JP2004142262A - スチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法及び成形方法 - Google Patents

スチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法及び成形方法 Download PDF

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Takaaki Hirai
平井 孝明
Shinichi Anami
阿南 伸一
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、熱成形に適した状態を長期間に亘って維持すると共に連続気泡率及び吸水率が低くて機械的強度に優れたスチレン系樹脂成形用発泡シートを安定的に製造することができるスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法は、スチレン系樹脂及び発泡剤を押出機に供給して溶融、混練した後に押出機から押出発泡させるスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法において、上記発泡剤は、ブタン77〜98重量%及びジメチルエーテル2〜23重量%からなり且つ上記ブタンがイソブタン65〜100重量%及びノルマルブタン0〜35重量%からなることを特徴とする。
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形に適した状態を長期間に亘って維持すると共に連続気泡率及び吸水率が低くて機械的強度に優れたスチレン系樹脂成形用発泡シートを安定的に製造することができるスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法及びこのスチレン系樹脂成形用発泡シートの成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系樹脂発泡シートは、優れた熱成形性、外観及び緩衝性を有すると共に軽量にしてコストが低いことから、食品容器等に大量に用いられている。このスチレン系樹脂発泡シートは、スチレン系樹脂及び発泡剤を押出機に供給して溶融、混練し、押出発泡させることによって製造されている。
【0003】
上記スチレン系樹脂発泡シートは発泡剤を含有しているが、この発泡剤量が多いと、発泡剤による可塑化の影響が大きいために得られる成形品に表面荒れ等が発生するといった問題点が発生する一方、発泡剤量が少ないと、成形時における二次発泡(二次発泡性)が不足して目的とする形状の成形品を得ることができない。
【0004】
従って、スチレン系樹脂発泡シートを押出機から押出した後に所定期間だけ放置(熟成)させることによって、スチレン系樹脂発泡シート中の発泡剤を散逸させ、スチレン系樹脂発泡シート中の発泡剤量が成形に適した量となるように調整している。
【0005】
そして、上記熟成期間が短く且つ成形に適した発泡剤量を長期間に亘って維持し得るスチレン系樹脂発泡シートの製造方法が特許文献1に開示されており、発泡剤として、50重量%以上70重量%未満のイソブタンと15重量%以上30重量%以下のノルマルブタンと0.5重量%以上50重量%未満のプロパンと0重量%以上5重量%以下のその他の物理発泡剤からなる混合物を用いている。
【0006】
しかしながら、プロパンは、発泡速度が速くて内部発泡やスチレン系樹脂発泡シートの表面にスジを発生させ易いことから、連続気泡率及び吸水率が低く且つ外観や機械的強度に優れたスチレン系樹脂発泡シートを安定的に製造するには、その製造条件の幅が極めて狭いといった問題点があった。
【0007】
更に、プロパンは、沸点が非常に低い上に常温における蒸気圧が高いことから、押出発泡にて汎用されているプランジャーポンプによって液化プロパンを押出機内に注入する際、配管内やプランジャーポンプ内において液化プロパンが気化し易く、液化プロパンを押出機内に安定的に注入することが困難であるといった問題点もあった。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−105471号公報(特許請求の範囲)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形に適した状態を長期間に亘って維持すると共に連続気泡率及び吸水率が低くて機械的強度に優れたスチレン系樹脂成形用発泡シートを安定的に製造することができるスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法及びこのスチレン系樹脂成形用発泡シートの成形方法を提供する。
【0010】
【課題を解決する手段】
本発明のスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法は、スチレン系樹脂及び発泡剤を押出機に供給して溶融、混練した後に押出機から押出発泡させるスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法において、上記発泡剤は、ブタン77〜98重量%及びジメチルエーテル2〜23重量%からなり且つ上記ブタンがイソブタン65〜100重量%及びノルマルブタン0〜35重量%からなることを特徴とする。
【0011】
上記スチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−メチルスチレン等のスチレン系単独重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体等のスチレン系共重合体、ポリスチレンとポリフェニレンオキシドとの混合物等が挙げられる。
【0012】
そして、上記スチレン系樹脂のメルトマスフローレートは、低いと、スチレン系樹脂の押出発泡性や成形時におけるスチレン系樹脂成形用発泡シートの伸びが低下することがあるので、1.0g/10分以上が好ましく、1.2g/10分以上がより好ましく、1.25g/10分以上が特に好ましい。
【0013】
又、上記スチレン系樹脂のメルトマスフローレートは、高いと、発泡剤に二次発泡性の高いイソブタンを含有しており、成形時にスチレン系樹脂成形用発泡シートがドローダウンや波打ち現象が生じることがあるので、2.5g/10分以下が好ましく、1.9g/10分以下がより好ましく、1.8g/10分以下が特に好ましい。なお、上記スチレン系樹脂のメルトマスフローレートは、JIS
K7210に準拠して測定されたものをいう。
【0014】
更に、本発明のスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法では、発泡剤として、ブタン77〜98重量%及びジメチルエーテル2〜23重量%からなり且つ上記ブタンがイソブタン65〜100重量%及びノルマルブタン0〜35重量%からなるものが用いられる。
【0015】
即ち、本発明では、ブタン、特に、イソブタンとジメチルエーテルとを混合した発泡剤を用いるところに特徴を有する。これは、イソブタンは、スチレン系樹脂からの散逸速度が遅いことから、スチレン系樹脂成形用発泡シート中に長期間に亘って残存し、よって、スチレン系樹脂成形用発泡シート中における時間経過に伴う発泡剤量の減少速度を小さくすることができ、スチレン系樹脂成形用発泡シート中の発泡剤量を成形に適した状態に長期間に亘って維持することができ、更に、スチレン系樹脂成形用発泡シートの気泡の微細化を図ることができる一方、イソブタンは、スチレン系樹脂との相溶性が悪く、スチレン系樹脂への可塑化効果が低いことから、内部発泡を生じたり或いはスチレン系樹脂成形用発泡シートの表面にスジを発生させる虞れがある。
【0016】
これに対して、ジメチルエーテルは、スチレン系樹脂に対する相溶性が非常に良くてスチレン系樹脂への可塑化効果が大きく、スチレン系樹脂を押出機から押出発泡させる際に発泡速度を抑制する効果を有すると共に、金型から押出された溶融状態のスチレン系樹脂が発泡する際の蒸発潜熱が大きいことから気泡膜を素早く冷却して固化させる効果を持っており、内部発泡を抑制して独立気泡率が高くて機械的強度の高いスチレン系樹脂成形用発泡シートを得ることができ、換言すれば、スチレン系樹脂の押出発泡を広い条件範囲で安定的に行うことができると共に連続気泡率及び吸水率が低くて機械的強度の高いスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造を可能にする。一方、ジメチルエーテルは、スチレン系樹脂への可塑化効果が非常に大きいことから、大量に用いると、気泡が大きく外観の劣ったスチレン系樹脂成形用発泡シートとなると共に、スチレン系樹脂成形用発泡シート中の発泡剤量が低下することから、熱成形時の二次発泡性及び熱成形性の劣ったスチレン系樹脂成形用発泡シートとなる虞れがある。
【0017】
そこで、本発明では、ブタン、特にイソブタンと、ジメチルエーテルとを所定割合で混合してなる発泡剤を用い、互いの欠点を補完しつつ両者の長所を相乗的に発揮させることにより、スチレン系樹脂成形用発泡シートを広い製造条件下にて安定的に製造することができる。
【0018】
そして、得られたスチレン系樹脂成形用発泡シートは、ジメチルエーテルの作用によって連続気泡率及び吸水率を低く抑えることで機械的強度に優れていると共に、ブタン、特にイソブタンの作用によって気泡を微細化して外観に優れたものである。
【0019】
しかも、得られたスチレン系樹脂成形用発泡シートは、ジメチルエーテルを速やかに散逸させて発泡剤量を短期間のうちに成形に適した量、即ち、熟成期間を短期間なものとすることができる一方、この成形に好適となった発泡剤量をスチレン系樹脂からの散逸速度の遅いブタン、特にイソブタンの作用によって長期間に亘って維持させることができ、よって、スチレン系樹脂成形用発泡シートが成形に適した期間(成形ライフ)を長期間なものとすることができる。
【0020】
これらのことから、発泡剤中におけるブタンの含有量は、77〜98重量%に限定され、78〜96重量%が好ましく、80〜94重量%がより好ましい。同様の理由で、発泡剤中におけるジメチルエーテルの含有量は、2〜23重量%に限定され、4〜22重量%が好ましく、6〜20重量%がより好ましい。
【0021】
そして、上記ブタンとしては、イソブタン単独、或いは、イソブタンとノルマルブタンとの混合物が用いられ、ノルマルブタンは、所定割合内において必要に応じて用いられればよい。
【0022】
即ち、ブタン中におけるイソブタンの含有量は、少ないと、スチレン系樹脂成形用発泡シートの成形ライフが短くなるので、65〜100重量%に限定され、多すぎると、押出発泡時に内部発泡やスチレン系樹脂成形用発泡シート表面にスジを発生することがあるので、66〜99重量%が好ましく、67〜98重量%がより好ましい。同様の理由で、ブタン中におけるノルマルブタンの含有量は、0〜35重量%に限定され、1〜34重量%が好ましく、2〜33重量%がより好ましい。
【0023】
更に、上記発泡剤において、イソブタンとジメチルエーテルとの重量比(イソブタン/ジメチルエーテル)は、低いと、スチレン系樹脂成形用発泡シートの気泡が大きくなると共に成形時における二次発泡性が低下することがあり、又、高いと、スチレン系樹脂の押出発泡時における可塑化効果が低下し、スチレン系樹脂成形用発泡シートの連続気泡率及び吸水率が高くなると共に機械的強度も低下することがあり、更に、スチレン系樹脂成形用発泡シートの熟成期間も長くなることがあるので、3.3〜14が好ましく、3.5〜13がより好ましく、3.7〜12が特に好ましい。
【0024】
なお、上記発泡剤には、スチレン系樹脂の押出発泡性、スチレン系樹脂成形用発泡シートの熟成期間及び成形ライフを損なわない範囲内において、プロパン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ネオペンタン等の炭化水素、窒素、炭酸ガス等の不活性ガスを添加してもよい。
【0025】
更に、上記発泡剤は可燃性であるため、スチレン系樹脂に帯電防止剤を添加するのが好ましい。このような帯電防止剤としては、多価アルコールと高級脂肪酸とのエステルであって分子中に1個以上の水酸基が遊離状態で存在してなる高級脂肪酸アルコール性エステルが好ましい。
【0026】
上記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリット、ソルビット、ソルビタン、マンニット、マンニタン、ジペンタエリスリット、ジグリセリン等が挙げられる。
【0027】
又、上記高級脂肪酸としては、例えば、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸等の飽和若しくは不飽和で炭素数が10〜30の1価の高級脂肪酸、又は、これらの高級脂肪酸が混在する牛脂肪酸、糠油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等が挙げられる。
【0028】
そして、上記高級脂肪酸アルコール性エステルとしては、例えば、ラウリン酸モノグリセライド、パルミチン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ペンタエリスリットモノカプレート、ペンタエリスリットモノオレエート、ペンタエリスリットモノラウレート、ジペンタエリスリットジステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキ糠油脂肪酸エステル、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、マンニタンモノオレエート、マンニタンモノラウレート等が挙げられ、ステアリン酸モノグリセライドが好ましい。
【0029】
更に、帯電防止剤の添加量は、少ないと、添加した効果が発現せず、又、多いと、スチレン系樹脂成形用発泡シートの気泡径が大きくなったり或いはスチレン系樹脂成形用発泡シートの外観の低下、反り及び収縮を生じることがあるので、スチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜1.0重量部が好ましく、0.02〜0.5重量部がより好ましく、0.03〜0.3重量部が特に好ましい。
【0030】
加えて、上記スチレン系樹脂には、スチレン系樹脂成形用発泡シートの物性及び製造に支障をきたさない範囲内において、タルク、炭酸マグネシウム、パーライト、炭酸カルシウム、クレー、バ−ミキュライト等の無機系粉末、アゾジカルボンアミド、トリヒドラジノトリアジン、ベンゼンスルホニルセミカルバジド、ポリ四フッ化エチレン樹脂粉末、クエン酸等の有機系粉末等の気泡調整剤、顔料、劣化防止剤、難燃剤等を添加してもよい
【0031】
次に、上記スチレン系樹脂及び上記発泡剤を用いてスチレン系樹脂成形用発泡シートを製造する具体的な要領について説明する。先ず、本発明のスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法で用いられる押出機としては、従来から汎用されている押出機であれば、特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸押出機、複数の押出機を連結させたタンデム型の押出機が挙げられ、タンデム型の押出機が好ましい。
【0032】
そして、上記押出機にスチレン系樹脂を供給して溶融、混練し、この押出機中の溶融状態にあるスチレン系樹脂中に上記発泡剤を注入ポンプを用いて圧入する。
【0033】
この時、ブタンとジメチルエーテルとを予め混合させた上で押出機中に圧入する他に、ブタンとジメチルエーテルとを別々のタイミングで押出機中に圧入してもよい。
【0034】
そして、ブタンとジメチルエーテルとを別々のタイミングで押出機中に圧入する場合には、ジメチルエーテルを押出機中に圧入した後にブタンを押出機中に圧入するのが好ましい。
【0035】
これは、溶融状態のスチレン系樹脂中にジメチルエーテルを圧入することによってスチレン系樹脂の溶融粘度を低下させることができ、この溶融粘度が低下した状態でスチレン系樹脂中にブタンを圧入することによって、ブタンをスチレン系樹脂中により均一に分散させることができるからである。
【0036】
又、発泡剤のスチレン系樹脂中における分散性を向上させるために、発泡剤の臨界温度以上の温度に加熱され且つ発泡剤の臨界圧力以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に、発泡剤を圧入するのが好ましく、具体的には、押出機中にて発泡剤の臨界温度以上の温度に加熱され且つ発泡剤の臨界圧力以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に、発泡剤をその臨界圧力以上の圧力で圧入する方法が挙げられる。
【0037】
具体的には、イソブタンの場合には、イソブタンの臨界温度は135℃で臨界圧力が3.5MPaであることから、135℃以上の温度に加熱され且つ3.5MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にイソブタンを圧入することが好ましく、160℃以上の温度に加熱され且つ5MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にイソブタンを圧入することがより好ましく、185℃以上の温度に加熱され且つ7MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にイソブタンを圧入することが特に好ましい。
【0038】
又、ノルマルブタンの場合には、ノルマルブタンの臨界温度は152℃で臨界圧力が3.8MPaであることから、152℃以上の温度に加熱され且つ3.8MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にノルマルブタンを圧入することが好ましく、160℃以上の温度に加熱され且つ5MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にノルマルブタンを圧入することがより好ましく、185℃以上の温度に加熱され且つ7MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にノルマルブタンを圧入することが特に好ましい。
【0039】
更に、ジメチルエーテルの場合には、ジメチルエーテルの臨界温度は127℃で臨界圧力が5.1MPaであることから、127℃以上の温度に加熱され且つ5.1MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にジメチルエーテルを圧入することが好ましく、152℃以上の温度に加熱され且つ6.6MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にジメチルエーテルを圧入することがより好ましく、177℃以上の温度に加熱され且つ8.6MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にジメチルエーテルを圧入することが特に好ましい。
【0040】
そして、ブタンとジメチルエーテルとを同時にスチレン系樹脂中に圧入する場合は、ブタンとジメチルエーテルの臨界温度及び臨界圧力の最大値が目安となるので、152℃以上の温度に加熱され且つ5.1MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にブタン及びジメチルエーテルを圧入することが好ましく、160℃以上の温度に加熱され且つ6.6MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にブタン及びジメチルエーテルを圧入することがより好ましく、185℃以上の温度に加熱され且つ8.6MPa以上の圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中にブタン及びジメチルエーテルを圧入することが特に好ましい。
【0041】
又、押出機としてタンデム型の押出機を用いる場合には、一段目の押出機で発泡剤を圧入、分散された溶融状態のスチレン系樹脂は、一段目の押出機と二段目の押出機を接続している接続管を介して二段目の押出機に連続的に供給されるが、接続管内において、発泡剤を構成しているブタン及びジメチルエーテルのうちの最も高い臨界温度以上にスチレン系樹脂を加熱すると共に、発泡剤を構成しているブタン及びジメチルエーテルのうちの最も高い臨界圧力以上の圧力をスチレン系樹脂に加えることによって、発泡剤を超臨界状態にてスチレン系樹脂中に更に多量に且つ均一に溶解させることができ、よって、得られるスチレン系樹脂成形用発泡シートの連続気泡率及び吸水率を低下させることができると共に機械的強度を向上させることができる。
【0042】
更に、一段目の押出機は、スチレン系樹脂中に発泡剤を充分に分散させることを目的とするが、このような押出機としては、混合・混練性に優れた二軸押出機、発泡剤の圧入部付近にダルメージやピンのような高混練部分を有するスクリューを備えた単軸押出機が好ましい。
【0043】
加えて、二段目の押出機は、スチレン系樹脂を発泡適正温度に冷却することを主な目的とするが、このような押出機としては、スクリューを低回転で回転させても、発泡剤を含有するスチレン系樹脂を均一に発泡適正温度に冷却することができるスクリュー、例えば、ダルメージ部を有するスクリュー、スクリューフライトの一部を切欠いたスクリューを有する押出機が好ましい。
【0044】
なお、上記発泡剤の溶融状スチレン系樹脂中への圧入量は、少ないと、スチレン系樹脂が発泡しないことがあり、又、多いと、破泡することがあるので、スチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜6重量部が好ましく、1〜5.5重量部がより好ましく、1.5〜5重量部が特に好ましい。
【0045】
そして、押出機内で溶融、混練され且つ発泡剤が分散されたスチレン系樹脂は発泡適正温度とされた上で押出機に取り付けられたサーキュラ金型から筒状に押出、発泡された後、この筒状発泡体を冷却マンドレルに供給して連続的に冷却した上で、この筒状発泡体を任意の部分において押出方向に連続的に切断、展開して長尺状のスチレン系樹脂成形用発泡シートを得ることができる。
【0046】
又、サーキュラ金型から吐出された筒状発泡体の内外周面に冷却風を吹きつけることによって筒状発泡体を冷却させて、筒状発泡体の内外面にスキン層を形成させれば、外観に優れたスチレン系樹脂成形用発泡シートを製造することができ好ましい。
【0047】
なお、上記スチレン系樹脂成形用発泡シートは、通常、厚みが0.7〜3.5mm、坪量が70〜400g/m2 、密度が0.05〜0.35g/cm3 に調整されるのが好ましいが、これら条件に限定されるものではない。
【0048】
ここで、上記発泡適正温度は、低いと、スチレン系樹脂中における発泡剤の分散性が低下すると共に発泡剤を含んだ溶融樹脂の粘度が高くなり過ぎて、良好なスチレン系樹脂成形用発泡シートが得られないことがあり、又、高いと、発泡速度が速くなり過ぎて、良好なスチレン系樹脂成形用発泡シートが得られないことがあるので、130〜170℃が好ましく、イソブタンの臨界温度以上とすることによって発泡剤の分散性を向上させることができることから、135〜168℃が好ましく、140〜166℃がより好ましく、145〜164℃が特に好ましい。
【0049】
又、サーキュラ金型の口金出口部分における開口面積と、サーキュラ金型の口金出口部分における剪断速度との比(開口面積/剪断速度)は、小さいと、メルトフラクチャーが発生してスチレン系樹脂成形用発泡シートの外観が低下することがあり、又、大きいと、内部発泡してスチレン系樹脂成形用発泡シートの外観が低下することがあるので、0.02〜0.11mm2 ・secが好ましい。
【0050】
なお、上記サーキュラ金型の口金出口部分における剪断速度は、下記二重管での計算式により算出されたものいう。
【0051】
剪断速度(sec−1)=6Q/〔π(r2  2 −r1  2 )(r2 −r1 )〕
【0052】
但し、Qは、体積押出量(cm3 /sec)であり(Qを質量押出量(g/sec)から算出する場合は、スチレン系樹脂の密度は0.8g/cm3 とする)、r1 (cm)は、サーキュラ金型の内側口金の出口部における外径の1/2、r2 (cm)は、サーキュラ金型の外側口金の出口部における内径の1/2である。
【0053】
そして、上記の如くして製造された長尺状のスチレン系樹脂成形用発泡シートは、ロール状に一旦巻き取られた上で所定期間だけ熟成され、スチレン系樹脂成形用発泡シート中の発泡剤を散逸させ、スチレン系樹脂成形用発泡シート中の発泡剤量を熱成形に適した量とした上で容器等の所望形状に熱成形される。
【0054】
この熱成形時におけるスチレン系樹脂成形用発泡シート中の発泡剤量は、少ないと、二次発泡が不足して目的とする厚みの成形品が得られなかったり或いはスチレン系樹脂成形用発泡シートを所望形状に成形させることができないことがあり、又、多いと、発泡剤によるスチレン系樹脂の可塑化効果が大きすぎて、熱成形時に、スチレン系樹脂成形用発泡シート表面に表面荒れを生じて成形品の外観が低下したり、或いは、熱成形時にスチレン系樹脂成形用発泡シートがドローダウン、波打ちを発生して成形不良となることがあるので、2.0〜3.4重量%が好ましく、2.1〜3.2重量%がより好ましく、2.2〜3.0重量%が特に好ましい。
【0055】
【実施例】
(実施例1)
スチレン樹脂(A&Mスチレン社製 商品名「G9305」、メルトマスフローレート:1.5g/10分)100重量部、タルク1.0重量部及びステアリン酸モノグリセライドのマスターバッチ(スチレン系樹脂/ステアリン酸モノグリセライド(モノグリセライド含量:95重量%以上)(重量比)=4)0.5重量部をタンブラーにて予め均一に混合してなる樹脂混合物を、一段目の口径50mmの単軸押出機と二段目の口径65mmの単軸押出機とを接続管を介して接続してなるタンデム型の押出機の一段目の押出機に供給した。
【0056】
そして、スチレン樹脂を一段目の押出機にて170〜220℃で溶融、混練すると共に、一段目の押出機の途中からジメチルエーテル0.5重量部を、220℃に加熱され且つ15MPaの圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に15MPa以上の圧力でもって圧入した直後に、イソブタン3.61重量部及びノルマルブタン0.19重量部を、220℃に加熱され且つ15MPaの圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に15MPa以上の圧力でもって圧入して、ピンを備えたスクリューによってスチレン樹脂中にジメチルエーテル及びブタンを均一に分散させた。
【0057】
しかる後、溶融状態のスチレン樹脂を一段目の押出機から接続管を介して二段目の押出機に連続的に供給した。なお、接続管内におけるスチレン樹脂の温度は190℃、スチレン樹脂に加えられた圧力は13.5MPaであった。
【0058】
そして、二段目の押出機にて溶融状態のスチレン樹脂は、スクリューフライトが一部切り欠かれたスクリューで樹脂温度159℃に冷却された後、二段目の押出機の先端に取り付けられたサーキュラ金型から円筒状に押出発泡された。なお、上記樹脂温度は、二段目の押出機とサーキュラ金型との間にブレーカープレートを挿入し、そのブレーカープレートの中心部に熱電対を挿入することにより測定した。
【0059】
ここで、上記サーキュラ金型の口金出口部分における開口面積は103mm2 、サーキュラ金型の口金出口部分における剪断速度は1.1×103 sec−1であり、サーキュラ金型の口金出口部分における開口面積と、サーキュラ金型の口金出口部分における剪断速度との比(開口面積/剪断速度)は、0.094mm2 ・secであった。
【0060】
又、体積押出量Qは、10.36cm3 /sec、サーキュラ金型の内側口金の出口部における外径は、5.89cm、サーキュラ金型の外側口金の出口部における内径は、6.0cmであった。
【0061】
そして、上記円筒状発泡体の内外周面の夫々に30℃の風を吹きつけ、円筒状発泡体の内外周面を冷却した後、30℃の冷却水で冷却されたマンドレルに連続的に供給して冷却した上で、円筒状発泡体をその任意の部分において押出方向に連続的に切断し展開することによってスチレン樹脂成形用発泡シートを連続的に製造し、この長尺状のスチレン系樹脂成形用発泡シートを巻き取り機によってロール状に巻き取った。なお、スチレン系樹脂成形用発泡シートは、その坪量が200g/m2 、厚みが2.15mmであり、外観に優れていた。
【0062】
(実施例2)
イソブタンを3.23重量部、ノルマルブタン0.17重量部、ジメチルエーテルを0.8重量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてスチレン系樹脂成形用発泡シートを得た。なお、スチレン系樹脂成形用発泡シートは、その坪量が200g/m2 、厚みが2.15mmであり、外観に優れていた。
【0063】
(実施例3)
ブタン及びジメチルエーテルを別々に押出機に圧入する代わりに、一段目の押出機において、イソブタン2.8重量部、ノルマルブタン1.2重量部及びジメチルエーテル0.3重量部を予め混合したものを、220℃に加熱され且つ15MPaの圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に15MPa以上の圧力でもって圧入したこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂成形用発泡シートを得た。なお、スチレン系樹脂成形用発泡シートは、その坪量が200g/m2 、厚みが2.15mmであり、外観に優れていた。
【0064】
(比較例1)
ブタン及びジメチルエーテルを別々に押出機に圧入する代わりに、一段目の押出機において、イソブタン3.99重量部及びノルマルブタン0.21重量部を予め混合したものを、220℃に加熱され且つ15MPaの圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に15MPa以上の圧力でもって圧入したこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂成形用発泡シートを得た。なお、スチレン系樹脂成形用発泡シートは、その坪量が200g/m2 、厚みが2.10mmであった。
【0065】
(比較例2)
ブタン及びジメチルエーテルを別々に押出機に圧入する代わりに、一段目の押出機において、イソブタン1.7重量部、ノルマルブタン1.7重量部及びジメチルエーテル0.8重量部を予め混合したものを、220℃に加熱され且つ15MPaの圧力が加えられた溶融状態のスチレン系樹脂中に15MPa以上の圧力でもって圧入したこと以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂成形用発泡シートを得た。なお、スチレン系樹脂成形用発泡シートは、その坪量が200g/m2 、厚みが2.15mmであった。
【0066】
(比較例3)
イソブタンを用いないこと、ノルマルブタンを3.15重量部、ジメチルエーテルを1.05重量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてスチレン系樹脂成形用発泡シートを得た。なお、スチレン系樹脂成形用発泡シートは、その坪量が200g/m2 、厚みが2.15mmであった。
【0067】
以上の如くして製造されたスチレン系樹脂成形用発泡シートの平均気泡径、連続気泡率、吸水率、圧縮歪み率、二次発泡性、残存発泡剤量及び成形性を以下の方法で測定し、その結果を表1に示した。
【0068】
(平均気泡径)
スチレン系樹脂成形用発泡シートを任意の箇所にて押出方向及びこの押出方向に直交する方向に沿って厚み方向に切断し、これら切断面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製 商品名「JSM−T−300」)にて30倍に拡大し、ASTMD2842−69に準拠して、押出方向(MD方向)、スチレン系樹脂成形用発泡シートの表面に沿い且つ押出方向に直交する方向(TD方向)及び厚み方向(VD方向)の各平均気泡径を算出し、これら三方向の平均気泡径の相加平均を平均気泡径とした。
【0069】
(連続気泡率)
ASTM D−2856に準拠して、空気比較式比重計(東京サイエンス社製商品名「1000型」)を用いて、1〜1/2〜1気圧方法にて測定した。
【0070】
(吸水率)
スチレン系樹脂成形用発泡シートを押出発泡してから20分間放置した後、このスチレン系樹脂成形用発泡シートから一辺が2cmの平面正方形状の試験片を10枚切り出し、各試験片の吸水前重量(W1 )を測定した。
【0071】
次に、デシケータ内に配設した500cm3 ビーカー内の300cm3 蒸留水中に各試験片をクランプを用いて完全に浸漬、固定させた。そして、スチレン系樹脂成形用発泡シートを押出発泡してから30分間経過後に、デシケータの内圧が5.2×104 Paとなるように減圧して10秒間放置した後、デシケータ内を大気圧に戻して各試験片を取り出した。
【0072】
次に、取り出した各試験片の表面に付いた水滴を素早く拭き取った上で試験片の吸水後重量(W2 )を測定し、下記式に基づいて各試験片の吸水率を算出し、10枚の試験片の平均を吸水率とした。
吸水率(%)=100×(W2 −W1 )/W1 
【0073】
(圧縮歪み率)
スチレン系樹脂成形用発泡シートから一辺が10cmの平面正方形状の試験片を5枚切り出した。先ず、各試験片の厚みAを測定した。
【0074】
次に、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製 商品名「UCU−10T」)を用い、最大荷重25kgのロードセルを採用し、このロードセルの先端に、R=10mm、径が20mmの断面半円球状で且つ長さが25mmである直棒形状の押し治具をその曲面が下方を向いた状態に装着した。
【0075】
そして、上記テンシロン万能試験機の押し治具の曲面における下端部(押圧部)を試験片の上面中央部に試験片に荷重を加えることなく接触させた(基点状態)。しかる後、押し治具を速度20mm/minにて試験片に向かって押圧し、試験片への荷重が4kgとなるまで試験片を押し治具によって厚み方向に圧縮させた。
【0076】
しかる後、押し治具の押圧部が基点状態から試験片側に向かって押圧、進行した距離Bを測定し、下記に示した式にて各試験片の圧縮歪み率を測定し、その平均を圧縮歪み率とした。
圧縮歪み率(%)=100×B/A
【0077】
(二次発泡性)
スチレン系樹脂成形用発泡シートを押出発泡してから40日間放置した後、このスチレン系樹脂成形用発泡シートから一辺が10cmの平面正方形状の試験片を切り出した。
【0078】
そして、上記試験片を125℃に保持されたオーブン中に150秒間放置して加熱、発泡させた。次いで、この発泡させた試験片の縦、横及び厚み方向の寸法を測定し、下記式により二次発泡性を算出した。
二次発泡性=発泡後の試験片の体積/発泡前の試験片の体積
【0079】
(残存発泡剤量)
スチレン系樹脂成形用発泡シートを押出発泡してから40日間放置した後、このスチレン系樹脂成形用発泡シートから、縦が5mmで且つ横が35mmの平面横長長方形状の試験片を切り出して、試験片の重量を測定した。
【0080】
そして、上記試験片中に含有されるブタン及びジメチルエーテルの総量(発泡剤総量)をガスクロマトグラフィを用いて下記条件にて絶対検量線法により測定し、下記式により残存発泡剤量を算出した。
残存発泡剤量(重量%)=100×発泡剤総量/試験片の重量
【0081】
ガスクロマトグラフィ条件
カラム温度:100℃       注入口温度:120℃
検出器温度:120℃       キャリアガス:ヘリウム
ヘリウム流量:1ml/sec   加熱炉温度:150℃
カラム:WATERS社製 ポラパックQ(80/100)3mmφ×1.5m
検出器:TCD(熱伝導度検出器)
測定装置:ガスクロマトグラフ(島津製作所社製 商品名「GC−14B」)
【0082】
(成形性)
押出発泡してから14日間放置後及び40日放置後のスチレン系樹脂成形用発泡シートのそれぞれから、一辺が30cmの平面正方形状の試験片を切り出した。
【0083】
そして、各試験片を熱成形機を用いて熱成形して、縦が10.5cmで且つ横が20.5cmの平面横長長方形状の底面部の四方端縁から上方における斜め外方に向かって周壁部が延設してなる皿状の成形体を得た。得られた成形体の稜角部を目視観察して下記基準により判断した。
○・・・全ての稜角部が熱成形機の金型通りに成形されていた。
×・・・何れか一つの稜角部が熱成形機の金型通りに成形されていなかった。
【0084】
【表1】
Figure 2004142262
【0085】
【発明の効果】
請求項1に記載のスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法は、スチレン系樹脂及び発泡剤を押出機に供給して溶融、混練した後に押出機から押出発泡させるスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法において、上記発泡剤は、ブタン77〜98重量%及びジメチルエーテル2〜23重量%からなり且つ上記ブタンがイソブタン65〜100重量%及びノルマルブタン0〜35重量%からなることを特徴とし、ブタンとジメチルエーテルとが所定割合で混合されて互いの欠点を補完しつつ長所を顕在化させていることから押出発泡安定性に優れており、得られたスチレン系樹脂成形用発泡シートは、優れた独立気泡率及び機械的強度を有し且つ成形に適した発泡剤量となるまでの熟成期間が短い上に成形に適した発泡剤量を長期間に亘って持続して成形ライフが長いといった優れた効果を奏するものである。
【0086】
又、請求項2に記載のスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法は、上記スチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法において、イソブタンとジメチルエーテルとの重量比(イソブタン/ジメチルエーテル)が3.3〜14であることを特徴とするので、更に押出発泡安定性に優れており、得られたスチレン系樹脂成形用発泡シートは、更に優れた独立気泡率及び機械的強度並びに長い成形ライフを有する。
【0087】
更に、請求項3に記載のスチレン系樹脂成形用発泡シートの成形方法は、スチレン系樹脂及び発泡剤を押出機に供給して溶融、混練した後に押出機から押出発泡させてなると共に、上記発泡剤がブタン77〜98重量%及びジメチルエーテル2〜23重量%からなり且つ上記ブタンがイソブタン65〜100重量%及びノルマルブタン0〜35重量部からなるスチレン系樹脂成形用発泡シートを該スチレン系樹脂成形用発泡シート中の発泡剤量がスチレン系樹脂成形用発泡シートの2.0〜3.4重量%にある状態にて熱成形することを特徴とするので、熱成形するに際してドローダウンや波打ち現象を生じさせることなく、スチレン系樹脂成形用発泡シートを二次発泡させて所望形状に確実に成形させることができる。

Claims (3)

  1. スチレン系樹脂及び発泡剤を押出機に供給して溶融、混練した後に押出機から押出発泡させるスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法において、上記発泡剤は、ブタン77〜98重量%及びジメチルエーテル2〜23重量%からなり且つ上記ブタンがイソブタン65〜100重量%及びノルマルブタン0〜35重量%からなることを特徴とするスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法。
  2. イソブタンとジメチルエーテルとの重量比(イソブタン/ジメチルエーテル)が3.3〜14であることを特徴とする請求項1に記載のスチレン系樹脂成形用発泡シートの製造方法。
  3. スチレン系樹脂及び発泡剤を押出機に供給して溶融、混練した後に押出機から押出発泡させてなると共に、上記発泡剤がブタン77〜98重量%及びジメチルエーテル2〜23重量%からなり且つ上記ブタンがイソブタン65〜100重量%及びノルマルブタン0〜35重量%からなるスチレン系樹脂成形用発泡シートを該スチレン系樹脂成形用発泡シート中の発泡剤量がスチレン系樹脂成形用発泡シートの2.0〜3.4重量%にある状態にて熱成形することを特徴とするスチレン系樹脂成形用発泡シートの成形方法。
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