JP4190096B2 - パイプ支持バンドの固定構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パイプを抱持する2つ割バンド本体の一対の取付片部で足部材を挟み込み、両者を固着するパイプ支持バンドの固定構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は、従来のパイプ支持バンドの固定構造を示す斜視図である。
【0003】
このパイプ支持バンドの固定構造は、2つ割バンド本体101でパイプPを抱持するとともに、上記2つ割バンド本体101の一対の取付片部102,102で足部材103を挟み込み、上記一対の取付片部102,102及び足部材103に各々形成した孔部102a,103aを重合させ、上記孔部102aの一方からボルト104を貫通し、その他方をナット105で締結して、上記パイプ支持バンド100を壁等に固定する構造としている。
【0004】
上記したパイプ支持バンドの固定構造は、その他にも種々存在するが、いずれの固定構造においても、上記パイプ支持バンド100を壁等に固定するため、ボルト104及びナット105を螺合させて固定する構造が採られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この固定構造では、ボルト104又はナット105を螺合するための、スパナやラチェットなど、これを締結するための治具を必要とする。
【0006】
一方、パイプ支持バンドを固定する作業現場は、高所且つ狭い場所で行うことも多いため、作業者が携帯する作業道具はできる限り最小限であることが望ましく、上記治具を誤って落下するば大きな事故となる。
【0007】
本発明は、このような課題を解決することを目的とし、ボルト及びナットを用いることなくパイプ支持バンドを壁等に確実に固定する新しいパイプ支持バンドの固定構造を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係るパイプ支持バンドの固定構造は、パイプを抱持する2つ割バンド本体の一対の取付片部で足部材を挟み込み、両者を固着するパイプ支持バンドの固定構造において、
上記一対の取付片部及び足部材には、重合する貫通孔部を各々形成し、この貫通孔部を貫通する貫通脚部を備えた連結体と、該連結体と別部材であって、上記連結体の先端側に回動自在に枢支され且つその回動操作により連結体の基端側を取付片部に圧着させるレバー体とからなり、上記レバー体の回動操作により、足部材を挟み込んだ一対の取付片部を、上記連結体で圧着してこれを固着している。
【0009】
請求項1では、ボルト及びナットを用いることなくパイプ支持バンドを壁等に確実に固定する構造を提供する。
【0010】
つまり、上記連結体は、これと別部材であるレバー体を枢支し、このレバー体を手で回転することによって、上記取付片部を圧着し、この取付片部が上記足部材を挟み込んだ状態で固着する構造としている。
【0011】
ここで、「回動自在に枢支」とは、上記レバー体が連結体の先端側で回動自在に取り付けられていることを意味し、この枢支する手段には、一般に回転軸と、この回転軸の回転中心を保持する軸受部があればよい。
【0012】
したがって、ボルト,ナットなどのようなスパナ等の治具が無くてもパイプ支持バンドを確実に固定することができる。
【0013】
請求項2に係るパイプ支持バンドの固定構造は、請求項1において、上記貫通孔部は、縱長孔であって、上記取付片部及び足部材の長手方向に2箇所以上を形成しており、上記連結体は、この貫通孔部に貫通する2以上の板状の貫通脚部を備え、両貫通脚部の基端側は、板片で連結した略コ字状に形成している。
【0014】
請求項2では、2以上の貫通脚部を備えるので、これを連結体が貫通した後には上記取付片部及び足部材が回動することがないため、連結体を差し込むだけで仮止めできる。
また、この仮止めした後で、上記レバー部を回転することができるので、作業性を高めることができる。
【0015】
請求項3に係るパイプ支持バンドの固定構造は、 請求項1において、上記取付片部に形成した貫通孔部は、縱長孔であって、その長手方向に2箇所以上を形成しており、上記足部材に形成した貫通孔部は、上記縱長孔が連続した横長孔であって、その長手方向に1箇所を形成している。
【0016】
請求項3では、上記足部材に対する取付片部の固定位置を調節できる。
【0017】
請求項4に係るパイプ支持バンドの固定構造は、請求項3において、上記横長孔の対向する横方向端面を略鋸歯状に形成している。
【0018】
請求項4では、請求項3における固定をより確実に行なうことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るパイプ支持バンドの固定構造を図面に従って説明する。
図1は、本発明に係るパイプ支持バンドの固定構造の一例を示す斜視図である。
【0020】
このパイプ支持バンドAは、パイプPを抱持する拡開自在なバンド部10,10の基端に一対の取付片部11,11を連設した2つ割バンド本体1の上記一対の取付片部11,11で足部材2を挟み込み、両者を固着するパイプ支持バンドの固定構造であって、上記一対の取付片部11,11には、貫通孔部11aを対向する位置に形成し、且つ、上記足部材2の足本体21には、上記貫通孔部11aと重合する位置に同様の貫通孔部21aを形成する。
【0021】
本実施例では、上記貫通孔部11aは、図示のような縱長孔に形成し、上記取付片部11,11の長手方向に2箇所以上を形成している。
【0022】
また、上記足本体21の貫通孔部21aにも、同様に2個の縦長孔を形成することで、上記貫通孔部11aと重合させている。
【0023】
図中3は、上記貫通孔部11a,21aを貫通する貫通脚部31を備えた連結体である。この連結体3は、上記貫通孔部11a,21aを貫通する2つの板状の貫通脚部31,31を備え、両貫通脚部31,31の基端側は、板片32が連結した略コ字状に一体的に形成している。
【0024】
また、上記貫通脚部31,31には、上方に開放させて切欠いた軸受け部31a,31aを対向させて形成している。
【0025】
図中4は、上記連結体3と別部材で形成したレバー体である。
【0026】
このレバー体4は、断面コ字状の杆体とした把持部41の基端に、これと一体成形した回動規制部42を設け、この回動規制部42の回転中心には左右に延設した回転軸43を形成している。
【0027】
図2は、本発明に係るパイプ支持バンドの固定構造の要部を示す側面図である。
上記レバー体4における回転規制部42は、上記回転軸43を中心とした円弧部分43aを、基端から上記把持部41にかけて、徐々に回転軸43からの距離を長くした円弧状に形成している。
【0028】
すなわち、上記回転軸43を中心とした半径rは、図中破線で示しているが、上記円弧部分43aは、基端から把持部41にかけてこの半径rが徐々に大きくなるように形成している。
【0029】
上記固定構造によるパイプ支持バンドの取付作業の要領を説明する。
【0030】
図3(a)〜(c)及び図4(d)〜(f)は、パイプ支持バンドの固定要領を示す工程図である。
【0031】
先ず、足部材2の基端を壁等に固定し、足本体21を前方に突出させる。
次に、2つ割りバンド本体1を開いて両バンド部10、10でパイプPを抱持し、これを閉じる際に、一対の取付片部11,11で上記足部材2の足本体21を挟み込む〔図3(a)参照〕。
【0032】
このとき、上記取付片部11の貫通孔部11aと、足部材2の貫通孔部21aを重合させる。
【0033】
次いで、上記連結体3の貫通脚部31,31を上記貫通孔部11aの一側から貫通させ、上記一対の取付片部11,11と足部材2とを仮止めする〔図3(b)参照〕。
【0034】
上記貫通孔部11aの他側には、図3(c)に示すように、上記貫通脚部31の軸受け部31aが突出した状態となっている。
【0035】
この軸受け部31aに、上記レバー体4の回転軸43を嵌め込んで、上記連結体3とレバー体4を一体化させる〔図3(c),図4(d)参照〕。
【0036】
そして、このレバー体4の把持部41を把持し、これを図中矢印で示すように下方向に回転すれば、このレバー体4の円弧部分43aは、回転に伴って他側の取付片部11における外面に接合する〔図4(e)参照〕。
【0037】
これをさらに回転させれば、上記レバー体4の円弧部分43aが、上記他側の取付片部11を外面から押圧するとともに、一側の取付片部11は、上記連結体3の板片32によって規制されているため、上記一対の取付片部11,11で足部材2の足本体21を締め付けながら固定でき、その作業を終える〔図4(f)参照〕。
【0038】
図5(a),(b)は、本発明に係る固定構造の他の実施例を示す斜視図である。
【0039】
図5(a)の実施例では、上記足部材2に形成した貫通孔部21aを、上記縱長孔11aが連続した横長孔であって、その長手方向に1箇所を形成している。このような貫通孔部21aを形成すれば、パイプ支持バンドPの取付けに際して、上記足部材2に対する取付片部11の固定位置を調節することができる。
【0040】
また、図5(b)の実施例では、図5(a)で示した上記足部材2に形成した貫通孔部21aを、上記縱長孔11aが連続した横長孔であって、その長手方向に1箇所を形成している。このような貫通孔部21aを形成すれば、パイプ支持バンドPの取付けに際して、上記足部材2に対する取付片部11の固定位置を調節することができることに加え、その固定をより確実に行なうことができる。
【0041】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係るパイプ支持バンドの固定構造によれば、上記連結体は、これと別部材であるレバー体を枢支し、このレバー体を手で回転することによって、上記取付片部を圧着し、この取付片部が上記足部材を挟み込んだ状態で固着する構造としているので、ボルト及びナットを用いることなくパイプ支持バンドを壁等に確実に固定することができる。
【0042】
したがって、作業者が、上記ボルトやナットを締結するための治具を作業現場に携帯する必要がなく、上記治具を誤って落下させる危険がない。
【0043】
また、請求項2に係る発明によれば、2以上の貫通脚部を備えるので、これを連結体が貫通した後には上記取付片部及び足部材が回動することがないため、連結体を差し込むだけで仮止めができ、その作業性を高めることができる。
【0044】
請求項3に係る発明によれば、上記足部材に対する取付片部の固定位置を調節することができる。
【0045】
さらに、請求項4に係る発明によれば、請求項3の効果に加え、上記足部材に対する取付片部の確実な固定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパイプ支持バンドの固定構造の一例を示す斜視図
【図2】本発明に係るパイプ支持バンドの固定構造の要部を示す側面図
【図3】(a)〜(c)は、パイプ支持バンドの固定要領を示す工程図
【図4】(d)〜(f)は、パイプ支持バンドの固定要領を示す工程図
【図5】(a),(b)は、本発明に係る固定構造の他の実施例を示す斜視図
【図6】従来のパイプ支持バンドの固定構造を示す斜視図
【符号の説明】
A パイプ支持バンドの固定構造
P パイプ支持バンド
1 バンド本体
2 足部材
3 連結体
4 レバー体
11 取付片部
31 貫通脚部
11a,21a貫通孔部
43a円弧部分
Claims (4)
- パイプを抱持する2つ割バンド本体の一対の取付片部で足部材を挟み込み、両者を固着するパイプ支持バンドの固定構造において、
上記一対の取付片部及び足部材には、重合する貫通孔部を各々形成し、この貫通孔部を貫通する貫通脚部を備えた連結体と、
該連結体と別部材であって、上記連結体の先端側に回動自在に枢支され且つその回動操作により連結体の基端側を取付片部に圧着させるレバー体とからなり、
上記レバー体の回動操作により、足部材を挟み込んだ一対の取付片部を、上記連結体で圧着してこれを固着するパイプ支持バンドの固定構造。 - 請求項1において、
上記貫通孔部は、縱長孔であって、上記取付片部及び足部材の長手方向に2箇所以上を形成しており、
上記連結体は、この貫通孔部に貫通する2以上の板状の貫通脚部を備え、両貫通脚部の基端側は、板片で連結した略コ字状に形成しているパイプ支持バンドの固定構造。 - 請求項1において、
上記取付片部に形成した貫通孔部は、縱長孔であって、その長手方向に2箇所以上を形成しており、
上記足部材に形成した貫通孔部は、上記縱長孔が連続した横長孔であって、その長手方向に1箇所を形成しているパイプ支持バンドの固定構造。 - 請求項3において、
上記横長孔の対向する横方向端面を略鋸歯状に形成しているパイプ支持バンドの固定構造。
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