JP2003230439A - 天袋用キャビネットの壁への取付具、及び該取付具を用いた天袋用キャビネットの壁への取付構造 - Google Patents

天袋用キャビネットの壁への取付具、及び該取付具を用いた天袋用キャビネットの壁への取付構造

Info

Publication number
JP2003230439A
JP2003230439A JP2002032294A JP2002032294A JP2003230439A JP 2003230439 A JP2003230439 A JP 2003230439A JP 2002032294 A JP2002032294 A JP 2002032294A JP 2002032294 A JP2002032294 A JP 2002032294A JP 2003230439 A JP2003230439 A JP 2003230439A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cabinet
wall
fixture
hole
mounting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002032294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3572051B2 (ja
Inventor
Akihito Bansho
映仁 番匠
Kazuhide Murakami
和秀 村上
Masaya Naito
昌也 内藤
Hajime Nakamura
一 中村
Takashi Sugimoto
貴史 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Nifco Inc
Original Assignee
Nifco Inc
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nifco Inc, Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Nifco Inc
Priority to JP2002032294A priority Critical patent/JP3572051B2/ja
Publication of JP2003230439A publication Critical patent/JP2003230439A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3572051B2 publication Critical patent/JP3572051B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 天袋用キャビネットの支持強度を高めると共
に、天袋用キャビネットの壁への取付における施工性の
向上を図り、また、取付具に挿通させた固着具の目隠し
も滞りなく行い得るようにした、天袋用キャビネットの
壁への取付具、及び該取付具を用いた天袋用キャビネッ
トの壁への取付構造を提供する。 【解決手段】 取付具1を、キャビネット2の側板2a
に固定させる側片1aと、壁3に固定させる背片1bと
で平面視L型状に形成する。側片1aにキャビネット2
の側板2aに設けた嵌合孔4に圧入する嵌合突起5を突
設する。背片1bに壁3に打入させる固着具6が挿通さ
れる貫通孔7を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天袋用キャビネッ
トの壁への取付具、及び該取付具を用いた天袋用キャビ
ネットの壁への取付構造に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】従来、システムキッチンに用いられる天
袋用キャビネット2を壁3に取り付けるにあたっては、
図15に示すように、矩形函状のキャビネット2を構成
する背板2bの背面2b1を壁3に沿わせて配置すると
共に、この背板2bの四隅の位置にそれぞれ皿ネジ等の
固着具6を打入して行わせるものであった。この天袋用
キャビネット2の壁3への取付構造にあっては、キャビ
ネット2の背板2bを挿通して壁3に打入された固着具
6は上記背板2bのみに支持されるような構造になって
おり、つまり背板2bの固着具6の取付け部分にのみキ
ャビネット2の荷重が集中的にかかるような構造になっ
ていることから、背板2bの固着具6の取り付け部分は
破損し易く、また、キャビネット2の壁3への取り付け
も安定して取り付けられないといった問題があった。
【0003】また、天袋用キャビネット2を壁3に取付
けるにあたっては、1乃至複数の施工者が重量の重いキ
ャビネット2を壁3の天井付近にまで持ち上げて支持
し、別の施工者が片手の指先でビスのような固着具6を
摘み、他の片手にねじ締め具のような固着用操作治具を
掴んだ状態で両手をキャビネット2の前方開口からキャ
ビネット2の奥のコーナ付近に差し入れ、片手の指先で
摘んでいる固着具6に他の片手で掴んだ固着用操作治具
を操作して固着作業を行っていた。ところが、上記固着
具6を固着する作業は、天井付近という高所の作業であ
るのみならず、固着具6を操作する施工者はキャビネッ
ト2を持ち上げて支持している施工者を避けて無理な姿
勢をとりながら高所において両手を伸ばしてキャビネッ
ト2内の奥のコーナ部付近に両手を差し入れて固着作業
を行う必要があり、固着具6が手で隠れて見えにくいだ
けでなく、キャビネット2内の奥のコーナ部分における
固着作業はきわめて面倒な作業となっており、施工に時
間がかかると共に固着具6が斜めに打ち込まれたりして
施工ミスの発生の原因の一つとなっているのが現状であ
る。
【0004】また、背板2bを通して壁に固着具6を打
ち込むと、キャビネット2内におけいて背板2bの前面
に固着具6の頭部6aが露出することから、従来にあっ
ては、外観の向上を期して固着具6の頭部6aにキャッ
プ20が被着される。これは、キャビネット2の背板2
bに固着具6を打入する際に、図16に示すように、固
着具6をキャップ取付用ワッシャ21に挿通させてお
き、固着具6を壁3に打入した後に、キャップ取付用ワ
ッシャ21にキャップ20の外周縁に設けた係止片(図
示せず)を被せるように係止させることで、キャップ2
0の固着具6の頭部6aへの被着が行われる。固着具6
を壁3に打入させる施工は煩雑な施工であることは上述
したが、キャップ20を固着具6の頭部6aに被着させ
る施工を同時に行うと、扱う部品点数も増えて更に施工
作業の煩雑化が助長され、また、キャップ20はキャビ
ネット2等や固着具6とは別体物である小部品であって
壁3への打入後の固着具6に被着されるものであるの
で、キャビネット2の壁3への取付施工中に紛失してし
まうといった恐れもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の点に鑑みてなさ
れた本発明の目的としては、天袋用キャビネットの壁へ
の支持強度を高めると共に、天袋用キャビネットの壁へ
の取付施工性の向上を図り、また、取付具に挿通させた
固着具の目隠しも滞りなく行い得るようにした天袋用キ
ャビネットの壁への取付具、及び該取付具を用いた天袋
用キャビネットの壁への取付構造を提供することを課題
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る天袋用キャビネットの壁への取付具は、
上記取付具1を、キャビネット2の側板2aに固定させ
る側片1aと、壁3に固定させる背片1bとで平面視L
型状に形成し、上記側片1aにキャビネット2の側板2
aに設けた嵌合孔4に圧入する嵌合突起5を突設させる
と共に、上記背片1bに壁3に打入させる固着具6が挿
通される貫通孔7を設けたことを特徴とする。これによ
り、本発明の取付具1を用いてキャビネット2を壁3に
取付けると、キャビネット2の側板2aにも取付具1を
介してキャビネット2の荷重を支持させることができ
て、キャビネット2を壁3に強固に支持させることがで
きるものであり、しかも、このように取付具1を介して
側板2aにキャビネット2の荷重を支持させる構造とす
るにあたり、予めキャビネット2の側板2aに形成され
た嵌合孔4に取付具1の嵌合突起5を圧入することで、
取付具1を側板2aの所定位置に取り付けることがで
き、キャビネット2を組みた立てた後であってもキャビ
ネット2内の奥のコーナ付近において側板2aに嵌め込
みにより簡単に取付具1を取り付けることが可能とな
る。
【0007】また、上記貫通孔7には貫通孔7に挿通し
た状態で固着具6を仮保持させる仮止め部8を備えたこ
とも好ましい。これによると、キャビネット2内の奥の
コーナ付近において側板2aの所定位置に嵌め込みによ
り取付けた取付具1に対して固着具6を貫通孔7の仮止
め部8において仮止めでき、施工者は高所におけるキャ
ビネット2内の奥のコーナ付近という作業のし難い場所
において固着具6を指で支持する必要がなく、ねじ締め
具のような固着用操作治具を片手に持って打ち込み操作
を行うのみで、側板2aの所定位置に嵌め込みにより取
り付けた取り付け具1に仮支持した固着具6を壁3に打
ち込む作業ができるものである。
【0008】また、上記仮止め部8は、取付具1の背片
1bに設けた貫通孔7において、背片1bの壁3に面す
る背面1b1より壁3から離れる方向である前方に位置
して設けたことも好ましい。これによると、取付具1の
背片1bの貫通孔7において、背片1bの壁3に面する
背面1b1よりも壁3から離れた前方位置に仮止め部8
を設けることで、仮止め部8により貫通孔7に固着具6
を仮保持したときには、固着具6の先端が背片1bの背
面1b1またはキャビネット2の背板2bの背面2b1
り突出しないように固着具6を貫通孔7に浅く仮保持さ
せることが可能となり、取付具1に固着具6を仮保持し
た状態でキャビネット2を壁3に沿わせてスライドさせ
て位置決めを図る場合に、仮保持された固着具6の先端
が壁3に引掛かかって壁3に傷を付けてしまうといった
恐れを無くすると共に、天袋用キャビネット2の壁3に
沿わせてのスムーズなスライドを確保することができ、
キャビネット2の壁3への取付施工にかかる施工性の向
上を図ることができる。
【0009】また、取付具1の背片1bには、貫通孔7
に挿通させた固着具6の頭部6aを覆う蓋体9を一体に
設けたことが好ましい。これによると、上記蓋体9によ
って固着具6の頭部6aが覆われることで固着具6の頭
部6aをキャビネット2内に露出させないようにでき
て、外観が向上するものであり、また、この蓋体9は、
キャビネット2の壁3への取付施工でキャビネット2に
取り付けられる取付具1に一体に設けられているので、
キャビネット2の壁3への取付施工中に上記蓋体9を紛
失してしまうといったことはなく、取付具1に挿通させ
た固着具6の目隠し作業を滞りなく行わせることができ
ることから、キャビネット2の壁3への取付施工にかか
る施工性の向上を図ることができる。
【0010】また、取付具を用いた天袋用キャビネット
の壁への取付構造にあっては、キャビネット2を構成す
る側板2aと背板2bとの角部である内隅部に沿わせて
取付具1を配置し、取付具1の側片1aに設けた嵌合突
起5をキャビネット2の側板2aに設けた嵌合孔4に嵌
合し、取付具1の背片1bに設けた貫通孔7にビス等の
固着具6を挿通させると共に、上記固着具6をキャビネ
ット2の背板2bを貫通させて壁3に打入したことが好
ましい。これによると、上記キャビネットの壁への取付
構造では、壁3に固着具6を打入するのにあたってキャ
ビネット2の側板2aに固定した取付具1を介在させて
行なわせていることから、壁3に取付けた固着具6はキ
ャビネット2の背板2bに加えて側板2aによっても支
持された状態になり、キャビネット2の背板2bに固着
具6を打入させて上記背板2bのみに固着具6を支持さ
せるといった従来のキャビネット2の壁3への取付構造
に比べて、支持強度の向上を図ることができる。また、
キャビネット2の側板2aの嵌合孔4に対して嵌合突起
5を嵌合するのみで、上記のように側板2aにキャビネ
ット2の壁3への取付荷重を支持する構造とすることが
でき、また、取付部1の側板2aへの取付けも嵌め込み
だけで正確な位置に取付けることができるものである。
【0011】また、取付具を用いた天袋用キャビネット
の壁への取付構造としては、後方が開口したキャビネッ
ト2を構成する側板2aの奥部と壁3とに沿わせて取付
具1を配置し、取付具1の側片1aに設けた嵌合突起5
をキャビネット2の側板2aに設けた嵌合孔4に嵌合
し、取付具1の背片1bをキャビネット2の後方開口2
eに臨ませると共に上記背片1bの背面1b1を壁3に
当接し、取付具1の背片1bに設けた貫通孔7にビス等
の固着具6を挿通させると共に上記固着具6を壁3に打
入したことも好ましい。これによると、後方が開口した
キャビネット2の側板2aに取付具1の側片1aを固定
すると共に、この取付具1の背片1bの背面1b1を直
接壁3に当接させて固着具6を打入させることで、後方
が開口したキャビネット2の壁3への取り付けを可能に
するものである。つまり、この取付具1は、背板2bを
有した函状キャビネット2は勿論のこと、後方が開口し
た枠状キャビネット2も、壁3に取り付けさせることが
できるのである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づいて説明する。
【0013】図1乃至図12に本発明の実施の形態の例
を示す。図2乃至図4には天袋用キャビネット2を壁3
に取り付ける際に用いられる取付具1を示し、図1及び
図5乃至図12にはこの取付具1を用いた天袋用キャビ
ネット2の壁3への取付構造を示す。
【0014】天袋用キャビネット2(以下、単にキャビ
ネット2と言う)の壁3への取付具1は、図2及び図3
に示すように、それぞれ矩形板状の側片1aと背片1b
とを有すると共にこの側片1aの後端部分で背片1bを
直交させて平面視L型状に形成した部材である。この取
付具1はたとえば金属や樹脂等で形成される。ここで取
付具1の側片1aはキャビネット2の側板2aに固定さ
れる部位であり、取付具1の背片1bは壁3に固定され
る部位である。この側片1aにあっては、キャビネット
2の側板2aに設けた嵌合孔4に嵌合させる嵌合突起5
が、キャビネット2の側板2aに沿わせる面に複数個上
下に並べて突設している。また、背片1bにあっては、
壁3に打入させるビス等の固着具6が挿通される貫通孔
7を上下に並べて複数個穿設していると共に、この貫通
孔7に挿通させた固着具6の頭部6aを覆う蓋体9を一
体に設けている。
【0015】詳述すると、上記嵌合突起5は、円柱状の
突起であり、その外周面には嵌合突起5の嵌合孔4への
嵌合強度を向上させる為に抜け止め部10が設けられて
いる。この抜け止め部10は、嵌合突起5の突出方向に
リング状の突条である抜け止め突条10aを複数条並設
して構成されている。この抜け止め突条10aは、嵌合
突起5の周方向に亘って嵌合突起5の径方向に突設した
リング状の突条であり、この抜け止め突条10aのそれ
ぞれには、その突出先端面に嵌合突起5の先端に行くに
つれて突出の度合いを小さくして形成した傾斜面10a
1を備えており、嵌合突起5の嵌合孔4への挿入を容易
にすると共に一度嵌合孔4に嵌合した嵌合突起5を抜け
にくくさせることが図られている。
【0016】また、上記貫通孔7は、背片1bの厚み方
向(前後方向)に貫通した孔であり、背片1bの前面に
設けた凹部11内に位置して設けられている。この凹部
11は背片1bの前面から後方に凹設して形成した凹状
部位である。そして、この貫通孔7には、貫通孔7に挿
通した状態で固着具6を仮保持させるための仮止め部8
が備えられている。仮止め部8は、貫通孔7の孔周面の
周方向に亘る部位から貫通孔7の中心軸に向って突設し
たひれ膜状の係止片13によって形成される。本例の係
止片13は、図4に示すように、貫通孔7の360°あ
る孔周面のうち略90°ずつずらした位置に切れ目14
が切込まれ、この切れ目14によって4つの小係止片1
3aに分割されて構成されている。つまり、隣接する小
係止片13a間にある切れ目14によって各小係止片1
3aの弾性変形の度合いを大きくさせる工夫が為されて
いる。また、この係止片13に囲まれた貫通孔7の部
位、つまり各小係止片13aの突出先端間の貫通孔7の
部位には、係止片13によって孔径を小さくされた小孔
部15が形成されている。なお、この小孔部15の孔径
は貫通孔7に挿通される固着具6の軸径よりも小さい径
に形成されている。このように構成された仮止め部8
は、貫通孔7に挿入した固着具6を小孔部15に挿入さ
せ、この固着具6によって小孔部15の孔径を広げるよ
うに各小係止片13aが弾性変形させられると、上記各
小係止片13aの弾性反力によって貫通孔7に挿入した
固着具6が仮保持されるといったように機能する。ここ
で、この仮止め部8は貫通孔7の背片1bの前面に開口
した前方開口近傍に位置して設けられている。なお、本
例では固着具6として皿ビスを使用することを想定して
あり、貫通孔7の前方開口には固着具6の頭部6aを位
置させるザグリ部16が形成されている。このザグリ部
16は凹部11から前方に突出した筒形状に形成されて
いる。
【0017】上記蓋体9は背片1bにヒンジ部12を介
して一体に連設されており、このヒンジ部12は凹部1
1に隣接した部位で且つ側片1aのある方向とは反対側
の部位に位置して設けられ、蓋体9を左右方向に回動自
在にさせる。ここで、この蓋体9は回動することで上記
凹部11に嵌め込み自在になるものであるが、蓋体9は
側片1aに近接させる方向に回動させることで凹部11
に嵌め込まれ、反対に蓋体9を側片1aから離れる方向
に回動させることで凹部11から外れるものである。な
お、上記蓋体9は上記凹部11の開口と同形状の表面板
部9aを有すると共に上記表面板部9aの外端縁から凹
部11の開口縁に嵌合させるフランジ部9bを突設させ
て主体が構成されており、蓋体9のフランジ部9bには
その外面に係止突起17が突設されると共に、フランジ
部9bの一部を切欠いた切り欠き22が設けられてい
る。蓋体9の凹部11への嵌め込みは、蓋体9の係止突
起17を凹部11の周壁に設けた係合孔18に係合させ
ることで行われる。反対に、凹部11に嵌め込んだ蓋体
9を外すには、フランジ部9bに設けた切り欠き22に
爪やドライバー等の工具を引掛けることで行われる。な
お、蓋体9を凹部11に嵌め込んだときには、背片1b
の前面と蓋体9の表面板部9aとが面一の状態になるよ
うになっている。
【0018】上述した取付具1は上下に対称構造になっ
ている。これは、取付具1を上下反転させることで、キ
ャビネット2の各コーナ部分に取付具1を取り付けるこ
とを可能にするものである。つまり、1種類の取付具1
でキャビネット2の各コーナ部分に対応させて取付具1
をキャビネット2に取付けることを可能としているので
ある。
【0019】以下には、上述した構成の取付具1を用い
た天袋用キャビネット2の壁3への取付構造をその施工
を追って説明する。
【0020】図1及び図5乃至図9には、1対の側板2
a、天板2c及び底板2dを矩形枠状に枠組みし、上記
枠組みしてできた矩形枠状体の背面に背板2bを取付け
ることで矩形函状に形成された天袋用キャビネット2
を、取付具1を用いて壁3に取り付ける場合を示す。な
お、本例の天袋用キャビネット2にあっては、図5
(a)(b)に示すように、背板2bはMDFにより形
成されると共に、上記背板2bの壁3に面する背面2b
1にはパーティクルボードにより形成される補強板19
が上下位置にそれぞれ側板2a間に亘るように設けてあ
る。なお、図5(c)に示すように、キャビネット2の
更なる剛性の向上を図って、上下に配置した1対の補強
板19間に更に補強板19aを架設したものでもよい。
そして、このキャビネット2の各側板2aにあっては、
側板2aと背板2bとがなすコーナ部分における内面に
それぞれ複数個の嵌合孔4が上下に並べて形成されてい
る。この嵌合孔4は取付具1の嵌合突起5の径と略同じ
か多少小さい孔寸法に形成していて、取付具1の嵌合突
起5をきつく嵌め込んで取付具1を強固に取り付け得る
ようにしている。
【0021】キャビネット2の壁3への取付施工は、ま
す、キャビネット2の組み立て作業及びこのキャビネッ
ト2への取付具1の取り付け作業が行われる。これは、
図6に示すように、予めキャビネット2の側板2aに取
付具1を取り付けておき、その後にキャビネット2を組
み立てるような順序で行なってもよく、また、組み立て
た後のキャビネット2に取付具1を取付けるように行な
ってもよい。この取付具1のキャビネット2への取り付
けは、取付具1の嵌合突起5を側板2aの嵌合孔4に圧
入することで行なわれる(図7)。ここで、取付具1の
嵌合突起5には抜け止め部10が設けられているので、
上記嵌合突起5の嵌合孔4への嵌合は抜け止めが為さ
れ、取付具1はキャビネット2の側板2aに強固に取り
付けられる。このように、取付具1のキャビネット2へ
の取り付けは、嵌合突起5の嵌合孔4への嵌合といった
簡単な作業で、正確な位置に取り付けることができるの
である。そして、上記のようにキャビネット2の側板2
aに取り付けられた取付具1にあっては、その背片1b
の背面1b1がキャビネット2の背板2bの前面に当接
して配置される。ここで、図には、キャビネット2の側
板2a及び背板2、天板2cで囲まれる上部コーナ付近
に取付具1を取付けたものを示しているが、キャビネッ
ト2の側板2a及び背板2、底板2dで囲まれる下部コ
ーナ付近でも側板2aに嵌合孔4を穿設すると共に上記
嵌合孔4に嵌合突起5を圧入させて取付具1を適宜取り
付けるようにしてもよい。
【0022】なお、上述したキャビネット2の組み立て
作業及びこのキャビネット2への取付具1の取付作業
は、工場においても、また、施工現場においても行うこ
とができるものである。上述したように取付具1のキャ
ビネット2への取り付けは、嵌合孔4への嵌合突起5の
嵌合といった簡単な作業によって行なわれると共に、取
付具1はキャビネット2の正確な位置に取付けが為され
ることから、この取付具1のキャビネット2への取付作
業を施工現場で行う際には特に有用である。
【0023】次に、キャビネット2に取り付けた取付具
1において、背片1bの貫通孔7に固着具6を挿入し、
仮止め部8によってこの固着具6を仮止めさせることが
行なわれる(図8)。この固着具6の仮止めは、係止片
13間の小孔部15に固着具6を圧入することで行われ
る。本例の仮止め部8にあっては、係止片13が4枚の
小係止片13aで構成されると共にこの小係止片13a
間には切れ目14が設けてあるので、ひれ膜状の係止片
13は各小係止片13aが独立して撓む構造になってお
り、これにより係止片13は固着具6に強く弾接し、仮
止めした固着具6を貫通孔7から落下しない程度に比較
的強固に仮止めさせることができる。ここで、この仮止
め部8は貫通孔7の前方開口近傍に設けられているか
ら、取付具1の背片1bの背面1b1より背方に突出し
ないように固着具6を貫通孔7に浅く仮保持させること
が可能となる。なお、図示はしないが、キャビネット2
の背板2bや補強板19に固着具6を挿通させる貫通孔
が予め穿設されている場合には、キャビネット2の背板
2bの背面2b1や補強板19の背面よりも背方に突出
しないように固着具6を貫通孔7に浅く仮保持させれば
よい。このように固着具6を仮止めすることで、後述す
るキャビネット2の壁3への位置合わせの際にキャビネ
ット2を壁3に沿わせてスライドさせて行わせても、仮
止めされた固着具6によって壁3に損傷を負わせるよう
なことを無くすることができると共に、天袋用キャビネ
ット2の壁3に沿わせてのスムーズなスライドを確保す
ることができるものであり、キャビネット2の壁3への
取付施工にかかる施工性の向上が図られるのである。
【0024】上述したようにキャビネット2に取付具1
を取り付け、この取付具1に固着具6を仮止めさせた後
には、施工者はこのキャビネット2を持ち上げて取付位
置に位置合わせを行い、この状態で仮止めしてある固着
具6を壁3に向けて打ち入む作業を行う。この取付具1
を用いての天袋用キャビネット2の壁3への取付施工に
あっては、予めキャビネット2内の奥のコーナ付近にお
いて側板2aの所定位置に嵌め込みにより取付けた取付
具1に対して固着具6を仮保持させてあり、つまり、キ
ャビネット2内の奥のコーナ付近における所定位置に固
着具6を仮止めさせてあることから、施工者は高所にお
けるキャビネット2内の奥のコーナ付近という作業のし
難い場所において固着具6を指で摘んで支持する必要が
なく、ねじ締め具のような固着用操作治具を片手に持っ
て打ち込み操作を行うのみで、側板2aの所定位置に嵌
め込みにより取り付けた取り付け具1に仮支持した固着
具6を壁3に打ち込む作業ができるものである。
【0025】詳述すると、固着具6を固着する作業は、
天井付近という高所の作業であって、キャビネット2を
持ち上げて支持している施工者を避けて行う作業であ
る。本例における固着具6を固着する作業にあっては、
予め所定位置に仮止めした固着具6を打入するといった
作業で行わせることができることから、固着具6を打入
する作業者はねじ締め具のような固着用操作治具を掴ん
だ片手を伸ばしてキャビネット2内の奥のコーナ部付近
にこの片手を差し入れて固着作業を行えばよいものであ
る。これは、片手の指先でビスのような固着具6を摘
み、他の片手にねじ締め具のような固着用操作治具を掴
み、この状態の両手をキャビネット2の前方開口からキ
ャビネット2の奥のコーナ付近に差し入れ、片手の指先
で摘んでいる固着具6を他の片手で掴んだ固着用操作治
具を操作するといった、両手をキャビネット2の奥のコ
ーナ付近に差し入れて行う従来の固着具6の固着作業に
比べて、無理な姿勢での作業になることはなく、格段の
施工性の向上が図られているのである。したがって、施
工時間の短縮や、固着具6が斜めに打ち込まれたりする
施工ミスを少なくすることができるのである。
【0026】上述した施工によって行われたキャビネッ
ト2の壁3への取付構造は、図1に示すように、キャビ
ネット2の背板2bの背面2b1が壁3に沿って配置さ
れ、固着具6が取付具1の貫通孔7及びキャビネット2
の背板2b(本例では、補強板19も)を挿通して壁3
に打入され、キャビネット2が壁3に固定されている。
この壁3に打入した固着具6は、取付具1を介して打入
されるため、キャビネット2の背板2bに加えて側板2
aによっても支持を受ける構造になっているものであ
る。つまり取付具1を用いてキャビネット2を壁3に取
付けたことで、キャビネット2の背板1aに加えて側板
2aにも嵌合突起5を介してキャビネット2の荷重を支
持させることができて、キャビネット2を壁3に強固に
支持させることができるものである。これは、キャビネ
ット2の背板2bに固着具6を打入して上記背板2bの
みに支持されるといった従来のキャビネット2の壁3へ
の取付構造に比べて、キャビネット2を壁3に強固に支
持させることができるのである。したがって、背板2b
の固着具6の取り付け部分は破損しにくくなり、また、
キャビネット2の壁3への取り付けも安定して行なわれ
るのである。
【0027】キャビネット2の壁3への取付施工の最後
の施工作業は、固着具6の頭部6aに蓋体9を被せるこ
とで行われる固着具6の目隠し作業である(図9)。本
例における壁3に打入した後の固着具6は、その頭部6
aを取付具1の背片1bにあるザグリ部16に位置させ
るものであるが、そのままではキャビネット2内におい
て前方に固着具6の頭部6aが露出された状態になって
いることから、この固着具6の頭部6aを目立たないよ
うにして外観の向上を図るために、取付具1の背片1b
にヒンジ部12を介して一体に設けられた蓋体9を凹部
11に嵌め込ませて固着具6の前面に蓋体9を被せるよ
うにして固着具6の目隠し作業が行われる。上述したよ
うに本例の蓋体9は取付具1に一体に設けられているこ
とから、従来技術の問題点であった上記蓋体9を紛失し
てしまうといったこともなく、これにより、取付具1に
挿通させた固着具6の目隠し作業を滞りなく行わせるこ
とができ、キャビネット2の壁3への取付施工にかかる
施工性の向上が図られているのである。
【0028】なお、この蓋体9は上述したように背片1
bとヒンジ部12を介して一体に連設されており、この
ヒンジ部12は凹部11に隣接した部位で且つ側片1a
のある方向とは反対側の部位に位置して設けられている
から、蓋体9は左右方向に回動自在にされるように構成
されている。これにより、蓋体9はキャビネット2の側
板2a、天板2c、底板2d及び取付具1の側片1aに
は当接しないように回動できるようになっている。この
ように、蓋体9は背片1bへの取付位置及び回動方向に
工夫が為されていて、施工性や使い勝手の向上が図られ
ているのである。なお、上記取付具1は上下対称構造に
なっていて、取付具1を上下に反転させることでキャビ
ネット1の各コーナ部に合わせて取付具1を適宜取り付
けるようにした場合にあっても、この蓋体9は背片1b
における側片1aと反対側の部位に設けたヒンジ部12
によって一体に連設されていることから、回動した蓋体
9はキャビネット2の側板2a、天板2c、底板2d及
び取付具1の側片1aに当接することはないのは言うま
でもない。
【0029】図10乃至図12に示すものは、左右両端
の側板2aと上下端部の天板2c及び底板2dとを矩形
状に枠組み一体化させ、つまり後方を開口させた矩形枠
状の天袋用キャビネット2を、取付部1を用いて壁3に
取り付ける場合を示す。なお、先に述べた取付具1を用
いた矩形函状のキャビネット2の壁3への取付構造(図
1,図5〜9)と重複する部分の説明は省くものし、相
違する部分につき詳述する。
【0030】このキャビネット2の側板2aにあって
は、側板2aと壁3とがなすコーナ部分における内面
に、それぞれ複数個の嵌合孔4が上下に並べて形成され
ている。この嵌合孔4には取付具1の嵌合突起5がきつ
く嵌め込まれて取付具1が取り付けられる。つまり、キ
ャビネット2に取り付けた取付具1は、キャビネット2
の側板2aの内面に側片1aを沿わせると共に、キャビ
ネット2の後方開口2eに背片1bが臨むように配置さ
れる。そして、キャビネット2に取り付けた取付具1に
あっては、まず、背片1bに設けた貫通孔7に固着具6
を壁3に向って挿入し、貫通孔7に設けた仮止め部8に
よってこの固着具6を仮止めしておく(図11)。ここ
で、この仮止め部8は貫通孔7の前方開口近傍に設けら
れているから、仮止めした固着具6の先端部分を取付具
1の背片1bにおける壁3に面する背面1b1よりも背
方に突出しないように位置させるようにできる。このよ
うに固着具6を仮止めすることで、後述するキャビネッ
ト2の壁3への位置合わせの際にキャビネット2を壁3
に沿わせてスライドさせても、仮止めされた固着具6に
よって壁3に損傷を負わせるようなことを無くすること
ができると共に、天袋用キャビネット2の壁3に沿わせ
てのスムーズなスライドを確保することができるもので
あり、キャビネット2の壁3への取付施工にかかる施工
性の向上が図られている。
【0031】取付具1がキャビネット2に取り付けられ
ると共にその取付具1に固着具6が仮止めされた後に
は、施工者はキャビネット2を支持して取付位置に位置
合わせを行うと共に、仮止めされている固着具6を壁3
に向けて打入する作業を行ない、キャビネット2を壁3
に取り付ける。なお、この天袋用キャビネット2が壁3
に沿わせて位置合わせをされたときには、取付具1の背
片1bの背面1b1が壁3に当接される。この矩形枠状
の天袋用キャビネット2における取付具1を用いての壁
3への取付施工にあっては、先に述べた矩形函状のキャ
ビネット2の壁3への取り付けと同様に、予め仮止め部
8によって固着具6は貫通孔7に仮保持されているか
ら、固着具6を壁3に向って打入するときには施工者に
よる固着具6の支持作業を省くことができ、したがっ
て、従来のキャビネット2の壁3への取付施工に比べて
施工性の大幅な向上が図られ、施工時間の短縮や、固着
具6が斜めに打ち込まれたりする施工ミスを少なくする
ことが図られているのである。
【0032】上述した施工によって行われた矩形枠状の
キャビネット2の壁3への取付構造は、図12に示すよ
うに、キャビネット2の側板2a、天板2c及び底板2
dの奥部が壁3に沿って配置されると共に、取付具1の
背片1bの背面1b1が壁3に当接して配置され、固着
具6が取付具1の貫通孔7を挿通して壁3に打入され、
キャビネット2が壁3に固定されている。つまり、壁3
に打入した固着具6は、取付具1を介してキャビネット
2の側板2aにより支持を受ける状態の構造になってい
る。このように、この取付具1を用いると、背板2bを
有した函状キャビネット2は勿論のこと、後方開口2e
を有した矩形枠状の天袋用キャビネット2も壁3に施工
性よく取り付けることができるのである。
【0033】なお、この矩形枠状のキャビネット2の壁
3への取付施工の最後の施工作業は、先に述べた矩形函
状のキャビネット2の壁3への取り付けと同様に、取付
具1に一体に備えた蓋体9を回動させて凹部11に嵌合
させることで、壁3に打入した固着具6の目隠しを行わ
せる作業である。これにより、固着具6の目隠しが為さ
れて、良好な外観にすることができる。
【0034】上述したように、後方開口2eのない矩形
函状の天袋用キャビネット2や、後方開口2eのある矩
形枠状の天袋用キャビネット2は、共に上述した取付具
1を用いることで、壁3に打入させる固着具6を仮止め
でき、施工性よく、外観よく、壁3に取り付けされるの
である。裏を返せば、上述した取付具1は、後方開口2
eのない矩形函状の天袋用キャビネット2や、後方開口
2eのある矩形枠状の天袋用キャビネット2に兼用し
て、キャビネット2を壁3に施工性よく取り付けさせる
ことが可能なのである。
【0035】以下には、取付具1の仮止め部8における
実施の形態の他例を列挙する。
【0036】図13は、貫通孔7の孔周面の周方向に亘
る部位から貫通孔7の中心軸に向ってひれ膜状の係止片
13を突設し、上記係止片13を貫通孔7の孔周面に一
周させるようなリング帯状に形成し、この係止片13に
囲まれた貫通孔7の中央部位に小孔部15を形成するこ
とで、仮止め部8を構成した例である。この仮止め部8
は、つまり、先に述べた実施の形態の例における仮止め
部8と比較して、係止片13に切れ目14を形成させな
いで係止片13を一体物であるリング帯状に形成させた
点で異なるものである。この仮止め部8も先の実施の形
態の例における仮止め部8と同様に働きをするものであ
り、つまり、固着具6の軸径よりも小さくした小孔部1
5に固着具6の先端を挿入させることで、小孔部15を
形成する係止片13を弾性変形させ、上記係止片13の
弾性反力によって固着具6を仮固定させるものである。
これは、先の実施の形態の例における仮止め部8と比べ
て切れ目14を設けない分仮止め部8の形成を容易にす
るといった利点がある。
【0037】また、図14は、貫通孔7の孔周面の周方
向に亘る部位から貫通孔7の中心軸に向ってひれ膜状の
係止片13を突設させ、上記係止片13で貫通孔7を閉
塞させることで仮止め部8を構成した例である。この仮
止め部8は、つまり、先に述べた実施の形態の例におけ
る仮止め部8と比較して、係止片13に切れ目14を形
成してないと共に小孔部15をも形成してない点で異な
るものである。この仮止め部8は、貫通孔7に挿入させ
た固着具6が係止片13に突き刺さることで仮固定させ
るようにしてある。これは、予め小孔部15を設けた仮
止め部8に比べ、固着具6に軸径の異なるものを用いる
ことができ、施工の自由度を向上させて施工性の向上を
図り得るといった利点がある。
【0038】なお、図示はしないが、矩形函状の天袋用
キャビネット2を壁3に取付ける際に、キャビネット2
の背板2bに予め固着具6を挿通させる貫通孔を設ける
と共に、この貫通孔に上述したような仮止め部8を設け
ることでも、キャビネット2の側板1aに嵌合により取
付けた取付具1の貫通孔7に固着具6を挿入した状態で
仮保持させることができ、これによって、上述した実施
の形態の例同様に、従来のキャビネット2の壁3への取
付け施工に比べて大幅な施工性の向上を図ることがで
き、好ましい。
【0039】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1記載の天
袋用キャビネットの壁への取付具にあっては、上記取付
具を、キャビネットの側板に固定させる側片と、壁に固
定させる背片とで平面視L型状に形成し、上記側片にキ
ャビネットの側板に設けた嵌合孔に圧入する嵌合突起を
突設させると共に、上記背片に壁に打入させる固着具が
挿通される貫通孔を設けたので、本発明の取付具を用い
てキャビネットを壁に取付けると、キャビネットの側板
にも嵌合突起を介してキャビネットの荷重を支持させる
ことができて、キャビネットを壁に強固に支持させるこ
とができ、したがって、背板の固着具の取り付け部分は
破損しにくくなり、また、キャビネットの壁への取り付
けも安定して取り付けられるのである。しかも、このよ
うに取付具を介して側板にキャビネットの荷重を支持さ
せる構造とするにあたり、予めキャビネットの側板に形
成された嵌合孔に取付具の嵌合突起を圧入することで、
取付具を側板の所定位置に取り付けることができ、キャ
ビネットを組みた立てた後であってもキャビネット内の
奥のコーナ付近において側板に嵌め込みにより簡単に取
付具を取り付けることが可能となるのである。
【0040】また、請求項2記載の天袋用キャビネット
の壁への取付具にあっては、請求項1の効果に加えて、
上記貫通孔には貫通孔に挿通した状態で固着具を仮保持
させる仮止め部を備えたので、キャビネット内の奥のコ
ーナ付近において側板の所定位置に嵌め込みにより取付
けた取付具に対して固着具を貫通孔の仮止め部において
仮止めでき、施工者は高所におけるキャビネット内の奥
のコーナ付近という作業のし難い場所において固着具を
指で摘んで支持する必要がなく、ねじ締め具のような固
着用操作治具を片手に持って打ち込み操作を行うのみ
で、側板の所定位置に嵌め込みにより取り付けた取り付
け具に仮支持した固着具を壁に打ち込む作業ができるも
のであり、したがって、両手をキャビネットの奥のコー
ナ付近に差し入れて行う従来の固着具の固着作業に比べ
て、無理な姿勢での作業になりにくく、格段の施工性の
向上が図られ、施工時間の短縮や、固着具が斜めに打ち
込まれたりする施工ミスの発生を少なくすることができ
るのである。
【0041】また、請求項3記載の天袋用キャビネット
の壁への取付具にあっては、請求項2の効果に加えて、
上記仮止め部は、取付具の背片に設けた貫通孔におい
て、背片の壁に面する背面より壁から離れる方向である
前方に位置して設けたので、仮止め部によって貫通孔に
固着具を仮保持したときには、固着具の先端が背片の背
面またはキャビネットの背板の背面より突出しないよう
に貫通孔に浅く仮保持させることができ、キャビネット
を壁に沿わせてスライドさせて位置決めを図る場合に、
仮保持された固着具の先端が壁に引掛かかって壁に傷を
付けてしまうといった恐れを無くすると共に、天袋用キ
ャビネットの壁に沿わせてのスムーズなスライドを確保
することができ、キャビネットの壁への取付施工にかか
る施工性の向上を図ることができるのである。
【0042】また、請求項4記載の天袋用キャビネット
の壁への取付具にあっては、請求項1の効果に加えて、
取付具の背片には、貫通孔に挿通させた固着具の頭部を
覆う蓋体を一体に設けたので、上記蓋体によって固着具
の頭部が覆われることで固着具の頭部を外方に露出させ
ないようにできて、外観を向上させることができるもの
であり、また、この蓋体は取付具に一体に設けられてい
るので、蓋体を紛失してしまうといったことはなく、取
付具に挿通させた固着具の目隠し作業を滞りなく行わせ
ることができ、したがって、キャビネットの壁への取付
施工にかかる施工性の向上も図ることができるのであ
る。
【0043】また、請求項5記載の取付具を用いた天袋
用キャビネットの壁への取付構造にあっては、請求項1
〜4の取付具を用いた天袋用キャビネットの壁への取付
構造であって、キャビネットを構成する側板と背板との
角部である内隅部に沿わせて取付具を配置し、取付具の
側片に設けた嵌合突起をキャビネットの側板に設けた嵌
合孔に嵌合し、取付具の背片に設けた貫通孔にビス等の
固着具を挿通させると共に、上記固着具をキャビネット
の背板に貫通させて壁に打入したので、壁に打入した固
着具は取付具を介してキャビネットの背板及び側板によ
って支持された状態になり、キャビネットの背板に打入
させて上記背板のみに支持されるといった従来のキャビ
ネットの壁への取付構造に比べて、キャビネットの支持
強度の向上を図ることができる。また、キャビネットの
側板の嵌合孔に対して嵌合突起を嵌合するのみで、上記
のように側板にキャビネットの壁への取付荷重を支持す
る構造とすることができ、また、取付部の側板への取付
けも嵌め込みだけで正確な位置に取付けることができる
ものである。
【0044】また、請求項6記載の取付具を用いた天袋
用キャビネットの壁への取付構造にあっては、請求項1
〜4の取付具を用いた天袋用キャビネットの壁への取付
構造であって、後方が開口したキャビネットを構成する
側板の奥部と壁とに沿わせて取付具を配置し、取付具の
側片に設けた嵌合突起をキャビネットの側板に設けた嵌
合孔に嵌合し、取付具の背片をキャビネットの後方開口
に臨ませると共に上記背片の背面を壁に当接し、取付具
の背片に設けた貫通孔にビス等の固着具を挿通させると
共に上記固着具を壁に打入したので、取付具を用いるこ
とで、後方が開口したキャビネットを壁に取り付けるこ
とを可能にするものである。つまり、この取付具を用い
ることで、請求項5の効果にあるように背板を有したキ
ャビネットも、請求項6の効果にあるように背板を有し
ないキャビネットも、壁に取り付けさせることができる
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例を示すものであって、
キャビネットの壁への取付構造の水平断面図である。
【図2】同上の取付具の斜視図である。
【図3】同上の取付具を示すものであって、(a)は正
面図であり、(b)は上面図であり、(c)は側面図で
ある。
【図4】同上の取付具の貫通孔近傍部分を示すものであ
って、(a)は正面図であり、(b)は側面断面図であ
る。
【図5】同上のキャビネットであって、(a)は分解斜
視図であり、(b)は背方から見た斜視図であり、
(c)はキャビネットの一例を示す背方から見た斜視図
である。
【図6】同上のキャビネットの壁への取付施工を説明す
る説明図である。
【図7】同上のキャビネットの壁への取付施工を説明す
る説明図であって、取付具の側板への取り付けを示すも
のである。
【図8】同上のキャビネットの壁への取付施工を説明す
るものであって、取付具に固着具を仮止めさせた状態の
水平断面図である。
【図9】同上のキャビネットの壁への取付施工を説明す
るものであって、蓋体を固着具に被せた状態を示す正面
図である。
【図10】同上の後方が開口したキャビネットの壁への
取付構造を示した斜視図である。
【図11】同上の取付具に固着具を仮止めした状態を示
す水平断面図である。
【図12】同上のキャビネットの壁への取付構造の水平
断面図である。
【図13】本発明の実施の形態の他例であって、取付具
の貫通孔近傍部分を示す(a)は正面図であり、(b)
は側面断面図である。
【図14】本発明の実施の形態の更に他例であって、取
付具の貫通孔近傍部分を示す(a)は正面図であり、
(b)は側面断面図である。
【図15】従来技術を示すものであって、キャビネット
の壁への取付構造の正面図である。
【図16】同上の固着具の目隠し構造を説明する分解斜
視図である。
【符号の説明】
1 取付具 1a 側片 1b 背片 2 キャビネット 2a 側板 2b 背板 3 壁 4 嵌合孔 5 嵌合突起 6 固着具 8 仮止め部 9 蓋体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 番匠 映仁 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 村上 和秀 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 内藤 昌也 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 中村 一 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 杉本 貴史 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町184番地1 株式会社ニフコ内 Fターム(参考) 3B060 EA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天袋用キャビネットの壁への取付具であ
    って、上記取付具を、キャビネットの側板に固定させる
    側片と、壁に固定させる背片とで平面視L型状に形成
    し、上記側片にキャビネットの側板に設けた嵌合孔に圧
    入する嵌合突起を突設させると共に、上記背片に壁に打
    入させる固着具が挿通される貫通孔を設けたことを特徴
    とする天袋用キャビネットの壁への取付具。
  2. 【請求項2】 上記貫通孔には貫通孔に挿通した状態で
    固着具を仮保持させる仮止め部を備えたことを特徴とす
    る請求項1に記載の天袋用キャビネットの壁への取付
    具。
  3. 【請求項3】 上記仮止め部は、取付具の背片に設けた
    貫通孔において、背片の壁に面する背面より壁から離れ
    る方向である前方に位置して設けたことを特徴とする請
    求項2に記載の天袋用キャビネットの壁への取付具。
  4. 【請求項4】 取付具の背片には、貫通孔に挿通させた
    固着具の頭部を覆う蓋体を一体に設けたことを特徴とす
    る請求項1に記載の天袋用キャビネットの壁への取付
    具。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載の取付具を用いた天袋
    用キャビネットの壁への取付構造であって、キャビネッ
    トを構成する側板と背板との角部である内隅部に沿わせ
    て取付具を配置し、取付具の側片に設けた嵌合突起をキ
    ャビネットの側板に設けた嵌合孔に嵌合し、取付具の背
    片に設けた貫通孔にビス等の固着具を挿通させると共に
    上記固着具をキャビネットの背板に貫通させて壁に打入
    したことを特徴とする取付具を用いた天袋用キャビネッ
    トの壁への取付構造。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4記載の取付具を用いた天袋
    用キャビネットの壁への取付構造であって、後方が開口
    したキャビネットを構成する側板の奥部と壁とに沿わせ
    て取付具を配置し、取付具の側片に設けた嵌合突起をキ
    ャビネットの側板に設けた嵌合孔に嵌合し、取付具の背
    片をキャビネットの後方開口に臨ませると共に上記背片
    の背面を壁に当接し、取付具の背片に設けた貫通孔にビ
    ス等の固着具を挿通させると共に上記固着具を壁に打入
    したことを特徴とする取付具を用いた天袋用キャビネッ
    トの壁への取付構造。
JP2002032294A 2002-02-08 2002-02-08 天袋用キャビネットの壁への取付構造 Expired - Lifetime JP3572051B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002032294A JP3572051B2 (ja) 2002-02-08 2002-02-08 天袋用キャビネットの壁への取付構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002032294A JP3572051B2 (ja) 2002-02-08 2002-02-08 天袋用キャビネットの壁への取付構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003230439A true JP2003230439A (ja) 2003-08-19
JP3572051B2 JP3572051B2 (ja) 2004-09-29

Family

ID=27775464

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002032294A Expired - Lifetime JP3572051B2 (ja) 2002-02-08 2002-02-08 天袋用キャビネットの壁への取付構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3572051B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016050395A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 Toto株式会社 ウォールキャビネット
JP2016050396A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 Toto株式会社 標準のウォールキャビネットを梁対応型のウォールキャビネットに変更する方法
JP6095811B1 (ja) * 2016-02-05 2017-03-15 アクシス株式会社 家具の壁取付け構造

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016050395A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 Toto株式会社 ウォールキャビネット
JP2016050396A (ja) * 2014-08-29 2016-04-11 Toto株式会社 標準のウォールキャビネットを梁対応型のウォールキャビネットに変更する方法
JP6095811B1 (ja) * 2016-02-05 2017-03-15 アクシス株式会社 家具の壁取付け構造
JP2017136277A (ja) * 2016-02-05 2017-08-10 アクシス株式会社 家具の壁取付け構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP3572051B2 (ja) 2004-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2004519628A (ja) 低挿入力のu字形ベースファスナ
JP4584885B2 (ja) ボックス固定具及びボックス固定具の取付方法
US6979780B1 (en) Non-gangable box with embossed sides
JP2003230439A (ja) 天袋用キャビネットの壁への取付具、及び該取付具を用いた天袋用キャビネットの壁への取付構造
JPH07223490A (ja) ドアミラーの取付構造
JP5017365B2 (ja) 機器取付具、開口枠および機器
JPH0767228A (ja) 電気接続用ボックス
JP4870514B2 (ja) パネルへの物品の取付構造
JP4493244B2 (ja) 箱体にパネルを取り付ける方法及び取付具
JPH0342249Y2 (ja)
JP4229360B2 (ja) 車両用ドアハンドルの取付構造
JP2008280780A (ja) 天井点検口の開閉装置
JP2004137798A (ja) 物品固定具、物品の固定構造及び物品の固定方法
JP3383414B2 (ja) 浮 床
JP3954221B2 (ja) 間仕切装置における側部カバーの取付構造
JPH06225430A (ja) 壁板用取付押え金具の設置構造
GB2617462A (en) Sun visor attachment device
JP2003047124A (ja) 筐体取付構造
JPH04154442A (ja) 車両用アシストグリップ
JPH0738574Y2 (ja) ユニットバスにおける壁・天井パネル連結構造
JPH06225429A (ja) 壁板用取付押え金具の設置構造
JPH09224318A (ja) 金属プレート
JPH0560454A (ja) 冷蔵庫キヤビネツト
JPH10252725A (ja) 部材の取付け構造
JPH0587871U (ja) 電球用ソケットハウジング

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040601

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040625

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3572051

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080702

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080702

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090702

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090702

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090702

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100702

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110702

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110702

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120702

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120702

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130702

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term