JP4090577B2 - 包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カレーライス、焼きそば、焼きうどん、スパゲティー、ハンバーグ、ミートボール等の食べるに際して、複数の内容物を一緒にすることが必要な各種食品を収容する包装体に関し、更に詳しくは、食べる際にこれらの複数の内容物を一緒にする手間を可能な限り省くことができ、また、包装体に収容した状態で電子レンジで加熱調理することができると共に、適度な蒸ら し効果と吹きこぼれ等を防止することができる包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、食べる際に複数の内容物を一緒にする必要のある調理済あるいは半調理済の食品として、たとえば、カレーライス、スパゲティー、焼きそば、焼きうどん、ハンバーグ、ミートボール等があり、これらの食品がプラスチック製の密封容器に収容され、食べる時に電子レンジ等により加熱調理する包装食品が市場に出回っている。しかし、このような包装食品、たとえば、カレーライスは、▲1▼ライスとカレーとが別々のプラスチック製の密封容器に収容されていたり、あるいは、▲2▼一つの密封容器に仕切られた状態で収容されていたりするものが殆どであり、食べる際に、▲1▼の場合には、電子レンジ等により別々に加熱調理してから密封容器からライスとカレーを取り出して食器等に盛り付けるなり、また、密封容器からライスとカレーを取り出して食器に盛り付けてからラッピングして電子レンジで加熱調理するなり、あるいは、▲2▼の場合には、電子レンジ等で密封容器毎加熱調理してから密封容器を開封し、ライス側にカレーを盛り付けるなりしていた。
【0003】
そのために、これらの複数の内容物からなる調理済あるいは半調理済食品においては、本来調理済あるいは半調理済食品が具備する食べる際に手間がかからないという特徴が生かしきれていないものが多かった。
【0004】
また、最近では、コンビニエンスストア等において、備付けの電子レンジで加熱調理して、お持ち帰り品とする調理済あるいは半調理済食品等が多く市場に出回っている。しかし、カレーライス、スパゲティー、焼きそば、焼きうどん、ハンバーグ、ミートボール等に代表される食べるに際して複数の内容物を一緒にする必要のある調理済あるいは半調理済の食品は、複数の内容物を一緒にする必要があり、その手間と衛生面から、上記のようなお持ち帰り品にはなっていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、食べる際に複数の内容物を一緒にする必要のある調理済あるいは半調理済等の食品を食べる直前まで完全に密封できると共に、食べる時には、容易に、衛生的に複数の内容物を一緒にすることができる包装体であって、かつ、複数の内容物が一緒にされた食品を収容したままで電子レンジにより加熱調理でき、適度の蒸らし効果が得られると共に内容物の吹きこぼれ等が殆ど生じることがなく、また、持ち帰り時や食べる時の容器としても用いることができる包装体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記のような問題点を解決すべく種々研究を重ねた結果、請求項1記載の発明の包装体は、蓋体と開口部にフランジ部を有する容器本体とからなり、前記容器本体のフランジ部において前記蓋体を熱接着部で剥離可能に熱接着して密封した密封容器を、蓋体側同士を重ね合わせると共に重ね合わせた2つの密封容器を合成樹脂製フィルムで一体的に拘持した包装体において、前記重ね合わせた2つの密封容器の蓋体の外縁の対向する位置からそれぞれ前記外縁に連接して開封片が設けられ、前記開封片をそれぞれの前記外縁で折り返して、さらに前記開封片の先端を重ね合わせた状態で前記重ね合わせた2つの密封容器の外に出すと共に、前記開封片の先端と対応する前記合成樹脂製フィルムの位置に前記開封片の先端を取り出すための開封用切目が形成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、食べる直前まで完全に密封状態を維持できると共に、食べる際に合成樹脂製フィルムを開封用切目で切り欠いて開封片の先端を取り出し、前記開封片の先端を引き出すことにより、容器本体に接着した蓋体を剥離でき、2つの容器に別々に収容された内容物を容易に、衛生的に一緒にすることができる。また、このように一緒にされた2つの内容物が収容された包装体をそのまま電子レンジに入れて加熱調理することができ、さらに加熱調理中に発生する蒸気により包装体に収容された食品を蒸らす効果を奏しつつ、合成樹脂製フィルムの切り欠いた部分から包装体内の内部圧力を逃がすことができ、また、包装体は合成樹脂製フィルムで切り欠いた部分以外は覆われており、吹きこぼれについても殆ど防止することができる。また、加熱調理後も包装体は合成樹脂製フィルムで拘持されているので、お持ち帰りも容易であり、かつ、食べる時にはそのもの自体を容器として供することができる。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の包装体において、前記蓋体の外縁に連接して設けた開封片の前記蓋体の外縁の開始点を結んだ線の略垂直2等分線と交わる前記熱接着部の箇所が外側方向に突出するように形成されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、蓋体を容器本体から剥離するときに、スムーズな剥離を得ることができる。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、請求項1、2のいずれかに記載の包装体において、前記開封片の少なくとも先端部が前記開封片同士接着されていることを特徴とするものである。このように構成することにより、開封片の先端を引き出すだけで、2つの蓋体を2つの容器本体から同時に、かつ、一緒に剥離することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明の包装体の1実施例を示す斜視図、図2は図1のX−X線の断面図、図3は本発明の包装体の密封容器の開封開始端の形状の1実施例を示す要部平面図であり、図中の1は包装体、2は蓋体、3は容器本体、4は熱接着部、5は合成樹脂製フィルム、6は開封片、7は開封片の先端、8は開封用切目、A,Bは密封容器、Cは剥離開始端となる箇所をそれぞれ示す。
【0010】
図1は本発明の包装体の1実施例を示す斜視図、図2は図1のX−X線の断面図であって、本発明の包装体1は蓋体2と開口部にフランジ部を有する容器本体3とを前記容器本体3のフランジ部で前記蓋体2を熱接着部4で剥離可能に密封した密封容器A、Bを前記密封容器A、Bの蓋体2同士が相対するように重ね合わせ、重ね合わせた前記密封容器A、Bを合成樹脂製フィルム5で拘持したものであって、かつ、前記密封容器A、Bのそれぞれの蓋体2の外縁の対向する位置からそれぞれ前記外縁に連接して帯状の開封片6が設けられ、前記開封片6をそれぞれ前記外縁で折り返すと共に、折り返した前記開封片6の先端7を重ね合わせた状態で前記密封容器A、Bの外に出して前記密封容器A、Bのいずれかの側面に仮着し、かつ、前記開封片6の前記先端7と対応する前記合成樹脂製フィルム5の位置に前記開封片6の前記先端7を取り出すための開封用切目8が形成されたものである。
【0011】
また、図示はしないが前記密封容器A、Bの中には、カレーライス、スパゲティー、焼きそば、焼きうどん、ハンバーグ、ミートボール等に代表される食べる際に、複数の内容物を一緒にする必要のある調理済あるいは半調理済の食品が収納されていて、食品を食べる際に、前記密封容器Aに収容された食品と前記密封容器Bに収容された食品とを一緒にして電子レンジで所定時間加熱調理するタイプのものである。
【0012】
次に、本発明の包装体1の使用方法を説明すると、まず、包装体1の合成樹脂製フィルム5に設けられた開封用切目8を切り欠いて開封片6の先端7を取り出し、取り出した前記先端7を引くことにより密封容器A、Bのフランジ部の熱接着部4で剥離可能に熱接着された蓋体2が剥離されて、前記密封容器A、Bにそれぞれ収容された食品、たとえば、前記密封容器Aにカレー、前記密封容器Bにライスが収容されている場合、前記密封容器Bに収容されたライス上に前記密封容器Aに収容されたカレーをのせて一緒にし、その後、電子レンジで所定時間加熱調理を行う。この時、蓋体2が剥がされた前記密封容器A、Bは合成樹脂製フィルムで拘持されているので扱い易い上に衛生的である。また、蓋体2を取り出した合成樹脂製フィルム5の切り欠いた箇所のみが、加熱調理した際に包装体1内に発生する蒸気や熱膨張した空気を外部に逃がす箇所となり、包装体1内に収容された食品を適度に蒸らすことができる。また、加熱調理後は、合成樹脂製フィルム5を剥がすと共に、前記密封容器Aの容器本体3を取り去ることにより、前記密封容器Bの容器本体3がそのままカレーライスが収容された食器となり、そのまま食することができ、極めて利便性に優れる。
【0013】
本発明の包装体1に用いる容器本体3は、食品等の内容物を収容できる容積を有し、上部が開口すると共に上部にフランジ部を有する立体的な形状であればよく、前記立体的な形状は任意な形状をとることができる。容器本体の立体的な形状は真空成形、圧空成形、射出形成、ブロー成形、押し出し成形、カレンダー成形、キャスト成形等の成形方法で形成することができる。また、容器本体3を構成する材料については、電子レンジを用いて加熱調理するために少なくともマイクロ波を透過するものを用いる必要がある以外は容器本体3に求められる諸物性を満足できればよく、使用される用途、目的等により適宜決定すればよい。これに適うものとしては、たとえば、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、エチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂、あるいは、エラストマーを用いることができるし、また、これら樹脂の一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。また、前記樹脂をフィルム化したものに必要に応じてポリ塩化ビニリデンが塗工されたものや酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機物の蒸着層が形成されたものを用いることができる。また、前記容器本体3の厚さについても上記容器本体3の材料と同様に使用される用途、目的等により適宜決定すればよいが、一般的に0.5 〜3.0 mmの範囲の厚さのものが適当である。また、上記樹脂を発泡させたものであっても構わない。
【0014】
次に、本発明の包装体1に用いる蓋体2はシート状からなり、前記蓋体2を構成する材料およびその厚さは、蓋体2に求められる諸物性を満足できればよいのであって、使用される用途、目的等により適宜決定すればよく、前記蓋体2を構成する材料としては、たとえば、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリビニルアルコール、エチレンープロピレン共重合体、アイオノマー、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸メチル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体ケン化物等の樹脂、あるいは、エラストマー、あるいは、これら樹脂をフィルム化したもの、あるいは、前記フィルム化したものに必要に応じてポリ塩化ビニリデンやアルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素等の無機物の蒸着層が形成されたもの、あるいは、アルミニウムや錫等の金属箔などの一種ないしそれ以上を組み合わせたものを用いることができる。また、前記蓋体2の厚さについても、上記蓋体2の材料と同様に使用される用途、目的等により適宜決定すればよいが、一般的に40〜130 μmの範囲の厚さのものが適当である。
【0015】
また、前記蓋体2には、前記蓋体2の外縁に連接して帯状の開封片6が設けられているが、たとえば、この開封片6は前記蓋体2の抜き型に一体的に設けることで、前記蓋体2を型抜きすることにより、帯状の開封片6付き蓋体2として作製することができる。また、開封片6の別の設け方としては、蓋体2とは別に開封片6を作製し、前記蓋体2の外縁に前記開封片6を接着剤等を用いて接着することにより設けても構わない。要するに、容器本体3に熱接着部4で剥離可能に接着した前記蓋体2を前記蓋体2に設けられた前記開封片6を引っ張って前記容器本体3から剥離する際に、前記蓋体2を前記容器本体3から完全に剥離できるように前記蓋体2に前記開封片6が何らかの方法により設けられていればよい。また、それぞれの前記開封片6は少なくとも先端7が接着等により一体化されている方が密封容器3を開封する際に好適である。
【0016】
次に、蓋体2と容器本体3とを密封する熱接着部4について説明する。この熱接着部4は、前記蓋体2と前記容器本体3とが、前記蓋体2に設けられた開封片6を引っ張ることにより、スムーズに剥離できる程度に接着していることが必要であり、剥離強度は小さい方が望ましい。しかし、密封容器に収容される内容物によってはレトルト殺菌処理を施す必要のある内容物があり、前記熱接着部4の剥離強度を2.3kg/15mm巾以上に確保する必要がある。この場合には、前記熱接着部4を線状の熱接着部4とすることにより、レトルト殺菌処理には問題なく、実際の剥離強度を低くすることができる。
【0017】
このような剥離強度を有する熱接着部4は色々な材料を組み合わすことにより構成することができ、最も単純な構成としては蓋体2と容器本体3とが接着するホットメルト型接着剤を用いた構成が挙げられる。しかし、本発明の包装体1に収納される食品は調理済あるいは半調理済のものであり、収納される食品は密封容器3に収容された状態で調理あるいは半調理と殺菌がなされたり、あるいは、調理あるいは半調理がなされた食品を密封容器に収容して後に殺菌等の処理がなされたりするものが殆どであり、蓋体2および容器本体3は耐熱性が要求され、特に前記蓋体2および前記容器本体3の内容物と接触する層は耐熱性はもとより耐内容物性、とりわけ油性食品である場合が多いために耐油性が要求される。これらのことを考慮すると、前記蓋体2および前記容器本体3の内容物と接触する層に用いる樹脂としては、たとえば、ポリプロピレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との混合樹脂(以下ポリプロピレン系樹脂/ポリエチレン系樹脂の混合樹脂という)、高密度ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂とエラストマーとの混合樹脂(以下ポリプロピレン系樹脂/ポリエチレン系樹脂/エラストマーの混合樹脂という)が好適であり、これらの樹脂を組み合わせて前記熱接着部4を形成することが望ましい。
【0018】
具体的には、たとえば、ポリプロピレン系樹脂/ポリエチレン系樹脂/エラストマーの混合樹脂同士の組み合わせ、あるいは、ポリプロピレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂/ポリエチレン系樹脂の混合樹脂との組み合わせ、あるいは、ポリプロピレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂/ポリエチレン系樹脂/エラストマーの混合樹脂との組み合わせ、あるいは、ポリプロピレン系樹脂/ポリエチレン系樹脂の混合樹脂とポリプロピレン系樹脂/ポリエチレン系樹脂/エラストマーの混合樹脂との組み合わせ、あるいは、ポリプロピレン系樹脂/ポリエチレン系樹脂の混合樹脂同士の組み合わせ等が易剥離性、耐熱性、耐油性、さらには、透明性の点で好適である。
【0019】
そして、前記蓋体、あるいは、容器本体の内容物と接触する層に用いる前記ポリプロピレン系樹脂としては、たとえば、高結晶性のプロピレン単独重合体の他に、エチレン、ブテンー1、ペンテンー1、3ーメチルブテンー1、4ーメチルペンテンー1などのαーオレフィンとのランダム共重合体やこれらの混合物などである。なお、ランダム共重合体としては、多段重合で得られるホモポリプロピレンとの混合物であってもよい。
【0020】
また、前記蓋体、あるいは、容器本体の内容物と接触する層に用いるポリエチレン系樹脂としては、たとえば、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレンおよび高密度ポリエチレン、等のいずれのエチレン単独重合体を使用することができる他に、プロピレン、ブテンー1、ペンテンー1、3ーメチルブテンー1、4ーメチルペンテンー1などのαーオレフィン、または、酢酸ビニルとの結晶性、あるいは、低結晶性ないし非結晶性のランダムもしくはブロック共重合体、あるいは、これらの混合物などを用いることができる。
【0021】
また、前記蓋体、あるいは、容器本体の内容物と接触する層に用いるエラストマーとしては、たとえば、エチレン、プロピレン、ブテンー1、ヘキセンー1、4ーメチルペンテンー1等のモノオレフィンのうちの2種、または、3種以上のモノオレフィン共重合体ゴム、並びに、上記モノオレフィンの2種とジシクロペンタジエン、1、4ーヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネン等の非共役ジオレフィン、または、ブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィンとの共重合体ゴムを用いることができるが、なかでもエチレンプロピレン共重合体ゴム、エチレンブテン共重合体ゴム、プロピレンブテン共重合体ゴムが好ましい。
【0022】
また、前記蓋体、あるいは、容器本体の内容物と接触する層に用いる前記高密度ポリエチレン系樹脂としては、たとえば、エチレン単独重合体の他に、プロピレン、ブテンー1、ペンテンー1、3ーメチルブテンー1、4ーメチルペンテンー1などのαーオレフィンとの共重合体などをもちいることができる。
【0023】
また、前記熱接着部4は蓋体2を容器本体3から剥離する際の剥離開始端となる箇所Cを図3に示すように凸形状とすることにより、一層スムーズな剥離を約束することができ、本発明の包装体1においては、前記熱接着部4の前記剥離開始端となる箇所をこのように構成する方が望ましい。
【0024】
次に、本発明の包装体1に用いる合成樹脂製フィルムについて説明する。この合成樹脂製フィルムは本発明の包装体1において、2つの密封容器3を電子レンジで加熱調理完了まで拘持する役割を担うものであり、本発明の包装体1においては重要な構成要素の一つである。この合成樹脂製フィルムとして用いることができる材料としては、たとえば、軟質ポリ塩化ビニルフィルム、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の一種ないしこれらを組み合わせた周知のストレッチフィルム、あるいは、ポリ塩化ビニル、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、収縮ナイロン、発泡ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等の一種ないしこれらを組み合わせた周知のシュリンクフィルムが適当であり、この合成樹脂製フィルムの厚さとしては費用対効果を勘案して適宜きめればよいが、概ね20〜80μmが適当である。
【0025】
【実施例】
上記の本発明について、以下に実施例をあげて、さらに詳しく説明する。
実施例1
0.7mm 厚さの結晶性プロピレン単独重合体/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物/結晶性プロピレン単独重合体(厚さ比4/1/5)からなる開口部が直径130mm の円形状であって、上記開口部に10mm幅のフランジ部を有し、深さが50mmの略円筒形容器に200gの米飯を無菌充填すると共に、直径が150mm であって、その外縁の一箇所から30mm幅で長さが170mm の帯状の開封片を有する形状に型抜きされた12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートと15μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルムと結晶性プロピレンーエチレンランダム共重合体/高圧法低密度ポリエチレン/エチレンプロピレンゴムの58/40/2の重量%の割合の混合樹脂からなる50μmの無延伸フィルムとを順に周知のドライラミネーション法で貼合した積層体からなる蓋体で開封片の箇所が開封片方向(容器の外側方向)に凸形状となるように線状に熱接着して密封容器Bを作製した。次に、0.7mm 厚さの結晶性プロピレン単独重合体/エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物/結晶性プロピレン単独重合体(厚さ比4/1/5)からなる開口部が直径130mm の円形状であって、上記開口部に10mm幅のフランジ部を有し、深さが20mmの略円筒形容器に200gのカレーソースを充填すると共に、直径が150mm であって、その外縁の一箇所から30mm幅で長さが170mm の帯状の開封片を有する形状に型抜きされた12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートと15μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルムと結晶性プロピレンーエチレンランダム共重合体/高圧法低密度ポリエチレン/エチレンプロピレンゴムの58/40/2の重量%の割合の混合樹脂からなる50μmの無延伸フィルムとを順に周知のドライラミネーション法で貼合した積層体からなる蓋体で開封片の箇所が開封片方向(容器の外側方向)に凸形状となるように線状に熱接着して密封容器Aを作製し、このカレーソースが収容された密封容器Aを120°Cで30分間レトルト殺菌処理を施した。次に、前記密封容器Aと前記密封容器Bとを前記密封容器Aと前記密封容器Bとに設けた前記開封片の位置が合うように蓋体同士重ね合わせると共に、前記密封容器Aと前記密封容器Bとに設けた前記開封片を前記開封片の開始部でそれぞれ折り返し、前記開封片の先端を前記開封片の開始部と丁度反対側の前記密封容器Aと前記密封容器Bとの間から外に出して密封容器Bにセロハンテープで仮止めした。その後、重ね合わせた前記密封容器Aと前記密封容器Bとを、直径160mm 、長さ100mm の円筒形に成形すると共に、所定箇所に一辺が40mmのコの字形状のミシン目を形成した80μmの1軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに挿入して熱収縮させて、図1に示す本発明の包装体を作製した。
【0026】
このものを用いて、まず、包装体の熱収縮させた1軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのミシン目を切り欠いて開封片の先端を取り出し、取り出した前記開封片の先端を引くことにより密封容器A、Bから蓋体を容易に剥離することができると共に、前記密封容器Aに収容されたカレーソースを前記密封容器Bに収容された米飯上にのせることができた。その後、電子レンジ(定格高周波出力500W)で3分間加熱調理を行った。加熱調理することにより発生する蒸気等の内部圧力は、1軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの切り欠いた箇所からスムーズに逃がすことができ、容器が変形することなく加熱調理することができた。また、加熱調理後に1軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムと密封容器Aの容器本体とを取り除くことにより、密封容器Bの容器本体がそのまま米飯上にカレーソースがかけられた状態のカレーライスの容器とすることができると共に、そのまま食することができ、食味も良好であった。
【0027】
【発明の効果】
本発明の包装体は、今まで縷々説明してきたように、食べる際に複数の内容物を一緒にする必要のある調理済あるいは半調理済等の食品を食べる直前まで完全に密封できると共に、食べる時には、容易に、衛生的に複数の内容物を一緒にすることができ、かつ、複数の内容物が一緒にされた食品を収容したままで電子レンジにより加熱調理でき、適度の蒸らし効果が得られると共に内容物の吹きこぼれ等が殆ど生じることがなく、また、持ち帰り時や食べる時の容器としても用いることができるという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる包装体の1実施例を示す斜視図である。
【図2】 図1のX−X線の断面図である。
【図3】 本発明にかかる包装体の密封容器の開封開始端の形状の1実施例を示す要部平面図である。
【符号の説明】
1 包装体
2 蓋体
3 容器本体
4 熱接着部
5 合成樹脂製フィルム
6 開封片
7 開封片の先端
8 開封用切目
A,B 密封容器
C 剥離開始端となる箇所

Claims (3)

  1. 蓋体と開口部にフランジ部を有する容器本体とからなり、前記容器本体のフランジ部において前記蓋体を熱接着部で剥離可能に熱接着して密封した密封容器を、蓋体側同士を重ね合わせると共に重ね合わせた2つの密封容器を合成樹脂製フィルムで一体的に拘持した包装体において、前記重ね合わせた2つの密封容器の蓋体の外縁の対向する位置からそれぞれ前記外縁に連接して開封片が設けられ、前記開封片をそれぞれの前記外縁で折り返して、さらに前記開封片の先端を重ね合わせた状態で前記重ね合わせた2つの密封容器の外に出すと共に、前記開封片の先端と対応する前記合成樹脂製フィルムの位置に前記開封片の先端を取り出すための開封用切目が形成されていることを特徴とする包装体。
  2. 前記包装体において、前記蓋体の外縁に連接して設けた開封片の前記蓋体の外縁の開始点を結んだ線の略垂直2等分線と交わる前記熱接着部の箇所が外側方向に突出するように形成されていることを特徴とする請求項1記載の包装体。
  3. 前記包装体において、前記開封片の少なくとも先端部が前記開封片同士接着されていることを特徴とする請求項1、2のいずれかに記載の包装体。
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