JPH08226512A - 非接触式磁気誘導送り装置 - Google Patents

非接触式磁気誘導送り装置

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JPH08226512A
JPH08226512A JP5353795A JP5353795A JPH08226512A JP H08226512 A JPH08226512 A JP H08226512A JP 5353795 A JP5353795 A JP 5353795A JP 5353795 A JP5353795 A JP 5353795A JP H08226512 A JPH08226512 A JP H08226512A
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magnetic coupling
spiral
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portions
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JP5353795A
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English (en)
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Naoyuki Suzuki
直行 鈴木
Yoshiro Hasegawa
善郎 長谷川
Tomoaki Abe
智昭 阿部
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ANERUBA KK
Original Assignee
ANERUBA KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接触式磁気誘導送り装置の磁気結合方式で、
真空等の特殊な環境下で基板トレイ等を滑らかに移動さ
せ、安価でかつ高速な移動を可能にする。 【構成】 螺旋形の磁気結合作用部19が形成された表面
を有する駆動用回転部材18と、回転部材の回転軸に平行
に配置されかつ案内部材14に案内されて直線的に移動す
るように取り付けられ、螺旋形の磁気結合作用部のピッ
チに等しい間隔33を有する複数の磁気結合作用部が設け
られたスライド部材17を備え、駆動装置によって回転部
材を回転させると、回転部材の磁気結合作用部とスライ
ド部材の磁気結合作用部との間の磁気結合に基づいて、
スライド部材が案内部材に沿って直線的に滑らかに移動
するように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非接触式磁気誘導送り装
置に関し、特に、真空処理装置内における基板トレイ等
の移動に適した非接触式磁気誘導送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】送り装置の従来の一例としてラックとピ
ニオンを用いた機構がある。この機構によれば、トレイ
等の被搬送物に設けられたラックと駆動部に設けられた
ピニオンとが噛み合い、互いに接触しながら、ピニオン
からラックへ伝達される駆動力によって被搬送物は案内
棒等に沿って移動する。
【0003】また送り装置の他の例として、電磁石等を
使用し電磁石の極性を電気的に周期的に変え、磁気結合
力を利用して被搬送物を移動させるリニアモータ方式
や、駆動円板上にて放射線状の位置に配置された磁石
と、被搬送物の移動方向に沿って配置させた磁石により
磁気結合を形成し、直線的にまたは回転させて搬送を行
う磁気結合方式がある。これらの送り装置の方式は、駆
動部と被搬送物とが接触しない(非接触)構成を採用し
ている。これらの送り機構を示す先行文献の例を、以下
に説明する。
【0004】例えば特開昭57−134066号公報に
示される伝動装置(磁気結合方式)は、互いに独立に設
けられた2つの軸と、2つの軸のそれぞれに回転可能に
支持されかつそれぞれの外周の1部が接触または微少間
隙をおいて近接するように配置された2つの回転体とを
備え、回転体の外周または内周には周期的に磁石による
磁極が配置され、近接する1部における外周または内周
の回転走行速度が同一になるように2つの回転体を回転
させるときに、一方の回転体の多数の磁極は近接する他
方の回転体の多数の磁極と相異なる磁極が順次対向する
ように形成される。これによって2つの回転体の間で
は、磁気結合を利用して一方の回転体の回転力が他方の
回転体に伝達される。
【0005】特開平1−220750号公報に示される
歯車装置は、相対する2対の歯車のうち一方が酸化超電
導体で形成され、他方の歯車が磁性体で形成された歯車
装置である。酸化物超電導体のマイスナ効果によって双
方の歯車の歯に反発力が働くため、互いの歯が接触する
ことなく、一方の歯車から他方の歯車へ回転運動を伝達
することができる。また反発力は、歯車の歯の両側面で
互いに生じるため、歯車の正転または逆転において、動
作遅れや位置決め精度の劣化を起こすことなく回転運動
を伝達することができる。このような構成によって、非
接触による回転運動の伝達を滑らかに行うことができ
る。
【0006】また特開平1−164861号公報に示さ
れる歯車は、組を形成するの歯車の間の伝達機構に関す
るものであり、特開平1−220750号の場合と同様
にマイスナ効果を利用して非接触にて回転運動を伝達す
るものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のラック・ピニオ
ン方式の送り装置は、ラックとピニオンとの噛合せによ
って振動、磨耗、ゴミ、騒音、バックラッシュ(ガタ)
等が発生すること、短期間でメンテナンスを行わなけれ
ばならないこと等の問題を有し、真空空間等の特殊な環
境で使用する不適切である。また、ラック・ピニオン方
式では潤滑を行う必要があるが、特殊な環境では潤滑を
適切に行うことができない。
【0008】前述のリニアモータ方式の送り装置は、非
接触式送り装置として多くの産業分野で使用されている
が、制御が複雑であり、被搬送物に対して装置の規模が
大きくなり、さらにシステム自身の価格が非常に高価で
あるという問題を有する。
【0009】前述の磁気結合方式の送り装置は、スライ
ダと駆動円板上に放射線状に配置された磁石とにより磁
気結合させて運動の伝達を行うが、磁気結合される箇所
は駆動円板とスライダが最も近くなる1ヵ所であり、そ
の1ヵ所の磁気結合力が送り装置の駆動力を決定するの
で、伝達力が弱くなるという問題を有する。
【0010】また一般に、超電導材料を使用したマイス
ナ効果を用いた伝達機構の場合、発熱が生じるため、主
要部分の冷却を行う必要があり、真空等の特殊な環境下
での機構構築が困難である。さらに部品点数の削減が困
難であり、高価となる。
【0011】本発明の目的は、上記各問題を解決するこ
とにあり、磁気結合方式を改良し、真空等の特殊な環境
下において基板トレイ等を滑らかに移動させることがで
き、さらに安価でかつ高速な移動を可能にする接触式磁
気誘導送り装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】第1の本発明
に係る非接触式磁気誘導送り装置は、螺旋形の磁気結合
作用部が形成された表面を有する駆動用回転部材と、回
転部材の回転軸に平行に配置されかつ案内部材に案内さ
れて直線的に移動するように取り付けられ、螺旋形の磁
気結合作用部のピッチに等しい間隔を有する複数の磁気
結合作用部が設けられたスライド部材を備え、駆動装置
によって回転部材を回転させると、回転部材の磁気結合
作用部とスライド部材の磁気結合作用部との間の磁気結
合に基づいて、スライド部材が案内部材に沿って直線的
に移動するように構成される。
【0013】第1の本発明では、駆動用回転部材とスラ
イド部材の各磁気結合作用部の間における相互作用に基
づいて、非接触の状態で回転部材の回転運動をスライド
部材の直線運動に伝達することができる。これにより、
スライド部材は案内部材に案内されて直線的に移動す
る。スライド部材にはキャリアが設けられおり、キャリ
ア上の被搬送物を所望の方向に搬送することができる。
回転部材の回転方向に応じて、スライド部材の直線的な
移動方向が決まる。また磁気結合作用を利用し接触部が
存在しないため、振動が発生せず、かつゴミ等のパーテ
ィクルが発生しない。また回転部材とスライド部材の間
の磁気結合箇所を増減したり、あるいは回転部材とスラ
イド部材の隙間を管理することにより、容易に駆動力を
制御することができる。
【0014】第2の本発明は、第1の発明において、回
転部材の表面に形成された螺旋形の磁気結合作用部が多
重螺旋形状を有するように構成される。
【0015】第2の本発明では、多重螺旋構造を利用す
ることにより、回転部材とスライド部材の磁気的結合力
を所望のレベルまで高めることができる。また例えば2
条ネジ構造を採用することにより、スライド部材の直線
運動において移動速度を高めることも可能となる。
【0016】第3の本発明は、第2の発明において、多
重螺旋形の磁気結合作用部を整数倍の数だけ設け、磁気
結合される箇所を複数化したことを特徴とする。この構
成によれば、磁気結合する力を目的に応じて高めたり、
移動速度を高めたりすることができる。
【0017】第4の本発明は、第2または第3の発明に
おいて、多重螺旋形が好ましくは二重螺旋形である。
【0018】第5の本発明は、上記の第1から第4の各
発明において、回転部材の表面に形成された螺旋形の磁
気結合作用部が、交互に配置されたN磁極部とS磁極部
から構成されるようにし、スライド部材に設けられた複
数の磁気結合作用部が高透磁率を有する材質からなるこ
とを特徴とする。
【0019】第6の本発明は、上記の第1から第4の各
発明において、回転部材の表面に形成された螺旋形の磁
気結合作用部が、交互に配置されたN磁極部とS磁極部
からなり、スライド部材に設けられた複数の磁気結合作
用部がN磁極部とS磁極部のそれぞれに対向した極性の
異なる磁極を有する磁石であることを特徴とする。
【0020】第7の本発明は、上記の第1から第4の各
発明において、回転部材の表面に形成された螺旋形の磁
気結合作用部が高透磁率材料で形成された歯からなり、
スライド部材に設けられた複数の磁気結合作用部は、螺
旋形の歯に対向させて交互に配置されたN極磁石とS極
磁石からなることを特徴とする。
【0021】第5から第7の本発明は、回転部材とスラ
イド部材の間の磁気結合を生じる回転部材側およびスラ
イド部材側の構造に関する変形実施例を示している。
【0022】第8の本発明は、前述の各発明において、
回転部材とスライド部材の間に非磁性材料で形成された
隔壁を設けるようにし、回転部材とスライド部材を空間
的に分離したことを特徴とする。
【0023】第8の本発明では、回転部材とスライド部
材との運動伝達を磁気結合作用に基づき非接触の構造で
行えるようにしたため、その間の隙間に隔壁を設けて回
転部材とスライド部材の配置空間を分離することが可能
となる。
【0024】第9の本発明は、上記の第8の発明におい
て、回転部材を大気側の空間に配置し、スライド部材を
特殊環境の空間に配置したことを特徴とする。特殊環境
の空間は、通常の大気空間ではない潤滑材の使用が制限
される水中や真空等の空間である。
【0025】第10の本発明は、上記の第9の発明にお
いて、上記特殊環境の空間が真空空間であることを特徴
とする。この発明では、特に半導体基板を処理する装置
において、半導体基板を搬送するスライド部材の移動
に、本発明に係る磁気誘導送り装置を適用したものであ
り、非接触により真空処理装置内でのパーティクル発生
を抑制することができる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0027】本発明に係る送り装置は、好ましくは半導
体基板に対して成膜等の処理を行う真空処理装置に適用
される。以下の実施例では、真空処理装置に適用した例
について説明する。図1において、真空処理装置1は例
えば3つの仕切り室2A,2B,2Cを備え、各仕切り
室の間には仕切り弁11が設けられる。各仕切り室2
A,2B,2Cの内部は、減圧された高い真空度を有す
る空間であり、各仕切り室は仕切り弁11によって互い
に隔離され,閉ざされた真空処理室を形成する。各仕切
り室2A,2B,2Cでは、仕切り弁11を通して搬入
された被処理物に対し、予め設定された異なる処理が実
行される。仕切り弁11は例えばゲートバルブである。
各仕切り室2A,2B,2Cには、仕切り弁11を通っ
て順次に半導体基板(またはウェハ)等の被処理物12
を載置したキャリア(基板トレイ等)13が搬送され
る。
【0028】被処理物12が載置されたキャリア13
は、下側に設けられた一対の案内棒14の上で、かつ当
該案内棒14に沿って移動する。2本の案内棒14は、
図2に示すように、キャリア13の下側位置にて平行に
設置され、直線的なレール状の形態を有し、キャリア1
3を案内する複数のローラが所定の箇所に設けられてい
る。この構成によって、案内棒14の上を移動するキャ
リア13は直線的に移動することになる。
【0029】案内棒14は、仕切り弁11が設けられた
箇所ではその一部が切断された不連続な状態にあり、各
仕切り室ごとに分離されて構成される。またキャリア1
3を移動させるためのモータ等の駆動装置(図1中図示
せず)も、仕切り室2A,2B,2Cのそれぞれに離し
て設けられている。
【0030】キャリア13は、最初仕切り室2Aの入り
口部15からその内部に入り、各仕切り室2B,2Cの
仕切り弁11を通過しながら、各仕切り室で所定の処理
が行われ、仕切り室2Cの出口部16から外部に取り出
される。真空処理装置1におけるキャリア13と被処理
物12の移動の状態を矢印aで示す。
【0031】図2において、平行に配置された2本の案
内棒14上を移動するキャリア13の上に被処理物(基
板)12が載置されている。キャリア13は、移動ため
の駆動力を受けると、案内棒14で案内されて移動す
る。キャリア13の例えば側面には、案内棒14に平行
なスライダ17が固定される。スライダ17には、後述
するように磁気結合作用部が形成される。スライダ17
を備えたキャリア13を、搬送される対象物としてのス
ライド部材とする。また各仕切り室2A,2B,2Cに
は、案内棒14に沿って、スライダ17とキャリア13
の部材(スライド部材)を直線的に移動させるための駆
動力を伝達する駆動用回転部材18が配置される。回転
部材18は円柱形または円筒形の形状を有し、その軸回
りに回転自在になるように軸支され、図示しないモータ
等の駆動装置によって正逆の任意の方向に回転させるこ
とが可能である。回転部材18の表面には、螺旋形状を
有する磁気結合作用部19が形成される。回転部材18
の磁気結合作用部19は、スライダ17に設けられる上
記磁気結合作用部との間において相互に磁気力が作用す
る部分である。回転部材18は、その軸がスライダ17
と平行であり、かつスライダ17との間において両者の
間の磁気的な結合を可能とする適切な隙間が形成される
ように配置されている。なお真空処理装置1において、
1aは上記入り口部15が設けられる前壁、1bは上記
出口部1bが設けられる後壁、1cは上記仕切り弁11
が設けられる仕切り壁である。
【0032】かかる配置構成において、回転部材18が
いずれかの方向に回転すると、スライダ17は、回転部
材18に設けられた螺旋形状をした上記磁気結合作用部
19との間の磁気的な結合作用に基づいて誘導され、非
接触の状態で直線的な運動を行い、矢印aに示す方向に
移動する。また回転部材18を逆回転させることによ
り、矢印bに示す反対方向に移動する。
【0033】上記回転部材18の表面に形成された螺旋
形の磁気結合作用部19と、回転部材18と一定の距離
を開けて設けられたスライダ17の磁気結合作用部との
間に生じる磁気結合の構成については種々の実施例を考
えることができる。回転部材18とスライダ17の間に
生じる磁気結合作用によって、回転部材18の回転運動
がスライダ17の直線運動に変換され、回転部材18の
駆動力が非接触でスライダ17に伝達され、これにより
スライダ17およびキャリア13を磁気的に誘導するこ
とができる。
【0034】次に、回転部材18とスライダ17との間
で非接触の状態で駆動力を伝達できる構成について説明
する。
【0035】図3は、磁気結合を生じる回転部材18と
スライダ17の構成の第1の実施例を示す部分側面図で
ある。回転部材18の表面の周囲に形成された上記磁気
結合作用部19は、二重螺旋形状を有する帯状部であ
り、二重螺旋の一方の螺旋部にはN磁極部31、他方の
螺旋部にはS磁極部32が形成されている。従って、ス
ライダ17に対向する回転部材18の表面には、N磁極
とS磁極が交互に配置されることになる。一方、回転部
材18に隙間36で対向するスライダ17における表面
部分には、回転部材18の二重螺旋部の螺旋ピッチと等
しい間隔(またはピッチ)33で複数の凸部34が形成
され、スライダ17の全体または凸部34が形成された
部分(周辺部を含む)が高透磁率を有する磁性材料で形
成されている。高透磁率の磁性材料で形成される部分
は、ヨーク(磁路)を形成する。スライダ17の複数の
凸部34のそれぞれは、回転部材18のN磁極部31と
S磁極部32に対向する。スライダ17における高透磁
率を有する凸部34が、スライダにおける前述の磁気結
合作用部となる。
【0036】上記構成において、回転部材18がその軸
18aの回りに方向35aまたは方向35bに回転する
と、回転部材18の表面に形成されたN磁極部31およ
びS磁極部32によってスライダ17の各凸部34には
磁気力が作用し、スライダ17は回転方向に対応する直
線方向(aまたはb)に移動する。スライダ17の移動
に伴い、スライダ17と一体化されたキャリア13も移
動する。
【0037】回転部材18の表面に形成される螺旋形の
N磁極部31とS磁極部32は、着磁技術で比較的に容
易に行うことができる。またスライダ17は、所定の間
隔を有する凸部34を形成する加工で済むので、簡単か
つ安価に製作することができる。また二重螺旋構造を採
用することにより、回転部材18の表面に交互にN磁極
部31とS磁極部32を設けることができ、かつキャリ
ア等の移動に必要な充分な磁気結合力を得ることができ
る。
【0038】図4は、磁気結合を生じる回転部材18と
スライダ17の構成の第2の実施例を示す部分側面図で
ある。この実施例で、回転部材18の構成は前記の第1
の実施例と同じであるので同じ符号を付し、その詳細な
説明を省略する。他方、スライダ17には、回転部材1
8のN磁極部31およびS磁極部32に対応して、各磁
極部に対向する箇所に反対の極性を有する磁石41が配
置されている。複数の磁石41は、回転部材18の螺旋
ピッチと同一の間隔42で配置されている。従って、ス
ライダ17の上記磁気結合作用部は複数の磁石41とな
る。回転部材18のN磁極部31とS磁極部32は、ス
ライダ17の複数の磁石41に対向して、磁気的に結合
する。従って、回転部材18が回転すると、回転部材1
8のN磁極部31とS磁極部32からスライダ17の各
磁石41に磁気的な結合力による作用が及び、スライダ
17は、回転方向に対応する直線方向に移動する。
【0039】図5は、磁気結合を生じる回転部材18と
スライダ17の構成の第3の実施例を示す部分側面図で
ある。この実施例では、スライダ17の構成については
上記第2実施例の構成と同じであるので、同一の符号を
付し、その詳細な説明を省略する。回転部材18は、そ
の表面に、機構学の歯車でよく知られたウォームギアと
類似した螺旋形(例えば二重螺旋)の連続歯51を備
え、かつその全体または連続歯の部分が高透磁率を有す
る材料で形成されている。高透磁率を有する材料で形成
される部分は磁路を形成する。連続歯51の螺旋ピッチ
は、スライダ17に設けられた複数の磁石41の間隔4
2と同じであり、連続歯51は各磁石41に対向してい
る。回転部材18の連続歯51が上記の磁気結合作用部
となる。この構成によれば、スライダ17の各磁石41
と、これに対向する回転部材18の連続歯51の頂部と
の間には磁気的な力が作用する。このため、回転部材1
8が回転すると、上記磁気的な力の作用に基づき、スラ
イダ17およびキャリア13は回転方向に対応する直線
方向に移動する。
【0040】上記の実施例では、回転部材18に螺旋形
を有する連続歯51を形成するだけであるので、回転部
材の製作が容易となる。
【0041】上記の各実施例は代表的な例であって、磁
石の配置、磁石の個数、スライダに設けられるヨークの
形状は上記実施例に限定されるものではない。
【0042】また回転部材18の表面に形成される螺旋
部分は、二重螺旋としたが、通常の一巻きの螺旋、ある
いは三重以上の多重螺旋であっても構わない。特に、二
重螺旋構造の部分に二条ネジの構造を設けるようにする
ことにより、回転部材の一回転に対するスライダの移動
距離を大きくすることができ、これによりスライダ17
すなわちキャリア13を高速に移動させることができ
る。
【0043】次に図6〜図10に基づいて本発明の他の
実施例について説明する。図6は図2に対応する図であ
り、本図において図2で説明した要素と同一の要素には
同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図6の特徴
的な構成は、各仕切り室2A,2B,2Cに配置した回
転部材18を各仕切り室の外部に出し、回転部材18を
大気側の空間に配置し、回転部材18と磁気的な結合作
用を生じるスライダ17を各仕切り室内部の真空側の空
間に配置するようにしたことである。この配置関係は図
7によって明らかに示される。回転部材18は回転動作
するために、その軸支部から多少パーティクルが発生す
るおそれがあるので、処理室の外部に配置することが望
ましい。そこで、本実施例では、回転部材18およびこ
れに関連する機構的部分を各仕切り室の外部に配置する
ようにした。これによって、仕切り室内部のパーティク
ルを低減できると共に、回転部材18およびその関連部
分の保守を容易に行うことができる。
【0044】また回転部材18とスライダ17との間に
は、構造的に、仕切り室の壁部1dが位置することにな
る。従って、回転部材18とスライダ17は壁部1dに
よって空間的に隔離される。回転部材18とスライダ1
7とは、前述のごとく隙間が存在し非接触の状態にあっ
ても磁気的な力を作用させることができるので、回転部
材18の磁気結合作用部とスライダ17の磁気結合作用
部の間において磁気的な結合力が充分に生じるように設
定されていれば、隔壁1dが存在しても、回転部材18
からスライダ17に対して駆動力を伝達することができ
る。
【0045】上記において、仕切り室の壁部を形成する
隔壁1dは、回転部材18とスライダ17との間の磁気
結合作用すなわち両者の間に形成される磁気的な回路に
影響を与えない非磁性材料で作られることが望ましい。
【0046】上記のごとく、回転部材18を仕切り室の
外側に設けても、仕切り室の内部に位置するスライダ1
7とキャリア13を案内棒14に沿って直線的に移動さ
せることができる。
【0047】なお図6と図7の構成では、回転部材18
を仕切り室の横側に配置したが、キャリア13の例えば
下面にスライダ17を設け、かつ各仕切り室の下側に回
転部材18を収容・配置する部屋部を設けるように構成
することもできる。この場合にも回転部材18の収容部
屋部の壁部によって回転部材18とスライダ17は隔離
される。
【0048】図8〜図10は、回転部材18とスライダ
17が隔壁によって隔離される実施例を示すもので、図
8は上記図3に対応し、図9が上記図4に対応し、図1
0が上記図10に対応している。各図において前述した
要素と同一の要素には同一の符号を付している。各図で
明らかなように、回転部材18の磁気結合作用部とスラ
イダ17の磁気結合作用部の間には隔壁1dが配置さ
れ、これによって両者は空間的に隔離されている。
【0049】隔壁1dが設けられる実施例において、当
該隔壁は前述のごとく、一般的に基板を処理するための
処理室の壁部である。この構成によれば、被搬送物は例
えば真空という特殊環境に配置され、駆動用の回転部材
18は通常の大気側空間に配置される。
【0050】本発明に係る非接触式磁気誘導送り装置の
適用範囲は、上記実施例に限定されない。例えば特殊環
境として、圧力の高い環境、水や特殊な気体等の環境を
考えることができる。このような場合であっても、特殊
な環境に配置された被搬送物を、その隔壁の外部に配置
された回転部材18で移動させることができる。
【0051】また同じ空間に駆動用回転部材と直線駆動
されるスライド部材を配置する場合であっても、例えば
回転部材の周囲に保護ケース等を設けるなどして、回転
部材とスライド部材の間に隔壁が配置されることもあり
得る。
【0052】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、表面に螺旋形の磁気結合作用部を有する駆動用回
転部材と、磁気結合作用部を有するスライダ部材を回転
部材の軸に平行にかつ適切な隙間を設けて配置したた
め、回転部材を回転させることによりスライド部材が螺
旋部の見かけ上の進み方向に追従し、非接触状態にてス
ライド部材を直線移動させるための駆動力を簡単な構造
でかつ安価に得ることができる。
【0053】また螺旋構造に関して一般的には多重螺
旋、好ましくは二重螺旋や二条ネジ構造を利用すること
により、送り速度を高めたり、磁気結合力を高めたりす
ることができる。
【0054】また特殊環境下(真空中、水中等)におい
ては、駆動力伝達部への潤滑、駆動力伝達部における磨
耗等の問題を安価に解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非接触式磁気誘導送り装置が適用
された一例を示す真空処理装置の全体構成を概念的に示
す図である。
【図2】本発明に係る非接触式磁気誘導送り装置に適用
される真空処理装置の内部構造を具体的に示す斜視図で
ある。
【図3】本発明の非接触式磁気誘導送り装置の要部構成
を示し、回転部材とスライダの磁気結合の第1の構造例
を示す図である。
【図4】回転部材とスライダの磁気結合の第2の構造例
を示す図である。
【図5】回転部材とスライダの磁気結合の第3の構造例
を示す図である。
【図6】本発明に係る非接触式磁気誘導送り装置に適用
される真空処理装置の内部構造の他の例を示す、図2と
同様な図である。
【図7】図6に示した真空処理装置をその端面から見た
図である。
【図8】上記第1の回転部材とスライダの磁気結合構造
で隔壁を設けた図である。
【図9】上記第2の回転部材とスライダの磁気結合構造
で隔壁を設けた図である。
【図10】上記第3の回転部材とスライダの磁気結合構
造で隔壁を設けた図である。
【符号の説明】
1 真空処理装置 1d 隔壁 2A,2B,2C 仕切り室 11 仕切り弁 12 被処理物 13 キャリア 14 案内棒 15 入り口部 16 出口部 17 スライダ 18 回転部材 19 磁気結合作用部 31 N磁極部 32 S磁極部 34 凸部 41 磁石 51 連続歯

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 螺旋形の磁気結合作用部が形成された表
    面を有する駆動用回転部材と、 前記回転部材の回転軸に平行に配置されかつ案内部材に
    案内されて直線的に移動するように取り付けられ、螺旋
    形の前記磁気結合作用部のピッチと等しい間隔を有する
    複数の磁気結合作用部が設けられたスライド部材とを備
    え、 駆動装置によって前記回転部材を回転させると、前記回
    転部材の前記磁気結合作用部と前記スライド部材の前記
    磁気結合作用部との間の磁気結合に基づいて、前記スラ
    イド部材が前記案内部材に沿って直線的に移動すること
    を特徴とする非接触式磁気誘導送り装置。
  2. 【請求項2】 前記回転部材の表面に形成された螺旋形
    の前記磁気結合作用部は多重螺旋形状を有することを特
    徴とする請求項1記載の非接触式磁気誘導送り装置。
  3. 【請求項3】 多重螺旋形の前記磁気結合作用部を整数
    倍の数だけ設け、磁気結合される箇所を複数化したこと
    を特徴とする請求項2記載の非接触式磁気誘導送り装
    置。
  4. 【請求項4】 前記多重螺旋形状は二重螺旋形状である
    ことを特徴とする請求項2または3記載の非接触式磁気
    誘導送り装置。
  5. 【請求項5】 前記回転部材の表面に形成された螺旋形
    の前記磁気結合作用部は交互に配置されたN磁極部とS
    磁極部からなり、前記スライド部材に設けられた複数の
    前記磁気結合作用部は高透磁率を有する材質からなるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の非
    接触式磁気誘導送り装置。
  6. 【請求項6】 前記回転部材の表面に形成された螺旋形
    の前記磁気結合作用部は交互に配置されたN磁極部とS
    磁極部からなり、前記スライド部材に設けられた複数の
    前記磁気結合作用部は前記N磁極部と前記S磁極部のそ
    れぞれに対向した極性の異なる磁極を有する磁石である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    非接触式磁気誘導送り装置。
  7. 【請求項7】 前記回転部材の表面に形成された螺旋形
    の前記磁気結合作用部は高透磁率材料で形成された歯か
    らなり、前記スライド部材に設けられた複数の前記磁気
    結合作用部は、螺旋形の前記歯に対向させて交互に配置
    されたN極磁石とS極磁石からなることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の非接触式磁気誘導送
    り装置。
  8. 【請求項8】 前記回転部材と前記スライド部材の間に
    非磁性材料で形成された隔壁を設け、前記回転部材と前
    記スライド部材を空間的に分離したことを特徴とする請
    求項1〜7のいずれか1項に記載の非接触式磁気誘導送
    り装置。
  9. 【請求項9】 前記回転部材は大気側の空間に配置さ
    れ、前記スライド部材は特殊環境の空間に配置されるこ
    とを特徴とする請求項8記載の非接触式磁気誘導送り装
    置。
  10. 【請求項10】 前記特殊環境の空間は真空空間である
    ことを特徴とする請求項9記載の非接触式磁気誘導送り
    装置。
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