JP4055887B2 - 圧電アクチュエータ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電アクチュエータ素子を含む圧電アクチュエータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、圧電アクチュエータ素子は、電圧を印加すると、伸縮して印加電圧にほぼ比例した変位を生じることから、容積コントロール、スイッチまたはインクジェット量コントロール等に利用されている。
【0003】
しかし、この種の圧電アクチュエータ素子に電圧を直接に印加した場合、印加電圧を増大させていく過程と、印加電圧を減少させていく過程とで圧電アクチュエータの変位量が大きく異なる。すなわち、圧電アクチュエータ素子の変位量に大きなヒステリシスが生じる。このため、印加電圧に対する圧電アクチュエータ素子の変位量が確定できない。
【0004】
上述した問題点の解決手段として、例えば、特開平9−327181号公報、特許第2836328号公報等は、圧電アクチュエータ素子の変位量を検出し、この検出信号により圧電アクチュエータ素子をフィードバック制御する技術を開示している。しかし、この従来技術では、フィードバック制御回路が必要となり、システム構成が複雑化する。
【0005】
また、もう一つの解決手段として、特開昭63−20472号公報、特開平1−202178号公報等は、圧電アクチュエータ素子に直列にコンデンサを接続した構成を開示している。しかし、この従来技術の場合、圧電アクチュエータ素子に対する通常の印加電圧よりも非常に高い電圧、例えば、数倍または数十倍の高電圧を、圧電アクチュエータ素子とコンデンサとの直列回路に印加しなければならない。このような高電圧印加には特別な構成が必要となり、小型化が妨げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、圧電アクチュエータにおける変位量のヒステリシスを低減し得る圧電アクチュエータ装置を提供することである。
【0007】
本発明のもう一つの課題は、システム構成を簡略化し得る圧電アクチュエータ装置を提供することである。
【0008】
本発明の更にもう一つの課題は、高電圧印加が不要な圧電アクチュエータ装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明に係る圧電アクチュエータ装置は、第1の回路と、第2の回路とを含む。
【0010】
前記第1の回路は、圧電アクチュエータ素子及び第1の抵抗回路を含み、前記圧電アクチュエータ素子及び前記第1の抵抗回路が互いに並列に接続されている。
【0011】
前記第2の回路は、キャパシタ回路及び第2の抵抗回路を含み、前記キャパシタ回路及び前記第2の抵抗回路が互いに並列に接続されている。
【0012】
前記第1の回路及び前記第2の回路は、互いに直列に接続されて直列回路を構成し、その直列回路の両端が1対の入力端子に導かれている。
【0013】
上述した本発明に係る圧電アクチュエータ装置において、第1の回路は、互いに並列に接続された圧電アクチュエータ素子及び第1の抵抗回路を含んでいるから、圧電アクチュエータ素子の容量値Ca及び第1の抵抗回路の抵抗値R1に応じてインピーダンスZ1が生じる。
【0014】
同様に、第2の回路は、互いに並列に接続されたキャパシタ回路及び第2の抵抗回路を含んでいるから、キャパシタ回路の容量値C1及び第2の抵抗回路の抵抗値R2に応じてインピーダンスZ2が生じる。
【0015】
これら第1、第2の回路は、互いに直列に接続されて直列回路を構成し、その直列回路の両端が1対の入力端子に導かれている。従って、入力端子間に直流電圧(以下入力直流電圧と称する)を印加すると、この入力直流電圧が、第2の回路に対する第1の回路のインピーダンス比|Z1/Z2|に応じて第1の回路に分圧され、第1の回路に含まれる圧電アクチュエータ素子にも、上記入力直流電圧に応じた電圧が印加される。従って、入力端子間の入力直流電圧を変化させることにより、圧電アクチュエータ素子に印加される電圧を変化させ、圧電アクチュエータ素子の変位量を制御することができる。
【0016】
上述のように入力直流電圧を変化させると、圧電アクチュエータ素子に印加される電圧は定常状態から変化し、この電圧が安定化されるまで過渡状態が生じる。
【0017】
本発明においては、圧電アクチュエータ素子の容量値Ca、第1の抵抗回路の抵抗値R1、キャパシタ回路の容量値C1及び第2の抵抗回路の抵抗値R2を、適切な値に設定すればよい。これにより、上述のインピーダンス比|Z1/Z2|が、周波数成分をほとんど含まない定常状態よりも周波数成分を含む過渡状態で大きくなるように設定される。従って、圧電アクチュエータ素子の変位量を制御する上で入力直流電圧を変化させたとき、第1の回路には、定常状態での印加電圧よりも大きな電圧が一時的に印加され、圧電アクチュエータ素子にも、必要電圧を越えた電圧が一時的に印加される。このため、圧電アクチュエータ素子の変位量におけるヒステリシスが低減される。
【0018】
更に、本発明によれば、フィードバック制御回路等を設けることなしに圧電アクチュエータ素子の変位量を制御することが可能となり、システム構成が簡略化される。
【0019】
更に、本発明によれば、高電圧を印加せずに圧電アクチュエータ素子の変位量を制御することが可能となる。従って、高電圧印加のための特別な構成が不要となり、小型化が容易となる。
【0020】
好ましくは、圧電アクチュエータ素子の容量値Ca、第1の抵抗回路の抵抗値R1、キャパシタ回路の容量値C1及び第2の抵抗回路の抵抗値R2は、次の条件式(1)
Ca・R1<C1・R2 (1)
を満たすように設定すればよい。この条件式(1)を満たすと、上述のインピーダンス比|Z1/Z2|が、周波数成分をほとんど含まない定常状態よりも周波数成分を含む過渡状態で大きくなる。
【0021】
本発明の他の目的、構成及び利点については、実施例である添付図面を参照して、更に具体的に説明する。図は単なる例示に過ぎない。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る圧電アクチュエータ装置の回路構成を示す回路図である。図1に示すように、本発明に係る圧電アクチュエータ装置8は、第1の回路1と、第2の回路2とを含む。
【0023】
第1の回路1は、圧電アクチュエータ素子11及び第1の抵抗回路12を含む。圧電アクチュエータ素子11及び第1の抵抗回路12は互いに並列に接続されて並列回路を構成する。第1の抵抗回路12の抵抗値(合成抵抗値)をR1とする。また、圧電アクチュエータ素子11は単層型圧電アクチュエータ素子であってもよいし、積層型圧電アクチュエータ素子であってもよい。
【0024】
第2の回路2は、キャパシタ回路21及び第2の抵抗回路22を含む。キャパシタ回路21及び第2の抵抗回路22は互いに並列に接続されて並列回路を構成する。キャパシタ回路21の容量値(合成容量値)をC1とし、第2の抵抗回路22の抵抗値(合成抵抗値)をR2とする。
【0025】
第1の回路1及び第2の回路2は、互いに直列に接続されて直列回路を構成し、その直列回路の両端が1対の入力端子T1、T2に導かれている。図示の回路構成は、圧電アクチュエータ素子11及び第1の抵抗回路12による並列回路の一端と、キャパシタ回路21及び第2の抵抗回路22による並列回路の一端とが互いに接続されているとみることができる。更に、圧電アクチュエータ素子11及び第1の抵抗回路12による並列回路の他端が一方の入力端子T1に接続され、キャパシタ回路21及び第2の抵抗回路22による並列回路の他端が他方の入力端子T2に接続されている。
【0026】
これらの入力端子T1、T2の間には電源9が接続される。電源9は、入力端子T1、T2間に入力直流電圧Vinを印加する。入力直流電圧Vinの極性は、入力端子T2に対して入力端子T1の電位を高くする向きである。電源9としては、例えば、可変の直流電圧源を用いる。
【0027】
図2は、図1に示した回路構成の等価回路図である。等価回路で見ると、圧電アクチュエータ素子11はキャパシタCaで表される。以下、キャパシタCaの容量値、すなわち、圧電アクチュエータ素子11の容量値も同じCaで表す。
【0028】
実施例において、第1の抵抗回路12は1つの抵抗素子R1のみにより構成されており、同様に、第2の抵抗回路22も1つの抵抗素子R2のみにより構成され、キャパシタ回路21も1つのキャパシタC1のみにより構成されている。
【0029】
このような実施例と異なり、第1の抵抗回路または第2の抵抗回路は、複数の抵抗素子を用いて構成してもよい。例えば、複数の抵抗素子を互いに直列または並列に接続して構成してもよい。同様に、キャパシタ回路も、複数のキャパシタを用いて構成してもよい。例えば、複数のキャパシタを互いに直列または並列に接続して構成してもよい。
【0030】
圧電アクチュエータ素子11の容量値Ca、第1の抵抗回路12の抵抗値R1、キャパシタ回路21の容量値C1及び第2の抵抗回路22の抵抗値R2は、適切な値に設定される。好ましくは、これらの容量値Ca、抵抗値R1、容量値C1及び抵抗値R2は、前述の条件式(1)
Ca・R1<C1・R2 (1)
を満たすように設定される。但し、この条件式(1)の適用にあたり、容量値Caと容量値C1とで単位を揃え、抵抗値R1と抵抗値R2とでも単位を揃えることにする。条件式(1)を満たす具体例は、次の通りである。
【0031】
<例1>
Ca=16μF
R1=510kΩ
C1=220μF
R2=180kΩ
上記例1は、例えば、圧電アクチュエータ素子11の容量値Caを測定し、測定された容量値Caに対し条件式(1)を満たすように、第1の抵抗回路12の抵抗値R1、キャパシタ回路21の容量値C1及び第2の抵抗回路22の抵抗値R2を設定することにより得ることができる。
【0032】
図1、図2を参照して説明したように、第1の回路1は、互いに並列に接続された圧電アクチュエータ素子11及び第1の抵抗回路12を含んでいるから、圧電アクチュエータ素子11の容量値Ca及び第1の抵抗回路12の抵抗値R1に応じてインピーダンスZ1が生じる。具体的には、インピーダンスZ1は、容量値Ca及び抵抗値R1から次の式(2)で与えられる。
但し、上記式(2)において、ωは角周波数である。周波数をfとしたとき、角周波数ωは2π・fで与えられる。
【0033】
更に、インピーダンスZ1の大きさ|Z1|は、上述の式(2)から次の式(3)で与えられる。
【0034】
上述した第1の回路1と同様に、第2の回路2は、互いに並列に接続されたキャパシタ回路21及び第2の抵抗回路22を含んでいるから、キャパシタ回路21の容量値C1及び第2の抵抗回路22の抵抗値R2に応じてインピーダンスZ2が生じる。具体的には、インピーダンスZ2は、容量値C1及び抵抗値R2から次の式(4)で与えられる。
【0035】
更に、インピーダンスZ2の大きさ|Z2|は、上述の式(4)から次の式(5)で与えられる。
【0036】
これら第1、第2の回路1、2は、互いに直列に接続されて直列回路を構成し、その直列回路の両端が1対の入力端子T1、T2に導かれている。従って、電源9により入力端子T1、T2間に入力直流電圧Vinを印加すると、この入力直流電圧Vinが、第2の回路2に対する第1の回路1のインピーダンス比|Z1/Z2|に応じて第1の回路1に分圧される。具体的には、比|Z1/Z2|は、前述の式(3)、(5)から次の式(6)で与えられる。
【0037】
このように入力直流電圧Vinが第1の回路1に分圧されるから、第1の回路1に含まれる圧電アクチュエータ素子11にも、入力直流電圧Vinに応じた電圧V1が印加される。従って、入力端子T1、T2間の入力直流電圧Vinを変化させることにより、圧電アクチュエータ素子11に印加される電圧V1を変化させ、圧電アクチュエータ素子11の変位量を制御することができる。図示実施例では、第1の回路1と圧電アクチュエータ素子11とに同じ電圧V1が印加される。
【0038】
上述のように入力端子T1、T2間の入力直流電圧Vinを変化させると、圧電アクチュエータ素子11に印加される電圧V1は定常状態から変化し、この電圧V1が安定化されるまで過渡状態が生じる。
【0039】
本発明においては、第1の回路1に含まれる圧電アクチュエータ素子11の容量値Ca及び第1の抵抗回路12の抵抗値R1、並びに、第2の回路2に含まれるキャパシタ回路21の容量値C1及び第2の抵抗回路22の抵抗値R2を、適切な値に設定すればよい。例えば、前述の条件式(1)
Ca・R1<C1・R2 (1)
を満たすように設定すればよい。
【0040】
これにより、上述のインピーダンス比|Z1/Z2|が、周波数成分をほとんど含まない定常状態よりも周波数成分を含む過渡状態で大きくなるように設定される。例えば、条件式(1)を満たす上述の例1の場合、前述の式(6)に例1の各数値を代入すると、インピーダンス比|Z1/Z2|は、周波数成分をほとんど含まない定常状態(周波数f=0Hz)での値αが約3となり、周波数成分を含む過渡状態(周波数f≧1Hz)での値βが約13となる。従って、インピーダンス比|Z1/Z2|は、定常状態での値αに比較して、過渡状態での値βが4倍以上大きくなる。
【0041】
従って、圧電アクチュエータ素子11の変位量を制御する上で入力直流電圧Vinを変化させたとき、第1の回路1には、定常状態での印加電圧よりも大きな電圧が一時的に印加され、圧電アクチュエータ素子11にも、必要電圧を越えた電圧が一時的に印加される。これにより、圧電アクチュエータ素子11の変位量におけるヒステリシスが低減される。
【0042】
図3は、入力直流電圧と圧電アクチュエータ素子の変位量との関係を示す実験データである。この実験データは上述の例1による実験データであり、横軸は圧電アクチュエータ素子11の変位量[μm]を示し、縦軸は入力端子T1、T2間の入力直流電圧Vin[V]を示している。図3において、実線で示された特性U1は、入力直流電圧Vinを0Vから60Vに増大させた過程(電圧増大過程)での特性であり、破線で示された特性U2は、入力直流電圧Vinを60Vから0Vに減少させた過程(電圧減少過程)での特性である。図3を参照すると、電圧増大過程での特性U1と、電圧減少過程での特性U2との差はごく僅かとなり、入力直流電圧Vinに対する変位量のヒステリシスはごく小さくなっている。
【0043】
更に、本発明によれば、フィードバック制御回路等を設けることなしに圧電アクチュエータ素子11の変位量を制御することが可能となり、システム構成が簡略化される。
【0044】
更に、本発明によれば、高電圧を印加せずに圧電アクチュエータ素子11の変位量を制御することが可能となる。従って、高電圧印加のための特別な構成が不要となり、小型化が容易となる。
【0045】
好ましくは、第1、第2の回路1、2のインピーダンスZ1、Z2は、それらの大きさ|Z1|、|Z2|が次の条件式(7)
|Z1|>|Z2| (7)
を満たすように設定される。例えば、先の例1の場合、前述したように、インピーダンス比|Z1/Z2|は、周波数成分をほとんど含まない定常状態(周波数f=0Hz)での値αが約3となり、周波数成分を含む過渡状態(周波数f≧1Hz)での値βが約13となるから、上記条件式(7)を満たす。
【0046】
条件式(7)を満たすように第1、第2の回路1、2のインピーダンスZ1、Z2を設定すると、第1の回路1の圧電アクチュエータ素子11に、充分な電圧V1が印加される。これにより、圧電アクチュエータ素子11の変位量を充分に制御できる。
【0047】
更に、図1を参照すると、圧電アクチュエータ素子11は、一方の電極111が1つの入力端子T1に導かれ、他方の電極112が第2の回路2を介してもう1つの入力端子T2に導かれている。前述のように、これらの入力端子T1、T2の間には入力直流電圧Vinが印加され、入力直流電圧Vinの極性は、入力端子T2に対して入力端子T1の電位を高くする向きである。従って、圧電アクチュエータ素子11に印加される電圧V1の極性は、電極112に対して電極111の電位を高くする向きとなる。
【0048】
図4は本発明に係る圧電アクチュエータ装置の別の実施例における回路構成を示す回路図である。図示において、図1、図2に図示した構成部分と同一の構成部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0049】
この実施例の特徴は、整流回路4を備えていることである。整流回路4は、圧電アクチュエータ素子11に並列に接続されている。具体的には、圧電アクチュエータ素子11の一方の電極111に整流回路4の一端を接続して1つの接続点P1を構成しており、更に、アクチュエータ素子11の他方の電極112に整流回路4の他端を接続してもう1つの接続点P2を構成している。これらの接続点P1、P2で見ると、圧電アクチュエータ素子11に印加される電圧V1の極性は、接続点P2に対して接続点P1の電位を高くする向きとみることができる。
【0050】
更に、整流回路4は、圧電アクチュエータ素子11に印加されるべき電圧V1の極性とは逆方向に方向付けられている。詳しくは、整流回路4は、接続点P2から整流回路4を経由して接続点P1に電流を流す方向に方向付けられている。
【0051】
図示実施例では、整流回路4は1つの整流素子41のみにより構成されており、整流素子41は、圧電アクチュエータ素子11に印加されるべき電圧V1の極性とは逆方向に方向付けられている。整流素子41は、例えばダイオードである。図示実施例と異なり、整流回路は、複数の整流素子を用いて構成してもよい。例えば、複数の整流素子を互いに直列または並列に接続して構成してもよい。
【0052】
ところで、圧電アクチュエータ素子に大きな逆電圧が印加されると、分極の消滅や特性劣化等を生じる恐れがある。特に、積層型の圧電アクチュエータ素子の場合、一枚あたりの素子厚みが薄いので、分極消滅や特性劣化等の恐れは大きい。
【0053】
この実施例では、整流回路4が圧電アクチュエータ素子11に並列に接続され、圧電アクチュエータ素子11に印加されるべき電圧V1の極性とは逆方向に方向付けられている。この整流回路4により、圧電アクチュエータ素子11は、大きな逆電圧が印加されないように保護される。従って、圧電アクチュエータ素子11の分極消滅や特性劣化等が防止される。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果が得られる。
(a)圧電アクチュエータにおける変位量のヒステリシスを低減し得る圧電アクチュエータ装置を提供することができる。
(b)システム構成を簡略化し得る圧電アクチュエータ装置を提供することができる。
(c)高電圧印加が不要な圧電アクチュエータ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧電アクチュエータ装置の回路構成を示す回路図である。
【図2】図1に示した回路構成の等価回路図である。
【図3】入力直流電圧と圧電アクチュエータ素子の変位量との関係を示す実験データである。
【図4】本発明に係る圧電アクチュエータ装置の別の実施例における回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
8 本発明に係る圧電アクチュエータ装置
1 第1の回路
11 圧電アクチュエータ素子
12 第1の抵抗回路
2 第2の回路
21 キャパシタ回路
22 第2の抵抗回路
T1、T2 入力端子
Claims (3)
- 第1の回路と、第2の回路とを含む圧電アクチュエータ装置であって、
前記第1の回路は、圧電アクチュエータ素子及び第1の抵抗回路を含み、前記圧電アクチュエータ素子及び前記第1の抵抗回路が互いに並列に接続されており、
前記第2の回路は、キャパシタ回路及び第2の抵抗回路を含み、前記キャパシタ回路及び前記第2の抵抗回路が互いに並列に接続されており、
前記第1の回路及び前記第2の回路は、互いに直列に接続されて直列回路を構成し、その直列回路の両端が1対の入力端子に導かれており、
前記圧電アクチュエータ素子の容量値をCa、前記第1の抵抗回路の抵抗値をR1、前記キャパシタ回路の容量値をC1、前記第2の抵抗回路の抵抗値をR2としたとき、次の条件式
Ca・R1<C1・R2
を満たす
圧電アクチュエータ装置。 - 第1の回路と、第2の回路と、整流回路とを含む圧電アクチュエータ装置であって、
前記第1の回路は、圧電アクチュエータ素子及び第1の抵抗回路を含み、前記圧電アクチュエータ素子及び前記第1の抵抗回路が互いに並列に接続されており、
前記第2の回路は、キャパシタ回路及び第2の抵抗回路を含み、前記キャパシタ回路及び前記第2の抵抗回路が互いに並列に接続されており、
前記第1の回路及び前記第2の回路は、互いに直列に接続されて直列回路を構成し、その直列回路の両端が1対の入力端子に導かれており、
前記整流回路は、前記圧電アクチュエータ素子に並列に接続され、前記圧電アクチュエータ素子に印加されるべき電圧の極性とは逆方向に方向付けられている
圧電アクチュエータ装置。 - 請求項1に記載された圧電アクチュエータ装置であって、更に、整流回路を含み、
前記整流回路は、前記圧電アクチュエータ素子に並列に接続され、前記圧電アクチュエータ素子に印加されるべき電圧の極性とは逆方向に方向付けられている
圧電アクチュエータ装置。
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