JP4043975B2 - スチレン系樹脂発泡シートの製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂発泡シートの製造方法 Download PDF

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形に適した状態を長期間に亘って維持すると共に微細な気泡を有する機械的強度に優れたスチレン系樹脂発泡シートを安定的に製造することができるスチレン系樹脂発泡シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂発泡シートは、優れた熱成形性、外観及び緩衝性を有すると共に軽量にしてコストが低いことから、食品容器等に大量に用いられている。このスチレン系樹脂発泡シートは、スチレン系樹脂及び発泡剤を押出機に供給して溶融、混練し、押出発泡させることによって製造されている。
【0003】
上記スチレン系樹脂発泡シートは発泡剤を含有しているが、この発泡剤量が多いと、発泡剤による可塑化の影響が大きいために得られる成形品に表面荒れ等が発生するといった問題点が発生する一方、発泡剤量が少ないと、成形時における二次発泡(二次発泡性)が不足して目的とする形状の成形品を得ることができない。
【0004】
従って、スチレン系樹脂発泡シートを押出機から押出した後に所定期間だけ放置(熟成)させることによって、スチレン系樹脂発泡シート中の発泡剤を散逸させ、スチレン系樹脂発泡シート中の発泡剤量が成形に適した量となるように調整している。
【0005】
そして、上記熟成期間が短く且つ成形に適した発泡剤量を長期間に亘って維持し得るスチレン系樹脂発泡シートの製造方法が特許文献1に開示されており、発泡剤として、50重量%以上70重量%未満のイソブタンと15重量%以上30重量%以下のノルマルブタンと0.5重量%以上50重量%未満のプロパンと0重量%以上5重量%以下のその他の物理発泡剤からなる混合物を用いている。
【0006】
しかしながら、プロパンは、発泡速度が速くて内部発泡やスチレン系樹脂発泡シートの表面にスジを発生させ易いことから、外観や機械的強度に優れたスチレン系樹脂発泡シートを安定的に製造することができないといった問題点があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−105471号公報(特許請求の範囲)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形に適した状態を長期間に亘って維持し且つ微細な気泡を有して機械的強度に優れていると共に外観に優れたスチレン系樹脂発泡シートを安定的に製造することができるスチレン系樹脂発泡シートの製造方法を提供する。
【0009】
【課題を解決する手段】
本発明のスチレン系樹脂発泡シートの製造方法は、スチレン系樹脂及び発泡剤を押出機に供給して溶融、混練した後に押出機の先端に取り付けたサーキュラ金型から円筒状に押出発泡し、この円筒状発泡体を切断、展開してシート状にするスチレン系樹脂発泡シートの製造方法において、上記発泡剤は、ブタン80〜98重量%及び二酸化炭素2〜20重量%からなり且つ上記ブタンがイソブタン55〜100重量%及びノルマルブタン0〜45重量%からなると共に、上記サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口面積(S0 )と、サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口から樹脂の流通方向の反対方向に5mm存した部分の断面積(S1 )との比(S1 /S0 )が1.25〜2.25であることを特徴とする。
【0010】
上記スチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−メチルスチレン等のスチレン系単独重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体等のスチレン系共重合体、ポリスチレンとポリフェニレンオキシドとの混合物等が挙げられる。
【0011】
そして、上記スチレン系樹脂のメルトマスフローレートは、低いと、スチレン系樹脂の押出発泡性や成形時におけるスチレン系樹脂発泡シートの伸びが低下することがあるので、1.0g/10分以上が好ましく、1.2g/10分以上がより好ましく、1.25g/10分以上が特に好ましい。
【0012】
又、上記スチレン系樹脂のメルトマスフローレートは、高いと、発泡剤に二次発泡性の高いイソブタンを含有しており、成形時にスチレン系樹脂発泡シートがドローダウンや波打ち現象が生じることがあるので、2.5g/10分以下が好ましく、1.9g/10分以下がより好ましく、1.8g/10分以下が特に好ましい。なお、上記スチレン系樹脂のメルトマスフローレートは、JIS K7210に準拠して測定されたものをいう。
【0013】
更に、本発明のスチレン系樹脂発泡シートの製造方法では、発泡剤として、ブタン80〜98重量%及び二酸化炭素2〜20重量%からなり且つ上記ブタンがイソブタン55〜100重量%及びノルマルブタン0〜45重量%からなるものが用いられる。
【0014】
即ち、本発明では、ブタン、特に、イソブタンと二酸化炭素とを混合した発泡剤を用いるところに特徴を有する。これは、イソブタンは、スチレン系樹脂からの散逸速度が遅いことから、スチレン系樹脂発泡シート中に長期間に亘って残存し、よって、スチレン系樹脂発泡シート中における時間経過に伴う発泡剤量の減少速度を小さくすることができ、スチレン系樹脂発泡シート中の発泡剤量を成形に適した状態に長期間に亘って維持することができる一方、スチレン系樹脂発泡シートの熟成期間が長くなるといった問題が生じる。又、イソブタンに対してノルマルブタンを多く用いると、スチレン系樹脂発泡シートの気泡が大きくなるといった問題が生じる。
【0015】
これに対して、二酸化炭素は、沸点が非常に低くて発泡剤として多量に用いると、押出発泡時に内部発泡を生じやすく、スチレン系樹脂発泡シートの外観性が低下しやすい。
【0016】
しかしながら、二酸化炭素は、イソブタンが主成分のブタンに対して少量添加することによって、スチレン系樹脂発泡シート中の発泡剤量を長期間に亘って成形に適した状態に維持することができると共に、スチレン系樹脂発泡シートの気泡を微細化することができる。
【0017】
しかも、二酸化炭素は、スチレン系樹脂に対する散逸速度が速く、押出発泡後に直ちにスチレン系樹脂発泡シート中から散逸し、スチレン系樹脂発泡シートの熟成期間の短縮化を図ることができる。
【0018】
更に、二酸化炭素は、金型から押出された溶融状態のスチレン系樹脂が発泡する際の奪熱が大きいことから気泡膜を素早く冷却して固化させ、スチレン系樹脂発泡シートの冷却過程で気泡膜を強く延伸して気泡膜の強度を向上させて機械的強度に優れたスチレン系樹脂発泡シートとすることができる。
【0019】
そこで、本発明では、ブタン、特にイソブタンと、二酸化炭素とを所定割合で混合してなる発泡剤を用い、互いの欠点を補完しつつ両者の長所を相乗的に発揮させることにより、成形に適した状態を長期間に亘って維持すると共に微細な気泡を有する機械的強度に優れたスチレン系樹脂発泡シートを安定的に製造することができる。
【0020】
即ち、得られたスチレン系樹脂発泡シートは、二酸化炭素の作用によって微細にして強度に優れた気泡膜からなる気泡を有しており優れた機械的強度を有する。
【0021】
しかも、得られたスチレン系樹脂発泡シートは、二酸化炭素を速やかに散逸させて発泡剤量を短期間のうちに成形に適した量、即ち、熟成期間を短期間なものとすることができる一方、この成形に好適となった発泡剤量をスチレン系樹脂からの散逸速度の遅いブタン、特にイソブタンの作用によって長期間に亘って維持させることができ、よって、スチレン系樹脂発泡シートが成形に適した期間(成形ライフ)を長期間なものとすることができる。
【0022】
これらのことから、発泡剤中におけるブタンの含有量は、80〜98重量%に限定され、82〜97重量%が好ましく、85〜96重量%がより好ましい。同様の理由で、発泡剤中における二酸化炭素の含有量は、2〜20重量%に限定され、3〜18重量%が好ましく、4〜15重量%がより好ましい。
【0023】
そして、上記ブタンとしては、イソブタン単独、或いは、イソブタンとノルマルブタンとの混合物が用いられ、ノルマルブタンは、所定割合内において必要に応じて用いられればよい。
【0024】
即ち、ブタン中におけるイソブタンの含有量は、少ないと、スチレン系樹脂発泡シートの成形ライフが短くなるので、55〜100重量%に限定され、多すぎると、押出発泡時に内部発泡やスチレン系樹脂発泡シート表面にスジを発生することがあるので、60〜99重量%が好ましく、65〜98重量%がより好ましい。同様の理由で、ブタン中におけるノルマルブタンの含有量は、0〜45重量%に限定され、1〜40重量%が好ましく、2〜35重量%がより好ましい。
【0025】
更に、上記発泡剤において、イソブタンと二酸化炭素との重量比(イソブタン/二酸化炭素)は、低いと、スチレン系樹脂の押出発泡時における可塑化効果が低下し、スチレン系樹脂発泡シートの連続気泡率が高くなって機械的強度が低下したり、或いは、スチレン系樹脂発泡シートの二次発泡性が低下することがあり、又、高いと、スチレン系樹脂発泡シートの気泡が大きくなると共にスチレン系樹脂発泡シートの熟成期間が長くなることがあるので、3.3〜24が好ましく、3.5〜22がより好ましく、3.7〜20が特に好ましい。
【0026】
なお、上記発泡剤には、スチレン系樹脂の押出発泡性、スチレン系樹脂発泡シートの熟成期間及び成形ライフを損なわない範囲内において、プロパン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ネオペンタン等の炭化水素、ジメチルエーテルなどのエーテル化合物を添加してもよい。
【0027】
更に、上記発泡剤は可燃性であるため、スチレン系樹脂に帯電防止剤を添加するのが好ましい。このような帯電防止剤としては、多価アルコールと高級脂肪酸とのエステルであって分子中に1個以上の水酸基が遊離状態で存在してなる高級脂肪酸アルコール性エステルが好ましい。
【0028】
上記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリット、ソルビット、ソルビタン、マンニット、マンニタン、ジペンタエリスリット、ジグリセリン等が挙げられる。
【0029】
又、上記高級脂肪酸としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸等の飽和若しくは不飽和で炭素数が10〜30の1価の高級脂肪酸、又は、これらの高級脂肪酸が混在する牛脂肪酸、糠油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等が挙げられる。
【0030】
そして、上記高級脂肪酸アルコール性エステルとしては、例えば、ラウリン酸モノグリセライド、パルミチン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ペンタエリスリットモノカプレート、ペンタエリスリットモノオレエート、ペンタエリスリットモノラウレート、ジペンタエリスリットジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキ糠油脂肪酸エステル、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、マンニタンモノオレエート、マンニタンモノラウレート等が挙げられ、ステアリン酸モノグリセライドが好ましい。
【0031】
更に、帯電防止剤の添加量は、少ないと、添加した効果が発現せず、又、多いと、スチレン系樹脂発泡シートの外観が低下したり或いは反り・収縮を生じることがあるので、スチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜1.0重量部が好ましく、0.02〜0.5重量部がより好ましく、0.03〜0.3重量部が特に好ましい。
【0032】
加えて、上記スチレン系樹脂には、スチレン系樹脂発泡シートの物性及び製造に支障をきたさない範囲内において、タルク、炭酸マグネシウム、パーライト、炭酸カルシウム、クレー、バ−ミキュライト等の無機系粉末、アゾジカルボンアミド、トリヒドラジノトリアジン、ベンゼンスルホニルセミカルバジド、ポリ四フッ化エチレン樹脂粉末、クエン酸等の有機系粉末等の気泡調整剤、顔料、劣化防止剤、難燃剤等を添加してもよい
【0033】
次に、上記スチレン系樹脂及び上記発泡剤を用いてスチレン系樹脂発泡シートを製造する具体的な要領について説明する。先ず、本発明のスチレン系樹脂発泡シートの製造方法で用いられる押出機としては、従来から汎用されている押出機であれば、特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸押出機、複数の押出機を連結させたタンデム型の押出機が挙げられ、タンデム型の押出機が好ましい。
【0034】
そして、上記押出機にスチレン系樹脂を供給して溶融、混練し、この押出機中の溶融状態にあるスチレン系樹脂中に上記発泡剤を注入ポンプを用いて圧入する。
【0035】
この時、ブタンと二酸化炭素とを予め混合させた上で押出機中に圧入するよりも、スチレン系樹脂発泡シートの押出発泡状態を確認しながら、ブタンと二酸化炭素の圧入量を別々に微調整することができることから、ブタンと二酸化炭素とを別々のタイミングで押出機中に圧入するのが好ましい。
【0036】
そして、ブタンと二酸化炭素とを別々のタイミングで押出機中に圧入する場合には、ブタンを押出機中に圧入した後に二酸化炭素を押出機中に圧入するのが好ましい。
【0037】
これは、溶融状態のスチレン系樹脂中にブタンを圧入することによってスチレン系樹脂の溶融粘度を低下させることができ、この溶融粘度が低下した状態でスチレン系樹脂中に二酸化炭素を圧入することによって、二酸化炭素をスチレン系樹脂中により均一に分散させることができるからである。
【0038】
又、スチレン系樹脂中における発泡剤の分散性を向上させるために、発泡剤の臨界温度以上の温度に加熱され且つ発泡剤の臨界圧力以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に、発泡剤を圧入するのが好ましく、具体的には、押出機中にて発泡剤の臨界温度以上の温度に加熱され且つ発泡剤の臨界圧力以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に、発泡剤をその臨界圧力以上の圧力で圧入する方法が挙げられる。
【0039】
具体的には、イソブタンの場合には、イソブタンの臨界温度は135℃で臨界圧力が3.5MPaであることから、135℃以上の温度に加熱され且つ3.5MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にイソブタンを圧入することが好ましく、160℃以上の温度に加熱され且つ5MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にイソブタンを圧入することがより好ましく、185℃以上の温度に加熱され且つ7MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にイソブタンを圧入することが特に好ましい。
【0040】
又、ノルマルブタンの場合には、ノルマルブタンの臨界温度は152℃で臨界圧力が3.8MPaであることから、152℃以上の温度に加熱され且つ3.8MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にノルマルブタンを圧入することが好ましく、160℃以上の温度に加熱され且つ5MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にノルマルブタンを圧入することがより好ましく、185℃以上の温度に加熱され且つ7MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にノルマルブタンを圧入することが特に好ましい。
【0041】
更に、二酸化炭素の場合には、二酸化炭素の臨界温度は31℃で臨界圧力が7.4MPaであることから、120℃以上の温度に加熱され且つ9MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に二酸化炭素を圧入することが好ましく、140℃以上の温度に加熱され且つ9.5MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に二酸化炭素を圧入することがより好ましく、160℃以上の温度に加熱され且つ10MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に二酸化炭素を圧入することが特に好ましい。
【0042】
又、押出機としてタンデム型の押出機を用いる場合には、一段目の押出機で発泡剤を圧入、分散された溶融状態のスチレン系樹脂は、一段目の押出機と二段目の押出機を接続している接続管を介して二段目の押出機に連続的に供給されるが、接続管内において、発泡剤を構成しているブタン及び二酸化炭素のうちの最も高い臨界温度以上にスチレン系樹脂を加熱すると共に、発泡剤を構成しているブタン及び二酸化炭素のうちの最も高い臨界圧力以上の圧力をスチレン系樹脂に加えることにより、発泡剤を臨界状態にてスチレン系樹脂中に更に多量に且つ均一に溶解させることができ、よって、得られるスチレン系樹脂発泡シートの気泡を更に微細にすることができると共に機械的強度を向上させることができる。
【0043】
更に、一段目の押出機は、スチレン系樹脂中に発泡剤を充分に分散させることを目的とするが、このような押出機としては、混合・混練性に優れた二軸押出機、発泡剤の圧入部付近にダルメージやピンのような高混練部分を有するスクリューを備えた単軸押出機が好ましい。
【0044】
加えて、二段目の押出機は、スチレン系樹脂を発泡適正温度に冷却することを主な目的とするが、このような押出機としては、スクリューを低回転で回転させても、発泡剤を含有するスチレン系樹脂を均一に発泡適正温度に冷却することができるスクリュー、例えば、ダルメージ部を有するスクリュー、スクリューフライトの一部を切欠いたスクリューを有する押出機が好ましい。
【0045】
なお、上記発泡剤の溶融状スチレン系樹脂中への圧入量は、少ないと、スチレン系樹脂が発泡しないことがあり、又、多いと、破泡することがあるので、スチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜6重量部が好ましく、1〜5.5重量部がより好ましく、1.5〜5重量部が特に好ましい。
【0046】
そして、押出機内で溶融、混練され且つ発泡剤が分散されたスチレン系樹脂は発泡適正温度とされた上で押出機に取り付けられたサーキュラ金型から円筒状に押出、発泡された後、この円筒状発泡体を冷却マンドレルに供給して連続的に冷却した上で、この筒状発泡体を任意の部分において押出方向に連続的に切断、展開して長尺状のスチレン系樹脂発泡シートを得ることができる。
【0047】
ここで、本発明ではサーキュラ金型として、このサーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口面積(S0 )と、サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口から樹脂の流通方向の反対方向に5mm存した部分の断面積(S1 )との比(S1/S0 )が1.25〜2.25であるものを用いる。
【0048】
上記サーキュラ金型1は、図1に示したように、前後方向に貫通し且つ前端部が徐々に拡径した断面真円形状の空間部を有する外側口金2と、この外側口金2の空間部内に配設され且つ前端部が徐々に拡径した断面真円形状の内側口金3とからなり、外側口金2と内側口金3との対向面間には、前後方向に貫通し且つ前端部が徐々に拡径した断面円環状の溶融樹脂流路4が形成されている。
【0049】
そして、上記サーキュラ金型1の溶融樹脂流路4における出口面積(S0 )とは下記の要領で定められたものをいう。即ち、サーキュラ金型1の外側口金2の空間部内壁面21におけるリング状前端縁21a 上の任意の点Aから最も近接した距離にある内側口金3の外周面31上の点を点Bと定め、上記リング状前端縁21a 上の点Aを周方向に連続的に移動させながら内側口金3の外周面31上に点Bを連続的に特定し、点Bが連続することによって内側口金3の外周面31上に形成された円を仮想第一円31a とする。
【0050】
このようにして得られたサーキュラ金型1の外側口金2のリング状前端縁21aと、これに対向する内側口金3の仮想第一円31a との間に形成された部分を円環状出口Eとし、この円環状出口Eの面積をサーキュラ金型1の溶融樹脂流路4における出口面積(S0 )とする(図2参照)
【0051】
そして、上記サーキュラ金型1の溶融樹脂流路4における出口面積(S0 )は、下記の要領で求めることができる。即ち、外側口金2の空間部内壁面21におけるリング状前端縁21a 上の任意の点Aと、この点Aに対応する内側口金3の仮想第一円31a 上の点Bとの距離をt0 とすると共に、点Aと点Bとの中間点Cと、内側口金3の軸芯Dとの距離をr0 とし、下記式1により算出することができる。 S0 =(r0 +t0 /2)2 π−(r0 −t0 /2)2 π
=2πr00 ・・・式1
【0052】
なお、外側口金2のリング状前端縁21a と、内側口金3の仮想第一円31a との距離が一定でない場合には、リング状前端縁21a 上において任意に点A1 〜A8を周方向に45°の位相差毎に定め、各点A1 〜A8 に対応する点B1 〜B8 をそれぞれ特定し、点A1 〜A8 とこれに対応する点B1 〜B8 との距離t1 〜t8 の平均をt0 とすると共に、各点A1 〜A8 とこれに対応する点B1 〜B8 との中間点C1 〜C8 を定め、この中間点C1 〜C8 と、内側口金3の軸芯Dとの距離r1 〜r8 の平均をr0 とする。
【0053】
更に、サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口から樹脂の流通方向の反対方向に5mm存した部分の断面積(S1 )とは下記の要領で定められたものをいう。
【0054】
即ち、サーキュラ金型1の外側口金2のリング状前端縁21a を該リング状前端縁21a から該外側口金2の空間部内壁面21に沿って後方における内側口金3の軸芯D方向に5mmだけ平行移動させた位置に仮想第二円21b を特定すると共に、内側口金3の仮想第一円31a を該仮想第一円31a から該内側口金2の外周面31に沿って後方における内側口金3の軸芯D方向に5mmだけ平行移動させた位置に仮想第三円31b を特定する。
【0055】
このようにして得られた仮想第二円21b とこれに対向する仮想第三円31b との間に形成された部分の面積を、サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口から樹脂の流通方向の反対方向に5mm存した部分の断面積(S1 )とする(図3参照)。
【0056】
そして、サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口から樹脂の流通方向の反対方向に5mm存した部分の断面積(S1 )は、下記の要領で求めることができる。即ち、外側口金2の仮想第二円21b 上における任意の点Fと、この点Fに最も近接する仮想第三円31b 上の点Gとの距離をT0 とすると共に、点Fと点Gとの中間点Hと、内側口金3の軸芯Dとの距離をR0 とし、下記式2により算出することができる。
Figure 0004043975
【0057】
なお、外側口金2の仮想第二円21b と、内側口金3の仮想第三円31b との距離が一定でない場合には、仮想第二円21b 上において任意に点F1 〜F8 を周方向に45°の位相差毎に定め、各点F1 〜F8 に最も近接する仮想第三円31b 上の点G1 〜G8 をそれぞれ特定し、点F1 〜F8 とこれに対応する点G1 〜G8 との距離T1 〜T8 の平均をT0 とすると共に、各点F1 〜F8 とこれに対応する点G1 〜G8 との中間点H1 〜H8 を定め、この中間点H1 〜H8 と、内側口金3の軸芯Dとの距離R1 〜R8 の平均をR0 とする。
【0058】
上記のようにして得られた、サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口面積(S0 )と、サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口から樹脂の流通方向の反対方向に5mm存した部分の断面積(S1 )との比(S1 /S0 )は、サーキュラ金型1の円環状出口Eの5mm後方部分から円環状出口Eに至るまでにどれだけ絞られたかを表したものであって、この値が大きいほど絞られた度合いが大きいことを示している。
【0059】
そして、上記(S1 /S0 )は、小さいと、サーキュラ金型1内において内部発泡を生じ、得られるスチレン系樹脂発泡シートの外観が低下し、又、大きいと、メルトフラクチャーが発生し、得られるスチレン系樹脂発泡シートの外観が低下するので、1.25〜2.25に限定され、1.4〜2.1が好ましく、1.5〜2.0がより好ましい。
【0060】
又、サーキュラ金型1の出口面積(S0 )と、サーキュラ金型1の円環状出口Eにおける剪断速度との比(出口面積(S0 )/剪断速度)は、小さいと、メルトフラクチャーが発生し、得られるスチレン系樹脂発泡シートの外観が低下することがあり、又、大きいと、内部発泡し、得られるスチレン系樹脂発泡シートの外観が低下することがあるので、0.02〜0.11mm2 ・secが好ましい。
【0061】
なお、サーキュラ金型1の円環状出口Eにおける剪断速度は下記二重管での計算式に基づいて算出されたものをいう。
剪断速度(sec-1)=6Q/〔π(L2 2 −L1 2 )(L2 −L1 )〕
但し、Qはスチレン系樹脂の体積押出量(cm3 /sec)(Qを質量押出量(g/sec)から算出する場合は、スチレン系樹脂の密度は0.8g/cm3とする)であり、L1 (cm)は(r0 −t0 /2)であり、L2 (cm)は(r0 +t0 /2)である。
【0062】
更に、サーキュラ金型から吐出された円筒状発泡体の内外周面に冷却風を吹きつけることによって円筒状発泡体を冷却させて、円筒状発泡体の内外面にスキン層を形成させれば、外観に優れたスチレン系樹脂発泡シートを製造することができ好ましい。
【0063】
なお、上記スチレン系樹脂発泡シートは、通常、厚みが0.7〜3.5mm、坪量が70〜400g/m2 、密度が0.05〜0.35g/cm3 に調整されるのが好ましいが、これら条件に限定されるものではない。
【0064】
ここで、上記発泡適正温度は、低いと、スチレン系樹脂中における発泡剤の分散性が低下すると共に発泡剤を含んだ溶融樹脂の粘度が高くなり過ぎて、良好なスチレン系樹脂発泡シートが得られないことがあり、又、高いと、発泡速度が速くなり過ぎて、良好なスチレン系樹脂発泡シートが得られないことがあるので、130〜170℃が好ましく、イソブタンの臨界温度以上とすることによって発泡剤の分散性を向上させることができることから、135〜168℃が好ましく、140〜166℃がより好ましく、145〜164℃が特に好ましい。
【0065】
そして、上記の如くして製造された長尺状のスチレン系樹脂発泡シートは、ロール状に一旦巻き取られた上で所定期間だけ熟成され、スチレン系樹脂発泡シート中の発泡剤を散逸させ、スチレン系樹脂発泡シート中の発泡剤量を熱成形に適した量とした上で容器等の所望形状に熱成形される。
【0066】
この熱成形時におけるスチレン系樹脂発泡シート中の発泡剤量は、少ないと、二次発泡が不足して目的とする厚みの成形品が得られなかったり或いはスチレン系樹脂発泡シートを所望形状に成形させることができないことがあり、又、多いと、発泡剤によるスチレン系樹脂の可塑化効果が大きすぎて、熱成形時に、スチレン系樹脂発泡シート表面に表面荒れを生じて成形品の外観が低下したり、或いは、熱成形時にスチレン系樹脂発泡シートがドローダウン、波打ちを発生して成形不良となることがあるので、2.0〜3.4重量%が好ましく、2.1〜3.2重量%がより好ましく、2.2〜3.0重量%が特に好ましい。
【0067】
【実施例】
(実施例1)
スチレン樹脂(A&Mスチレン社製 商品名「G9305」、メルトマスフローレート:1.5g/10分)100重量部、タルク1.0重量部及びステアリン酸モノグリセライドのマスターバッチ(スチレン系樹脂/ステアリン酸モノグリセライド(モノグリセライド含量:95重量%以上)(重量比)=4)0.5重量部をタンブラーにて予め均一に混合してなる樹脂混合物を、一段目の口径50mmの単軸押出機と二段目の口径65mmの単軸押出機とを接続管を介して接続してなるタンデム型の押出機の一段目の押出機に供給した。
【0068】
そして、スチレン樹脂を一段目の押出機にて170〜220℃で溶融、混練すると共に、一段目の押出機の一の注入口を通じてブタン(イソブタン95重量%、ノルマルブタン5重量%)4重量部を、220℃に加熱され且つ15MPaの圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に15MPa以上の圧力でもって圧入した直後に、一段目の押出機における別の注入口を通じて二酸化炭素0.2重量部を、220℃に加熱され且つ15MPaの圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に15MPa以上の圧力でもって圧入して、ピンを備えたスクリューによってスチレン樹脂中に二酸化炭素及びブタンを均一に分散させた。
【0069】
しかる後、溶融状態のスチレン樹脂を一段目の押出機から接続管を介して二段目の押出機に連続的に供給した。なお、接続管内におけるスチレン樹脂の温度は190℃、スチレン樹脂に加えられた圧力は13.0MPaであった。
【0070】
そして、二段目の押出機にて溶融状態のスチレン樹脂は、スクリューフライトが一部切り欠かれたスクリューで樹脂温度160℃に冷却された後、二段目の押出機の先端に取り付けられた図1に示したサーキュラ金型から円筒状に押出発泡された。なお、上記樹脂温度は、二段目の押出機とサーキュラ金型との間にブレーカープレートを挿入し、そのブレーカープレートの中心部に熱電対を挿入することにより測定した。
【0071】
ここで、サーキュラ金型は、図1乃至図3において、t0 (点Aと点B間の距離)が0.56mm、r0 が29.77mm、T0 (点Fと点G間の距離)が1.00mm、R0 が27.09mm、S0 が105mm2 、S1 が170mm2、S1 /S0 が1.62、サーキュラ金型1の円環状出口Eにおける剪断速度が1065.1sec-1、サーキュラ金型1の出口面積(S0 )と、サーキュラ金型1の円環状出口Eにおける剪断速度との比(出口面積(S0 )/剪断速度)が0.0986mm2 ・secであった。なお、質量押出量は、8.33g/sec、L1 は、2.949cmであり、L2 は、3.005cmであった。
【0072】
そして、上記円筒状発泡体の内外周面の夫々に30℃の風を吹きつけ、円筒状発泡体の内外周面を冷却した後、30℃の冷却水で冷却されたマンドレルに連続的に供給して冷却した上で、円筒状発泡体をその任意の部分において押出方向に連続的に切断し展開することによってスチレン樹脂成形用発泡シートを連続的に製造し、この長尺状のスチレン系樹脂発泡シートを巻き取り機によってロール状に巻き取った。なお、スチレン系樹脂発泡シートは、その坪量が200g/m2、厚みが2.10mmであり、気泡が微細で外観に優れていた。
【0073】
(実施例2)
ブタン(イソブタン70重量%、ノルマルブタン30重量%)を3.6重量部、二酸化炭素を0.6重量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡シートを得た。なお、スチレン系樹脂発泡シートは、その坪量が200g/m2 、厚みが2.10mmであり、気泡が微細で外観に優れていた。
【0074】
(実施例3)
サーキュラ金型として、図1乃至図3において、t0 (点Aと点B間の距離)が0.56mm、r0 が29.78mm、T0 (点Fと点G間の距離)が1.17mm、R0 が27.02mm、S0 が105mm2 、S1 が199mm2 、S1 /S0 が1.90、サーキュラ金型1の円環状出口Eにおける剪断速度が1064.7sec-1、サーキュラ金型1の出口面積(S0 )と、サーキュラ金型1の円環状出口Eにおける剪断速度との比(出口面積(S0 )/剪断速度)が0.0986mm2 ・secであるサーキュラ金型を用いたこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡シートを得た。なお、スチレン系樹脂発泡シートは、その坪量が200g/m2 、厚みが2.10mmであり、気泡が微細で外観に優れていた。なお、質量押出量は、8.33g/sec、L1 は、2.950cmであり、L2 は、3.006cmであった。
【0075】
(比較例1)
ブタン(イソブタン95重量%、ノルマルブタン5重量%)5.21重量部を一段目の押出機に圧入する一方、二酸化炭素を用いなかったこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡シートを得た。なおスチレン系樹脂発泡シートは、その坪量が200g/m2 、厚みが2.10mmであった。
【0076】
(比較例2)
ブタンを(イソブタン50重量%、ノルマルブタン50重量%)4.0重量部とし、二酸化炭素を0.2重量部としたこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡シートを得た。なお、スチレン系樹脂発泡シートは、その坪量が200g/m2 、厚みが2.10mmであった。
【0077】
(比較例3)
ブタンを(イソブタン70重量%、ノルマルブタン30重量%)3.3重量部とし、二酸化炭素を0.9重量部としたこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡シートを製造しようとしたが、サーキュラ金型内において内部発泡が発生して外観の悪いスチレン系樹脂発泡シートしか得られなかった。なお、スチレン系樹脂発泡シートは、その坪量が200g/m2 、厚みが2.10mmであった。
【0078】
(比較例4)
サーキュラ金型として、図1乃至図3において、t0 (点Aと点B間の距離)が0.56mm、r0 が29.79mm、T0 (点Fと点G間の距離)が1.43mm、R0 が26.93mm、S0 が105mm2 、S1 が242mm2 、S1 /S0 が2.30、サーキュラ金型1の円環状出口Eにおける剪断速度が1064.3sec-1、サーキュラ金型1の出口面積(S0 )と、サーキュラ金型1の円環状出口Eにおける剪断速度との比(出口面積(S0 )/剪断速度)が0.0987mm2 ・secであるサーキュラ金型を用いたこと以外は実施例2と同様にしてスチレン系樹脂発泡シートを得ようとしたが、スチレン系樹脂発泡シートにフラクチャーマークが発生して良好なスチレン系樹脂発泡シートが得られなかった。なお、質量押出量は、8.33g/sec、L1 は、2.951cmであり、L2 は、3.007cmであった。
【0079】
(比較例5)
サーキュラ金型として、図1乃至図3において、t0 (点Aと点B間の距離)が0.56mm、r0 が29.76mm、T0 (点Fと点G間の距離)が0.73mm、R0 が27.19mm、S0 が105mm2 、S1 が125mm2 、S1 /S0 が1.19、サーキュラ金型1の円環状出口Eにおける剪断速度が1065.4sec-1、サーキュラ金型1の出口面積(S0 )と、サーキュラ金型1の円環状出口Eにおける剪断速度との比(出口面積(S0 )/剪断速度)が0.0986mm2 ・secであるサーキュラ金型を用いたこと以外は実施例2と同様にしてスチレン系樹脂発泡シートを得ようとしたが、サーキュラ金型内において内部発泡が発生して良好なスチレン系樹脂発泡シートを得ることができなかった。なお、質量押出量は、8.33g/sec、L1 は、2.948cmであり、L2 は、3.004cmであった。
【0080】
以上の如くして製造されたスチレン系樹脂発泡シートの平均気泡径、表面硬度、二次発泡性及び成形性を以下の方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0081】
(平均気泡径)
スチレン系樹脂発泡シートを任意の箇所にて押出方向及びこの押出方向に直交する方向に沿って厚み方向に切断し、これら切断面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製 商品名「JSM−T−300」)にて30倍に拡大し、ASTM D2842−69に準拠して、押出方向(MD方向)、スチレン系樹脂発泡シートの表面に沿い且つ押出方向に直交する方向(TD方向)及び厚み方向(VD方向)の各平均気泡径を算出し、これら三方向の平均気泡径の相加平均を平均気泡径とした。
【0082】
(表面硬度)
スチレン系 脂発泡シートを押出発泡してから常温、常圧下にて40日間放置した後、縦10cm×横500cmの平面長方形状の試験片を切り出した。そして、試験片の表面硬度をゴム硬度計(スプリング式硬さ試験機)(高分子計器社製 商品名「CS型」)を試験片表面に押し当てることによってスチレン系樹脂発泡シートの表面硬度を測定した。なお、試験片における表面硬度の測定箇所は、縦方向の中央部において、横方向の端縁から横方向に10cm間隔毎とした。
【0083】
(二次発泡性)
スチレン系樹脂発泡シートを押出発泡してから40日間放置した後、このスチレン系樹脂発泡シートから一辺が10cmの平面正方形状の試験片を切り出した。
【0084】
そして、上記試験片を125℃に保持されたオーブン中に150秒間放置して加熱、発泡させた。次いで、この発泡させた試験片の縦、横及び厚み方向の寸法を測定し、下記式により二次発泡性を算出した。
二次発泡性=発泡後の試験片の体積/発泡前の試験片の体積
【0085】
(成形性)
押出発泡してから14日間放置後及び40日放置後のスチレン系樹脂発泡シートのそれぞれから、一辺が30cmの平面正方形状の試験片を切り出した。
【0086】
そして、各試験片を熱成形機を用いて熱成形して、縦が10.5cmで且つ横が20.5cmの平面横長長方形状の底面部の四方端縁から上方における斜め外方に向かって周壁部が延設してなる皿状の成形体を得た。得られた成形体の稜角部を目視観察して下記基準により判断した。
○・・・全ての稜角部が熱成形機の金型通りに成形されていた。
×・・・何 か一つの稜角部が熱成形機の金型通りに成形されていなかった。
【0087】
【表1】
Figure 0004043975
【0088】
【発明の効果】
本発明のスチレン系樹脂発泡シートの製造方法は、スチレン系樹脂及び発泡剤を押出機に供給して溶融、混練した後に押出機の先端に取り付けたサーキュラ金型から円筒状に押出発泡し、この円筒状発泡体を切断、展開してシート状にするスチレン系樹脂発泡シートの製造方法において、上記発泡剤は、ブタン80〜98重量%及び二酸化炭素2〜20重量%からなり且つ上記ブタンがイソブタン55〜100重量%及びノルマルブタン0〜45重量%からなると共に、上記サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口面積(S0 )と、サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口から樹脂の流通方向の反対方向に5mm存した部分の断面積(S1 )との比(S1 /S0 )が1.25〜2.25であることを特徴とし、ブタンと二酸化炭素とが所定割合で混合されて互いの欠点を補完しつつ長所を顕在化させていることから押出発泡安定性に優れており、得られたスチレン系樹脂発泡シートは、微細な気泡を有して機械的強度に優れ且つ成形に適した発泡剤量となるまでの熟成期間が短い上に成形に適した発泡剤量を長期間に亘って持続して成形ライフが長いといった優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】サーキュラ金型を示した縦断面図である。
【図2】サーキュラ金型の溶融樹脂流路の出口形状を示した正面図である。
【図3】サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口から樹脂の流通方向の反対方向に5mm存した部分を示した正面図である。
【符号の説明】
1 サーキュラ金型
2 外側口金
3 内側口金
4 溶融樹脂流路

Claims (1)

  1. スチレン系樹脂及び発泡剤を押出機に供給して溶融、混練した後に押出機の先端に取り付けたサーキュラ金型から円筒状に押出発泡し、この円筒状発泡体を切断、展開してシート状にするスチレン系樹脂発泡シートの製造方法において、上記発泡剤は、ブタン80〜98重量%及び二酸化炭素2〜20重量%からなり且つ上記ブタンがイソブタン55〜100重量%及びノルマルブタン0〜45重量%からなると共に、上記サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口面積(S0 )と、サーキュラ金型の溶融樹脂流路における出口から樹脂の流通方向の反対方向に5mm存した部分の断面積(S1 )との比(S1 /S0 )が1.25〜2.25であることを特徴とするスチレン系樹脂発泡シートの製造方法。
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