的に同一の要素には同一の符号を付し、細部の説明を省略する。また特に図11〜図13では、可動駆動軸と軸心部の間に設けられる構造を明らかにしている。
【0090】
駆動軸118は、前述の駆動軸18と同様に、駆動軸部分が二分割された構造を有しており、固定駆動軸18−1と可動駆動軸18−2を備えている。固定駆動軸18−1と可動駆動軸18−2は、共通の軸心部120に取り付けられる。固定駆動軸18−1は軸心部120に固定される。可動駆動軸18−2は、軸心部120の回転方向については固定され、軸心部120の軸方向に一定範囲で動き得るように取り付けられる。なお軸心部120は前述の軸心部20よりも若干太めであり、かつ所定位置に径が大きいストッパ120aを有している。軸心部120は、両端を支持部(回転軸受)23で回転自在に支持されている。
【0091】
軸心部120における固定駆動軸18−1の取付け構造は前述した構造と同じである。軸心部120における可動駆動軸18−2の取付け構造は、前述の実施例の構造とは異なり、特徴がある。図10に示すように、可動駆動軸18−2の左側端面と左側支持部23の間にはコイルスプリング51が設けられる。可動駆動軸18−2は、コイルスプリング51によって右方向に付勢されている。一方、可動駆動軸18−2の右側には上記ストッパ120aが設けられており、可動駆動部18−2の右方への移動を制限する。
【0092】
図11に可動駆動軸18−2の部分の詳細な縦断面図を示す。また図12と図13に図11におけるA−A線断面とB−B線断面を示す。可動駆動軸18−2の軸心の孔には軸心部120が挿入され、可動駆動軸18−2と軸心部120の間にスライドベアリング52とキー53が設けられている。スライドベアリング52は、可動駆動軸18−2が軸心部120に対してその軸方向に滑らかに移動することを可能にする。またキー53は、前述したスプライン構造と実質的に同一機能を発揮するもので、軸心部120に固定され、かつ可動駆動軸18−2に形成されたキー溝54に嵌め込まれている。キー53によれば、軸心部120が回転するとき、その動きは可動駆動軸18−2に伝えられる。また可動駆動軸18−2が軸方向に移動するときには、キー溝54によってその動きが制限されることはない。
【0093】
また図11で明らかなように、通常、可動駆動軸18−2が自由な状態にあるときには、可動駆動軸18−2は、延びようとするコイルスプリング51によってその左側端面に力を与えられ、ストッパ120aに押し付けられた状態にある。従って、外から磁気的力を受けないとき、コイルスプリング51とストッパ120aによって一定の位置に配置されることになる。このことは、固定駆動軸18−1に対して所定の位置になるように設計されている。また例えば前述した図5の(b)の状態に示すように、左側の駆動軸からキャリアが送られてくると、そのスライダの磁気結合部による磁気力を受け、コイルスプリング51の付勢力に抗して左方に移動し、キャリアを受けることを可能にする適した位置に移動することになる。
【0094】
前述した図10に示した駆動軸118は、図5で説明した駆動軸18A,18Bの代わりに使用することが可能である。この場合に、上流側駆動軸からスライダ17が送られないときには、下流側駆動軸の可動駆動軸18−1は前述の通り右側の所定位置にある。上流側駆動軸からスライダ17が送られると、その磁気結合部21の引力によって可動駆動軸18−1は左側の最適位置に移動し、駆動軸の間の整合がとられ、隣合う2つの駆動軸118の間でスライダ(キャリア)の滑らかな受渡しを行うことができる。下流側駆動軸118の可動駆動軸18−1にスライダが受け渡され、かつ上流側駆動軸118の固定駆動軸18−2からスライダが離れると、当該可動駆動軸はコイルスプリング51によって再び右方へ移動し、所定の位置にセットされる。この状態で、下流側駆動軸118において、図5の(c)と(d)に示された通り、その可動駆動軸から固定駆動軸へのスライダの移送が滑らかに行われる。
【0095】
上記のスライダ(キャリア)の移動は、図10において矢印aの方向の移動であったが、同様に、反対の矢印bの方向の移動も可能であるのは勿論である。
【0096】
また図10に示した構成を有する駆動軸118の場合には、必ずしも、駆動軸部分を可動駆動軸と固定駆動軸の2つの部分に分割する必要はない。つまり、コイルスプリングとストッパを利用して可動駆動軸を通常の所定の位置に配置する構成を採用する場合には、駆動軸を可動駆動軸だけとして一本状の駆動軸を用意し、これを各チャンバに設けるようにしても、同様に、チャンバ間の渡り部分における円滑なキャリア移動を行うことができる。この構成は、特に、不連続な磁気搬送に適している。
【0097】
連続して設けられた複数のチャンバの各々に磁気搬送機構の駆動軸を付設し、複数のチャンバの各々に被処理物が載置されたキャリアが同時に存在するように、連続して磁気搬送を行う場合には、各チャンバに設けられた駆動軸は二分割されることが必須となる。受け手側の駆動軸部分と、送り手側の駆動軸部分が必要となるからである。
【0098】
図14に、図10で説明した駆動軸118の変形例を示す。この駆動軸218は動力伝達機構を備えており、図6に示した動力伝達機構と図10に示した駆動軸を組み合わせて構成されている。図14において、図6と図10で示された要素と実質的に同一の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図14に示された駆動軸218においても、その可動駆動軸18−2は、前述の駆動軸118と同等な構造で軸心部120に取り付けられている。また可動駆動軸18−2と固定駆動軸18−1の間の隙間を利用して動力伝達部30が設けられる。この駆動軸218によっても、例えば図8を参照して説明したように、矢印a,bに示される方向にキャリアを移送することが可能である。
【0099】
図14に示した駆動軸218を、図9に示した構成において、駆動軸18の代わりに組み込むことができるのは勿論である。
【0100】
図10で示された駆動軸118あるいは図14に示された駆動軸218では、外力が与えられないとき、可動駆動軸18−2が所定位置にセットされるので、固定駆動軸18−1と可動駆動軸18−2の配置位置は、一定の位置関係を満たすようになっている。この一定の位置関係とは、固定駆動軸と可動駆動軸の各表面に、例えば着磁によって螺旋状に前述の磁気結合部22を作る場合において、固定駆動軸から可動駆動軸にわたって連続着磁を可能にする位置関係である。つまり、可動駆動軸がストッパによって制限される一定位置にあるとき、両者の間に存在する隙間も含めて固定駆動軸と可動駆動軸を1本の駆動軸とみなし、この1本の駆動軸に対して連続着磁を行って各々に磁気結合部22を作るようにしている。
【0101】
図15に、連続着磁の一態様を示す。図15で、固定駆動軸18−1に対して、可動駆動軸18−2はストッパで規制された位置にある。固定駆動軸18−1と可動駆動18−2の間には、隙間62が形成されている。全体61を一本の駆動軸としてみなして、所定のピッチで磁極N1,S1,N2,S2が螺旋状に着磁されている。図示例では便宜的に磁極N1のみが全体の連続的な着磁状態を示されている。全体61を一本の駆動軸としてみなして着磁しているため、隙間62においても、磁極N1が示されている。このように、磁極N1は、固定駆動軸18−1と可動駆動軸18−2で連続的に形成されている。他の磁極S1,N2,S2についても同様に連続的な着磁で形成されている。
【0102】
上記の例は、着磁で磁気結合部22を形成するものであったが、螺旋状磁石で磁気結合部22を形成する場合にも同様に連続的に形成される。
【0103】
以上のように、二分割された固定駆動軸と可動駆動軸において、可動駆動軸が右端の所定位置にあるとき、各々の磁極は連続しているため、キャリアを滑らかに移動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気搬送装置が適用されるロードロック型真空処理装置の全体構成を概念的に示す図である。
【図2】真空処理装置の内部構造を示す斜視図である。
【図3】駆動軸の正面図である。
【図4】固定駆動軸とスライダとの関係を示す平面図である。
【図5a】駆動軸間のキャリア受渡し動作の初期状態を示す平面図である。
【図5b】駆動軸間のキャリア受渡し動作の直前状態を示す平面図である。
【図5c】駆動軸間のキャリア受渡し動作の直後状態を示す平面図である。
【図5d】駆動軸間のキャリア受渡し動作の完了状態を示す平面図である。
【図6】動力伝達部を備えた駆動軸の平面図である。
【図7】動力伝達部を備えた駆動軸とスライダとの関係を示す平面図である。
【図8a】駆動軸間のキャリア受渡し動作の初期状態を示す平面図である。
【図8b】駆動軸間のキャリア受渡し動作の直前状態を示す平面図である。
【図8c】駆動軸間のキャリア受渡し動作の直後状態を示す平面図である。
【図8d】駆動軸間のキャリア受渡し動作の完了状態を示す平面図である。
【図9】動力伝達部を備えた駆動軸の設置例を示す平面図である。
【図10】駆動軸の他の例を示す正面図である。
【図11】図10に示した駆動軸の可動駆動軸の縦断面図である。
【図12】図11におけるA−A線断面図である。
【図13】図11におけるB−B線断面図である。
【図14】動力伝達部を備えた駆動軸の他の例を示す平面図である。
【図15】二分割された駆動軸の各々に作られる磁極を示す図である。
【図16】可動駆動軸と軸心部の連結の一例であるスプライン構造の要部を示した図である。
【符号の説明】
1 真空処理装置
2A,2B,2C チャンバ(仕切り室)
11 仕切り弁
12 被処理物
13 キャリア
17 スライダ
18 駆動軸(回転駆動部材)
18−1 固定駆動軸
18−2 可動駆動軸
18A,18B,18C 駆動軸(回転駆動部材)
20 軸心部
21,22 磁気結合部
30 動力伝達部
51 コイルスプリング
52 スライドベアリング
53 キー
118 駆動軸
120 軸心部
120a ストッパ
218 駆動軸

Claims (34)

  1. 互いに隔離可能でかつ連結部を開いてつながる少なくとも2つのチャンバに付設されると共に前記2つのチャンバの中を通過させて移動体を搬送する搬送路を備え、前記搬送路では前記チャンバの間で渡り部分が形成され、かつ前記チャンバに対応して前記移動体を移動させるための駆動装置部を前記チャンバごと独立して設けるように構成された磁気搬送装置において、
    前記駆動装置部は、軸方向に少なくとも二分割された第1分割部と第2分割部からなり、前記第1分割部は軸心部材に固定され、前記第2分割部は回転方向には制限されかつ前記軸方向には一定の幅で自由に動くように前記軸心部材に取り付けられ、前記第1分割部と前記第2分割部の各々の表面に少なくとも1組以上の螺旋状磁気結合部が同一条件で形成された回転駆動部材を備え、
    前記移動体は、前記回転駆動部材における前記表面から一定距離の箇所を通過するように前記軸方向に移動自在に設けられ、前記回転駆動部材の前記表面に面した部分に前記螺旋状磁気結合部のピッチと同じ距離の間隔で磁気結合部が設けられ、
    前記回転駆動部材の回転動作で前記移動体を直線的に移動させるようにしたことを特徴とする磁気搬送装置。
  2. 前記第2分割部はキーを介して前記軸心部材に連結されかつコイルスプリングで前記第1分割部の側へ付勢されると共に、前記軸心部材に形成されたストッパで位置決めされることを特徴とする請求項1の磁気搬送装置。
  3. 前記第2分割部と前記軸心部材はスプライン構造で連結されることを特徴とする請求項1の磁気搬送装置。
  4. 前記回転駆動部材の前記螺旋状磁気結合部はN極とS極が交互に配置される磁石配列であり、前記移動体の前記磁気結合部は高透磁率材料部で形成されることを特徴とする請求項1の磁気搬送装置。
  5. 前記回転駆動部材の前記螺旋状磁気結合部は強磁性材料部で形成され、前記移動体の前記磁気結合部はN極とS極が交互に配置される磁石配列であることを特徴とする請求項1の磁気搬送装置。
  6. 前記第2分割部が前記一定の幅内で前記第1分割部にもっとも近い位置にあるとき、前記回転駆動部材は前記第1分割部と前記第2分割部の間にある隙間を含めて1本の回転駆動部材としてみなされ、連続して前記螺旋状磁気結合部が形成されることを特徴とする請求項1の磁気搬送装置。
  7. 前記第2分割部の可動範囲は、前記ピッチと同等以上でかつその2倍以下であることを特徴とする請求項1の磁気搬送装置。
  8. 前記回転駆動部材は大気側に配置され、前記移動体は大気から隔離された箇所に配置されることを特徴とする請求項1の磁気搬送装置。
  9. 大気から隔離された前記箇所は真空雰囲気であることを特徴とする請求項8の磁気搬送装置。
  10. 前記第1分割部と前記第2分割部の間の隙間に、駆動装置から前記回転駆動部材へ動力を伝達する動力伝達部が設けられることを特徴とする請求項1の磁気搬送装置。
  11. 前記動力伝達部は傘歯車機構で構成されることを特徴とする請求項10の磁気搬送装置。
  12. チャンバに対応して設けられ、軸方向に少なくとも二分割されて第1分割部と第2分割部が形成され、前記第1分割部は軸心部材に固定され、前記第2分割部は回転方向には制限されかつ前記軸方向には一定の幅で自由に動くように前記軸心部材に取り付けられ、前記第1分割部と前記第2分割部の各々の表面に少なくとも1組以上の螺旋状磁気結合部が同一条件で形成された回転駆動部材と、
    前記回転駆動部材における前記表面から一定距離の箇所を通過するように前記軸方向に移動自在に設けられ、前記回転駆動部材の前記表面に面した部分に前記螺旋状磁気結合部のピッチと同じ距離の間隔で磁気結合部を設けた移動体とから構成される磁気搬送装置であって、
    前記回転駆動部材における前記第1分割部と前記第2分割部の間に動力伝達部を設け、駆動装置からの動力を前記動力伝達部を介して前記回転駆動部材に与え、前記回転駆動部材を回転させることで前記移動体を直線的に移動させるようにしたことを特徴とする磁気搬送装置の動力伝達機構。
  13. 前記第2分割部はキーを介して前記軸心部材に連結されかつコイルスプリングで前記第1分割部の側へ付勢されると共に、前記軸心部材に形成されたストッパで位置決めされることを特徴とする請求項12の磁気搬送装置の動力伝達機構。
  14. 前記第2分割部と前記軸心部材はスプライン構造で連結されることを特徴とする請求項12の磁気搬送装置の動力伝達機構。
  15. 前記回転駆動部材の前記螺旋状磁気結合部はN極とS極が交互に配置される磁石配列であり、前記移動体の前記磁気結合部は高透磁率材料部で形成されることを特徴とする請求項12の磁気搬送装置の動力伝達機構。
  16. 前記回転駆動部材の前記螺旋状磁気結合部は強磁性材料部で形成され、前記移動体の前記磁気結合部はN極とS極が交互に配置される磁石配列であることを特徴とする請求項12の磁気搬送装置の動力伝達機構。
  17. 前記第2分割部が前記一定の幅内で前記第1分割部にもっとも近い位置にあるとき、前記回転駆動部材は前記第1分割部と前記第2分割部の間にある隙間を含めて1本の回転駆動部材としてみなされ、連続して前記螺旋状磁気結合部が形成されることを特徴とする請求項12の磁気搬送装置の動力伝達機構。
  18. 前記第2分割部の可動範囲は、前記ピッチと同等以上でかつその2倍以下であることを特徴とする請求項12の磁気搬送装置の動力伝達機構。
  19. 前記動力伝達部は傘歯車機構であることを特徴とする請求項12の磁気搬送装置の動力伝達機構。
  20. 前記回転駆動部材と前記動力伝達部は隔壁に覆われた室内に配置され、前記移動体が存在する空間とは隔離されることを特徴とする請求項12の磁気搬送装置の動力伝達機構。
  21. 前記回転駆動部材は大気側に配置され、前記移動体は大気から隔離された箇所に配置されることを特徴とする請求項12の磁気搬送装置の動力伝達機構。
  22. 大気から隔離された前記箇所は真空雰囲気であることを特徴とする請求項21の磁気搬送装置の動力伝達機構。
  23. 直線方向に移動自在に設けられ、対向面に磁気結合部が形成された移動体に対して、一定距離をあけかつ前記直線方向に平行に配置されると共に、その表面に螺旋状磁気結合部が形成された回転駆動部材であって、前記磁気結合部は前記螺旋状磁気結合部分のピッチと同じ距離の間隔を持ち、自身が回転することによって前記移動体を前記直線方向に移動させる前記回転駆動部材において、
    軸方向に少なくとも二分割されて第1分割部と第2分割部を備え、前記第1分割部は軸心部材に固定され、前記第2分割部は回転方向には制限されかつ前記軸方向には一定の幅で自由に動くように前記軸心部材に取り付けられ、前記第1分割部と前記第2分割部の各々の表面に少なくとも1組以上の螺旋状磁気結合部が同一条件で形成されることを特徴とする回転駆動部材。
  24. 前記第2分割部はキーを介して前記軸心部材に連結されかつコイルスプリングで前記第1分割部の側へ付勢されると共に、前記軸心部材に形成されたストッパで位置決めされることを特徴とする請求項23の回転駆動部材。
  25. 前記第2分割部と前記軸心部材はスプライン構造で連結されることを特徴とする請求項23の回転駆動部材。
  26. 前記回転駆動部材の前記螺旋状磁気結合部はN極とS極が交互に配置される磁石配列であり、前記移動体の前記磁気結合部は高透磁率材料部で形成されることを特徴とする請求項23の回転駆動部材。
  27. 前記回転駆動部材の前記螺旋状磁気結合部は強磁性材料部で形成され、前記移動体の前記磁気結合部はN極とS極が交互に配置される磁石配列であることを特徴とする請求項23の回転駆動部材。
  28. 前記第2分割部が前記一定の幅内で前記第1分割部にもっとも近い位置にあるとき、前記回転駆動部材は前記第1分割部と前記第2分割部の間にある隙間を含めて1本の回転駆動部材としてみなされ、連続して前記螺旋状磁気結合部が形成されることを特徴とする請求項23の回転駆動部材。
  29. 前記第2分割部の可動範囲は、前記ピッチと同等以上でかつその2倍以下であることを特徴とする請求項23の回転駆動部材。
  30. 前記第1分割部と前記第2分割部の間の隙間に、駆動装置からの動力を伝達する動力伝達部が設けられることを特徴とする請求項23の回転駆動部材。
  31. 前記動力伝達部は傘歯車機構で構成されることを特徴とする請求項30の回転駆動部材。
  32. 互いに隔離可能でかつ連結部を開いてつながる少なくとも2つのチャンバに付設されると共に前記2つのチャンバの中を通過させて移動体を搬送する搬送路を備え、前記搬送路では前記チャンバの間で渡り部分が形成され、かつ前記チャンバに対応して前記移動体を移動させるための駆動装置部を前記チャンバごと独立して設けるように構成された磁気搬送装置において、
    前記駆動装置部は、キーを介して軸心部材に連結されかつコイルスプリングで一方の側へ付勢されると共に前記軸心部材に形成されたストッパで位置決めされ、これにより回転方向には制限されかつ軸方向には一定の幅で自由に動くように前記軸心部材に取り付けられ、さらにその表面に少なくとも1組以上の螺旋状磁気結合部が同一条件で形成された回転駆動部材を備え、
    前記移動体は、前記回転駆動部材における前記表面から一定距離の箇所を通過するように前記軸方向に移動自在に設けられ、前記回転駆動部材の前記表面に面した部分に前記螺旋状磁気結合部のピッチと同じ距離の間隔で磁気結合部が設けられ、
    前記回転駆動部材の回転動作で前記移動体を直線的に移動させるようにしたことを特徴とする磁気搬送装置。
  33. 前記回転駆動部材の前記螺旋状磁気結合部はN極とS極が交互に配置される磁石配列であり、前記移動体の前記磁気結合部は高透磁率材料部で形成されることを特徴とする請求項32の磁気搬送装置。
  34. 前記回転駆動部材の前記螺旋状磁気結合部は強磁性材料部で形成され、前記移動体の前記磁気結合部はN極とS極が交互に配置される磁石配列であることを特徴とする請求項32の磁気搬送装置。
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