JP4428785B2 - 磁気搬送装置および磁気搬送方法 - Google Patents

磁気搬送装置および磁気搬送方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気搬送装置および磁気搬送方法に関し、特に、非接触方式でキャリアに駆動力を伝達する構成により半導体成膜装置等のごとき大気から隔離された真空雰囲気でのキャリア搬送の駆動機構に適し、さらに直列的連結構造で連続して作られた複数のチャンバの各々で個別の磁気的駆動軸による磁気結合を利用してキャリアを順次に連続搬送するときに利用される磁気搬送装置および磁気搬送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空環境で物体を搬送する場合、従来、ラック・ピニオン機構、コロ式駆動方式などの駆動力を直接に伝える接触伝達方式の駆動機構が多く用いられてきた。真空環境では、このような駆動機構での摩擦係数は大きく、また潤滑油が使えないため、摩耗量が著しく多くなり、大量の塵埃が発生するという発塵の問題があった。また摩擦係数が大きいため、接触部のクリアランスも大きくとる必要があり、精密な動作に制約があった。
【0003】
ま半導体や電子部品の製造分野においては、精密なデバイスを要求されるさまざまな処理装置での被処理物への塵埃の付着は、歩留まりや装置のスループット低下の問題を引き起こすため、極力低減することが要求されている。特にここ近年では、2000年に向けて、高速搬送による高スループット化の要請、および高密度デバイスの開発要請が著しく、今まで以上の低発塵化の要求が強まっている。
【0004】
塵埃の低減化のためには非接触伝達方式の搬送系が望ましく、今まで種々の方式が提案されている。この中でも磁気結合作用を利用した方式(以下「磁気搬送装置」と記す)は、構造が比較に簡単である。米国特許第5,377,816号公報には、螺旋状の磁気回路と磁極を組み合わせた直線搬送機構が提案されている。また間接的技術として、工作機械等の分野での送り装置として磁気ネジを利用した特開平7−28060号公報に開示される技術がある。
【0005】
上記のような磁気搬送装置を、例えば複数の成膜チャンバ等が直列的に連続して接続されて成る半導体製造装置に用いる場合、各チャンバは分離されかつ仕切り弁を介して通じるようになっているので、磁気搬送装置を構成する複数の円柱形駆動軸がそれぞれチャンバごとに設けられる。駆動軸にはその表面に例えば螺旋形の磁石部(または着磁部)が形成される。また被搬送物である基板搭載用キャリアには螺旋形磁石部のピッチと同じ長さで磁石が設けられている。このようなキャリアを、分離されたチャンバ内を逐次通過させるときには、各チャンバの駆動軸の間の渡り部分で受渡しを行わなければならない。そのため、当該受渡しが円滑に行われるように、整合をとることのできる構造が要求されていた。
【0006】
そこで、本発明者らは、先に、かかる整合構造を有した磁気搬送装置を提案した(特願平9−231747号(特開平10−159934号))。これによれば、各チャンバに設けた駆動軸を固定駆動軸と可動駆動軸の2つの部分に分割し、かつ駆動軸における可動駆動軸の磁気結合部が、次の隣りのチャンバにおける駆動軸で生じるずれを吸収することによって、整合をとり、円滑な受渡しを行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで特願平9−231747号による磁気搬送装置では、各チャンバの駆動軸を回転させるため、チャンバごとに駆動装置としてのモータと動力伝達部が設けられるように構成されている。モータはパルスモータであってパルス信号で動作させ、動力伝達部は傘歯車機構で形成される。この磁気搬送装置では、通常、パルスモータに2000 pps(pulse per sec :搬送速度で表現すると150mm/secとなる)を与え、500パルス/1回転に設定することにより、駆動軸を1秒で4回転程度回転させる搬送速度をもってシステムが構築されていた。
【0008】
他方、近年では、前述のごとき高スループット化の要望が高まり、例えば本出願人による装置で7000 pps以上の駆動パルス信号をパルスモータに与えて高速搬送を行うことが試みられている。上記磁気搬送装置で搬送速度を相対的に高速にすると、通常の現象として、キャリアがチャンバの間の駆動軸の渡り部分を移動するときに、可動駆動軸の作用によって本来的に吸収される筈のずれが或る位相ずれ量の範囲では吸収されず、移動が不安定になり、次のチャンバの固定駆動軸とキャリア先端の磁石との間で同種の磁極同士が接近する事態も起こり得る。このような事態になると、両者の磁極は反発し合い、キャリアが瞬間的に停止状態になって磁気結合の部分で脱調が起こったり、キャリアがハンチング(振動)したりする。キャリアがハンチングすると、キャリアに搭載されている基板が落下したり、キャリアの移動した次のチャンバでのキャリア停止位置にずれが発生する。またチャンバの駆動軸の螺旋形磁石部とキャリアの磁石の両者で、それらの磁気結合部が減磁されることもある。
【0009】
次に前述の磁気搬送装置を利用して同時搬送を行う場合には、以下のごとき考慮すべき問題が提起される。ここで「同時搬送」とは、前述のごとく複数の成膜チャンバ等が直列的に連続して接続されて成る半導体製造装置において、処理されるべき基板が搭載されたキャリアが、複数の成膜チャンバ等の各々に滞在するように、所定間隔で連続して同時に送られる搬送の仕方をいう。すなわち連続搬送を前提した同時搬送である。この同時搬送では、今仮にA、B、Cの3つのチャンバがA−B−Cの順序で連続して設けられており、かつチャンバAにキャリアKaがあり、チャンバBにキャリアKbがあるとするとき、キャリアKbがBからCへ、キャリアKaがAからBへ、各渡り部分を同時に円滑に移動させることが要求される。このような同時搬送を円滑に行うためには、同時搬送を開始する直前の段階で各キャリアKa,Kbごとに決まる位相が或る条件で一致した状態になっていることが必要である。従来の磁気搬送装置では、搬送速度が相対的に低かったので、位相の一致に関する制御を厳密に行わなくとも十分に実用的な同時搬送を行うことが可能であった。しかしながら、搬送速度が高速になると、同時搬送にとって不安定な状態が生じ、実用的な同時搬送を行うためには厳密な位相制御(位相合わせの制御)が要請される。また低速な同時搬送においても位相合わせの制御を行えば、さらに精度の高い同時搬送を行うことができるのは勿論である。
【0010】
本発明の目的は、直列的に連続して接続された複数の処理用のチャンバを備えた半導体製造装置や電子部品製造装置等において、磁気結合作用を利用して被搬送物を搬送する磁気搬送装置および磁気搬送方法であり、各チャンバ間での被搬送物の受渡しを円滑かつ高速に受け渡すことができる磁気搬送装置および磁気搬送方法を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、上記半導体製造装置などに用いられる上記の磁気搬送装置および磁気搬送方法であり、各処理チャンバに存在する被搬送物を次の隣りの処理チャンバに連続して同時に移動させるときに、被搬送物の同時搬送を任意速度(低速〜高速)で円滑に行える磁気搬送装置および磁気搬送方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る磁気搬送装置および磁気搬送方法は、上記目的を達成するために次のように構成される。
【0013】
第1の磁気搬送装置(請求項1に対応):互いに隔離可能でかつ連結部(仕切り弁)を開いてつながる少なくとも3つのチャンバに付設され、かつこれらの3つのチャンバの中を通過させて被搬送物(通常、キャリアと基板)を連続搬送する搬送路(案内棒)を備える。この搬送路ではチャンバの間で渡り部分が形成されている。またチャンバごとに被搬送物を移動させるための駆動装置部(駆動軸等)が設けられている。駆動装置部は回転駆動部材(駆動軸)と動力伝達部と駆動装置を備える。回転駆動部材は、軸心部材に固定された第1部分(固定駆動軸)と回転方向には制限されかつ軸方向には一定の幅で自由に動くように軸心部分に取り付けた第2部分(可動駆動軸)とに少なくとも2分割される。第1部分と第2部分の各々の表面にはN極螺旋部とS極螺旋部からなる螺旋状磁気結合部が設けられる。動力伝達部は好ましくは回転駆動部材の第1部分と第2部分の間に設けられる。駆動装置は動力伝達部に駆動力を与える。被搬送物は、回転駆動部材における表面から一定の箇所を通過するように軸方向に移動自在に設けられ、回転駆動部材の表面に面した部分に螺旋状磁気結合部におけるN極螺旋部とS極螺旋部のそれぞれに対応する吸引極部(通常、異なる磁極であって主に吸引、すなわち引きつける作用を有する磁極部分)を有する磁気結合部が設けられる。被搬送物は、回転駆動部材の回転動作で被搬送物を直線的に移動させられる。以上の前提構成を有する磁気搬送装置は、さらに次のような特徴的構成を有する。少なくとも3つのチャンバの各々に設けた回転駆動部材の配置間隔(d)が螺旋状磁気結合部におけるN極螺旋部とS極螺旋部の間隔(p)の2倍の自然数倍になるように設定されている。またチャンバの各々の駆動装置の動作を制御する制御手段(制御装置100)が設けられ、この制御手段は駆動装置の各々を同期制御する。以上の構成によって連続搬送における同時搬送が行われる。
【0014】
上記の磁気搬送装置において、好ましくは、駆動装置はパルスモータであり、制御手段はパルス数制御でパルスモータの動作を制御する(請求項2に対応)。また上記の各磁気搬送装置において、好ましくは、パルスモータは7000pps (搬送速度で表現すると530mm/sec)以上の高速で動作する。正確な位置の制御を行うための装置としてはパルスモータを利用し、パルス数制御を行うことが望ましい。
【0015】
第2の磁気搬送装置(請求項3に対応):第1の磁気搬送装置で述べた前提構成を有し、さらに、少なくとも3つのチャンバの各々に設けた回転駆動部材の配置間隔が螺旋状磁気結合部におけるN極螺旋部とS極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように設定されていない既存の通常の磁気搬送装置において次の特徴的構成を設けるようにした。すなわち、チャンバの各々の駆動装置の動作を次のごとく制御する制御手段が設けられる。この制御手段は、チャンバのうち最も先頭のチャンバに位置する被搬送物から順次に各々の位相ずれの分だけ移動させて停止させ、チャンバの各々における被搬送物の停止位置からスタートする時点の被搬送物の間の間隔が螺旋状磁気結合部におけるN極螺旋部とS極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように、駆動装置の各々を予備的に制御し、その後に、駆動装置の各々を同期制御する。同期制御を行う前の段階での上記制御手段による各駆動装置の予備的な制御は、同時搬送される被搬送物の各々について、停止位置からスタートして次の隣りのチャンバにおける予め定められた位置に停止セットされるまでの間の搬送距離が等しくなるようにするためのものである。これによって、前述のごとく、装置設計の上で、例えば3つのチャンバの各々に設けた回転駆動部材の配置間隔が螺旋状磁気結合部におけるN極螺旋部とS極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように設定されていない既存の通常の磁気搬送装置においても、制御の面で工夫することにより、請求項1に対応する第1磁気搬送装置と同等の技術的内容を実現することが可能となる。このようにして、かかる制御手段を備えることによって連続搬送における同時搬送が行われる。
【0016】
第3の磁気搬送装置(請求項4に対応):第1の磁気搬送装置で述べた前提構成を有し、さらに、少なくとも3つのチャンバの各々に設けた回転駆動部材の配置間隔が螺旋状磁気結合部におけるN極螺旋部とS極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように設定されていない既存の通常の磁気搬送装置に次のような構成が設けられる。すなわち、チャンバの各々の駆動装置の動作を次のごとく制御する制御手段が設けられる。この制御手段は、時間遅延手段を利用してチャンバの各々に位置する被搬送物の搬送開始時間を遅らせて位相ずれを解消しながら、被搬送物が次のチャンバの螺旋状磁気結合部に対して渡り始める時点での被搬送物の間の間隔が螺旋状磁気結合部におけるN極螺旋部とS極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように、駆動装置の各々を制御する。同期制御による同時搬送を行う前の段階での上記制御手段(時間遅延手段を利用する)による各駆動装置の制御は、同時搬送される被搬送物の各々について、次の隣りのチャンバにおける予め定められた位置に停止セットされるまでの間の搬送距離が等しくなるようにするためのものである。これによって、前述のごとく、装置設計の上で、例えば3つのチャンバの各々に設けた回転駆動部材の配置間隔が螺旋状磁気結合部におけるN極螺旋部とS極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように設定されていない既存の通常の磁気搬送装置においても、制御の面で工夫することにより、請求項1に対応する第1磁気搬送装置と同等の技術的内容を実現することが可能となる。またこの制御に基づく構成によれば、搬送の際に被搬送物を停止させることなく、同時搬送を行うことができる。このようにして、かかる制御手段を設けることによって、連続搬送における同時搬送が行われる。
【0017】
上記の各磁気搬送装置において、好ましくは、駆動装置はパルスモータであり、制御手段はパルス数制御でパルスモータの動作を制御することを特徴とする(請求項5に対応)。またパルスモータは好ましくは7000pps 以上の高速で動作する。
【0018】
第1の磁気搬送方法(請求項6に対応):互いに隔離可能でかつ連結部を開いてつながる少なくとも3つのチャンバに付設される搬送路と、チャンバの各々に設けられた、螺旋状磁気結合部を有する回転駆動部材と、被搬送物に付設された磁気結合部を備え、螺旋状磁気結合部はN極螺旋部とS極螺旋部からなり、磁気結合部はN極螺旋部とS極螺旋部のそれぞれに対応する吸引極部を有する磁気搬送装置に適用され、上記の搬送路を利用し、回転駆動部材の螺旋状磁気結合部と被搬送物の磁気結合部との作用で被搬送物を連続搬送させる磁気搬送方法である。この磁気搬送方法において、チャンバのうち最も先頭のチャンバに位置する被搬送物から順次に各々の位相ずれの分だけ移動させて停止させ、チャンバの各々における被搬送物の停止位置からスタートする時点での被搬送物の間の間隔が螺旋状磁気結合部におけるN極螺旋部とS極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように、駆動装置の各々を予備的に制御し、その後に、駆動装置の各々を同期制御し、これによって連続搬送における同時搬送を行うようにしたことを特徴とするものである。上記のごとき制御によって、通常、各被搬送物について、停止位置からスタートし隣りの次のチャンバの所定位置に到るまでの搬送距離は実質的に等しくなる。この磁気搬送方法は、上記の第2の磁気搬送装置で実施される搬送方法である。
【0019】
第2の磁気搬送方法(請求項7に対応):上記第1の磁気搬送方法で述べた前提構成を有する磁気搬送方法において、チャンバの各々に位置する被搬送物の搬送開始時間を遅らせて位相ずれを解消しながら、被搬送物が次のチャンバの螺旋状磁気結合部に対して渡り始める時点での被搬送物の間の間隔が螺旋状磁気結合部におけるN極螺旋部とS極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように、駆動装置の各々を制御し、これにより連続搬送における同時搬送を行うようにしたことを特徴とする。上記のごとき制御によって、通常、各被搬送物について隣りの次のチャンバの所定位置に到るまでの搬送距離は実質的に等しくなる。この磁気搬送方法は上記の第3の磁気搬送装置で実施される搬送方法である。
【0020】
上記の各磁気搬送方法において、好ましくは、パルス数制御で同時搬送の制御が行われる(請求項8に対応)。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面を参照して説明する。
【0022】
本発明に係る磁気搬送装置は、例えば、基板に対して成膜等の処理を行う真空処理装置に適用され、基板を搭載するキャリア(または基板トレイ)等の被搬送物を搬送する機構として使用される。この実施形態では、図1および図2に示すごとく複数の真空処理チャンバを直線的に直列に接続してなるロードロック型真空処理装置に適用した例を説明する。
【0023】
本発明の第1実施形態を図1〜6を参照して説明する。先ず図1を説明する。この図において、真空処理装置1は、一例として、3つのチャンバ(仕切り室)2A,2B,2Cを備え、各チャンバの間には仕切り弁11が設けられる。この実施形態では3つのチャンバが示されているが、チャンバの数は3つに限定されない。各チャンバ2A,2B,2Cの内部は、不図示の独立した排気系により真空排気され、各チャンバは仕切り弁11によって互いに隔離され,閉ざされた真空処理室を形成する。仕切り弁11は例えばゲートバルブであり、開放されると各チャンバは連通しつながった状態になる。各チャンバ2A,2B,2Cでは、開放された仕切り弁11を通して搬入された被処理物(例えば基板等)12に対し、予め設定された異なる処理が実行される。直列に接続されたチャンバ2A,2B,2Cの各々には、仕切り弁11を通って順次に被処理物12を載置したキャリア13が搬送される。チャンバに送り込まれた被処理物12は、各チャンバで処理のため予め定められた位置に停止する。
【0024】
実際の搬送では、チャンバ2A,2B,2Cのそれぞれに被処理物がキャリアに載置された状態で存在し、連続搬送において同時に搬送される状態にある。しかし、図1(および次の図2等)では、キャリア13がチャンバ2A,2B,2Cを順次に搬送される状態を説明するため、1組の被処理物12とキャリア13のみが示されている。
【0025】
被処理物12が載置されたキャリア13は、下側に設けられた一対の案内棒14の上で、かつ当該案内棒14に沿って移動する。2本の案内棒14は、図2に示すように、キャリア13の下側位置にて平行に設置され、直線的なレール状の形態を有する。2本の案内棒14の各々には、キャリア13を支える複数のローラ(コロ)14aが側部と下部の所定箇所に一定間隔で設けられている。この構成によって、搬送路としての案内棒14の上に載置されて移動するキャリア13は直線的に搬送される。
【0026】
案内棒14は、仕切り弁11が設けられた箇所ではその一部が切断されて不連続な状態にあり、各チャンバごとに分離されて構成される。またキャリア13を移動させるためのパルスモータ等の駆動装置(図1中図示せず)も、チャンバ2A,2B,2Cのそれぞれに個別に設けられる。
【0027】
キャリア13は、チャンバ2Aの入り口部15からその内部に入り、後述する磁気搬送機構によって、適当なタイミングで開放される仕切り弁11を通過しながら、矢印に示すa方向に、各チャンバ2B,2Cに順次に送られる。各チャンバでは、予め定められた箇所に停止状態で滞在するキャリア13上の被処理物12に対して所定の処理が施される。処理の内容はチャンバごとに定められている。処理済みの被処理物12を搭載するキャリア13は、最終的にチャンバ2Cの出口部16から外部に取り出され、一連の処理工程は終了する。
【0028】
次に図2を参照してより具体的に説明する。図2において、平行に配置された2本の案内棒14上を移動するキャリア13が示される。キャリア13の上には被処理物12が載置される。キャリア13は、移動のための駆動力を受けると、ローラ14aを備えた案内棒14で支持・案内されて移動する。キャリア13の例えば側面部には、案内棒14に平行に、後述するような磁気結合部21(図4に示す)が外表面に形成されたスライダ17が固定される。スライダ17は、後述する回転駆動部材の磁気結合部からの駆動力を受けて直線方向に滑るように移動するので、この意味で「スライダ」と呼ぶことにする。スライダ17が移動すれば、これと一体化されたキャリア13も共に移動する。つまりキャリア13は当該回転駆動部材から磁気的な駆動力を受け案内棒14に沿って移動する。
【0029】
3つのチャンバ2A,2B,2Cの各々には、案内棒14に沿って、スライダ17が付加されたキャリア13を直線的に移動させるための駆動力を与える回転駆動部材(以下「駆動軸」という)18A,18B,18Cが配置される。各駆動軸は、円柱形または円筒形の形状を有し、その軸回りに回転自在になるように軸支されると共に、駆動装置19A,19B,19Cから動力を伝達され、正逆の任意の方向に回転される。駆動装置19A〜19Cとしては、通常、動作量制御に適したパルスモータが使用される。駆動装置19A〜19Cから駆動軸18A〜18Cへ動力を伝達する機構の詳細は後述される。駆動装置は各チャンバごとに設けられている。
【0030】
実際には、連続的な搬送であって、前述したごとく各チャンバには被処理物を搭載したキャリアが存在し、搬送を行うときには同時に搬送が行われる。従ってチャンバ2A〜2Cの各々に設けられた駆動装置19A〜19Cの間には同時搬送を行うための制御が実施され、各チャンバ2A〜2Cの駆動軸18A〜18Cは、通常、同期して回転動作を行うように構成される。図2で100は制御装置であり、制御装置100は駆動装置19A〜19Cの制御を行う。
【0031】
またチャンバ2A〜2Cの各々には、搬入されたキャリアが定位置にあるか否かを検出するためのセンサが設けられている。センサは、キャリアが定位置にあるか否かを検出し、そのデータを制御装置100に与える。制御装置100は各チャンバのセンサから与えられるキャリアの状態に関するデータを利用して後述のごとき制御を行う。
【0032】
図5にセンサの一例を示す。図5では、(A)は各チャンバにおけるキャリア13の例えば正常な停止位置と、当該キャリア13に対するセンサの配置状態が示されている。図5の(A)で、キャリア13は右から左に向かって搬送されてくるものとする。矢印aは、図1や図2で示された搬送方向を示すaと同じである。センサは例えば透過式の光電センサである。センサとしては、その他に反射型の光電センサやレーザセンサを用いることもできる。このセンサは、定められた停止位置にあるキャリア13の前端と後端に対応する箇所の上側と下側(またはキャリアが立てて用いられる場合には左側と右側)に設けられている。前端側にはセンサ101が配置され、後端側にはセンサ102が配置される。センサ101は、下側に配置された発光器101aと上側に配置された受光器101bからなる。発光器101aから出た光は受光器101bに受光され、通常、センサ101はオン状態にある。センサ102は、下側に配置された発光器102aと上側に配置された受光器102bからなる。発光器102aから出た光は受光器102bに受光され、通常、センサ102はオン状態にある。なお、センサにおけるオン、オフの設定はアンプ等の電気回路の設計で任意に行うことができる。この実施形態では説明の分かり易さの観点で受光をオン、遮光をオフとして説明するが、実機では逆になるように設計されている。キャリア13の搬送を行うための上記駆動装置の動作が停止した時点で、キャリア13が正常停止位置にあるとき、センサ101,102は共に遮光され、両方共にオフ状態になる。パルスモータ等の駆動装置の停止は、それに付加された回転数計(図示せず)によって検出される。同様にして図5の(B)はオーバーラン(行過ぎ)の状態を示し、このときには図から明らかなようにセンサ101がオフ(遮光)、センサ102がオン(受光)の状態になる。図5の(C)はショートラン(移動量不足)の状態を示し、このときには図から明らかなようにセンサ101がオン(受光)、センサ102がオフ(遮光)の状態になる。このようにセンサ101,102のオン・オフの組み合わせで、チャンバにおけるキャリアの位置の状態を判断することができる。従って、図2に示されるごとく、制御装置100はチャンバ2A,2B,2Cのそれぞれに設けられたセンサ101,102からの信号を受けることによって、各チャンバでのキャリアの位置に関する情報を取り込み、各チャンバにおけるキャリアの位置制御のために使用することができる。なお、上記センサによる位置信号の取り込みが行われるキャリアの停止時は、上記駆動装置の動作が停止した時点から始まるタイマで設定された一定時間の範囲内である。この一定時間内でセンサ信号を読み込めない場合には異常であると判断される。またこのタイマは制御装置100においてシーケンス制御の上でソフト的に実現されているものである。上記では、キャリアの停止位置としてチャンバにおける所定の停止位置の検出に関するセンサを説明したが、センサの個数や配置位置などは上記構成に限定されない。また検出しようとするキャリアの位置情報に応じて任意にセンサを設けることができる。さらにキャリアの移動量を検出するように構成することも可能である。
【0033】
駆動軸18A〜18Cの各々は、大体において、対応するチャンバ内にキャリアが搬入されてきた時、当該キャリアのスライダの近くであって、これに対向する位置関係となるように設けられている。
【0034】
またチャンバの間は上記仕切り弁11で仕切られているので、この仕切り弁11によって駆動軸と駆動軸の間も仕切られる。そのため、隣り合う駆動軸の間に隙間が生じる。駆動軸と駆動軸の間の隙間(以下「渡り部分」という)の距離はキャリア13の長さに比べて十分小さく設定される。かかる渡り部分が存在するため、キャリアを或る駆動軸から次の他の駆動軸へ移動させるとき、駆動軸間での磁気回路を滑らかに整合させることが必要となる。特に上記のごとく連続搬送であって同時搬送を行うときには、かかる整合を行うための構成を設けないと、次の他の駆動軸に移動させるときに、振動が生じたりして不安定な搬送が生じ、最悪な場合には脱調が生じ、渡り部分での搬送を行うことができないこともある。またキャリアの搬送速度が高速になれば、整合をとることがいっそう重要となる。そこで、本実施形態では、後述されるような装置構成と同期制御、あるいは位相合わせの制御を利用して整合をとるようにしている。
【0035】
なお図2に示した真空処理装置1において、1aは上記入り口部15が設けられる前壁に相当し、1bは上記出口部16が設けられる後壁に相当し、1cは上記仕切り弁11が設けられる仕切り壁に相当している。またチャンバ2Aにおいてキャリア13、スライダ17、被処理物12を実線で描き、キャリア13等がチャンバ2A内に存在していることを示している。この図示例では、チャンバ2B,2Cについては、キャリア13等を想像線で示し、チャンバ2Aに存在したキャリア13がチャンバ2B,2Cへ順次に搬送されていく様子を示している。また被処理物が連続的に搬送される実際の搬送では、例えばチャンバ2A,2Bの各々に被処理物12が存在し、各々のチャンバで被処理物に対して次の隣りのチャンバへの同時搬送の制御が行われる。
【0036】
次に図3を参照して駆動軸18A〜18Cの構造と各部の働きを詳述する。図3では、駆動軸18A〜18Cと同じ構成を有する駆動軸18を代表的に拡大して示し、この駆動軸18に基づいて説明する。また駆動装置19A〜19Cから駆動軸18へ動力を伝達する機構も併せて示されている。
【0037】
駆動軸18は、その軸方向にて二分割され、キャリア進入側(図中左側)に位置する固定駆動軸18−1と、キャリア送出側(図中右側)に位置する可動駆動軸18−2とからなる。駆動軸18の表面、すなわち、固定駆動軸18−1と可動駆動軸18−2の各表面には螺旋状に形成された例えば着磁部による磁気結合部22が設けられる。磁気結合部22は上記スライダ17の磁気結合部21と磁気的な作用で結合される。磁気結合部21,22については後で詳述される。
【0038】
固定駆動軸18−1は共通の軸心部20に固定される。軸心部20は、その両端を支持部(回転軸受)23によって回転自在に支持されている。かかる固定駆動軸18−1は、スライダ17との間の磁気結合作用(異極による吸引と同極による反発の作用)に基づいてキャリア13を所望の方向(方向aまたは方向b)に進行させる働きと、それが設置された対応するチャンバ内でキャリア13の停止位置を設定する働きを持つ。
【0039】
一方、可動駆動軸18−2は、上記軸心部20に回転方向については動きを制限するべく固定されると共に、キャリア13の進行方向(方向aまたはb)と同じ方向には一定範囲で所定制限の下で動き得るように遊びを持たせるように構成されている。かかる可動駆動軸18−2は、軸心部20から固定駆動軸18−1と同一の回転動作を与えられると共に、キャリア13の進行方向の動きに合わせて、その軸方向に上記遊びの範囲内で動くことができる。図3中、左側位置にある可動駆動軸18−2は実線で示され、左側位置から右側に移動した可動駆動軸18−2の右端部のみを破線で示している。可動駆動軸18−2の軸方向の可動量は、最小の移動量で上記渡り部分における整合(位置合せ)を行うため、上記磁気結合部21を構成する磁気回路の磁石間隔と同等の距離以上で当該間隔の2倍以下の範囲に含まれることが望ましい。上記のような作用を生じさせるため、可動駆動軸18−2と軸心部20とは、例えばよく知られたスプライン構造で連結されている。図示されたスプライン構造では、軸心部20はスプライン歯を有してスプライン軸となり、可動駆動軸18−2は例えば固定駆動軸側の端面にスプライン歯とかみ合う穴を有し、ボスとなっている。穴の軸方向の長さによって可動駆動軸18−2の軸方向移動の範囲を設定することができる。
【0040】
さらに可動駆動軸の構造を詳しく述べると、可動駆動軸は、通常、内蔵されるバネで軸方向の一方向に押し付けられるように構成されている。可動駆動軸18−2が押し付けられて停止している位置は、固定駆動軸との間で連続位相を作る位置となるように設計されている。
【0041】
また可動駆動軸18−2と軸心部20との関係について、可動駆動軸18−2の軸方向移動を上記遊びの範囲内に制限するための制限部(または係止部等、図示せず)を、軸心部20または可動駆動軸18−2に設けることもできる。
【0042】
駆動軸18の表面、すなわち固定駆動軸18−1と可動駆動軸18−2の各表面に設けられた螺旋状形態を有する磁気結合部(以下「螺旋状磁気結合部」という)22は、図示例では駆動軸表面に描かれた多数の斜線で示されている。この螺旋状磁気結合部22は、好ましくは、外表面に磁極が形成された螺旋状磁石である。この螺旋状磁石は、さらに2重螺旋構造が好ましく、N極とS極の螺旋状部分(N極螺旋部とS極螺旋部)が交互に配列されることが好ましい。磁石を用いるときには各駆動軸の表面に凸部として形成される。螺旋状磁気結合部22については、さらに好ましくは、駆動軸18の表面に螺旋状の着磁を施すことにより、着磁部としてN極螺旋部とS極螺旋部の各磁極を形成することもできる。この場合には駆動軸の表面に凸部は形成されない。
【0043】
駆動軸18の螺旋状磁気結合部22は、スライダ17に設けられる磁気結合部21との間において相互に磁気力が作用し合い、互いに結合しようとする部分である。スライダ17の磁気結合部21も磁石または着磁部によって形成される。駆動軸18はその軸心部20がスライダ17と平行であり、かつスライダ17との間において両者の間の磁気的な結合を可能とする適切な隙間が形成されるように配置されている。
【0044】
また分割して成る固定駆動軸18−1と可動駆動軸18−2の間に形成されたスペースを利用して動力伝達部30が設けられる。動力伝達部30は、上記駆動装置19A〜19Cの出力軸に連結される軸部31と、これに結合された傘歯車32と、軸心部20に固定されかつ傘歯車32に噛み合う傘歯車33とによって構成される。傘歯車32,33の噛み合いによって駆動装置から与えられる回転動力が軸心部20に伝達され、回転動作が行われる。
【0045】
図4は、部分平面図であり、磁気結合の関係にあるスライダ17の磁気結合部21と駆動軸18の一部の螺旋状磁気結合部22とを示している。図4で、キャリア13、案内棒14等の図示は省略されている。スライダ17の駆動軸対向表面に設けられた磁気結合部21は、好適な間隔40にて埋設状態で交互に配置されたN極磁石41aとS極磁石41bから成る磁石41である。N極磁石41aとは駆動軸対向面がN極の磁石であり、S極磁石41bとは駆動軸対向面がS極の磁石である。駆動軸18(固定駆動軸18−1または可動駆動軸18−2)の表面に設けられた螺旋状磁気結合部22は、N極螺旋部42aとS極螺旋部42bからなり、N極とS極が交互に配置されるように2重の帯状螺旋形状に着磁された着磁部42である。螺旋状磁気結合部22におけるN極螺旋部42aとS極螺旋部42bの間に好適な間隔(ピッチ)pが設定される。またN極磁石41aとS極磁石41bの間隔43はN極螺旋部42aとS極螺旋部42bの間隔pとは等しくなるように設定されている。上記の螺旋状磁気結合部22はN極螺旋部とS極螺旋部の2重螺旋としたが、これに限定されるものではない。例えばN,S,N,Sの4重螺旋として構成することも可能である。
【0046】
駆動軸18が固定駆動軸18−1であるとするとき、その表面上に形成されたN極螺旋部42aおよびS極螺旋部42bと、キャリア13のスライダ17に設けられたN極磁石41aおよびS極磁石41bとの間では、異種同士が対向して磁気的に吸引し結合しようとする。またこのような吸引・結合が可能となるように両者の間隔40が設定されている。駆動装置から動力伝達部30を介して伝達された動力によって軸心部20を回転させると、前述の着磁部42(すなわち螺旋状磁気結合部22)が回転しながら軸方向に移動し、この動きに対応して、相互の吸引・反発の作用に基づき対向する磁石41(すなわち磁気結合部21)の異種極も同様に方向aまたはbに移動し、スライダ17とこれに一体化されたキャリア13が移動する。
【0047】
次に第1実施形態による磁気搬送装置の動作例を説明する。この動作例の説明では、直線的に連続して直列に設けられた3つのチャンバ2A〜2Cにおいて、チャンバ2A,2Bに存在する連続搬送されるキャリアを同時搬送する場合に、整合をとりながら渡り部分を滑らかに搬送させることが可能なキャリア搬送のための構成と制御が説明される。動作例の説明は図6を参照して行われる。
【0048】
同時搬送するときに整合をとりながら渡り部分を滑らかに搬送させる動作を可能にする構成を図6に示す。上記の磁気搬送装置では、駆動軸(18,18A〜18C)に形成された螺旋状の着磁部42(螺旋状磁気結合部22)におけるN極螺旋部42aとS極螺旋部42bの間の間隔(ピッチ)を前述のごとくpとするときに、隣り合う駆動軸(18A〜18C)の間の配置間隔dが、間隔pの2倍の自然数倍(d=2p×n(nは任意の自然数))となるように設計されている。図6で、配置間隔dは、一例として動力伝達部30の駆動装置側の軸部31の間の距離として示されている。磁気搬送装置の設計の上で駆動軸18A〜18Cの間の配置間隔dと間隔pを上記の関係に維持すると、同時搬送を行う前の段階で本来的に位相合わせ(各チャンバでの駆動軸に対するキャリアの位置が一致している)が行われた状態にあることになり、特別に位相合わせのための制御を予備的に行うことなく、同期制御を行うだけで自然に整合をとることができる。
【0049】
図6を参照して第1実施形態による磁気搬送装置の動作を説明する。図6では2つの状態(A),(B)が示されている。状態(A)は連続搬送における同時搬送の動作開始前(同時搬送直前位置)の状態が示され、状態(B)は連続搬送における同時搬送の動作実行(隣りの駆動軸への渡り時)の状態が示されている。図6の状態(A),(B)の各々では3つのチャンバ2A,2B,2Cの各々における駆動軸18A,18B,18Cが示され、かつチャンバ2Aからチャンバ2Bへ、およびチャンバ2Bからチャンバ2Cへキャリア13が同時に搬送される状態が示されている。なお図6で51は各チャンバで各駆動軸を収容するための容器である。容器51によって駆動軸設置箇所とチャンバの真空雰囲気とが分離されている。
【0050】
上記のごとく、チャンバ2A〜2Cの間において、隣り合うチャンバの駆動軸(18A〜18C)の間の配置間隔d、すなわち固定駆動軸18−1の螺旋状磁気結合部22(着磁部42)の配置間隔dが、着磁部42の間隔p(N極螺旋部42aとS極螺旋部42bの間隔)の自然数倍(n倍)になるように設定されている。配置間隔dと間隔pが装置設計の上で上記関係に維持されると、同時搬送開始前においてチャンバ2A,2Bに滞在するキャリア13の位置が各々の駆動軸18A,18Bに対して同じ位置になり、チャンバ間で搬送のための移動上の位相のずれが生ぜず、搬送開始位置が一致している。このため、駆動装置19A〜19Cを動作させる制御装置100の制御に関して各チャンバでの駆動軸への駆動力伝達を同時に開始するようにしても(同期制御を行っても)、隣りの次のチャンバの駆動軸の螺旋状磁気結合部22(固定駆動軸の着磁部42)と前のチャンバから移動してきたキャリア13におけるスライダ17の磁気結合部21(磁石41)との間で位置の整合をとることができる。すなわち、次のチャンバの固定駆動軸の着磁部42と前のチャンバから移動してきたスライダ17の磁石41との間で異種の極性の部分同士の位置が一致し対向するようになるため、キャリア13の滑らかな受渡しが行える。この場合に、高速搬送を行うことから多少のずれが生じたとしても、前のチャンバの駆動軸の可動駆動部がそのずれを吸収するので、同種の極同士の反発によるキャリア13の後退によるキャリア停止あるいは振動(ハンチング動作)が生じない。具体的な実施例として好適な間隔pは例えば9.4mmである。しかし当該数値は、この値に限定されず、搬送速度、装置の規模に応じて決められる。
【0051】
以上のごとくチャンバ2A〜2Cの駆動軸18A〜18Cの配置間隔dと駆動軸の間隔pとがd=2p×nの関係にある場合には、キャリア13(スライダ17)が渡り部分を移動するときに、速度に応じて若干の位相ずれが生じるものの、位相ずれは不安定領域には至らず、次の駆動軸における固定駆動軸の着磁部42(螺旋状磁気結合部22)のN極螺旋部およびS極螺旋部とスライダ17の磁石41(磁気結合部21)のN極およびS極とが異種のもの同士で位置的に一致し、整合がとられ、渡り部分における滑らかな移動が行われる。以上の動作に関し、制御装置100による特別な位相合わせの制御を予備的に行なわず、単に同期制御を行うだけで連続搬送における同時搬送を行うことができる。
【0052】
上記の同期制御において、駆動装置100による駆動装置19A〜19Cの制御は、駆動装置が好ましくはパルスモータであることから、パルス数制御が行われる。またパルス数制御による円滑な同時搬送は、例えば7000pps (530mm/sec)以上の高速搬送を行うときに有効である。
【0053】
次に本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る磁気搬送装置の基本的な構成は前述した図1〜図5で説明した構成と同じである。しかしながら、この磁気搬送装置では、構成上、第1実施形態の装置とは異なる点がある。すなわち、チャンバ2A〜2Cの駆動軸18A〜18Cの配置間隔dと駆動軸の間隔pの関係に関してd=2p×nとなるように設計されていない。すなわち、第2実施形態の磁気搬送装置は、第1実施形態で説明したような設計が施されていない既存の磁気搬送装置であることを想定している。そこで第2実施形態では、このような既存の磁気搬送装置においても連続搬送における同時搬送を円滑に行えるようにするため、制御装置100による各駆動装置19A〜19Cの動作制御において位相合わせの制御を行うようにしている。第2の実施形態の説明は制御動作が主になり、図7を参照して位相合わせの制御の動作例を説明する。
【0054】
第2実施形態の磁気搬送装置の動作例は、隣り合う駆動軸の間の配置間隔fが着磁部42(螺旋状磁気結合部22)のN極螺旋部とS極螺旋部の間の間隔pの2倍の自然数倍(f=2p×n(nは任意の自然数))でない磁気搬送装置の場合の動作制御の仕方である。この場合、配置間隔fはf=2p×n+cとして表現される。cは位相ずれの量に相当する距離の分である。厳密にいうと、駆動軸18Aと駆動軸18Bの間、駆動軸18Bと駆動軸18Cの間の各々での位相ずれは異なる可能性が高いが、若干の違いは可動駆動軸で調整できるので、ここでは同じ位相ずれcとして扱う。第2実施形態の磁気搬送装置では、先ず最初に予備的に制御装置100による駆動装置19A〜19Cの動作制御に関して、同時搬送のための位相合わせ(位相制御)が行われる。位相合わせが完了すると、同時搬送のスタート直前で第1実施形態と同じ条件が満たされることになるので、すなわち、各チャンバで駆動装置に対するキャリアの位置を一致させることができるので、その後、第1実施形態の場合と同様な同時搬送を行うことが可能となる。以上のごとく、換言すれば、配置間隔dと間隔pに関して第1実施形態のごとき設計がなされていない既存の磁気搬送装置では、予備的に位相合わせの制御を行うことによって、第1実施形態と同じ条件を作り出すようにし、これにより連続搬送における同時搬送の整合をとるようにしている。
【0055】
図7に示すごとく配置間隔fは、前述した通り、動力伝達部30の駆動装置側軸部31の間の距離として示されている。図7では2つの状態(A),(B),(C)が示されている。状態(A)は連続搬送における同時搬送の動作開始前(同時搬送を行う前の位置)の状態が示され、状態(B)は位相合わせを行う状態(同時搬送直前位置)が示され、状態(C)は連続搬送における同時搬送の動作実行(隣りの駆動軸への渡り時)の状態が示されている。図7の状態(A),(B),(C)の各々では3つのチャンバ2A,2B,2Cの各々における駆動軸18A,18B,18Cが示され、かつチャンバ2Aからチャンバ2Bへ、およびチャンバ2Bからチャンバ2Cへキャリア13が同時に搬送される状態が示されている。
【0056】
図7の動作例では、チャンバ2A,2Bに滞在するキャリア13の同時搬送を開始する前にそれらのスタート位置が一致していないので、制御装置100から駆動装置19A,19Bに対してパルス数制御を行って駆動軸18A,18Bを回転させ(螺旋状磁気結合部22の回転)、上記スタート位置を一致させる。スタート位置の一致制御では、先ず、直線上に配列されたチャンバ2A〜2Cにおいて最も先頭に位置するキャリア13(本実施形態では2番目のキャリア)におけるスライダ17の磁気結合部21に対向している駆動軸を回転させ、キャリア距離cだけ右方に移動させ、そこで停止させる。この例では最初の駆動軸はチャンバ2Bの駆動軸18Bである。次に、最も先頭のスライダ17のあるチャンバの隣りのチャンバにあるスライダ17を、駆動軸を回転させることによって距離2cだけ右方に移動させ、そこで停止させる。この例で次の駆動軸はチャンバ2Aの駆動軸18Aである。かかる位置合わせによって、各チャンバでのキャリア13のスライド17の配置間隔は2p×nの関係を満たすようになり、各チャンバでのキャリアのスタート位置が一致させられるので、その後、制御装置100の制御によって各チャンバでの駆動伝達を同時に開始することにより、隣りの次のチャンバの駆動軸の螺旋状磁気結合部22(固定駆動軸の着磁部42)と前のチャンバから移動してきたキャリア13におけるスライダ17の磁気結合部21(磁石41)との間で位置の整合をとることができる。これにより連続搬送における同時搬送において、滑らかにキャリヤ13の受渡しを行うことができる。なおキャリアが存在するチャンバが3つ以上あるときには、最も後のチャンバ(最も左側のチャンバ)にあるスライダ17ではm×c(mは最も先頭にあるチャンバの最も左側にあるチャンバからの数)移動させることになる。
【0057】
上記の第2実施形態による磁気搬送置の動作例では、同時搬送を行う直前には各チャンバでのキャリアの位置は同じ位相のスタート位置に停止状態でセットされ、それ故に各チャンバの駆動軸の配置間隔と駆動軸の間隔pとが実質的に第1実施形態で説明した条件を満たす状態になっていることから、第1の実施形態と同様に整合がとられた状態で各渡り部分を滑らかに移動させて同時搬送を行うことができる。ただし第2実施形態の動作例としては、第2実施形態の磁気搬送装置がもともと既存の装置を前提しており、前述のごときdとpに関して所定の設計条件を満たしていないことから、同時搬送を行う前の段階で、予備的に、位相ずれを調整するべく各チャンバでキャリアの位相を調整し、同一のスタート位置に停止させることが必要となる。同時搬送を行う直前の段階では、各チャンバでのキャリアの停止位置に関して、スタートする時点でのキャリアの間の間隔が、旋状磁気結合部におけるN極螺旋部とS極螺旋部の間隔pの2倍の自然数倍になる関係を満たしている。以上の動作制御は、制御装置100に基づく駆動装置19A〜19Cのパルス数制御によって行われる。
【0058】
上記説明では位相ずれcについて、駆動軸18Aと駆動軸18Bの間、駆動軸18Bと駆動軸18Cの間で同じとしたが、前述のごとく厳密には異なる可能性が高い。しかし、差異は微小であると考えられるので、説明の便宜上同じものであるとして説明した。また仮に位相ずれが大きく異なるとしても、各チャンバでの位相ずれの情報を得ることによって制御装置100は同様に位相合わせの制御を行うことが可能である。
【0059】
また位相合わせの制御では、制御装置100は各駆動装置19A〜19Cを制御するときに各々のチャンバでの位相ずれcを解消するように制御を行う。この制御は、各チャンバでのcの量を、各々に設けた前述のセンサで検出し、制御装置100が取り込むことによって行われる。
【0060】
次に本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態の磁気搬送装置も第2実施形態の場合と同じである。すなわち第3実施形態に係る磁気搬送装置の基本的な構成は前述した図1〜図5で説明した構成と同じである。またこの磁気搬送装置でも、構成の上で第1実施形態の装置とは異なり、チャンバ2A〜2Cの駆動軸18A〜18Cの配置間隔dと駆動軸の間隔pの関係に関してd=2p×nとなるように設計されていない。第3実施形態の磁気搬送装置でも、第1実施形態で説明したような設計が施されていない既存の磁気搬送装置であることを想定している。第3実施形態では、既存の磁気搬送装置において連続搬送における同時搬送を円滑に行えるようにするため、制御装置100による各駆動装置19A〜19Cの動作制御において位相合わせの制御を行うようにしている。
【0061】
第3実施形態の磁気搬送装置の動作例を図8を参照して説明する。図8では、各チャンバA,B,Cのキャリアの搬送開始時間をタイマ(時間遅延手段)により遅らせることによって、隣接するチャンバの螺旋状磁気結合部22との整合をとる方法を採用している。この場合も、隣り合う駆動軸の間の配置間隔fが、間隔pとの間で、f=2p×n+cとして表現される関係にある。
【0062】
図8において配置間隔fは動力伝達部30の駆動装置側の軸部31の間の距離として示されている。図8では5つの状態(A)〜(E)が示されている。状態(A)は連続搬送における同時搬送の動作開始前(同時搬送を行う前の位置)の状態が示され、状態(B)は第1回目の位相合わせを行う状態が示され、状態(C)は第2回目の位相合わせを行う状態が示され、状態(D)は第3回目の位相合わせを行う状態が示され、状態(E)は連続搬送における同時搬送の動作実行(隣りの駆動軸への渡り時)の状態が示されている。図8の状態(A)〜(E)の各々では3つのチャンバ2A,2B,2Cの各々における駆動軸18A,18B,18Cが示され、かつチャンバ2Aからチャンバ2Bへ、およびチャンバ2Bからチャンバ2Cへキャリア13が同時に搬送される状態が示されている。
【0063】
図8に示す第3実施形態の動作例では、チャンバ2A,2Bに滞在するキャリア13の同時搬送を開始する前にそれらのスタート位置が一致していないので、制御装置100から駆動装置19A〜19Cに対してパルス数制御を行って駆動軸18A〜18Cを決められた手順で回転させ(螺旋状磁気結合部22の回転)、位相のずれをなくすように位相合わせを行い、上記スタート位置を一致させる。スタート位置を一致させるための位相合わせは図8の状態(B)〜(D)に示されるように3段階に分けて連続的に行われる。状態(A),状態(E)は前述の第2実施形態の動作例の状態(A),(C)とそれぞれ同じである。位相合わせに関しては、最初に同時搬送における最後尾に位置するチャンバ2Aの駆動軸18Aの磁気結合部22の駆動開始を行い(状態(B))、次に、時間tだけ遅らせて搬送方向に隣接する次のチャンバ2Bの駆動軸18Bの磁気結合部22の駆動を開始し(状態(C))、その後さらに時間tだけ遅らせてチャンバ2Bに搬送方向に隣接するチャンバ2Cの駆動軸18Cの螺旋状磁気結合部22の駆動を開始する(状態(D))。この位相合わせでは、制御装置100による状態(B)〜(D)の制御において、同時搬送を行う前の段階で各チャンバのキャリアが特定のスタート位置に一旦停止させられることはない。このようにしてすべてのチャンバに存在する駆動軸の螺旋状磁気結合部22の上にあるキャリア13(スライダ17)の位置が、上記の位相合わせの制御に基づき前述の設計条件d=2p×nを実質的に満たすようにした後に、各チャンバでの同時搬送のための駆動伝達を同時に開始すると、隣接する次のチャンバの駆動軸の磁気結合部22と前のチャンバから移動してきたキャリア13におけるスライダ17の磁気結合部21との位置の整合がとられ、磁気結合部21,22の間で異種の極性の極同士が対向するため、渡り部分において滑らかにキャリヤ13の受渡しを行うことができる。
【0064】
上記の同時搬送の動作制御において、遅延させる時間tの設定は制御装置100の内部に設けられたタイマで行う。タイマは既存の磁気搬送装置であっても制御装置100に内蔵され、用意されている。このタイマは、シーケンス制御を行う観点からソフト的に構成されているのが一般的である。上記のごとく第3実施形態においては、制御装置100から各駆動装置19A〜19Cに対して、タイマを利用してチャンバの各々に位置するキャリアの搬送開始時間を遅らせて位相ずれを解消しながら、次のチャンバの螺旋状磁気結合部に対して渡り始める時点でのキャリアの間の間隔が、螺旋状磁気結合部におけるN極螺旋部とS極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように制御が行われる。
【0065】
上記の実施形態では、駆動軸の螺旋状磁気結合部は二重螺旋の構造で形成されていたが、これに限定されない。螺旋状磁気結合部は例えば四重螺旋の構造とすることもできる。この場合にも、螺旋状結合部はN極螺旋部とS極螺旋部の組として形成されることになり、両者の間に間隔pを定めることができる。従って、四重螺旋の螺旋状磁気結合部であっても、上記のごとき所定の条件を満たすように設計することもできるし、あるいは既存の装置の場合には位相合わせの制御を行うことができる。本発明による磁気搬送装置では、磁気駆動力を被搬送物側の磁気結合部に与える駆動軸は、N極螺旋部とS極螺旋部からなる二重螺旋を基本として構成され、それらの間の間隔pに基づいて上記条件を満たすように駆動軸の配置間隔が設計され、かかる設計条件が満たされていないときには当該条件が実質的に満たされるように位相合わせの制御が行われることになる。
【0066】
図1と図2に示したチャンバの構造では、3つのチャンバが連続する構造であったが、本発明に係る磁気搬送装置の適用はこれに限定されない。例えば4つ以上のチャンバが直線的に連続して配置される構成に本発明を適用することもできるし、巡回式に構成された処理チャンバシステムに適用することもできる。この場合には、連続搬送において同時搬送される被搬送物の数は直線部に並べられたチャンバの数から2だけを差し引いた数となる。つまり角部の搬送方向を変更するためのチャンバ数が差し引かれる。
【0067】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば次のような効果が発揮される。
【0068】
連結部で隔離されかつ直線的に接続された3つ以上の複数の真空処理チャンバにおいて、被処理物を搭載した複数のキャリアの同時搬送を行う直前の段階で、各チャンバでのキャリアの位置に関し、キャリアの間の間隔が、各チャンバに設けられた回転駆動部材の螺旋状磁気結合部のN極螺旋部とS極螺旋部の間の間隔(p)の2倍の自然数倍になるようにすることによって、連続搬送における同時搬送を滑らかに行うことができる。このことは、3つ以上のチャンバにおけるキャリアに付加されている各スライダの間隔が、同時搬送を開始する時点で、各チャンバに設けられた螺旋状磁気結合部のN極螺旋部とS極螺旋部の間の間隔(p)の2倍の自然数倍にすることを意味している。かかる条件を満たすことによって、複数の被搬送物に関する連続搬送における同時搬送について、同時搬送の駆動開始前にスライダの磁気結合部と回転駆動部材部の螺旋状磁気結合部の磁気的な位相関係を整合のとれた位置関係にできるので、隣接するチャンバの渡り部分での受渡しで振動の少ない円滑な移動が可能となる。この場合に、新たに設計される磁気搬送装置では、各チャンバに設けられた磁気的な回転駆動部材の配置間隔と当該回転駆動部材でのN極螺旋部とS極螺旋部の間隔とが前述の所定条件を満たすように設計されることで上記効果を生じさせる。また既存の通常の磁気搬送装置では、位相合わせの制御を行うこと、あるいは当該制御を行う制御手段を設けることにより上記の所定条件を実質的に達成するようにし、上記効果を生じさせる。
【0069】
さらに本発明によれば、好ましくは、高速搬送されるキャリアを、連結部で隔離されかつ直線的に接続された複数の真空処理チャンバの間で円滑に受け渡しを行うことができる。スライダ移動の信頼性向上や搬送速度の高速化が図られ、これによる磁気結合部での減磁の問題も低減できる。また低速搬送であっても搬送制御の精度が増し、搬送における安定性を増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気搬送装置が適用される真空処理チャンバの一例の内部構成を概略的に示す側面図である。
【図2】磁気搬送装置の機構的な面、駆動装置と制御系の概略を示す斜視図である。
【図3】回転駆動部材の部分のみの一例を示す平面図である。
【図4】回転駆動部材における螺旋状磁気結合部と、キャリア側のスライダの磁気結合部との関係を説明するための図である。
【図5】各チャンバでキャリアの定位置を検出するためのセンサの構成例を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態を説明するための図である。
【図7】本発明の第2実施形態を説明するための図である。
【図8】本発明の第3実施形態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 真空処理装置
2A,2B,2C チャンバ
11 仕切り弁
12 被処理物
13 キャリア
14 案内棒
17 スライダ
18 駆動軸
18A,18B,18C 回転駆動部材
19A,19B,19C 駆動装置
18−1 固定駆動軸
18−2 可動駆動軸
30 動力伝達部
41 磁気結合部
42 螺旋状磁気結合部

Claims (8)

  1. 互いに隔離可能でかつ連結部を開いてつながる少なくとも3つのチャンバに付設されると共に前記3つのチャンバの中を通過させて被搬送物を連続搬送する搬送路を備え、前記搬送路では前記チャンバの間で渡り部分が形成され、かつ前記チャンバごとに前記被搬送物を移動させるための駆動装置部が設けられるように構成され、
    前記駆動装置部は回転駆動部材と動力伝達部と駆動装置を備え、前記回転駆動部材は、軸心部材に固定された第1部分と回転方向には制限されかつ軸方向には一定の幅で自由に動くように前記軸心部分に取り付けた第2部分とに少なくとも2分割され、かつ各々の表面にN極螺旋部とS極螺旋部からなる螺旋状磁気結合部を備え、前記動力伝達部は、前記回転駆動部材の前記第1部分と前記第2部分の間に設けられ、前記駆動装置は前記動力伝達部に駆動力を与え、
    前記被搬送物は、前記回転駆動部材における前記表面から一定の箇所を通過するように前記軸方向に移動自在に設けられ、前記回転駆動部材の前記表面に面した部分に前記螺旋状磁気結合部における前記N極螺旋部と前記S極螺旋部のそれぞれに対応する吸引極部を有する磁気結合部が設けられ、前記回転駆動部材の回転動作で前記被搬送物を直線的に移動させる磁気搬送装置において、
    少なくとも3つの前記チャンバの各々に設けた前記回転駆動部材の配置間隔が前記螺旋状磁気結合部における前記N極螺旋部と前記S極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように設定され、
    前記チャンバの各々の前記駆動装置の動作を制御する制御手段が設けられ、この制御手段は前記駆動装置の各々を同期制御し、
    これにより連続搬送における同時搬送を行うようにしたことを特徴とする磁気搬送装置。
  2. 前記駆動装置はパルスモータであり、前記制御手段はパルス数制御で前記パルスモータの動作を制御することを特徴とする請求項1記載の磁気搬送装置。
  3. 互いに隔離可能でかつ連結部を開いてつながる少なくとも3つのチャンバに付設されると共に前記3つのチャンバの中を通過させて被搬送物を連続搬送する搬送路を備え、前記搬送路では前記チャンバの間で渡り部分が形成され、かつ前記チャンバごとに前記被搬送物を移動させるための駆動装置部がに設けられるように構成され、
    前記駆動装置部は回転駆動部材と動力伝達部と駆動装置を備え、前記回転駆動部材は、軸心部材に固定された第1部分と回転方向には制限されかつ軸方向には一定の幅で自由に動くように前記軸心部分に取り付けた第2部分とに少なくとも2分割され、かつ各々の表面にN極螺旋部とS極螺旋部からなる螺旋状磁気結合部を備え、前記動力伝達部は、前記回転駆動部材の前記第1部分と前記第2部分の間に設けられ、前記駆動装置は前記動力伝達部に駆動力を与え、
    前記被搬送物は、前記回転駆動部材における前記表面から一定の箇所を通過するように前記軸方向に移動自在に設けられ、前記回転駆動部材の前記表面に面した部分に前記螺旋状磁気結合部における前記N極螺旋部と前記S極螺旋部のそれぞれに対応する吸引極部を有する磁気結合部が設けられ、前記搬送物は前記回転駆動部材の回転動作で直線的に移動させられ、さらに、
    少なくとも3つの前記チャンバの各々に設けた前記回転駆動部材の配置間隔が前記螺旋状磁気結合部における前記N極螺旋部と前記S極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように設定されていない磁気搬送装置において、
    前記チャンバの各々の前記駆動装置の動作を制御する制御手段が設けられ、この制御手段は、前記チャンバのうち最も先頭のチャンバに位置する前記被搬送物から順次に各々の位相ずれの分だけ移動させて停止させ、前記チャンバの各々におけるスタート時点の前記被搬送物の間の間隔が前記螺旋状磁気結合部における前記N極螺旋部と前記S極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように、前記駆動装置の各々を予備的に制御し、その後に、前記駆動装置の各々を同期制御し、
    これにより連続搬送における同時搬送を行うようにしたことを特徴とする磁気搬送装置。
  4. 互いに隔離可能でかつ連結部を開いてつながる少なくとも3つのチャンバに付設されると共に前記3つのチャンバの中を通過させて被搬送物を連続搬送する搬送路を備え、前記搬送路では前記チャンバの間で渡り部分が形成され、かつ前記チャンバごとに前記被搬送物を移動させるための駆動装置部が設けられるように構成され、
    前記駆動装置部は回転駆動部材と動力伝達部と駆動装置を備え、前記回転駆動部材は、軸心部材に固定された第1部分と回転方向には制限されかつ軸方向には一定の幅で自由に動くように前記軸心部分に取り付けた第2部分とに少なくとも2分割され、かつ各々の表面にN極螺旋部とS極螺旋部からなる螺旋状磁気結合部を備え、前記動力伝達部は、前記回転駆動部材の前記第1部分と前記第2部分の間に設けられ、前記駆動装置は前記動力伝達部に駆動力を与え、
    前記被搬送物は、前記回転駆動部材における前記表面から一定の箇所を通過するように前記軸方向に移動自在に設けられ、前記回転駆動部材の前記表面に面した部分に前記螺旋状磁気結合部における前記N極螺旋部と前記S極螺旋部のそれぞれに対応する吸引極部を有する磁気結合部が設けられ、前記搬送物は前記回転駆動部材の回転動作で直線的に移動させられ、さらに、
    少なくとも3つの前記チャンバの各々に設けた前記回転駆動部材の配置間隔が前記螺旋状磁気結合部における前記N極螺旋部と前記S極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように設定されていない磁気搬送装置において、
    前記チャンバの各々の前記駆動装置の動作を制御する制御手段が設けられ、この制御手段は、時間遅延手段を利用して前記チャンバの各々に位置する前記被搬送物の搬送開始時間を遅らせて位相ずれを解消しながら、前記被搬送物が次のチャンバの前記螺旋状磁気結合部に対して渡り始める時点での前記被搬送物の間の間隔が前記螺旋状磁気結合部における前記N極螺旋部と前記S極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように、前記駆動装置の各々を制御し、
    これにより連続搬送における同時搬送を行うようにしたことを特徴とする磁気搬送装置。
  5. 前記駆動装置はパルスモータであり、前記制御手段はパルス数制御で前記パルスモータの動作を制御することを特徴とする請求項3または4記載の磁気搬送装置。
  6. 互いに隔離可能でかつ連結部を開いてつながる少なくとも3つのチャンバに付設される搬送路と、前記チャンバの各々に設けられた、螺旋状磁気結合部を有する回転駆動部材と、被搬送物に付設された磁気結合部を備え、前記螺旋状磁気結合部はN極螺旋部とS極螺旋部からなり、前記磁気結合部は前記N極螺旋部と前記S極螺旋部のそれぞれに対応する吸引極部を有する磁気搬送装置で、前記搬送路を利用し、前記回転駆動部材の螺旋状磁気結合部と前記被搬送物の前記磁気結合部との作用で前記被搬送物を連続搬送させる磁気搬送方法において、
    前記チャンバのうち最も先頭のチャンバに位置する前記被搬送物から順次に各々の位相ずれの分だけ移動させて停止させ、前記チャンバの各々における前記被搬送物の停止位置からスタートする時点の前記被搬送物の間の間隔が前記螺旋状磁気結合部における前記N極螺旋部と前記S極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように、前記駆動装置の各々を予備的に制御し、その後に、前記駆動装置の各々を同期制御し、これにより連続搬送における同時搬送を行うようにしたことを特徴とする磁気搬送方法。
  7. 互いに隔離可能でかつ連結部を開いてつながる少なくとも3つのチャンバに付設される搬送路と、前記チャンバの各々に設けられた、螺旋状磁気結合部を有する回転駆動部材と、前記被搬送物に付設された磁気結合部とを備え、前記螺旋状磁気結合部はN極螺旋部とS極螺旋部からなり、前記磁気結合部は前記N極螺旋部と前記S極螺旋部のそれぞれに対応する吸引極部を有する磁気搬送装置で、前記搬送路を利用し、前記回転駆動部材の螺旋状磁気結合部と前記被搬送物の前記磁気結合部との作用で前記被搬送物を連続搬送させる磁気搬送方法において、
    前記チャンバの各々に位置する前記被搬送物の搬送開始時間を遅らせて位相ずれを解消しながら、前記被搬送物が次のチャンバの前記螺旋状磁気結合部に対して渡り始める時点での前記被搬送物の間の間隔が前記螺旋状磁気結合部における前記N極螺旋部と前記S極螺旋部の間隔の2倍の自然数倍になるように、前記駆動装置の各々を制御し、これにより連続搬送における同時搬送を行うようにしたことを特徴とする磁気搬送方法。
  8. パルス数制御で同時搬送の制御が行われることを特徴とする請求項6または7の磁気搬送方法。
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