JP4047744B2 - 静電紡糸方法及び静電紡糸装置 - Google Patents

静電紡糸方法及び静電紡糸装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電紡糸方法及び静電紡糸装置に関し、特に、空気よりも放電開始電圧の高いガス紡糸雰囲気下で静電紡糸を行うことにより生産性を向上できる静電紡糸方法及び静電紡糸装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、静電紡糸による高分子繊維集合体の製造は、原料となる高分子溶液を微細な孔を通して押出しながら同時に電場を掛けると、高分子溶液中の溶媒が揮発し、凝固して高分子繊維を形成し、一定距離離れた場所に位置する回収装置等に集積される。この高分子繊維集合体は、数nm〜数千nmの間の直径を有する繊維が3次元のネットワーク構造を成して集積した形態であり、単位体積当たりの表面積が非常に大きい。従って、他の製造方法により製造した高分子繊維集合体と比べて非常に大きな気孔度と比表面積を有する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−249966号公報(第3−4頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高分子溶液に対して電場を空気中において掛けていたので、比較的低い電圧でコロナ放電や火花放電が起こる。例えば、純粋な空気は平行平板電極間の距離が2cmのとき30KV/cmの電界で火花放電が開始することが知られている。静電紡糸においては、特に、ノズルが金属の場合先端部の金属部に電界集中が起こり、かなり低い電圧でコロナ放電が開始する。この電圧は、ノズルの先鋭度、ノズルと集積電極との距離に因るので値を厳密に定義できないが、例えば電極間隔が5〜20cmの範囲あたりでは1〜3KV/cm程度の電界からコロナ放電が開始する。
【0005】
コロナ放電が始まると、ノズルから吐出されたポリマー溶液つまり繊維によって運ばれるべき電流がコロナ電流により運ばれるようになるので、ポリマー溶液の飛び出しが抑制されたり、安定して紡糸することが困難であることが見出された。また、大気圧の空気中では、火花放電が比較的低い電圧で起こり、印加電圧を上げられなかった。すなわち、ポリマー溶液の押出量を上げられなくなり、生産性が低下するという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような従来の問題点を解決するためになされたもので、放電開始電圧の高いガス雰囲気下で静電紡糸を行うことにより、生産性を向上し得る静電紡糸方法及び静電紡糸装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項に係る発明は、静電紡糸装置であって、ポリマー溶液を紡糸空間へ供給できるポリマー供給部と、前記ポリマー溶液に対して電荷を与えることのできる電荷付与手段と、前記ポリマー供給部に対向しており、ポリマー溶液の供給により形成された繊維を電気的に吸引することのできる対向電極と、及び前記ポリマー供給部におけるポリマー溶液吐出部近傍を覆うフードと、前記フードで覆われた前記ポリマー溶液吐出部の近傍へ空気よりも放電開始電圧の高いガスを導入できる手段と、を備え、前記ポリマー溶液吐出部及び前記対向電極が密閉容器で覆われていないことを特徴とする、静電紡糸装置である。
【0011】
請求項に係る発明は、前記空気よりも放電開始電圧の高いガスに、酸素、二酸化炭素、二酸化イオウ及び六フッ化イオウからなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項の発明によれば、ポリマー供給部におけるポリマー溶液吐出部の近傍を覆うフードと、フードで覆われたポリマー溶液吐出部の近傍へ空気よりも放電開始電圧の高いガスを導入できる手段とを設けたので、紡糸ノズル及びその吐出部近傍における吐出されたポリマー溶液と対向電極との間のコロナ放電が抑制され、より高い電圧が印加できるようになり、ポリマー溶液の吐出量を増大でき、紡糸の生産性を向上させることができると共に、空気よりも放電開始電圧の高いガスを少量しか必要とせず、静電紡糸装置の作製が容易になる。
【0016】
請求項の発明によれば、空気よりも放電開始電圧の高いガス雰囲気に所定のガスを含んでいるので、紡糸空間における紡糸ノズル及びその吐出部近傍における吐出されたポリマー溶液と対向電極との間のコロナ放電及び火花放電が抑制され、より高い電圧が印加できるようになり、ポリマー溶液の吐出量を増大でき、紡糸の生産性を向上させることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の一実施形態による静電紡糸装置を示す概略図である。図において、静電紡糸装置1には、繊維の原料となるポリマーを吐出する紡糸ノズル2と、紡糸ノズル2に対向して、ロール状の対向電極4とが配置されており、この対向電極4は接地されている。これらの紡糸ノズル2及び対向電極4は、所定のガス雰囲気に維持することができる密封容器5内に収容されている。密閉容器5にはガスボンベ6が接続されており、ガス流量調節器7及びガス流量調節バルブ8を介して空気よりも放電開始電圧の高いガスが密閉容器5内に導入される。なお、紡糸ノズル2には、ポリマー溶液を供給するポリマー供給機9が接続されており、紡糸ノズル2の先端部2aには高電圧電源10が接続されている。また、ポリマー溶液から揮発した溶媒を排出できるように、バルブ又は弁3aを含む排気装置3が密閉容器5に接続されている。
【0018】
紡糸ノズル2としては、内径0.01〜5ミリ程度の金属・非金属パイプなど、従来の静電紡糸用電極を使用できる。また、対向電極4としては、図1に示すロール状の電極に限らず、ベルト状又は平板状の金属製電極など種々の形状の電極を使用することができる。
【0019】
密閉容器5に導入されるガスは、空気よりも放電開始電圧の高いガスであり、例えば酸素、二酸化炭素、二酸化イオウ及び六フッ化イオウ等が使用でき、或いはこれらのガスを空気に適宜混合して使用することもできる。特に、二酸化炭素は、安全性の観点からも好適である。
【0020】
紡糸ノズル2及び対向電極4間の紡糸空間をこのようなガス雰囲気に維持することにより、紡糸ノズル2及びその吐出部近傍における吐出されたポリマー溶液と対向電極4との間のコロナ放電及び火花放電が抑制され、より高い電圧が印加できるようになるため、ポリマー溶液の押出量を増加させることができる。
【0021】
さらに、これらのガスを適宜混合して使用することも可能である。この場合には、例えば図2に示すように、異なるガス種のガスボンベ6、6aを使用し、それぞれガス流量調節器7、7aによりガス流量を調節し、適宜所定の割合で混合することができる。
【0022】
また、図2に示すように、対向電極4の表面に堆積した繊維集合体12を回収する繊維回収装置13、例えば巻き取り装置を、密閉容器5内に設けることができる。この場合、紡糸した繊維は、繊維同士が結合した繊維シートの形態になる。なお、図2とは異なり、繊維を集積できる繊維集積手段(例えば、コンベア)を、対向電極4の手前(紡糸ノズル2側)に設けることもできる。
【0023】
本発明の紡糸装置に使用可能なポリマーには、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアクリロニトリル−メタクリレート共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン−アクリレート共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン12、ナイロン−4,6などのナイロン系、アラミド、ポリベンズイミダゾール、ポリビニルアルコール、セルロース、酢酸セルロース、酢酸セルロースブチレート、ポリビニルピロリドン−酢酸ビニル、ポリ(ビス−(2−(2−メトキシ−エトキシエトキシ))ホスファゼン)(poly(bis-(2-(2-methoxy-ethoxyethoxy))phosphazene);MEEP)、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリこはく酸エチレン(poly(ethylenesuccinate))、ポリアニリン、ポリエチレンサルファイド、ポリオキシメチレン−オリゴ−オキシエチレン(poly(oxymethylene-oligo-oxyethylene))、SBS共重合体、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンオキサイド、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリD,L−乳酸−グリコール酸共重合体、ポリアリレート、ポリプロピレンフマラート(poly(propylene fumalates))、ポリカプロラクトンなどの生分解性高分子、ポリペプチド、タンパク質などのバイオポリマー、コールタールピッチ、石油ピッチなどのピッチ系などの溶融または適正溶媒に溶解可能な様々なポリマーが適用可能であり、これらの共重合体及び混合物なども使用可能である。また、金属アルコキシドを加水分解した曳糸性のゾル溶液も使用可能である。
【0024】
さらに、前記ポリマー溶液に合成樹脂などのエマルジョン或いは有機、無機物の粉末を混合して用いることも可能である。ポリマーの溶媒には、例えば、(a)揮発性の高いアセトン、クロロホルム、エタノール、イソプロパノール、メタノール、トルエン、テトラヒドロフラン、水、ベンゼン、ベンジルアルコール、1,4−ジオキサン、プロパノール、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、フェノール、ピリジン、トリクロロエタン、酢酸などと、(b)揮発性が相対的に低いN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、アセトニトリル(AN)、N−メチルモルホリン−N−オキシド、ブチレンカーボネート(BC)、1,4−ブチロラクトン(BL)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジエチルエーテル(DEE)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,3−ジオキソラン(DOL)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルホルマート(MF)、3−メチルオキサゾリジン−2−オン(MO)、メチルプロピオネート(MP)、2−メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)、スルホラン(SL)などがある。
【0025】
好ましくは、ポリマーを溶解させる溶媒として、前記揮発性の高い溶媒または揮発性の高い溶媒と相対的に低い揮発性を有する溶媒とを混合した混合溶媒を用いれば、溶媒の揮発性を増加させたり溶液の粘度を低下させることができるので、個々のノズルからの吐出量を増加させて生産性を向上させることができる。
【0026】
以上のような静電紡糸装置1又は1Aにより繊維を紡糸する方法は、次のように行われる。まず、紡糸する繊維の原料となるポリマー溶液をポリマー供給機9から紡糸ノズル2に供給する。他方、ガスボンベ6から空気よりも放電開始電圧の高いガスをガス流量調節器7により流量調節し、密閉容器5内に導入する(図1)。或いは、ガスボンベ6、6aから空気よりも放電開始電圧の高いガスをそれぞれガス流量調節器7、7aにより流量調節して混合し、密閉容器5内に導入する(図2)。続いて、紡糸ノズル2に高電圧を印加した状態で、紡糸ノズル2の先端からポリマー溶液を吐出する。すると、紡糸空間が空気よりも放電開始電圧の高いガスで満たされているため、紡糸ノズル2及びその吐出部近傍における吐出されたポリマー溶液と対向電極4との間のコロナ放電及び火花放電が抑制され、より高い電圧が印加できるようになる。従って、ポリマー溶液の吐出量を多くすることができ、これにより、紡糸の生産性を向上させることができる。
【0027】
なお、紡糸ノズル2と対向電極4との間に電界が生じれば良く、図1及び2に示すように、紡糸ノズル2に高電圧を印加し、対向電極4を接地している場合だけでなく、紡糸ノズル2を接地し、対向電極4に高電圧を印加しても良い。あるいは、紡糸ノズル2及び対向電極4の双方に高電圧を印加することもできる。また、紡糸ノズル2は加熱されていても、加熱されていなくても良い。紡糸ノズル2は、特に限定することなく従来公知の種々の紡糸ノズルを使用することができ、その数量及び形状も適宜変更することができる。
【0028】
実施形態2
図3は、この発明の実施形態2による静電紡糸装置1Bを示す概略図である。図において、紡糸ノズル2における先端部2aの近傍には、この先端部2aを覆う円筒状のフード11が設けられている。このフード11にはガスボンベ6が接続されており、ガス流量調節器7及びガス流量調節バルブ8を介して空気よりも放電開始電圧の高いガスがフード11内に導入される。このフード11を密閉容器5の替わりに設けた以外は、静電紡糸装置1と同様な構成であり、重複する説明は省略する。
【0029】
静電紡糸装置1Bにおいて、高電圧電源10により所定の高電圧を紡糸ノズル2に印加することにより、紡糸ノズル2と対向電極4との間に電位差が生じ、繊維は電気的に吸引されて、対向電極4に向かって飛翔する。このとき、紡糸ノズル2における先端部2aの近傍にはフード11が設けられ、ここに空気よりも放電開始電圧の高いガス雰囲気を形成するので、紡糸ノズル2及びその吐出部近傍における吐出されたポリマー溶液と対向電極4との間のコロナ放電及び火花放電が抑制され、より高い電圧が印加できるようになるためポリマー溶液の押出量を増加させることができる。従って、ポリマー溶液の吐出量を多くすることができ、これにより、紡糸の生産性を向上させることができる。
【0030】
実施形態2においては、紡糸ノズル2や対向電極4を収容する密閉容器5を必要としないので、空気よりも放電開始電圧の高いガスの使用量を大幅に減少することができる。また、静電紡糸装置1に比べて静電紡糸装置1Bを簡略に作製することができる。さらに、紡糸ノズル2における先端部2aの近傍にはフード11を設けたが、先端部2aの近傍を空気よりも放電開始電圧の高いガス雰囲気にすることができれば、特に限定することなく種々の形状の覆いや遮蔽部材等も同様に使用することができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。
【0032】
実施例1〜2及び比較例
図1(対向電極を除く)に示すように、密閉容器5内の雰囲気ガスとして二酸化炭素(実施例1、100%)又は酸素(実施例2)を使用し、ガスボンベ6から密閉容器5内に二酸化炭素ガス又は酸素を導入した。紡糸ノズルとしては、内径1.0mmの金属製パイプを使用し、対向電極には200mm角のアルミニウム板(接地)を使用し、これらの紡糸ノズルと対向電極との距離を150mmとした。ポリマーとしては、平均重合度3500のPVA(ポリビニルアルコール)10%(溶媒は水)を使用し、温度25℃、湿度70%で紡糸を行った。
【0033】
紡糸ノズルへの印加電圧と、紡糸ノズルからのポリマー溶液押出量との関係を調べた。つまり、一定電圧で30分間紡糸し、紡糸ノズルの先端部にポリマー溶液の液溜まりが発生せず、押出量と紡糸量との釣り合いが取れており、安定に紡糸できる吐出量の最大値を調べた。密閉容器5に空気を導入した場合を比較例とした。なお、参考として、ポリマー溶液を押し出さずにコロナ放電開始電圧を電圧と電流値の関係を測定することにより測定したところ、約14KVであった。以上の結果を図4に示す。
【0034】
図4において、黒四角は実施例1の場合、Xは実施例2の場合、黒丸は比較例の場合についてそれぞれ測定した結果である。実施例1では35kVでスパーク放電が開始し、実施例2では40kVでスパーク放電が開始した。これに対し、比較例では、これらより低い30kVでスパーク放電が開始した。このように、本発明による紡糸方法及び装置によれば、比較例に比べて高い電圧を印加でき、押出量を増やしても安定して紡糸でき、生産性が高いことがわかった。
【0038】
【発明の効果】
請求項の発明によれば、ポリマー供給部におけるポリマー溶液吐出部の近傍を覆うフードと、フードで覆われたポリマー溶液吐出部の近傍へ空気よりも放電開始電圧の高いガスを導入できる手段とを設けたので、紡糸ノズル及びその吐出部近傍における吐出されたポリマー溶液と対向電極との間のコロナ放電が抑制され、より高い電圧が印加できるようになり、ポリマー溶液の吐出量を増大でき、紡糸の生産性を向上させることができると共に、空気よりも放電開始電圧の高いガスを少量しか必要とせず、静電紡糸装置の作製が容易になるという効果を奏する。
【0039】
請求項の発明によれば、空気よりも放電開始電圧の高いガス雰囲気に所定のガスを含んでいるので、紡糸空間における紡糸ノズル及びその吐出部近傍における吐出されたポリマー溶液と対向電極との間のコロナ放電及び火花放電が抑制され、より高い電圧が印加できるようになり、ポリマー溶液の吐出量を増大でき、紡糸の生産性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による静電紡糸装置を示す概略図である。
【図2】本発明の他の一実施形態による静電紡糸装置を示す概略図である。
【図3】本発明の実施形態2による静電紡糸装置を示す概略図である。
【図4】実施例及び比較例におけるポリマー溶液押出量と、釣り合いの取れる紡糸ノズルへの印加電圧との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1、1A、1B…静電紡糸装置、2…紡糸ノズル、2a…ノズル先端部、3…排気装置、3a…バルブ又は弁、4…対向電極、5…密閉容器、6、6a…ガスポンベ、7、7a…ガス流量調節器、8…ガス流量調節バルブ、9…ポリマー供給機、10…高電圧電源、11…フード、12…繊維集合体、13…繊維回収装置。

Claims (2)

  1. 静電紡糸装置であって、
    ポリマー溶液を紡糸空間へ供給できるポリマー供給部と、
    前記ポリマー溶液に対して電荷を与えることのできる電荷付与手段と、
    前記ポリマー供給部に対向しており、ポリマー溶液の供給により形成された繊維を電気的に吸引することのできる対向電極と、及び
    前記ポリマー供給部におけるポリマー溶液吐出部の近傍を覆うフードと、
    前記フードで覆われた前記ポリマー溶液吐出部の近傍へ空気よりも放電開始電圧の高いガスを導入できる手段と、を備え、
    前記ポリマー溶液吐出部及び前記対向電極が密閉容器で覆われていないこと
    を特徴とする、静電紡糸装置。
  2. 前記空気よりも放電開始電圧の高いガスに、酸素、二酸化炭素、二酸化イオウ及び六フッ化イオウからなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項1記載の静電紡糸装置。
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