JP4053781B2 - 基板の清掃装置及び清掃方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は基板に形成された電極を清掃するための清掃装置及び清掃方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶パネルなどの基板は、その基板の縁部に沿って電極が設けられ、この電極上にTCP(Tape Carrier Package)やICチップなどの電子部品が接合載置されて構成される。
【0003】
上記電極と電子部品とは異方性導電膜を介して電気的に接続される。そのため、接合部分において、電気的に良好な導通状態を得るためには、上記電極面がゴミの付着などによって汚れていないことが必要となる。そこで、基板の電極面に異方性導電膜を貼付するに先立ち、その電極面を清掃装置によって清掃するということが行なわれている。
【0004】
上記清掃装置は、基板を所定方向に沿って搬送するテーブルを有し、このテーブルの上方には供給リールと巻き取りリールとに張設されてテープ状の清掃部材が設けられている。この清掃部材にはノズルからアルコールなどの揮発性の溶剤を滴下させて染み込ませ、この溶剤が染み込んだ部分を所定位置まで移動させ、搬送される基板の縁部の電極面に所定の圧力で接触させることで、上記電極面を清掃するようにしている。
【0005】
上記ノズルは溶剤が滴下される先端が細径であるため、しばしば目詰まりを起こしたり、溶剤内に気泡が混入して適正な滴下が行なわれないことがある。その場合には、乾燥した清掃部材によって基板の電極面が擦られることになるため、その摩擦によって静電気が発生し、その静電気が電極を介して基板内に形成された回路素子を破壊する虞がある。
【0006】
そこで、従来は雫状にノズルから滴下する溶剤の液滴数を、ノズルの近くに設けた、たとえば反射型の光センサによってカウントし、この光センサによるカウント値に基づいて液滴が適正に滴下されたか否かを判定し、適正であれば清掃部材の液滴が滴下した部分によって基板の清掃を行なうようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ノズルから滴下される溶剤は、このノズルの先端が細径であるため、自身の表面張力によりノズル先端から雫が落下せず、液溜まり状態となることがある。その場合、ノズル先端に溜まった溶剤が揺らぐと、その揺らぎによって上記光センサはノズルから所定数以上の液滴が滴下したものと誤検出してしまうことがある。
【0008】
その結果、適正数の液滴数に達していないにも係わらず基板の清掃を開始してしまい、清掃部材の溶剤が十分に或いは全く染み込んでいない部分で基板の電極面を清掃してしまうことになるから、静電気の発生による回路素子の破壊を招く虞がある。
【0009】
この発明は、静電気の発生による回路素子の破壊を防止することができる基板の清掃装置及び清掃方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は、基板に形成された電極を清掃するための清掃装置において、
前記基板に対し相対的に移動しつつ前記電極に接触し前記電極を清掃する清掃部材と、
この清掃部材を前記電極に接触させる前に前記清掃部材における前記電極に接触する部分に溶剤を滴下させるノズルと、
このノズルから滴下する溶剤の液滴数を検出する検出手段と、
溶剤の滴下数及びその滴下数の溶剤を滴下するに要する時間とが設定されるとともに、前記検出手段の検出信号に基づいて設定された前記滴下時間の到達前と到達後とにおける溶剤の滴下数が設定数に達したか否かを比較判定する制御手段を具備し、
前記清掃部材の前記ノズルに対向する部分若しくは前記ノズルのどちらか一方は昇降機構によって互いに接触可能に設けられ、
前記設定された滴下時間の後で前記検出手段によって検出される液滴数が設定数に到達しない場合には、前記昇降機構によって前記清掃部材と前記ノズルとを接触させることを特徴とする基板の清掃装置にある。
【0012】
この発明は、基板に形成された電極を清掃するための清掃装置において、
前記基板に対し相対的に移動しつつ前記電極に接触し前記電極を清掃する清掃部材と、
この清掃部材を前記電極に接触させる前に前記清掃部材における前記電極に接触する部分に溶剤を滴下させるノズルと、
このノズルから滴下する溶剤の液滴数を検出する検出手段と、
溶剤の滴下数及びその滴下数の溶剤を滴下するに要する時間とが設定されるとともに、前記検出手段の検出信号に基づいて設定された前記滴下時間の到達前と到達後とにおける溶剤の滴下数が設定数に達したか否かを比較判定する制御手段を具備し、
前記設定された滴下時間の前に前記検出手段によって検出される液滴数が設定数に到達した場合には、前記清掃部材への溶剤の滴下を最初から実行し直すことを特徴とする基板の清掃装置にある。
【0013】
この発明は、基板に形成された電極に清掃部材を接触させて清掃する清掃方法において、
前記清掃部材に滴下する溶剤の滴下数と前記滴下数の溶剤を滴下するに要する滴下時間を設定する設定工程と、
前記設定工程にて設定された滴下数と前記滴下時間とに基づいて、前記清掃部材に前記溶剤を滴下する滴下する滴下工程と、
前記滴下工程中に前記溶剤の滴下数を検出するとともに、前記溶剤の滴下開始からの経過時間を検出する検出工程と、
前記検出工程にて検出された滴下数と経過時間とに基づいて前記清掃部材による清掃の実行の可否を判定する判定工程を具備し、
前記経過時間が前期滴下時間を経過した後、前記検出された滴下数が前記設定された滴下数に満たない場合、前記ノズルと前記清掃部材とを相対的に接近させて前記ノズルと前記清掃部材とを接触させることを特徴とする基板の清掃方法にある。
【0015】
この発明は、基板に形成された電極に清掃部材を接触させて清掃する清掃方法において、
前記清掃部材に滴下する溶剤の滴下数と前記滴下数の溶剤を滴下するに要する滴下時間を設定する設定工程と、
前記設定工程にて設定された滴下数と前記滴下時間とに基づいて、前記清掃部材に前記溶剤を滴下する滴下する滴下工程と、
前記滴下工程中に前記溶剤の滴下数を検出するとともに、前記溶剤の滴下開始からの経過時間を検出する検出工程と、
前記検出工程にて検出された滴下数と経過時間とに基づいて前記清掃部材による清掃の実行の可否を判定する判定工程を具備し、
前記経過時間が前記滴下時間を経過する前に前記検出された滴下数が前記設定された滴下数を超過した場合、前記滴下工程を最初から実行し直すことを特徴とする基板の清掃方法にある。
【0016】
この発明によれば、溶剤の滴下数とその滴下数の溶剤を滴下することに要する滴下時間とを設定し、設定された滴下時間の到達前と到達後とにおける検出された滴下数を設定された滴下数と比較するため、滴下時間の到達前に滴下数が設定数に到達した場合と、滴下時間の到達後に滴下数に達しない場合は、それぞれ清掃部材に対する溶剤の滴下が異常である判定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図1乃至図6を参照しながら説明する。
【0018】
図1はこの発明の清掃装置の正面図、図2は側面図であって、この清掃装置は本体1を備えている。この本体1の前面側には搬送装置2が設けられている。この搬送装置2は本体1の幅方向に沿うX方向に駆動されるXテーブル3と、このXテーブル3上に設けられ本体1の前面に対して垂直なY方向に駆動されるYテーブル4及びこのYテーブル4上に設けられ液晶パネルなどの基板5を吸着保持する保持部6とを備えている。したがって、上記保持部6に保持された基板5はXY方向に駆動されるようになっている。
【0019】
上記基板5は、縁部の上面に複数の電極(図示せず)が所定方向に沿って設けられている。上記保持部6は基板5に比べて小さく形成されている。そして、基板5は電極が形成された縁部を本体1の前面に対向させて上記保持部6に保持される。
【0020】
上記本体1の前面には、上記保持部6に保持された基板5を挟んで上側に位置する上部清掃部11と、下側に対向位置する下部清掃部12とが設けられている。各清掃部11,12は上下対称に設けられた供給リール13a,13bと巻取りリール14a,14bを有する。各供給リール13a,13bには耐磨耗性に優れた柔らかなテープ状の布地からなる清掃部材15が巻回されている。各清掃部材15はそれぞれ第1乃至第3の中継ローラ16a〜16cと1つの巻取りローラ17を介して各巻取りリール14a,14bに巻き取られるようになっている。
【0021】
上記供給リール13a,13bと巻取りリール14a,14bとにはそれぞれ清掃部材15に適度な張力を与えるモータ18a,18b及び19a,19bが連結され、上記巻取りローラ17には、この巻取りローラ17を駆動するための駆動モータ21a,21bが連結されている。
【0022】
したがって、上部清掃部11と下部清掃部12との清掃部材15は、駆動モータ21a,21bが作動することで、供給リール13a,13bから巻取りリール14a,14bに巻き取られるようになっている。
【0023】
なお、各モータは本体1の内部に設けられ、第1、第2の中継ローラ16a,16bを除く他のローラ及びリールは本体1の前面に回転可能に設けられている。
【0024】
図4に示すように、上記第1、第2の中継ローラ16a,16bは上記本体1の前面に上下方向に沿ってスライド可能に設けられた可動板31に回転可能に取付けられている。この可動板31は上記本体1の前面に設けられた第1のシリンダ32によって上下方向に駆動されるようになっている。
【0025】
したがって、上記可動板31が上記第1のシリンダ32によって上昇方向に駆動され、その動きに第1、第2の中継ローラ16a,16bが連動すると、上記清掃部材15の上記第1、第2の中継ローラ16a,16bに係合した部分も連動する。つまり、上記可動板31と第1のシリンダ32とで上記清掃部材15の第1、第2の中継ローラ16a,16bの間に位置する部分を上昇させる昇降機構を構成している。
【0026】
上記第2の中継ローラ16bと第3の中継ローラ16cとの間には押付けローラ22a,22bが設けられている。各押付けローラ22a,22bは第2の上下シリンダ23a,23bによって基板5の板面に対して接離する方向に駆動されるようになっている。それによって、各押付けローラ22a,22bは、保持部6によって清掃部11,12による清掃位置へ位置付けられた基板5の縁部に対し、清掃部材15を上方向および下方向から所定の圧力で押付けることになる。
【0027】
清掃部材15の第1の中継ローラ16aと第2の中継ローラ16bとの間の部分にはそれぞれ上部ノズル24aと下部ノズル24bとが先端を対向させて配置されている。
【0028】
各ノズル24a,24bはアルコールなどの溶剤が収容された容器25に供給チューブ26を介して接続されている。この供給チューブ26の中途部にはポンプ27が設けられている。このポンプ27は上記チューブ26の中途部を回転するローラによって間歇的に所定方向に沿って圧縮するようになっており、それによって上記容器25の溶剤を上記各ノズル24a,24bから滴下させるようになっている。
【0029】
上記上部ノズル24aと下部ノズル24bとから滴下された溶剤は清掃部材15に向かって落下する。それによって、各ノズル24a,24bから滴下された溶剤はそれぞれ清掃部材15に染み込むことになる。
【0030】
溶剤を清掃部材15に滴下する際、通常は図7(a)に示すように正常に滴下されるが、図7(b)に示すように溶剤がその表面張力により各ノズル24a,24bから滴下されずにノズルの先端に付着残留する液溜まりが生じることがある。その場合、図4に矢印で示すように、上記第1のシリンダ32を駆動し、可動板31とともに同図に鎖線で示すように第1、第2の中継ローラ16a,16bを上昇させれば、その上昇に清掃部材15の一対の中継ローラ16a,16bの間の部分も上昇して各ノズル24a,24bの先端に接触する。それによって、各ノズル24a,24bに付着残留した溶剤を清掃部材15に吸収させることができる。
【0031】
なお、図4は上部清掃部11の昇降機構のみを示しているが、昇降機構は下部清掃部12も同じ構成である。
【0032】
上記上部ノズル24aと下部ノズル24bの近傍には上記各ノズ24a,24bから滴下する溶剤の液滴数をカウントする検出手段としてのたとえば反射型光センサなどからなるセンサ28a,28bが配置されている。
【0033】
なお、各清掃部11,12のノズル24a,24bとセンサ28a,28bはそれぞれヘッド30に取付けられており、各ヘッド30は詳細は図示しないが、可動板31の上下動の妨げとならないように本体1に取付けられている。
【0034】
各センサ28a,28bの検出信号は制御装置29に入力される。この制御装置29には図5に示すように上記センサ28a,28bからの検出信号が入力される入力部41、上記各ノズル24a,24bから溶剤を滴下させる設定時間Tと、その時間内において滴下する下限の滴下数αとを設定する設定部42、上記入力部41に入力された検出数と設定部42で設定された滴下数αとを、溶剤の滴下が開始されてから滴下時間Tの到達前と、到達後にそれぞれ比較する比較部43、この比較部43での比較に基づいてポンプ27及び第1のシリンダ32に選択的に駆動信号D1 、D2 を出力する駆動部44とを備えている。
【0035】
つぎに、上記構成の清掃装置によって基板5に設けられた電極を清掃する手順を図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0036】
まず、S1 で示すように制御装置29の設定部42によって溶剤の滴下数αを設定し、S2 ではS1 で設定された滴下数αを滴下するに要する溶剤の滴下時間Tを設定する。それによって、滴下時間T内において、溶剤は設定数α以上が滴下されることが条件となる。
【0037】
S3 では、設定された滴下数αと滴下時間Tとに基づいてポンプ27が作動し、容器25から供給チューブ26を介して溶剤が上部ノズル24a及び下部ノズル24bから清掃部材15に滴下される。
【0038】
S4 では、清掃部材15に滴下される溶剤の実際の滴下数Cがセンサ28a,28bによって検出されるとともに、溶剤の滴下が開始されてからの経過時間tの計測が開始され、その検出信号が制御装置29の入力部41に入力される。S5 では入力部41に入力された経過時間tが設定部42で設定された滴下時間Tと比較される。
【0039】
S5 での比較において、経過時間tが滴下時間Tに到達していなければ、判定がNOとなり、次の工程S6 での処理が行われる。また、経過時間tが滴下時間Tに到達していた場合、判定はYESとなり、次の工程S10での処理が行われる。
【0040】
S6 では、センサ28a,28bによって検出されて制御装置29の入力部41に入力された清掃部材15に滴下される溶剤の実際の滴下数Cが、設定部42で設定された滴下数αと比較される。
【0041】
S6 での比較の結果、実際の滴下数Cが設定された滴下数αよりも少なかった場合、判定はNOとなり、S4 に戻り溶剤の滴下が継続して行なわれる。
【0042】
一方、S6 での比較の結果、滴下数Cが滴下数α以上であった場合、判定はYESとなり、S7 において、第1のシリンダ32の作動により清掃部材15における第1、第2の中継ローラ16a,16b間に位置する部分が上下動され、その上動時、清掃部材15はノズル24a,24bに接触される。つぎに、S8 において、清掃部材15が所定量送られて、清掃部材15における未だ溶剤が滴下されていない未使用部分がノズル24a,24bの真下に位置付けられる。さらに、S9 において、検出された滴下数Cと経過時間tとがリセットされ、その後、S3 の滴下開始工程に戻る。
【0043】
すなわち、経過時間tが滴下時間Tに到達する前に、滴下数Cが滴下数α以上になるということは、図7(b)に示すようにノズル24a,24bの先端に溜まった溶剤が揺らいだ結果、センサ28a,28bが誤検出を生じたことが考えられ、このまま滴下を継続しても溶剤の滴下数を正確に検出できない虞があるので、溶剤の滴下を中断し溶剤の滴下を最初からやり直すようにする。
【0044】
S10では、センサ28a,28bによって検出された溶剤の実際の滴下数Cが、設定部42で設定された滴下数αと比較される。
【0045】
S10での比較の結果、滴下数Cが滴下数α以上であった場合、判定はYESとなり、次の工程S11での処理が行われる。すなわち、経過時間tが滴下時間Tに到達した時点で滴下数α以上になった場合、清掃部材15に所定量の溶剤が滴下されたと考えられることから、清掃可能と判定し、制御装置29の駆動部44から巻取りリール14a,14bや押付けローラ22a,22bに駆動信号が出力され、清掃が開始される。
【0046】
つまり、上記清掃部材15が巻取りリール14a,14bに巻き取られ、この清掃部材15の溶剤が滴下された部分が押付けローラ22a,22bに対向する位置まで送られた後、上記押付けローラ22a,22bが上下シリンダ23a,23bによって押し付けられる。それによって、上記清掃部材15の溶剤が滴下された部分が基板5の上下面の縁部に所定の圧力で押付けられる。
【0047】
清掃部材15を基板5に押付けると、搬送装置2が作動して基板5を図1に示すX方向に搬送する。それによって、基板5における電極面を含む縁部が上記清掃部材15の溶剤が滴下された部分によって静電気の発生を招くことなく清掃されて清掃が終了する。
【0048】
S10での比較の結果、滴下数Cが滴下数αよりも少なかった場合、判定はNOとなり、次の工程S12での処理が行われる。すなわち、経過時間tが滴下時間Tに到達した時点で滴下数Cが滴下数αに満たない場合、図7(b)に示すように、ノズル24a,24bに液溜まりが生じていることが考えられる。
【0049】
したがって、その場合には、駆動部44から第1のシリンダ32に駆動信号が出力され、S12で示すように第1のシリンダ32を作動させて第1、第2の中継ローラ16a,16bを上昇させ、清掃部材15のこれらローラ16a,16bに張設された部分をノズル24a,24bに接触させる。それによって、清掃部材15にはノズル24a,24bに付着残留する溶剤が吸収されるから、所望する量の溶剤が供給されることになる。
【0050】
つまり、ポンプ27が正常に作動していれば、予め設定された滴下数αに相当する量の溶剤が上記ポンプ27からノズル24a,24bまでは送られていることになるから、ノズル24a,24bに清掃部材15を接触させれば、このノズルまで送られてきている所定量の溶剤が清掃部材15に吸収されることになる。
【0051】
このようにして、清掃部材15に所定量の溶剤を供給したならば、清掃部材15を下降させた後、S11の清掃開始工程に戻る。したがって、S10でNOの場合であっても、YESの場合と同様、静電気の発生を招くことなく基板5の電極面を良好に清掃することができる。
【0052】
上記一実施の形態では昇降機構を用いて清掃部材15の一部を上昇させ、その清掃部材15を溶剤が付着残留するノズル24a,24bに接触させるようにしたが、ノズルを下降させて清掃部材15に接触させてもよい。
【0053】
また、S10での判定結果がNOの場合、液溜まりの他、ポンプ27の故障や、供給チューブ26内への気泡の混入等、他の原因の可能性も考えられるので、安全のため警報して作業者に点検を促すようにしてもよい。
【0054】
また、上記一実施の形態では基板5の縁部の上面に電極が形成されている場合について説明したが、基板の上下両面に電極が形成されている場合であっても、適用可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、清掃部材に溶剤が十分に供給されていない状態で清掃作業が行なわれるのを防止することができ、これにより静電気の発生により回路素子が破壊されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す清掃装置の正面図。
【図2】図1に示す清掃装置の側面図。
【図3】図1に示す清掃装置の搬送装置を除いて示した正面図。
【図4】図1に示す清掃装置の上部清掃部の拡大図。
【図5】図1に示す清掃装置の制御装置の詳細図。
【図6】動作を示すフローチャート。
【図7】(a)はノズルの先端から溶剤が正常に滴下する状態の説明図、(b)はノズルの先端に液溜まりが生じた場合の説明図。
【符号の説明】
2…搬送装置
5…基板
15…清掃部材
24a…上部ノズル
24b…下部ノズル
28…センサ(検出手段)
29…制御装置
42…設定部
43…比較部
Claims (4)
- 基板に形成された電極を清掃するための清掃装置において、
前記基板に対し相対的に移動しつつ前記電極に接触し前記電極を清掃する清掃部材と、
この清掃部材を前記電極に接触させる前に前記清掃部材における前記電極に接触する部分に溶剤を滴下させるノズルと、
このノズルから滴下する溶剤の液滴数を検出する検出手段と、
溶剤の滴下数及びその滴下数の溶剤を滴下するに要する時間とが設定されるとともに、前記検出手段の検出信号に基づいて設定された前記滴下時間の到達前と到達後とにおける溶剤の滴下数が設定数に達したか否かを比較判定する制御手段を具備し、
前記清掃部材の前記ノズルに対向する部分若しくは前記ノズルのどちらか一方は昇降機構によって互いに接触可能に設けられ、
前記設定された滴下時間の後で前記検出手段によって検出される液滴数が設定数に到達しない場合には、前記昇降機構によって前記清掃部材と前記ノズルとを接触させることを特徴とする基板の清掃装置。 - 基板に形成された電極を清掃するための清掃装置において、
前記基板に対し相対的に移動しつつ前記電極に接触し前記電極を清掃する清掃部材と、
この清掃部材を前記電極に接触させる前に前記清掃部材における前記電極に接触する部分に溶剤を滴下させるノズルと、
このノズルから滴下する溶剤の液滴数を検出する検出手段と、
溶剤の滴下数及びその滴下数の溶剤を滴下するに要する時間とが設定されるとともに、前記検出手段の検出信号に基づいて設定された前記滴下時間の到達前と到達後とにおける溶剤の滴下数が設定数に達したか否かを比較判定する制御手段を具備し、
前記設定された滴下時間の前に前記検出手段によって検出される液滴数が設定数に到達した場合には、前記清掃部材への溶剤の滴下を最初から実行し直すことを特徴とする基板の清掃装置。 - 基板に形成された電極に清掃部材を接触させて清掃する清掃方法において、
前記清掃部材に滴下する溶剤の滴下数と前記滴下数の溶剤を滴下するに要する滴下時間を設定する設定工程と、
前記設定工程にて設定された滴下数と前記滴下時間とに基づいて、前記清掃部材に前記溶剤を滴下する滴下する滴下工程と、
前記滴下工程中に前記溶剤の滴下数を検出するとともに、前記溶剤の滴下開始からの経過時間を検出する検出工程と、
前記検出工程にて検出された滴下数と経過時間とに基づいて前記清掃部材による清掃の実行の可否を判定する判定工程を具備し、
前記経過時間が前期滴下時間を経過した後、前記検出された滴下数が前記設定された滴下数に満たない場合、前記ノズルと前記清掃部材とを相対的に接近させて前記ノズルと前記清掃部材とを接触させることを特徴とする基板の清掃方法。 - 基板に形成された電極に清掃部材を接触させて清掃する清掃方法において、
前記清掃部材に滴下する溶剤の滴下数と前記滴下数の溶剤を滴下するに要する滴下時間を設定する設定工程と、
前記設定工程にて設定された滴下数と前記滴下時間とに基づいて、前記清掃部材に前記溶剤を滴下する滴下する滴下工程と、
前記滴下工程中に前記溶剤の滴下数を検出するとともに、前記溶剤の滴下開始からの経過時間を検出する検出工程と、
前記検出工程にて検出された滴下数と経過時間とに基づいて前記清掃部材による清掃の実行の可否を判定する判定工程を具備し、
前記経過時間が前記滴下時間を経過する前に前記検出された滴下数が前記設定された滴下数を超過した場合、前記滴下工程を最初から実行し直すことを特徴とする基板の清掃方法。
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