JP4050127B2 - 物品固定具、物品の固定構造及び物品の固定方法 - Google Patents

物品固定具、物品の固定構造及び物品の固定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手摺などの物品を壁面に取り付けるための物品固定具、物品の固定構造及び物品の固定方法に関する。
【0002】
【背景の技術】
従来、壁面を構成する壁面構成部材に手摺などの物品を固定する場合、壁面構成部材は固定される物品を支持できる強度を有することが必要であるが、壁面構成部材が、柱間に設けられた合板に貼り付けられた石膏ボードなどのように、固比較的脆いものである場合、壁面構成部材の物品が取りつけられる面、つまり表面側から取り付けネジなどにより直接物品を固定して支持させることはできない。このため、壁面構成部材に壁面構成部材を貫通する開口部を形成し、この開口部よりアンカー部を挿通させて、該アンカー部を石膏ボードなどの壁面構成部材の裏面側で密着させた状態とし、この状態のアンカー部に物品を支持させている。なお、このときに壁面構成部材に形成される開口部は、アンカー部を表面側から挿通させるとともにアンカー部と表面側に配置されて物品が取り付けられる部位とを連結させるためのものであるため、極力小径であることが望ましい。
【0003】
このように小径の開口部に挿通されるアンカー部を用いた物品固定具としては、例えば、開口部から挿入されるアンカー部を横方向に湾曲した2枚の略同形状の第1アンカー片及び第2アンカー片とし、第1アンカー片の基端部に、直交するように、開口部に挿通される取付ボルトの先端部を固定するとともに、第1アンカー片に隣接させて、第2アンカー片の基端部を回動自在に嵌合させ、これら第1及び第2アンカー片よりも取付ボルトの基端部側に、開口部を挿通不能な表面側部材と、この表面側部材が基端部側から抜けないようにロックナットが螺合されたものがある。
【0004】
この物品固定具では、取付ボルトを軸を中心に回転させることで第1アンカー片も回転し、第1アンカー片は第2アンカー片に対して相対回転可能となっているとともに、これら第1アンカー片及び第2アンカー片とは互いに重なり合った状態で先端部側から開口部に挿通されるものとなっている。
よってこの物品固定具を壁面構成部材に取りつける際には、まず、第1及び第2アンカー片を重ねて畳んだ状態で開口部から壁面構成部材の裏面側に挿入して配置させる。そして、表面側から取付ボルトを回転させることで第1アンカー片を回動させて、第1及び第2アンカー片を開き、ロックナットを締め付けることで、第1及び第2アンカー片と開口部を挿通不能な表面側部材とで壁面構成部材を挟持させることで取り付けられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−70818号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特許文献1の構成では、物品固定具を壁面構成部材に取り付ける場合、第1及び第2アンカー片を壁面構成部材の裏面側に配置した後、表面側にて取付ボルトを回動操作して第1アンカー片を回動させて、第1アンカー片と第2アンカー片とを開かせる際に、表面側で取付ボルトの回転操作では、壁面構成部材の裏面側にて実際に両アンカー片が例えば180°の角度で好適に開いているかどうか確認することができず、開くべき角度(180°)を前記壁面構成部材の裏面側で感覚的に回動操作することで行っている。
このため、取付ボルトを操作することで第1アンカー片を所定角度回転させて、該第1アンカー片が第2アンカー片に対して所定角度180°開くように回転させたつもりが、実際には、第1アンカー片の回転に伴い第2アンカー片が伴って回転し、意図した所定角度180°で開いていない状態が生じたり、また所定角度180°以上に開いてしまう状態が生じる。
この状態で、ロックナットを締めて表面側部材とで壁面構成部材を挟持してしまうと、その際に壁面構成部材の表面側でボルトに基端部に物品を取り付けた際に、アンカー片により確実に物品を支持させることができない。
【0007】
また、壁面構成部材に固定する際に、第1及び第2アンカー片を重ね、湾曲方向に沿って開口部からねじり込むように深く挿入していき、基端部部分で湾曲方向と直交する取付ボルトを該取付ボルトの軸方向に突っ込むようにして挿入していくため、その取り付けに手間がかかる。
本発明の課題は、壁面構成部材を構成する面材に、手間がかからず容易に取り付けることができるとともに、面材に設けられた開口部から挿入して面材の裏面側に配置されるアンカー部を介して面材に、物品を確実に支持させるように固定することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、例えば、図1〜図に示すように、
面材(例えば、合板15,石膏ボード16等からなる面材1)に形成された開口部11より挿入され、前記面材1の裏面17側に配置されるアンカー部3と、該アンカー部3に接続され、前記開口部11に挿通されるボルト4と、該ボルト4が挿通されるとともに前記開口部11に挿入され、当該開口部11を閉塞するスペーサ部5とを有し、前記ボルト4に前記面材1の表面13側で物品(例えば手摺用ブラケット8)が取りつけられることで前記ボルト4を介して前記物品8と前記アンカー部3とで前記面材1を挟持して前記物品8を面材1に固定する物品固定具2において、
前記アンカー部3は、互いに重なった状態で先端部(31b,32b)側から前記開口部11より前記面材1の裏面17側に挿入されるとともに、それぞれの基端部31a,32aが前記ボルト4に接続され、前記ボルト4を軸廻りに回転させることで相対的に回転して開き、それぞれの先端部が前記面材1の裏面17に当接可能な2枚の羽根部(例えば、第1アンカー片31,第2アンカー片32)を備え、
前記2枚の羽根部31,32は、それぞれ前記開口部11に挿入可能な幅を有する長尺な直線状の平板状部材からなるとともに、前記2枚の羽根部31,32どうしには、当該2枚の羽根部31,32が所定角度(例えば180°)で開いた状態で前記ボルト4を表面13側に引くことで互いに係合し、前記2枚の羽根部31,32どうしの相対的な回転を抑止する係合部(例えば係合突起36)及び被係合部(例えば切欠部35)が形成され、
前記スペーサ部5は、前記ボルト4に、該ボルト4の軸方向に移動自在に螺合されるとともに、前記開口部11に挿入された際に、当該開口部11の表面側の縁部に係止されるフランジ部54を備えており、
このスペーサ部5は、前記アンカー部3側への軸方向の外力により押圧されることで軸方向に縮むように形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、前記開口部11に挿通されるボルト4に接続され且つ、前記面材1の裏面17側に配置されるアンカー部3が、前記2枚の羽根部31,32を備えるので、前記2枚の羽根部31,32を互いに重なった状態で先端部(31b,32b)側から前記開口部11より前記面材1の裏面17側に挿入した後で、前記開口部11に挿通された前記ボルト4を表面側で軸廻りに回転させることで相対的に回転させて所定角度開かせて、前記ボルト4を表面13側に引き、前記2枚の羽根部31,32どうしにそれぞれ形成された係合部36と被係合部35とを互いに係合させることで、前記2枚の羽根部31,32どうしの相対的な回転が抑止された状態、すなわち、両羽根部31,32が開いた状態が保持されたままの状態で前記面材1の裏面17に当接させることができる。つまり、表面13側からのボルト4の回動操作でも、ボルト4をある程度回転させて引いた際にボルトを引けない場合は、前記係合部36と被係合部35とは係合されていない状態であり、引けた場合は両者が係合しているものと判断することができ、前記表面側からでも前記2枚の羽根部31,32が所定角度開いた状態であるか否かを確認することができ、裏面側で2枚の羽根部を所定角度開かせる作業を容易に行うことができる。
【0010】
このように前記2枚の羽根部31,32を所定角度開いて保持させた状態で、前記面材1の表面13側において、前記ボルト4に物品8を取り付けることで、前記ボルト4を介して、所定角度開いた2枚の羽根部31,32とで前記面材1を強固に挟持することができ、物品8を前記面材1に確実に強固に固定することができる。よって、壁面構成部材等を構成する面材に、手間がかからず容易に取り付けることができるとともに、面材に設けられた開口部から挿入して面材の裏面側に配置されるアンカー部を介して面材に、物品を確実に支持させるように固定することができる。
【0011】
また、2枚の羽根部31,32は、それぞれ前記開口部11に挿入可能な幅を有する長尺な直線状の平板状部材からなるので、これら2枚の羽根部31,32を重ね合わせて前記面材1の開口部11内に、先端部31b,32b側から容易に挿入することができるとともに、前記面材1の裏面17側で開かせた状態のときには、面接触にて前記面材1の裏面17に当接させることができ、前記ボルトを介して該ボルトに取り付けられる物品8とで前記面材1を挟持した際に、前記物品8を支持する支持力を前記面材1から確実に得ることができる。
【0012】
さらに、前記ボルト4には前記開口部11に挿通され、前記アンカー部3と取りつけられるべき物品8との間に介在されるスペーサ部5が設けられているので、このスペーサ部5により、前記アンカー部3と前記物品8とで挟持される面材1の開口部11を閉塞することができる。
【0013】
加えて、前記スペーサ部5には、前記開口部11に挿入された際に、当該開口部11の表面側の縁部に係止されるフランジ部が形成されているので、前記2枚の羽根部を備えるアンカー部3を前記開口部11を介して前記面材1の裏面17側に配置した後で、前記ボルトを介して前記2枚の羽根部31,32を所定角度開き、前記面材1の裏面に当接させた状態で、前記スペーサ部5を前記面材1側に押圧して前記開口部11内に挿入することで、前記開口部11を略完全に閉塞することができる。また、前記スペーサ部5は、前記ボルト4に該ボルト4の軸方向に移動自在に螺合されているので、前記2枚の羽根部を備えるアンカー部3を前記開口部11を介して前記面材1の裏面17側に配置した後で、前記ボルトを介して前記2枚の羽根部31,32を所定角度開き、前記面材1の裏面に当接させた状態で、前記スペーサ部5を前記面材1側に移動させて、前記フランジ部54を前記開口部11の表面側の縁部に当接させることで、前記面材1に対する物品固定具2の仮固定を行うことができる。これにより、ボルト4に表面側で物品8を取り付ける際の作業を容易に行うことができる。
また、このスペーサ部5は、前記アンカー部3側への軸方向の外力により押圧されることで軸方向に縮むように形成されているので、前記2枚の羽根部を備えるアンカー部3を前記開口部11を介して前記面材1の裏面17側に配置し、前記ボルトを介して前記2枚の羽根部31,32を所定角度開き、前記面材1の裏面に当接させるとともに、前記スペーサ部5を前記開口部11内に挿入した後で、前記ボルト4に物品を取り付けることで、該物品と前記2枚の羽根部とで面材を挟持させる際に、前記スペーサ部5に前記物品8の前記面材側への力が加わるとともに、前記アンカー部3側から軸方向に外力が加わることで縮み、前記物品8は前記面材1の表面13に確実に密着した状態となるとともに、前記アンカー部3とで確実に固定された状態となる。
【0014】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の物品固定具において、例えば、図1及び図4に示すように、
2枚の羽根部(例えば第1アンカー片31,第2アンカー片32)は、それぞれ前記面材1の裏面17に当接する当接面311,321を有し、
前記当接面311,321は、前記2枚の羽根部31,32が前記ボルト4に接続された基端部31a,32aより、ボルト4の基端部4b側に配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、2枚の羽根部31,32がそれぞれ備える前記当接面311,321が、前記2枚の羽根部31,32が前記ボルト4に接続された基端部31a,32aより、ボルト4の基端部4b側に配置されているので、ボルト4を介して該ボルト4に表面側で取り付けられた物品8とで前記面材1を挟持する際に、前記2枚の羽根部31,32にはボルト4を介して前記面材の表面側に引かれることとなり、その際、前記当接面311,321を前記面材1の裏面17に完全に密着させることができる。よって、前記物品8を前記面材に確実に支持固定させることができる。
【0018】
請求項記載の発明は、請求項1または2記載の物品固定具において、例えば、図1〜図4に示すように、2枚の羽根部31,32のうちの一方の羽根部31の基端部31aは、前記ボルト4に、前記一方の羽根部31が前記ボルト4と一体回転するように固定され、他方の羽根部32の基端部32aは前記ボルト4に回転自在に挿通されて、前記一方の羽根部31に対して相対回転可能とされてなり、
前記他方の羽根部32の基端部32aには、先端方向と逆方向に延出され、前記面材1に形成された開口部11に挿入されて前記面材1の裏面17側に配置された際に、前記他方の羽根部32の先端部32bとともに前記裏面17に当接可能な延出部34が形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項記載の発明によれば、互いに重なった状態で先端部31b,32b側から前記開口部11より前記面材1の裏面17側に挿入される2枚の羽根部のうち、他方の羽根部32の基端部32aには、先端方向と逆方向に延出され、前記面材1に形成された開口部11に挿入されて前記面材1の裏面17側に配置された際に、前記他方の羽根部32の先端部32bとともに前記裏面17に当接可能な延出部34が形成されているので、物品固定具2を面材1に取り付ける際に、前記アンカー部3の有する2枚の羽根部31,32を前記開口部11に挿入して、前記面材1の裏面17側に配置させるとともに前記ボルト4を前記開口部11に挿通させた後、前記延出部34を前記先端部32bとともに前記面材1の裏面17に当接可能となる。
【0020】
これにより、物品を固定するために物品固定具2を前記面材に取り付け作業中に、前記面材1の裏面17側に配置させたアンカー部3のうち、前記他方の羽根部32において、前記先端部32bと延出部34とが、前記ボルト4に回転自在に挿通された前記基端部32aを挟んで前記面材1の裏面17に当接することで、前記アンカー部3が前記表面側に抜けにくくなり、前記スペーサ部5を前記開口部11内に挿入したり、物品を前記ボルト4に前記面材の表面側で取り付けたり等の物品を固定するための作業を容易に行うことができる。
また、前記スペーサ部5を前記開口部11に挿入した際に、前記延出部34が、前記面材1の裏面に当接可能に前記基端部32aに形成されていれば、前記スペーサ部5を前記アンカー部3側にねじ込むことで前記フランジ部54を前記面材1の表面側の開口縁部に当接させて、前記延出部34は前記先端部23bとともに前記フランジ部54とで前記面材1を挟持することができ、これにより、前記物品固定具2は仮止めされ、前記一方の羽根部31を回転させて2つの羽根部31,32を開く作業や、前記ボルト4に物品8を取り付ける作業等を容易に行うことができる。
【0021】
請求項記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品固定具により物品を面材に固定した物品の固定構造において、例えば図1に示すように、
前記係合部(例えば係合突起36)及び被係合部(例えば切欠部35)が係合した前記アンカー部3の2枚の羽根部(例えば、第1アンカー片31,第2アンカー片32)が、所定角度(例えば180°)開いた状態で前記面材1の裏面17に当接され、
前記2枚の羽根部31,32の基端部31a,32aに接続されたボルト4が前記開口部11に挿通され、
前記ボルト4が挿通された前記スペーサ部5が、そのフランジ部54を前記開口部11の表面14側の縁部に係止させた状態で前記開口部11内に挿入され、前記ボルト4に前記面材1の表面13側で物品(例えば、手摺用ブラケット8)が取り付けられ、
前記ボルト4を介して前記物品8と前記アンカー部3とで前記面材1を挟持することで、前記物品8は前記面材1に固定されていることを特徴とする。
【0022】
請求項記載の発明によれば、前記開口部11に挿入された前記スペーサ部5を挿通するボルト4を介して、前記係合部36及び被係合部35が係合し、且つ所定角度開いた状態で前記面材1の裏面17に当接された前記アンカー部3の2枚の羽根部31,32と、前記ボルト4に前記面材1の表面13側で取り付けられた物品8とで前記面材1を挟持することで、前記物品8が前記面材1に固定されているので、前記物品8はその支持力を、ボルト4と、所定角度開いた状態で且つ前記面材1に当接した前記2枚の羽根部31,32とを介して面材1から得ることができ、前記スペーサ部5により前記開口部11を閉塞した状態で、前記物品を、前記面材1に強固に固定された状態とすることがができる。
【0023】
このとき、前記物品固定具2が、請求項の物品固定具であれば、前記スペーサ部5が、前記アンカー部側への軸方向の外力により押圧されることで軸方向に縮むように形成されているので、前記スペーサ部は、前記面材1の開口部11内にて前記アンカー部3と前記物品との間に介在しているので、前記ボルト4を介して、前記アンカー部3と物品8とで面材1を挟持する際に、前記物品により前記アンカー部側に押圧されて縮み、前記アンカー部3と前記物品8とで挟まれる前記面材1の厚みに対応した長さとなり、前記開口部11を略完全に密閉した状態とすることができる。
【0024】
また、前記物品固定具2が、請求項の物品固定具であれば、物品固定具2を面材1に取り付ける際に、前記アンカー部3の有する2枚の羽根部31,32を前記開口部11に挿入して、前記面材1の裏面17側に配置させるとともに前記ボルト4を前記開口部11に挿通させた後、前記延出部34を前記先端部32bとともに前記面材1の裏面17に当接可能となる。
これにより、物品を固定するために物品固定具2を前記面材に取り付け作業中に、前記面材1の裏面17側に配置させたアンカー部3のうち、前記他方の羽根部32において、前記先端部32bと延出部34とが、前記ボルト4に回転自在に挿通された前記基端部32aを挟んで前記面材1の裏面17に当接することで、前記アンカー部3が前記表面側に抜けにくくなり、前記スペーサ部5を前記開口部11内に挿入したり、物品を前記ボルト4に前記面材の表面側で取り付けたり等の物品を固定するための作業を容易に行うことができる。
【0025】
また、前記スペーサ部5を前記開口部11に挿入した際に、前記延出部34が、前記面材1の裏面に当接可能に前記基端部32aに形成されていれば、前記スペーサ部5を前記アンカー部3側にねじ込むことで前記フランジ部54を前記面材1の表面側の開口縁部に当接させて、前記延出部34は前記先端部23bとともに前記フランジ部54とで前記面材1を挟持することができ、これにより、前記物品固定具2は仮止めされ、前記一方の羽根部31を回転させて2つの羽根部31,32を開く作業や、前記ボルト4に物品8を取り付ける作業等を容易に行うことができる。
そして、前記アンカー部3では、前記2枚の羽根部31,32が開いた際に、前記2枚の羽根部31,32の先端部31b,32bとともに、他方の基端部32aの延出部34が前記面材1の裏面17に当接しているので、前記アンカー部3が接続されたボルト4に、前記面材1の表面側で取り付けられて前記アンカー部3とで面材1を挟持することで、該面材1に固定される物品8は、前記2枚の羽根部31,32の先端部31a,32a及び延出部34を介して前記面材1からその支持力を得ることができ、確実に強固に固定されるものとなる。
【0026】
請求項記載の発明は、請求項記載の物品固定具を用いて面材に物品を固定する物品の固定方法において、例えば、図7〜図13に示すように、
前記面材(例えば合板15及び石膏ボード16よりなる面材1)に開口部11を形成し、
次いで、前記開口部11に、前記2枚の羽根部31,32を互いに重ねた状態で、先端部31b,32b側から挿入して前記アンカー部3を前記面材1の裏面17側に配置するとともに、前記開口部11に前記ボルト4を挿通し、
次いで、前記ボルト4が挿通されたスペーサ部5を前記開口部11内に配置し、
次いで、前記面材1の表面13側から前記ボルト4を軸回りに回転させることで前記2枚の羽根部31,32を、相対的に回転させて所定角度(例えば180°)で開いた状態とし、
次いで、前記ボルト4を前記面材1の表面13側に引くことで、前記2枚の羽根部31,32どうしの係合部36と被係合部35とを係合させて、前記2枚の羽根部31,32を前記面材1の裏面17に当接させ、
次いで、前記ボルト4に、該ボルト4が挿通された前記スペーサ部5に隣接するように前記面材1の表面13側で物品8を取りつけて、前記ボルト4を介して前記物品8と前記アンカー部3とで前記面材1を挟持することで前記スペーサ部を軸方向に縮ませることを特徴とする。
【0027】
請求項記載の発明によれば、前記面材1に形成された前記開口部11に、前記2枚の羽根部31,32を互いに重ねた状態で、先端部31b,32b側から挿入して前記アンカー部3を前記面材1の裏面17側に配置するとともに、前記開口部11に前記ボルト4を挿通し、次いで、前記スペーサ部5を前記開口部11内に配置し、次いで、前記面材1の表面13側から前記ボルト4を軸回りに回転させることで前記2枚の羽根部31,32を、相対的に回転させて所定角度(例えば180°)で開いた状態とし、次いで、前記ボルト4を前記面材1の表面13側に引くことで、前記2枚の羽根部31,32どうしの係合部36と被係合部35とを係合させて、前記2枚の羽根部31,32を前記面材1の裏面17に当接させ、次いで、前記スペーサ部5に隣接するように前記面材1の表面13側で前記ボルト4に物品8を取りつけて、前記ボルト4を介して前記物品8と前記アンカー部3とで前記面材1を挟持することで前記スペーサ部を軸方向に縮ませるので、前記物品8を前記面材1に固定するための物品固定具2を前記面材1に、前記2枚の羽根部31,32を確実に開かせて前記面材1の裏面17に当接させた状態で容易に取り付けることができるとともに、取り付けられた2枚の羽根部31,32と、前記物品8とともに前記面材1を強固に挟持することで、前記物品8を前記面材1に確実に固定することができる。
【0028】
また、前記2枚の羽根部31,32と前記物品8とで前記面材1を挟持する際に、前記2枚の羽根部31,32と前記物品8との間に介在するスペーサ部5は、前記物品8の前記アンカー部3側に引き寄せられる力により軸方向に縮ませられるので、前記スペーサ部5は前記物品8及びアンカー部3とで挟まれる前記面材1の前記開口部11に対応する厚みとなり、前記開口部11を確実に閉塞された状態とすることができる。
【0029】
請求項記載の発明は、請求項記載の物品固定具を用いて面材に物品を固定する物品の固定方法において、例えば、図7〜図13に示すように、
前記面材(例えば合板15及び石膏ボード16よりなる面材1)に開口部11を形成し、
次いで、前記開口部11に、前記2枚の羽根部31,32を互いに重ねた状態で、先端部31b,32b側から挿入して前記アンカー部3を前記面材1の裏面17側に配置するとともに、前記開口部11に前記ボルト4を挿通し、
次いで、前記ボルト4が挿通されたスペーサ部5を前記開口部11内に配置し、
次いで、前記面材1の表面13側から前記ボルト4を軸回りに回転させることで前記2枚の羽根部31,32を、相対的に回転させて所定角度(例えば180°)で開いた状態とし、
次いで、前記ボルト4を前記面材1の表面13側に引くことで、前記2枚の羽根部31,32どうしの係合部36と被係合部35とを係合させて、前記2枚の羽根部31,32を前記面材1の裏面17に当接させ、
次いで、前記ボルト4に、該ボルト4が挿通された前記スペーサ部5に隣接するように前記面材1の表面13側で物品8を取りつけて、前記ボルト4を介して前記物品8と前記アンカー部3とで前記面材1を挟持することを特徴とする。
【0030】
請求項記載の発明によれば、前記面材1の開口部11に、前記2枚の羽根部31,32を互いに重ねた状態で、先端部31b,32b側から挿入して前記アンカー部3を前記面材1の裏面17側に配置するとともに、前記開口部11に前記ボルト4を挿通した際に、前記面材1の裏面17側に配置されたアンカー部3の互いに重なった状態の2枚の羽根部31,32のうち他方の羽根部32は、その先端部32bとともに、基端部32aに設けられた延出部34を前記面材1の裏面に当接可能となっており、次いで、前記ボルト4が挿通されたスペーサ部5を前記開口部11内に配置する際に、前記他方の羽根部32の先端部32b及び延出部34とが前記面材1の裏面に当接することで、アンカー部3自体が前記面材1の表面17に抜けにくくなるので、前記スペーサ部5の前記開口部11への配置作業を容易に行うことができる。
【0031】
そして、前記面材1の表面13側から前記ボルト4を軸回りに回転させることで前記2枚の羽根部31,32を、相対的に回転させて所定角度(例えば180°)で開いた状態とし、前記ボルト4を前記面材1の表面13側に引くことで、前記係合部36と前記被係合部35とを係合させて、前記2枚の羽根部31,32を前記面材1の裏面17に当接させ、次いで、前記スペーサ部5に隣接させて前記面材1の表面13側で前記ボルト4に物品8を取りつけて、前記ボルト4を介して前記物品8と前記アンカー部3とで前記面材1を挟持することで、前記物品8を前記面材1に固定できる。
前記面材1に固定された物品8は、前記面材1の裏面に前記一方の羽根部32の先端部31aと、前記他方の羽根部32の先端部32aとともに他方の羽根部32の延出部34とが当接していることから、前記面材1から確実に支持力を得た状態で強固に固定されたものとなる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1では、壁面を構成する面材1に開口部11が形成され、この開口部11に挿通された物品固定具2を介して、面材1の取付面(以下、表面)13側に配置された物品としての手摺用ブラケット8が、取付面13に固定されている。
【0033】
壁面を構成する面材1は、縦横の框材を矩形枠状に組み付けてなる枠体の表裏面に合板を設けてなる壁パネルの表面側の合板15と、該合板15に貼設された石膏ボード16とからなり、開口部11は鉛直方向に立設された合板15及び石膏ボード16に、該合板の裏面と石膏ボード16の表面13とに略水平方向に貫通するように形成されている。
【0034】
物品固定具2は、図1〜図5に示すように、面材1の裏面側に配置され、面材1の裏面17に当接するアンカー部3と、開口部11内に、先端部4a及び基端部4bが面材1の裏面17及び表面13からそれぞれ突出した状態で水平に挿通され、面材1の裏面側の先端部4aでアンカー部3に接続されたボルト4と、ボルト4に螺合されるとともに面材1の表面側から開口部11に挿入されて該開口部11内に嵌合されるスペーサ部5と、ボルト4に挿通される調整スペーサ50と、面材1の表面側から突出したボルト4の基端部4bに、ブラケット8の固定部81を介して螺合されたナット6等とを備える。
【0035】
アンカー部3は、図1〜図4に示すように、開口部11を介して表面側から面材1の裏面側に挿入可能に構成された長尺板状をなす第1アンカー片31と、この第1アンカー片31と平面視略同形状をなす第2アンカー片32等とを有する。なお、第1アンカー片31及び第2アンカー片32は、それぞれ数mm厚の剛性に優れた金属材料(例えば鋼板)や合成樹脂(繊維強化された合成樹脂を含む)などにより形成されていることが望ましい。
【0036】
第1アンカー片31は、その基端部31aにネジ孔31cが形成され、このネジ孔31cにボルト4の先端部4aを螺合することで、第1アンカー片31自体がボルト4の軸方向と直交するように固定されている。第1アンカー片31は、ボルト4を軸心を中心に回転させることで一体的に回転し、先端部31bが基端部31aを支点に旋回自在となっている。
【0037】
また、この第1アンカー片31の先端部31bには、面材1の裏面17に当接する当接面311が設けられ、この当接面311は、第1アンカー片31の基端部31aの裏面よりボルト4の基端部側に配置されている。
つまり、この第1アンカー片31には、基端部31aに連続して屈曲部31dが設けられていることで先端部31bは、基端部31aよりも裏面側に位置するものとなっている。さらに、この第1アンカー片31の基端部31aは軸心廻りの外縁部分に、第2アンカー片32の係合突起36が係合可能な切欠部(被係合部)35が形成されている。切欠部35は、第1アンカー片31の側辺部を構成する基端部31aの外縁部に、平面視してネジ孔31cと隣り合う位置に形成されている。
【0038】
第2アンカー片32は、図1〜図4に示すように、第1アンカー片31と平面視略同形状に形成されてなり、基端部32aには、ボルト4が挿通されるボルト挿通孔32cが形成されている。
第2アンカー片32は、ボルト挿通孔32cにボルト4を挿通することで、ボルト4の先端部4aにて、第1アンカー片31と隣合う位置で、ボルト軸心を中心に回動自在に接続され、第1アンカー片31に対して相対的に回転自在となっている。
【0039】
また、この第2アンカー片32の先端部32bには、面材1の裏面17に当接する当接面321が設けられ、この当接面321は、第2アンカー片32自体が屈曲部32dで屈曲してなることで、基端部32aの裏面と比してほぼ平行な異なる平面上に配置されている。図4では、当接面321は基端部32aの裏面と長さL分ずれた平面に位置したものとなっている。これにより、当接面321は、ボルト4に接続した際に、基端部32aよりも、ボルト4の基端部側、言い換えれば面材1側に配置された状態となっている。
【0040】
また、第2アンカー片32の基端部32aには、先端方向と逆方向に延出され、面材1に形成された開口部11に挿入されて面材1の裏面17側に配置された際に、第2アンカー片32の先端部32bとともに裏面17に当接可能な延出部34が形成されている。
さらに、第2アンカー片32の基端部32aには、第1アンカー片31に対向する面に、該第1アンカー片に向かって突出し、第2アンカー片32及び第1アンカー片31が相対的に回転することで、軸心を中心に所定角度開いた際に、第1アンカー片31の切欠部(被係合部)35に係合する係合突起36が形成されている。
ここでは所定角度とは、略180°となっており、第1アンカー片31及び第2アンカー片32が相対的に回転することで平面視略直線状のものとなる。
係合突起36は、第2アンカー片32を第1アンカー片31と重ね合わせた際に、第2アンカー片32の基端部32aにおいて、ネジ孔32cを挟んで、第1アンカー片31の切欠部35とは反対側の位置に設けられている。
そして、第1アンカー片31及び第2アンカー片32とを相対的に回転させて180°開いた状態にすることで、係合突起36は軸方向で切欠部35と重なった位置となるように形成されている。
【0041】
このようにボルト4の先端部4aに接続された第1アンカー片31及び第2アンカー片32を有するアンカー部3では、自重によりボルト4から垂下された状態で互いに重なり合う。このとき、第1アンカー片31の当接面311が第2アンカー片32の先端部32bの表面に当接し、第1アンカー片31の基端部31aの裏面と、第2アンカー片32の基端部32aの表面との間に係合突起36が配置されたものとなっている。そして、ボルト4を軸回りに回動させることで、第1アンカー片31が基端部31aを支点に回動して、第2アンカー片32と相対的に回転することとなり、第1アンカー片31及び第2アンカー片32は開くことになる。
【0042】
スペーサ部5は、開口部11の開口径と略同一の外径を有する中空の円柱状体であり、軸方向に縮小(縮み)可能な縮小部51を備える略筒状の本体部5aと、本体部5aの軸方向の開口部を閉塞する上面部5bと底面部5cとを備える。縮小部51は、開口部11の開口径と略同一の外径を有し、本体部5aを構成する筒状の周壁の一部を周方向に沿って内側にV字状に窪ませてなる断面視V字状の窪み部分51aとこのV字状の窪み部分51aに所定間隔を空けて形成された開口部51bとで形成されている。
【0043】
これによりスペーサ部5は、軸方向に上面部5b及び底面部5cを接近させる外力を加えることで、縮小部51の窪み部分51aでは、V字の頂点部分を中心とするV字の角度の幅が狭くなり、外径の大きさが変わることなく、本体部5aが軸方向に潰れ、スペーサ部5自体の軸方向の長さが短くなるように構成されている。
上面部5b及び底面部5cには、それぞれボルト4が挿通される挿通孔52,53が形成され、上面部5bに形成された挿通孔52は上面部5bの中央部にバーリング加工を施することで形成され、バーリング加工によりなる筒状のリブ52aの内面にタップを切ることでボルト4と螺合するものとなっている。
【0044】
また、底面部5cに形成された挿通孔53は、ボルト4が遊嵌可能な径を有しており、この底板部5cの周縁部には、本体部5aの外径から放射方向に張り出したフランジ部54が形成されている。
このフランジ部54は、スペーサ部5を開口部11に挿入した際に、面材1の表面13の開口縁部に係止されるものとなっている。
【0045】
さらに、底面部5cには、ボルト4に螺合されたスペーサ部5を回動させるための治具44が取り付け可能な穴56,56が、挿通孔53を挟んで、スペーサ部5の軸方向と平行に開口して形成されている。
この穴56,56は、図5(d)に示すように、治具44としての特殊スパナ44の突出棒44a,44aが後方から挿入されるものである。
特殊スパナ44は、板材の中央部分を屈曲させて鈎状をなし、突出棒44aが突設された先端部bと、先端部の基端部に一端部が直交して接合された中央部44cと、中央部の他端部に、先端部44bの延在方向と逆方向に延在するように直交して接合され、操作部となる基端部44dとを有する。
先端部44bには、ボルト4が挿通可能な挿通孔44eが形成され、この先端部44bにおける突出棒44aと、挿入孔44eとの配置関係は、底板部5cにおける穴56、56と挿通孔53との配置関係に対応している。
そして、ボルト4が挿通されたスペーサ部5に対して特殊スパナ44を取り付ける際には、先端部44bの挿通孔44eをボルト4に挿通させるとともに、突出棒44aを穴56に挿入する。そして、基端部44dをボルト4の軸を中心に回動させることでスペーサ部5をボルト4の軸方向に移動させることができる。
つまり、スペーサ部5にボルト4が挿通されている際に、スペーサ部5の底面5c側の回動操作で、スペーサ部5を軸回転させて、ボルト4軸上を移動させることができる。
【0046】
調整スペーサ50は、スペーサ部5とともに挿入される面材1の厚みに合わせて備えるものであり、開口部11の内径と略同一の外径を有する筒状に形成され、中央にボルト4が挿通される貫通孔が形成されている。つまり、スペーサ部5の厚み(高さ)が石膏ボード16の厚みと略じ長さとなっているため、石膏ボード16とで面材1を構成する合板15の厚みに合わせた厚み(高さ)としており、第2アンカー片32とスペーサ部5との間に介在した状態でボルト4に挿通されている。
【0047】
面材1に取り付けられる物品としての手摺用ブラケット8は、面材1に固定して手摺が取り付けられるものであり、面材1の表面13に当接した状態で固定される固定部81と、固定部81を貫通して形成されボルト4が挿通される貫通孔82と、固定部81から湾曲して上方に伸びるとともに先端部に手摺が取り付けられるアーム部84等とを備える。
固定部81は、開口部11を完全に覆うとともに開口部11の周囲の面材表面13を覆う固定面81aを有し、この固定面81aは貫通孔82と連通している。また、この固定面81aには貫通孔82と連通し、面材1に当接した際に、面材1の開口部11に挿入されたスペーサ部5のフランジ部54が内嵌される座掘部85が形成されている。
【0048】
このように構成されたブラケット8が物品固定具2により面材1に固定されている。すなわち、図1に示すように、面材1の裏面側に配置された第1アンカー片31及び第2アンカー片32が基端部31a,32aからそれぞれ上下に延在するように配置され、それぞれの当接面311,321が開口部11上下の合板15の裏面17に当接している。そして、これら第1アンカー片31及び第2アンカー片32に先端部4aで接続されたボルト4が、基端部4bが面材1の表面13から外方に突出した状態で開口部11に挿通されている。
【0049】
このボルト4が挿通された調整スペーサ50及びスペーサ部5は、開口部11部分に内嵌された状態で配置され、基端部4bには手摺用ブラケット8の固定部81に挿通されるとともに、固定部81よりも基端側にナット6が締結されている。
また、第1アンカー片31、第2アンカー片32、調整スペーサ50、スペーサ部5、固定部81はそれぞれ軸方向で隣接した状態となっており、ナット6が締結されていることで、ブラケット8は、ボルト4を介して、アンカー部3を構成する第1アンカー片31及び第2アンカー片32とで面材1を挟持した状態となっている。これにより手摺用ブラケット8はアンカー部3で支持力を得て面材1に固定されている。
【0050】
次に、物品固定具2により手摺用ブラケット8を面材1に固定する方法について説明する。
なお、手摺用ブラケット8が取り付けられる面材1は、例えば、リフォームにおいて、手摺が後付けで取り付けられる階段の中空の側壁の壁面を構成するものが挙げられる。この階段の側壁は、例えば、壁パネルの一方の表面に石膏ボード16が貼着されることで構築され、手摺用ブラケット8が取り付けられる部位には、下地材が配置されていない。
【0051】
まず、図6(a)に示すように、面材1において、壁下地材が無い箇所(壁パネルよりなる壁の場合、桟材、框材を避けた箇所)、手摺用ブラケット8が取り付けられるべき部分に、表面側からホルソーなどを用いて、面材1に対して略垂直に穿孔し、面材1の表裏面13,17を貫通する開口部11を形成する。開口部11は、アンカー部3が挿入可能な程度の小径のものであり、例えば、第1及び第2アンカー片31,32が厚み約4mm、全長約90mm、幅約18mmとし、ボルト4の径を約6φ等とした場合に内径約25mmとする。なお、この場合第2アンカー片32のネジ孔32cの径は6.4φとし、図4に示す長さLは0.5mmとする。
【0052】
一方、図6(b)に示すように、物品固定具2では、ボルト4が挿通された第2アンカー片32を、ボルト4上にて先端部4aの第1アンカー片31に隣接して重ねた状態で配置させ、調整スペーサ50、スペーサ部5を基端部4b側に配置させて、基端にナット6を螺合した状態とする。なお、第2アンカー片32の当接面321には、粘着テープを貼設してもよい。このように当接面321に粘着テープを貼設しておけば、アンカー部3を面材1の裏面側に配置した際に、ボルト4を表面側に引くことで、裏面17における開口部11の周縁部分に粘着テープを介して第2アンカー片32を取り付けることができる。
【0053】
そして、図7に示すように、物品固定具2の互いに重ねた第1アンカー片31及び第2アンカー片32のそれぞれの先端部31b,32bを、面材1の表面側から開口部11に挿入する。このとき、第1アンカー片31及び第2アンカー片32とをそれらの先端部31b,32bから挿入していき基端部31a,32a近傍まで挿入した後、第1アンカー片31及び第2アンカー片32を、ボルト4が開口部11の開口方向に対して平行となるように挿入する。この物品固定具2は側面視略L字状となっているので、開口部11への挿入の際には、開口部11とほぼ平行方向に差し込む(矢印Mで示す)動作と、第1アンカー片31及び第2アンカー片32が接続されたボルト4の先端部4aを挿入する際の押し込みながらの一方向の回転(矢印Nで示す)動作だけで容易に挿入することができる。
【0054】
そして、図8に示すように、第1アンカー片31及び第2アンカー片32からなるアンカー部3を面材1の裏面側に完全に位置させる。そして、開口部11の略中心をボルト4が挿通した状態とする。このとき、第2アンカー片32では、先端部32bとともに、基端部の延出部34が、ボルト4を挟んで先端部32bと反対側の面材1の裏面17部分、つまり、面材1の裏面側の開口縁部分で当接可能となる。これにより、面材1の裏面側に配置されたアンカー部4は表面側に抜けにくくなっている。
次いで、図9に示すように、調整スペーサ50及びスペーサ部5を開口部11に挿入して、該開口部11内に配置し、当該開口部11を閉塞する。このとき、スペーサ部5はボルト4に螺合した状態で外嵌していることから、周方向に回転させることでボルト4の先端部4a方向に移動させる。そして、この回転移動によりフランジ部54を開口部11の表面側の縁部に当接させることで、調整スペーサ50及びスペーサ部5により開口部11は閉塞された状態となり、物品固定具2の仮止めが行われる。なお、調整スペーサ50は、スペーサ部5の移動によりボルト4の先端部4a側に押されて移動する。また、このスペーサ部5を面材1の表面側から裏面側に移動させる作業は、特殊スパナ44を用いて行ってもよい。すなわち、面材1の表面側において、ナット6を外して、スペーサ部5が取り付けられたボルト4に、特殊スパナ44(図5(d)参照)の挿通孔44eを挿通させ、突出棒44a,44aをスペーサ部5の底板部5cの穴56,56に挿入して、特殊スパナ44をボルト4の軸を中心に回動させることでスペーサ部5を裏面側に移動させていく。
【0055】
また、このスペーサ部5を開口部11に挿入する作業の際には、面材1の裏面17側で第2アンカー片32の先端部32bと、基端部32b側の延出部34とを面材1の裏面17に当接させることができるので、ボルト4を表面側に引きながら行うことで、ボルト4を、上下左右の位置を決めることができ、スペーサ部5を開口部11に挿入する作業を安定した状態で容易に行うことができる。さらに、スペーサ部5を表面側に移動させて、フランジ部54を面材1の表面側の開口縁部に当接させる。なお、フランジ部51が表面13側の開口縁部に当接しない場合は、スペーサ部5を特殊スパナ44を用いて、さらに裏面側に移動させて、の先端を第2アンカー片32の基端部32aに当接させ、縮小部51を潰すことで当接させてもよい。これにより、第2アンカー片32の先端部32b及び延出部34と、フランジ部54とで面材1を表裏側からそれぞれ挟んだ状態となり、物品固定具2は、第1及び第2アンカー片31,32とが重なり合った状態でも面材1に安定した状態で仮固定される。
【0056】
次いで、面材1の表面側において、ナット6を回転させて、ボルト4の基端部4bを作業者が指でつかめる位置まで、ボルト4の先端部4a側に移動させ、ボルト4の基端部4bに回転操作部Kを形成する(図10参照)。
この回転操作部Kを介してボルト4を表面側から回転させることで第1アンカー片31を所定の角度、ここでは180°回転させて、アンカー部3を開き(図11参照)、第1アンカー片31の切欠部35と第2アンカー片32の係合突起36とが係合するように、ボルト4を手前側、つまり表面側に引っ張ることで、切欠部35及び係合突起36とを係合させる。
【0057】
なお、ボルト4を回転操作することで第1アンカー片31及び第2アンカー片32とを所定角度に開かせる際に、ボルト4を軽く手前側に引いたり、戻したりしながら行うことで切欠部35と係合突起36とを係合させることが好ましい。つまり、ボルト4を所定角度回転させた後で、手前側にボルト4を引くことで、ボルト4自体が手前側に移動しない場合は、面材1の裏面側では係合突起36が第1アンカー片31の基端部31aの裏面に当接している状態であるので、まだ、完全に開いていないことが確認できる。ボルト4自体が手前側に移動した場合は、係合突起36が第1アンカー片31の切欠部35に係合した状態であることが確認できる。さらに、完全に第1アンカー片31及び第2アンカー片32が180度開いている状態であるかどうかの確認は、更にボルト4を回転させることで確認できる。また、このボルト4の回転操作中では、第2アンカー片32の先端部32b及び延出部34と、フランジ部54とで、第2アンカー片32及びスペーサ部5は仮止めされた状態となっており、ボルト4を回転させることで一体的に回転する第1アンカー片31の回転動作を容易に安定して行うことができるものとなっている。これにより、アンカー部3における第1アンカー片31及び第2アンカー片32の相対的な回転動作を容易に行うことができる。
【0058】
ここで、切欠部35に係合突起36が係合していない場合は、ボルト4によって回動するのは第1アンカー片31のみであるが、両者が係合している状態であるときは、ボルト4の回転により第1アンカー片31が回転すると共に、係合突起36が切欠部35に係合した第2アンカー片32も回転する。つまり、切欠部35と係合突起36との係合状態によりボルト4による第1アンカー片31の単独回転は抑止され、アンカー部3が開いた状態が保持されるので、その状態でボルト4を回転させようとすると、第1アンカー片31を回動させる力に加えて、第2アンカー片32を回動させる力を加える必要が生じる。
これにより、作業者はボルト4を回転させる際に、回転させる際に感じる重さにより、面材1の裏面17側で、アンカー部3が開いている状態であることを面材1の表面13側から確認することができる。
図10では切欠部35と係合突起36とが係合した状態を示している。このとき、第1アンカー片31の当接面311及び第2アンカー片32の当接面321はそれぞれ略同一平面上に配置されるとともに、それぞれ面材1の裏面17に面接触の状態で当接される。
【0059】
次いで、ナット6をスペーサ部5に接するまで回転移動させた後、図12に示すように、ボルト4を手前側(面材の表面側)に引っ張り続けた状態で、特殊スパナ44を用いてスペーサ部5を回し、さらに、スパナによりナット6を回し、面材1から手前側に突出するボルト4が所定の長さ(出寸法)になるまで締め付ける。
次いで、図13に示すように、特殊スパナ44やナット6をボルト4から外した後、面材1の表面13から突出したボルト4部分に基端部4bから手摺用ブラケット8の固定部81に形成された貫通孔82を挿通させて、固定部81が挿通されたボルト4に、先に外したナット6を再び螺合し、締め付ける。
【0060】
このナット6の締め付けにより、ボルト4が連結している第1アンカー片31及び第2アンカー片32と、固定部81とに面材1が挟まれた状態となり、スペーサ部5には軸方向にアンカー部3への押圧がかかるとともに、アンカー部3を構成する第1アンカー片31及び第2アンカー片32のそれぞれの基端部31a,32aが、ボルト4を介して、ボルト4の基端部側に引っ張られた状態、つまり基端部31a,32aがボルト4を介して面材側に引っ張られた状態となる。これらの作用により、縮小部51は軸方向から上下面に外圧がかかることとなり軸方向にさらに潰れ、スペーサ部5自体の軸方向の長さが縮小し、第1アンカー片31及び第2アンカー片32と固定部81とが面材1を強固に挟持した状態となり、よって、固定部81は面材1の表面13に押しつけられた状態で固定される。
【0061】
また、ナット6を締め付けることで、第1アンカー片31及び第2アンカー片32では、面材1の裏面17に当接されたそれぞれの先端部31b,32bの当接面311,321は、それぞれ基端部31a,32aの裏面より面材1の裏面側に位置していることから、全面的に面材1の裏面17を押圧し、全面的に裏面17に当接されたものとなる。よって、アンカー部3は確実に面材1の裏面に固着された状態となる。
さらに、固定部81の固定面81aに形成された座掘部85内に面材1の表面13から若干突出するフランジ部54が配置されることとなり、固定部81の固定面81aは面材1の表面13に確実に当接した状態となる。
【0062】
このように、上記実施の形態によれば、開口部11に挿通されるボルトと、ボルト4に接続され且つ、面材1の裏面17側に配置されるアンカー部3が、第1アンカー片31及び第2アンカー片32とを備えるので、第1アンカー片31及び第2アンカー片32を互いに重なった状態で先端部31b,32b側から開口部11より面材1の裏面17側に挿入して、開口部11に挿通されたボルト4を表面側で軸廻りに回転させることで相対的に回転させて略180°開かせるとともに、ボルト4を表面13側に引くことで、第1アンカー片31及び第2アンカー片32どうしにそれぞれ形成された係合部36と被係合部35とが互いに係合することで、第1アンカー片31及び第2アンカー片32どうしの相対的な回転が抑止された状態、すなわち、両羽根部31,32が開いた状態が保持され、この状態で面材1の裏面17に当接させることができる。
【0063】
そして、面材1の表面13側において、ボルト4に手摺用ブラケット8を取り付けることで、ボルト4を介して、略180°開いた第1アンカー片31及び第2アンカー片32とで面材1を強固に挟持することができ、手摺用ブラケット8を面材1に確実に強固に固定することができ、壁面構成部材等を構成する面材に、手間がかからず容易に取り付けることができるとともに、面材に設けられた開口部から挿入して面材の裏面側に配置されるアンカー部3を介して面材1に、手摺用ブラケット8を確実に支持させるように固定することができる。
【0064】
また、第1アンカー片31及び第2アンカー片32は、それぞれ開口部11に挿入可能な幅を有する長尺な直線状の平板状部材からなるので、これら第1アンカー片31及び第2アンカー片32を重ね合わせて面材1の開口部11内に、先端部31b,32b側から容易に挿入することができるとともに、面材1の裏面17側で開かせた状態のときには、面接触にて面材1の裏面17に当接させることができ、ボルトを介して該ボルトに取り付けられる手摺用ブラケット8とで面材1を挟持した際に、手摺用ブラケット8を支持する支持力を面材1から確実に得ることができる。また、スペーサ部5には、開口部11に挿入された際に、当該開口部11の表面側の縁部に係止されるフランジ部が形成されているので、2枚の羽根部を備えるアンカー部3を開口部11を介して面材1の裏面17側に配置した後で、ボルトを介して第1アンカー片31及び第2アンカー片32を略180°開き、面材1の裏面に当接させた状態で、スペーサ部5を面材1側に押圧して開口部11内に挿入することで、開口部11を略完全に閉塞することができる。
【0065】
なお、以上の実施の形態においては、上記面材1は合板15と石膏ボード16とからなるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、石膏ボードのみを物品が取り付けられる面材としてもよい。この場合、物品固定具2において調整スペーサ50を外して使用する。また、開口部の径等も任意であり、その他、具体的な構成等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0066】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、前記開口部に挿通されるボルトに接続され且つ、前記面材の裏面側に配置されるアンカー部が、前記2枚の羽根部を備えるので、前記2枚の羽根部を互いに重なった状態で先端部側から前記開口部より前記面材の裏面側に挿入した後で、前記開口部に挿通された前記ボルトを表面側で軸廻りに回転させることで相対的に回転させて所定角度開かせて、前記ボルトを表面側に引き、前記2枚の羽根部どうしにそれぞれ形成された係合部と被係合部とを互いに係合させることで、前記2枚の羽根部どうしの相対的な回転が抑止された状態、すなわち、両羽根部が開いた状態が保持されたままの状態で前記面材の裏面に当接させることができる。つまり、表面側からのボルトの回動操作でも、ボルトをある程度回転させて引いた際にボルトを引けない場合は、前記係合部と被係合部とは係合されていない状態であり、引けた場合は両者が係合しているものと判断することができ、前記表面側からでも前記2枚の羽根部が所定角度開いた状態であるか否かを確認することができ、裏面側で2枚の羽根部を所定角度開かせる作業を容易に行うことができる。
【0067】
このように前記2枚の羽根部を所定角度開いて保持させた状態で、前記面材の表面側において、前記ボルトに物品を取り付けることで、前記ボルトを介して、所定角度開いた2枚の羽根部とで前記面材を強固に挟持することができ、物品を前記面材に確実に強固に固定することができる。よって、壁面構成部材等を構成する面材に、手間がかからず容易に取り付けることができるとともに、面材に設けられた開口部から挿入して面材の裏面側に配置されるアンカー部を介して面材に、物品を確実に支持させるように固定することができる。
【0068】
また、2枚の羽根部は、それぞれ前記開口部に挿入可能な幅を有する長尺な直線状の平板状部材からなるので、これら2枚の羽根部を重ね合わせて前記面材の開口部内に、先端部側から容易に挿入することができるとともに、前記面材の裏面側で開かせた状態のときには、面接触にて前記面材の裏面に当接させることができ、前記ボルトを介して該ボルトに取り付けられる物品とで前記面材を挟持した際に、前記物品を支持する支持力を前記面材から確実に得ることができる。さらに、前記ボルトには、前記アンカー部と物品との間に介在されるスペーサ部が設けられているので、このスペーサ部により、前記アンカー部と前記物品とで挟持される面材の開口部を閉塞することができる。
【0069】
加えて、前記スペーサ部には、前記開口部に挿入された際に、当該開口部の表面側の縁部に係止されるフランジ部が形成されているので、前記2枚の羽根部を備えるアンカー部を前記開口部を介して前記面材の裏面側に配置した後で、前記ボルトを介して前記2枚の羽根部を所定角度開き、前記面材の裏面に当接させた状態で、前記スペーサ部を前記面材側に押圧して前記開口部内に挿入することで、前記開口部を略完全に閉塞することができる。また、前記スペーサ部は、前記ボルトに該ボルトの軸方向に移動自在に螺合されているので、前記2枚の羽根部を備えるアンカー部を前記開口部を介して前記面材の裏面側に配置した後で、前記ボルトを介して前記2枚の羽根部を所定角度開き、前記面材の裏面に当接させた状態で、前記スペーサ部を前記面材側に移動させて、前記フランジ部を前記開口部の表面側の縁部に当接させることで、前記面材に対する物品固定具の仮固定を行うことができる。これにより、ボルトに表面側で物品を取り付ける際の作業を容易に行うことができる。
また、このスペーサ部は、前記アンカー部側への軸方向の外力により押圧されることで軸方向に縮むように形成されているので、前記2枚の羽根部を備えるアンカー部を前記開口部を介して前記面材の裏面側に配置し、前記ボルトを介して前記2枚の羽根部を所定角度開き、前記面材の裏面に当接させるとともに、前記スペーサ部を前記開口部内に挿入した後で、前記ボルトに物品を取り付けることで、該物品と前記2枚の羽根部とで面材を挟持させる際に、前記スペーサ部に前記物品の前記面材側への力が加わるとともに、前記アンカー部側から軸方向に外力が加わることで縮み、前記物品は前記面材の表面に確実に密着した状態となるとともに、前記アンカー部とで確実に固定された状態となる。
【0070】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、2枚の羽根部がそれぞれ備える前記当接面が、前記2枚の羽根部が前記ボルトに接続された基端部より、ボルトの基端部側に配置されているので、ボルトを介して該ボルトに表面側で取り付けられた物品とで前記面材を挟持する際に、前記2枚の羽根部にはボルトを介して前記面材の表面側に引かれることとなり、その際、前記当接面を前記面材の裏面に完全に密着させることができる。よって、前記物品を前記面材に確実に支持固定させることができる。
【0072】
請求項記載の発明によれば、請求項1または2記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、物品固定具を面材に取り付ける際に、前記アンカー部の有する2枚の羽根部を前記開口部に挿入して、前記面材の裏面側に配置させるとともに前記ボルトを前記開口部に挿通させた後、前記延出部を前記先端部とともに前記面材の裏面に当接可能となり、物品を固定するために物品固定具を前記面材に取り付け作業中に、前記面材の裏面側に配置させたアンカー部のうち、前記他方の羽根部において、前記先端部と延出部とが、前記ボルトに回転自在に挿通された前記基端部を挟んで前記面材の裏面に当接することで、前記アンカー部が前記表面側に抜けにくくなり、前記スペーサ部を前記開口部内に挿入したり、物品を前記ボルトに前記面材の表面側で取り付けたり等の物品を固定するための作業を容易に行うことができる。
また、前記スペーサ部を前記開口部に挿入した際に、前記延出部が、前記面材の裏面に当接可能に前記基端部に形成されていれば、前記スペーサ部を前記アンカー部側にねじ込むことで前記フランジ部を前記面材の表面側の開口縁部に当接させて、前記延出部は前記先端部とともに前記フランジ部とで前記面材を挟持することができ、これにより、前記物品固定具2は仮止めされ、前記一方の羽根部を回転させて2つの羽根部を開く作業や、前記ボルトに物品を取り付ける作業等を容易に行うことができる。
【0073】
請求項記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明と同様の効果を得ることができるとともに、前記物品はその支持力を、ボルトと、所定角度開いた状態で且つ前記面材に当接した前記2枚の羽根部とを介して面材から得ることができ、前記スペーサ部により前記開口部を閉塞した状態で、前記物品を、前記面材に強固に固定された状態とすることがができる。
【0074】
請求項記載の発明によれば、前記面材に形成された前記開口部に、前記2枚の羽根部を互いに重ねた状態で、先端部側から挿入して前記アンカー部を前記面材の裏面側に配置するとともに、前記開口部に前記ボルトを挿通し、次いで、前記スペーサ部を前記開口部内に配置し、次いで、前記面材の表面側から前記ボルトを軸回りに回転させることで前記2枚の羽根部を、相対的に回転させて所定角度で開いた状態とし、次いで、前記ボルトを前記面材の表面側に引くことで、前記2枚の羽根部どうしの係合部と被係合部とを係合させて、前記2枚の羽根部を前記面材の裏面に当接させ、次いで、前記スペーサ部に隣接するように前記面材の表面側で前記ボルトに物品を取りつけて、前記ボルトを介して前記物品と前記アンカー部とで前記面材を挟持することで前記スペーサ部を軸方向に縮ませるので、前記物品を前記面材に固定するための物品固定具を前記面材に、前記2枚の羽根部を確実に開かせて前記面材の裏面に当接させた状態で容易に取り付けることができるとともに、取り付けられた2枚の羽根部と、前記物品とともに前記面材を強固に挟持することで、前記物品を前記面材に確実に固定することができる。
【0075】
また、前記2枚の羽根部と前記物品とで前記面材を挟持する際に、前記2枚の羽根部と前記物品との間に介在するスペーサ部は、前記物品の前記アンカー部側に引き寄せられる力により軸方向に縮ませられるので、前記スペーサ部は前記物品及びアンカー部とで挟まれる前記面材の前記開口部に対応する厚みとなり、前記開口部を確実に閉塞された状態とすることができる。
【0076】
請求項記載の発明によれば、前記面材の開口部に、前記2枚の羽根部を互いに重ねた状態で、先端部側から挿入して前記アンカー部を前記面材の裏面側に配置するとともに、前記開口部に前記ボルトを挿通した際に、前記面材の裏面側に配置されたアンカー部の互いに重なった状態の2枚の羽根部のうち他方の羽根部2は、その先端部とともに、基端部に設けられた延出部を前記面材の裏面に当接可能となっており、次いで、前記ボルトが挿通されたスペーサ部を前記開口部内に配置する際に、前記他方の羽根部の先端部及び延出部とが前記面材の裏面に当接することで、アンカー部自体が前記面材の表面に抜けにくくなるので、前記スペーサ部の前記開口部への配置作業を容易に行うことができる。
【0077】
そして、前記面材の表面側から前記ボルトを軸回りに回転させることで前記2枚の羽根部を、相対的に回転させて所定角度で開いた状態とし、前記ボルトを前記面材の表面側に引くことで、前記係合部と前記被係合部とを係合させて、前記2枚の羽根部を前記面材の裏面に当接させ、次いで、前記スペーサ部に隣接させて前記面材の表面側で前記ボルトに物品を取りつけて、前記ボルトを介して前記物品と前記アンカー部とで前記面材を挟持することで、前記物品を前記面材に固定できる。また、前記面材に固定された物品は、前記面材の裏面に前記一方の羽根部の先端部と、前記他方の羽根部の先端部とともに他方の羽根部の延出部とが当接していることから、前記面材から確実に支持力を得た状態で強固に固定されたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の物品固定具を用いて手摺用ブラケットを壁に固定した状態を示す図である。
【図2】図1に示す物品固定具の全体斜視図である。
【図3】本発明を適用した一実施の形態の物品固定具の要部構成を示す分解図である。
【図4】本発明を適用した一実施の形態の物品固定具のアンカー部を示す図であり、(a)は第1アンカー片の平面図、(b)は同側面図、(c)は第2アンカー片の平面図、(d)は同側面図である。
【図5】本発明を適用した一実施の形態の物品固定具のスペーサ部を示す図であり、(a)はスペーサ部の断面図、(b)は同側面図、(c)は同平面図、(d)はスペーサ部と該スペーサ部に取り付けられる特殊スパナの斜視図である。
【図6】同物品固定具を用いて面材に手摺用ブラケットを取り付ける手順を示す図であり、(a)は面材に開口部を形成した状態を示す図、(b)は開口部に挿入される物品固定具の状態を示す図である。
【図7】物品固定具を用いて面材に手摺用ブラケットを取り付ける手順を示す図である。
【図8】同物品固定具を用いて面材に手摺用ブラケットを取り付ける手順を示す図である。
【図9】同物品固定具を用いて面材に手摺用ブラケットを取り付ける手順を示す図である。
【図10】同物品固定具を用いて面材に手摺用ブラケットを取り付ける手順を示す図である。
【図11】同面材の裏面において、第1アンカー片31及び第2アンカー片32とが開いた状態を示す図である。
【図12】同物品固定具を用いて面材に手摺用ブラケットを取り付ける手順を示す図である。
【図13】同物品固定具を用いて面材に手摺用ブラケットを取り付ける手順を示す図である。
【符号の説明】
1 面材
2 物品固定具
3 アンカー部
4 ボルト
5 スペーサ部
6 ナット
8 手摺用ブラケット(物品)
11 開口部
13 石膏ボードの表面(面材の表面)
15 合板
16 石膏ボード
17 合板の裏面(面材の裏面)
31 第1アンカー片(一方の羽根部)
31a 第1アンカー片の基端部(一方の羽根部の基端部)
31b 第1アンカー片の先端部(一方の羽根部の先端部)
32 第2アンカー片(他方の羽根部)
32a 第2アンカー片の基端部(他方の羽根部の基端部)
32b 第2アンカー片の先端部(他方の羽根部の先端部)
34 延出部
35 切欠部(被係合部)
36 係合突起(係合部)
51 縮小部
52a リブ
54 フランジ部
311 当接面
321 当接面

Claims (6)

  1. 面材に形成された開口部より挿入され、前記面材の裏面側に配置されるアンカー部と、該アンカー部に接続され、前記開口部に挿通されるボルトと、該ボルトが挿通されるとともに前記開口部に挿入され、当該開口部を閉塞するスペーサ部とを有し、前記ボルトに前記面材の表面側で物品が取りつけられることで前記ボルトを介して前記物品と前記アンカー部とで前記面材を挟持して前記物品を面材に固定する物品固定具において、
    前記アンカー部は、互いに重なった状態で先端部側から前記開口部より前記面材の裏面側に挿入されるとともに、それぞれの基端部が前記ボルトに接続され、前記ボルトを軸廻りに回転させることで相対的に回転して開き、それぞれの先端部が前記面材の裏面に当接可能な2枚の羽根部を備え、
    前記2枚の羽根部は、それぞれ前記開口部に挿入可能な幅を有する長尺な直線状の平板状部材からなるとともに、前記2枚の羽根部どうしには、当該2枚の羽根部が所定角度で開いた状態で前記ボルトを表面側に引くことで互いに係合し、前記2枚の羽根部どうしの相対的な回転を抑止する係合部及び被係合部が形成され、
    前記スペーサ部は、前記ボルトに、該ボルトの軸方向に移動自在に螺合されるとともに、前記開口部に挿入された際に、当該開口部の表面側の縁部に係止されるフランジ部を備えており、
    このスペーサ部は、前記アンカー部側への軸方向の外力により押圧されることで軸方向に縮むように形成されていることを特徴とする物品固定具。
  2. 2枚の羽根部の先端部は、それぞれ前記面材の裏面に当接する当接面を備え、
    前記当接面は、前記2枚の羽根部が前記ボルトに接続された基端部より、ボルトの基端部側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の物品固定具。
  3. 2枚の羽根部のうちの一方の羽根部の基端部は、前記ボルトに、前記一方の羽根部が前記ボルトと一体回転するように固定され、他方の羽根部の基端部は前記ボルトに回転自在に挿通されて、前記一方の羽根部に対して相対回転可能とされてなり、
    前記他方の羽根部の基端部には、先端方向と逆方向に延出され、前記面材に形成された開口部に挿入されて前記面材の裏面側に配置された際に、前記他方の羽根部の先端部とともに前記裏面に当接可能な延出部が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の物品固定具。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の物品固定具により物品を面材に固定した物品の固定構造において、
    前記係合部及び被係合部が係合した前記アンカー部の2枚の羽根部が所定角度開いた状態で前記面材の裏面に当接され、
    前記2枚の羽根部の基端部に接続されたボルトが前記開口部に挿通され、
    前記ボルトが挿通された前記スペーサ部が、そのフランジ部を前記開口部の表面側の縁部に係止させた状態で前記開口部内に挿入され、
    前記ボルトに、前記面材の表面側で物品が取り付けられ、
    前記ボルトを介して前記物品と前記アンカー部とで前記面材を挟持することで、前記物品は前記面材に固定されていることを特徴とする物品の固定構造。
  5. 請求項記載の物品固定具を用いて面材に物品を固定する物品の固定方法において、
    前記面材に開口部を形成し、
    次いで、前記開口部に、前記2枚の羽根部を互いに重ねた状態で、先端部側から挿入して前記アンカー部を前記面材の裏面側に配置するとともに、前記開口部に前記ボルトを挿通し、
    次いで、前記ボルトが挿通されたスペーサ部を前記開口部内に配置し、
    次いで、前記面材の表面側から前記ボルトを軸回りに回転させることで前記2枚の羽根部を、相対的に回転させて所定角度で開いた状態とし、
    次いで、前記ボルトを前記面材の表面側に引くことで、前記2枚の羽根部どうしの係合部と被係合部とを係合させて、前記2枚の羽根部を前記面材の裏面に当接させ、
    次いで、前記ボルトに、該ボルトが挿通された前記スペーサ部に隣接するように前記面材の表面側で物品を取りつけて、前記ボルトを介して前記物品と前記アンカー部とで前記面材を挟持することで前記スペーサ部を軸方向に縮ませることを特徴とする物品の固定方法。
  6. 請求項記載の物品固定具を用いて面材に物品を固定する物品の固定方法において、
    前記面材に開口部を形成し、
    次いで、前記開口部に、前記2枚の羽根部を互いに重ねた状態で、先端部側から挿入して前記アンカー部を前記面材の裏面側に配置して、前記アンカー部の他方の羽根部の先端部及び当接部を前記開口部縁部にそれぞれ当接させるとともに、前記開口部に前記ボルトを挿通し、
    次いで、前記ボルトが挿通されたスペーサ部を前記開口部内に配置し、
    次いで、前記面材の表面側から前記ボルトを軸回りに回転させることで前記2枚の羽根部を、相対的に回転させて所定角度で開いた状態とし、
    次いで、前記ボルトを前記面材の表面側に引くことで、前記2枚の羽根部どうしの係合部と被係合部とを係合させて、前記2枚の羽根部を前記面材の裏面に当接させ、
    次いで、前記ボルトに、該ボルトが挿通された前記スペーサ部に隣接するように前記面材の表面側で物品を取りつけて、前記ボルトを介して前記物品と前記アンカー部とで前記面材を挟持することを特徴とする物品の固定方法。
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