JP4054166B2 - プライマー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分子内に(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物と分子内にイソシアネート基を有する有機化合物を含有するプライマー組成物に関し、詳しくは特定の反応性けい素基を有するシーリング材を各種の基材に接着するのに有効なプライマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性シーリング材は、近年、建築物・自動車両等に幅広く使用されるようになってきている。シーリング材は、各種部材間の接合部や隙間に充填し、水密・気密を付与する目的で使用されている材料である。従って、目地部や窓枠周り等を構成する各種基材、すなわち、ガラス、セラミックス、金属、セメント、モルタル等の無機材料やプラスチック等の有機材料に対して良好な接着性を示す必要があるが、シーリング材の自己接着性は不十分であり、プライマーの使用が多くの場合必須となっている。
【0003】
一般建築物の内外装の目地部に適用されるシーリング材として、シリコーン系、変性シリコーン系、ポリサルファイド系およびポリウレタン系等が良く知られている。これらのシーリング材は、目地の種類(基材の種類も含めて)別に適切なシーリング材を選んで使う「適材適所」の考え方に基づいて使い分けられており、それぞれのシーリング材に適合する専用プライマーが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有しシロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基(以下、「反応性ケイ素基」という。)を有する、シリコーン系重合体または飽和炭化水素系重合体を主成分とするシーリング材と各種基材を接着させるためのプライマー組成物としては、シランカップリング剤を含有するものが知られているが、接着性は必ずしも十分と言えるものではなかった。本発明はこのような用途に対して優れた接着性を有するプライマー組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討した結果、分子内に(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物と分子内にイソシアネート基を有する有機化合物を含有するプライマー組成物によって、その目的を達成しうることを見出して、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、
(A)分子内に(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物、および
(B)分子内にイソシアネート基を有する有機化合物
を含有することを特徴とする、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有しシロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有するシリコーン系および飽和炭化水素系重合体を主成分とするシーリング材に適用されるプライマー組成物を提供するものである。
このプライマー組成物は、前記の反応性ケイ素基を有する、シリコーン系重合体または飽和炭化水素系重合体を主成分とするシーリング材と各種基材を良好に接着させる効果に優れている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
〔(A)成分〕
本発明の(A)成分である分子内に(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物は(B)成分とともに本発明の最も重要な構成成分の一つであり、ガラス・金属・モルタル等の各種基材と反応性ケイ素基を有するシリコーン系および飽和炭化水素系重合体を主成分とするシーリング材との間に強い接着を付与する成分である。
【0008】
分子内に(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物は、分子内に(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ含有しており、分子量の大小は特に制限されない。
【0009】
(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物(A)の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の脂肪族アクリレート類;γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有シラン類およびこれら化合物の重合体または部分加水分解物等を挙げることができる。これらは1種単独で使用でき2種以上を併用することもできる。
【0010】
〔(B)成分〕
本発明に(B)成分として用いられる分子内にイソシアネート基を含有する有機化合物は、(A)成分とともにガラスや金属などの各種基材に対する密着性が良好で、空気中の水分により被膜を形成する成分として機能する。すなわち、本明細書のプライマー組成物に、接着性と耐久性を向上させるものである。
【0011】
イソシアネート基を含有する有機化合物(B)は、分子内にイソシアネート基を少なくとも1つ含有しており、分子量の大小に特に制限されない。
【0012】
イソシアネート基を含有する有機化合物(B)の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等の脂肪族イソシアネート類;トリス(トリメトキシシリル)イソシアヌレート等のイソシアヌレートシラン類;イソシアネート基含有メルカプトシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類およびこれら化合物の重合体または部分加水分解物等を挙げることができる。中でも好ましいものは、イソシアネート基含有メルカプトシランである。これらは1種単独で使用でき2種以上を併用することもできる。
【0013】
本発明の組成物において、イソシアネート基を含有する有機化合物(B)はアクリロイル基を有する有機化合物(A)100重量部に対して50〜200重量部配合することが好ましく、70〜140重量部の範囲がより好ましい。(A)成分に対する(B)成分の割合が少な過ぎると上述した密着性、耐久性の向上が不十分となることがあり、多すぎると保存性が低下することがある。
【0014】
本発明の組成物には上記(A)成分および(B)成分の他に、必要に応じて他の成分を配合することができる。以下、このような任意成分について説明する。
【0015】
〔(C)成分〕
本発明の組成物には(C)成分としてメルカプト基を有するシランカップリング剤を使用することが好ましい。シランカップリング剤(C)の具体例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。
【0016】
本発明に用いるシランカップリング剤(C)は、(A)成分である分子内に(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物100重量部に対し、20〜70重量部の範囲で使用されることが好ましく、35〜55重量部の範囲がより好ましい。
【0017】
〔(D)成分〕
本発明においては、プライマー組成物をプライマー塗布作業に適した粘度に調節するために必要に応じて(D)成分として無極性溶媒を用いることができる。無極性溶媒は(A)成分〜(C)成分を溶解するものであればよく、その種類は特に限定されない。かかる無極性溶媒の具体例としては、C5以上の飽和および不飽和炭化水素類(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等);芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等)が挙げられる。これらの無極性溶媒は、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。この無極性溶剤の配合量は、(A)成分である分子内に(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物100重量部に対し、50〜5000重量部の範囲が好ましく、より好ましくは100〜1,000重量部である。溶剤の配合量が少なすぎると、プライマー組成物の粘度が高くなりすぎるため作業性が低下することがあり、無極性溶剤(D)の配合量が多すぎると十分な接着性が得られないことがある。
【0018】
〔(E)成分〕
本発明においては、プライマー組成物をプライマー塗布作業に適した粘度に調節するために、(E)成分として極性溶媒を用いることができる。極性溶媒(E)は本発明の(A)成分〜(C)成分を溶解するものであればよく、その種類は特に限定されない。かかる極性溶媒の具体例としては、トリクロロエチレン等のハロゲン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール2−メトキシメタノール、2−ブトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーン系溶剤が挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
【0019】
この極性溶剤(E)の配合量は、(A)成分である分子内に(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物100重量部に対し、1〜5000重量部の範囲が好ましく、50〜1000重量部がより好ましい。
【0020】
〔その他の任意成分〕
本発明のプライマー組成物には、必要に応じて各種添加剤が添加することができる。このような添加物の例としては、たとえば、生成する硬化被膜の引張特性を調整する物性調整剤、貯蔵安定性改良剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、滑剤、顔料などが挙げられる。
【0021】
本発明のプライマー組成物は、反応性ケイ素基を有するシリコーン系または飽和炭化水素系重合体を主成分とするシーリング材に用いた場合に有効であり、特に反応性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体を主成分とするシーリング材(例えば特公平4-69659号公報に開示されたイソブチレン系シーリング材)に適用した場合に接着性の向上が顕著である。
本明細書において、反応性ケイ素基とは、前記のように、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有しシロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を意味するが、具体的には、例えばSi−OHまたはSi−X(ここで、Xは加水分解性基を示す、例えば、塩素等のハロゲン原子、アルコキシ基、アルケノキシ基、アセトキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基等を示す。)で表される基であり、縮合反応によりシロキサン結合を形成する。
【0022】
本発明のプライマー組成物を適用する基材としては、例えば、鉄、ステンレススチール,アルミニウム、ニッケル、亜鉛、銅などの各種金属;アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂,アルカリ処理されたフッ素樹脂などの合成樹脂材料;ガラス,セラミック,セメント,モルタル等の無機材料;および、変性シリコーン系,シリコーン系,ポリウレタン系,アクリルウレタン系,ポリサルファイド系,変性ポリサルファイド系,ブチルゴム系、アクリル系,SBR系,含フッ素系,イソブチレン系などのシーリング材が挙げられ、これらに、反応性ケイ素基を有するシリコーン系または飽和炭化水素系重合体を主成分とするシーリング材とを強固に接着させることができる。
【0023】
本発明のプライマー組成物の使用方法は特に限定されず、通常採用されているコーティング法、例えば、ハケ塗り法、スプレーコーティング法、ワイヤパー法、ブレード法、ロールコーティング法、ディッピング法などを用いて基材にコーティングできる。本発明のプライマー組成物は通常常温にて被膜を形成しうるが、被膜形成速度を調整するために各温度条件下で被膜形成を行ってもよい。
【0024】
【実施例】
つぎに実施例および比較例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
〔合成例1〕
5Lのガラス製容器内を窒素置換した後、容器内に酢酸エチル(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)1000gおよびスズジオクトエート4g(9.88mmol)を加え混合した。
【0026】
次に、上で得られた混合物に、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1000g(5.10mol)を滴下ロートを用い、滴下した。滴下終了後、約30分間混合した。
【0027】
次いで、こうして得られた混合物に、脂肪族ポリイソシアネートのキシレン溶液(商品名:N3200XPM、ゴードー溶剤(株)社製)600gと酢酸エチル(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)800gを予備混合して調製した溶液を滴下ロートを用いゆっくり滴下した。こうして得られたイソシアネート基含有メルカプトシラン溶液は、外観が無色から淡黄色の透明液体であり、比重(25℃、浮秤法)0.99,粘度(25℃、オストワルド法)1.5mm2/s、不揮発分(105℃/3hr)が25重量%となることを確認した。
【0028】
〔合成例2〕
2Lのガラス製容器内を窒素置換した後、容器内に酢酸エチル(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)430g、メタクリル酸メチル136.8g(1.368mol)およびγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン7.2g(29.0mmol)を加え混合し、系内を窒素バブリングし脱酸素工程を経た後、70から80℃に昇温した。
【0029】
次いで、こうして得た溶液に、2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.6g(和光純薬工業(株)製)と酢酸エチル6.0gの混合物を滴下ロートを用いて滴下し、アクリロイルおよびメタクリロイル基のラジカル重合を行った。このとき、反応系内の温度が上昇し、速やかにラジカル反応が起こっていることを確認した。
【0030】
発熱を確認後、反応液に2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.6gと酢酸エチル6.0gの混合物を滴下ロートを用いて再度滴下した後、メタクリル酸メチル205.2g(2.052mol)およびγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン10.8g(43.54mmol)の混合液を滴下ロートを用いて滴下し、アクリロイルおよびメタクリロイル基のラジカル重合をさらに行った。このとき、前回同様、反応系内の温度が上昇し、速やかにラジカル反応が起こっていることを確認した。
【0031】
滴下開始1時間後、2,2‘−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.6gと酢酸エチル6.0gの混合物を再度滴下ロートを用いて滴下し、アクリロイルおよびメタクリロイル基のラジカル重合を行った。
【0032】
滴下終了後、反応容器内を70から80℃に保ち、約3時間ほど熟成させる。これは、反応系内に残留するメタクリル酸メチルおよびγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランをできるだけ反応させるためである。
【0033】
熟成終了後、環流が治まった後、シルセスオキサンとトルエンの溶解物を添加し、10から50℃の範囲内でラジカル反応の停止反応を行った。得られたメタクリル酸メチルおよびγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの重合体溶液は、外観が無色から淡黄色の透明液体であり、比重(25℃、浮秤法)0.98,粘度(25℃、回転粘度法)1500mm2/s、不揮発分(105℃/3hr)が30重量%となることを確認した。
【0034】
〔実施例1〕
1Lのガラス製容盟内を窒素置換した後、容器内にトルエン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)215.5gおよびγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン45.7g(233.16mmol)を加え混合した。
【0035】
次いで、この容器内に合成例1で得られたイソシアネート基含メルカプトシラン溶液102.3g、合成例2で得られたメタクリル酸メチルおよびγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの重合体溶液を170.5gと脂肪族ポリイソシアネート溶液(商品名:ディスモジュールHL、日本バイエルウレタン(株)社製)148.0gを加え1時間以上混合・熟成し、プライマー組成物を調製した。このプライマー組成物は、外観が無色から淡黄色の透明液体であり、比重(25℃、浮秤法)0.98,粘度(25℃、オストワルド法)50mm2/s、不揮発分(105℃/3hr)が35重量%となることを確認した。
【0036】
〔実施例2〕
1Lのガラス製容器内を窒素置換した後、容器内にトルエン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)215.5gおよびγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン45.7g(233.16mmo1)を加え混合した。
【0037】
次いで、この容器内に合成例1で得られたイソシアネート基含メルカプトシラン溶液102.3g、合成例2で得られたメタクリル酸メチルおよびγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの重合体溶液を170.5gとディスモジュールHL148.0gを加え1時間以上混合・熟成した。
【0038】
次いで、この容器内に酢酸エチル(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)113.6gを加え混合し、プライマー組成物を調製した。このプライマー組成物は、外観が無色から淡黄色の透明液体であり、比重(25℃、浮秤法)0.98,粘度(25℃、オストワルド法)27mm2/s、不揮発分(105℃/3hr)が30重量%となることを確認した。
【0039】
〔比較例1〕
1Lのガラス製容器内を窒素置換した後、容器内にトルエン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)215.5gおよびγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン45.7g(233.16mmol)を加え混合した。
【0040】
次いで、この容器内に合成例1で得られたイソシアネート基含メルカプトシラン溶液102.3gを加え1時間以上混合・熟成した。
【0041】
次いで、この容器内に酢酸エチル(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)113.6gを加え混合し、プライマー組成物を調製した。このプライマー組成物は、外観が無色から淡黄色の透明液体であり、比重(25℃、浮秤法)0.97,粘度(25℃、オストワルド法)30mm2/s、不揮発分(105℃/3hr)が30重量%となることを確認した。
【0042】
〔比較例2〕
1Lのガラス製容器内を窒素置換した後、容器内にトルエン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)215.5gおよびγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン45.7g(233.16mmol)を加え混合した。
【0043】
次いで、この容器内に合成例2で得られたメタクリル酸メチルおよびγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの重合体溶液を170.5gとディスモジュールHL148.0gを加え1時間以上混合・熟成し、プライマー組成物を調製した。このプライマー組成物は、外観が無色から淡黄色の透明液体であり、比重(25℃、浮秤法)0.98,粘度(25℃、オストワルド法)25mm2/s、不揮発分(105℃/3hr)が30重量%となることを確認した。
【0044】
〔実施例3〕
1Lのガラス製容器内を窒素置換した後、容器内にトルエン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)215.5g、合成例1で得られたイソシアネート基含有メルカプトシラン溶液102.3g、合成例2で得られたメタクリル酸メチルおよびγ−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの重合体溶液を170.5gとディスモジュールHL148.0gを加え1時間以上混合・熟成した。
【0045】
次いで、この容器内に酢酸エチル(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)113.6gを加え混合し、プライマー組成物を調製した。このプライマー組成物は、外観が無色から淡黄色の透明液体であり、比重(25℃、浮秤法)0.98,粘度(25℃、オストワルド法)27mm2/s、不揮発分(105℃/3hr)が30重量%となることを確認した。
【0046】
〔比較例3〕
1Lのガラス製容器内を窒素置換した後、容器内にトルエン(モレキュラーシーブス3Aとともに1夜間以上放置することにより乾燥したもの)215.5gおよびγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン45.7g(233.16mmol)を加え混合した。このプライマー組成物は、外観が無色から淡黄色の透明液体であり、比重(25℃、浮秤法)0.93,粘度(25℃、オストワルド法)10mm2/s、不揮発分(105℃/3hr)が15重量%となることを確認した。
【0047】
〔評価〕
引張接着性試験に使用するプライマー組成物は実施例1,2,3および比較例1,2,3で調製したプライマー組成物を使用し、シーリング材はシリコーン系シーリング材(横浜ゴム(株)製、商品名シリコーン70)およびイソブチレン系シーリング材(セメダイン(株)社製、ペンギンシール7000)を用いた。
【0048】
引張接着性試験方法はJIS A-5758に準じて行った。
1) 基材として、フロートガラス(広苑社製:日本シーリング材工業会指定、寸法:5×5×0.5cm)をエタノール(和光純薬工業(株))で洗浄し、表1または2に示すプライマー組成物を1回塗布した。
2) 基材として、先打ちシリコーン系シーリング材を想定して、十分に硬化養生された寸法:4×3×1cmの大きさのシリコーン系シーリング材(横浜ゴム(株)製、商品名シリコーン70)をカッターナイフで2つに切断し(寸法:4×3×0.5cm)、その切断面をトルエン(和光純薬工業(株))で洗浄した後に、表1または2に示すプライマー組成物を1回塗布した。
【0049】
3) 基材として、先打ち飽和炭化水素系シーリング材を想定して、シリコーン系シーリング材の代りに飽和炭化水素系シーリング材(セメダイン(株)製、商品名:ペンギンシール7000)を使用した以外は上記2)と同様に処理した後、表1または2に示すプライマー組成物を1回塗布した。
4) 1)〜3)でプライマー組成物を塗布した後、23℃で1時間以上放置し被膜形成したプライマー組成物層上に、上記のセメダイン(株)社製、ペンギンシール7000の主剤と硬化剤を主剤/硬化剤=100/10の重量比で秤量して充分混練したものを5mmの厚さで塗布し、オーブン中で硬化させた。養生条件はいずれも、23℃×7日+50℃×7日である。養生後、接着面をカッターナイフで切り込みながら手剥離試験を行った。剥離された基材の表面を観察し、凝集破壊した部分の比率を凝集破壊率(%)とした。
【0050】
5) 1)〜3)でプライマー組成物を塗布した後、23℃で1時間以上放置し被膜形成したプライマー層上に、上記の横浜ゴム(株)製、シリコーン70の主剤と硬化剤とカラーマスターを主剤/硬化剤/カラーマスター=100/3.4/4.9の重量比で秤量して充分混練したものを5mmの厚さで塗布し23℃/55%RHの高温室内で硬化させた。養生条件はいずれも、23℃×7日+50℃×7日である。養生後、接着面をカッターナイフで切り込みながら手剥離試験を行った。剥離された基材の表面を観察し、凝集破壊した部分の比率を凝集破壊率(%)とした。
プライマー組成物の配合組成、および、接着性試験の測定結果を表1および2にまとめて示す。
【0051】
【表1】
*Si系:シリコーン70、CH系:ペンギンシール7000
【0052】
【表2】
*Si系:シリコーン70、CH系:ペンギンシール7000
【0053】
比較例1〜3で示すプライマー組成物は、フロートガラスに対する接着性が悪く、凝集破壊率はいずれも0%である。また、先打ちシーリング材であるシリコーン系シーリング材に対する打継ぎ性は悪く全て界面破壊を示している。一方、(A)成分の分子内に(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物と(B)成分の分子内にイソシアネート基を有する有機化合物を含有する実施例1、2のプライマー組成物は、フロートガラスに対する接着性が良好であり、シリコーン系シーリング材に対しても凝集破壊を示している。
【0054】
以上のように、(A)成分である分子内に(メタ)アクリロイル基を有する有機化合物、および(B)成分の分子内にイソシアネート基を有する有機化合物をさらに含有するプライマー組成物は、反応性ケイ素基を有するシリコーン系および飽和炭化水素系重合体を主成分とするシーリング材と各種基材との接着性を著しく改善する。
【0055】
【発明の効果】
本発明のプライマー組成物は、反応性ケイ素基を有するシリコーン系および飽和炭化水素系重合体を主成分とするシーリング材に適用した場合に、各種の基材に対する接着性を著しく向上させる。
Claims (4)
- (A)脂肪族アクリレート類と(メタ)アクリロイル基含有シラン類との重合体、および
(B)分子内にイソシアネート基を有する有機化合物
を含有することを特徴とする、ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有しシロキサン結合を形成することにより架橋し得るケイ素含有基を少なくとも1個有するシリコーン系および飽和炭化水素系重合体を主成分とするシーリング材に適用されるプライマー組成物。 - さらに、(C)成分として、メルカプト基を有するシランカップリング剤を含有する請求項1記載のプライマー組成物。
- さらに、(D)成分として、無極性溶媒を含有する請求項1または2に記載のプライマー組成物。
- さらに、(E)成分として、極性溶媒を含有する請求項3に記載のプライマー組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000227592A JP4054166B2 (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | プライマー組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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