JP4043582B2 - 包装袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状物、固形物、あるいは、これらの混合物からなる食品等を包装するための包装袋に関し、更に詳しくは、液状物、固形物、あるいは、これらの混合物からなる食品等を包装袋に収納した状態で、電子レンジにより加熱調理できると共に、加熱調理することにより包装袋内に発生する蒸気等を逃がし、包装袋の破袋を防止することができる包装袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、調理済あるいは半調理済等の食品、たとえば、肉まんやあんまん、シュウマイ、餃子、ハンバーガー、ホットドック、スパゲティー、焼きそば、焼きうどん、ビーフン等の調理済めん類等をプラスチック製の包装袋に収納して、食べるに際して電子レンジにより加熱調理する包装食品が市場に出回っている。しかし、このような食品を収納する包装袋は、電子レンジで包装袋ごと加熱すると、食品から発生する蒸気や内部空気の熱膨張により包装袋内部の内圧があがり、突然に包装袋が破袋し、包装袋に収納された食品が飛散すると共に、電子レンジ内を汚すといった問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、電子レンジで加熱調理する前に、通常はあらかじめ包装袋に尖ったもので孔を開けるなり、包装袋の端部をはさみなどで切り取るなりして、包装袋の内圧を逃がし包装袋が破袋するのを防止していた。しかし、これらの内圧を逃がす方法は結構手間なものであると同時に、加熱調理が開始されて発生した蒸気は直ちに包装袋外へ放出され、蒸気による加熱蒸らし効果が低減し食味が落ちる。また、この手間を省くものとして、たとえば、包装袋に樹脂系の不織布などを用いたり、弁構造の通気材を取り付けたり、また、包装袋の内層全面に易剥離性樹脂層を用いたりすることが行われている。
【0004】
しかしながら、包装袋に不織布を使用する方法は、不織布に防湿性がないために、流通、販売時等に包装袋内の食品の水分が外部へ飛散して該食品が乾燥状態になるといった問題や該食品が液状物の場合には液が漏れ出るといった問題がある。また、弁構造の通気材を取り付ける方法は、弁構造の通気材そのもののコストが高いうえに、取り付けるための設備を必要とするといった問題がある。また、包装袋の内層全面に易剥離性樹脂層を用いる方法は、包装袋のコストが高くなると共に加熱調理したときの蒸気や内部圧力の逃がし口を特定できないといった問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、調理済あるいは半調理済等の食品を完全に密封することができ、該食品の乾燥を防止できると共に該食品が液状物の場合でも対応することができ、かつ、前記食品を包装袋に収納したままで電子レンジにより加熱調理でき、さらに加熱調理中に発生する蒸気により包装袋に収納された食品を蒸らす効果を奏しつつ包装袋内の内部圧力を所定部分から逃がして破袋を防止できる低コストな包装袋を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々研究を重ねた結果、請求項1記載の発明の包装袋は、内部に食品を収納した状態で電子レンジにより加熱調理する包装食品用の包装袋であって、該包装袋は、内層に熱接着性樹脂層を有する矩形状の袋本体材を、対向する一対の両端が重ならないように隙間を開けた状態で内層を内側にして折り、前記隙間を設けた部位の内面に、前記隙間より広幅で両面に熱接着性樹脂層を有するテープ材を前記対向する一対の両端に平行に該テープ材の両側縁部で熱接着して2本の封筒状シール部を有する筒状体となし、前記筒状体の両端の開口部を熱接着して端部シール部を有する形状に製袋されており、前記テープ材の前記袋本体材の前記隙間を設けた部位の内側と熱接着する面の熱接着性樹脂層が易剥離性を有する熱接着性樹脂層から構成されている包装袋であって、前記包装袋の内部に食品を収納した状態で電子レンジで加熱調理した際に発生する蒸気や熱膨張した空気により高まる内部圧力が前記封筒状シール部に集中してかかることにより前記封筒状シール部において剥離がその内端側から進行し、封筒状シール部において剥離がその外端部に達した箇所より内部圧力を逃がすことを特徴とするものである。また、請求項2記載の発明の包装袋は、内部に食品を収納した状態で電子レンジにより加熱調理する包装食品用の包装袋であって、該包装袋は、内層に熱接着性樹脂層を有する矩形状の袋本体材を、対向する一対の平行な両端が重ならないように一定の巾を保った状態で縦方向に直線帯状に形成された隙間を開けた状態で内層を内側にして折り、前記隙間を設けた部位の内面に、前記隙間より広幅で両面に熱接着性樹脂層を有するテープ材を前記対向する一対の平行な両端に平行に該テープ材の両側縁部で熱接着することによりそれぞれが一定の巾を保った状態で縦方向に直線帯状に形成された2本の封筒状シール部を有する筒状体となし、前記筒状体の両端の開口部を熱接着して端部シール部を有する形状に製袋されており、前記テープ材の前記袋本体材の前記隙間を設けた部位の内側と熱接着する面の熱接着性樹脂層が易剥離性を有する熱接着性樹脂層から構成されている包装袋であって、前記包装袋の内部に食品を収納した状態で電子レンジで加熱調理した際に発生する蒸気や熱膨張した空気により高まる内部圧力が前記封筒状シール部に集中してかかることにより前記封筒状シール部において剥離がその内端側から進行し、封筒状シール部において剥離がその外端部に達した箇所より内部圧力を逃がすことを特徴とするものである。
【0007】
請求項1、2のいずれかに記載の構成とすることにより、調理済あるいは半調理済等の食品を完全に密封できて、該食品の乾燥を防止できると共に該食品が液状物の場合でも対応することができ、かつ、前記食品を包装袋に収納したままで電子レンジにより加熱調理できると共に加熱調理中に発生する蒸気により包装袋に収納された食品を蒸らす効果を奏しつつ包装袋内の高まる内部圧力を前記封筒状シール部より逃して破袋を防止できる低コストな包装袋を得ることができる。また、前記テープ材の前記袋本体材の内層と熱接着する面の熱接着性樹脂層がポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの混合樹脂からなる層とすることにより、耐油性、耐熱性に優れた易剥離性を有する熱接着性樹脂層とすることができると共に、レトルト用包装袋(高温高圧殺菌可能な包装袋)とすることができる。また、コストの高い易剥離性を有する熱接着性樹脂層をテープ材の片方の面に使うだけで済むために、従来のような包装袋の内層全面に用いた場合に比べて包装袋のコストを低くすることができる。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、請求項1、2のいずれかに記載の包装袋において、前記2本の封筒状シール部の少なくとも1本のシール巾が前記端部シール部のシール巾より狭く構成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、加熱調理することにより発生する蒸気や熱膨張する空気を一層確実に封筒状シール部より逃がして破袋を防止することができると共に、内部圧力の逃しを調節して蒸らし効果を高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、以下に詳述する。
まず、テープ材について説明すると、上記の本発明において、テープ材の易剥離性を有する熱接着性樹脂層に用いる樹脂としては、密封性、易剥離性、とりわけ、耐油性、耐熱性の点からポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの混合樹脂が好適である。
【0010】
前記混合樹脂の一組成物であるポリプロピレン系樹脂としては、たとえば、結晶性プロピレンランダム共重合体であって、プロピレンとエチレン、ブテンー1、ペンテンー1、ヘキセンー1、3ーメチルブテンー1、4ーメチルペンテンー1、オクテンー1などのαーオレフィンとのランダム共重合体などが挙げられ、なかでも結晶性プロピレンーエチレンランダム共重合体が好ましい。なお、ランダム共重合体としては、多段重合で得られるホモポリプロピレンとの混合物であっても構わない。
【0011】
次に、前記混合樹脂の一組成物であるポリエチレン系樹脂としては、たとえば、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレン等のいずれのエチレン単独重合体を使用することができる他に、プロピレン、ブテンー1、ペンテンー1、ヘキセンー1、3ーメチルブテンー1、4ーメチルペンテンー1、オクテンー1などのαーオレフィン、または、酢酸ビニルとの結晶性、あるいは、低結晶性ないし非結晶性のランダムもしくはブロック共重合体、あるいは、これらの混合物などを用いることができるが、なかでも高圧法低密度ポリエチレンが好ましい。
【0012】
次に、前記混合樹脂の一組成物であるオレフィン系共重合体ゴムとしては、たとえば、エチレン、プロピレン、ブテンー1、ヘキセンー1、4ーメチルペンテンー1等のモノオレフィンのうちの2種、または、3種以上のモノオレフィン共重合体ゴム、並びに、上記モノオレフィンの2種とジシクロペンタジエン、1、4ーヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等の非共役ジオレフィン、または、ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィンとの共重合体ゴムを用いることができるが、なかでもエチレンプロピレン共重合体ゴム、エチレンブテン共重合体ゴム、プロピレンブテン共重合体ゴムが好ましい。
【0013】
次に、テープ材の易剥離性を有する熱接着性樹脂層は、上記したようにポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの混合樹脂からなるものであり、この混合樹脂の各組成物の配合割合は、混合樹脂100 重量%に対して、ポリプロピレン系樹脂は45〜65重量%、ポリエチレン系樹脂は35〜55重量%、オレフィン系共重合体ゴムは2〜5重量%の範囲で用いるのが適当である。また、その厚さとしては20〜60μmが適当であり、好ましくは25〜50μmである。
【0014】
また、必要に応じて、前記テープ材の易剥離性を有する熱接着性樹脂層は、前記混合樹脂とホモポリプロピレンないし結晶性プロピレンランダム共重合体等からなる支持体、あるいは、前記混合樹脂とエチレン単独重合体ないし前記エチレン単独重合体とプロピレン、ブテンー1、ペンテンー1、ヘキセンー1、3ーメチルブテンー1、4ーメチルペンテンー1、オクテンー1などのαーオレフィン、または、酢酸ビニルとの結晶性、あるいは、低結晶性ないし非結晶性のランダムもしくはブロック共重合体、あるいは、これらの混合物とを共押し出ししたものであってもよく、その場合の前記混合樹脂の厚さと前記支持体の厚さは食品の種類、内容量、また、包装食品の梱包形態、運送条件等により適宜選択すればよい。
【0015】
また、前記テープ材の易剥離性を有する熱接着性樹脂層として用いることができる上記混合樹脂以外のものとしては、たとえば、エチレンー酢酸ビニル共重合体系樹脂や変性ポリエチレン,変性ポリプロピレン等の変性ポリオレフィン系樹脂等を挙げることができ、耐油性や耐熱性等を考慮しなくともよい食品の場合には、上記混合樹脂と同等に用いることができる。
【0016】
次に、前記テープ材の易剥離性を有する熱接着性樹脂層を設ける芯材としては前記テープ材を構成する基本基材となることから、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂を用いることができ、たとえば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリカーボネート系、ポリアセタール系等の樹脂を用いることができるが、該樹脂の1軸方向ないし2軸方向に延伸した延伸フィルムが好適である。また、合成紙なども用いることができる。このフィルムの厚さとしてはテープ材の基本素材としての強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さであればよく、コストを考慮すると12〜30μm程度が適当である。また、前記フィルムは、必要に応じてポリ塩化ビニリデンが塗工されたフィルムや酸化珪素等の無機物の蒸着層が形成されたフィルムとしてバリアー性を有する構成としてもよい。さらに、前記フィルムは、必要に応じて印刷を施しても構わないし、着色されたものであっても構わない。
【0017】
次に、前記芯材の前記易剥離性を有する熱接着性樹脂層を設けた面の反対面に設ける熱接着性樹脂層に用いる樹脂としては、前記袋本体材の内層と相溶性があり、前記袋本体材の内層と完全に熱接着されるものである必要がある。そのため、前記袋本体材の内層に用いる樹脂により決定されるものであるが、使用可能な樹脂としては、たとえば、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレン等のいずれのエチレン単独重合体を使用することができる他に、プロピレン、ブテンー1、ペンテンー1、ヘキセンー1、3ーメチルブテンー1、4ーメチルペンテンー1、オクテンー1などのαーオレフィン、または、酢酸ビニルとの結晶性、あるいは、低結晶性ないし非結晶性のランダムもしくはブロック共重合体、あるいは、これらの混合物、また、ホモポリプロピレンないし結晶性プロピレンランダム共重合体などを用いることができる。
【0018】
ところで今まで、テープ材として芯材の両面に熱接着性樹脂層を設けた実施例を説明してきたが、テープ材としてはこの構成に限ることはなく、たとえば、前記易剥離性を有する熱接着性樹脂層のみの構成からなるものであっても構わない。
【0019】
次に、袋本体材について説明すると、上記の本発明において、袋本体材の内層に用いる樹脂としては、テープ材の片方の面に設けた熱接着性樹脂層とは易剥離性を有し、他方の面に設けた熱接着性樹脂層とは完全に熱接着すると共に耐熱性の点で優れた樹脂である必要がある。それ故に、前記袋本体材の内層に用いる樹脂は、前記テープ材の両面に設けた熱接着性樹脂層との関連で選択する必要があるが、たとえば、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレン等のいずれのエチレン単独重合体を使用することができる他に、プロピレン、ブテンー1、ペンテンー1、ヘキセンー1、3ーメチルブテンー1、4ーメチルペンテンー1、オクテンー1などのαーオレフィン、または、酢酸ビニルとの結晶性、あるいは、低結晶性ないし非結晶性のランダムもしくはブロック共重合体、あるいは、これらの混合物、また、ホモポリプロピレンないし結晶性プロピレンランダム共重合体などを用いることができる。
【0020】
また、前記袋本体材の外層として使用するフィルムとしては、包装袋を構成する基本素材となることから、機械的、物理的、化学的等において優れた性質を有する合成樹脂を用いることができ、たとえば、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系、ポリカーボネート系、ポリアセタール系等の樹脂を用いることができるし、また、セロハン、合成紙なども用いることができる。また、前記外層として使用するフィルムは、該フィルムの内層側に一般的には印刷が施されることが多いために、前記外層として使用するフィルムは印刷適性が求められ、2軸方向に延伸した延伸フィルムが好適である。このフィルムの厚さとしては基本素材としての強度、剛性などについて必要最低限に保持され得る厚さであればよく、コストを考慮すると12〜30μm程度が適当である。また、前記フィルムは、必要に応じてポリ塩化ビニリデンが塗工されたフィルムや酸化珪素等の無機物の蒸着層が形成されたフィルムとしてバリアー性を有する構成としてもよい。
【0021】
さらに、本発明においては、前記内層と前記外層の間に中間層を設けてもよく、前記中間層は通常前記内層と前記外層だけでは包装袋としての機能を十分に果たすことができない場合等に設けられる。前記機能としては、気体遮断性、機械的強靱性、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性等であり、包装袋として要求されるこれらの最終的な機能を中間層を設けることで達成するものである。該中間層として用いられる基材としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体ケン化物等のフィルムあるいはこれらにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルムないしは酸化珪素等の無機物の蒸着を施したフィルムあるいはポリ塩化ビニリデン等のフィルム、あるいは、紙、セロハン、合成紙、不織布などを用いることができる。また、これら基材の一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。尚、上記基材の厚さとしては、包装袋として要求される機能を満たすことができればよいのであって、必要に応じて適宜に選ぶことができる。なお、前記袋本体材にこのように中間層を設ける場合には、当然テープ材についても同様な機能を設ける必要があることはいうまでもない。
【0022】
次に、図面に示す実施例を用いてさらに詳しく説明する。
図1は本発明にかかる包装袋の第1の実施形態の斜視図、図2は図1の要部拡大断面図、図3は本発明にかかる包装袋の第1の実施形態の要部層構成図、図4は本発明にかかる包装袋の第1の実施形態の加熱調理途中の斜視図、図5は本発明にかかる包装袋の第2の実施形態の要部層構成図、図6は本発明にかかる包装袋の第3の実施形態の要部層構成図であり、図中の1、1'、1"は包装袋、2,2',2"は袋本体材、3,3',3"はテープ材、4は端部シール部、5,6は封筒状シール部、8,8'は剥離部、21は外層、22は中間層、23は内層、31は芯材、32はテープ材の易剥離性を有する熱接着性樹脂層、33はテープ材の熱接着性樹脂層をそれぞれ示す。
【0023】
図1は本発明にかかる包装袋の第1の実施形態の斜視図、図2は図1の要部拡大断面図であって、包装袋1は内層23に熱接着性樹脂層を有する矩形状の袋本体材2を、対向する一対の両端が重ならないように隙間を開けた状態で内層23を内側にして折り、前記隙間を設けた部位の内面に、前記隙間より広幅で両面に熱接着性樹脂層を有するテープ材3を前記対向する一対の両端に平行に該テープ材3の両側縁部で熱接着して2本の封筒状シール部5,6を有する筒状体となし、前記筒状体の両端の開口部を熱接着して端部シール部4,4を有する形状に製袋した包装袋であって、前記テープ材3の前記袋本体材2の前記隙間を設けた部位の内層と熱接着する面の熱接着性樹脂層が易剥離性を有する熱接着性樹脂層32から構成されているものである。また、前記2本の封筒状シール部5,6のシール幅は前記端部シール部4,4のシール幅より狭く構成されると共に、前記封筒状シール部5のシール幅は前記封筒状シール部6のシール幅よりさらに狭く構成されている。
【0024】
図3は本発明にかかる包装袋の第1の実施形態の要部層構成図であって、包装袋1の袋本体材2は外層21をなす15μmの2軸延伸ポリアミドフィルムにイソシアネート系化合物のアンカーコート剤(図示せず)を塗工後に内層23をなす25μmの高圧法低密度ポリエチレンをTダイを用いて押し出し塗工したものである。また、包装袋1のテープ材3は結晶性プロピレンーエチレンランダム共重合体/高圧法低密度ポリエチレン/エチレンプロピレンゴムの48/50/2の重量%の割合の混合樹脂と高圧法低密度ポリエチレンとを共押し出しした2層構成の35μmの無延伸フィルムであって、該2層構成の無延伸フィルムの混合樹脂の層がテープ材3の易剥離性を有する熱接着性樹脂層32、前記2層構成の無延伸フィルムの高圧法低密度ポリエチレンの層がもう一方の熱接着性樹脂層33を構成し、袋本体材2の前記内層23とテープ材3の前記易剥離性を有する熱接着性樹脂層32とが前記封筒状シール部5、6で熱接着されている。
【0025】
また、図示はしないが包装袋1の中にはビーフン、焼きそば、焼きうどん等の調理済めん類、肉まん、あんまん、シュウマイ、餃子、ハンバーガー、ホットドックなどの食品が収納されていて、食品を食べるに際してそのまま電子レンジで所定時間加熱調理するタイプのものである。
【0026】
図4は図1に示した本発明にかかる包装袋の第1の実施形態の加熱調理途中の斜視図であって、包装袋1は図2、3に示した構成からなり、内部圧力の逃がし箇所を封筒状シール部5に設計したものである。上記の食品が収納された包装袋1を電子レンジに入れて加熱調理すると、食品中から発生する蒸気や包装袋内の空気が熱膨張して内部圧力が高まり包装袋1はパンパンに膨れた状態になると共に、封筒状シール部5、6の略中央部の位置の袋本体材2の内層23とテープ材3の易剥離性熱接着樹脂層32の層間ないし前記易剥離性熱接着樹脂層32で、層間剥離ないし凝集破壊による剥離8および8'が包装袋1の内部側から生じ始める。最終的には包装袋1は封筒状シール部5の剥離8が封筒状シール部6の剥離8'よりもシール幅が狭いために早く進行して前記封筒状シール部5の外端部に達して内部圧力を逃がし、包装袋1の破袋が防止される。一方、封筒状シール部5に生じた剥離8が封筒状シール部5の外端部に達するまでの間、包装袋1に収納された食品を蒸らすことができるために、より良い食味を得ることも可能である。
【0027】
図5は本発明にかかる包装袋の第2の実施形態の要部層構成図であって、包装袋1'の袋本体材2'は外層21をなす15μmの2軸延伸ポリアミドフィルムと内層23をなす40μmの無延伸ポリプロピレンフィルムとを2液反応型ポリウレタン系接着剤(図示せず)を用いて周知のドライラミネーション法で貼り合わせた積層体で構成され、また、包装袋1'のテープ材3'は芯材31をなす15μmの2軸延伸ポリアミドフィルムの片方の面に結晶性プロピレンーエチレンランダム共重合体/高圧法低密度ポリエチレン/エチレンプロピレンゴムの55/43/2の重量%の割合の混合樹脂からなる25μmの無延伸フィルムを、そして、他方の面に25μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを2液反応型ポリウレタン系接着剤(図示せず)を用いて周知のドライラミネーション法で貼り合わせた積層体で構成されている。前記テープ材3'においては、前記混合樹脂からなる25μmの無延伸フィルムがテープ材3'の易剥離性を有する熱接着性樹脂層32を構成し、前記25μmの無延伸ポリプロピレンフィルムがもう一方の熱接着性樹脂層33を構成し、袋本体材2'の前記内層23とテープ材3'の前記易剥離性を有する熱接着性樹脂層32とが前記封筒状シール部5、6で熱接着されている。このように構成した包装袋1'はレトルト用包装袋(高温高圧殺菌可能な包装袋)としても使用することができる。
【0028】
図6は本発明にかかる包装袋の第3の実施形態の要部層構成図であって、包装袋1"の袋本体材2"は外層21をなす15μmの2軸延伸ポリアミドフィルムと中間層22をなす酸化珪素の蒸着層を有する12μmの2軸延伸ポリテレフタレートフィルムと内層23をなす40μmの無延伸ポリプロピレンフィルムとを順次2液反応型ポリウレタン系接着剤(図示せず)を用いて周知のドライラミネーション法で貼り合わせた積層体(酸化珪素の蒸着層は2軸延伸ポリアミドフィルム側)で構成され、また、包装袋1"のテープ材3"は芯材31をなす酸化珪素の蒸着層を有する12μmの2軸延伸ポリテレフタレートフィルムの蒸着面に結晶性プロピレンーエチレンランダム共重合体/高圧法低密度ポリエチレン/エチレンプロピレンゴムの55/43/2の重量%の割合の混合樹脂からなる25μmの無延伸フィルムを、そして、非蒸着面に25μmの無延伸ポリプロピレンフィルムを2液反応型ポリウレタン系接着剤(図示せず)を用いて周知のドライラミネーション法で貼り合わせた積層体で構成されている。前記テープ材3"においては、前記混合樹脂からなる25μmの無延伸フィルムがテープ材3"の易剥離性を有する熱接着性樹脂層32を構成し、前記25μmの無延伸ポリプロピレンフィルムがもう一方の熱接着性樹脂層33を構成し、袋本体材2"の前記内層23とテープ材3"の前記易剥離性を有する熱接着性樹脂層32とが前記封筒状シール部5、6で熱接着されている。このように構成した包装袋1"はガスバリアー性に優れた包装袋とすることができると共にレトルト用包装袋(高温高圧殺菌可能な包装袋)としても使用することができる。
【0029】
ところで今までの説明においては、封筒状シール部5、6のシール幅を端部シール部4、4のシール幅より狭く、かつ、前記封筒状シール部5のシール幅が前記封筒状シール部6のシール幅より狭く構成した実施例を用いたが、前記封筒状シール部5、6のシール幅が同じシール幅であってもよいし、また、前記封筒状シール部5、6のシール幅が前記端部シール部4、4のシール幅と同じシール幅であっても構わない。
【0030】
【実施例】
上記の本発明について、以下に実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
実施例1
調理済の焼きいも(250g)を充填した外寸法が140 ×230mm 、端部シール部のシール幅が10mm、袋本体の隙間が10mm、テープ材の幅が30mm、封筒状シール部の一方のシール幅が5mm、他方のシール幅が8mmからなる本発明の第1の実施形態の包装袋を50袋作製した。これをオーブンレンジ(定格高周波出力500W)で3分間加熱を行った。50袋共に加熱を開始して2分±15秒後に内部圧力の高まりにより、いずれも5mm幅の封筒状シール部の略中央部から剥離して内部圧力を逃がすと共に破袋を防止することができた。また、内容物の食味も損なわれることがなかった。
実施例2
調理済ハンバーグ(75g )を充填した外寸法が115 ×170mm 、端部シール部のシール幅が10mm、袋本体の隙間が10mm、テープ材の幅が30mm、封筒状シール部の一方のシール幅が5mm、他方のシール幅が8mmからなる本発明の第2の実施形態の包装袋を50袋作製した。これをレトルト釜に入れて120 ℃で30分高温加熱殺菌をおこなった。50袋共に破袋等の異常はなく良好な結果が得られた。これをオーブンレンジ(定格高周波出力500W)で90秒間加熱を行った。50袋共に加熱を開始して40±10秒後に内部圧力の高まりにより、いずれも5mm幅の封筒状シール部の略中央部から剥離して内部圧力を逃がすと共に破袋を防止することができた。また、内容物の食味も損なわれることがなかった。
【0031】
【発明の効果】
本発明の包装袋は、今まで縷々説明してきたように、調理済あるいは半調理済等の食品を完全に密封できると共に、前記食品を包装袋に収納したままで電子レンジにより加熱調理でき、さらに加熱調理開始してのち所定時間経過後に加熱調理中に発生する蒸気や包装袋内の熱膨張した空気を逃がして破袋を防止でき、かつ、加熱調理中に発生する蒸気や包装袋内の熱膨張した空気を逃がすまでの間、包装袋に収納された食品を蒸らす効果を奏するものである。また、易剥離性の熱接着性樹脂層をテープ材に用いるために、従来のように包装袋の内層に用いた場合よりも包装袋のコストを低減できると共に、高温加熱殺菌処理にも対応できるといった効果をも奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる包装袋の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】 図1の要部拡大断面図である。
【図3】 本発明にかかる包装袋の第1の実施形態の要部層構成図である。
【図4】 本発明にかかる包装袋の第1の実施形態の加熱調理途中の斜視図である。
【図5】 本発明にかかる包装袋の第2の実施形態の要部層構成図である。
【図6】 本発明にかかる包装袋の第3の実施形態の要部層構成図である。
【符号の説明】
1、1'、1" 包装袋
2,2',2" 袋本体材
3,3',3" テープ材
4 端部シール部
5,6 封筒状シール部
8,8' 剥離部
21 外層
22 中間層
23 内層
31 芯材
32 テープ材の易剥離性を有する熱接着性樹脂層
33 テープ材の熱接着性樹脂層

Claims (3)

  1. 内部に食品を収納した状態で電子レンジにより加熱調理する包装食品用の包装袋であって、該包装袋は、内層に熱接着性樹脂層を有する矩形状の袋本体材を、対向する一対の両端が重ならないように隙間を開けた状態で内層を内側にして折り、前記隙間を設けた部位の内面に、前記隙間より広幅で両面に熱接着性樹脂層を有するテープ材を前記対向する一対の両端に平行に該テープ材の両側縁部で熱接着して2本の封筒状シール部を有する筒状体となし、前記筒状体の両端の開口部を熱接着して端部シール部を有する形状に製袋されており、前記テープ材の前記袋本体材の前記隙間を設けた部位の内側と熱接着する面の熱接着性樹脂層が易剥離性を有する熱接着性樹脂層から構成されている包装袋であって、前記包装袋の内部に食品を収納した状態で電子レンジで加熱調理した際に発生する蒸気や熱膨張した空気により高まる内部圧力が前記封筒状シール部に集中してかかることにより前記封筒状シール部において剥離がその内端側から進行し、封筒状シール部において剥離がその外端部に達した箇所より内部圧力を逃がすことを特徴とする包装袋。
  2. 内部に食品を収納した状態で電子レンジにより加熱調理する包装食品用の包装袋であって、該包装袋は、内層に熱接着性樹脂層を有する矩形状の袋本体材を、対向する一対の平行な両端が重ならないように一定の巾を保った状態で縦方向に直線帯状に形成された隙間を開けた状態で内層を内側にして折り、前記隙間を設けた部位の内面に、前記隙間より広幅で両面に熱接着性樹脂層を有するテープ材を前記対向する一対の平行な両端に平行に該テープ材の両側縁部で熱接着することによりそれぞれが一定の巾を保った状態で縦方向に直線帯状に形成された2本の封筒状シール部を有する筒状体となし、前記筒状体の両端の開口部を熱接着して端部シール部を有する形状に製袋されており、前記テープ材の前記袋本体材の前記隙間を設けた部位の内側と熱接着する面の熱接着性樹脂層が易剥離性を有する熱接着性樹脂層から構成されている包装袋であって、前記包装袋の内部に食品を収納した状態で電子レンジで加熱調理した際に発生する蒸気や熱膨張した空気により高まる内部圧力が前記封筒状シール部に集中してかかることにより前記封筒状シール部において剥離がその内端側から進行し、封筒状シール部において剥離がその外端部に達した箇所より内部圧力を逃がすことを特徴とする包装袋。
  3. 前記包装袋において、前記2本の封筒状シール部の少なくとも1本のシール巾が前記端部シール部のシール巾より狭く構成されていることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の包装袋。
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