JP2004218844A - 非接触式磁気誘導送り装置 - Google Patents

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善郎 長谷川
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Abstract

【課題】 磁気結合方式を改良し、充分な磁気結合力を生じさせ、真空等の特殊な環境下において基板トレイ等を滑らかに移動させることができ、さらに安価でかつ高速な移動を可能にする非接触式磁気誘導送り装置を提供する。
【解決手段】 非接触式磁気誘導送り装置は、円筒形表面の上に帯状N磁極部31と帯状S磁極部32を間隔をあけかつ連続的に螺旋形に巻かれるように形成した駆動用回転部材18と、回転部材の回転軸に平行に配置されかつ案内部材に案内されて直線的に移動するように取り付けられ、帯状N磁極部と帯状S磁極部の間の間隔と等しい間隔を有する複数の磁気結合作用部34が設けられたスライド部材17とを備える。駆動装置によって回転部材を回転させると、回転部材の帯状N磁極部および帯状S磁極部のそれぞれとスライド部材の磁気結合作用部との間の磁気結合に基づいて、スライド部材が案内部材に沿って直線的に移動する。
【選択図】 図3

Description

本発明は非接触式磁気誘導送り装置に関し、特に、真空処理装置内における基板トレイ等の移動に適した非接触式磁気誘導送り装置に関する。
送り装置の従来の一例としてラックとピニオンを用いた機構がある。この機構によれば、トレイ等の被搬送物に設けられたラックと駆動部に設けられたピニオンとが噛み合い、互いに接触しながら、ピニオンからラックへ伝達される駆動力によって被搬送物は案内棒等に沿って移動する。
また送り装置の他の例として、電磁石等を使用し電磁石の極性を電気的に周期的に変え、磁気結合力を利用して被搬送物を移動させるリニアモータ方式や、駆動円板上にて放射線状の位置に配置された磁石と、被搬送物の移動方向に沿って配置させた磁石により磁気結合を形成し、直線的にまたは回転させて搬送を行う磁気結合方式がある。これらの送り装置の方式は、駆動部と被搬送物とが接触しない(非接触)構成を採用している。これらの送り機構を示す先行文献の例を、以下に説明する。
例えば特許文献1に示される伝動装置(磁気結合方式)は、互いに独立に設けられた2つの軸と、2つの軸のそれぞれに回転可能に支持されかつそれぞれの外周の1部が接触または微少間隙をおいて近接するように配置された2つの回転体とを備え、回転体の外周または内周には周期的に磁石による磁極が配置され、近接する1部における外周または内周の回転走行速度が同一になるように2つの回転体を回転させるときに、一方の回転体の多数の磁極は近接する他方の回転体の多数の磁極と相異なる磁極が順次対向するように形成される。これによって2つの回転体の間では、磁気結合を利用して一方の回転体の回転力が他方の回転体に伝達される。
特許文献2に示される歯車装置は、相対する2対の歯車のうち一方が酸化超電導体で形成され、他方の歯車が磁性体で形成された歯車装置である。酸化物超電導体のマイスナ効果によって双方の歯車の歯に反発力が働くため、互いの歯が接触することなく、一方の歯車から他方の歯車へ回転運動を伝達することができる。また反発力は、歯車の歯の両側面で互いに生じるため、歯車の正転または逆転において、動作遅れや位置決め精度の劣化を起こすことなく回転運動を伝達することができる。このような構成によって、非接触による回転運動の伝達を滑らかに行うことができる。
また特許文献3に示される歯車は、組を形成するの歯車の間の伝達機構に関するものであり、特許文献2の場合と同様にマイスナ効果を利用して非接触にて回転運動を伝達するものである。
特開昭57−134066号公報 特開平1−220750号公報 特開平1−164861号公報
前述のラック・ピニオン方式の送り装置は、ラックとピニオンとの噛合せによって振動、磨耗、ゴミ、騒音、バックラッシュ(ガタ)等が発生すること、短期間でメンテナンスを行わなければならないこと等の問題を有し、真空空間等の特殊な環境で使用する不適切である。また、ラック・ピニオン方式では潤滑を行う必要があるが、特殊な環境では潤滑を適切に行うことができない。
前述のリニアモータ方式の送り装置は、非接触式送り装置として多くの産業分野で使用されているが、制御が複雑であり、被搬送物に対して装置の規模が大きくなり、さらにシステム自身の価格が非常に高価であるという問題を有する。
前述の磁気結合方式の送り装置は、スライダと駆動円板上に放射線状に配置された磁石とにより磁気結合させて運動の伝達を行うが、磁気結合される箇所は駆動円板とスライダが最も近くなる1ヵ所であり、その1ヵ所の磁気結合力が送り装置の駆動力を決定するので、伝達力が弱くなるという問題を有する。
また一般に、超電導材料を使用したマイスナ効果を用いた伝達機構の場合、発熱が生じるため、主要部分の冷却を行う必要があり、真空等の特殊な環境下での機構構築が困難である。さらに部品点数の削減が困難であり、高価となる。
本発明の目的は、上記各問題を解決することにあり、磁気結合方式を改良し、充分な磁気結合力を生じさせ、真空等の特殊な環境下において基板トレイ等を滑らかに移動させることができ、さらに安価でかつ高速な移動を可能にする非接触式磁気誘導送り装置を提供することにある。
第1の非接触式磁気誘導送り装置(請求項1に対応)は、円筒形表面の上に帯状N磁極部と帯状S磁極部を間隔をあけかつ連続的に螺旋形に巻かれるように形成した駆動用回転部材と、回転部材の回転軸に平行に配置されかつ案内部材に案内されて直線的に移動するように取り付けられ、帯状N磁極部と帯状S磁極部の間の間隔と等しい間隔を有する複数の磁気結合作用部が設けられたスライド部材とを備え、駆動装置によって回転部材を回転させると、回転部材の帯状N磁極部および帯状S磁極部のそれぞれとスライド部材の磁気結合作用部との間の磁気結合に基づいて、スライド部材が案内部材に沿って直線的に移動するように構成される。
第1の本発明では、駆動用回転部材の円筒形表面に形成された帯状N磁極部と帯状S磁極部とスライド部材の磁気結合作用部の間における相互作用に基づいて、非接触の状態で回転部材の回転運動をスライド部材の直線運動に伝達することができる。これにより、スライド部材は案内部材に案内されて直線的に移動する。スライド部材にはキャリアが設けられおり、キャリア上の被搬送物を所望の方向に搬送することができる。特に駆動用回転部材の円筒形表面に形成された帯状N磁極部と帯状S磁極部は間隔をあけて設けられることから、スライド部材の磁気結合作用部との間において充分な磁気結合力を生じさせることが可能となる。回転部材の回転方向に応じて、スライド部材の直線的な移動方向が決まる。また磁気結合作用を利用し接触部が存在しないため、振動が発生せず、かつゴミ等のパーティクルが発生しない。また回転部材とスライド部材の間の磁気結合箇所を増減したり、あるいは回転部材とスライド部材の隙間を管理することにより、容易に駆動力を制御することができる。
第2の非接触式磁気誘導送り装置(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、回転部材におけるスライダ部材との対向部で帯状N磁極部の一部と帯状S磁極部の一部が交互に配置され、これらの帯状N磁極部の一部と帯状S磁極部の一部が複数の磁気結合作用部のそれぞれに対向することで特徴づけられる。
第3の非接触式磁気誘導送り装置(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、1つの列を成すように配置された複数の仕切り室からなる真空処理装置の真空空間内に、複数の仕切り室の各々の間で分離された、被処理物が載置されたキャリアを案内するための案内レールが設けられ、案内レールに沿って移動可能なキャリアを移動させるように構成され、さらに回転部材は、複数の仕切り室の各々に対応する案内レールに沿って配置され、かつキャリアの1つの辺の長さに対応する軸方向長さを有し、スライド部材は、キャリアの上記辺の部分に備えられる、ことで特徴づけられる。
第4の非接触式磁気誘導送り装置(請求項4に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、帯状N磁極部と帯状S磁極部は多重螺旋形状を有することで特徴づけられる。多重螺旋の構造を利用することにより、回転部材とスライド部材の磁気的結合力を所望のレベルまで高めることができる。
第5の非接触式磁気誘導送り装置(請求項5に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、多重螺旋形状は二重螺旋形状であることで特徴づけられる。
第6の非接触式磁気誘導送り装置(請求項6に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、帯状N磁極部と帯状S磁極部は円筒形表面の上に連続的な帯状着磁により螺旋形に形成されることで特徴づけられる。
第7の非接触式磁気誘導送り装置(請求項7に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、帯状N磁極部と帯状S磁極部の螺旋形状は二条ネジの構造を有することで特徴づけられる。また例えば二条ネジ構造を採用することにより、スライド部材の直線運動において移動速度を高めることも可能となる。
第8の非接触式磁気誘導送り装置(請求項8に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、スライド部材に設けられた複数の磁気結合作用部は高透磁率を有する材質からなることで特徴づけられる。
第9の非接触式磁気誘導送り装置(請求項9に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、スライド部材に設けられた複数の磁気結合作用部は帯状N磁極部と帯状S磁極部のそれぞれに対向した極性の異なる磁極を有する磁石であることで特徴づけられる。
第10の非接触式磁気誘導送り装置(請求項10に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、回転部材とスライド部材の間に非磁性材料で形成された隔壁を設け、回転部材とスライド部材を空間的に分離したことで特徴づけられる。この構成では、回転部材とスライド部材との運動伝達を磁気結合作用に基づき非接触の構造で行えるようにしたため、その間の隙間に隔壁を設けて回転部材とスライド部材の配置空間を分離することが可能となる。
第11の非接触式磁気誘導送り装置(請求項11に対応)は、上記の構成において、好ましくは、回転部材は大気空間に配置され、スライド部材は真空空間に配置されることで特徴づけられる。この発明では、特に半導体基板を処理する装置において、半導体基板を搬送するスライド部材の移動に、本発明に係る磁気誘導送り装置を適用したものであり、非接触により真空処理装置内でのパーティクル発生を抑制することができる。
本発明によれば、表面に螺旋形の磁気結合作用部を有する駆動用回転部材と、磁気結合作用部を有するスライダ部材を回転部材の軸に平行にかつ適切な隙間を設けて配置したため、回転部材を回転させることによりスライド部材が螺旋部の見かけ上の進み方向に追従し、非接触状態にてスライド部材を直線移動させるための駆動力を簡単な構造でかつ安価に得ることができる。特に、上記駆動用観点部材の表面の螺旋形の磁気結合作用部は、円筒形表面の上に帯状N磁極部と帯状S磁極部を間隔をあけかつ連続的に螺旋形に巻かれるように形成したため、充分な磁気結合力を生じさせ、基板等を搭載したキャリアを滑らかに移動させることができる。
また螺旋構造に関して一般的には多重螺旋、好ましくは二重螺旋や二条ネジ構造を利用することにより、送り速度を高めたり、磁気結合力を高めたりすることができる。
また特殊環境下(真空中、水中等)においては、駆動力伝達部への潤滑、駆動力伝達部における磨耗等の問題を安価に解決できる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
本発明に係る送り装置は、好ましくは半導体基板に対して成膜等の処理を行う真空処理装置に適用される。以下の実施形態では、真空処理装置に適用した例について説明する。図1において、真空処理装置1は例えば3つの仕切り室2A,2B,2Cを備え、各仕切り室の間には仕切り弁11が設けられる。各仕切り室2A,2B,2Cの内部は、減圧された高い真空度を有する空間であり、各仕切り室は仕切り弁11によって互いに隔離され,閉ざされた真空処理室を形成する。各仕切り室2A,2B,2Cでは、仕切り弁11を通して搬入された被処理物に対し、予め設定された異なる処理が実行される。仕切り弁11は例えばゲートバルブである。各仕切り室2A,2B,2Cには、仕切り弁11を通って順次に半導体基板(またはウェハ)等の被処理物12を載置したキャリア(基板トレイ等)13が搬送される。
被処理物12が載置されたキャリア13は、下側に設けられた一対の案内棒14の上で、かつ当該案内棒14に沿って移動する。2本の案内棒14は、図2に示すように、キャリア13の下側位置にて平行に設置され、直線的なレール状の形態を有し、キャリア13を案内する複数のローラが所定の箇所に設けられている。この構成によって、案内棒14の上を移動するキャリア13は直線的に移動することになる。
案内棒14は、仕切り弁11が設けられた箇所ではその一部が切断された不連続な状態にあり、各仕切り室ごとに分離されて構成される。またキャリア13を移動させるためのモータ等の駆動装置(図1中図示せず)も、仕切り室2A,2B,2Cのそれぞれに離して設けられている。
キャリア13は、最初仕切り室2Aの入り口部15からその内部に入り、各仕切り室2B,2Cの仕切り弁11を通過しながら、各仕切り室で所定の処理が行われ、仕切り室2Cの出口部16から外部に取り出される。真空処理装置1におけるキャリア13と被処理物12の移動の状態を矢印aで示す。
図2において、平行に配置された2本の案内棒14上を移動するキャリア13の上に被処理物(基板)12が載置されている。キャリア13は、移動のための駆動力を受けると、案内棒14で案内されて移動する。キャリア13の例えば側面には、案内棒14に平行なスライダ17が固定される。スライダ17には、後述するように磁気結合作用部が形成される。スライダ17を備えたキャリア13を、搬送される対象物としてのスライド部材とする。また各仕切り室2A,2B,2Cには、案内棒14に沿って、スライダ17とキャリア13の部材(スライド部材)を直線的に移動させるための駆動力を伝達する駆動用回転部材18が配置される。回転部材18は円柱形または円筒形の形状を有し、その軸回りに回転自在になるように軸支され、図示しないモータ等の駆動装置によって正逆の任意の方向に回転させることが可能である。回転部材18の表面には、螺旋形状を有する磁気結合作用部19が形成される。回転部材18の磁気結合作用部19は、スライダ17に設けられる上記磁気結合作用部との間において相互に磁気力が作用する部分である。回転部材18は、その軸がスライダ17と平行であり、かつスライダ17との間において両者の間の磁気的な結合を可能とする適切な隙間が形成されるように配置されている。なお真空処理装置1において、1aは上記入り口部15が設けられる前壁、1bは上記出口部16が設けられる後壁、1cは上記仕切り弁11が設けられる仕切り壁である。
かかる配置構成において、回転部材18がいずれかの方向に回転すると、スライダ17は、回転部材18に設けられた螺旋形状をした上記磁気結合作用部19との間の磁気的な結合作用に基づいて誘導され、非接触の状態で直線的な運動を行い、矢印aに示す方向に移動する。また回転部材18を逆回転させることにより、矢印bに示す反対方向に移動する。
上記回転部材18の表面に形成された螺旋形の磁気結合作用部19と、回転部材18と一定の距離を開けて設けられたスライダ17の磁気結合作用部との間に生じる磁気結合の構成については種々の実施形態を考えることができる。回転部材18とスライダ17の間に生じる磁気結合作用によって、回転部材18の回転運動がスライダ17の直線運動に変換され、回転部材18の駆動力が非接触でスライダ17に伝達され、これによりスライダ17およびキャリア13を磁気的に誘導することができる。
次に、回転部材18とスライダ17との間で非接触の状態で駆動力を伝達できる構成について説明する。
図3は、磁気結合を生じる回転部材18とスライダ17の構成の第1の実施形態を示す部分側面図である。回転部材18の表面の周囲に形成された上記磁気結合作用部19は、二重螺旋形状を有する帯状部であり、二重螺旋の一方の螺旋部にはN磁極部31、他方の螺旋部にはS磁極部32が形成されている。従って、スライダ17に対向する回転部材18の表面には、N磁極(帯状螺線形のN磁極部31の一部)とS磁極(帯状螺線形のS磁極部32の一部)が図3に示されるごとく間隔をあけて交互に配置されることになる。一方、回転部材18に隙間36で対向するスライダ17における表面部分には、回転部材18の二重螺旋部の螺旋ピッチ(交互に配置されるN磁極とS磁極の間の間隔)と等しい間隔(またはピッチ)33で複数の凸部34が形成され、スライダ17の全体または凸部34が形成された部分(周辺部を含む)が高透磁率を有する磁性材料で形成されている。高透磁率の磁性材料で形成される部分は、ヨーク(磁路)を形成する。スライダ17の複数の凸部34のそれぞれは、回転部材18のN磁極部31とS磁極部32に対向する。スライダ17における高透磁率を有する凸部34が、スライダにおける前述の磁気結合作用部となる。
上記構成において、回転部材18がその軸18aの回りに方向35aまたは方向35bに回転すると、回転部材18の表面に形成されたN磁極部31およびS磁極部32によってスライダ17の各凸部34には磁気力が作用し、スライダ17は回転方向に対応する直線方向(aまたはb)に移動する。スライダ17の移動に伴い、スライダ17と一体化されたキャリア13も移動する。
回転部材18の表面に形成される螺旋形のN磁極部31とS磁極部32は、着磁技術で比較的に容易に行うことができる。またスライダ17は、所定の間隔を有する凸部34を形成する加工で済むので、簡単かつ安価に製作することができる。また上記のごとき二重螺旋構造を採用することにより、回転部材18の表面に交互にN磁極部31とS磁極部32を設けることができ、かつキャリア等の移動に必要な充分な磁気結合力を得ることができる。
図4は、磁気結合を生じる回転部材18とスライダ17の構成の第2の実施形態を示す部分側面図である。この実施形態で、回転部材18の構成は前記の第1の実施形態と同じであるので同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。他方、スライダ17には、回転部材18のN磁極部31およびS磁極部32に対応して、各磁極部に対向する箇所に反対の極性を有する磁石41が配置されている。複数の磁石41は、回転部材18の螺旋ピッチと同一の間隔42で配置されている。従って、スライダ17の上記磁気結合作用部は複数の磁石41となる。回転部材18のN磁極部31とS磁極部32は、スライダ17の複数の磁石41に対向して、磁気的に結合する。従って、回転部材18が回転すると、回転部材18のN磁極部31とS磁極部32からスライダ17の各磁石41に磁気的な結合力による作用が及び、スライダ17は、回転方向に対応する直線方向に移動する。
図5は、磁気結合を生じる回転部材18とスライダ17の構成の第3の実施形態を示す部分側面図である。この実施形態では、スライダ17の構成については上記第2実施形態の構成と同じであるので、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。回転部材18は、その表面に、機構学の歯車でよく知られたウォームギアと類似した螺旋形(例えば二重螺旋)の連続歯51を備え、かつその全体または連続歯の部分が高透磁率を有する材料で形成されている。高透磁率を有する材料で形成される部分は磁路を形成する。連続歯51の螺旋ピッチは、スライダ17に設けられた複数の磁石41の間隔42と同じであり、連続歯51は各磁石41に対向している。回転部材18の連続歯51が上記の磁気結合作用部となる。この構成によれば、スライダ17の各磁石41と、これに対向する回転部材18の連続歯51の頂部との間には磁気的な力が作用する。このため、回転部材18が回転すると、上記磁気的な力の作用に基づき、スライダ17およびキャリア13は回転方向に対応する直線方向に移動する。
上記の実施形態では、回転部材18に螺旋形を有する連続歯51を形成するだけであるので、回転部材の製作が容易となる。
上記の各実施形態は代表的な例であって、磁石の配置、磁石の個数、スライダに設けられるヨークの形状は上記実施形態に限定されるものではない。
また回転部材18の表面に形成される螺旋部分は、二重螺旋としたが、通常の一巻きの螺旋、あるいは三重以上の多重螺旋であっても構わない。特に、二重螺旋構造の部分に二条ネジの構造を設けるようにすることにより、回転部材の一回転に対するスライダの移動距離を大きくすることができ、これによりスライダ17すなわちキャリア13を高速に移動させることができる。
次に図6〜図10に基づいて本発明の他の実施形態について説明する。図6は図2に対応する図であり、本図において図2で説明した要素と同一の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図6の特徴的な構成は、各仕切り室2A,2B,2Cに配置した回転部材18を各仕切り室の外部に出し、回転部材18を大気側の空間に配置し、回転部材18と磁気的な結合作用を生じるスライダ17を各仕切り室内部の真空側の空間に配置するようにしたことである。この配置関係は図7によって明らかに示される。回転部材18は回転動作するために、その軸支部から多少パーティクルが発生するおそれがあるので、処理室の外部に配置することが望ましい。そこで、本実施形態では、回転部材18およびこれに関連する機構的部分を各仕切り室の外部に配置するようにした。これによって、仕切り室内部のパーティクルを低減できると共に、回転部材18およびその関連部分の保守を容易に行うことができる。
また回転部材18とスライダ17との間には、構造的に、仕切り室の壁部1dが位置することになる。従って、回転部材18とスライダ17は壁部1dによって空間的に隔離される。回転部材18とスライダ17とは、前述のごとく隙間が存在し非接触の状態にあっても磁気的な力を作用させることができるので、回転部材18の磁気結合作用部とスライダ17の磁気結合作用部の間において磁気的な結合力が充分に生じるように設定されていれば、隔壁1dが存在しても、回転部材18からスライダ17に対して駆動力を伝達することができる。
上記において、仕切り室の壁部を形成する隔壁1dは、回転部材18とスライダ17との間の磁気結合作用すなわち両者の間に形成される磁気的な回路に影響を与えない非磁性材料で作られることが望ましい。
上記のごとく、回転部材18を仕切り室の外側に設けても、仕切り室の内部に位置するスライダ17とキャリア13を案内棒14に沿って直線的に移動させることができる。
なお図6と図7の構成では、回転部材18を仕切り室の横側に配置したが、キャリア13の例えば下面にスライダ17を設け、かつ各仕切り室の下側に回転部材18を収容・配置する部屋部を設けるように構成することもできる。この場合にも回転部材18の収容部屋部の壁部によって回転部材18とスライダ17は隔離される。
図8〜図10は、回転部材18とスライダ17が隔壁によって隔離される実施形態を示すもので、図8は上記図3に対応し、図9が上記図4に対応し、図10が上記図10に対応している。各図において前述した要素と同一の要素には同一の符号を付している。各図で明らかなように、回転部材18の磁気結合作用部とスライダ17の磁気結合作用部の間には隔壁1dが配置され、これによって両者は空間的に隔離されている。
隔壁1dが設けられる実施形態において、当該隔壁は前述のごとく、一般的に基板を処理するための処理室の壁部である。この構成によれば、被搬送物は例えば真空という特殊環境に配置され、駆動用の回転部材18は通常の大気側空間に配置される。
本発明に係る非接触式磁気誘導送り装置の適用範囲は、上記実施形態に限定されない。例えば特殊環境として、圧力の高い環境、水や特殊な気体等の環境を考えることができる。このような場合であっても、特殊な環境に配置された被搬送物を、その隔壁の外部に配置された回転部材18で移動させることができる。
また同じ空間に駆動用回転部材と直線駆動されるスライド部材を配置する場合であっても、例えば回転部材の周囲に保護ケース等を設けるなどして、回転部材とスライド部材の間に隔壁が配置されることもあり得る。
本発明は、半導体製造用の真空処理装置内の減圧空間内で基板等を円滑にかつ正確にパーティクルを生じさせることなく搬送するのに利用される。
本発明に係る非接触式磁気誘導送り装置が適用された一例を示す真空処理装置の全体構成を概念的に示す図である。 本発明に係る非接触式磁気誘導送り装置に適用される真空処理装置の内部構造を具体的に示す斜視図である。 本発明の非接触式磁気誘導送り装置の要部構成を示し、回転部材とスライダの磁気結合の第1の構造例を示す図である。 回転部材とスライダの磁気結合の第2の構造例を示す図である。 回転部材とスライダの磁気結合の第3の構造例を示す図である。 本発明に係る非接触式磁気誘導送り装置に適用される真空処理装置の内部構造の他の例を示す、図2と同様な図である。 図6に示した真空処理装置をその端面から見た図である。 上記第1の回転部材とスライダの磁気結合構造で隔壁を設けた図である。 上記第2の回転部材とスライダの磁気結合構造で隔壁を設けた図である。 上記第3の回転部材とスライダの磁気結合構造で隔壁を設けた図である。
符号の説明
1 真空処理装置
1d 隔壁
2A,2B,2C 仕切り室
11 仕切り弁
12 被処理物
13 キャリア
14 案内棒
15 入り口部
16 出口部
17 スライダ
18 回転部材
19 磁気結合作用部
31 N磁極部
32 S磁極部
34 凸部
41 磁石
51 連続歯

Claims (11)

  1. 円筒形表面の上に帯状N磁極部と帯状S磁極部を間隔をあけかつ連続的に螺旋形に巻かれるように形成した駆動用回転部材と、
    前記回転部材の回転軸に平行に配置されかつ案内部材に案内されて直線的に移動するように取り付けられ、前記帯状N磁極部と前記帯状S磁極部の間の前記間隔と等しい間隔を有する複数の磁気結合作用部が設けられたスライド部材とを備え、
    駆動装置によって前記回転部材を回転させると、前記回転部材の前記帯状N磁極部および前記帯状S磁極部のそれぞれと前記スライド部材の前記磁気結合作用部との間の磁気結合に基づいて、前記スライド部材が前記案内部材に沿って直線的に移動することを特徴とする非接触式磁気誘導送り装置。
  2. 前記回転部材における前記スライダ部材との対向部で前記帯状N磁極部の一部と前記帯状S磁極部の一部が交互に配置され、これらの帯状N磁極部の一部と帯状S磁極部の一部が複数の前記磁気結合作用部のそれぞれに対向することを特徴とする請求項1記載の非接触式磁気誘導送り装置。
  3. 1つの列を成すように配置された複数の仕切り室からなる真空処理装置の真空空間内に、前記複数の仕切り室の各々の間で分離された、被処理物が載置されたキャリアを案内するための案内レールが設けられ、前記案内レールに沿って移動可能な前記キャリアを移動させるように構成される送り装置であり、
    前記回転部材は、前記複数の仕切り室の各々に対応する前記案内レールに沿って配置され、かつ前記キャリアの1つの辺の長さに対応する軸方向長さを有し、
    前記スライド部材は、前記キャリアの前記辺の部分に備えられる、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の非接触式磁気誘導送り装置。
  4. 前記帯状N磁極部と前記帯状S磁極部は多重螺旋形状を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非接触式磁気誘導送り装置。
  5. 前記多重螺旋形状は二重螺旋形状であることを特徴とする請求項4記載の非接触式磁気誘導送り装置。
  6. 前記帯状N磁極部と前記帯状S磁極部は前記円筒形表面の上に連続的な帯状着磁により螺旋形に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の非接触式磁気誘導送り装置。
  7. 前記帯状N磁極部と前記帯状S磁極部の螺旋形状は二条ネジの構造を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の非接触式磁気誘導送り装置。
  8. 前記スライド部材に設けられた複数の前記磁気結合作用部は高透磁率を有する材質からなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の非接触式磁気誘導送り装置。
  9. 前記スライド部材に設けられた複数の前記磁気結合作用部は前記帯状N磁極部と前記帯状S磁極部のそれぞれに対向した極性の異なる磁極を有する磁石であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の非接触式磁気誘導送り装置。
  10. 前記回転部材と前記スライド部材の間に非磁性材料で形成された隔壁を設け、前記回転部材と前記スライド部材を空間的に分離したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の非接触式磁気誘導送り装置。
  11. 前記回転部材は大気空間に配置され、前記スライド部材は真空空間に配置されることを特徴とする請求項10記載の非接触式磁気誘導送り装置。
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